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生物学的人間学 第13回目 呼吸器系と循環器系 今日のゴール (1) (2) (3) (4) (5) 呼吸するために体はどう動くか 呼吸する際に空気はどのように通って肺に入るか 呼吸する際に肺はどのように動くか 心臓はどのような形をしているか 血液はどのような経路を循環するか 2016 7 4 肺 肺尖 肺底 肺 肺尖は鎖骨より高い位置 肺底は横隔膜の上に乗る 右の方が少し大きい 心臓が左に偏心しているため このため気管支も右側が太い 肺胞 約1億 表面積はバレーコート半面分 と言われている 呼吸筋 肺は胸腔が 大きくなったり小 さくなったりする ことにより、受動 的に空気を出し 入れする。 肋間筋と横隔膜 が呼吸筋 吸気には外肋間筋と横隔膜が同時に収縮し、胸郭を拡げて、胸腔 内を陰圧にして肺を膨らませます。 呼気には内肋間筋が収縮して肋骨を下げ、横隔膜は弛緩して、胸 腔を狭くします。 呼吸筋 横紋筋 横隔膜と肋間筋(内、外) 胸腔を広げたり狭めたりすることで 肺を受動的に膨らませたりしぼませたりする 吸気 横隔膜と外肋間筋が作用(収縮)する 呼気 肺胞が縮もうとする力、内肋間筋 腹筋も腹圧を高めて横隔膜を上に押し上げる ことで関与 横隔膜は頸髄(脊髄の首の部分)に支配されている テトロドトキシン、アコニチン(トリカブトの毒)は神経に 作用して呼吸筋を止めて死に至らせる https://www.youtube.com/watch?v=E1CWKhb_jX8 https://www.youtube.com/watch?v=avAbXT0fCVc 胸膜 肺尖 胸膜に穴 が開くと、 胸膜腔に 空気が入 り、 肺尖は肋骨より上にあることに注意 気胸 気胸とは、肺の表面を覆っている薄い膜(胸膜)が破 れて、吸い込んだ空気が胸腔内に漏れ、肺を圧迫し た状態を指します。 哺乳動物の肺は出口と入口が同じ 吸気と呼気が混ざる ガス交換の効率が低い 肺胞の中に 毛細血管が ある。肺胞細 胞を介して、 空気中の酸 素と炭酸ガ スをやり取り する。 毛細血管は、 空気とは直 接には触れ ない。 サーファクタント 肺胞は球形であり、ここに発生する表面張力は、肺胞を つぶす方向に働く。この力で肺胞が虚脱するのを防ぐた め、生体においては、界面活性剤によって表面張力を緩 和している。この界面活性剤が肺サーファクタントである。 肺胞の表面聴力を下げて、肺胞が広がりやすくなる。 胎生34週より分泌が開始される。90%のリン脂質と10% のタンパク質によって構成されている。脂質の80%をしめ る主要成分はリン脂質のジパルミトイルホスファチジルコ リン(dipalmitoyl lecithin: DPL)で、その他遊離脂肪酸お よびトリグリセリド。 II型肺胞上皮細胞が分泌 32週未満で生まれた場合には、サーファクタントが分泌 されていないので、肺胞が広がらない。呼吸できない。人 工サーファクタントを肺に入れて肺胞を広げる。 高山病(高度障害) 低酸素状態に置かれたときに発生する症候群。 概ね2400m以上の高山に登り酸欠状態に陥った場合 頭痛、吐気、眠気(めまい)である。他に、手足のむく み、睡眠障害、運動失調、低圧と消化器官の機能低 下からくる放屁 重症の場合は高地脳浮腫や高地肺水腫を起こし、死 に至ることもある 鳥はなぜ高山病にならないのか 気嚢 肺 気嚢 吸気 気嚢とよばれる『ふいご』 の機能を持った構造があ り、空気を『循環』させる 呼気 多少、古い空気がたまる 常に新鮮な空気が供給される 気道の初部 鼻腔 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 咽頭 鼻部 喉頭蓋 咽頭 喉頭部 咽頭 口腔部 喉頭 声帯/喉頭 気管などの気道上皮では 繊毛運動により異物を外 に出す→痰として体外へ 鼻腔 鼻腔の機能 吸気に湿度を与えて適度に温める 粘膜が厚い(寒冷刺激ですぐにつまる) 乾燥・寒冷地帯の人種と熱帯雨林地方の人種とでは形が違う https://www.youtube.com/watch?v=d8eS9eSoVrI (鼻腔) 皮膚呼吸 爬虫類、両生類でみられる皮膚や粘膜を介した呼吸 「ヒトで皮膚呼吸を妨げると命に関わる」? 『007 ゴールドフィンガー』で、ボスを裏切った女性が全身 に金粉を塗られて殺された場面が登場したことが起源と言わ れている → 医学関係者は否定している 汗や放射による体温の調節ができず熱中症により死亡 気管小枝が組織の中に入り込み直接ガス交換する 気管小枝 気管支、気管小枝が体の細部ま で分布している。ちょうど、哺乳動 物の毛細血管のように。 呼吸筋はグルタミン酸で動いてい る。殺虫剤は、グルタミン酸受容 体の阻害剤が多い 気門 気管支 呼吸器系のまとめ ①肺の一番上部である肺尖は鎖骨より上に位置する ②肺は、右は三葉、左は二葉あり、右の方が少し大きい ③肺胞に分布する毛細血管は、肺胞細胞に挟まれて存在し 空気と触れることは無い ④呼吸筋には内および外肋間筋と横隔膜がある。このうち横 隔膜は収縮すると胸腔が拡がり吸気に働く ⑤息を吐き出す時には、横隔膜が弛緩し内肋間筋により胸郭 が狭くなる ⑥肺胞にはサーファクタントとよばれる界面活性剤が分泌され ており、これにより表面張力を低くして広がりやすくしている ⑦肺胞には異物を処理するマクロファージがたくさん存在する ⑧気道上皮細胞の線毛は、粘液にくっついた異物を痰として 外に出す機能を持つ ⑨昆虫は、毛細血管の代わりに気管小枝と呼ばれる管が分 布してガス交換に働く 血管の構造 内皮細胞 中膜(平滑筋など) 外膜 循環器系 動脈は中膜が厚い 毛細血管は、内膜のみでできている→内皮細胞 動脈と静脈、毛細血管 動脈:心臓から出る血液を運ぶ、血圧が高いので中膜が厚い 静脈:心臓に入る血液を運ぶ、壁が薄い 動脈血:酸素をたくさん含んでいる血液、鮮やかな赤色 静脈血:酸素が少なくCO2を多く含んでいる血液 心臓と肺を結ぶ血管 肺動脈:全身から帰ってきた血液を肺に送る 静脈血 肺静脈:肺でガス交換の済んだ血液が心臓に帰る 動脈血 動脈血と静脈血が混ざらない;心室・心房中隔の形成 心拍数の調節 『興奮』を自分で作り、 これを心臓全体に伝 えて、収縮を繰り返す 心筋 出来上がった心筋 は、細胞分裂しない (神経細胞と同じよう に)。 交感神経:心拍数を上げる 副交感神経(迷走神経):心拍数を下げる Aschner試験→眼球を押さえると心拍数が下がる 三叉神経で感覚を受容し、迷走神経が興奮する https://www.youtube.com/watch?v=oHMmtqKgs50 動脈と静脈 通常は並走する 動脈は心臓のポンプで血液が送られる 毛細血管で心臓からのポンプの圧は無くなる 静脈はどうやって心臓まで血液を送るのか? 静脈血は血圧はないのに心臓に向かうのは動脈ポンプ、 骨格筋ポンプ、呼吸ポンプによる。 動脈ポンプは、動脈拍動により静脈が圧搾されるもの。 骨格筋ポンプとは下腿の筋の収縮により、静脈が圧搾 されるために生ずる圧力を言う。 いずれも、近位弁と遠位弁、すなわち心臓に近い静脈弁 と心臓から遠い静脈弁の間で筋肉の収縮が起こると、2 つの弁に挟まれた静脈血が心臓に向かって流れる。 呼吸ポンプとは、横隔膜の移動による胸腔圧力の変化 を指す 皮静脈 動脈に伴走しない 輸液に使う(前腕の静脈) 血液脳関門 vs それ以外の組織の有窓血管 動脈管 卵円孔 19が門脈 消化管と脾臓を流れた血液 のすべてを肝臓に運ぶ。 消化管の毛細血管と肝臓 の毛細血管に挟まれた特 異な血管、静脈に属する 肝臓の病気で、 食道、腹部の皮静脈、肛門 の周りの静脈で、静脈瘤が できる 食道静脈瘤 メドゥサの頭 痔 総頸動脈 橈骨(とうこつ)動脈 足背動脈 循環器系のまとめ ①肺循環は、右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房の順で血 液が循環する ②血管は、内皮細胞、中膜、外膜でできている。動脈は中膜が 厚い。 ③毛細血管は内皮細胞のみでできている。 ④通常の毛細血管は、血管の液性成分が抹消の組織に拡散す るよう穴が開いている ⑤脳に分布する血管は、血管の内容物が脳に拡散しないような 仕組みになっている。 ⑥下半身の静脈では血液を心臓に戻すため、筋収縮、呼吸、動 脈拍動などの動きを使う。 ⑦胎児の循環系では、肺でガス交換をしないので、独特の循環 路がある。 ⑧肝臓は消化管と脾臓を通った血液がすべて集まる。