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年金資産運用の基本方針 - 東京乗用旅客自動車厚生年金基金
年金資産運用の基本方針 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 年金資産運用の基本方針 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 東京乗用旅客自動車厚生年金基金(以下「基金」という。)は、年金給付等積立金(以下 「年金資産」という。)の運用にあたり厚生年金保険法第136条の4に基づき、以下の基 本方針を定め、当基本方針に基づき年金資産の管理運用を行うものとする。 当基本方針の策定および改定等については年金資産運用管理委員会(以下「委員会」とい う)が検討するものとし、理事会の決定を得た後、代議員会で議決する。これを変更する場 合においても同様とする。 基金および運用受託機関並びに資産管理受託機関(以下「受託機関」と総称する。)は、 当基本方針に基づき、年金資産の運用・管理を行うものとする。 Ⅰ.基本的考え方 1.運用の目的 平成 25 年 6 月 19 日に基金制度改革法案が成立したことをうけ、平成 25 年 9 月 17 日開催 の第 167 回代議員会で議決された「基金制度改革法案成立後の年金資産運用について」に基 づき、「基金制度終了に向け、年金財政の健全性と不足金の減少を目指す」とともに、解散 又は代行返上する際の最低責任準備金を確保するために年金積立金管理運用独立行政法人 (以下「GPIF」という。)の収益率に劣後しないことを目的とする。 このため、リスク全般(GPIFの資産配分との乖離幅、価格変動や流動性等の運用リス クに加え、運用受託機関等の運用体制、管理態勢や事業経営に起因するリスクを含む)の管 理に重点を置きつつ、必要とされる総合収益(トータルリターン)を獲得する確信度を高め る。 2.運用の目標 年間の収益率として、GPIFの収益率と加算部分予定利率5.5%を複合した収益率の 獲得を目標とする。 3.政策アセットミックスの策定 (1)Ⅰ-2の年金資産の運用の目標を達成するため、基本となる投資対象資産の期待収益 率の予測に加え標準偏差と相関係数を考慮した上で、最適な組み合わせである政策ア セットミックスを策定し、これに基づく資産配分を維持するよう努める。 策定に当たっては、専門的知識および経験を有する者(運用コンサルタントなど)か ら意見を聴取するとともに、市場環境に見合った資産配分を機動的に行う。 また、政策アセットミックスは、策定時の諸条件に著しい変化があった場合は、可及 的速やかに見直しを行う。 政策アセットミックス(参考値) 投資対象資産 短期資産 国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 オルタナティブ 構成割合 (%) 0 35 25 15 25 0 許容乖離幅 (%) - -35 ~ -9 ~ -15 ~ -8 ~ 0 ~ +10 +18 +5 +48 +30 期待収益率 (%) 1.0 2.0 5.2 3.5 6.2 5.60 標準偏差 (%) 0.5 4.7 25.1 12.6 27.3 6.30 (2)生命保険会社が行う一般勘定および為替ヘッジ付外国債券による運用は、国内債券運 用と位置づける。 (3)株式運用には株式ロングショート、株式マーケットニュートラルの代替投資は,株式 運用と位置付ける。 (4)上記(2)、 (3)に含まれない投資対象資産および投資戦略は,オルタナティブ運用 と位置付ける。 (5)この政策アセットミックスによる年金資産運用は、GPIFの収益率と加算部分予定 利率5.5%を複合した収益率の獲得を目標とする。 (6)ベンチマークは、運用資産別に次の指数等を用いる。 ① ② ③ ④ 短期資産・・・・・・無担保コール翌日物 国内債券・・・・・・NOMURA―BPI(総合) 国内株式・・・・・・TOPIX(配当込) 外国債券・・・・・・シティグループ世界国債インデックス(日本を除く、円換 算) ⑤ 外国株式・・・・・・MSCI-ACWI(日本を除く、円換算) ⑥ オルタナティブ・・・HFR 総合指数 なお、個別資産ごとのベンチマークは別紙1を参考に、運用資産内容によって最適な 指数を選択する。 4.運用受託機関の選任 (1)集中投資に関する方針 当基金は、年金資産全体では4-(1)の政策アセットミックスに基づいた分散投資を行 い、投資対象資産区分ごとにおいても投資対象、運用スタイル・手法の分散を勘案し、最も 適切な運用機関を選任する。 また、当基金の年金資産全体から見て、特定の運用受託機関や特定の商品に対する資産運 用の委託が過度に集中しないようにしなければならない。 ただし、以下のような合理的理由がある場合は、運用受託機関の信用リスクなどに十分な 注意を払った上で投資することができるものとする。 ①特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品、複数の投資戦略を用いる商品、 または、複数の商品に投資する場合 ②元本確保型の資産に投資する場合 ③その他合理的理由がある場合 (2)選任 政策アセットミックスに基づき、投資対象資産区分ごとに運用スタイル・手法の分散を勘 案して最適な運用受託機関を選任し、各運用受託機関に対し「年金資産運用の基本方針」を 提示する。 運用機関の選任にあたっては、当該運用機関の実務担当者に対するヒアリングを行い、当 該運用受託機関の (1) 組織及び人材、経営理念、経営内容及び社会的評価 (2) 企業年金制度に対する理解と関心 (3) 運用方針及び運用スタイル・手法 (4) 情報収集システムや投資判断プロセス等運用管理体制 (5) リスク管理体制、コンプライアンス (6) 運用担当者の能力、経験 (7) 年金運用の経験と実績 (8) 保険金支払い能力、 利回り等の商品性、一般勘定で保有する資産内容等 など、定性面や定量面からの評価に基づいて総合的に勘案し、委員会において十分審査する ものとする。 また運用コンサルタントからの助言を得るものとする。委員会で内定した運用受託機関に ついては、理事会で決定し、代議員会で議決する。これを変更する場合においても同様とす る。 5.運用受託機関の評価及び委託元本の変更等 (1) 運用受託機関の評価は、定量評価と定性評価に基づいて総合的に行う。評価期間は 原則として 3 年程度とするが、運用成績が著しく不良である場合や社会的な見地から 委託することが著しく不適当な場合等は、この限りではない。 ① 定量評価 市場における収益率(ベンチマーク)との相対運用資産についての収益率は、原則 として時間加重収益率によって算出し、運用上のリスクは、ベンチマークに対する 標準偏差(トラッキングエラー)によって算出する。 定量評価は、当該収益率とベンチマークを比較することにより行うほか、当該収 益率に基づき運用スタイルを同じにする運用受託機関相互間での比較評価を行う。 なお、パッシブ運用を行う運用受託機関の評価は、トラッキングエラーの大小及 び安定性を考慮する。 絶対収益を目指す資産については、各資産が定めた運用目標を上回る収益率の絶 対値で評価する。 ② 定性評価 各運用受託機関の投資方針、組織及び人材等に関する評価を行う。その際、運用 スタイル・手法と実際の投資行動との整合性についても考慮する。なお、具体的に は以下の事項等に留意して評価を行うものとする。 項 目 投資方針 留意事項 ・内容の明確性、合理性、一貫性など ・意思決定の流れや責任の所在の明確性 組織及び人材 ・十分な専門性・経験を有する人材の配置 ・人材の定着度と運用の継続性・再現性の確保 運用プロセス ・投資方針との整合性 ・運用の再現性 ・リターンの追求方法の合理性・有効性 ・リスク管理指標の合理性・有効性 事務処理体制 ・売買、決済等の事務処理の効率性及び正確性 ・運用実績の報告の迅速性、正確性、透明性 リスク管理体制 ・実効性及び適切性など コンプライアンス ・法令や運用指針遵守体制の整備状況 ・過去における法令違反の有無 ・事故発生時における対応体制 ・監査の状況(内部監査、外部監査) なお、オルタナティブ投資における運用受託機関の選任・評価にあたっては、 (別 紙2)に定める「オルタナティブ投資に係る留意事項」に定める事項も考慮するも のとする。 以上の評価に基づいて運用受託機関に対する資産配分シェアの変更等を行い、より 効率的な資産運用を目指す。 (2) 委託元本の変更等については、下記の項目等に該当したときに行なう。 ① 基金全体の資産構成が政策アセットミックスから著しく乖離し、その修正を行う 必要がある場合。 ② 想定しているリスク量から著しく乖離し、その修正を行う必要がある場合。 ③ 運用スタイル・手法の適正な分散を目的として、基金の政策的判断を優先して資 産配分シェアの変更、委託契約の解除又は運用ガイドラインの変更を行う場合。 ④ その他より効率的な資産運用を行うために委託元本の変更を必要とする場合。 6.資産管理機関の選定及び評価 (1) 資産管理機関(運用受託機関から運用の指示を受け専ら資産管理を行う機関をいい、 資産管理を委託されている運用受託機関を含む。以下同じ。)の選任にあたっては、当 該資産管理機関の ① 経営理念、経営内容及び社会的評価 ② 企業年金制度に対する理解と関心 ③ 資産管理体制およびシステム対応状況 (有価証券の保管、資金の決裁業務、再保管先の選択等について細心の注意が払わ れているか、年金資産を自己資産から明確に区分して管理しているか等) ④ 資産管理上の最良執行の実施 ⑤ 報告の適正実施 ⑥ 事務管理上のミスの発生頻度と内容の重要性 (2) 資産管理機関の評価 委員会において以下の項目を審査するものとする。 ① 定性評価における組織 ② リスク管理 ③ 資産管理能力 ④ 報酬 なお評価にあたっては、運用コンサルタントからの助言を得るものとする。委員会 で内定した資産管理機関については、理事会で決定し、代議員会で議決する。これを 変更する場合においても同様とする。 7.年金資産運用状況の情報開示 受託者責任の観点から、加入員等に対し基金の年金資産運用状況等について広報誌等を通 じて積極的に開示するよう努める。 8.運用コンサルタント等の利用 運用基本方針、運用ガイドラインの策定、運用受託機関の選定、運用評価等に関し、必要 な場合には、運用コンサルタント等外部の機関に分析・助言を求める。 Ⅱ.投資対象資産 1.基本となる投資対象資産 基金の政策アセットミックス策定の基本となる投資対象資産は、公開され流動性が高い、 伝統的な資産たる株式、国内外の債券、短期資産およびオルタナティブ(いわゆる非伝統的 資産)とする。 2.オルタナティブについて ①不動産投資 不動産については、個々の物件ごとに投資価値を判断することが必要であり、流動性 も有価証券と比べ大幅に劣る資産であることからその他資産として位置づける。 ②その他資産 いわゆる非伝統的資産については、リスクおよびリターンの特性、流動性、評価方法 等について慎重な検討を行い、投資対象として適切なものであることについて見極め た上でこれを採用する。 また、採用にあたっては別紙2のオルタナティブ投資に係る留意事項に基づくものと する。 Ⅲ.基金が運用業務に関し遵守すべき事項 1.法令の遵守 基金は、年金資産の管理または運用にあたっては、法令を遵守するとともに、その確保 のための体制の整備等に努めるものとする。 2.基金の責任 年金資産の管理および運用にあたっては、善良なる管理者の注意をもって、専ら受益者 たる加入員、受給権者等の利益に対してのみ忠実に最善の努力を果たす義務を負うものと する。 Ⅳ.運用受託機関が資産運用管理に関し遵守すべき事項 基金は、運用受託機関に対して、以下の事項につき、その具体的内容を運用ガイドライン により提示するとともに、その遵守状況を管理する。 1.受託者責任 運用受託機関は、基金の年金資産の運用管理にあたっては、善良なる管理者の注意を以っ て、専ら委託者たる基金の利益に対してのみ忠実に職務を遂行しなければならない。 また、運用受託機関はこの主旨を、基金の年金資産の運用管理業務に携わる自社の全ての 役職員に対し、周知徹底を図ること。 2.議決権の行使 運用受託機関は、専ら投資家たる基金の利益増大のため株主議決権を行使すること。 3.法令遵守体制の整備 運用受託機関は、法令を遵守するとともに、その確保のための体制の整備に努めること。 4.運用スタイル・手法の明確化 運用受託機関は、運用ファンドごとの運用哲学及び運用方針並びにそれに基づく運用スタ イル・手法を明らかにし、これを変更する場合は、その旨を基金に文書で通知し、協議する ものとする。 5.目標 運用受託機関は、自らの運用スタイル・手法から想定されるリスクの下、期待される収益 率の実現を目指し最大限の努力を行うこと。 6.運用上の遵守事項 運用受託機関は、下記の事項及び基金の提示した運用ガイドラインを遵守しなければなら ない。 (1) 各資産の共通事項 ① 原則として、他の委託者の資産と合同で運用を行わず単独の運用とすること。た だし、次の条件が満たされており、かつ、基金が承認した場合は合同運用ができる ものとする。 (ア) 運用方針が明確なこと (イ) 基金が合同運用口により運用することが適切であると判断したとき (ウ) 合同運用口のディスクローズが十分に行われていること ② 個別銘柄を選定する際には、流動性が低いからという理由だけで投資対象から除 く必要はないこと。ただし、資産全体として流動性の確保に留意すること。 ③ 運用ガイドラインで指定された資産区分に従ってフルインベストメントを基本と し、余裕資金は最小限とすること。また、余裕資金については流動性及び収益性に 留意した上で、適切な投資対象を選ぶこと。 但し、別途運用ガイドラインで指定された場合はこの限りではない。 ④ 有価証券の頻繁な売買に伴うマーケットインパクトを含む総取引コストの増大に より、全体としての収益率を下げるようなことは避けること。 ⑤ デリバティブの利用は、効率的なリスク管理を目的とする場合に限定すること。 具体的な遵守事項は運用ガイドライン等において明記する。 ⑥ 不動産の取得又は処分に関しては、事前に基金と協議を行うこと。 (2) 売買執行に関する事項 有価証券の売買執行を行う際は、基金にとって何が最良執行なのかを常に念頭に置き ながらマーケットインパクトを含む総取引コストが最小になるように執行すること。 (3) 個別の資産区分に関する具体的な遵守事項 下記項目について運用ガイドライン等において明記する。 ① 投資対象に関する事項 ② 分散投資に関する事項 ③ 信用リスク等のリスク管理に関する事項 ④ その他必要な事項 7.資産管理上の留意点 基金の行う資産配分、運用ガイドラインの変更及び契約の解除等に伴い、資産の売却が必 要となった場合には、運用受託機関はマーケットインパクト、取引コスト等に細心の注意を 払い、基金にとって不利益にならないように最善を尽くすこと。 8.報告事項 運用受託機関は、下記の事項につき報告を行うほか、受託者責任を踏まえ、年金資産の管 理及び運用に関する情報を基金に対して提供すること。 (1) 資産管理及び運用状況に関わる報告 運用受託機関は、毎月末の年金資産の管理及び運用状況(特定信託に係る投資顧問に あっては運用状況。)に関する報告書を基金に対して提出すること。また、基金から要 請があった場合には、その指示に基づいて報告を行うこと。 なお、契約書、本基本方針又は運用ガイドライン等に反する行為があった場合は、運 用受託機関は直ちに基金に対し報告を行い、指示に従うこと。 (2) ミーティング 基金と運用受託機関は、定期的に年金資産の運用に関しミーティングを行い、運用に 関する重要事項について協議するものとする。また、それ以外にも必要の都度、情報交 換や協議を行うものとする。 9.その他 (1) 基本方針を変更する場合には、基金から運用受託機関に対して、文書によって示す ものとする。 (2) 各運用受託機関に固有の事項については、運用受託機関宛の運用確認書(運用ガイ ドライン)において規定する。 (3) 基本方針に関し、運用受託機関として意見がある場合は、基金に対して文書により 申し出ることができる。 平成26年12月16日から施行する。 別紙1 <株式> ・東証株価指数<TOPIX>(市場第1部、配当を含む) ・RUSSELL/NOMURA SMALL Cap インデックス(配当を含む) ・RUSSELL/NOMURA Micro Cap インデックス(配当を含む) ・ラッセル野村 総合 グロース(配当を含む) ・ラッセル野村 総合 バリュー(配当を含む) ・MSCI-ACWI(円換算) ・MSCI-ACWI<日本除く>(円換算) ・MSCI-World(円換算) ・MSCI-KOKUSAI(円換算) ・MSCI-Emerging Markets Free(円換算) ・MSCI-Europe(円換算) ・ラッセル 1000 成長株指数(円換算) ・ラッセル 1000 割安株指数(円換算) ・ラッセル 2000 成長株指数(円換算) ・ラッセル 2000 割安株指数(円換算) ・ラッセル 3000 成長株指数(円換算) ・ラッセル 3000 割安株指数(円換算) ・MSCI-World Small Cap(円換算) ・MSCI-KOKUSAI Small Cap(円換算) ・MSCI-Frontier マーケット インデックス(円換算) <国内債券> ・NOMURA-BPI(総合) ・NOMURA 変動利付国債インデックス <外国債券> ・シティグループ世界国債インデックス(日本を除く、円換算) ・バークレイズ・キャピタル・グローバル総合インデックス(日本を除く、円換算) ・JPモルガンEMBIグローバル(円換算) <オルタナティブ> ・HFR 総合指数(円換算) ・FTSE EPRA/NARIET グローバル・トータルリターンインデックス(円換算) 別紙2 オルタナティブ投資に係る留意事項 1.定義 ・ オルタナティブ投資とは、内外株式および内外債券などの伝統的な資産以外の資産へ投資 を行うもの、または、現物資産の買建てのような伝統的手法以外での投資手法およびヘッジ 目的以外でデリバティブ取引を行うものと定義する。 2.目的 ・ 年金資産運用において効率的なポートフォリオ構築を行うために、伝統的資産とは異なるリタ ーン・リスク特性、相関関係を有するオルタナティブ資産への投資を行い、収益源泉の分散、 収益機会の追求を図る。 3.位置付け ・ 国内外債券及び株式以外の投資対象資産および投資戦略を、オルタナティブ投資と位置付 ける。 なおロングショート、マーケットニュートラルは伝統的手法と位置付ける。 4.投資割合 ・ リターン/リスク特性を、オルタナティブ投資の定性面のみならず、定量的に把握・分析し、ポ ートフォリオの最適化等の適切なプロセスを経て総合的に評価した上で、他の資産と同様に、 資産割合等(基準となる構成割合と乖離許容幅等)を決定するものとする。 ・ 伝統的資産の代替としての位置付けで伝統的資産に計上する場合においても、適切な投資 割合等を設定し、過大にリスクを取らないよう注意するものとする。 5.固有のリスクに関する留意事項 ・ オルタナティブ投資に固有のリスクは商品により様々であり、その商品選定に際しては十分調 査し理解するものとする。特に、流動性リスク、レバレッジ(てこ)の利用による全損リスク等に留 意するものとする。 6.運用受託機関の選任 ・ 基本方針に定める他に、以下の事項に留意しなければならない。 項 目 留意事項の例 ・組織の概況、意思決定プロセスの流れ 組織体制に関する事項 ・コンプライアンス(法令、運用指針の遵守状況)等の内部統制体制 ・監査体制(内部監査、外部監査) ・一般に適正と認められる認証基準等の取得状況 ・財務状況の推移 財務状況等に関する事項 ・運用受託実績等の推移 ・一般に適正と認められる格付機関等による評価状況 7.運用戦略の確認 ・ 運用受託機関に対し、当該運用戦略の内容等についての説明を求め、その内容を確認しな ければならない。 項 目 共通事項 個別運用戦略 確 認 事 項 当該運用戦略の ・リターンの源泉 ・リスク ・時価の算出の根拠、報告の方法 ・情報開示を求めた場合の態勢 ・運用報酬等の運用コスト ①外国籍私募投資信託等、海外ファンドを用いた投資を行う場合 ・ファンドの監査の有無 ・当該運用受託機関と資産管理機関及び事務処理機関との役員の兼職等の人的 関係や資本関係 ②先物取引、オプション等のデリバティブ(金融派生商品)を用いた投資を行う場合 ・レバレッジ(先物取引、オプション等を利用し、少額の投資でより多くのリターンを 目指す運用手法)によるリスク ③証券化の手法を用いた商品に投資を行う場合 ・当該戦略の仕組み(原資産の特性を含む)とそれに内在するリスク ④異なる複数のヘッジファンド(様々な投資手法を用いてリスクを抑えつつ、絶対的 収益を目指す運用手法を採用するファンド)に投資する運用戦略(ファンド・オ ブ・ヘッジファンズ)に投資を行う場合 ・それぞれの運用戦略の相関関係 ⑤未公開株式や不動産等に投資する場合 ・換金条件等の流動性に関する事項 8.評価 ・ 前記「6.運用受託機関の選任」における留意事項に加え、運用実績、運用体制、運用リスク管 理、法令遵守、資産管理、情報開示などの状況についても把握し評価を行う。