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送電線用ディジタル電力線搬送装置の開発
送電線用ディジタル電力線搬送装置の開発 背景と目的 送電線を伝送路として使⽤する電⼒線搬送装置は、 電⼒保安通信⽤として昭和20 年代から使⽤されて きている,歴史のある伝送技術であります。 しかし近年、通信機器のデジタル化や、IP機器の 急速な普及により、電⼒線搬送装置についても、ア ナログ⽅式からデジタル⽅式への移⾏が要求されて きています。 送電線を使⽤してデジタル伝送する場合、伝送路上 で発生する遅延信号で、デジタル信号間の干渉が著 しくなることや、雷などの外来雑⾳の影響を受けや 経営効率化のための 研究開発 すいことなどの課題があり、十分な伝送品質の確保 が困難となっていました。 図1 送電線用デジタル電力線搬送装置 そこで、これら課題に対応するため、送電線路の遅 開発品の特長 延・雑⾳特性に特化させた各種デジタル信号処理技 • 既存のアナログ電⼒線搬送装置と置換えるのみで、 術を開発し、図1に⽰す送電線⽤デジタル電⼒線搬 デジタル化が可能となります。 送装置によって可能としました。 • 伝送速度192kbps でのデータ伝送が可能で、直接 さらに現在は,適応する送電線路を拡⼤するため IP ネットワークへ接続ができます。 以下の研究開発を⾏っております。 ●雑⾳の⼤きい線路に対応するため,送信電⼒の増⼤。 ●同一送電線路に接続されている複数電気所間で,デ ジタル伝送を可能とする新たな信号処理技術の開発。 • 電話回線などの⾳声帯域アナログ信号と64kbpsの デジタル信号をIP伝送として同時に使⽤すること が可能です。 ●限られた周波数帯域を効率的に活⽤するため,伝送 受 賞 • 電気科学奨励賞(オーム賞) 帯域幅の狭帯域化と,フレキシブルな周波数配置を <電気科学技術奨励会> 可能とさせる適応技術の開発。 • 東北電気関係事業功績・功労者表彰 特別功績賞 <⽇本電気協会東北⽀部> • 東北地⽅発明表彰 <発明協会> 特 許 特許登録済 伝送速度192kbps のデジタル信号が伝送可能となっているので、 電話端局装置として適用することが可能となっているので、電話回 IP 機器の接続による画像伝送や、IP ネットワークとの接続が可 線や遠隔監視制御回線などの音声域信号と、64kbps のデジタル 能となり、小規模発変電所でもIP 化の適用が可能となります。 信号をIP伝送として同時に使用することも可能としています。 送電線路 送電線路 PC PC C.F デジタル電搬装置 Web カメラ 10BASE-T/ 100BASE-TX C.F デジタル電搬装置 デジタル電搬装置 HUB HUB 10BASE-T/100BASE-TX C.F C.F デジタル電搬装置 電話 電話 ルータ IPネットワーク CDT ルータ ルータ CDT 配電TC 配電TC IPネットワークとしての適用例 IPネットワーク 電話端局装置としての適用例 担当 : 研究開発センター 研究開発レポート 2015 27