...

No.61 01/06/29 - 生産管理システム TPiCS

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Transcript

No.61 01/06/29 - 生産管理システム TPiCS
No.61
レポート
01/06/29
TPiCS-X Ver2.0 を発売します。
このレポートの原稿を印刷屋さんに渡す前日、株式会
社日立製作所の高倉さんからメールが来ました。
今回のレポートでは TPiCS-X Ver2.0 の案内をするつ
もりで、3 日前に書き終えていましたが、ごっそり書
き換えることにしました。
TPiCS-X Ver2.0 の説明は、今 上書きされ消えつつあ
る原稿より詳しい内容を、弊社ホームページにアップ
ロードしましたので、そちらをご覧下さい。
高倉様
初めてメールいたします。私は○○株式会社の△
△(28 歳一般社員)と申します。
(時間の都合がよろしいときにお読みください)
>必ず失敗するシステム導入その1
「経営のトップが参加しない」
私の会社も同じです。私の会社ではテスト運用の
段階までも到達することができませんでしたが。
3 年ほど前、まだ TPiCS が Btrieve 版だった時
に、高倉さんの研修会に参加させていただきまし
た。
TPiCS を導入するために私は採用されました。
研修会に参加したのは入社から 3 ヶ月後でした。
研修会参加後、早速アイテムマスターや製品構成
表などマスター作成などに取りかかったのです
が、あのころ作成したものは現在も稼動していま
せん。
私の会社も他の多くの失敗例のように失敗しま
した。
というよりも、パッケージソフトを導入するとい
うことはそのソフトに現在の業務を合わせると
いうことを経営者は理解できなかったようです。
現在のやり方を変えようとせず、管理だけを
TPiCS を 使 っ て し よ う と し た の で す 。 当 然
TPiCS の考え方とはまったく違う生産の仕方を
しているので(もともと TPiCS に似た生産をして
いる製造業はないと思いますが)、うまくいくは
ずありません。
私にはいつも考えている疑問があります。
それは経営者というのは従来のやり方を捨て、今
後生き残っていくための会社経営というものを
本当に望んでいるのかということです。
TPiCS を導入してどうしたいのか、今後どのよ
うな生産体制を築きたいのかという 将来にたい
するビジョンというものが私の会社ではまった
く感じられません。「コンピュータを使って生産
管理すればなんでもうまくいく」という安易な考
えがあるだけです。経営者は本当に改革が必要だ
と考えているのでしょうか?
今までとはまったく違うやり方をしようという
のですから、一筋縄ではいかないのは当然です。
ですから、トップのリーダーシップ、情熱がなけ
れば社員はどうしたらよいのか分からず、現在の
混乱した生産をコンピュータを使って再現する
ことになってしまうのでしょう。
TPiCS が目指している「計画変更があっても混
乱なく、短納期に対応できる生産」が実現できれ
ば、どれほど生産力がアップし、顧客満足度が向
上するか経営者には分からないようです。
なんだか、親しい友人でもない方に送るメールで
はなくなってしまいましたが、私のように考えて
いる生産管理部門の人は大勢いらしゃると思い
ます。
今回のテーマ
●
●
●
●
●
●
コロンブスへの手紙(その2)
TPiCS-X Ver2.0 について
株式会社深井製作所様の事例
株式会社佐野製作所様の事例
株式会社タニタハウジングウエア TPiCS 導入活動報告-2
日立電線株式会社 TPiCS 導入活動報告-1
メールはもう少し続き、「会社を辞めようと思っ
ている」こと、「TPiCS が全く動かなかったわけ
ではなく、部品の発注には TPiCS を使っていて、
欠品も昔と比べれば格段に減り、発注作業にかか
る時間も1/3に減らせました」と書いていただ
いています。
高倉様 ご無沙汰いたしております
早速ですが、予定通り 6 月末日をもって結婚退職
することになりました。
結局 TPiCS 導入も、社内システム稼動も路なか
ばのままとなってしまいましたが、昨年高倉さん
1
の研修会に参加させてもらったことは、私個人に
とっては非常にプラスになりました。
この会社、業界、仕事に初心者から飛び込んで 5
年、会社の立ち上げから大きくなるまでかかわる
ことができ、他では得られない経験を数々させて
もらいました。また社内外のたくさんの人と出会
い、ぶつかったり、一緒に仕事を出来たのも貴重
な経験でした。全てこれからの自分に活かせるは
ずです。
来月からはどのような生活になるか、全く白紙の
状態ですが、今まで「ワキメヲフル」暇もなかっ
たので、自分自身の“棚卸”と将来を再考するの
に少し時間を取ってもバチはあたらないでしょ
う。何かの機会で、またご縁があればと思います。
日々、新しい情報 技術等に触れてきた毎日から、
浦島太郎になるわけにはいきません。お手数です
が次のステップが始まるまで下記自宅宛にメー
ルアドレスを変更していただけると幸いです。高
倉さんお薦めで読んだ本、高倉さんが紹介してく
れる前に読んでいた本、いろいろありました。こ
れからはもっと勉強する時間をとれると思いま
す。よろしくお願いいたします。
○○株式会社△△(旧姓)改め□□
これらのメールを頂くと、自分は会社の歯車とし
て働かされているのではなく、世の中に必要とし
てくれている人がいるから、その人達を裏切らな
い為にも一生懸命がんばらなくっちゃ。と思って
仕事ができるのだと思います。自宅に直帰しよう
と思いましたが大森で下りて、仕事を始めてしま
いました。
高倉
その直前まで、私と話をしていたのですが、高倉さん
のメールのタイムスタンプを見ると夜の 22:48 分で
す。
高倉さんは、東京、名古屋、大阪 3ヶ所で毎月研修
会を開いていますが、毎回 20 人程の定員が満員にな
り、最近は弊社の研修会に「高倉さんの研修会が満員
なのでティーピクス研究所の研修会の来ました」と言
う人が出るほどです。
私は、昨日の研修会でもこんな話をしました。
昔は、大きな設備を作って集中生産をし、設備効率 生
産効率を上げることを考えました。複数の異なる工程
があると、それぞれ専門工場化します。生産するため
には材料 部品を移動し、各工場を巡ります。
しかし、最近は設備をできるだけシンプルかつ小型に
し、分散する方向で考えます。
その背景は、生産の小ロット化と同じです。大ロット
や大設備というのは「全体最適」にならないという考
え方が普及してきたからです。ロットとロットの間、
あるいは工程と工程の間にどうしても滞留=在庫が
発生します。
それらが、この変化の激しい時代に対する適応力 対
2
応力を低下させると判断されるようになったからで
す。
ものごと何でも「良い面と悪い面」があります。時代
が変わって、多少の生産性より、変化に対する適応力
の方が重要になってきたからです。
「設備の問題」というのは製造業の企業経営にとって
最重要事項ですから経営者の目が届きますが、「生産
管理の問題」や「システムの問題」というのは、どう
しても「よきにはからえ」になってしまいます。
その結果、担当者レベルの発想、部分最適の考えから
なかなか脱却できません。
さらに「生産管理の問題」を難しくしているのは、
「生
産管理が多少巧くいっていなくても会社はつぶれな
い」ということです。
これは「健康管理の問題」と全く同じです。
「多少、血圧が高くても」「少しぐらい肝臓が悪くて
も」そして「多少、尿に糖がでても」そう簡単には死
にません。
日常生活をおくるには何も問題がありません。
穏やかな日々であるなら。
しかし、世の中が変わり、変化が激しく、速くなりま
した。
製造業がみな駆けださなければならなくなりました。
歩いているだけなら多少血圧が高くてもかまわなか
ったのですが、走るとなるとそうはいきません。
前回のレポートで書いた 私が f-MRP(フレキシブル
-MRP)のロジックを考え出した(1987 年)ころは、一般
的にはまだ単なる「生産性」を追求する時代でしたか
ら、私が f-MRP の説明をしてもなかなか分かっても
らえませんでした。
しかし、現在は多くの方が世の中の変化に関しては理
解をするようになってきたようです。
この 1~2年の間に NHK でも「日本の製造業は再生
できるのか」というような番組が、何度も放映されま
したので、ご覧になった方も多いと思います。
しかし まだ、その変化のなかで、
「自分が何かしなけ
ればならない」
「自分も何か変わらなければいけない」
とは思わないのではないでしょうか?
健康管理の問題は、最近は研究が進み「何をすればよ
いのか」の答えは簡単に手に入ります。それを実行す
ることも簡単です。
しかし、毎日続けるのは難しいです。
「酒や肉は程ほどに控え、魚や野菜を十分取り、体を
動かし、よく運動をしましょう」もう少し上級の技と
して「納豆や海草は体に良い」「ゴマや、ポリフェー
ノルなども体によさそうだ」等です。
生産管理の問題に関する答えも他の分野の問題と比
較すると簡単なことが多いです。しかし、健康管理と
同じように、いやそれ以上に実施し、続けるのは難し
いことが多いです。
先日 TV で、植木等が「スーダラ節」の話をしていま
した。「分かっちゃいるけどやめられない」が全人類
共通の一つの真理なのだそうです。「分かっていても
できない」
でも何とかしないと・・・
それにしても高倉さんの研修会は、受講した方に、3
年間も それもあまり恵まれた環境とはいえない中で、
改革意識を持ち続けさせるほどの影響力があるのか
と、改めて感心しました。
また、自分に自信がない経営者の方は、高倉さんの研
修会には社員を参加させない方が良いのかもしれま
せん。(^メ)
● TPiCS システムの最新バージョン(Ver2.0 及び Ver1.33 の最終版)を、ホームページからダウンロードしていた
だけます。
(ユーザー様、SI様専用です)
毎週月曜日の午後に最新版をアップロードしています。(ダウンロードは火曜日以降にしてください)
TPiCS-X のマニュアルや、このレポートのバックナンバー(現在 No60 から 20 まで)もホームページからダウンロー
ドしていただけます。その他、Ver2の詳しい説明や、プログラムの修正情報、無料でバージョンアップを行う方法
や、技術資料 関連セミナー 展示会等のご案内も掲載されています。
http://www.tpics.co.jp/
● 中国語で直接サポートできる TPiCS サポートセンターが開設されます。(中国 深セン網藍有限公司)
開設時期
01/07 中旬
サポート対象
下記ホームページで登録した方
料金
しばらくの間、無料でサポートいたします。
中国語ホームページ http://www.bluenet.com.cn/ (中国語の資料、FAQ、TPiCS 掲示板)
e-mail
[email protected]
Fax
86(755)3324941
Tel
86(755)3240713 (サポートは、e-mail あるいは Fax でのみ行います)
● 有料出張サポートのご案内
業務の運用方法や、システム開発あるいはカスタマイズに関する問題などは、電話や FAX のサポートだけでは、や
はり無理があります。生産管理や TPiCS に対しての誤解や思い込みが強く、なかなか前へ進めない場合など、詳し
い者がユーザーのところに行って直接ご説明した方がはるかに速いです。この有料サポートは本当に詳しい者が参
りますので、早ければ 1~2 回ご説明するだけで“誤解の塊”が溶け出します。その他システムのインストールや、
他のシステムからのデータ変換等も出張で行います。
料金:80,000 円/1日(交通費宿泊費別途)詳しくは案内書をご請求いただくか、ホームページをご覧下さい。
● TPiCS-X のインストール済みノートパソコンの無料貸出を行っています。
「TPiCS-X を検討したいのだが、忙しくてインストールの時間がとれない」ような場合、このサービスをお使い下
さい。届いたそのときから その場ですぐ TPiCS-X を試していただけます。ただし、このサービスは、製造業の実
際に生産管理をなさる企業様に限らせていただきます。
TPiCS-X Ver2.0 について
99/05 TPiCS-X 発売以来 約 2 年間、連続的にマイナ
ーバージョンアップを繰り返してきましたが、01 年 2
月から現行バージョンと新バージョンそれぞれのソ
ースに分け、集中的にバージョンアップ作業を行って
きました。
過去 2 年間「改良、機能強化はありがたいが、こんな
に速いスピードで変えられるとついていけなくなっ
てしまう」と言われていましたが、今度は「一度にこ
んなに変えられても..
.」といわれそうです。
1. リリース方法 及びバージョンアップ作業
(ア) 価格、料金等:価格据置、無料バージョンアップ。
(イ) マニュアル:有料(2,500 円)、7 月上旬完成予定。
(ウ) 既存ユーザーへはホームページでリリース。
(エ) バージョンアップ作業
• Tx2.EXE 、 TxEnv2.EXE を ダ ウ ン ロ ー ド し 、
¥Program Files¥TPICS¥Prg へコピー
• Net センチネルをご使用の場合は、TxSever2.EXE、
TxSVService2.EXE もダウンロードしてください。
• INI ファイルは Ver1.33 を基本的には継承します。
• 4つの新しいテーブルを、再作成します。
• [システム環境設定]-[導入時の設定]-[テーブル作
成]-[全項目チェック]で新規に追加された項目を
追加します。
• [システム環境設定]-[導入時の設定]-[旧データ変
換]でコンバートします。
2. メインメニュー、システム環境設定などを分かり易
くしました。
(ア) フォーム名を整理しました。
(イ) メインメニューを改良しました。
(ウ) [システム環境設定]のボタン配置などを整理し、
分かりやすくしました。
(エ) エイリアスを TPiCS-X の[システム環境設定]で
作れるようにしました。
(オ) 各 テ ー ブ ル の 小 数 点 以 下 の 桁 数 の 変 更 を 、
TPiCS-X のボタンで反映できるようにしました。
(カ) MSDE 用データベースを作成する時、領域サイ
ズを指定できるようにしました。
3. 製品構成表の操作方法を改善しました。
(ア) 製品構成マスターと各マスター(アイテム、製造
3
担当、単価、工程、在庫、売価)を同時に登録できる
ようにしました。
(イ) 構成図の中のドラッグ操作で、追加、移動、抹消
が出来るようにしました。
4. 履歴管理オプションの機能を強化しました。
(ア) 出荷実績インプット時に、出荷した生産ロットを
引き当できるようにしました。
(イ) 「履歴原簿テーブル」を設け、出荷時のロット名
からでも、原材料のロット名からでも検索可能にし
ました。
5. 製番管理の機能を強化しました。
(ア) 製番管理区分が、2,3,4 のアイテムの受注データ
も、計画に反映できるようにしました。
(イ) 製番管理区分1の注番に、製番を使用することが
できるようにしました。
(ウ) 製番別原価一覧のタブページを設けました。
6. 所要量計算、生産計画表の機能を強化しました。
(ア) メモリを使用して所要量計算のスピードアップ
が出来るようにしました。
• 効果は、次のような条件により差があります。
・ ネットワークやサーバーのスピードが遅けれ
ば、改善効果は大きいです。(実測 300%アップ
になることもあります)
・ 共通部品が多いほど効果は大きいです。
・ Windows95、98、ME は、効果が少ないです。
・ データベースはリモートのサーバーにあった
方が効果は大きいです。
・ おおよそ、30%前後の効果を期待してください。
• 12,000 件のデータを所要量計算するとき、クライ
アントでメモリを 200MB ほど使用します。
• 12,000 件のデータで 11 分 48 秒で計算しました。
(イ) 通常ネットワークで使用しているとき、所要量計
算をはじめると、他のクライアントのレスポンスが
悪くなってしまいます。それを避ける為にデータベ
ースに複数の領域を用意し、所要量計算前に必要デ
ータを別の領域にコピーし、そのデータ領域で所要
量計算をします。計算が終わったら計算結果をサー
バーに返す機能を設けました。
7. 受注データ登録の操作性を改善しました。
(ア) [受注インプット]フォームに強力な検索機能を持
つ「売価マスター一覧表」を設けました。
(イ) 一覧表からドラッグ&ドロップやダブルクリッ
クで、受注データに取り込めるようにしました。
8. 複数のデータ領域間で製品ごとに全データを移動
する機能を設けました。
たまにしか生産しないような製品のデータを別領
域で管理し、生産する時だけ通常の領域に返し、生
産が終了したらまた別領域へ返す機能です。
4
スケジューラとの連係機能を設けました。
東洋エンジニアリング株式会社 (スケジューラ 孔明)
ジェイティ エンジニアリング株式会社
(Joy Scheduler)
株式会社フレクシェ
(スケジューラプラットフォーム)
の 3 社と協議し、TPiCS-X とスケジューラ間でデ
ータを行き来できるようにしました。
9. 他社のテーブルを操作できるようにしました。
[システム環境設定]-[システム設定]-[他社システム
との連係]で設定します。
他社のテーブルに接続するエイリアスと、メニュー
に表示するボタン名とテーブル名を設定するだけで
TPiCS-X 以外のデータベースのデータを表示するこ
とが出来ます。
10. アイテムコードを一括変換する機能を追加しま
した。
11. 生産計画表でアイテムマスターの中で所要量計
算に直接影響する項目を表示及びインプットでき
るようにしました。
12. [在庫一覧]フォームに、[停滞]ボタンを設け、設
定した期間以上使用されていない部品を表示でき
るようにしました。
13. 入金管理フォームを設けました。
14. 受注データでも赤伝処理ができるようにしまし
た。
15. その他
合計 200 項目の改善および機能強化を行いました。
今後、Ver1.33 は原則メンテナンスを行わないことに
いたします。
また、次のバージョン(Ver2.1 01/09 末あるいは 01/12
末)をリリース以降は、サポートも原則終了する予定
です。
Ver1.33
メンテナンス終了
Ver2.0
サポート終了
メンテナンス終了
サポート終了
Ver2.1
TPiCS をよくご存知ない方は信じられないかもしれま
せんが、これだけの機能強化を行っても、
TPiCS のバージョンアップは、今回も無料です。
今回から始まる「小松詔二のワンポイントアドバイス!」
テレビの新番組の案内のようですが、生産管理コンサルタントの小松先生が以前からやっておられた、
「TPiCS のワンデイコンサル」の内容を公開していただくことにいたしました。
本来は有料(8万円/1日)ですが、レポートやホームページで公開させていただくことを前提に費用を弊
社で負担し、先生にユーザー様のところに行っていただき、ワンデイコンサルをしていただきます。
ご希望の方は、弊社までご連絡ください。
対象:TPiCS を既にお使いいただいているユーザー様、自薦他薦問わず。
「TPiCS をもっとうまく使って効
果を出せるようにしたい」
「もう少しレベルアップをしたい」という方が対象です。
しかし「TPiCS を購入したが、残念ながら動いていない。これをきっかけに再挑戦したい」という方
も、本気でやるつもりなら歓迎します。
レポートは紙面の都合もありますので、弊社ホームページでさらに詳しい内容にし、再掲載する予定です。
株式会社深井製作所様ワンデイコンサル報告
生産管理課長 須藤弘之様にお伺いしました。
(1)会社概要
代表者:代表取締役社長 深井 孟
営業品目:自動車部品(ボデーメタルプレス、溶接
部品)
、農業用機械部品、産業用機械部品、
産業用空調部品、プレス金型、治具、設
備等
主要得意先:富士重工、日産、本田、ダイハツ、
三洋、久保田
年商:95億円
従業員:350名
最終製品数:5,000(展開部品数40,000)
生産工程と製品概要:材料切断、プレス、組立(溶接)
がメインの生産工程で、一部プレスおよび塗装外注が
あります。
プレス間の自動搬送ロボット
(2)TPiCS導入経緯
①TPiCS導入は1995年4月。現在運用してい
るのはWindows Btrieve版のTP
iCS-Ⅳで、オプションはJ(受注管理)とAr
row(工程管理)です。導入のきっかけは当時、
台帳管理で各工程バラバラに計画を立てており、非
効率で問題がありました。電算部門からTPiCS
の紹介があったのと、価格が安かったから導入に踏
み切りました。導入プロジェクトは4人で始めまし
た。
②SIは株式会社日立エイチ・ビー・エムです。
TEL 03-3778-9482(内藤さん)
文責 小松
材料購入
発注は
他のシステム
切断
TPiCS運用
外注
外注
プレス
塗装
塗装品は一部
組立
出荷
プレス
仕掛
かんばん運用
組立計画は
ハンドで立案
プレス間の搬送はロボットで高度に自動化されて
います。組立の溶接工程もロボットによる自動化が
なされています。生産される製品はメンバーASS
Y、サポートASSY、フレームサイドフロント、
センターピラーなどの自動車部品の他、空調機械、
農業機械などの板金部品です。
メンバー ASSY製品例
(3)生産形態とTPiCSの運用
①受注から出荷までのリードタイムは1日から3日
以内が20%、3日から6日以内が60%、1週間
から2週間以内が10%、2週間から1ヶ月以内が
10%です。
②生産形態は継続受注生産で、内示の段階で先行生産
する割合が50%、確定受注で生産する割合が5
0%です。
材料購入、切断、プレスの所要量はTPiCSで計
算し運用しています。組立は納入の1日前が原則で
す。パソコンの販売管理システムから受注情報をT
PiCS-Jに落とし込み、TPiCS-Ⅳに落と
し込んでいます。Ⅳは自動車部品と産業機械(非量
5
産)を分けて運用しています。
③材料購入、切断、プレス工程はTPiCSで計算し
て所要量を算出しています。組立は出荷の1日前が
基本です。出荷指示に合わせて組立計画(現在はハ
ンドで計算)を立案しています。
④TPiCS導入時、プレス工程には今日やらなけれ
ばならない生産指示がでるのですが、負荷が大きく
変動しました。導入した時はその変動をならす事が
できませんでした。そこで、組立工程とプレス工程
間に三角かんばんを導入しました。
(4)TPiCS導入効果
生産計画に携わる工数は、当初(台帳管理時代)よ
り比べると半減しました。加えて、従来、各工程ごと
にバラバラに生産計画を立てていたが一貫して一つ
の部署で立てているため情報の一元化ができました。
在庫は各工程間の余分な在庫が減り30%の在庫削
減ができました。ただしこれは、TPICSを入れた
だけの効果でなく、TPICSを導入したことにより、
生産の仕組みをあるべき姿(TPICSの理論上の
姿)に持っていくための道しるべが常に存在し得たか
ら改善が早く進み効果として現れたのだと思います。
(5)今後の課題
①最終組立工程へのTPiCS導入が可能か検討す
る。
1日の工数を有効に使うため、人の負荷は変動させ
たくない。人の負荷が変動しないように生産順位、
組み合わせを効率よく立案したい。
②在庫はさらに半減したい。
③計画と実績の連携をはかりたい。
生産管理メンバー
(6)ワンポイントアドバイス
現状の問題点
TPiCSが材料購買数量、切断、プレス所要量の
計算で運用されており、組立と連携していません。
また、実際の購買は別の仕組みで発注されています。
組立工程へもTPiCSから指示がでていません。
従って、資材手配から、切断、プレス、外注、組立
まで計画と実績が対応せず、TPiCSの有効活用
6
ができません。プレス工程の三角かんばんと指示プ
レートによる1日の生産順位の決定と負荷の平準
化はうまく出来ていますが、これに満足することな
く、組立計画、外注(プレス、塗装)、プレス、切
断、資材購買までTPiCSで一貫して手配が出る
ようにした方がよいと思います。
組立生産管理板
1直の生産順位
所要量計算、伝票発行
確定期間は1日
組立て指示
製品 H 11/9
製品
G 11/10
数量 5
数量 5
工程 ○○加工
製品
F 11/10
工程 ○○加工
数量 5
製品 E 11/10
工程 ○○加工
数量 5
製品
D 11/9
工程 ○○加工
製品
C 11/9
数量 5
数量 5
工程 ○○加工
製品
B 11/9
工程 ○○加工
数量 5
製品
A 11/9
工程 ○○加工
数量 400
工程 ○○組立て
TPiCSで組立全体の
負荷計算でトータル能力の
確認をし、負荷をならす
1号機
・
B
・
C
2直の生産順位
時間→
・
D
・
B
・
C
・
D
完了
2号機
1日の生産順位、
各組立て台への振分け
は現場リーダにま
かせる
3号機
3号機
完了
・
・
A3 A4 A5
・
A1 A2
完了
・
E
・
F
・
G
完了
・
H
完了
・
I
・
J
・
K
完了
実績回収入力(2時間or半日or1日1回)
解決するためには
①組立工程の生産指示をTPiCSから出せるよう
にします。自動車部品は確定期間を1日、工期は 0
日(Tx の場合は 1)にします。これによりかんばんが
きてから確定されるようになります。産業機械の場
合は実態に合わせて確定期間、工期を設定します。
組立ロボットラインごとに、流す製品と生産順位
のパターン化をはかります(マスタースケジュー
ル)。生産順位も段取り効率、所要工数の平準化が
はかれるように勘案して標準を決めます。
1日(1直、2直)以内の組立の生産順位は現場
のリーダに任せます。
②組立工程の平準化は自動車部品の場合は次週まで
とし、産業機械部品は実態に合わせて、2週から4
週間の負荷を見て平準化をします。
③プレス仕掛品とプレスの三角かんばんの運用は現
在のところ、うまく機能していますが、実績入力時
に近い注番を探して入力する必要があります。現在
のまま運用するか、TPiCSのプレスし掛け指示
として基準在庫と(三角かんばんの位置に相当)ま
たは、発注点管理によるプレスし掛けを適用できな
いかを検討します。プレス容器ごとの現品票はTP
iCSの現品票を活用できます。
または、三角かんばんは現在のものを使い、TPi
CSから出力された伝票をそのまま、生産順位(曜
日、1直、2直の生産順に生産指示管理番に差し立
てます。出力された伝票が貼り付けられるように管
理板には工夫が必要です。
④組立工程まで全工程をTPiCSで運用すれば、計
画と実績の連携がスムーズになります。
⑤TPiCSを現場で全面的に活用するためには、現
場のリーダを含んだTPiCS再構築プロジェク
トを結成し、教育から進める必要があります
株式会社佐野製作所様のワンデイコンサル報告
専務取締役佐野嘉之様にお伺いしました。
(1)会社概要
代表者:代表取締役社長 佐野博成
営業品目:エンジン、農機、工作機械、建設などの精
密機械加工部品
年商:5億円
従業員:24名
文責 小松
最終製品数:35,000
(常時流れるものは5,000程度)
生産工程と製品概要:冷間鍛造、NC機械加工、熱処
理、溶接、研摩、組立などの工程があります。加工品
で納入するものは7割です。
代表的な生産工程例
素材
テーパ
出荷
面取り
ヤード
ヤード
熱処理
バレル
スリ割
NC自動機
機械加工部品
組み立て部品
(2)TPiCS導入経緯
TPiCS導入は1995年。現在運用しているの
はDos版のTPiCS-ⅣとJ(受注管理)です。
導入のきっかけは主得意先である Y 社のコンサルタ
ントから現場改善指導を受けていたが、その時の紹介
で決めました。
号きっぷ)とTPiCSを併用しています。
(4)TPiCS導入効果
TPiCS導入対象製品は受注可能期間が3ヶ月か
ら1ヶ月へ、在庫は2.5か月から1ヶ月へと改善さ
れましたが、TPiCS導入対象工程は全体の20%
程度です。
(3)生産形態とTPiCSの運用
(5)今後の課題
①主得意先である Y 社からの納入指示の60%はか
TPiCSの全面展開と現場改善による納期短縮と
んばんで毎日午後4時から5時に1回引取りがあ
在庫低減です。
り、本日引き取られたものは3日後の確定指示とな
(6)ワンポイントアドバイス
ります。
現状の問題点
②かんばん以外の品物の納期は1週間から1.5ヶ月
同規模の機械加工工場と比べると管理が進んで
で、大体20日から30日が多いようです。
いますが、主取引先からのかんばん引取りが工場毎
③得意先の最終工程で使われる部品は、内示と確定が
にふれる(特に得意先のサブラインからのかんばん
5%くらいしか狂はないが、サブラインで使われる
がふれる)ため、自社の生産管理に苦労しています。
部品は内示と確定が20~30%狂います。ひどい
かんばんがくると、3日後に納入しなければなりま
時は50%程度狂うこともあります。
せん。ということは、材料を確保していても、社内
④舶用エンジン部品や工作機械部品は生産量が少な
の生産リードタイムが3日でなければならないと
く、建設部品は受注が大きく変動するため、生産ロ
いうことです。社内の生産リードタイムを3日にで
ットが大きい場合は在庫が多くなります。
きなければ、中間仕掛りとして在庫を保有しておく
⑤現場の管理スタッフが少ないので、生産指示の都度、
か、または製品在庫で保有しておくかしかありませ
図面と作業指示をセットで現場に流す必要があり
ん。中間仕掛りの段階では共通で、最後の加工段階
ます。
で複数の製品に展開する場合は、中間仕掛りの段階
⑥受注データは全て、TPiCS-Jに取り込み、Ⅳ
で在庫を保有しますが、
共通性がないと製品で在庫
で所要量計算を実行しています。
を保有するようになります。取引先からの引取りが
⑦各工程への指示は独自のかんばん(社内きっぷ、信
7
8
1日に10品種流さなければならない時は、46
÷10=4.6分/回まで段取り時間を短縮する
必要があります。その工程で一日にいくつの品種
を流すかは、得意先の納入指示パターンによりま
す。
職場名[
機械名[
]
]
現状
34分
目標
10分
期限 NN
(分)
40
段取時間
平準化していれば、少ない在庫で満遍なく在庫を保
有しておけばよいのですが、かんばんの引取りロッ
トが大きい場合は、協力企業で保有しておかなけれ
ばならない在庫は、格段に増えます。在庫保管場所、
在庫保管費用、長期滞留在庫からデッドストックに
なるリスクなどを考えると、在庫を増やすことは避
けたいところです。
解決するためには
①親企業からのかんばんのふれが大きい場合には、自
社の生産リードタイムを短くするしかありません。
そのためには
②a.段取り時間を短縮して、生産ロットを小さくし
各工程のロット待ち、工程待ちを小さくします。
その事により生産リードタイムが小さくなりま
す。工程間の運搬のロスを小さくするために工程
の近接化も必要です。
b.品種別ライン化を進める。そのためには、機械
台数を増やす必要があります。ラインスペースも
必要です。機械台数が増えるため、設備を安く調
達する必要があります。規模が大きい企業の場合、
自社で工作機械を作成します。または、中古の機
械を安く調達します。しかし、貴社の場合、工場
スペースに余地がないために、品種別ライン化は
困難です。
③現実的な方法としては、前述の a.の現有機械設備
の段取り時間の短縮しかありません。
1)段取り時間短縮のステップは現在進めておられ
る2S(整理、整頓)が基本です。
治具、工具、作業補助具、備品など毎日使うも
の、1週間の中で使うもの、1ヶ月の中で使うも
の、1年間の中で使うものの再配置をします。頻
繁に使うものは近くにおきます。指定席(定位置、
名称)
、自由席(ゾーン指定)
。探すという行動を
ゼロにします。(応援に入った作業者でも探す行
為がゼロであること)
2)内段取りと外段取りの明確化と個々の時間の短
縮
3)段取り作業標準の作成
誰でも、同じ手順で段取りを実施させます。個々
の作業者で段取り手順が異なることは絶対にさ
けます。これは会社で強制します。
4)公開段取りの実施
公開段取り日、場所、交換品種をあらかじめ決め
て公開段取りを実施し、記録します。
5)生産ロットの見直し
見かけの設備機械の稼働率と、生産性を考えて、
生産ロットが大きくなりがちです。段取り時間の
短縮に合わせて、生産ロットを小さくします。
一般に稼働時間の1割を段取り許容時間の目
安にします。例えば、1日460分の稼働時間で
あれば、46分前後が段取り許容時間になります。
対策
●
30
対策
●
20
●
対策
●
●
10
月
人員
対策
4
1
5
1
6
1
7
1
8
1
9
2
○
目標
10
2
11
12
1
2
3
公開段取り改善実績グラフ
④生産のパタ-ン化
生産計画立案のもとになる基本パターンをきめ、マ
スタースケジュールを作成します。繰り返し生産品
目について生産効率を考えた標準の流し方を決め
たものです。ただし、生産順位を固定するものでは
ありません。
⑤現場の改善レベルにしたがって、TPiCSの工期、
確定期間、リード日数、ロット(生産ロット、発注
ロット)を小さく設定します。基準在庫は、現場の
改善レベルに合わせて、設定します。段取り時間の
短縮、容器の収容数の大きさ、得意先の納入指示ま
たは、かんばんのふれから、何日分の在庫を保有し
ておけばよいか決めます。
⑥現行の社内きっぷ(コード、品名、工程、在庫ロケ
ーション、加工数、略図などを記載した生産指示の
カード)や、信号きっぷは本物のかんばん運用に近
づける力が無い場合はやめた方がよいでしょう。
⑦全面的にTPiCSにする場合、現場のリーダを含
めたTPiCS再構築プロジェクトをつくり現場
参加の活動を展開します。TPiCS-Xの場合、
現品票の発行が可能なため、容器ごとの管理が可能
です。また工程マスターの採用を検討します。
⑧納入指示(かんばん)の変動に対しては、特に⑤で
述べた工期、確定期間を小さくすることが重要です。
⑨それぞれの加工現場の生産順位と負荷の微調整は
目で見る差し立て管理板にTPiCS発行伝票を
差し立て実行します。特急飛込みにより(かんばん
のふれ)生産順位が変わった時も生産管理板で目に
見えるようになります。(現場の対応が早くなる)
株式会社タニタハウジングウエア様の導入プロジェクト活動報告-2
前号で株式会社タニタハウジングウエア様のTPiCS導入プロジェクトが本年4月から開始したことをお伝え
しました。その後のプロジェクト活動の進捗状況と進め方をお伝えします。
東京工場と、秋田工場を同時に立ち上げる予定で進めています。
文責 小松
(1)プロジェクトメンバー
東京工場TPiCS
秋田工場TPiCS
プロジェクトメンバーと協力メンバー
プロジェクトメンバーと協力メンバー
(2)TPiCSのマスター
プロジェクトメンバーはティーピクス研究所、日立
製作所、アートシステムのいずれかで3日研修を受け
ましたが、参加できなかった人もいたので、更に、両
工場でコンサルタントの小松がTPiCS実務研修を
行い、全員がほぼ同じレベルでTPiCSが理解でき
るようにしています。
(3)スケジュール
導入スケジュールは多少無理があるものの以下の通
りタイトに導入計画を立てて進めています。6月中旬
現在では計画に対して計画通りのものと、半月から1
月遅れているものがあります。東京と秋田の合同会議
で双方の進捗確認と導入ノウハウの交換をしています。
(株)タニタハウジングウェア Tpics-PJ 2001年度活動進捗表
検討事項
丸たてとい
(製品数18)
試行
社内本番
購入・外注
稼働状況(マスターなど) 屋根材
試行
東京
(製品数50) 社内本番
購入・外注
アンコー部品 試行
(製品数600) 購入・外注
屋根材
試行
(製品数27) 社内本番
購入・外注
稼働状況(マスターなど) 軒とい
試行
秋田
(製品数100) 社内本番
購入・外注
アンコー部品 試行
(製品数600) 社内本番
購入・外注
作業伝票
伝票類
注文書
外注伝票
部品コード検討
アンケート実施
場所
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
東京・秋田
東京・秋田
東京・秋田
東京
担当
進捗状況
大門
50%
大門
大門
大門
10%
大門
大門
大門・野島・石塚・永井
大門・野島・石塚・永井
小田嶋・佐藤・杉山
80%
小田嶋・佐藤・杉山
20%
小田嶋・佐藤・杉山
小田嶋・佐藤・杉山
60%
小田嶋・佐藤・杉山
小田嶋・佐藤・杉山
小田嶋・佐藤・高橋・須田
小田嶋・佐藤・高橋・須田
小田嶋・佐藤・高橋・須田
早川・仁坂・事務局
早川・仁坂・事務局
早川・仁坂・事務局
早川
ラインコード
社内部署コード
生産能力
標準時間・段取り
不良率
歩留まり
生産ロット
基準在庫・最小在庫
東京
秋田
秋田
秋田
秋田
秋田
東京・秋田
東京・秋田
確定期間
生産計画の立て方
分類コード
預託在庫の処理方法
東京・秋田
東京・秋田
東京・秋田
東京・秋田
早川・大門
佐藤・小田嶋
佐藤・須田
佐藤・須田
佐藤・須田
小田嶋
佐藤・須田・大門
早川・仁坂・佐藤
大門・事務局
小田嶋・佐藤・大門・須田
早川・大門・小田嶋・佐藤
小田嶋・佐藤・大門・木村
早川・仁坂・事務局
構成表の検討
J&IT
小松先生
販売計画と生産計画
東京・秋田 早川・大門・小田嶋
佐藤・山口(和)
J&IT
案は事務局、小松先生
大分類
運用マニュアル
加工費レート
販売計画と生産計画
TPICSマスター
管理規程・手順書
生産計画立案マニュアル
・屋根計画立案M
・軒とい計画立案M
・アンコー計画立案M
銅建値計算
プログラム作成
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
100%
屋根100%
屋根100%
屋根100%
屋根100%
屋根100%
屋根100%
東京・秋田 早川・仁坂・桐生・事務局
東京・秋田 早川・大門・小田嶋
佐藤・山口(和)
東京・秋田 案は事務局
東京・秋田
東京・秋田
東京・秋田
J&IT
佐藤・大門
佐藤・大門
須田・大門
小松先生、木村、桐生
Tpics研究所
9
(4)初期トライによるTPiCS疑問点の理解と問題
点の解決
TPiCSの研修が終了したら早速、実務のマスター
(対象製品:東京は18件、秋田は27件)を入力し、
以下の手順で検証を実施しました。(約1ヶ月)
①マスター作成(この段階で研修の時はわからなかっ
た具体的は疑問がでてきたので、その都度解決)
②実際の生産計画に合わせてTPiCSに生計を入
力し、所要量計算を実行。実際の生産実績に合わせ
て実績入力をした。但し、TPiCSの出力伝票は
事務局の手元に置いておき、実績も事務局が入力し
た。マスター作成時にはわからなかった、疑問点が
いくつも出てきたので、その都度解決し、TPiC
Sの理解を深める。(この段階では、現場の担当者
にはTPICSの伝票は見せていない。現場は従来
の生産管理のシステムで進めている。)
③現場の担当者にTPiCSから出力された伝票を
見せ、実務との乖離、疑問点、質問を受け付ける。
疑問と問題点を解決(この段階では、現場は従来の
生産管理のシステムで進めている。)
原稿を書いている6月15日現在はここまでです。
疑問点はコンサルタントの小松、アートシステムの宮崎
さん、ティーピクスサポートセンタで解決しています。
日立電線株式会社様TPICS導入プロジェクト活動報告-1
日立電線株式会社高砂工場の光デバイス部門でTPiCS導入プロジェクトが6月に正式発足し、導入に向けて
活動が展開されています。コンサルタントの小松は、TPiCSの確実早期立ち上げと、導入効果を上げるコンサ
ルを実施します。
(1)会社概要
代表:代表取締役社長 原 精二
営業品目:高砂工場は光デバイス、通信システム、
情報ネットワークシステム、工事等
従業員:高砂工場は483人(全社6,560人)
生産工程:今回のTPiCS導入対象の光デバイス
製品における代表的な工程は部品実装、LD(レザ
ーダイオード)/PD(フォトダイオード)モジュ
ール組立、本体組立、エージング、測定仕上げの工
程です。
光デバイス製品への導入後は、アンテナなど他製品
への適用拡大を考えています。
現状生産管理フロー
顧客
営業
受注オン
ライン
処理
営業
設計
生産
計画
立案
生産
計画
製造
出庫配膳
部品手配
外注手配
各課品手配
部品
管理
品証
梱包
出荷
CIM管理
部品庫
(2)TPiCS導入決定の経緯
高砂工場では、1999年の秋から業革PJが動
いており、トップから与えられた経営課題は『リー
ドタイム短縮と棚卸資産の半減』です。PJはER
PパッケージのBPICS、ORACLE/APP
Sなどを検討しましたが、
「生産管理のTOOLの中
で考え方はTPiCSが最も優れている。全員でT
PiCSを使いこなせば必ずよい結果が得られる」
と確信し、TPiCS導入にふみきりました。
(3)今回対象の光デバイス製品の生産管理
最初に導入対象とする製品は16品種ですが、メ
インは6品種です。LD/PDモジュールは見込み
生産で、在庫は1週間分が基本です。他の工程は受
注生産です。計画のタイミングは月間と週間です。
10
客先の要求納期は21日、製造リードタイムは3週
間、部品の種類は50点、調達リードタイムは90
日(MAXは150日)、生産指示は週計表、進度管
理は作業ノート、物の動きは荷札、設計書で把握し
ています。生産ラインは基本的には2直ですが、受
注の変動が極めて大きいのが特徴です。
現状の生産管理システムはローカルホストで発注
行為を行なっており、部品庫はCIM管理を行なっ
ています。投入で在庫引落としを行なっています。
変更、キャンセルは別の仕組みで行なっており、進
度管理は作業ノートで行なうなど、システムが分断
しています。
(4)導入計画
光デバイス製品は10月稼動を目標にしています。
6月は教育、7月はモデル設定をおこない8月は導
入シミュレーションを行なう予定です。
(5)光デバイス製品TPiCS導入プロジェクトチーム
チームのメンバーは10名(写真)です。
大半のメンバーはSIの日立製作所、ティーピク
ス研究所の3日研修コースを受講していますが、ま
だ受けていないメンバーもいらっしゃいます。6月
に4日コースでコンサルタントの小松がTPiCS
の基礎、実務研修を行ないました。
社内TPiCS基礎および、実務研修風景
研修中のメンバーの出入りがあったので、
全員は写っていません。
Fly UP