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肺炎予防のために 知っておきたいこと

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肺炎予防のために 知っておきたいこと
65歳過ぎたら、肺炎予防。
肺炎予防のために
知っておきたいこと
詳しくは医師にご相談ください。
(医療機関使用欄)
金澤 實
監 修:
埼玉医科大学呼吸器内科教授
2012年10月作成
PMV12PA021- 0917
なぜ、高齢者では特に肺炎予防が
必要なのでしょうか?
どうして肺炎になるのでしょうか?
肺炎は、日本人の死因第3位です。
● 日本における死因別にみた死亡率の年次推移
[ ]内は2011年の死亡数
300
悪性新生物
(がん)
[ 357,305人]
死亡率︵人口
万対︶
10
200
脳血管疾患(脳
塞 など)
[ 123, 867人]
心疾患
(心不全 など)
[194,926人]
日常でかかる肺炎は、
主に細菌やウイルスなどが肺に入り込んで起こる
肺の炎症です。肺炎の原因となる細菌やウイルスは、
人の体や日常生活の中に存在しています。
高齢だったり病気があったりして、
抵抗力
(免疫力)が弱まった時などに感染を起こしやすく、
重症化すれば 死に至ることもあります。
100
肺炎
[ 124,749人]
0
1950
1960
1970
1980
1990
2000
● 肺炎を起こすしくみ
からだの抵抗力
(免疫力)が弱まる
2011 (年)
心疾患
厚生労働省.人口動態統計(確定数)2011年. より作図
しかも、肺炎により亡くなる方の多くが
65歳以上です。
肺炎の死亡者のうち65歳以上の割合 96.5%
糖尿病
風邪を引く
インフルエンザ
にかかる
現在、65歳以上の方の総人口に占める割合は約23%ですが、2060年にはその割合が約
40%、つまり「 2.5人に1人が 65歳以上 」になると予測されています(内閣府 平成 24 年
版 高齢社会白書より)
。今後、高齢者人口が急速に増加するに従って、肺炎になる方や肺
炎で亡くなる方もますます増えると考えられており、特に日本では、肺炎予防は重大な医
療上の 課題となっています。
2
糖尿病、
呼吸器や心臓に
持病がある
など
細菌など
厚生労働省.人口動態統計(確定数)2011年. より
高齢者人口の増加により、肺炎が今後ますます増える可能性があります。
歳をとって
体力が衰える
呼吸器
疾患
肺が炎症を
起こした状態
からだの抵抗力が
弱まった状態
細菌などに
感染しやすくなる
細菌が
肺に入り込む
肺炎を起こす
(最も多い原因菌は肺炎球菌)
3
肺炎は、どのように予防すればよいのでしょうか?
肺炎を予防するには、
細菌やウイルスが体に入り込まないようにすること、
体の抵抗力を強めること、
そして予防接種が大切です。
体の抵抗力を強めるためには・・・・
禁煙をする。
規則正しい生活をする。
細菌やウイルスが
体に入り込まないようにするには・・・・
もともと持っている
病気を
治療する。
マスク、手洗い、うがいをする。
予防接種とは・・・・
歯磨きなどで口の中を
清潔にする。
肺炎球菌ワクチン
インフルエンザワクチン
誤嚥を防ぐ。
肺炎球菌ワクチンと
インフル エンザワクチンを
接種する。
誤嚥:飲み込むことがうまくいかなくなり、
飲食物や唾液が食道ではなく気管に入って
しまうこと
4
5
なぜ、予防接種 が大切なのでしょうか?
日常でかかる肺炎で
一番多い 病原菌は、肺炎球菌です。
● 市中肺炎 778例の
インフルエンザも、肺炎を起こす
きっかけになることがあります。
● インフルエンザ が
起炎菌
細菌感染による肺炎を
引き起こすしくみ
不明
36.1%
肺炎球菌
インフルエンザウイルスに感染する
ウイルス感染に伴って、気道 や全身に
変化が起こる
28.0 %
肺炎球菌、
インフルエンザ
ウイルスなど
インフルエンザ菌
7.5%
気道や肺では
全身では
ウイルス 1.7 %
その他の菌 5.9 %
2.2 %
モラクセラ・カタラリース 緑膿菌 2.1%
黄色ブドウ球菌 2.1%
マイコプラズマ・
6.6 %
ニューモニエ 5.8 %
クラミジア・ニューモニエ 3.2 %
ストレプトコッカス・ミレリ 気道の上皮細胞(表面の細胞)が
壊されることによって、
肺炎球菌などの細菌が 肺に
侵入しやすくなる
免疫細胞 の働きが 弱まり、
免疫力が低下する
肺炎を引き起こす細菌に感染してしまう
嫌気性菌 2.8 %
2 .4 %
クレブシエラ・ニューモニエ 石田 直.呼吸器ケア. 2003 ; 1(4): 436 -443より作図
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、
重症化を防ぐためのワクチンです。
ただし、すべての肺炎を予防できるわけではありません。
肺炎を起こす
インフルエンザをきっかけに感染に対する抵抗力が 弱まり、
そこに細菌感染を起こすことで、肺炎にかかることがあります。
そこで、インフルエンザワクチンでインフルエンザを
予防することも、肺炎予防につながります。
予防接種について、詳しくは 医師にご相談ください。
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