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2016年新人演奏会 - 東京大学ピアノの会
————ごあいさつ 本日は新人演奏会にお越しくださり誠にありがとうございます。 この演奏会は新入生(本年度入会の会員)のみが出演する演奏会であり、 新入生が出られる最初の晴れ舞台でもあります。 これまでたくさんの演奏会に出た上級生であっても、初めて出演した演 奏会として新人演奏会に特別な感慨を抱いている人が多いようです。僕も 一年前に大学の練習室で必死に練習してなんとか新人演奏会に出演した ことを覚えています。 今回の新人演奏会は、実に多彩な曲想の曲が集まり、最初から最後まで 全体を通して楽しめる演奏会になっていると思います。今年の新入生はピ アノ熱心な人が特に多く、どのような演奏が聴けるか期待しています。 新入生の多くが受験のブランクや練習時間・練習環境の確保に苦しみな がらも良い演奏ができるように頑張っています。お聞き苦しい箇所もある かもしれませんが、どうか一曲一曲に耳を傾けじっくり味わってください。 ご来場くださった皆さまに満足していただける演奏会になるよう願って 会員一同頑張りますので、よろしくお願いいたします。 会⾧ 松下祐介 ————お客さまへ プログラムに先立ちまして、お客さまにお願い申し上げます。 会場内でのご飲食・ご喫煙・フラッシュのご使用はご遠慮ください。 会場への出入り・お席の移動は、演奏と演奏の間にお済ませください。 携帯電話や PHS、時計のアラーム等の電源は、予めお切りください。 すべてのお客さまに、快適に演奏をお楽しみいただけますよう、以上の点にご協力お願いいたします。 ※プログラムの中で、「文Ⅰ」 「理Ⅰ」などは、それぞれ教養学部文科一類・同理科一類などを表します。 ※演奏者の学年で「M」 「D」 「L」は、それぞれ修士課程・博士課程・法科大学院生であることを表します。 ————目次 ♪プログラム♪……………………………… 3 ♪FP(from performers)♪………………… 8 I ……………………………… 8 II ……………………………… 9 III ……………………………… 10 IV ……………………………… 11 V ……………………………… 11 6月 18日(土) 会場: 角筈区民ホール 11:30 開場 11:45 開演 17:15 閉演 I 11:45~12:35 1 ファリャ セレナータ・アンダルーサ 高松 未来 (理Ⅱ・1) 2 ジョン・フィールド 夜想曲 第 1 番 変ホ⾧調 中山 貴史 (電大・2) 3 ベートーヴェン ピアノソナタ 第 8 番 ハ短調 Op.13 「悲愴」 より 第 1 楽章 小森 優真 (理Ⅱ・1) 4 ベートーヴェン ピアノソナタ 第 8 番 ハ短調 Op.13 「悲愴」 より 第 3 楽章 三輪 哲大 (理Ⅰ・1) 5 ショパン ドイツ民謡 「スイスの少年」 による変奏曲 ホ⾧調 遺作 藪田 萌 (理Ⅱ・1) 6 グリンカ= バラキレフ 歌曲 「ペテルブルクへの別れ」 より 第 10 曲 「ひばり」 王 汗欽 (総合・M1) 7 ショパン スケルツォ 第 2 番 変ロ短調 Op.31 小野寺 柚乃 (理Ⅰ・1) II 12:50~13:45 1 ショパン ワルツ 第 19 番 イ短調 遺作 ワルツ 第 21 番 変イ⾧調 遺作 徳田 奈美 (清泉・2) 2 ベートーヴェン ヴラニツキーのバレエ 「森のおとめ」 の ロシア舞曲による 12 の変奏曲 嶋村 鮎 (桐朋・1) 3 ショパン ラフマニノフ ワルツ 第 5 番 変イ⾧調 Op.42 10 の前奏曲 Op.23 より 第 5 曲 ト短調 羽生 瑚弥太 (文Ⅲ・1) 4 ラフマニノフ 10 の前奏曲 Op.23 より 第 2 曲 変ロ⾧調 絵画的練習曲集 Op.33 より 第 4 曲 藤澤 燦 (理Ⅰ・1) 5 ショパン 12 の練習曲 Op.10 より 第 3 曲 ホ⾧調「別れの曲」 竹村 樹人 (文Ⅰ・1) 6 ベートーヴェン ピアノソナタ 第 23 番 ヘ短調 Op.57 「熱情」 より 第 3 楽章 岡田 柚香 (東音・1) 7 モーツァルト きらきら星の主題による 12 の変奏曲 ハ⾧調 K.265 濱野 紗妃 (青学・1) III 14:00~14:55 1 J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲 ト⾧調 BWV.988 より アリア・第 1・2・3・4・5・7・9・10 変奏 山本 茉輝 (文Ⅲ・1) 2 モーツァルト ピアノソナタ 第 8 番 イ短調 K.310 より 第 1 楽章 高橋 希実 (理Ⅰ・1) 3 ブラームス ピアノソナタ 第 3 番 ヘ短調 Op.5 より 第 1 楽章 奥 野乃花 (東音・2) 4 モーツァルト ピアノソナタ 第 18 番 ニ⾧調 K.576 より 第 1 楽章 河原崎 容佳 (東女・1) 5 モーツァルト ピアノソナタ 第 18 番 ニ⾧調 K.576 より 第 2 楽章・第 3 楽章 嶋田 有紗 (桐朋・1) 6 ショパン ピアノソナタ 第 3 番 ロ短調 Op.58 より 第 4 楽章 大原 知 (文Ⅲ・1) 7 ショパン バラード 第 1 番 ト短調 Op.23 朱 元 (文Ⅱ・1) IV 1 2 15:10~16:05 ジョン・ケージ ラフマニノフ 4 分 33 秒 楽興の時 Op.16 より 第 4 曲 ホ短調 近藤 遼河 (文Ⅰ・1) ハイドン ピアノソナタ 第 31 番 変イ⾧調 Hob.XVI-46 より 第 1 楽章 12 の練習曲 Op.10 より 第 5 曲 変ト⾧調 「黒鍵」 岩谷 優希 (桐朋・1) ショパン 3 ブラームス 6 つの小品 Op.118 より 第 2 曲 「間奏曲」 イ⾧調 安富 湖々 (東女・1) 4 ショパン 12 の練習曲 Op.25 より 第 5 曲 ホ短調 新谷 華加 (文Ⅲ・1) 5 バルトーク ルーマニア民族舞曲 Sz.56 より 第 1 曲 「棒踊り」 ・第 2 曲 「腰帯踊り」 ・ 第 5 曲 「ルーマニアのポルカ」 韓 亜美 (理Ⅱ・1) 6 グリンカ =バラキレフ 歌曲 「ペテルブルクへの別れ」 より 第 10 曲 「ひばり」 熊谷 公太 (文Ⅰ・1) 7 リスト メフィストワルツ 第 1 番 S.514 「村の居酒屋での踊り」 方 大樹 (理Ⅰ・1) V 16:20~17:15 1 ラフマニノフ 13 の前奏曲 Op.32 より 第 12 曲 嬰ト短調 栗原 侑平 (法大・1) 2 ドビュッシー 2 つのアラベスク ⾧田 悠希 (理Ⅱ・1) 3 ショパン ワルツ 第 2 番 変イ⾧調 Op.34-1 松田 朋佳 (文Ⅱ・1) 4 ショパン スケルツォ 第 3 番 嬰ハ短調 Op.39 田所 芽生子 (浜薬・4) 5 スクリャービン 悪魔的詩曲 Op.36 伊藤 圭祐 (理Ⅰ・1) 6 リスト 2 つの伝説 S.175 より 村松 海渡 第 2 曲「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」 (理Ⅰ・1) 7 アルカン 短調による 12 の練習曲 Op.39 より 第 12 曲 ホ短調 「イソップの饗宴」 (理Ⅱ・1) 渡邊 貴弘 FP (from performers) I 3 小森 優真 ベートーヴェン ピアノソナタ 第 8 番 ハ短調 Op.13 「悲愴」 より 第 1 楽章 初めまして。東大一年の小森と申します。 ピアノソナタ「悲愴」は、ベートーヴェン初期の傑作と言われています。また、「悲愴」というのは、 彼自身が命名した数少ない標題の一つです。彼がこの曲で表そうとした悲しみを僕なりに伝えられるよ うに頑張ります。 6 王 汗欽 グリンカ=バラキレフ 歌曲 「ペテルブルクへの別れ」 より 第 10 曲 「ひばり」 ロシア国民楽派の父であったグリンカが作曲した歌曲集《ペテルブルグ》より(ひばり)のフレーズ にバラキレフがリストの華やかなヴィルトゥオーゾ的要素を用いてピアノ曲に編曲した作品である。序 奏から始まり、哀愁のあるシンプルなメロディーに歌曲の伴奏形がつけられ、次第にそのメロディーラ インに煌びやかな装飾がされ、展開していく。コンサートのアンコールピースとして演奏されることが 多い。 By: 樋口 愛 (2007 年 10 月) 7 小野寺 柚乃 ショパン スケルツォ 第 2 番 変ロ短調 Op.31 イタリア語で Scherzo は冗談やユーモアというような意味を持つそうです。自分だけでなく皆さんに も楽しんでいただけるよう、頑張ります。 II 4 藤澤 燦 ラフマニノフ 10 の前奏曲 Op.23 より 第 2 曲 変ロ⾧調 ラフマニノフ 絵画的練習曲集 Op.33 より 第 4 曲 はじめまして!東大理Ⅰ新入生の藤澤燦です! 出身は横浜の聖光学院で、中高では弦楽オーケストラ部という部活でチェロを弾いていました。 ピアノ奏者ではグレングールドやべレゾフスキー、アムランが好きで、ピアノの作曲家ではロシアの 作曲家やアルカンが好きです(言語もロシア語選択です)。小さい頃からピアノを弾いていますが、昔はハ ノンの類の練習曲が大嫌いで基礎練を疎かにしていたため、演奏では基本的な所でのミスが目立ちます (汗)現在は基礎練に重点をおいて練習しています。 受験生時代はほとんどピアノを触っていないので今回の演奏会はかなり不安ですが、いい演奏ができ るよう頑張ります‼ 6 岡田 柚香 ベートーヴェン ピアノソナタ 第 23 番 ヘ短調 Op.57 「熱情」 より 第 3 楽章 上京してから初めての舞台となります。この曲はベートーヴェンの三大ソナタの 1 曲であり、 「熱情」 という題名の通り、とても情熱的で緊張感のある曲です。クライマックスの盛り上がりが好きなので、 最後まで緊張感途切れる事なく、聴いていただけるような演奏をしたいと思います。 8 濱野 紗妃 モーツァルト きらきら星の主題による 12 の変奏曲 ハ⾧調 K.265 楽しんで弾くので眠くなったら遠慮なく寝てください☻ この曲はモーツァルトがパリ滞在中に書かれたものです。 日本ではすっかり童謡のきらきら星として定着していますが、主題に「ああ、お母さん、あなたに申 しましょう Ah,vous dirai-je, Maman」とあり、実は好きな人のことを母に打ち明ける恋の歌なのです。 とんだりはねたりカラフルな音を楽しんでください。 III 1 山本 茉輝 J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲 ト⾧調 BWV.988 より アリア・第 1・2・3・4・5・7・9・10 変奏 この曲は、バッハが不眠症の伯爵からの依頼を受けて作曲した変奏曲で、眠れないときはいつもバッ ハの弟子のゴルトベルクにこの曲を弾かせたという逸話が残っています。今回は 10 分間という制限のも とで大幅に抜粋したため寝つきにくくなってしまったかもしれませんが、万が一僕の演奏中に寝てしま っても次の人の演奏からはまた起きてくださいね。 6 大原 知 ショパン ピアノソナタ 第 3 番 ロ短調 Op.58 より 第 4 楽章 フレデリック・ショパン(1810~1849)が 34 歳、円熟期の作品です。分かりやすいロンド形式ながら 繰り返しを通じて曲はどんどん高揚していき、圧倒的な盛り上がりを見せつつ終わりを迎えます。ショ パンの作品の中でも、力強くエネルギーに溢れた曲といえるのではないでしょうか。 この曲は私が高校1年の時、出身の広島で室内楽のリサイタルを開いた際、ソロ演奏として弾いた思 い出深い曲です。室内楽では共演者が女性の場合、レディファーストとして男性はステージに出るとき 戻るときは、女性を先に通すのが普通なんです、が、当時は緊張のあまり完全にそのことを忘れてしま って、一人さっさとステージから戻ってしまい、恥ずかしい思いをしたりもしました。このショパンの ソナタはそんな当時のことを思い出す曲です。今回、久しぶりに弾くことになり、指が動かなくなった 部分もありますが、音楽面では昔とはまた違う成⾧した演奏ができるようにと思います。 IV 1 近藤 遼河 ジョン・ケージ 4 分 33 秒 ラフマニノフ 楽興の時 Op.16 より 第 4 曲 ホ短調 ちからをぬいて みみをかたむければ ほら、世界には音楽が充ち満ちている...... 7 方 大樹 リスト メフィストワルツ 第 1 番 S.514 「村の居酒屋での踊り」 リストは、ゲーテの戯曲「ファウスト」に基づく「ファウスト交響曲」の完成後に、今度はレーナウ の「ファウスト」に基づいて管弦楽曲を2曲作りました。その一方である「村の居酒屋での踊り」をピ アノ用にアレンジしたのがこの曲です。主人公ファウストとメフィストフェレスは、農民たちが踊り集 う居酒屋に現れ、メフィストはヴァイオリンを無我夢中で弾き出します。ファウストはその後、一人の 踊り子を抱いて森の中に入ってゆきます。そのような状況を描き出しています。前半部分は怪しい雰囲 気を漂わせ、中間部に入ってロマンティックになったかと思えば、後半部分は荒れ狂ったような感じへ と変貌していきます。 初めまして。方(かた)大樹です。高校時代は、自らコンサートを企画して演奏する機会が多くあり ましたが、今回はしばらくぶりの舞台になりとても楽しみにしていました。メフィストワルツは昔から いつか弾きたいと思っていた曲なので、自分なりに精一杯演奏したいと思います。お酒を飲んだことが 無ければ踊った経験も全くありませんが、リストの望んだ演奏に少しでも近づけるように頑張ります。 よろしくお願いします。 V 4 田所 芽生子 ショパン スケルツォ 第 3 番 嬰ハ短調 Op.39 この曲の冒頭に出てくる和音は、手の小さかったショパン自身も届かなかったと言われています。ま さに「冗談」です。(私も届きません。) 中間部のコラールに続く下降分散和音は大変美しく、 「すだれ」とも称されています。 素敵なホールで弾かせて頂けることに感謝して、気持ちのこもった演奏をできる様に頑張ります。 5 伊藤 圭祐 スクリャービン 悪魔的詩曲 Op.36 悪魔的詩曲は、スクリャービンが独自の作風をクラシック音楽界に確立させる潮流の中で重要な役割 を果たした作品であり、構成美、旋律美を兼ね備えた名曲となっています。また、 「悪魔的」の題名の通 り、曲の様々な場面で、テーマが魅惑的な変奏を伴って現れます。 拙い演奏ではありますが、少しでもこの曲の魅力を伝えられればと思います。 6 村松 海渡 リスト 2 つの伝説 S.175 より 第 2 曲 「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」 リストは 54 歳頃に僧籍に入りますが、この曲集はその 4~2 年前に作曲されたもので、彼のキリスト 教への信仰が深まった時期の作品と言えます。 彼は表題にあるように、二人の聖人にまつわる伝説に感銘を持ちながらそれを音で表現しようとしま した。では第2曲の伝説とはどんなものかというと、 『船頭に乗船を拒否された貧しき人びとに救いを差 し伸べ、祈りの力をもってマントを船にして、彼らを乗せて海を渡って行った、 、 、 』というもの。民衆を 導く彼の偉大な、そして海を渡っていく雄大な光景が想起されます。リストはこの情景を音にしたので しょう。 この曲は冒頭のユニゾン(単旋律)を経て、持続される低音とメロディーラインの曲想へと続きます。 私はこの移行が、 “聖人が波を渡り始めた”情景に思えてなりません。そしてこの曲は冒頭の主題(メロデ ィー)を常に携えながら次第にそのダイナミクスを変化させつつ展開していきます。まるで刻々とその 表情を変える海のように。 変化する低音を『海』に、そして曲を通じて貫かれるメロディーを『波上の聖人』になぞらえて表現 いたします。 7 渡邊 貴弘 アルカン 短調による 12 の練習曲 Op.39 より 第 12 曲 ホ短調 「イソップの饗宴」 タイトルから分かる通りイソップ童話を元に作られたアルカンの練習曲です。童話の動物たちが賑や かに登場する様子を表現しており、とてもかわいらしい曲です。この曲のピアノ独奏版は 1884 年、パリ 音楽院の試験曲として作曲され、同年中に出版されました。Fis-Gis-His の三音によるモチーフに始まり、 主部ではこの動機が徹底的に活用され、中間部では、主部の主題が展開される間に、二つの抒情的なエ ピソードが挟まれています。 とても美しく華やかな旋律を上手く表現出来るように頑張りますので聴いてください。 東京大学ピアノの会 新人演奏会 日時 2016 年 6 月 18 日(土) 場所 角筈区民ホール 主催 東京大学ピアノの会 (http://www.p-kai.net) 会長 松下 祐介 (連絡先:8858799237@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp) プログラム編集 藤江 教貴 表紙作成 栗野 十萌 次回の演奏会は 2016 年 8 月 13 日(土)に杉並公会堂小ホールにて 2016 年 8 月 14 日(日)に板橋区文化会館にて 「東京大学ピアノの会 八月演奏会」を予定しております。 みなさまお誘い合わせのうえ、ぜひご来場ください。