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F 通知条項へのチャレンジ – 禁反言
契約請負人の の法律の 契約請負人 法律の手引き 手引き F 2009年春号 2009年春号 通知条項への 通知条項へのチャレンジ へのチャレンジ – 禁反言 はじめに 洗練された法システムでは、権利の内容がしかるべく通知されなかった不 誠実な主張に多いに頼った権利の請求は通常は容赦しない。この厳しい 姿勢はそれぞれの法律のなかで具体化されているが、その法律の基準 はだいたいにおいて類似している。このような厳格通知条項を含む契約 書の契約当事者にとってガイダンスとなる注意すべきいくつかの点がある。 本 CLGN2009 年春号では請負人/仕入業者がこのような厳格通知条項 がもたらす厳しい影響を逃れるいくつかのあり得る見込みについて考えた い。その際、もっと一般的な立場からみた請求権の通知について考慮し た 2008 年秋号の本ニュースレターで取り上挙げた鍵になる要点に基づ いて考えていくことになる。 禁反言」」の国際論 「禁反言 国際仲裁機関(国際契約の主な紛争解決裁判所)の仲裁人は、数々の判例の中で「流動的な」、また は国境を超えた性質の原理によって紛争を解決する意向を示している。この意向は、適用法を用いて も結論にたどり着くことができない場合、「公正な解決」を導きたいという考えに明らかに基づくものであ る。このアプローチの一つの特別な見方として、「l'interdiction de se contredire au détriment d'autrui (法律は、相手にとって損失となる矛盾した行動を阻止するために介在する)」という原理とこの原理の 根底に横たわる概念を適用することであり、この原理は「non concedit venire contra factum proprium (自分自身の以前の行動と矛盾する者はいない)」、「権利の放棄」、「行為による禁反言」、「表示によ る禁反言」などの概念のなかに似た表現を見ることができる。本ニュースレターでは、このような概念を 集合的に参照して便宜的に「禁反言」の言葉を使うことにしたい。 「禁反言」の中心には、紛争にかかわる一方当事者が (i)もしその当事者がそうするなら、その当事者 は、以前に取った立場と一致しない行動をとることになり、(ii)その当事者がそのような行動をとることは 他方当事者にとって正当ではない、という状況で法的な権利の主張も含めて、そのような立場を取るこ とは許されないという概念がある。これは、最初から誠意を持って行動するという高潔さを持つ原理で ある。 例えば、ドイツの法律では、この原理は長年に渡って影響力を持つドイツ民法典の 242 条に含まれる、 誠意の履行の一般的な義務を司法的に応用するなかに見ることができる。これは、以前の行動と一貫 性のない当事者の権利の主張に関するものである。どちらが保護を受けるにふさわしいかを決定する ために両当事者の相対立する利害のバランスを打ち崩そうとするものである。このバランス測定をする 際に、一方の当事者が他方の当事者の行動に置いた信頼性が要因の一つとしてたびたび考慮される。 フ ラ ン ス の 法 律 に はこ の 原 理と 直 接 同 類 のも の はな い が、 実 際に は、 特 定 の 事 例 にお いて apparence(外観)というフランスの法理が似たような方法で厳しい法の権利の効力を変える作用をして いる。 「表示による禁反言」や「行為による禁反言」のコモンロー(英米法 common law)原理は、潜在的に国 際商業仲裁の禁反言の一般的な原理に関連する法律の原点で、最も影響力のあるものと見る人もい るであろう。当該の法理学は大変複雑なものである。禁反言、それはほとんどのコモンロー法理学にお 1 of 3 ける法と法手続の全体で重大な役割を果たしているが、それは一つの明瞭な法理から起こったもので もなく、それを表しているわけでもない。周期的に各地域で一致させようとする試みがされるにもかかわ らず、コモンローの「禁反言」のアプローチは、ある一般的な特性は共有するが多くの重要な特徴はそ れぞれ異なっている原理が集まったものと表現するのが一番適しているであろう。実際に、用語に関し て受け入れられている分類や一致した意見はない。 このように、「禁反言」が実際に細かい規則として説明されることは疑問である。特殊な見方をすれば、 むしろ、国際商業契約において幅広い誠実の概念を適用するための司法技術として存在している。ど ちらにしても、実際の目的として、ある特定の一般的原理は抽出することができるが、結果として、事実 上充分に一貫して従うことが疑わしいような厳格通知条項を含んだ契約書の場合、特定の戦術的な要 点も考慮を必要とする。このニュースレター後半はこの点について挙げ、簡潔に説明したい。 実用的な 実用的 な提案 請負人や仕入業者が禁反言の原理から最大限の利益を得るにはいろいろな方法がある。このような 方法については、本ニュースレター2008 年秋号で取り上げた11個の鍵になる方法のいくつかを繰り 返すことになるが、この要点はこの特殊な文脈において繰り返す価値があるので、あえて繰り返すこと にする。 1. まず第一に、契約書が実際にあなたが通知をすることを義務付けている明白な条項を含ん でいるかを確認する。通常含んでいるであろう。その次に、実際にどの程度その条件に遵守 する必要があるのかを査定する。手ごわい通知条件の際立った特徴としては、曖昧な通知 誘因、通知の時間枠が短い、通知の方法や形式や内容などに関して細かい規定などである。 通知条件の実際性について本当に疑問がある場合、以下の提案を注意深く考慮する必要が ある。 2. 注意として、上記で述べたように、「禁反言」として集合的に参照される地方公共団体の条例 の様々な原理は均一ではない。上記に挙げた一般的な点は、それ自体では実質的な価値は なく、従って、全ての判例には効果を持たないであろう。確かに、特殊な準拠法では厳格通知 条項の強制範囲を認識することさえしないであろう。そのような場合でも、限界があることを 予想して手続をする価値はある。同時にその一方で、理想的には法律専門家のアドバイスを 受けながら準拠法のもとで禁反言の特別な原理が存在するのか、またその適用範囲を確認 し、それに合うような特別戦略を明確にするのが賢い方法であろう。 3. 準拠法に上記で明確にした事柄に補足したり、あるいはそれと異なる禁反言の原理を引き出 すのに必要な特別な条件がない限り、提案された方法をとることは、一般的にも特殊なケー スにおいても通知条件に従うことは要求されないという曖昧な指示を引き出すことを目的とす ることになる。更に具体的に言うと、開発業者に代わって契約を管理する人により実用的な 方法と形式で通知を受けとるよう奨励していくべきである。 4. 特殊な通知を受け取る権利のある相手側は、自分からすすんでこのような指示をすることは ないので、通知をする必要のある当事者、すなわち、あなたが通知条件を緩和する可能性を 提起する必要がある。 5. 通知条件に従うことは要求されないという指示がされるなら、この権利の譲歩は文書により 明確にそのように知らされなければならない。通知をするためのより実用的な代案協定にな んとか合意したり理解に及んだりした場合、その取り決めに従うことに徹底していただきたい。 6. そのような指示を受け取らなかった場合でもなお、現実的に可能な方法で、例えば書簡や会 議などで伝えるべき事柄を通知をすることをお勧めする。 7. この形式の通知に対する相手側当事者の応答は、出された通知の有効性(もし厳しい形式 的なものに該当しなければ)を確認するためにも適切に受け取ったことを知らされるべきであ る。 2 of 3 8. 通知をするための、かつ/または他のコミニュケーションの方法による代案協定に従って通知 された全ての請求権(及び、他の商業的に重大な出来事)を含み、記録をとる。 9. 開発業者、かつ/または開発業者代理との全ての会議、通常会議も特別会議も両方とも細か く正確な記録を取る。他方当事者の同意を得て、又は最低でも黙認のうちに会議の書記の役 割を引き受ける。 10. 十分に満足しない他方当事者が準備した議事録には連署しない。議事録が開発業者(もしく はその代理)によって準備され、あなたが特に行動を起こさなければ議事録は受け入れられ たことになるという但し書きがされている場合、必ず、適切で時宜を得た方法(少なくとも一般 的な方法)で懸念を提起する。考えられる受託は法的な効力はないかもしれないが、これに 関して危険を冒す価値はない。 結論 ほとんどの建設契約と供給契約には、一般的に、契約書の他の権利の請求だけでなく時間延期の権 利や損害と経費の請求に関して請負人かつ/または仕入業者に課せられた厳格通知条件がある。こ の厳しい条件は開発業者の利益のために組み入れられているのである。これは、この条件は絶対的 で、または請負人かつ/または仕入業者はいつもそれを遵守しなければならないというわけではない。 実際に、契約義務に執行力がないという特殊な状況があり、CLGN の本号ではそのような判例の一つ を扱った。 具体的な条件は異なるが、禁反言という名の下で分類した法原理は、大体にして似た効果を持ってい る。それは、契約当事者に契約の厳密な条件に固守するように強いるのは正当でない、または倫理的 でない状況がどういう場合かを識別する目的が意図されている。請負人がこの原理がもたらす保護を 活用したい場合、特定の踏むべき実際の手順がある。そのような手順を踏むことは、プロジェクトの後 に請負人の重要な助けとなるものである。 この会報 この会報は 法的アドバイスではない げた問題に して行動をとる 具体的な 法的アドバイス 法的アドバイスを めるべきで ある。 ある。 会報 は、法的アドバイス アドバイスではない。 ではない。取り上 げた問題 問題に対して行動 行動をとる前 をとる前 に具体的な アドバイスを 求めるべきで © Pinsent Masons 2009 3 of 3