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ステッピングモーター ケーブルの長さと伝送周波数の関係 カップリング
ステッピングモーター ■ケーブルの長さと伝送周波数の関係 ●各部の仕様 パルスラインが長くなるほど伝送できる最高周波数は低下します。 これはケーブルの持つ抵抗成分と浮遊容量などの影響から、CR 回 路が形成されパルスの立ち上がり、立ち下がりが遅延するためで す。 ケーブルの浮遊容量は電線間、対地間などに発生します。 ケーブ ルの種類、配線、引き回しなどにより、条件が変化するため明確 な数値を示すことは困難です。 コントローラ出力 ドライバ内部 ケーブル V オープンコレクタ 出力 0V 0V 0V ケーブル浮遊容量イメージ 電圧 [V] V 時間 [s] パルス波形イメージ ジョーカップリングのねじりばね定数 Cj = 21000[N·m/rad] ベローズカップリングのねじりばね定数 Cb = 116000[N·m/rad] サーボモーターの剛性 Cm = 90000[N·m/rad] ボールねじのリード h = 10[mm] ボールねじの歯底円径 d = 28.5[mm] ボールねじ長さ L = 800[mm] ベアリングの軸方向剛性 Rbrg = 750[N/μm] ボールねじナットの軸方向剛性 Rn = 1060[N/μm] ボールねじの弾性係数 Rf = 165000[N/mm2] ① ボールねじ、ベアリング、ナット部分のねじれ剛性を求めます。 ボールねじの軸方向剛性 Rs は Rs =(Rf · d2)/L =(165000 × 28.52)/800 = 167526[N/mm] = 167.5[N/μm] 以下に当社製品との組み合わせで動作させたときの伝送周波数(実 測参考値)を示します。 したがって、ボールねじ、ベアリング、ナット部分を合計した 軸方向剛性 Rt は以下のようになります。 最高伝送周波数(参考値) 1 1 1 1 = + + Rt 2Rbrg Rs Rn 1 1 1 + = + 2 × 750 167.5 1060 ドライバ コントローラ RK シリーズ ARL シリーズ LAS シリーズ DG シリーズ EMP2001 ケーブル 最高伝送周波数 CC01EMP5(1m) 170KHz CC02EMP5(2m) 140KHz CC01EMP4-2(1m) 150KHz CC02EMP4-2(2m) 120KHz ■カップリング剛性が装置に及ぼす影響 カップリングの性能を表す仕様として、許容負荷、許容回転速度、 ねじりばね定数、カップリング自体のバックラッシ(ガタ)の有無、 許容ミスアライメント等があります。 一般に位置決め性を良くし たい場合や振動の発生を抑えたい装置等に使用するときは“剛性が 高くバックラッシがない”ということを第一条件にカップリングを 選定されているのが実状と思われます。 しかしながら、カップリングの剛性は装置全体の剛性でみると、 影響が少ない場合があります。 ここでは、ひとつの例として、ボールねじ駆動時における装置全 体の剛性を MCS カップリングのようなジョーカップリングと剛 性の高いベローズカップリングを使用した場合で比較してみます。 (KTR 社の技術資料から引用しているため、カップリングの大きさ が当社で商品化しているものとは異なります。) ●実験装置概要 カップリング モーター この軸方向剛性をねじれ剛性 Ct へ置き換えます。 Ct = Rt h 2π 2 = 131.9 × 106 × 10 × 10−3 2π 2 = 334.1[N·m/rad] ② ジョーカップリングを使用したときの装置全体の剛性 C を求め ます。 1 1 1 1 = + + C C m Cj C t 1 1 1 = + + 90000 21000 334.1 = 0.003052 C = 327.7[N·m/rad] ③ ベローズカップリングを使用したときの装置全体の剛性 C を求 めます。 1 1 1 1 = + + C Cm Cb Ct 1 1 1 = + + 90000 116000 334.1 ベアリング ボールねじ = 0.00758 Rt = 131.9[N/μm] ナット ベアリング = 0.0030128 C = 331.9[N·m/rad] ④ 計算結果 ボールねじ駆動装置 ジョーカップリング使用時 ベローズカップリング使用時 カップリングの剛性 [N·m/rad] 装置全体の剛性 [N·m/rad] 21000 116000 327.7 331.9 ジョーカップリングの剛性はベローズカップリングの 1/5 ですが、 装置全体の剛性では、その差は 1.2% です。 I-66 オリエンタルモーター総合カタログ 2011/2012