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肉用牛遺伝資源活用体制 整備事業報告書

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肉用牛遺伝資源活用体制 整備事業報告書
肉
用
牛
遺
伝
資
源
活
用
体
制
整
備
事
業
報
告
書
平
成
16
年
6
月
(社)
畜
産
技
術
協
会
日本中央競馬会特別
振興資金助成事業
肉用牛遺伝資源活用体制
整備事業報告書
平成16年6月
社団
法人
畜 産 技 術 協 会
ま え が き
本報告書は、日本中央競馬会の畜産振興補助事業として譛全国競馬・畜産振興会の助成により平成13年∼
15年度において実施した肉用牛遺伝資源活用体制整備事業の成果をとりまとめたものである。
平成12年度までに当協会では、肉用牛のDNA育種手法の実用化を目的とした家畜遺伝子情報活用体制整備
特別対策事業を実施してきた。その結果、DNAマーカーとの遺伝的な連鎖関係から、経済形質に関与する遺
伝子座の領域を推定することに成功し、当該個所のマーカー情報を選抜に利用可能な段階まで進めてきた。
しかしながら、一般にマーカー情報は血統的に限定された集団においては有用だが、集団一般ではそうでな
いこと、責任遺伝子まで明らかにしなければ、信頼性の高いDNA育種手法の実用化は困難なこと、遺伝子を
明らかにしなければ特許等の知的所有権の対象にならないことなどから、経済形質に関する遺伝子そのもの
を同定することが緊急の課題となってきた。このため事業では、第一段階として、DNAマーカーによる連鎖
地図の高密度化とDNAクローンという実体を持つ断片をつないだ詳細な物理地図の作成を行いつつ、黒毛和
種にこれまで世代交代と共に蓄積されてきた遺伝的組換えを活用する相関解析の体制を構築してきた。これ
らの考え方に基づいて本事業を推進した結果、至難とされていた肉質や肉量に関わる責任遺伝子の同定がも
はや夢物語ではない段階まで到達することができた。
最後に、この事業の実施に当たり、終始ご指導いただいた農林水産省、ご理解とご支援を頂いた日本中央
競馬会、譛全国競馬・畜産振興会、および、共同研究を進めてきた機関の各位に厚くお礼申し上げます。
平成16年3月31日
社団法人畜産技術協会
会長 山 下 喜 弘
肉用牛遺伝資源活用体制整備事業報告書
目 次
第1章 要約…………………………………………………………………………………………1
第2章 ウシゲノム解析用ツールの開発…………………………………………………………4
第3章 ウシゲノム連鎖地図の現状………………………………………………………………8
第4章 肉用牛経済形質のDNA育種手法の開発…………………………………………………20
第5章 研究発表リスト……………………………………………………………………………26
第6章 参考資料:発表論文………………………………………………………………………31
第1章 要 約
(1)目 的 (2)ウシゲノム解析用ツールの開発
ウシのほとんどの経済形質は量的形質(quantitative
平成5年の春の段階で、ウシのゲノム解析のため
trait)であり、遺伝的には量的形質遺伝子座 (quantita-
のツールは、経済形質や抗病性遺伝子のマッピング
tive trait loci, QTL) に支配されている。現在までに、
(染色体上の位置を特定する、位置付ける)ができる
表型値と血統情報を基に遺伝的能力を推定する統計
レベルに達したため、各国の研究機関は一斉にツー
遺伝学的アプローチを用いた黒毛和種の遺伝的改良
ルの開発からマッピングに移行したが、ヒトゲノム
が行われ、大きな成果を挙げてきた。この手法では、
情報を有効に活用し、それらの責任遺伝子を同定す
種畜の保有する優良遺伝子型が後代集団へ遺伝する
るためにもツールの充実が急がれていた。我々は、
確率を推定できるが、特定の個体についての情報は
平成13年度からの本事業において、ウシの育種選抜
ない。そこで、近年の発展しているゲノム科学の成
に利用可能なDNA情報の開発を加速化するため、独
果を活用したDNA育種手法を開発し、個体毎のDNA
自にゲノム解析用ツールの開発を行ってきた。その
情報から育種の精度を高めることが求められてきた。
結果、ウシゲノム連鎖地図の高密度化(3.2 倍)、お
そこで、当研究所は平成6年度からDNA育種手法を
よび、ウシ染色体地図の高密度化(7.7 倍)を平成15
開発する事業に取り組んできた。その結果、平成12
年度までにほぼ完成することができた(表1)。これ
年度までにDNAマーカーを利用したゲノム解析手法
によって、ウシ経済形質のマッピングを正確に行う
を確立し、黒毛和種経済形質QTL遺伝子座領域を特
ことが可能になっただけでなく、ヒトやマウスのゲ
定してきた。平成13年度から平成15年度までの本事
ノム情報を的確に活用してウシ経済形質QTLの責任
業においては、次のような3項目を目的として研究
遺伝子同定という目標を明確にすることができた。
を進めてきた。
今年度までに進めてきた高密度ゲノム連鎖地図、
・経済形質QTLの責任遺伝子のクローニングを現実
詳細なウシ染色体地図、ウシ-ヒトゲノム比較地図な
的なものにするレベルの高密度で詳細なウシゲノ
どの作成により、我々はゲノム解析のための優れた
ム解析用のツールを整備する。
ツールを手にすることができた。これらのツールは、
・マーカーマッピングの効率的な遂行で、共同研究
経済形質責任遺伝子のポジショナルクローニングだ
機関と作成してきた父方半きょうだい家系を用い
けでなく、遺伝性疾病の原因遺伝子のポジショナル
るQTLマッピングの結果を出す。
クローニングにも威力を発揮することが期待できる。
・先行している3種の経済形質QTL責任遺伝子のク
ローニングを進展させ、遺伝子機能の解析レベル
(3)肉用牛経済形質QTLのマッピング
まで持っていく。
米国などから交雑家系(主として、Bos taurusであ
その結果、以下のような成果を挙げることができた。
るアンガス種とBos indicusであるブラーマン種間の交
表1 本事業におけるウシゲノム解析用ツールの開発状況
従 来
本事業の成果
高密度ウシゲノム地図
1,250マーカー
3,960マーカー
3.2倍
詳細なウシ染色体地図
768座位
5,876座位
7.7倍
− 1 −
雑)を用いた肉用牛経済形質のマッピングについて
り、平成15年度までに17家系を解析し、表2に示す
これまでいくつか報告されているが、特定の領域に
ように多数の経済形質QTLをマッピングした。また、
おいてマーカー密度を高めて責任遺伝子のクローニ
これらのマッピングしたQTLのうち、p < 0.01レベル
ングを試みている研究室はまだ無く、ファインマッ
で有意であった64 QTLを表示した地図を図1に表し
ピング(10 cM以内)に成功した例もまだ無い。
表2 平成15年度までの黒毛和種経済形質
マッピングのまとめ
我々は、本課題の第一期に当たる平成6年度に開
始された事業で、肉用牛(黒毛和種及び褐毛和種)
経済形質QTL*
p < 0.05
p < 0.01
p < 0.001
体重
12
6
5
枝肉重量
21
13
5
共同研究を開始した。平成12年度までに、脂肪交雑
脂肪交雑
44
21
10
などの主要な経済形質について連鎖する染色体領域
ロース芯面積
36
18
5
を確実に特定してきており、一部の経済形質につい
バラ厚
16
2
0
皮下脂肪厚
16
4
0
合計
145
64
25
の増体・肉質等の経済形質についてDNA情報を指標
とした改良手法の開発を目的に道県の畜産試験場・
研究所や譖家畜改良事業団家畜改良技術研究所との
てはマーカーアシスト選抜に適用しうる段階に至っ
た。
平成13年度からは18道県・家畜改良事業団・家畜
*染色体ワイズの有意水準。
改良センターの合計20機関との共同研究を行ってお
図1 黒毛和種牛経済形質マッピングのまとめ
* * * ** *
*
**
*
*
*
*
*
**
*
*
*
*
*
*
*
*
*
, , , , , ,
* , p < 0.1% (chr-wise)
, p < 1.0% (chr-wise)
p > 1.0%-loci
− 2 −
た。p < 0.01レベルでマッピングされた経済形質QTL
のQ/qの違いを根拠にMarbling-2 領域を約6cMに狭め
情報は特定の血統に属する集団内で優良なQTL遺伝
た。この領域に位置するマーカーとヒト相同遺伝子
子型を保有する個体を選別することができる。しか
をアンカーとしてBAC整列化を完成し、SNPのタイ
しながら、それぞれの詳細なQTL情報は限られた地
ピングにより、Marbling-2 領域をBACクローン1個
域だけで種雄牛選抜に使われており、全国的にこれ
内(約50 kb)まで狭めることに成功した。この領域
らの成果を享受するシステムにはなっていない。今
には既知及び予想される遺伝子は3個存在していた。
後、これらの情報の利用の仕方を関係者によって調
CW-1
整していく必要があるだろう。
平成12年度までに、2つの父方半きょうだい家系
を解析し、 約10 cMのIBD(Identical By Descent, 同祖
(4)経済形質QTL責任遺伝子クローニング
的。ある共通祖先牛から2頭の種雄牛に遺伝した同
の試み
じ染色体断片であること)領域を見出したので、平
多数のマッピングした経済形質QTLのうち、BTA
成13年度からCW-1のファインマッピングを開始した。
21番テロメア領域の脂肪交雑-1 (Marbling-1)、BTA 7
このIBD領域で作成したBAC整列地図はヒトドラフ
番セントロメア領域の脂肪交雑-2 (Marbling-2)、BTA
ト配列情報から、約4.5 Mbと推測された。相関解析
14セントロメア領域の枝肉重量-1 (CW-1) のポジショ
の結果、約1.2 cMに狭めた。1.2 cM まで狭めたこと
ナルクローニングを試みた。
でCW-1のQは黒毛和種一般に分布し、増体に一役買
っていることが明らかになった。Q領域には既知及
Marbling-1
び予想される遺伝子は約10個存在していた。
Marbling-1 では、約1,000頭の産子と高密度マーカ
ーを使って約9 cMまで狭め、BAC整列地図を作成し
(5)今後の展望
た。さらに相関解析の手法でヒト塩基配列情報から
3つのQTL領域とも狭めることに成功し、それぞ
490kbと推定される領域まで狭めた。この領域には
れ数個の候補遺伝子を残すこととなった。とはいえ、
既知及び予想される遺伝子は7個存在していた。
これらほとんどの遺伝子の機能は不明である。平成
Marbling2
16年度からの継続事業では、Marbling-1、Marbling-2、
父方半きょうだい家系でマッピングしたBTA7セ
CW-1 遺伝子を同定するため、該当領域の塩基配列
ントロメア約20 cMのMarbling-2領域で、同じ母を持
を解読してSNP(一塩基多型、Q/qを区別する塩基配
つ別の種雄牛家系ではバラツキが認められなかった
列)を開発し、SNPを使って相関解析で候補遺伝子
ことから、両種雄牛におけるハプロタイプを詳細に
を絞り、それぞれの遺伝子機能の解明を培養細胞レ
調べた。その結果、Marbling-2 のQ(相対的に優良な
ベル・マウス個体レベルで進めると共に、ヒトゲノ
方の遺伝子型をQという)は種雄牛aに遺伝している
ム情報などを活用することで責任遺伝子の同定を行
が、種雄牛bにはq(相対的に優良でない方の遺伝子
うつもりである。
型をqという)が遺伝していることが考えられた。こ
− 3 −
第2章 ウシゲノム解析用ツールの開発
狭めて信頼性の高い高精度マーカー情報を得、それ
(1)研究年次: 平成13年∼平成15年
らの責任遺伝子をクローニングするためには詳細な
ウシ染色体地図が必要である。ウシの育種選抜に利
(2)目的と期待される成果 ウシのほとんどの経済形質は量的形質(quantitative
用可能なDNA情報の開発を加速化するため、高密度
trait) であり、遺伝的には量的形質遺伝子座 (quanti-
ゲノム連鎖地図の作成、マッピングされたDNAマー
tative trait loci, QTL) に支配されている。現在までに、
カーによる物理地図である放射線照射ウシ体細胞ハ
表型値と血統情報を基に遺伝的能力を推定する統計
イブリッド地図 (Radiation Hybrid Map, RH地図) のフ
遺伝学的アプローチを用いた黒毛和種の遺伝的改良
レーム作成、ウシ発現遺伝子座断片 (Expressed sequ-
が行われ、大きな成果を挙げてきた。この手法では、
ence tagged, EST) のマッピング、ヒトゲノム情報を
種畜の保有する優良遺伝子型が後代集団へ遺伝する
有効に活用できるウシ-ヒトゲノム比較地図の作成な
確率を推定できるが、特定の個体についての情報は
どを行い、詳細なウシ染色体地図を作成する。
ない。そこで、近年の発展しているゲノム科学の成
QTLをウシゲノム上にマッピングするには、ゲノ
果を活用したDNA育種手法を開発し、個体毎のDNA
ム連鎖地図が不可欠であり、地図のマーカー密度が
情報から育種の精度を高めることが求められてきた。
高いほど正確な領域が判明する。しかしながら、マ
1980年代後半よりヒトや実験動物等で、DNAマー
ーカーの位置は遺伝的組換えの頻度を計算して決め
カーを利用した連鎖解析手法によって表現型(特に
られたものであるため、どこまで高密度化していっ
劣性遺伝を示す形質)に影響を及ぼす領域、および、
てもマーカーはゲノム上の点に過ぎない。隣接する
そこに存在する責任遺伝子の同定が行われてきた。
マーカーとの間から領域特異的にマーカーを開発す
ウシにおいても、クローディン-16欠損症やモリブデ
ることはできない。そこで、マーカーで高密度化し
ン補酵素欠損症といった劣性遺伝病の原因遺伝子が
た、いわゆる計算で作成した連鎖地図から、DNAク
当研究所で同定されてきた。DNAマーカーの中でも、
ローンという物質的な実体で位置付けた物理地図に
CAの繰り返し配列からなるマイクロサテライト(MS)
変換してやらなくてはならない。この役割を演じる
マーカーは、最も多型に富みゲノム全体に分布して
のがBACクローンである。マーカーとマーカーの間
いる優れたマーカーである。畜産の分野において、
を複数のBACクローンでつないだものをBAC整列地
MSマーカーの多型と表型値との相関性を調べるQTL
図、あるいは、BACコンティグ地図という。いった
解析手法を用いることにより、表型値にばらつきを
ん整列化すると、任意の領域からマーカーを開発す
もたらしている領域を明らかにし、その領域に存在
ることができ、ヒトゲノム情報から予測できるウシ
するMSマーカーの多型を用いた育種への応用が可能
相同遺伝子をコンティグ化した領域から分離できる
になると考えられる。また、関連領域から責任遺伝
ようになる。なぜなら、整列化領域に存在するBAC
子を同定し、機能解析等を行うことにより、量的形
クローンのDNAからマーカーや遺伝子を開発できる
質に関わる遺伝子の作用機序を明らかにし、育種学
からである。連鎖地図から物理地図への変換にはマ
以外の飼養学や栄養学等の分野にも貢献することが
ーカーの高密度化が必要であり、物理地図を作成で
期待される。我々は、道県、および、譖家畜改良事
きれば、QTL領域の解析は飛躍的に進展する。
最も情報量の多い生物種はヒトであるため、ヒト
業団との共同で父方半きょうだい家系を用いた経済
ゲノム情報を有効に活用することはQTL責任遺伝子
形質QTLマッピング(位置付け)を行ってきた。
ゲノム解析でマッピングしたQTL遺伝子座領域を
のクローニングに大いに意義のあることである。ウ
− 4 −
シの染色体領域は、それぞれヒト染色体の特定の領
RHパネルの作成を完了した。また、大まかに遺伝子
域と類似している(シンテニーであるという)ので、
の染色体マッピングを行うために、ウシ体細胞ハイ
ウシ遺伝子を貼り付けた物理地図を作成すれば、ウ
ブリッドパネル (Somatic Cell Hybrid Panel, SCHパネ
シ遺伝子とその隣の遺伝子の間に存在するであろう
ル) を調製した。さらに、ウシ-ヒトゲノム比較地図
遺伝子の情報はヒトゲノムから得られる。しかしな
の作成のため、ウシの各種組織で発現している遺伝
がら、遺伝子断片であるESTには多型がないため、
子断片であるESTを約3万6千個開発し、GeneBank
連鎖地図にマッピングすることはできないが、RH地
に登録した。これらのESTに含まれる約7,000配列か
図にはマッピングできる。そこで、連鎖地図上に並
らPCR増幅用のプライマーセット4,000種を作成した。
べたDNAマーカーをフレームとしてRH地図を作り、
これらの準備してきたツールと(3)-1で作成するウシ
遺伝子をその地図にマッピングすれば、詳細な物理
ゲノム連鎖地図を活用して詳細なウシ染色体地図を
地図が得られることになる。この段階まで進めば、
作成する。
もはやマーカーは点ではなく、マーカーとマーカー
・ゲノム連鎖地図に載せたマイクロサテライトでフ
レームワークマップを作る。
の間に存在する遺伝子が推測でき、その領域のBAC
クローンDNAを鋳型にPCRすれば、任意のウシ遺伝
・ 4,000種のウシESTをマッピングし、ヒトゲノムへ
位置づけ、比較地図とする
(ウシEST数、419,416:
子の塩基配列の変異を調べることが可能になる。
平成16年4月30日現在)
。
したがって、高密度化したゲノム連鎖地図を作り、
物理地図であるRH地図を作ることは、QTL責任遺伝
・最終的なウシのRH地図は、3,000個のマイクロサテ
ライト、3,000個の ESTを含む合計約6,000座とする。
子のクローニングに重要な準備であると言える。
(4)研究開発の成果
(3)研究の具体的な目標
(3)
-1.マイクロサテライトの開発、および、高密度
ゲノム連鎖地図の作成
マイクロサテライト (Microsatellite, MS) 開発とマ
ッピングのまとめ(詳しくは、第3章 ウシゲノム
1997年に公開された米国農務省肉畜研究センター
連鎖地図の現状を参照)
(USDA-MARC)によるウシゲノム連鎖地図には約1,200
種のマイクロサテライトがマッピングされている。
1997年のUSDA-MARCウシゲノム連鎖地図のDNAマ
我々は、USDA-MARCのウシリファレンスファミリ
ーカー数 1,236
ー(標準家系)を用い、USDA-MARCと共同でゲノ
独自開発し、マッピングを試みた多型性MS数
2,124
ム連鎖地図を完成させる。このリファレンスファミ
リーで作成する地図の解離度限界は0.8 cMなので、
マッピングを試みた他機関が開発したMS数
214
3,000個程度のマイクロサテライト(平均間隔:1 cM
ゲノム連鎖地図に新たに載せることのできたMS数
2,277
以下)を載せたゲノム連鎖地図を完成させる。
最新のウシゲノム連鎖地図のMS数
(3)
-2.ウシ染色体地図の作成:放射線照射ウシ体細
3,802
(独自開発し、物理的に染色体上の位置を決めている
胞ハイブリッドパネル地図(RH地図)、および、
が、連鎖解析でマッピングしていないMS、346個を
ウシ-ヒトゲノム比較地図の作成
除く)
我々は、これまでに、ヒトゲノム情報を有効に活
用できる詳細なウシ染色体地図を作成するための準
RH地図のまとめ
備を進めてきた。まず、平成12年度までに米国ミネ
フレームワークに用いたMS数
3,219
ソタ大学と共同で、染色体物理地図の作成に有用な
マッピングしたMS数
3,294
− 5 −
BACクローンの整列化とは、多数のBACクローン
マッピングしたEST数
2,582
合計
5,876
の中からお互いに一部重複するクローンのつながり
17.5%
具合を調べ、並べていくことの繰り返しでBACクロ
25,088 cR (約120 kb/cR)
ーンをつないでいくことである。つなぎ方には2つ
RHパネルの平均保持率
ゲノムの全長
の方法がある。1つはフィンガープリンティング法
(5)国内および海外の状況
である。BACクローンを制限酵素(特定のDNA塩基
本事業は、米国のミネソタ大学(現在は研究者の
配列の個所を切断する酵素)で切断してゲル電気泳
異動によりネバダ大学)やUSDA-MARCとの共同研
動でDNA断片のサイズで分離すると、BACクローン
究である。ウシのゲノム解析のためのツールの開発
特有の切断された断片のパターンが得られる。この
は、1997年の春の段階で一応のレベルに達し、ゲノ
パターンをフィンガープリントと言い、お互いに一
ム解析ができるようになったため、各国の研究機関
部重複するクローン間では類似のパターンが見られ
は一斉に経済形質や抗病性の家系を用いた解析に取
る。このパターンの類似性からBACクローンをつな
り掛かっているが、ツールは十分ではなく、ヒトゲ
いでいく方法である。もう一つの方法はBACクロー
ノム情報を有効に活用するためにもツールの充実が
ンの末端配列解読法である。BACクローンの末端配
急がれていた。
列を解読してPCRで増幅できるプライマーを作成す
一方、ウシ全ゲノム配列の解読のための国際協力
る。このプライマーでスクリーニングされるBACク
プロジェクトが進行中である。平成12年1月より、
ローンはこの末端配列を共通に有する、すなわち、
USDA-MARCの主導でウシゲノム全体を対象とする
お互いにつながっていることがわかる。BACクロー
BAC整列地図作りが開始された。米国・カナダ・英
ンのフィンガープリントと末端配列はネット上に公
国・フランス・ニュージーランド・オーストラリア・
開されている。過去2年間で。40万クローンのフィ
ブラジル等から出資を含む参加があり、ヒトゲノム
ンガープリンティングのデータは、平成16年3月中
解析での経験を有する米国の TIGR (The Institute of
旬にまとめられ、26万6千クローンの末端配列は4
Genomic Research) とカナダのブリティッシュ・コロ
月に終了する。
ンビア大学を含む共同研究体制で進められている。
表3 BAC fingerprinting
Library
Clones
CHORI-240
Fingerprints
In contigs
Singles
200,064
170,644
159,542
11,102
RPCI-42
94848
83,627
76,633
6,954
TAMBT
44,928
40,380
22,998
17,382
339,840
294,651
259,173
35,478
Total
表4 BAC end sequencies
Library
CHORI-240
Clones
Paired
Single
Clones
Reads
Length
200,064
119,091
26,067
145,164
264,261
605.4
TAMU
94848
9,686
5,299
14,985
24,671
501.5
INRA
44,928
11,174
544
11,718
22,892
722.8*
Total
339,840
139,957
31,910
171,867
311,824
605.8
− 6 −
表5 Contig coverage of human genome
Human Chr *
Size (bp)
Covered by Bovine Ctgs
% Coverage
1
245,203,898
203,209,542
83
2
243,315,028
189,896,964
78
3
199,411,731
146,712,637
74
4
191,610,523
87,438,872
46
5
180,967,295
164,929,686
91
6
170,740,541
157,704,095
92
7
158,431,299
134,446,220
85
8
145,908,738
130,536,790
89
9
134,505,819
122,085,695
91
10
135,480,874
102,980,468
76
11
134,978,784
93,970,761
70
12
133,464,434
129,723,153
97
13
114,151,656
75,906,289
66
14
105,311,216
56,025,377
53
15
100,114,055
49,252,665
49
16
89,995,999
32,748,104
36
17
81,691,216
30,765,924
38
18
77,753,510
54,277,916
70
19
63,790,860
31,378,878
49
20
63,644,868
27,604,294
43
21
46,976,537
12,194,145
26
22
49,476,972
20,136,019
41
X
152,634,166
136,858,566
90
Y
50,961,097
-
-
3,070,521,116
2,190,783,060
73
Total
* UCSC hg15 masked sequences
(6)今後の進め方
らの情報は、経済形質の責任遺伝子だけでなく、遺
今年度までに進めてきた高密度ゲノム連鎖地図の
作成、および、RH地図とウシ-ヒトゲノム比較地図
伝性疾病の原因遺伝子のポジショナルクローニング
に威力を発揮すると期待できる。
の作成は現段階で完成とし、論文発表を行う。これ
− 7 −
第3章 ウシゲノム連鎖地図の現状
ッピングに必要不可欠である。表6に家畜・家禽に
(1)ゲノム連鎖地図とは
ゲノム上の任意の場所である座 (locus) の塩基配列
おける連鎖地図の現状を示している。ウシでは、19
が個体間で異なる場合には多型性があるといい、DN
97年に米国農務省肉畜研究センター(USDA-MARC)
Aマーカーと呼ばれる。精子や卵子が生成する減数
らのグループが約1,250個のDNAマーカーを含む連鎖
分裂の過程で相同染色体間の組換えが起こるが、そ
地図を作成した。他の家畜・家禽でも約1,000個のD
の頻度はマーカー間の距離にほぼ比例する。近接し
NAマーカーを含む連鎖地図が報告された。約1,000
ているほどマーカー間の組換え頻度は小さくなる。
個のマーカーを含む連鎖地図があれば、遺伝的な形
ゲノム解析のための基本的なツールであるゲノム連
質のマッピングは可能であることと、マーカーを開
鎖地図 (linkage map) は、DNAマーカーを連鎖の程度
発するには大変な労力と費用を要するため、家畜・
に応じて直線上に並べたものである。多数の減数分
家禽ではそれ以降本格的なマーカーの開発と連鎖地
裂が観察されるリファレンスファミリー(標準家系)
図のアップデートはなされていなかった。しかしな
を使うと、DNAマーカーの並んだ連鎖地図を作成で
がら、マーカーアシスト選抜のためのファインマッ
きる。ウシのゲノムは29本の常染色体と性染色体XY
ピングや目的の遺伝子の単離・同定の局面になると
で構成されているので、DNAマーカーは30の連鎖グ
マーカー数が少ないため、マッピングした領域毎に
ループに属する
(Y染色体には相同染色体がないので
多大なコストをかけて高密度にマーカーを開発しな
組換えは起こらない)。それぞれの連鎖グループで多
くてはならない。そこで、我々はウシゲノムの全体を
数のDNAマーカーをcM(センチモルガン)という距
対象にランダムにマーカーを開発し、USDA-MARC
離の単位で並べることができる。1-cMとは減数分裂
と共同で3,000個のマーカーのマップされた連鎖地図
中に1%の頻度で組み換えを起こしうる遺伝的距離を
の作成を行うことにした。本事業で作成したウシ連
示す単位である。ウシやヒトでは1-cMが約1Mb(メ
鎖地図の概要も表6に示している。
ガベース:百万塩基対)に相当し、全ゲノムは約
ヒトの場合、全ゲノムの塩基配列が明らかになっ
3,000- cM、30億塩基対になる。連鎖地図はマーカー
ても遺伝的形質のマッピングにおける連鎖地図の重
間の組換え頻度に依存してマーカーを並べたものゆ
要性は変わらない。生活習慣病である高血圧・糖尿
え、マーカーは点に過ぎない。しかしながら、地図
病などの感受性遺伝子を探索するには、統計的に有
上に位置の明らかなマーカーが多数あるほど正確な
意に連鎖する領域を特定しなければならないからで
マッピングが可能なだけでなく、マーカー間をクロ
ある。表6の下段に示すように1998年に8千個のマ
ーン化されたDNA断片で連結することが可能となる。
ーカーを使った連鎖地図が作成されたが、そのマッ
すなわち、物理的な実体のある染色体地図となり、
ピングに使った標準家系の減数分裂数は約200のた
任意の領域のマーカー開発や遺伝子配列の変異を調
め連鎖地図の解離度が低く、多数のマーカーの位置
べることが容易になる。したがって、マーカー密度
の違いを区別できず、同じ場所に位置づけられるこ
が高くなればなるほど、連鎖地図のツールとしての
ととなった。そこで、2002年には減数分裂数を1,257
有用性は飛躍的に高まるのである。
まで増やした連鎖地図が作成された。さらに、米国
National Institute of Healthは減数分裂数5,000まで増や
(2)家畜・家禽におけるゲノム連鎖地図の現状
したヒト連鎖地図作成プロジェクトに30億円を使う
多数のDNAマーカーを含むゲノム連鎖地図は、経
計画である。因みに、我々の用いたウシ標準家系の
済形質や遺伝性疾病などに関わっている遺伝子のマ
減数分裂数は391であるため、解離度の限界は0.8 cM
− 8 −
表6 家畜・家禽のゲノム連鎖地図の現状
作成年
連鎖地図にマップさ
れているマーカー数
ゲノムの大きさ*
(cM)
マーカー密度
(cM/マーカー)
ウシ
1997
1,250
2,990
2.5
ウシ**
2004
3,960
3,214
0.8
畜 種
1.4#
ブタ
1996
1,042
2,286
2.2
ヒツジ
2001
1,093
3,500
3.4
ニワトリ
2000
1,889
3,800
2.1
ヒト
1998
8,031
3,567
1.5#
ヒト
2002
5,136
3,615
0.5#
*雌雄平均値。一般に雌の方が大きい。**本事業で作成したウシゲノム連鎖地図。#ヒトやマウスでは同一個所に位置づけられた
マーカー集団を1個に数えている。本事業で作成したウシ連鎖地図をヒト・マウスのように個所数で計算すると、ヒト連鎖地
図 (1998) と同程度のマーカー密度となる。
となり、本事業で作成したウシ連鎖地図はまだ限界
(4)ゲノム連鎖地図の重要性
現在、米国を中心にウシの全ゲノムの塩基配列を
まで到達していない。USDA-MARCは独自に約800個
の一塩基多型SNPマーカーをマッピングしているこ
決定するプロジェクトが始まっている。全ゲノムの
とから、合計4,600マーカーになり、さらに限界まで
塩基配列を決定するには、詳細な物理地図(遺伝的
近づくだろう。今後は、解離度の高い連鎖地図を作
な距離ではなく、DNAの長さに基づく地図)を作成
成するため、減数分裂数を増やす、つまり、マッピ
する必要がある。詳細な物理地図を作成するには、
ングのための標準家系の規模を大きくする必要があ
高密度な連鎖地図が重要な足場となる。したがって、
るかもしれない。
新しいウシゲノム連鎖地図は、遺伝形質の責任遺伝
子の正確なマッピングだけではなく、全ゲノムの塩
(3)本事業で作成したウシゲノム連鎖地図
基配列決定にも大きく貢献することが期待される。
本事業で作成したウシゲノム連鎖地図は2004年春
2001年にヒトゲノムのドラフト配列が公表され、
から夏頃には公表される見込みである。新しい連鎖
ゲノム上には約3万の遺伝子の存在が示唆された。
地図にマッピングされたマーカーの内、当研究所で
ヒトゲノム配列中の未解読ギャップはその後修復さ
開発されたマイクロサテライトマーカーが半数以上
れて完成に近づいている。ゲノムの全塩基配列が明
を占めている。1997年の地図において常染色体上に
らかとなり、全遺伝子の機能がわかったとしても、
いくつか存在していた20-cM を越える大きなギャッ
任意の遺伝形質の原因(責任)遺伝子をそれだけで
プは消滅し、どの常染色体もマーカー間隔は10-cM
同定することはできない。しかし、ゲノム連鎖地図
未満となっている。この連鎖地図により、ウシの遺
を使って該当する遺伝形質をマッピングしておけば、
伝性疾患などの原因遺伝子をはじめ、肉質など経済
その領域に存在する遺伝子群から効率的に原因(責
形質の責任遺伝子の精度の高い染色体マッピング
任)遺伝子の候補を見つけることが可能となる。高
(ファインマッピング)が可能となる。表7と図2に
密度な連鎖地図は、全ゲノム配列が決定された後に
本事業で作成したウシゲノム連鎖地図を示す。
おいても、遺伝子の同定に重要な役割を果たすので
ある。
− 9 −
表7 ウシ連鎖地図の概要
BTA/X1)
サイズ
(cM)
マーカー数 ポジション数
平均間隔
(cM)
間隔の数
10∼15cM
5∼10cM
1
154.7*
266*
151*
1.0
4.6
0
0
2
128.9
188
113
1.2
6.2
0
2
3
128.9
173
102
1.3
5.2
0
1
4
119.9
132
82
1.5
4.7
0
0
5
135.6
184
116
1.2
4.7
0
0
6
134.4
232
133
1.1
9.2
0
3
7
135.6
139
89
1.6
8.6
0
5*
8
128.6
125
85
1.5
7.9
0
4
9
116.2
130
80
1.5
4.9
0
0
10
118.8
126
89
1.4
4.4
0
0
11
131.0
201
104
1.3
7.6
0
2
12
110.0
126
75
1.5
8.9
0
1
13
105.4
116
81
1.3
4.9
0
0
14
103.9
136
78
1.4
5.1
0
1
15
109.8
145
95
1.2
5.6
0
1
16
98.6
104
68
1.5
4.0
0
0
17
95.9
104
70
1.4
5.5
0
1
18
84.4
114
71
1.2
5.1
0
1
19
109.6
136
90
1.2
6.7
0
3
20
82.9
121
65
1.3
5.2
0
1
21
83.8
129
73
1.2
4.0
0
0
22
88.1
82
58
1.6
7.1
0
1
23
80.0
77
49
1.7
6.3
0
2
24
78.1
98
62
1.3
3.8
0
0
25
68.4
74
49
1.5
6.8
0
2
26
79.4
64
44#
1.9*
7.4
0
3
27
71.2
72
44#
1.7
6.2
0
1
28
61.7#
81
44#
1.5
4.7
0
0
29
69.7
158
79
0.9#
3.3#
0
0
*
5*
X
total
146.5
189
84
3159.9
3960
2423
1.8
10.2
1
1.4(平均)
10.2(最大値)
1
*は最大値、#は最小値を示す
1)
間隔最大値
(cM)
29番染色体までは、性平均値、X染色体は雌による値
− 10 −
40
図2 ウシ連鎖地図
0
20
40
60
80
100
120
140
160
AGLA17
HPS
BM6438
DIK4591
TGLA49/DIK1044
BMS574
ARO24/SOD1
BMS2321
DIK5019
DVEPC42
BMS1928
DIK070
BM8139/DIK4856/DIK634
DIK2178
INRA117
DIK2036
DIK2721
BMS4020
DIK4957
DIK4900/HEL6
RM095/BMS711/DIK2677/DIK2112
DIK2431
DIK4751
BMS4015/ILSTS104/MNS-92
DIK2396
ILSTS004
DIK4738
DIK4803/DIK2557
DIK4518
SRC11
BMS4017/MNS-94
BM4307
INRABERN173/DIK4666
DVEPC63
DVEPC67
DIK4478
MILSTS080/DIK5372
MNB-58
DIK2395
BMS4024/BMS4037
BMS2725/MNS-30
DVEPC18
HEL24
DIK4362
BMS948
TGLA57
BMS4002
CSSM4
BMS4000
DIK2482
MNB-189
DIK4085
MNB-152
DVEPC26
BMS4012
DIK4483
INRA011/BMS4021
BMS4035/DIK024
DIK5350
RM326/DIK2659/TEXAN14
BM1312
BMS527/BMS2572
DIK2321
MILSTS083
DIK2339
DIK5304
DIK4749
MNS-72
DVEPC47
DIK4814
BMS4030/DIK4121
DVEPC57
DIK4586
BMS4013/DIK2121/DIK2886
DIK1171
BMS4029/DIK2877
DVEPC56/DIK5245/DIK4810
DIK4658
BMS4003/BMS4001
DIK2289
DIK5162
DIK2284
INRA049/BM9019/BMS4009
INRA119/BMS4047/INRA128/INRA073
DIK2192
DIK4988
BM6506/BM7145/DIK4770
DIK2627
DIK4781
BMS4008
DIK5290
TGLA415
DIK2731
BM8246
BMS4048/DIK2273/DIK2080/INRA054
RM509/DIK5103
BMS4023
BMS4031/BL26
DIK4994
BMS4006/DVEPC68
CSSM11/DVEPC75
URB038/DIK4151
DIK4587
BMS4018/MCM130/BMS4004/DIK2475
DIK4817
BMS5023
BMS4025
BR2724
BMS4045
DIK4445/DIK4367
TEXAN6
BMS4010
DIK5100
DIK2216
DIK4653
DVEPC39
DIK2744
CSSM32/DIK4351
DIK2445
BM864/DIK4466
DIK104
BMS119/IL12A
DIK4332
BMS1170/DIK2624
BMS4016/SRC116
DIK4491
BMS4052
MNS-19
RM194/BMS4028/DIK4331
DIK2670
DIK5127
TGLA130/BMS4050/DVEPC30
BMS4019
DVEPC6
BMS4040
RM153
BMS4038
BMS1789
BMS4033
DIK4142/DIK5177/DIK2799
BMS4032
DIK2893
BMS4011
DIK2378/DVEPC32
DIK2474
DIK2885/DIK2305
BMS1939
URB055/DVEPC24
BMS4041/DIK4791
BMS4039
BL28/MNB-59
BMS1757
CSSM19
BM1824/NRKM-004
DIK2189
TF
DIK2960
BM3205/UWCA46
BMS4049/DIK5060
DIK2373
DIK126
DIK125/BMS4007
MAF46/MAF46/BMS918
DIK4330/DIK4946
BMS599
DIK5034
DIK4778/DIK2761
NLBCMK16
BMS4043/BMS4044/DIK1038
DIK4836/DVEPC38
DIK4998/DIK2050
DIK4102
BMS2263/DIK2818/DIK2028
BMS922/BMS4014
DIK4958/DIK4575
DIK2040/DIK4974/DIK4882/DIK5044
DIK4239
DIK4667
URB014/DIK4443/URB056
0
20
40
60
80
100
120
130
MNS-2/DIK4864/DIK4245
DIK2606
PROC
BY5/TGLA44
GDF8/BTAFJ1/BULGE23
BM81124/GDF8
GDF8/DIK4469/BULGE28
COL3A1/BULGE20
DIK5121
BM3627/MNS-87
INRA040/ILSTS026/COL3A1
TGLA431
DIK2700
DIK2111
DIK1172
UNPUBLISHED(2265)
OY17
DIK2908
CSFM50
DIK2299/TGLA61
PZ251
MCM373
DIK4648
TEXAN2/DIK4416
DIK4155
DIK1081
MNB-83
OARHH30
TGLA377
DIK2204
SRC23
BMB9248/DIK4334
URB042
DIK1007
CSSM42/ETH121/DIK2824
ILSTS030/BM3010
GCG
DIK4706
DIK4077
DIK2456
DIK5022
DIK565
OARFCB20/DIK4967/DIK2234
NEB/BMS803/TEXAN7
BMS2782/DIK2853
BL1001/DIK1140
BMS2053/DIK2588
DIK2496
DIK4618
BMS1300
DIK2729
DIK2705
RM356/DIK4025
DIK4673/MNB-187
ILSTS098/BMS2024/BP22/BM4440
BMS1126
DIK2719/DIK4949
DIK5157/DIK2595/DIK2221/DIK2418
TEXAN8/ILSTS082
DIK2962/DIK2963
EN1
BM2808/BMS1264
EN1
EN1
BMS2
ILSTS050
EN1/DIK5294/CSSM45
DIK4325
BMS353
DIK5209
DIK4972
DIK611
RM171
DIK4369
BMS1837/BMS1837/MNB-48
TEXAN1
BMS778/RM041/DIK2432
BMS2626/DIK2862
DIK4676
DIK5133/DIK4208/CSSM53
TGLA226
DIK4880
BMS1866
ARO28
DIK4726
IL8R
DIK4554
IL8R
DIK4633/TGLA110
NRAMP
IL8R
DIK4948
DIK4056/DIK1109
DIK4659
DIK4120
IL8R
BM6444
IL8R
DIK2831
TNP-1
BMS829/DIK4311/DIK5405
TEXAN4
BM1223
MM8D3
TEXAN5
DIK5362
DIK2817
DIK4529
INRA135
BMS1987
BMS2267
ALPI/BMS356
BM4117
BMS2519
BMS3019
DIK5023
IDVGA-64
BL1028
DIK4294
DIK4572
DIK4418
BM2113
DIK4580
DIK4985
IDVGA-37
DIK1155
IDVGA-72/MNB-64
DIK5067
DIK2084/DIK2198
DIK4627
IDVGA-2/DIK2188
OARFCB11
BTA2
128.9 cM
BTA1
154.7 cM
䉡䉲 ㅪ㎮࿾࿑
− 11 −
0
20
40
60
80
100
120
130
BMS871
DIK4651
DIK2421
DIK2274
DIK4922
DIK2860
URB006
DIK4842
NLBCMK38
DIK4604/INRA006
DIK4103/DIK1057/UWCA7
RM019
IDVGA-53
BMS2904
EAL/ILSTS096/DIK419/DIK0693
DIK2101/DIK4944
BMON119
MNS-74
BMS2522/DIK4878/DIK2667
DIK5418
RM065/DIK5119/DIK4708/MNB-65
DIK4196
RME23/DIK4403
BMS963
BMS819
DIK2833/BMS482
FCGR1
CSSM54
DIK2434/DIK4246
DIK4773/MNB-86
BL41
TEXAN9
RM003/BM723
BMS2075/DIK5036
MCM58/DIK2609
BY48/UNPUBLISHED(2067)
BM4129/DIK4353/DIK1001/DIK4220
MNS-31
DIK2250
INRA003
BMS2790
DIK2385
ILSTS029
BMS1636/MNB-35/MNB-84
BM220/INRA123/INRA130
BMS862
BMS937/HUJ246
BMS1219/DIK4660
DIK4664
BM6465/DIK2123/DIK4690/DIK2679
BL1048/DIK4718
BMS2095/DIK1165/DIK4925
DIK4116
BMS1266
DIK5413
IOBT250
DIK2912
ILSTS064
DIK4826
INRA041
DIK2702
DIK2650
MNS-21
DIK2924/DIK4768
ILSTS044/DIK4755
DIK4729/DIK4839/DIK4990
BM4301/TGLA76/DIK4037
BM3020/DIK5000
OARHH51/DIK4833
DIK4297
HUJII77/DIK4475
DIK2891
DIK2900
MNS-42
BMS2145/DIK1076/DIK4269
BMS694
DIK2686
INRA088/DIK2597
DIK5346
BMS835
BM4021
BB1540
BM7225/DIK5271
IDVGA-35/BR4502/DIK2726
DIK2251
BMON122
BMS2891/RM038/DIK2889/DIK635
DIK2038/DIK4093/TGLA127/DIK2800
DIK4406
DIK4029
HAUT31
INRA200
JAB1
INRA197
DIK2511
DIK5164
DIK2904
BMS896
IDVGA-27
G-CSFR
BM2924
BMC4214
BMS2833
BMS2712
DIK2004/DIK5085
DIK4947
BMC5227
DIK636
DIK2042
RM309/DIK5365
DIK5351
BM1834/DIK511
BTA3
128.9 cM
ILSTS093
DIK4224
DIK680
MNB-207
DIK4169/DIK5076
DIK4050
DIK2485
BMS3
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20
40
60
80
100
120
DIK4364
BMC1410/DIK5275
BL1030
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BMS1788
DIK5138
DIK4607
MCM218
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DIK5113
DIK2801
DIK4257
RM188
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DIK1146
TEXAN17
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BMS1237
BMS1878
DIK2956
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DIK4553
BMS2646
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BM1260
TGLA116
MAF50
DIK4168
RM067
DIK4133
HUJ673
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DIK4138
BMS885
DIK008
BM1224
DIK4496
BM6437
DIK5255
DIK4617/DIK1139
BMS495
DIK4876
INRA072
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GHRH-R
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BL21
RM232
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DIK2472
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BM8233
DIK4682
DIK4851
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DIK2360
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DIK2353
DIK123
DIK2468
OBESE
DIK026
OBESE
OBESE
DIK2740/DIK5038
MNB-3
IDVGA-51
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DIK5284/DIK4042
BMS648
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MGTG4B
CSSM14
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DIK4542
BTA4
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0
20
40
60
80
100
120
140
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DIK2764
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IFNG
IFNG
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DIK4695
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DIK4409
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URB052
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DIK4401
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DIK583
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DIK2752
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DIK1135
ETH2/ARO42
UNPUBLISHED(3157)
SRC240
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MAF48/DIK2782
RME20
DIK4609
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IDVGA-9
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DIK4732
BMS597
BM8126
DIK5087
DIK4500
URB060
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− 12 −
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20
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60
80
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120
140
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DIK2394
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DIK4408
DIK2602
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DIK2029
BMS5006
DIK4498
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BM1329
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DIK4852
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MNB-196
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DIK2294
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BM415
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UNPUBLISHED(2574)
UNPUBLISHED(3117)
BM1236
ILSTS035
MNB-180
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DIK4237
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BMSB4049
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UW54
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IL8
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IL8
DIK4766
OAREL03
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DIK4574
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GROX
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GROX
GRO1
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GROX
CSN3
GRO3
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GROX
GRO1
DIK4600
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GRO1
MNB-191
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AFR227
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BM4311
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BL1038
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OARJMP12
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20
40
60
80
100
120
140
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DIK2870
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RM006
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DIK2989
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DIK2661
DIK4886
DIK5412
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DIK4284
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BMS2840
CSSM57
DIK2256
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BMC3221
DIK2407
DIK4386
DIK2666
DIK2915/DIK4052
BMS2258
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RME30/IL12B
DIK5189
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BM1853
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DIK2152
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RASA
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DIK5088
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DIK4838
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CAST
CAST
DIK2734
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20
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BM3419
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BL1080
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DIK1174
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DIK2643
HU414/INRA122
MCM505
DIK2753
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BMS887
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DIK4131
MCM64
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DIK2635
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BMS381
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BM2304
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SRC259
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BL1035
RME25
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INRA037
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RME10
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20
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100
120
BTA10
118.8 cM
140
DIK4274
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DIK2210/HELMTT43
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INRA177
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DIK4262
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bIL1BDS3
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UNPUBLISHED(2408)
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HUJVI74
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80
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TG
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IL18
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ADM
ADM
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BDNF
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BL1095
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DIK4684
BY22
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DIK4903
DIK4335
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DIK615
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BM8151
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GH
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EAT
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MAP1B
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DIK2426
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ANP1
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20
40
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BDKRB2
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AKT
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HUJ175
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HMH1R
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CYP21
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TNFA
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TNFA
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BY11
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80
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BMS917
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DIK4200
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− 17 −
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CSKB074
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RME40
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80
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SDF1
SDF1
SDF1
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− 18 −
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DIK5134
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UNPUBLISHED(4386)
BTA27
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BMS2079
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0
0
20
40
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MCM74
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XBM451/DIK4515
DIK5384
DIK536/DIK4395/DIK3021
DIK3020
BMS649
DIK2328
NRKM-042
MNB-82
MNB-57
MNB-179
MNB-112
DIK5233
DIK5131
DIK4873
DIK2181
DIK2283
DIK2874
DIK2966
DIK2993
DIK2644
0
20
INRA189
BM861
NLBCMK6
DIK5155
DIK5163
DIK1145
MAF45/DIK2237
TGLA325
DIK4663
DIK5404
INRA030/DIK2845
XBM451
DIK4515
40
XBM31
NLBCMK6
DIK5155
DIK5163
DIK1145
DIK5384
DIK536/DIK4395/DIK3021
DIK3020
60
Pseudoautosomal region
BTY-male
54.0 cM
BTX-female
146.5 cM
࠙ࠪㅪ㎮࿾࿑㧔ߟߠ߈㧕
− 19 −
第4章 肉用牛経済形質のDNA育種手法の開発
二期では、道県等との共同研究を継続して、肉用牛
(1) 研究年次: 平成13年∼平成15年
の増体・肉質等の経済形質領域をマッピングする
(染色体上の位置を特定する、位置付ける)とともに、
(2)目的と期待される成果 ウシの経済形質の改良はこれまで主としてBLUP
マッピングした経済形質、特に、脂肪交雑に影響す
等に代表される統計遺伝学的手法によって行われて
る遺伝子を同定し、その遺伝子情報を応用すること
おり、大きな成果を挙げてきた。しかしこの方法で
を目的としている。
は種畜評価に要する時間、コストが膨大なものにな
る欠点がある。一方、近年におけるゲノム解析研究
(3)研究開発の成果
の進展は、ゲノム連鎖地図を用いることにより、特
(3)
-1.経済形質解析のためのDNAサンプルの収集
定経済形質に関与する染色体上の遺伝領域、あるい
平成13年度から18道県・家畜改良事業団・家畜改
は遺伝子を特定することを可能にしつつある。しか
良センターの合計20機関と共同研究を実施している。
しながら、ウシのほとんどの経済形質は量的形質で
特定種雄牛を父とする大規模な父方半きょうだい家
あるため、責任遺伝子の特定は困難であることが容
系を作成することは、道県においては該当種雄牛の
易に予想できる。責任遺伝子の特定という目的を達
遺伝的能力の的確な把握と後継種雄牛の作成に重要
成するには明確な戦略に基づいた組織的・継続的な
であり、かつ、多種多様な解析用家系の作成は経済
取り組みが欠かせない。
形質に影響する遺伝子 (QTL) を同定するためにも有
平成6年度に開始された本課題の第一期では、肉
用である。そこで、枝肉共励会や枝肉共進会等にお
用牛(黒毛和種及び褐毛和種)の増体・肉質等の経
いて血統情報の明らかな肥育牛のDNAサンプルを収
済形質についてDNA情報を指標とした改良手法の開
集することを始めた。当研究所では、東京食肉市場、
発を目的に道県の畜産試験場・研究所や譖家畜改良
および、大阪市食肉市場におけるサンプリングを実
事業団家畜改良技術研究所との共同研究を開始した。
施している。平成15年度までの収集の状況は表8の
平成12年度までに、脂肪交雑などの主要な経済形質
通りである。これらの収集したDNAサンプル数は約
について連鎖する染色体領域を確実に特定してきて
4万7千となった。これらのサンプルから17以上の
おり、一部の経済形質についてはマーカーアシスト
父方半きょうだい家系が作成され、経済形質のマッ
選抜に適用しうる段階に至った。平成13年からの第
ピングに利用されている。
表8 平成15年度までのDNAサンプル収集状況
収 集 数
年 度
収 集 数
道県、LIAJ
13
7,902
14
12,413
15
17,658
13
1,054
14
2,503
15
5,387
動物遺伝研究所
合 計
合 計
37,973
8,944
46,917
− 20 −
(3)
-2.父方半兄弟家系を用いた経済形質のマッピング
優れたハプロタイプの頻度を知ることができた。
これまでウシ、ブタ、ニワトリ等の家畜・家禽の
これまで我々がQTLマッピングに用いていた解析
量的形質である経済形質QTLマッピングには、遺伝
法Explorer/ Half-sibは、表型値が正規分布していない
的に離れ、表型値の異なる品種間の交雑家系が使わ
場合でも解析できる順位和検定に基づいているとい
れてきた。たとえば肉用牛ではBos taurusのアンガス
う長所があるが、点毎 (1 cM毎, point-wise) に有意水
種とBos indicusのブラーマン種が解析用家系の親に
準を検定しており、多重検定の補正がなされていな
使われている。このような場合、QTLを検出しやす
かったため、有意水準が高くでやすい欠点が判明し
いが、得られた結果を育種に応用することは比較的
た。そこで、解析法を染色体毎 (染色体ワイズ、chr
困難となる。一方、同一品種内での家系は、得られ
omosome-wise) やゲノム毎 (ゲノムワイズ、experime
た結果はそのまま育種に応用できると予想されるが、
nt-wiseまたはgenome-wise) に有意水準を検定し、多
効果の大きいQTLだけがマーカー型判定の多大な労
重検定を補正するインターバルマッピング法のQTL
力によって検出されるとシミュレートされている。
Express (Haleyら、1994;2002) に変更した。QTL
本事業では、同一品種内の父方半きょうだい家系の
Expressでは順位和検定をしていないが、ほとんどの
デザインを黒毛和種に応用することを試みてきた。
表型値分布は正規分布であることを保証する尖度と
平成12年度までに、適度な型判定労力により、脂肪
歪度を示した。2種の解析法でそれぞれ得られた有
交雑QTLを4家系で4ヶ所、枝肉重量QTLを7家系
意なQTLのアリール効果に差はなかった。表9では
で4ヶ所検出してきた(表9)
。たとえば、表9に示
2つの解析法の結果を比較している。脂肪交雑-1や
す経済形質遺伝子座である脂肪交雑1の領域につい
枝肉重量-1などほとんどのQTLは有意であったが、
て、兵庫県では県内の集団で広くサーベイすること
枝肉重量-3と枝肉重量-4は有意ではなくなった。
そこで我々はQTL Expressで解析することにした。
で、その優れたハプロタイプをホモで有する繁殖雌
牛を確保することに成功した。このような個体を次
平成15年度までに全国で17家系についての経済形質
世代の種雄牛作りに使うことができる。また、枝肉
のマッピングが得られた。それらの結果を表10と図
重量1について鹿児島県内の集団について調査し、
3に示す。
表9 黒毛和種経済形質マッピングとアリール効果:Explorer/ Half-sibとQTL Expressの比較
経済形質
有意の度合い
Explorer/ Half-sib
有意の度合い*
QTL Express
アリール効果
脂肪交雑-1
p < 0.00001
p < 0.001
BMS, 1.0
脂肪交雑-2
p < 0.00005
p < 0.001
BMS, 1.0
脂肪交雑-3
p < 0.00001
p < 0.001
BMS, 1.0
脂肪交雑-4
p < 0.0001
p < 0.01
BMS, 1.5
枝肉重量-1
p < 0.00001
p < 0.001
枝重、36 kg
枝肉重量-1-2#
p < 0.00001
p < 0.001
枝重、32 kg
枝肉重量-1-3#
p < 0.0001
p < 0.001
枝重、28 kg
枝肉重量-1-4#
p < 0.00001
p < 0.001
枝重、27kg/体重、40 kg
枝肉重量-2
p < 0.00001
p < 0.01
枝重、22kg/体重、45kg
枝肉重量-3
p < 0.0001
ns
枝重、23 kg**
枝肉重量-4
p < 0.0001
ns
枝重、33 kg**
#同一のQTLと思われる。*染色体ワイズの有意水準。**QTL Expressでは有意でなかった。ns, 有意ではない。
− 21 −
QTL Expressを用いた解析で有意水準p < 0.001でマ
ッピングされたQTLは、アリール効果が大きいこと
Glissardoを開発した。まだ本格的な解析が行われた
ケースはないが、今後Glissardoを用いる予定である。
が期待される。すなわち、平成15年度までに全国で
20のQTLがマーカーアシスト選抜の対象になりうる
(3)
-3.経済形質に影響する遺伝子のポジショナルク
ローニング
段階まで至った。図3には、表10に示すp < 0.01の各
QTLの染色体領域を表している。興味深いことに、
これまでにマッピングしてきた経済形質遺伝子座
同種のQTLが同じ領域にマッピングされている。表
の内、図3の黄土色で示す領域である脂肪交雑-1・
9では、独立に4つの家系でマッピングされている
脂肪交雑-2・枝肉重量-1の3領域について、ポジショ
枝肉重量-1は同一QTLと推測しているが、17家系の
ナルクローニングによる責任遺伝子取りを試みた。
QTL解析の結果を見ると、2つの体重QTLと5つの
枝肉重量QTLがいずれも有意水準p < 0.001で同じ領域
(3)
-3-1.Marbling-1(脂肪交雑-1)の解析(兵庫県と
の共同研究)
にマッピングされている。我々は、(3)-3-3において
中小家畜(ブタ、ニワトリ)におけるQTL解析は、
この領域(黄土色で示している)
を枝肉重量-1(CW-1)
としてポジショナルクローニングのターゲットにし
品種間の遺伝的な差異に注目してF2家系やバックク
て詳細に研究しており、現在までのところ互いに同
ロス家系といった資源家系を構築して行うことが多
祖的であるという結果を得ている。
い。一方、大家畜(ウシ)において資源家系を構築
もう2ヶ所の黄土色で示している領域のBTA21番
するには、多大な時間と費用を要する。そこで、枝
テロメア領域とBTA7番セントロメア領域は、脂肪
肉成績、血統情報が公開される枝肉共励会・共進会
交雑-1 (Marbling-1) と脂肪交雑-2 (Marbling-2) として、
からサンプリングし、父方半きょうだい家系を構築
それぞれ、(3)-3-1 と (3)-3-2 に述べるようにポジショ
し、QTL解析に供することにした。黒毛和種家系の
ナルクローニングのターゲットにして詳細に研究し
ゲノム解析で得られる結果は品種内における表型値
ている。
のバラツキを説明できると予想されるため、黒毛和
肉牛の経済形質のような量的形質には、複数の遺
種の育種への実用化が容易であると考えられる。
伝子座の間の相互作用であるエピスタティック(非
平成12年度までの家系解析でBTA 21テロメア領域
相加的)効果が見られる場合がある。そこで、相互
約20 cMに脂肪交雑QTLをマッピングし、Marbling-1
作用も検証するため、我々はQTL Expressを改良した
と名付けていた。平成13年度からの本事業で、ウシ
表10
平成15年度までのQTL Expressによる黒毛和種経済形質マッピングのまとめ
経済形質QTL*
p < 0.05
p < 0.01
p < 0.001
体重
12
6
5
枝肉重量
21
13
5
脂肪交雑
44
21
10
ロース芯面積
36
18
5
バラ厚
16
2
0
皮下脂肪厚
16
4
0
145
64
25
合計
*染色体ワイズの有意水準。
− 22 −
EST情報・ヒトとの比較地図作成・BAC整列地図作
イブラリーをスクリーニングし、60個のクローンで
成・相関解析などで、BACクローン3個で構成され
整列化を完成した。この領域の距離はヒトゲノム情
る約50万塩基対領域まで狭めることができた。
報から7.1 Mbと判明し、含まれる多型性を示すマイ
(3)
-3-2.Marbling-2(脂肪交雑-2)の解析(宮崎県と
クロサテライトは68個、既知および予想される遺伝
の共同研究)
子数は148個であった。2種の家系の解析と、45個の
平成12年度までに、種雄牛 a の父方半兄弟家系解
SNPのタイピングにより、Marbling-2領域をBACクロ
析によりBTA7セントロメア領域約20 cMまで領域を
ーン1個内(約50 kb)まで狭めることに成功した。
狭めていた。
今後は、この候補領域周辺に存在する遺伝子を探
同じ母を持つ兄弟の種雄牛bの家系解析では該当部
索し、検出された遺伝子の発現様式などを調べ、責
位でバラツキが認められなかったことから、両種雄
任遺伝子を同定していく予定である。
牛におけるハプロタイプを詳細に調べた。その結果、
Marbling-2のQは種雄牛aに遺伝しているが、種雄牛b
(3)
-3-3.CW-1(枝肉重量-1)の解析(鹿児島県・
にはq が遺伝していることが考えられた。このQ/qの
長崎県との共同研究)
違いを根拠にMarbling-2領域を約6 cMに狭めた。
平成12年度までに、父方半兄弟家系を解析し、B
この領域に位置するマイクロサテライトマーカー
TA 14の35-60 cMの領域にマッピングした。CW-1の
2個、ヒト相同遺伝子24種をアンカーとしてBACラ
アリール効果は38kgを示した。別の父方半兄弟家系
図3 黒毛和種牛経済形質マッピングのまとめ
* * * ** *
*
**
*
*
*
*
*
**
*
*
*
*
*
*
*
*
*
, , , , , ,
* , p < 0.1% (chr-wise)
− 23 −
, p < 1.0% (chr-wise)
p > 1.0%-loci
の解析により、同様な領域がマッピングされ、アリ
酵素1 (DGAT1: acyl-CoA:diacylglycerol acyltransferase
ール効果は38kgを示した。マッピングされた両種雄
1)を同定したことを報告した。経済形質QTLの責任
牛のQハプロタイプを比較したところ、約10cMのIB
遺伝子についての最初の報告と思われる。DGAT1タ
D (Identical By Descent, 同祖的) 領域を見出したので、
ンパク質の232位リジン/アラニンの多型があり、リ
平成13年度から該当領域の多型性マイクロサテライ
ジンの場合ミルク生産量やタンパク質量を減らすが、
トを開発し、ファインマッピングを開始した。
乳脂肪量を増やす効果がある。
BTA14特異的DNAライブラリーからマイクロサテ
肉牛については、米国などから経済形質のマッピ
ライトを33個開発し、その内25個がBTA14に存在す
ングについてこれまでにいくつか報告されている。
ることがわかった。また、ウシ-ヒトゲノム比較地図
いずれの研究もBos Taurus(アンガス種など)とBos
情報から該当領域に存在すると予想されるEST を2
の交雑家系を解析に用いてい
indicus(ブラーマン種)
個開発した。これらのマイクロサテライトとESTを
る。交雑家系の解析は、表型値が対照的なためQTL
アンカーにしてBACクローンによる整列化を行った。
を検出しやすいと言われている。染色体ワイズレベ
整列地図は38個のBACクローンで構成され、ヒトド
ル0.1%以下に増体や肉質関連のQTLが多数マッピン
ラフト配列情報から、約4.5Mbと推測された。各BA
グされている。しかしながら、特定の領域において
Cクローンからマイクロサテライトの開発を行い、45
マーカー密度を高めて責任遺伝子のクローニングを
個のマイクロサテライトマーカーを用いた一般の黒
試みている研究室はまだ無く、10cM以内のファイン
毛和種集団等を対象とする相関解析を行った。該当
マッピングに成功した例もまだ無い。BTA29は最小
領域のセントロメア側の約1.2cMに有意な相関が得ら
サイズの染色体であり、かつ、USDA-MARCのCasas
れ、黒毛和種一般に共通なQハプロタイプを見出した。
らによって肉の柔らかさ (tenderness) や脂肪交雑QTL
今後、20個のBACクローンで整列化されたCW-1
がマッピングされている。我々はBTA 29の高密度連
領域(1.2cM、2.3Mb)からマイクロサテライトを開
鎖地図を作成した (Reed et al., 2002) ので、ポジショ
発し、相関解析でさらに候補領域を狭め、SNP解析
ナルクローニングが行われるかもしれない。黒毛和
で候補遺伝子を絞っていく予定である。
種ではロース芯面積QTLがBTA 29にマッピングされ
ている (p < 0.01)。
(4)国内および海外の状況
ブタにおいて、肉量・肉質に影響するQTLの責任
経済形質のような複数の遺伝子の関与する形質の
遺伝子としてインスリン様成長因子II (IGF-II) がリ
ゲノム解析の成果は、平成6年のスウェーデン農業
ェージュ大学とスウェーデン農業大学のグループに
大学のグループによるブタの肉質、および、平成7
よって同定された。第1イントロン内のSNPによっ
年のリェージュ大学(ベルギー)のグループによる
て筋肉内の発現に差が認められたが、主要な臓器で
ホルスタイン種のミルク生産性について報告された。
ある肝臓での発現(筋肉の約10倍)にも、IGF-IIタン
また、平成9年にもリェージュ大学などいくつかの
パク質の血中レベルにも差は無かった。作用機作に
グループによって豚尻形質(単一遺伝子が関与)に
ついては今後明らかにされるだろう。
ついて報告された。
平成11年にはリェージュ大学(ベルギー)のグル
(5)まとめと今後の進め方
ープは、ホルスタイン種のミルク生産性について、
フィールドから黒毛和種肥育牛のDNAサンプル・
BTA14番のセントロメア領域の7cMに責任遺伝子が
血統記録・枝肉成績を収集する共同研究機関各位の
存在することを示した。平成14年2月に、問題の領
努力の結果、経済形質解析に使える家系を多数作成
域をさらに3cMまで狭め、乳脂肪含量に影響する遺
することができ、マーカー型判定技術の習熟も相俟
伝子候補としてジアシルグリセロールアシル基転移
って145のQTL (p < 0.05) を検出することができた。
− 24 −
64のQTLは有意水準1%以下であり、25のQTLに至っ
を同定するため、SNPを使って候補遺伝子を絞り、
ては有意水準0.1%以下であった。今後、これらのQ
それぞれの遺伝子機能の解明を培養細胞レベル・マ
TLは同祖的なのか独立なのかを含め、それぞれの中
ウス個体レベルで進めると共に、バイオインフォー
味を検証していく必要がある。また、アリール効果
マティックスを活用することで責任遺伝子の同定を
の大きいQTLは、責任遺伝子クローニングのターゲ
行う。
育種に有用と思われるDNA情報が得られてきたた
ットになる可能性があると思われる。
我々がこれまで行ってきたゲノム解析用ツールの
め、実用レベルでこれらの情報をどのように使うべ
地道な開発により、マッピングしたQTL領域の詳細
きかが緊急の課題となってきた。黒毛和種集団の遺
な染色体地図の作成が現実的なものとなった結果、
伝的な可能性を保持しつつ、重要な経済形質を向上
Marbling-1、Marbling-2、CW-1の責任遺伝子の同定
させていくために広範なシミュレーションを実施し、
に向けて着々と進行している。平成16年度からの継
本事業の生み出す成果を有効に活用するためのプロ
続事業では、Marbling-1、Marbling-2、CW-1 遺伝子
トコールを確立する必要がある。
− 25 −
第5章 研究発表リスト
ウシ29番染色体連鎖地図の作製、第2回動物遺
(1)学会発表
伝育種学会大会、2001年11月、東京。
1. 伊藤智仁、渡邊敏夫、藤田郁子、藤井友子、緑
川淑枝、伊藤千代子、高須賀晶子、Beattie, C. W.,
杉本喜憲:ウシRadiation Hybrid (RH) Panelのフレ
8. 高須賀晶子、渡邊敏夫、伊藤智仁、森下真一、
ームワーク構築、第99回日本畜産学会大会、
杉本喜憲:ヒトゲノムドラフト配列上でのウシ/
2001年9月、長野県南箕輪村。
ヒトゲノム比較地図の作成?ウシ/ヒト相同遺伝子
5400個の同定と1500遺伝子のウシ染色体への帰
属、日本動物遺伝育種学会第2回大会、2001年
2. 溝口 康、鳴島亜希子、渡辺恵美子、荻野 敦、
11月、東京。
杉本喜憲:黒毛和種の間接検定家系を用いたIBD
based QTL解析、第99回日本畜産学会大会、2001
9. 伊藤智仁、渡邊敏夫、藤田郁子、藤井友子、緑
年9月、長野県南箕輪村。
川淑枝、伊藤千代子、Beattie, C. W., 杉本喜憲:
ウシRH地図の全染色体フレームワーク構築、第
3. 都築政起、西堀正英、石川 明、高橋秀彰、松
100回日本畜産学会、2002年3月、武蔵野。
田洋一、杉本喜憲、谷本一志:日本初のニワト
リの基準家系、Hiroshima家系の完成、関西畜産
10.平野 貴、井上和也、原 好宏、原 一夫、竹
学会大会、2001年9月、広島。
内真弓、児玉州男、中原高士、浜口定男、杉本喜
憲:黒毛和種のQTL解析、第100回日本畜産学会、
4. 溝口 康、岩本英治、龍田 健、太田垣 進、
2002年3月、武蔵野。
杉本喜憲:黒毛和種父方半きょうだい家系を用
いた経済形質のQTL解析、第2回動物遺伝育種学
11.井上和也、平野 貴、原 一夫、原 好宏、竹
会大会、2001年11月、東京。
内真弓、児玉州男、中原高士、浜口定男、杉本喜
5. 小林直彦、平野 貴、栃本洋子、兼子栄美子、
憲:宮崎県における間接検定家系を利用した黒
大谷 健、杉本喜憲:ウシ Claudin-16 欠損症遺伝
毛和種の経済形質解析、日本畜産学会第100回大
子型と黒毛和種繁殖雌牛の予測育種価との関連
会、2002年3月、武蔵野。
について、第2回動物遺伝育種学会大会、2001
12.須貝正昭、菊地武、猪股永治、高田直和、西田
年11月、東京。
茂、内田宏、杉本喜憲、篠原久、西田朗:宮城県
の種雄牛造成におけるQTL情報活用の検討、日本
6. 伊藤智仁、渡邊敏夫、藤田郁子、藤井友子、緑
畜産学会第100回大会、2002年3月、武蔵野。
川淑枝、伊藤千代子、高須賀晶子、Beattie, C. W.,
杉本喜憲:ウシRH地図作成のためのフレームワ
ーク構築、第2回動物遺伝育種学会大会、2001
13. Itoh, T., Watanabe, T., Ihaara, N., Beattie, C. W.,
Sugimoto, Y.: Construction of a framework map of the
年11月、東京。
Shirakawa/University of Nevada Reno bovine
7. 井原尚也、Reed, K. M., Ponce de Leon, F. A.
radiation hybrid (SUN-bRH7) panel. XXVIIIth
Bennett, G. L., Beattie, C. W., 杉本喜憲:高密度な
International Conference on Animal Genetics, August
− 26 −
武司、杉本喜憲、小林栄治:黒毛和種とリムジ
2002, Geottingen, Germany.
ン種のF2家系における画像解析を利用したと体
形質のQTL解析、日本畜産学会第101回大会、
14. Ihara, N., Takasuga, A., Mizoshita, K., Takeda, H.,
2003年3月、つくば。
Sugimoto, M., Mizoguchi, Y.,, Bennett, G. L., Reed,
K. M, Beattie, C. W., Sugimoto, Y.: Mapping of over
1100 bovine polymorphic microsatellite markers to the
20.佐藤周史、佐藤慎一、長谷部浩之、杉本喜憲、
USDA-MARC cattle linkage map. XXVIIIth
小林栄治:豚の粗脂肪含量QTL領域におけるBAC
International Conference on Animal Genetics, August
コンティグ作製とSNP探索、日本畜産学会第101
2002, Geottingen, Germany.
回大会、2003年3月、つくば。
15. Kobayashi, N., Hirano, T., Ibi, T., Ohtani, T., Sasaki,
21.伊藤智仁、高須賀晶子、渡邊敏夫、井原尚也、
Y., Sugimoto, Y: Association analysis between the
杉本喜憲:ウシRHパネルを利用した全染色体ウ
deletion mutant allele of Claudin-16 deficiency and
シ・ヒト比較地図の作製、日本畜産学会第101回
carcass traits in Japanese Black cattle. XXVIIIth
大会、2003年3月、つくば。
International Conference on Animal Genetics, August
22.小邦朋子、成田 暁、井原尚也、松本道夫、杉
2002, Geottingen, Germany.
本喜憲、佐々木義之:ハーフシブデザイン家系
16. Komatsu, M., Aziz, M. A., Niibayashi, T., Malau-
を用いたQTL解析における環境要因補正の効果、
Aduli, A. E. O., Kojima, T., Oshima, K., Mizoguchi,
日本畜産学会第101回大会、2003年3月、つくば。
Y., Suginoto, Y.: A primary screen of the bovine
genome for quantitative trait loci affecting some
23.溝口 康、岩本英治、杉本喜憲:黒毛和種にお
growth traits of Japanese Black calves、動物遺伝育
ける脂肪交雑連鎖領域のBACコンティグの作成、
種学会第3回大会、2002年11月、京都。
日本畜産学会第101回大会、2003年3月、つくば。
17.小林直彦、平野 貴、栃本洋子、兼子栄美子、
24.谷口幸雄、高野 淳、杉本喜憲、山田宣永、
大谷 健、杉本喜憲:黒毛和種の父方半きょう
佐々木義之:ウシADM12遺伝子のクローニング、
だい家系におけるQTL解析、日本動物遺伝育種学
日本畜産学会第101回大会、2003年3月、つくば。
会第3回大会、2002年11月、京都。
25.小林直彦、平野 貴、大谷 健、杉本喜憲:黒
毛和種エリート種雄牛の父方半きょうだい家系
18. Takasuga, A., Ihara, N., Itoh, T., Mariani, P.,
Watanabe, T., Takeda, H., Mizoshita, K., Sugimoto,
におけるQTL解析、日本畜産学会第101回大会、
M., Mizoguchi, Y., Bennett, G. L., Reed, K. M.,
2003年3月、つくば。
Beattie, C. W., Sugimoto, Y.: Development of
genomic tools, a bovine microsatellite-based linkage
26.Malau-Aduli, A. E. O., Niibayashi, T., Kojima, T.,
map and an EST-RH map. Plant & Animal Genome
Oshima, K., Mizoguchi, Y, Sugimoto, Y., Komatsu,
XI, San Diego, USA.
M.:Genome scan of BTA1 for QTL affecting
weaning weight, yealing weight and postweaning
19.佐分淳一、阿部 剛、中川哲夫、河村 正、斉
藤邦彦、熊谷周一郎、久保岳史、田口圭吾、林
− 27 −
growth in Japanese Black Cattle, 2003 Joint Animal
Meeting, June 2003, Phoenix, USA.
27.Malau-Aduli, A. E. O., Niibayashi, T., Kojima, T.,
田口圭吾、林 武司、杉本喜憲、小林栄治:黒
Oshima, K., Mizoguchi, Y., Sugimoto, Y., Komatsu,
毛和種とリムジン種のF2家系におけるQTL解析
M.:Microsatellite DNA marker mapping of bovine
(II)理化学分析と画像解析について、日本畜産
学会第103回大会、2004年3月、東京。
chromosome 1 for QTL affecting birth weight and
preweaning growth in Japanese Black cattle (Wagyu),
XIX International Congress of Genetics, July 2003,
34.横内 耕,渡邊敏夫、藤田達男。志賀一穂、杉
本喜憲:黒毛和種大規模半兄弟家系を用いた高
Melbourne, Australia.
BMS責任領域同定の試み、日本畜産学会第103回
大会、2004年3月、東京。
28.井原尚也、高須賀晶子、溝下和則、竹田晴子、
杉本真由美、溝口 康、Bennett, G. L., Reed, K. M.,
Beattie, C. W., 杉本喜憲:ウシ高密度連鎖地図の
35.小林直彦、平野 貴、加藤誠二、傍島英雄、林
作製、日本畜産学会第102回大会、2003年9月、
登、平尾一平、大谷 健、杉本喜憲:黒毛和種
岐阜。
大規模家系における枝肉形質のQTL解析と育種改
良への応用、日本畜産学会第103回大会、2004年
3月、東京。
29.高野 淳、溝下和則、高須賀晶子、杉本喜憲:
黒毛和種の枝肉重量関連領域 (CW-1) における
BACコンティグ作成、日本畜産学会第102回大会、
(2)論文発表
1. Takasuga, A., Hirotsune, S., Itoh, R., Jitohzono, A.,
2003年9月、岐阜。
Suzuki, H., Aso, H., Sugimoto, Y. (2001)
30.平野 貴、井上和也、原 好宏、杉本喜憲:黒
Establishment of a high throughput EST sequencing
毛和種のMarbling-2領域特定のためのBACコンテ
system using poly(A) tail-removed cDNA libraries
ィグ作成、日本畜産学会第102回大会、2003年9
and determination of 36000 bovine ESTs. Nucleic
月、岐阜。
Acids Res., 29: e108.
31.小林直彦、平野 貴、加藤誠二、傍島英雄、林
2. 鈴木暁之、太田原健二、野口龍生、杉本喜憲、
登、平尾一平、大谷 健、杉本喜憲:黒毛和種
田中修一、小松繁樹、吉川恵郷:日本短角種に
エリート種雄牛の父方半きょうだい家系におけ
おけるウシ筋肉肥大 (Double muscling) 原因遺伝
るQTL解析、日本動物遺伝育種学会第4回大会、
子の同定とその産肉性 (2002) 東北畜産学会報、
2003年11月、東京。
52, 11-17.
32.阿部 剛、佐分淳一、中川哲夫、河村 正、斉
3. Fujisaki, S., Mizoguchi, Y., Takahashi, S., Chen, Y.
藤邦彦、熊谷周一郎、林 武司、杉本喜憲、小
Z., Suzuki, K., Asakawa, S., Soeda, E., Shimizu, N.,
林栄治:黒毛和種とリムジン種のF2家系におけ
Sugimoto Y., Yasue, Y. Construction of a bovine
るQTL解析(I)肥育期体格ならびにと場格付に
bacterial artificial chromosome library from
ついて、日本畜産学会第103回大会、2004年3月、
fibroblasts used for cloned cattle. (2002) Anim.
東京。
Genet., 33: 379-381.
33.佐分淳一、阿部 剛、中川哲夫、斉藤邦彦、熊
4. Reed, K. M., Ihara, N., Mariani, P., Mendoza, K. M.,
谷周一郎、撫 年浩、三角さつき、奥村寿章、
− 28 −
Jensen, L. E., Bellavia, R., Ponce De Leon, F. A.,
Bennett, G. L., Sugimoto, Y., Beattie, C. W. High-
Sugimoto, Y. QTL analysis for growth and carcass
resolution genetic map of bovine chromosome 29
traits in a Meishan X Duroc F2 resource population.
through focused marker development. (2002)
(2003) J. Anim. Sci., 81, 2938-2949.
Cytogenet. Genome Res., 96: 210-216.
11.Ihara, N., Yamakuchi, H., Taniguchi, Y., Sasaki, Y.,
5. Reed, K. M., Ihara, N., Ponce De Leon, A.,
Bennett, G. L., Kappes, S., Sugimoto, Y. Mapping of
Sonstegard, T. S., Smith, T. P., Bennett, G. L.,
bovine CEBPD gene to BTA14q15-17. (2003) Anim.
Sugimoto, Y., Beattie, C. W. Development of 47 new
Genet., 34, 470-471.
microsatellite markers from a BTA6 library. (2002)
Anim. Biotechnol., 13: 195-202.
12.渡辺大作、阿部正博、齋藤博水、阿部 榮、板
垣昌志、阿部省吾、植松正巳、遠藤祥子、平野
6. Sugimoto, M., Ihara, N., Bennett, G. L., Sugimoto, Y.
Eleven
previously
unreported
貴、杉本喜憲:山形県内の和牛枝肉共進会出品
dinucleotide
牛における枝肉成績と血清総コレステロール値
microsatellite loci on bovine chromosome 19. (2003)
の統計遺伝学的解析 (2003) 家畜臨床誌、26, 2-8.
Anim. Genet., 34: 236-237.
(3)講演
7. Hanotte, O., Ronin, Y., Agaba, M., Nilsson, P.,
1. 杉本喜憲:ウシゲノム解析の現状と展望、日本
Gelhaus, A., Horstmann, R., Sugimoto, Y., Kemp, S.,
農学会大会、2001年4月、東京。
Gibson,, J., Korol, A., Soller, M., Teale, A. Mapping
of Quantitative Trait Loci (QTL) controlling resistance
2. 溝口 康:黒毛和種におけるQTL解析、家畜ゲノ
to trypanosomosis in an experimental cross of
ム国際ワークショップ、2001年11月、つくば。
trypanotolerant West African N’Dama cattle (Bos
taurus) and trypanosusceptible East African Boran
3. 高須賀晶子、渡邊敏夫、伊藤智仁、森下真一、
cattle (Bos indicus). (2003) Proc. Natl. Acad. Sci.
杉本喜憲:ヒトゲノムドラフトを用いたウシ・
USA, 100: 7443-7448.
ヒト比較地図の作成、第9回アニマルゲノム研
究会、2002年3月、東京。
8. Takeda, H., Sugimoto, Y. Construction of a physical
map of an 8-cM region of bovine chromosome 6q21
4. 杉本喜憲、杉本真由美:乳房炎抵抗性育種の可
with 83 loci including 46 new microsatellite markers.
能性について、日本獣医学会大会、2002年3月、
(2003) Anim. Biotechnol., 14: 51-59.
川崎。
9. Itoh, T., Takasuga, A., Watanabe, T., Sugimoto, Y.
5. 杉本喜憲:ウシゲノム解析の現状と今後の課題、
Mapping of 1400 expressed sequence tags in the
北海道受精卵移植研究会、2002年7月、札幌。
bovine genome using a somatic cell hybrid panel.
(2003) Anim. Genet., 34: 362-370.
6. 溝口 康:黒毛和種DNA育種研究の現状と今後
の展開方向、平成14年度近畿中国四国農業研究
10.Sato, S., Oyamada, Y, Atsuji, K., Nade, T., Sato, S.,
Kobayashi, E., Mitsuhashi, T., Nirasawa, K.,
Komatsuda, A., Saito, Y., Terai, S., Hayashi, T.,
− 29 −
推進会議畜産草地推進部会問題別研究会、2002
年10月、島根県粕淵町。
7. Hirano, T.: QTL analysis for meat quality in Wagyu.
13.杉本喜憲:和牛経済形質のQTLマッピングの現
International Symposium on Application Strategy of
状、第一回最先端育種セミナー、2003年6月、
Genomic Information for Livestock Production. Oct.
京都。
2002, Suwon, Korea.
14.杉本喜憲:ウシゲノム解析の現状と今後の課題、
東海大学医学部、2003年7月、神奈川県伊勢原
8. 平野 貴:和牛遺伝性疾病および経済形質のゲ
市。
ノム解析、平成14年度宮崎県畜産技術研修会、
2002年12月、宮崎。
15.杉本喜憲:ウシQTLのゲノム解析、家畜ゲノム
国際ワークショップ、2003年11月、東京。
9. 杉本喜憲:動物ゲノム研究の現状と今後の展開
と課題、岐阜県客員研究員招聘事業講演会、
16.杉本喜憲:ウシ経済形質のゲノム解析の現状と
2003年3月、高山。
今後の展開、養殖研究所養殖部会「ゲノム情報
の育種への応用」
、 2003年12月、伊勢。
10.平野 貴:DNA解析の先進事例:黒毛和種の経
済形質QTLマッピングから候補遺伝子クローニン
グに向けて、岐阜県客員研究員招聘事業講演会、
17.平野 貴:DNA解析の先進事例:黒毛和種の
Marbling-2領域からの脂肪交雑関連遺伝子決定に
2003年3月、高山。
向けて、岐阜県客員研究員招聘事業講演会、
2004年2月、高山。
11.井原尚也:家畜ゲノム解析の現状と課題?ウシ遺
伝性疾患の解析とゲノム解析ツールの開発、鹿
児島県畜産新技術実用化対策事業(DNA育種基
(4)総説発表
1. 杉本喜憲:家畜ゲノム解析の現状と展望、農業
盤の確立)技術検討会、2003年3月、鹿児島。
および園芸、76 (10)、1887-1091、2001年。
12. 渡邊敏夫:和牛経済形質のための連鎖解析プロ
グラム∼理論と実践∼、第一回最先端育種セミ
2. 杉本喜憲:ウシゲノム解析の現状と展望、畜産
の情報 国内編、149、32-33、2002年。
ナー、2003年6月、京都。
− 30 −
第6章 参考資料:発表論文
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− 33 −
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− 40 −
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