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いとう温泉研究センターの設立
夢部門 いとう温泉研究センターの設立 提案者: 矢 野 一 行 プレゼンテ-ションの内容 1. いとう温泉研究センターの必要性 温泉分析書 温泉医学的効果 2. いとう温泉研究センターの進め方 西伊豆(仁科層群:A)、中伊豆(湯ヶ島層群:B)、 東伊豆(伊豆東部火山群:C)の温泉と泉質 3.市民・行政の役割 4.財政案 5.いとう温泉研究センターの効果見込み 1.いとう温泉研究センター設立の必要性 超高齢化社会に入り、痴呆や寝たきりなどによる要介護認定 者数は増え続け、昨年、600万人を超えました。 このような状 態を改善するためには、温泉をこれまでの“気分”的利用から、 科学的根拠に基づいた温泉療法として、積極的に活用すること が求められます。 現在、温泉の情報の入手はそれぞれの施設に掲示されてい る温泉分析書に頼る以外にありません。しかし、ここに記載さ れているデータは、さまざまな理由から、温泉の成分を科学的 に検討し、健康との関連性を明らかにする情報としては正確さ に欠けています。 そこで、伊豆半島の異なった地層に散在する温泉を科学的に 評価するには、同一条件での各温泉成分の情報が不可欠です。 そのための研究施設として、「いとう温泉研究センター」の設立 を提案する次第です。 温泉分析書(温泉のカルテ) 温泉医学的効果 温水中の化学成分による薬理効果: 温泉特有の効果 生命にとって必要なミネラル成分が、温泉浴では皮膚を通して、飲泉では経口で体内に入り、血液 によって全身をめぐり、細胞の働きや神経系に良い影響を及ぼします。 さらに皮膚ではミネラル成 分や水素イオン指数(pH)の変化によって皮脂腺や汗腺の汚れが落ち、肌の若々しさが保たれます。 温水による温熱効果: 入浴でも期待できる効果 体が温まると血管は拡張し、血行は良くなり、内臓や筋肉の働きを助けます。 同時に新陳代謝が 活発になり、腎臓や肺から老廃物や有害物質が速やかに排泄され、血液は浄化され、筋肉や関節 は和らぎ疲れや痛みから解放されます。 また、体温の上昇によって、血栓を溶かす酵素のプラスミ ンが増え、脳梗塞や心筋梗塞を予防します。 最近、注目されているものに体温の上昇によって生じ る熱ショックタンパク質(HSP)があります。 このタンパク質は、損傷を受けたタンパク質を修復した り、がん細胞を自殺(アポトーシス)に導いたり、と健康を維持するうえで大切な働きをします。 温泉地の自然環境や気候環境による変調効果: 海水浴・ハイキングでも期待できる効果 温泉地の多くは場所、地形、気候などが、日常生活の環境と大きくかけ離れています。 このよう な環境の変化に触れると体内ではさまざまなホルモンの分泌が活発になり、日常生活で溜まってい るストレスから解放され、ストレスが原因の胃潰瘍、慢性肝炎、糖尿病、高血圧、胆石、心筋梗塞な どを改善します。 なかでも海洋性気候のもとでのタラソテラピー(海洋療法)や 森林浴の「フィトン チッド」(Phytoncide::森林の香)の効果は科学的にも実証されつつあります。 2.いとう温泉研究センターの進め方 一 本研究センターの予定地 (住所)の確保 一 研究に携わる若いスタッフの採用 一 現在進めている伊豆半島の独特な地質に存在する温泉成分 の調査を継続し、まとまり次第、本研究センター名を入れて 公表し、本研究センターの存在をアピール 一 実験設備が整えば、いくつかの興味ある温泉水の分析を開始 し、それぞれの薬理作用に関する成分を中心に、独自の温泉 評価基準を作成 一 これらの基準を基に、健康増進や特定の病気の改善を目的と した新しい観光旅行(美肌ツアー、アンチエイジングツアー、生 活習慣病ツアー など)向けの情報を整理 西伊豆(仁科層群:A)、中伊豆(湯ヶ島層群:B) 東伊豆(伊豆東部火山群:C)の温泉と泉質 Ⓑ Ⓐ 図:伊東ジオマップより Ⓒ 3.市民・行政の役割 市民の役割としては、主に本研究センターの運営 に関わるソフトの面を、行政はハードの面を中心 に分担することになるかと思われますが、実行に 移すには両者の十分な意思の疎通が不可欠です。 4.財政案 温泉医療の先進国であるドイツ、イタリア、フランスなどのヨー ロッパ諸国の温泉施設の研究体制は、基礎的研究には公的資 金が導入され、直ちに応用できる分野では民間資金が導入され、 官民の協力のもとで効率よく運営されています。 これらヨーロッパ諸国の現状を参考に、国・自治体には温泉医 学研究の必要性を訴え公的資金を、観光旅行業界等には本研 究センターで得られる情報の有用性を訴え民間資金を調達する 必要があります。 5.本研究センターの効果見込み -伊豆半島のそれぞれの地層に散在している温泉成分の正確な情報 が明らかになり、新たな温泉研究の進展が期待できます。 -それらの情報を基にそれぞれのヒトに適したオーダーフィテッド温泉 が可能になり、 温泉療法が、ヨーロッパ諸国で行われているように、 近代医療の相補療法 (Complementary Medicine) としての地位を 確立していくでしょう。 -それに伴う経済効果は、現在の40兆円を超す莫大な医療費の削減 や抑制への貢献のみならず、高齢化社会に対応した豊かで健や かな生涯を送るための温泉利用型健康増進施設や新たな観光旅行 などを通して雇用は拡大し、地域活性化への貢献も期待できます。