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高齢者 III 期非小細胞肺癌に対する放射線単独治療成績と予後の検討

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高齢者 III 期非小細胞肺癌に対する放射線単独治療成績と予後の検討
276
日呼吸会誌 37(4)
,1999.
●原
著
高齢者 III 期非小細胞肺癌に対する放射線単独治療成績と予後の検討
中野喜久雄1)
平本 雄彦1)
金原 正志1)
風呂中 修1)
宮津 由香1)
羽田 良洋2)
土井美帆子1)
要旨:III 期非小細胞肺癌の放射線単独治療例の予後ならびに栄養障害に対する年齢の影響を明らかにする
ために,1986 年から 1995 年までに放射線単独治療を施行した非小細胞肺癌例の予後因子の解析,さらに
治療前後での栄養障害の変化と予後の関係について,非高齢者(74 歳以下)と高齢者(75 歳以上)の 2 群
で比較検討した.III 期例で高齢者の生存期間中央値は 6.3 カ月で非高齢者の 11.5 カ月に対し,有意(p=
0.0043)に予後不良であり,多変量解析でも Performance status,年齢,奏効度が独立した予後因子であっ
た.さらに III 期例での高齢者の直接死因は呼吸器感染症が非高齢者に比較し多く認められ,また高齢者の
栄養指数 Prognostic nutritional index は治療前後のいずれでも有意に低値であった.以上のことから III 期
非小細胞肺癌の放射線単独治療では高齢者が予後不良であり,さらに治療により増悪した高齢者の栄養障害
は,呼吸器感染症死の一因となる可能性が考えられた.
キーワード:高齢者,非小細胞肺癌,放射線単独治療,予後,栄養障害
Elderly patients,Non-small cell lung cancer,Radiotherapy alone,Prognosis,Malnutrition
緒
組織型,照射線量,照射野,奏効度の各因子について,
言
単因子解析として Kaplan-Meier 法による生存曲線を
高齢者非小細胞肺癌に対する治療は手術が不能の場
合,集学的治療は困難なことが多く放射線単独治療が選
択される.その放射線単独治療の成績,予後に関する検
1)
generalized
Wilcoxon 法で検定し,さらに Cox の比例
ハザードモデルでの多変量解析を行った.
さらに 75 歳以上(高齢者)と 74 歳以下(非高齢者)
討は I,II 期例で多く行われている が,局所進展例で
の 2 群に分けて,直接死因の検討と放射線治療前後での
の検討は十分に行われていない.そのため高齢者の局所
標準体重比(現体重 標準体重×100)
,末梢血リンパ球
進展例では放射線治療の選択基準,治療効果,毒性,予
実数,血清アルブミン値,栄養指数 Prognostic nutritional
後など治療上の問題点が未だ明確にされていない.そこ
2)
(血清アルブミン値(g dl)
×10+末梢血
index(PNI)
で今回,III 期非小細胞肺癌に対する放射線単独治療例
×0.005)の変化を比較し,栄養
リンパ球実数( mm3)
の予後を中心に,年齢の影響を比較検討し高齢者の問題
評価の検討を行った.両群の有意差検定は χ2 ならびに
点を明らかにした.
Mann-Whitney の U 検定で行った.
対象・方法
対象は 1986 年から 1995 年の 10 年間に当院で放射線
結
果
1.背景因子
単独治療を施行した非小細胞肺癌例 85 例である.病期
過去 10 年間に当院で施行した非小細胞肺癌の放射線
はすべて臨床病期を用い,放射線治療は原発巣に対して
単独治療例は 85 例だった.組織型では扁平上皮癌が 60
50 Gy 以上照射した症例とし,Linac 10 MV X-ray を用
例で 71% を占めた.PS は 0,1 が 72 例で 85% であり,
い 1 回 2 Gy,週 5 回法を原則とした.照射野は原則と
臨床病期は III 期例が 71 例で 84% を占めた.慢性の基
して原発巣,同側肺門,両側縦隔を含め,さらに鎖骨上
礎疾患 comorbidity を合併した症例は,慢性閉塞性肺疾
窩リンパ節転移のある例は同部位も照射野に含めた.
患,肺線維症,他臓器癌,虚血性心疾患,脳血管障害後
臨床的予後因子解析は年齢,Performance status
(PS),
〒737―0023 広島県呉市青山町 3―1
1)
国立呉病院呼吸器内科
2)
同 放射線科
(受付日平成 10 年 5 月 28 日)
遺症のいずれかを合併している症例とし,III 期例では
23 例であった(Table 1)
.
2.臨床病期別の照射野,照射線量ならびに奏効度
照射野は 150 cm2 未満が 65 例と 92% を占めた.照射
線量は 60 Gy ないし 70 Gy 未満が 48 例,68% と最も多
高齢者 III 期非小細胞肺癌の放射線単独治療
かった.奏効率は 63%(45 71)であった(Table 2)
.
277
生存期間中央値(MST)と 3 年生存率は 74 歳以下で 11.5
3.臨床的予後因子
カ月,5.9%,75 歳以上では 6.3 カ月,0% と有意に予後
臨床的予後因子の解析は臨床病期 III 期例に対し,年
不良であった(Fig. 1)
.なお I 期,II 期の MST と 3 年
齢,PS,臨床病期,組織型,照射野,照射線量,奏効
生存率は 74 歳以下が 19.5 カ月,31.3%,75 歳以上が 23.0
度について表 2 に示す分類を行い検討した.単因子解析
カ月,24.2% であり両年代間に有意差は認められなかっ
で有意と検定された予後因子は PS
(PS 0,1,p=0.0002)
,
た.
奏効度(CR,PR,p<0.0028)
,年齢(74 歳以下,p=0.0043)
4.直接死因
であり,また Cox の比例ハザードモデルの多変量解析
III 期例の直接死因は 74 歳以下に比較して,75 歳以
でも PS,年齢,奏効度の順に独立した予後因子であっ
上での肺癌死の頻度が少なく,それに代わって呼吸器感
た(Table 3)
.さらに 75 歳以上と 74 歳以下の 2 つの年
染症死 7 例が有意(p<0.05)に多かった.その内訳は
代別に分けた場合の生存曲線で,75 歳以上は IIIA 期 19
肺炎 5 例と気道感染を契機にした肺気腫の呼吸不全死 2
例,IIIB 期 5 例と 74 歳以下の IIIA 期 30 例,IIIB 期 17
例であった.また放射線肺炎が 74 歳以下で 2 例,75 歳
例に比較して IIIA 期の比率が高かったにもかかわらず,
以上で 2 例認められたが,4 例中 3 例は基礎疾患に肺線
維症を合併していた症例であり,それが放射線治療によ
り急性増悪し,照射野を越え広範囲に広がり呼吸不全死
Table 1 Characteristics of patients treated with
radiotherapy alone
No. of patients
n = 85
した.なお III 期例の 75 歳以上で 1 例は解析時点で生
Table 2 Radiation field size and total dose, and results
of radiotherapy
Sex
No. of patients
Male/Female
Age
(years)
Median
Range
Histology
Adenocarcinoma
Squamous cell carcinoma
Large cell carcinoma & others
Performance status
0/1/2/3
Clinical stage
¿/ À/ÁA/ÁB
Comorbidity
+/−
(¿ , À)
+/−
(ÁA , ÁB)
79/6
n = 71
Field size
(cm2)
36 ∼ 99
100 ∼ 149
150 ≦
Total dose
(Gy)
50 ∼ 59
60 ∼ 69
70 ≦
Response
CR
PR
NC
73
50―87
13
60
12
31/41/7/6
11/3/49/22
10/4
23/48
Performance status(0,1 vs 2,3)
Response(CR, PR vs NC)
Age(≦ 74 ys vs ≧ 75 ys)
Histology(Sq. vs non Sq.)
Total dose
(≧ 70 Gy vs < 70 Gy)
Comorbidity(− vs +)
Field size(≦ 100cm2 vs > 100cm2)
Stage(ÁA vs ÁB)
5
48
18
0
45
46
CR : complete response, PR : partial response, NC : no change
Table 3 Results of univariate analysis by generalized Wilcoxon test, and
multivariate analysis by Cox’
s proportional hazard model : factors with
significant effect on survival
Variable
25
40
8
generalizedWilcoxon test
P
0.0002
0.0028
0.0043
0.1582
0.1839
0.2893
0.4321
0.8896
Multivariate analysis
P
Relative risk
0.0041
0.0088
0.0072
2.788
2.100
2.058
CR : complete response, PR : partial response, NC : no change, Sq. : squamous cell
carcinoma
278
日呼吸会誌
37(4)
,1999.
Fig. 1 Survival of patients treated with radiotherapy alone, by age group.
療前後ともに 74 歳以下に比較して 75 歳以上で有意に低
Table 4 Cause of death
値を示した(Table 5)
.
No. of patients
Lung cancer
Respiratory infection
Radiation pneumonitis
Others
Unknown
≧ 75ys. old
n = 23
≧ 74ys. old
n = 47
10*
7*
2
2
2
32
2
2
5
6
PNI の放射線治療前後での変化は Fig. 2 に III 期例に
加え I,II 期例も示したが,III 期例では治療前に 74 歳
以下の PNI 48±1 に対し,75 歳以上では 45±1 と有意
(p=0.0282)に低く,また治療後も 37±1 と有意(p=
0.0014)に低値を示した.さらに I,II 期例では 75 歳以
上の PNI が 53±7 が 41±6 と低下し,74 歳以下での 49
±3 から 45±1 の低下に比べ大きい傾向であった.
*
p < 0.05 ≧ 75 ys. old vs ≦ 74 ys. old 考
存中であった(Table 4)
.
察
手術不能非小細胞肺癌に対する治療法は,化学療法と
I,II 期例の直接死因では肺癌死が 75 歳以上で 6 例中
放射線療法との併用が主流3)となってきているが,75 歳
4 例,74 歳以下で 7 例中 6 例(1 例生存中)と最も多く
以上の高齢者では非高齢者と同等の化学療法は行えず,
認められた.
放射線単独治療が選択される場合が多い.Sibley ら1)は
5.放射線治療による栄養指標の変化
手術不能の I 期例に対する放射線単独治療例での予後因
治療前の標準体重比は 75 歳以上で 85±13% と最も低
子の検討で,年齢の 70 歳以下が独立した予後因子であ
値を示したが,74 歳以下の 89±2% に比較して有意差
ると報告している.今回 I,II 期例の生存率は 75 歳以
は認められなかった.末梢血リンパ球実数は両群とも,
上と 74 歳以下との間に有意差はなく,年齢が予後因子
いずれの病期でも治療後に有意に低下したが,両群の間
にならない4)可能性も考えられるが,症例数が少なく今
に有意差は認められなかった.血清アルブミン値は,治
後の検討が必要である.
Table 5 Change in % ideal body weight, total lymphocyte count and serum
alubumin concentration before and after radiotherapy according to age.
% Ideal body weight
(%)
Total lymphocyte count
(cell/mm3)
Serum albumin concentration
(g/dl)
≧ 75 ys. old
≦ 74 ys. old
≧ 75 ys. old
≦ 74 ys. old
≧ 75 ys. old
≦ 74 ys. old
before
after
85 ± 3
89 ± 2
1,713 ± 140
1,874 ± 124
3.6 ± 0.1*
3.8 ± 0.1
84 ± 3
87 ± 2
672 ± 89
934 ± 106
3.4 ± 0.1*
3.7 ± 0.1
% Ideal body weight : body weight/standard body weight×100
*
p < 0.05 ≧ 75ys. old vs ≦ 74ys, old
(Mean±SE)
高齢者 III 期非小細胞肺癌の放射線単独治療
279
Fig. 2 Change in prognostic nutritional index before and after radiotherapy.
一方,III 期例での放射線単独治療の年齢に関する検
5)
討は,65 歳で分けて検討が行われている が,75 歳の高
に対する適切な放射線治療法を確立する必要があると思
われる.
齢で分けた検討は報告されていない.これは一般に臨床
今回 III 期例で 75 歳以上の予後が不良であった原因
試験に登録される症例は 75 歳以下が多く,しかも切除
の一つに,直接死因の呼吸器感染症が 74 歳以下に比較
不能の場合,放射線治療に加えて化学療法との併用療法
して有意に多かったことが考えられる.森田ら8)は放射
が選択されるためと考えられる.これまでに報告された
線治療の近接効果が良好であるにもかかわらず,治療後
75 歳以下を主体とする臨床試験では,III 期例の放射線
4 ないし 8 カ月以内の肺炎とそれに合併する心肺不全に
単独治療の有効性は僅かであり,その MST は 8.6∼10.1
よる死亡が MST を悪くした原因と報告している.また
カ月とされている6).Curran ら5)は手術不能 III 期の放
今回 I,II 期例では 75 歳以上でも 74 歳以下と同様に肺
射線単独治療 306 例を IIIA 期と IIIB 期に分けた場合の
癌死が多かったことから,高齢者の特に局所進展例では,
MST は,それぞれ 9.4 カ月,9.6 カ月で差がなく,さら
治療後の呼吸器感染による他病死が問題になってくると
に臨床病期(IIIA 期と IIIB 期)
,PS,年齢(65 歳以上
思われる.一般に呼吸器感染症は高齢者に多く認められ,
と以下)
,性,組織型,体重減少を多変量解析した結果,
加齢自体による免疫能の低下が原因と考えられるが,そ
PS だけが有意に予後に影響したことを報告している.
れに加えて担癌患者では栄養障害が存在し,それによっ
今回,Curran らと同様に IIIA 期と IIIB 期の予後の差
て引き起こされる免疫能の低下9)10)が重要であると考え
は認められず,また 74 歳以下の MST は 11.5 カ月とこ
られる.これに関連して,肺癌の化学療法,放射線療法
れまでに報告された成績と同等であった.しかし,75
での治療前の体重減少,血清アルブミンの低値が予後因
歳以上の MST は 6.3 カ月と明らかに不良であり,75 歳
子となる報告が多くされ11)12),さらに放射線治療による
で分けた場合には年齢が予後を規定すると考えられる.
栄養障害も指摘されている13).そこで今回,直接死因の
ここで年齢が,高齢者に多く認められる慢性基礎疾患
結果から判断して,特に高齢者の局所進展例での栄養障
comorbidity の合併や PS などと関連すると予想される
害に対して,放射線治療自体が如何に影響したか検討を
が今回,多変量解析の結果から年齢と PS は独立した予
加えた.
後因子であり,Sibley らの早期例での報告と同様に局所
進展例でも年齢が予後因子になると考えられる.
今回,III 期例での治療前の標準体重比の平均値は 74
歳以下の 89% に比較し,75 歳以上で 85% と低値を示
75 歳以上の MST は,これまでに報告された best sup-
す傾向であったが有意差はなく,また治療後にも 75 歳
7)
portive care(BSC)の成績 とほぼ同等であり,高齢者
以上でいずれの病期でも低下傾向は示したが有意な変化
局所進展例での放射線治療選択は慎重でなければならな
ではなく,栄養評価を行う鋭敏な指標とは考えられな
いと考えられる.しかし,今回の多変量解析で奏効度が
かった.一方,PNI は末梢血リンパ球実数と血清アルブ
独立した予後因子であったことは,良好な局所制御が予
ミン値によって求められ,今回のように放射線治療によ
1)
後を改善するという I 期例での報告 と同様な結果につ
り末梢血リンパ球実数ならびに血清アルブミン値が低下
ながる可能性が考えられ,今後,局所進展例での高齢者
する状態では,総合的かつ客観的に評価できる栄養指
280
日呼吸会誌
37(4)
,1999.
標2)9)と思われる.小野寺ら2)によると術前の PNI が 45
therapy for stage I-II non-small cell lung cancer in
以上なら消化器癌の手術が可能であり,PNI が 40 未満
patients aged 75 years and older. Jpn J Clin Oncol
の場合は術後 2 カ月以内の死亡が多いと報告している.
1996 ; 26 : 95―98.
今回いずれの病期,年代でも治療前の PNI の平均値は 45
5)Curran WJ, Jr and Stafford PM : Lack of apparent
以上と高く,また I,II 期例の 75 歳以上では PNI は 53
difference in outcome between clinically staged
と最も高値を示した.しかし III 期例では 75 歳以上の
PNI が 74 歳以下に比較し有意に低値であり,さらに放
射線治療による PNI の低下が 75 歳以上の年代で大き
かったため,III 期例の 75 歳以上では PNI が 37 と最も
IIIA and IIIB non-small cell lung cancer treated
with radiation therapy. J Clin Oncol 1990 ; 8 : 409―
415.
6)Johnson DH, Einhorn LH, Bartolucci A, et al : Thoracic radiotherapy does not prolong survival in pa-
低値を示した.これは治療前の栄養障害は同じ高齢者で
tients with locally advanced, unresectable non-small
も病期の進行した局所進展例で強く,さらにその栄養障
cell lung cancer. Ann Intern Med 1990 ; 113 : 33―38.
害は放射線治療後に非高齢者に比較し,高齢者で一層増
7)Leung WT, Shiu WCT, Tsao SY, et al : Combined
強されることを示唆していると考えられる.その結果,
chemotherapy and radiotherapy versus best sup-
局所進展例での高齢者の免疫能低下が放射線治療によっ
portive care in treatment of inoperable limited stage
て増強され,易感染性を引き起こした可能性が考えられ
non-small-cell lung cancer. Proc Am Soc Clin Oncol
る.また細胞性免疫能の低下が放射線治療の効果を低下
1990 ; 9 : 243.
させることも報告 されており,今回 I,II 期に比較し III
8)森田皓三,不破信和,内山幸男:非小細胞肺癌に対
期での奏効率が低い傾向で,かつ III 期例で奏効率が独
する放射線治療後の累積生存曲線の解析.癌の臨床
14)
立した予後因子であったことは,栄養障害の強い局所進
展例の高齢者での奏効率の低下が予後に影響した可能性
も考えられる.
以上のことから高齢者の局所進展例での放射線治療の
1990 ; 36 : 135―141.
9)倉石安康:栄養対策.有吉 寛,西條長宏,佐々木
康綱,他編.臨床腫瘍学.癌と化学療法社,東京,
1996 ; 1229―1247.
10)米田尚弘,江川信一,吉川雅則,他:肺癌患者の栄
際には,栄養対策ならびに治療後の易感染性対策が重要
養評価―栄養障害と細胞性免疫能の関連―.肺癌
と思われるが,治療中に高カロリー輸液などの栄養補助
1989 ; 29 : 147―153.
によって体重増加は認めるも予後の改善は認められ
ず15)16),今後の検討が必要と思われる.
本研究の一部は平成 9 年度厚生省がん研究助成金(永井班)
11)Feld R, Arriagada R, Ball DL, et al : Prognostic factors in non-small cell lung cancer : a consensus report. Lung Cancer 1991 ; 7 : 3―5.
12)大熨泰亮,上岡 博,木浦勝行,他:進展期肺非小
の援助を受けた.
細胞癌における予後因子の解析.肺癌 1993 ; 33 :
文
献
1)Sibley GS : Radiotherapy for patients with medically
inoperable stage I nonsmall cell lung carcinoma.
smaller volumes and higher doses -A review. Cancer 1998 ; 82 : 433―438.
2)小野寺時夫,五関謹秀,神前五郎:Stage IV・V(V
は大腸癌)消化器癌の非治癒切除・姑息手術に対す
る TPN の適応と限界.日外会誌 1984 ; 85 : 1001―
1005.
3)Arriagada R : Current strategies for radiation therapy in non-small cell lung cancer. Chest 1997 ; 112 :
209S―213S.
4)Furuta M, Hayakawa K, Katano S, et al : Radiation
169―175.
13)Kokal WA : The impact of antitumor therapy on nutrition. Cancer 1985 ; 55 : 273―278.
14)Bosworth JL, Ghossein NA, Brooks TL : Delayed hypersensitivity in patients treated by curative radiotherapy. Cancer 1975 ; 36 : 353―357.
15)Daly JM, Dudrick SJ, Copeland EM : Evaluation of
nutritional indices as prognostic indicators in the
cancer patient. Cancer 1979 ; 43 : 925―931.
16)Pezner R, Archambeau JO : Critical evaluation of
the role of nutritional support for radiation therapy
patients. Cancer 1985 ; 55 : 263―267.
高齢者 III 期非小細胞肺癌の放射線単独治療
281
Abstract
Radiotherapy Alone for Elderly Patients with Stage III Non-Small Cell Lung Cancer
Kikuo Nakano1), Takehiko Hiramoto1), Masasi Kanehara1), Mihoko Doi1)
Osamu Furonaka1), Yuka Miyazu1)and Yosihiro Hada2)
1)
Department of Pulmonary Medicine 2)Department of Radiology, National Kure Hospital
We undertook a retrospective study of elderly patients with stage III non-small cell lung cancer who had
been treated solely with radiotherapy during the period 1986 to 1995. Our study was designed to assess the influence of age on survival and malnutrition in patients aged 75 years or older(elderly group)and patients aged 74
years or younger(younger group)
. Radiotherapy alone resulted in a median survival period of 11.5 months in the
younger group and 6.3 months in the elderly group(p=0.0043).With the Cox multivariate model, good performance status, age less than 75 years, and good response were significant favorable independent predictors. Furthermore, the elderly group patients more frequently died of respiratory infections and had lower prognostic nutritional indexes than the younger group patients before and after radiotherapy. These findings suggested elderly
patients with stage III non-small cell lung cancer who had been treated with radiotherapy alone had a poor prognosis and that malnutrition caused by radiotherapy was a factor contributing to the risk of death from respiratory
infection in such ptients.
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