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大会報 報告書

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大会報 報告書
大会報
報告書
― 第8回全
全日本学生フォーミュラ大会 ―
カウル
ル製作
製
OFRAC(Osa
aka-univ. Formula Racing Club)
2010年度
度プロジェクトリーダー 奥西 晋一
浪速X(テン
ン)完成!
大阪大学フォーミュラ
ラレーシングクラブ
目 次
1.はじめに
2.大会参戦レポート
2.1.1日目(技術車検)
静的審査)
2.2.2日目(動的車検・静
2.3.3日目(加速・旋回・タイムアタック)
2.4.4日目(耐久走行・燃
燃費)
2.5.5日目(デザインファ
ァイナル・表彰式)
2.6.大会結果まとめ
3.大会結果に対する分析
析
3.1.車検審査
3.2.静的審査
3.3.動的審査
4.今後の目標
5 おわりに
5.おわりに
1/9
1.はじめに
平素より,大阪大学フォーミュラレーシングクラブ(OFRAC
C)の活動に対し,多大なるご支援,ご協力をいただき,誠
にありがとうございます.私たちOFRACは去る9月7日(火)~11日(土)に,静岡県小笠山総合運動公園(ECOPA)
にて開催されました,第8回全日本学生フォーミュラ大会に
に参戦してきました.今年度は海外を含め85チームからエ
ントリーがあり,70チームが書類選考で選ばれ,大会で競いあいました.私たちOFRACも今年度プロジェクトの集
大成として本大会に臨みました.
ついて,ご報告させていただきます.
本報告書ではこの第8回全日本学生フォーミュラ大会につ
2.大会参戦レポート
2 1 1日目(技術車検)
2.1.1日目(技術車検)
大会1日目は例年より早めに出発する必要がありました.昨
昨年度上位30位までのチームが受けることのできる事前
車検,これが私たちのチームは昼13時に予定されていたの
ので遅れることのないよう,早めに出発しました.無事,受
付等を済ませ事前車検の準備に移ります.直前に完成した
たカウルがタイヤからはみ出しているなど(車両を前方から
見た際にタイヤより外に部品が出ていないようにしなければ
ばならない)の点をワイヤーでつることで修正し,事前車検
へ向かいました.毎年,車検は緊張のイベントです.ここで厳しい指摘を受け,修正に手間取ると後のスケジュール
に多大な影響が出てしまうからです.自動車技術会の主催
催する試走会などでいろいろと指摘を受けていたことは修
正してきたものの 何を言われるか不安で仕方ありませんで
正してきたものの,何を言われるか不安で仕方ありませんで
でした 結局いろいろと指摘されたものの 修正個所は「
でした.結局いろいろと指摘されたものの,修正個所は「
排気管の固定不足」のみでした.これを針金でしっかりと固
固定し,クイック車検(修正個所が少ないチームはチームピ
ットでそこだけ確認してもらえる)で無事通過できました.
車検審査の後は,翌日の静的審査に備えて提示するパネルを確認しながら発表練習を行いました.宿に戻っても,
静的審査の想定される質問への回答を考えたり,さらなるア
アピールのための資料を用意したりと忙しくしていました.
この日はみんな疲れのせいもあって,いつの間にか眠りに
に落ちていました.
5秒脱出試験
車検を通過するともらえるステッカー
2.2.2日目(動的車検・静的審査)
大会2日目は主要メンバ が4時ごろに起きだし,最後の準備
大会2日目は主要メンバーが4時ごろに起きだし,最後の準備
備を整えていました.この日は天候が悪く,台風が来るかも
しれないとの予報がありました.実際,雨の影響で動的車検
検のうち騒音試験・チルト試験・重量測定が延期となりました
.私たちは弱い雨の中ブレーキ審査をクリアし,それからは動
動的車検が受けられないので動けずにいました.昼前には
大会側から数時間後に台風が直撃するとの連絡がありました
た.大会はここ数年,幸運にも晴れ続きだったので雨が降る
のは覚悟していましたが,まさか台風が直撃するとは思ってもみませんでした.静的審査は午前中にあったプレゼン審
査以外のコスト・デザイン審査は,別会場(エコパスタジアム地下駐車場)に移動して行うことになりました.
2/9
プレゼン審査(企業へのマシン売り込み)
プレゼン担当 生原 尚季
プレゼン審査では,「自分達の車両をサンデーレーサー向けに販売する」という前提で商品企画を発表し,内
容・構成・ビジュアル・演壇技術・質疑応答の5項目で評価されます.
価されます
昨年度の課題としては,車両の技術的アピール不足,ビジュアルの見にくさ,および質疑応答での不明確さが
挙げられました.
容を明確に繋げる内容・構成にしました.次に,「文字情
そこで今年度は,まず商品コンセプトと車両の技術内容
報⇒図解情報」とすることでスライドの情報量を圧縮する
るとともに,スライドの明るさを全体的に下げ,聴衆の視
点を見せたい部分(明るい部分)に絞るようにしました.さ
さらに質疑応答では,どのような質問にも強い自信を
持って答えることを前提とした上で,それでも緊張感や堅
堅さ,威圧感が前面に出ないように,自然体の口調を用
いて若さによる熱意と愛嬌を重視しました.また,審査員
員との良好な関係を築くため,プレゼン冒頭で審査員に
質問を投げかける内容を入れました.もし反応してもらえ
えなければ場が冷めるためややリスキーでしたが,本番
では審査員含め聴衆の方にも手を上げて反応して頂け,非常にうれしく思いました.
コスト審査(生産コスト・管理
理)
コスト担当
担当 後藤 明
明之
今年度はコストレポートの作成において以下の2つのこと
とに着目しました.
1つ目は書き方の統一です.レポートの書き方を十分に把
把握しているコスト班はレポートを書くタスクを減らし,
各メンバーのチェックに注力できるようにしました.各パー
ーツにおいてチェック・修正のサイクルを最低3回行うこ
とで完成度を高め,正確性を向上させました.同時に無駄
駄な工程を省き,価格を下げることもできました.
2つ目は見やすさです.図面には各アセンブリで組立図と
とそれに伴うパーツリスト,並びに組み付け状態がわか
るような解体図もマストとしました.このように裏づけ資料
料の質を向上させ,見やすさを追求しました.
以上のような工夫により今年度のコスト審査において正確性を高く評価され,2連覇を果たすことができました.
確性を高く評価され 2連覇を果たすことができました
OFRACの特徴としてチームメンバー全員がコストレポー
ート製作に携わるということです.
総1000ページにも及ぶ資料を作成することができたのは
はメンバーのおかげで,今回のコスト優勝はメンバー全
員の努力の賜物であると思います.
きるよう頑張りたいと思います.
来年はさらに効率・スケジューリングを改善し,3連覇でき
デザイン審査(設計・評価)
デザイン担当 久堀 拓人
今年度のデザイン審査では4位を獲得できました。手ごた
たえとしてはもう少し上を狙えたのでは・・・という気持ち
があっただけに最終日は悔しい思いをしましたが、それで
でも当初の目標であったファイナル進出を果たすことが
できたのは大きな進歩だと感じています。今年度の一番
番大きな進歩としては、前年度車両の検証を十分に行い、
改善点を絞り込み それに向かって車両全体の設計を進
改善点を絞り込み、それに向かって車両全体の設計を進
進めることができた というところです 審査員の方にも
進めることができた、というところです。審査員の方にも
その点を「よくまとまった設計」と褒めていただけました。一方車両の品質としての完成度は十分なレベルには
至らず、その点は次年度に向けての大きな反省点でした
た。次年度は大会で得られた反省を活かし、強みである
車両全体でまとまった設計をさらにブラッシュアップして、
、デザイン審査優勝を目指したいと思います。
3/9
2.3.3日目(加速・旋回・タイムアタック)
大会3日目からは動的競技が開始され,この日はアクセラ
ラレーション(加速性能),スキッドパッド(旋回性能),およ
びオートクロス(周回走行1周のタイムアタック)が行われま
ました.
アクセラレーション,スキッドパッドはそれぞれ2回ずつトラ
ライすることができます.例年,朝8時から昼12時にかけ
て競技が行われるため,後のほうでトライするほど路面温
が
後
温度が上がり有利になります.しかし一方で,後になるほ
が が
後
ど出走チームが増えてコースが混雑するため,あまりギリ
リギリまで路面温度が上がるのを待ち過ぎると2回という
トライ回数を消化しきれずに終わってしまうこともあります.このため,大会期間中で最もピット(?)戦略,チーム力
スでこの競技に参加できなかったことがあったため,それ
が問われる競技でもあります.OFRACは過去に戦略ミス
以来対策に力を入れてきた競技でもあります.
2日目に引き続き天候・路面は良くない状況で,例年以上
上にピット(?)戦略で厳しい判断が問われる状況でした.
情報戦が鍵を握ると考え,私たちは路面状況の観測担当
当,他大学のタイム記録担当,コースへ並んでいる台数と
競技の進行状況を確認する担当を置き 天気予報にも気
競技の進行状況を確認する担当を置き,天気予報にも気
気を配りながら随時無線で状況を連絡し合いました.
気を配りながら随時無線で状況を連絡し合いました
天気予報では,朝8時頃は曇り,その後雨が降り始めるも
ものの,昼には雨が止むという予報でした.朝8時のコー
スオープン後,いつ雨が降り始めてコースがクローズされ
れるか分からない状況のなか,とりあえず1回目のタイム
を記録するため,レインタイヤを装備してスタート付近で待
待機していました.しかし,レインタイヤで走行した他大学
のタイムが伸びない状況,および「ドライで走れるかもしれ
れない」という路面観測担当の連絡を受けて,他チームが
すべてレインタイヤを装着しているなか,急遽「ドライタイヤ
ヤで走行する」戦略を取りました.まずスキッドパッドに挑
んだのですが,スキッドパッドコース上には一部まだ水たま
まりが残る部分があり,かなりコントロールがシビアで,
結果,ドライタイヤでは思うようにタイムは伸びませんでし
した.しかし,アクセラレーションのコースでは,最もグリッ
プが必要となる発進場所に水たまりがなかったことで,ドラ
ライタイヤの高いグリップを発揮することができました.お
かげで,テスト走行時の4.0秒は出せなかったものの4.2秒
秒台と暫定トップのタイムを残すことができました.
OFRACの走行直後,予報通り雨が降り始めました.雨の
のなか走行する大学もありましたが,昼頃に降り止むとい
う天気予報の情報を信じ,もう1回の走行回数を残したまま一度ピットに引き上げました.予報通り雨は止んできた
ものの,曇りだったため路面はなかなか乾かず,スキッドパ
パッド,アクセラレーションともベストタイムが更新されな
い状態が続きました.私たちのチームもまたレインかドライ
イで悩み,まずレインタイヤでピットを出ました.しかし
コースに並ぶ直前で,主要な大学が走り終わり,アクセラ
ラがおそらく1位を維持できるだろうという情報と,昼に向
かって徐々に乾いていく路面の情報が観測担当から入りました.そこで,ドライタイヤに換装してのスキッドパッド
ました そこで ドライタイヤに換装してのスキッドパッド
での1本勝負にしようとの案が上がりました.残り50分程度
度の走行時間のなか,1台概ね5分弱での進行状況に対
し10台近くが並んでおり,ドライタイヤに換装している間に
に他大学が先に並べば出走できない可能性がありました.
再度難しい判断を強いられましたが,メンバーの情報とチ
チーム力を信じ,ドライタイヤでアタックすることに決めまし
た.動的エリア内のメンバー制限のため,メカニックが3人
人しかいない状況でしたが,5分とかからない驚異的なス
ピードでタイヤを換装し,コースに並びました.結果,コース
スクローズぎりぎりで,最も乾いた路面にドライタイヤで
望むことができました.それでも一部路面に水たまりがあり,走りにくい状況でしたが,なんとかスキッドパッドで3
位 入るタ
位に入るタイムを出すことができました.
を出す
昼からのオートクロス(タイムアタック)では慣れない雨での
の走行に思うように走ることができず,残念ながら15位と
いう結果になってしまいました.
4/9
タイムアタック
セカンドドライバー 和泉 恭平
今年度よりドライバーとなった和泉です.今回私はオート
トクロス(周回走行)とエンデュランス(耐久走行)に出走
しました.
オートクロスは降りしきる雨の中での走行となりました.デ
デビューランが過酷なものとなり緊張しましたが,実際
走りだしてみると想像以上のコンディションの悪さでした.視界は雨粒とタイヤの跳ね上げた水で遮られ,ステア
リングインフォーメーションもゼロ.少しでもラフなアクセル
ルワークでリアは簡単にグリップを失い,ややアンダー
の強い車両はよほど前輪荷重をかけないとまともに曲が
がれない….経験不足も重なり,コースアウトせずに走る
のが精一杯という悔しい結果になりました.2周目はゴー
ール手前で張り切ったせいで痛恨のスピン!…でしたが
スピンしながらゴールするというギャラリーもヒヤヒヤする
る走りを披露してしまいました.
10年度は経験を積むという意味が強かった出走でしたが
が 11年度は名実共にエ スとなれるよう 今回の経験
が,11年度は名実共にエースとなれるよう,今回の経験
を活かして走りたいと思っています.
2.4.4日目(耐久走行・燃費)
大会4日目は天候も回復し,暑い一日となりました.私たち
ちは前日のオートクロス(1周のタイムアタック)で15位と
なったので,出走順も15番目となり11時ごろの走行が予定
順
定されました.昨年度は朝早くからの出走で慌ただしかっ
たのに比べ,時間的にはゆとりをもって動けたように思いますが,気温の上昇もあり水温などが心配でした.大会
直前のテスト走行で水温がギリギリだったので,ドライバー
ーへの警告など注意を払いました.また前日の車両最終
整備の際に,電装の配線に断線しかけている部分が見つ
つかっていたので危機一髪でした.しかし,他にこのような
部分がないか,ゴールするギリギリまで心配でたまりませ
せんでした.「なんでよりによって大会でこんなことが起こる
んだ・・・」というのを幾度となく見てきましたし,全く油断は
はできませんでした.結果的には問題も起こることなくなん
とかゴール,タイムも一度のミスで少しロスしましたが,全体的には思った以上の走りを見せてくれました.しかも
ることができました.車のポテンシャルの高さを本番でも
エースドライバーがこの日のファステスト・ラップを記録する
余すところなく出すことができた結果だと思います.
余すところなく出すことができた結果だと思います
ドライバーチェンジ
ファステストラップ!!!
5/9
日本一~!
耐久走行
エースドライバー 池内 祥人
前日のオートクロス競技では十分な結果を残せず,エン
ンデュランス競技にあたってセッティングの不安を残して
いました.しかし,今年度車両のポテンシャルが非常に高
高いことはこれまでの走行テストで分かっており,私は
セッティングさえあえば優勝争いをしているチームとも互
互角以上に戦うことができると考えていました.そこで,エ
ンデュランス競技ではオートクロス競技のセッティングを参考とせず,テスト走行で最も良かったセッティングに
変更しなおしてもらい,出走することにしました.
いざ出走してみるとセッティングは完璧ともいえるほどあ
あっており,ファステストラップに近いタイムを安定しなが
ら刻むことができました.走行中は様々なプレッシャーよ
よりもセッティングのぴったりあった車両を意のままに操
ることを楽しみながら運転をしていたと思います.
結果 エンデュランス競技では3位に食い込み 見事総合
結果,エンデュランス競技では3位に食い込み,見事総合
合優勝を導くことができました このような結果を残すこ
合優勝を導くことができました.このような結果を残すこ
とができたのは,車両設計の優秀さだけでなく,過去のセ
セッティングデータを蓄積してすぐに変更できるメカニッ
クの能力,ドライバーが本番で手堅く速く走るために積み
み重ねてきた走行練習やピット指示練習など,チームの
総合力による勝利だと考えています.
2 5 5日目(デザインファイナル・表彰式
2.5.5日目(デザインファイナル
表彰式
式)
大会5日目は競技としてはデザインファイナルを残すのみ
みとなりました.昨年度はデザイン審査で10位となりファイ
ナルには残れず悔しい思いをしましたが,今年はデザイン
ン審査でも好評だったので,自信を持ってアピールできた
と思います.派手さはないが,よく作りこまれた車両との評
評価をいただきデザイン審査は4位でした.
6/9
2.6.大会結果まとめ
第8回全日本学生フォーミュラ大会の結果は以下の通りで
です.
審査結果
総合成績 1位
表彰
・コスト賞
1位
・加速性能賞
1位
・スキッドパッド賞
3位
・耐久走行賞
耐久走行賞
3位
・総合優秀賞
1位
・FISITA賞(国際モータースポーツ連盟)
・静岡県知事賞
・経済産業大臣賞
・自動車工業会会長賞(完走賞)
静的競技
・設計審査
4位
・コスト審査
1位
・プレゼン審査 4位
動的競技
・加速性能
1位
・旋回性能
3位
・タイムアタック 15位
・耐久走行
3位
・燃費性能
燃費性能
8位
鮮やかなピットシャツに身を包み,高い商品性を備えた車
車両を有する大会上位の常連校に対し,OFRACは色褪
せたポロシャツに麦わら帽子と,まだまだ泥臭さの残るチ
チームと車両です.チーム体制も未熟で,リーダーがタイ
ヤを運び,数ヶ月前に初めて車両に乗ったメンバーが大会
会結果の鍵とも言えるエンデュランスを走りました.
しかしながら,我々は全員で攻め,全員で守りました.
だった総合優勝という栄誉ある賞を,今回の第8回大
その結果,プロジェクトの計画ではもう少し先になる予定だ
会で頂くことができました.
会で頂く
できました
このような賞を頂くことができたのは,チームのために黙々と汗を流してくれた現チームメンバー,長い時間をか
方々,チームの活動にご理解を示し,多大なるご協力をし
けてチームと車両をここまで熟成させてきたOB・OGの方
てくださった大学職員およびスポンサーの企業の皆様のおかげです.これまで本当にありがとうございました.
コスト賞1位
静岡県知事賞
加速性能賞1位
スキッドパッド賞3位
経済産業
業大臣賞
FISITA賞
総合優秀賞 1位
7/9
3.大会結果に対する分析
10年度プロジェクトの目標達成具合を確認します.
○
△
○
△
○
アク ラ
アクセラレーション・スキッドパッド
ション キッド ッド ともに3位以
も 位以
以内 +60
エンデュランス・エコノミー 3位以内
+40
デザイン・プレゼン アピールポイントを明確に
に
+20
オートクロス・コスト
+
+0
総合3位以内
目標と比較すると,オートクロス(タイムアタック),燃費(エ
エコノミー)では目標を達成できていませんでした.それら
も含め各審査での課題等を以下にまとめさせていただきま
ます.
3.1.車検審査
車検審査に対しては,例年の関西支部合同走行会に加
加えて,富士スピードウェイで行われた三支部合同走行
会にも車両を持っていき車検をしてもらうことによって,大
大会までに修正個所を指摘してもらい対策を行うことで,
本番での指摘箇所を減らすことはできました.しかし一つ
つも問題を指摘されずに車検をクリアしたチームもあると
ころを見ると,私たちのチームもその領域までいく必要が
があると感じました.
また今年度は大会参加車両 多
また今年度は大会参加車両が多かったことにより例年
た
より例年に比べると甘い車検であったと感じる部分もありました
比 る 甘 車検であ た 感じる部分もありました
が,それを基準とすることなく,さらにレベルの高い安全性
性と各部への配慮を行うべきだと考えられます.
3.2.静的審査
車両開発が総合的に評価されるデザインでは,今年度
度は外観等の商品性という点で十分に煮詰め来ることが
できませんでした.特に事前提出のレポートではカウリン
ングをCFRP化すると書いていたものの実現できずGFRP
で製作したこと,さらに実際のカウルも塗装が完了したの
のも直前になってしまい,塗り分けやステッカーの統一感
など予定していたものが実現できなかったこと,これらが不十分で見栄えのいい車両にできなかったことが商品
性を上げられなか た原因だと考えています 今後は商品
性を上げられなかった原因だと考えています.今後は商品
品性に力を入れるべきだと考えられます.
品性に力を入れるべきだと考えられます
車両の販売戦略が問われるプレゼンテーションでは,チー
ーム史上最高の4位に入ることができましたが,今後は
市場ターゲットにおけるアイデア・説得力においてまだ煮詰めるべき部分があり,これらについて長期的に考えて
いくべきだと考えています.
出すというコスト審査では,この2年で書類の正確性で他
膨大な量のレポートによって車両の生産コストを正確に出
校に大きな差をつけ,2年連続で1位を獲得しています.今
今後は3連覇を目指し更に正確性における強みを生かし
たレポートを仕上げるべきだと考えています.
カウルについては「表面がきれいでない」,
「ステッカーの統一感がなく,配置にも配
慮が足りない」など単純な問題も多く,こ
れらはカウル製作の失敗もあり,十分な
時間を仕上げに使えなかった.
またこれだけのコストレポートを作れたの
はチーム全員の努力の賜物です.
3.3.動的審査
アクセラレーションは0-75mの加速性能を競い,スキッ
ッドパッドは左右それぞれ直径約18mの円の8の字走行で
旋回性能を競います.これらの競技では今年度は路面状
状況の悪さもあり,車両本来の性能を出すことができま
せんでした.結果としては今までにない上位入賞でしたが
がスキッドパッドでは4回の走行のうち1回をミスにより無
駄にしてしまい,またアクセラレーションは4回のうち2回は
は走行できませんでした.来年度はミスなく全走行を使い
きりベストタイムを狙いたいと思います.
オートクロス・エンデュランスの周回走行では走行性能
能の高い車両を開発すると共に ドライバーの習熟が非
能の高い車両を開発すると共に,ドライバーの習熟が非
常に大きな要因となります.特に今年度は車両ができる
るまでのドライバーをレベルアップさせる機会が十分に取
れなかったので,少なくとも練習機会を増やし,また走行
行記録などを確認しながらドライバー勉強会等も設けるこ
とで計画的な育成を行う必要があると考えられます.一方
方で,車両開発は例年通りスキルの低いドライバーでも
タイムを出せるような安定した車両を開発するべきである
ると考えられます.
ドライバー育成については,まず走行練
習の回数を重ねて経験を積み,常にタイ
習の回数を重ねて経験を積み
常にタイ
ム向上を目指すことが必要であり,テス
ト走行およびカート練習を行う.ロガーに
よる今年度のエースドライバーの走行
データも活用していきます.
8/9
4.今後の目標
今回の大会でチームとして長年の目標としていた「全日本
本学生フォーミュラ大会」での優勝を実現することができま
した.とはいえ本当にギリギリの優勝であり,まだ実力で勝
勝ち取れたものとは思っていません.
今後は名実ともに優勝校にふさわしいと思われるようなチ
今後は名実ともに優勝校にふさわし
と思われるようなチ
チ
チームと車両を目指したいと思います.
と車両を目指した と思 ます
また,日本大会優勝を期に海外大会にも目を向け,海外大
大会参加・優勝を狙っていきたいと思います.
海外では「オーストラリア大会」の出場,入賞を目指すべく
く,その準備を進めていきます.そのステップとしてチーム
の先行開発グループでオーストラリア大会の視察および技
技術交流を行う予定です.
5.おわりに
この1年間,20名以上のメンバーを率いるプロジェクトのリ
リーダーを務めるということで,はじめはその難しさを十分
に理解していなかったように思います.スケジュールを立て
てても把握していなかったイベントが入って予定がずれ
たり,設計が終わっても冶具の設計が十分にできておらず
ず製作に移れなかったり,製作をはじめてもメンバーが思
うように来なくて予定から遅れたり,製作ミスで部品がなか
かなかでき上がらずどうやって作ればいいかを一緒に考
えたり,走行会や大会の準備・やり取りを行ったり,少し思
思い返すだけでもトラブルの連続で,慌ただしい日々の1
年間でした.様々な要因でスケジュールが遅れてしまい,メンバーたちと無理をする日々もありました.しかし,何
い」という重圧でした.今まで順調すぎる程の結果の積み
より大変だったのが「大会で結果を残さなければいけない
重ねがあり このような上り調子の中で成績を落とすのは
重ねがあり,このような上り調子の中で成績を落とすのは
は 期待していただいた周りの方たちに申し訳ないことは
は,期待していただいた周りの方たちに申し訳ないことは
もちろん,チームの流れやモチベーションを崩してしまうの
のではないかと思い,それだけは避けたいと思っていまし
た.実際のところ,結果を残すというよりは,今まで頑張ってきたチーム全員のために「悲しい結果で終わりたくは
ない」という気持ちが強かったように思います.その願いが
が叶ったのか,大会期間中は車両に問題こそ見つかるも
のの無事に全種目完走することができました.
終わってみれば,「日本一のチーム」のリーダーを務められ
れたということで,これほど光栄なことはないと思います.
しかし,それ以上に嬉しいことはこのような大変な経験を乗
乗り越えチ ム全員が成長できたことだと思います.
乗り越えチーム全員が成長できたことだと思います.
このような恵まれた活動を続けることができるのは企業の
のスポンサー方をはじめ,大学の先生方,個人スポン
サーの方々の温かいご支援,ご指導,ご協力によるもので
であり,この場を借りて深く御礼申し上げます.誠にあり
がとうございました.OFRACはこれから大会2連覇を目指
指して,精一杯活動を続けてまいります.今後ともご支援,
ご指導,ご協力の程,宜しくお願いいたします.
9/9
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