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臨 牀 實 驗 感 染 ノ 三 例 - 感染症学雑誌 ONLINE JOURNAL
41 腸 言 フ ス ﹂ 驗 醫 學 士 志 中 村 村 太 道 一 太 郎 郎 落合國太郎博士) 醫 學 士 名古屋 市立城東病院 ( 院長 再 感染 ノ 三 例 臨 牀 實 ﹁チ 一、 緒 殊 ニ、 痘 瘡 、 麻 疹 、腸 ﹁チ フ ス ﹂ ノ 如 キ ハ、 一囘 之 ヲ 由 來 、 急 性 傳 染 病 ニ於 テ 一度 ビ或 一ツ ゾ傳 染 病 ヲ 經 過 セバ、 極 メ テ 輕 症 ナ ル罹 患 ニ依 リ テ モ、 ヨク重 症 ノ場 合 ト同 一程度 ノ免 疫 性 テ 賦 與 セラ レ其後 再 ビ同 一疾 患 ニ罹 患 ス ル事 ノ極 メテ稀 ナ ル事 ハ周 知 ノ事實 ナ リ。 ﹁チ フ ス ﹂再 感 染 ニ就 キ、 經 過 セ ル後 ハ久 シキ ニ亙 ル後 天性 免疫 テ貽 シ、終 生 再 ビ罹 患 ス ル事 ナ キカ、 或 ハ極 メテ稀 ニ再感 染 ス ルト ハ從 來 人 ノ 唱 道 セ シ處 ナ リ。 今腸 ﹁チ フ ス ﹂ト確 實 二、 文 獻 ニ對 ス ル外國 ノ報 告 亦 稀 ニシテ、 ノ三例 ニ Gurschm ann 氏 及 ビ其 ノ引 用 記載 ヲ見 ル ニ過 ギズ 。 Curonchm ann 氏 一八 八七 年 ハンブ ル グ 一零 六 一 ハ、 ニ血清 ニ診 定 シ得 タ ル 之 ヲ文 獻 ニ徴 ス ル ニ極 メ テ 寥 々 タ ル モ ノ ニ シ テ 、 細 菌 學 的 ニ確 證 シ得 タ ル報 告 例 ヲ求 メ ンカ、 余 等 ノ知 レ ル範 園 内 ニ於 テ ハ原 田 永 之助 氏 、 川 口尹 通 氏 、 馬 島槙 人 氏、 宮 川 米 次 氏 等 ノ 記 載 ヲ 見 ル ニ過 ギ ズ 。 況 ヤ 、 其 ノ統 計 的研 究 ニ至 リ テ ハ名古 屋 市立 城東 病院 ニ於 テ、 前 後 二囘 ニ亙 リ本 院 ニ入院 シ、二囘共細菌 學的 ニ腸 ハ殆 ド 皆 無 ト 言 フ モ過 言 ニ ア ラ ズ 。 然 ル ニ 、最 近 余 等 ﹂再感 染 ﹁チ フ ヌ ﹂ 再感染 僅 三 症 例 テ經 驗 セ リ 。 依 ツ テ 、腸 ﹁チ フ ス ﹂再 感 染 ノ研 究 ニ對 シ確 實 チ ル資 料 タ リ得 ルモ ノト信 ジ 、 其 ノ臨牀症歌及 ビ細菌學的竝 ﹁チ フ ス 學 的 所 見 ヲ併 セ報 告 セ ン ト ス ル モ ノ ナ リ 。 腸 中 村 ・志村= 腸 42 中 村 ・志村= 腸 ﹁チ フ ス﹂再感染 ノ三例 一零 六 二 サ レ バ、彼 ノ G.v. ニ 再 感 染 ヲ 見 タリ ト 云 フ。 是 等 ヲ見 レバ、 如 同 氏 ノ引 用 ニ ニ於 ケ ル本 病 患 者 一八 八 八 名 ニ就 キ調 査 シ タ ル ニ、 五四 人 即 二・四% ニ再 感 染 ヲ見 ラ レ、尚 一名 ハ三囘 感 染 セ ル コト確實 ナ リ ト云 ヘリ。 Fi chhorst 氏 ハ四 ・二 % 依 レ バ、 Goth 氏 ハ 二 ・零 % 、 B eetz 氏 ハ 一・入 % 、 Freundlich 氏 ハ 二 ・二 % 、 ト 記 述 シ、 而 モ尚 、 L. M ohrund R.st a hel i n氏等 ノ HandbuchderI nne ren Medi z i n.I Band, Infektionskrankhetien ニ於 テ 、 同 ジ domi nal typhushi nt er l agtei neda ue mde ニ於 テ 、 R.staeheli n 氏 ハ唯 單 ニ " Das U berstehen desAb 疑 無 キ ニシ モア ラ ズ。 何 ニモ其 ノ率 ガ多 ク 再 感 染 モ可 ナ リ ノ 頻度 ニ見 プ ル 、如 ク 思 ハ ル 、 モ、 其 ノ診 断 ノ 確實 サ ニ於 テ多 少 ノ " Be r g ma m' sLehrbuch derInneren M edi z i n Imm uni tat . 等 ハ バ ン グ 氏 病 、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂ n 氏 ハ、 ﹁再 感 染 ハ非 常 ニ稀 ニ シ テ 、 Curschmann 氏 等 ノ古 ノ著 者 ハ二︱ 四 % ニ認 メ タ ル モ、 當 時 ニ於 テ ク R.staeheli 腸 ﹁チ フ ス ﹂ 再感染 ハ外 國 ニ於 テ モ極 メ テ稀 ナ ル ヲ知 ル可 シ。 ﹁チ フ ス﹂再感 ノ ー例 ヲ 報 告 セリ ト ア 染 ヲ 報 告 ジ、其後 腸 ﹁チ フ ス ﹂ ヅ糟 谷氏 ノ再 感 染 ヲ以 テ我 國 最 初 ノ報 告 ナ リ ト言 フ ヲ得 ベ シ。翌明治四十五年荒井氏 ハ駒 染 ノ 一例 ヲ經 驗 セリ ト 云 フ。 次 ノ デ 大正 四年 壷 北 ノ野 口 氏 ハ 一例 ノ腸 サ レ ド 、先 ﹁チ フ ス ﹂ 再感染 ﹁チ フ ス ﹂ト 誤 診 セ ジ コ ト ヲ 吾 々 ハ考 ヘザ ル 可 カ ラ ズ 。﹂ト 記 述 シ 居 レ リ。由 之是 ノ腸 ﹁チ フ ス ﹂類 似 ノ疾 患 ヲ未 ダ 知 ラズ、 ソ レ ガ 故 ニ多 ク ノ例 ニ於 テ 、腸 之 、 チ フ ス、 ﹂再感 ノ詳 細 ナ ル記載 ヲ發 見 ジ得 ズ。 翻 ツ テ、 我 國 ノ支 獻 ヲ繙 ク ニ、荒 井氏 ノ記載 ニ依 レバ明 治 四 十 四 年 海 軍 ノ糟 谷 氏 ハ確 實 ニ細 菌 學的 ニ診断 セ ル腸 ル モ 、余等未ダ其 込 病 院 ニテ確實 ナ ル ﹁パ ラ 昭 和 九 年 秋 山 氏 等 ニヨ 再感 染 ニ就 テ ハ、 大 正 五 年 丸 山 氏 、 大 正 九 年 山 田 氏、 大 正 十年 原 田 氏。 大 正 十 三 年馬 島 氏 、 昭 和 五年 中 澤 氏 、 昭 和 山ハ年 田川口 氏 、 ﹁チ フ ス ﹂ 再 感 染 ハ誠 ニ寥 々 タ ル モ ノ ナ リ テ 一例 ヅ ツ 記 載 セ ラ レ、 昭 和 六年青 木 氏 ハ三 十 二例 ヲ 報 告 セ リ。 斯 ノ 如 ク、余 等 ノ知 リ得 タ ル範 圍 ニ於 テ ハ腸 尚 加 フ ル ニ兩 囘 共 患 リ。 而 モ之 ヲ學 問 的 ニ嚴 格 ニ考 應 ス ル ニ於 テ ハ、 初感 染 、再感 染 何 レモ同 一病 院 、更 ニ進 ン デ ハ同 一醫 師 ニヨリ診 定 、 治 療 サ レ 、 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ本 邦 文 獻 モ愈 く稀 ニシ テ、 二 、三 ヲ數 フ ル 者 ノ 血 液 、 糞 、 尿 ノ何 レ カ ヨ リ 腸 ﹁チ フ ス ﹂菌 ヲ檢 出 セザ ル可 ラズ 。 サ ス レ バ 、 確實 ナ ル腸 再 感 染 ヲ 捜 シ出 ス コト 患 シ、 何 レ ノ場 合 ニモ血 液 ヨリ菌 ヲ檢 出 シ得 タ ル 一例 ヲ經 驗 セリ ト 云 フ。 村 山 氏 モ日 本 内 科 全 書 巻 入 ニ於 テ、 ニ治癒ゼ ル後約 九ケ月 ヲ經 テ ﹁チ フ ス﹂患 者中 、確 實 工再 感 染 ト見 做 シ得 ル モ ノ僅 ニ過 ギ ザ ル 可 ジ 。彼 ノ宮 川 氏 スラ モ大 日本 内 科 全書 第 二巻 ニ於 テ、 氏 自 ラ取 扱 ヘル二 二 二 六名 ノ腸 フ ス ﹂ ニ罹 ﹁チ フ ス ﹂、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂A ニ同時 ニ罹患 シ、完 全 ニ 二 例 ヲ 擧 ゲ 得 タ ル ノ ミ。 此 他、 宮 川 氏 ハ其 後 ニ於 テ更 ニ初感 染 時 ニ ハ 再 ビ ﹁チ ナ く遭遇 ﹁ノ ン フ ル エ ソ ザ ﹂、 結 核 、 肺炎 、 ﹁ マ ラ リ ヤ ﹂、敗 血 症、 稀 ﹁チ フ ス ﹂再 感 染 ニ非 ラズ ヤ ト思 ハル ・場 合 ハ、 比較的屡 ノ困 難 ナ リ シ ヲ 嘆 ジ 、 駒 込 病 院 ニテ大 正 十 一年 二再感 染 ト 見 ル可 キ モ ノ二人 ア リ キ ト記 述 セ ル ノ ミ。 ニ於 テ腸 之 ヲ仔 細 ニ吟 味 スル ニ於 テ ハ、 多 ク ハ前 疾 患 叉 ハ後 罹 患 ガ 以 上 、 斯 ノ如 ク腸 ﹁チ フ ス ﹂再 感 染 ノ報 告 ハ極 メ テ稀 ナ リ ト言 フ モ、日常 診療中 セ ラ ル 、ト コ ロ ナ リ 。 サ レ ド 、 ヲ置 キ テ再 ビ腸 ﹁チ フ ス ﹂ニ感 染 セル報 告 、叉 ル モ ﹁パ ラ チ フ ス ﹂ナ ル 事 ア リ 。 今 茲 ニ、稍 く稀 ナ ル モ ﹁パ ラ チ フ ス ﹂ ニ罹 患 、完 全 治 癒 シ タ ル後 、 一定 期 闇四 43 ﹁チ フ ス ﹂菌 ﹁チ フ ス ﹂ノ ラ チ フ ス ﹂A ニ罹 患 シ、 二年七ケ日 後腸 ﹁チ フ ス﹂ ニ ハ連續 ニ﹁パ ラ チ フ ス ﹂A 二感 染 セ ル患 者 ノ二例 ヲ經 験 セリ。 昭和七年 モ ﹁パ 一例 ヲ 報 告 セ リ 。 山 本 氏 ハ昭 和 七 年 狹 義 ノ混 合感 染 ナ リ シ カ、或 ヲ 證 明 セ ル 一例 ヲ 報 告 セ リ。昭和七年再 ビ正來氏 ハ腸 ﹁チ フ ス ﹂罹患後 ハ其 ノ 逆 ナ ル モ ノ 、記 載 ヲ 擧 グ レ バ數 例 ア リ 。 即 チ 、 昭 和 五年 正來 、奥 山 兩 氏 ハ ﹁パ ラ チ フ ス﹂B ニ罹 患 、 解 熱 一週 間 目 ニ再 ピ發 熱 シ、 血 液、 尿 、膽 汁 中 ニ腸 佐 藤 氏 ハ ﹁パ ラ チ ブ ス ﹂B 解 熱 後 、 約 十 日 間 ノ間隔 ヲ 經 テ發 熱 セ ル腸 感 染 ナ リ シ カ 明 カ ニナ シ 得 ザ リ ジ ﹁パ ラ チ フ メ ﹂A 、 B ノ兩 感 染 ヲ 發 表 セ リ 。昭 和十三年下川氏 ﹁チ フ ス ﹂、 ﹁パ ラ ﹁カ ル テ ﹂ 番號、 腸 チフ ﹂、 ﹁パ ラ チ フ スこ第 二四 六號 ) 。 ノ壓 痛 、 雷 鳴 等 ヲ認 メズ 。 肝 、 腎 、脾 何 レセ觸 知 シ得 ズ 。下肢 入院後 ノ經過 入 院 第 四 日 マデ ハ體 温 最 高 三 七 度 四分 、脈 搏 一零 二 ヲ最 多 ニ於 テ膝 蓋 腱 反 射 正 常 ニシ テ浮 腫 ヲ認 メズ 。 シ テ 、何等 ﹁チ フ ス 染 ジ 、 血 液 及 糞 ヨリ腸 ﹁チ フ ス ﹂菌 ヲ 證 明 シ、終 ニ死 亡 セ ル 一例 ヲ見 タリ ( 第 一次 罹 患。 ﹁カ ル テ ﹂番 號 、昭和十年度腸 例 (﹁カ ル テ﹂番 號 、昭和十 一年度腸 三零 五 號 。 第 二次 罹 患。 ﹁チ フ ス ﹂ニ感 感 染 セ ル 一例 ヲ 記 載 セ リ 。 昭 和 十 一年 我 ガ名 古 屋 市 立 城 東 病 院 ニ於 テ モ、 初 囘 ニ於 テ血 液、 糞 ヨリ ﹁パ ラ チ フ ス B 菌 ヲ證 明 シ、ソ レガ全 治退 院 セ ル後 ﹂ 一年 十 二 日 ヲ經 テ腸 三十八歳 某 。 女 、 血 液 型 A。 三、症 ﹁チ フ ス ﹂、 ﹁パ ラ チ フ ス ﹂ 第 第 一例 初感染 第 三五 三號)。 ﹂ ト シ 經 過 良 好 ナ リ シ モ、入 院 第 五 日 即 第 十 九 病 日 ヨリ再 燃 ヲ發 シ體 温 、脈 ス 麻 疹 ハ七歳 ニシ テ罹 患 シ,生 來健 康 ニシ テ著 患 ヲ知 ラズ 。種痘 ハ三囘施行 搏 共 二上 昇 セ リ。其 ノ後 約 一週 間體 温 三 十 八度 五分 ヲ中 心 ト シ テ稽 留 シ、 ﹁チ フ ス ﹂ 豫防注射 服 用 セ シ コ ト ナ シ ト 云 フ 。昭 和 十 一年 七 月 二十 入 腸 一日 第 三十 六 病 日 ニ至 リ全 ク解 熱 セ リ。 ﹁チ フ ス ﹂菌 ヲ檢 一零 六 三 ニ次第 ニ下降 出 ス ルヲ得 タ リ。尿 中 ﹁ヂ ア ツ ォ﹂ 反應 ハ入院全經過 ヲ通 ニ於 テ ハ、 ウ ヰ ダ ー ル氏反 應 三 二零 零倍 マデ 上 昇 ス ルト共 ニ、 流 血 中 ヨリ 液 ノ膽 汁 培 養 ハ陰性 ヲ 示 セリ。然 ル ニ第 二十 一病 日即 チ 再燃 第 三 日 ノ檢 査 ウ ヰ ダ ー ル氏反應 ハ腸 ﹁チ フ ス ﹂二 一六 零 零 倍 マデ陽 性 二現 ハ レ タ ル モ、血 本 例 ニ ア リ テ ハ、 入 院 當 日 即 チ 第 十 五 病 日 ノ 採 血檢 査 ニ於 テ ハ、 血 清 ノ シ 、九月 留 ス ル ニ 至 レ ル モ 、再 ビ大 量 ノ腸 出 血 モナ ク、 體 温 、脈搏 共 ノ凝 血 ヲ 混 ゼ リ 。兩 後 ノ經 過 ニ於 テ ハ體 温 更 ニ上 昇 シ テ三 十 九度 以 上 ニ稽 第 二 十 六 病 日 一度 急 劇 ニ下降 スル ト共 ニ、糞便暗赤色泥状 ヲ呈 ン中 ニ少量 ヲ受 ケ ﹁ワ ク チ ン ﹂ヲ 十囘 分娩 シ子 供 ハ皆 健 在 ナ リ、未 ダ曾 テ腸 叉經 口 セ リ。 ズ 。 ﹁チ 日 全身 倦 怠 、 頭 痛 、食 慾 不 振 、 口 渇 、三十 入 度 ノ發 熱 等 ヲ以 テ發 病 シ、 三 十 日 某 醫 ノ診 察 ヲ乞 ヒ、 八 日 八 日 採 血 檢 査 ヲ 受 ケ タ リ。 入日 十 一日腸 定 サ レ 、 第 十 五 病 日 ニシ テ本 院 二入 院 セ リ。 體 格 、榮 養 共 ニ中等 度、 顔 貌 尋 常 、 體 温 三 七度 二分 、 呼 吸 二八 、 フ ス﹂ト診 入院時 脈 搏 一 一四 、 整 調 ニシ テ緊 張 良 シ。 重 聴 ナ ク 、 鼻 腔 異 常 ナ シ。 口 脣 、舌 ハ 認 メ ズ 。胸 部 ニ於 テ心臓 濁音 界 ハ正常 ニシ テ 心音 純 ナ リ。 乾 燥 シ、 白 色 ノ舌 苔 ヲ被 ル。 咽 頭 發 赤 ナ ク、 扁 桃 腺 亦腫 大 セズ 。 皮 膚 ニ ﹁ロ ゼ オ ー ラ ﹂ヲ ﹁チ フ ス ﹂ 再感染 ノ三例 肺 臓 ハ打診 上 竝 ニ臆 診 上 何 レ モ何等 ノ異常 ヲ 認 メ ズ。 腹 部 ハ平 坦 、柔 軟 ニ 中 村 ・志村= 腸 44 中 村 ・志 村 = 腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 第 一 圖 第一例 ジ テ陰 性 ニ了 り 、尿 中 蛋 白 ハ入 院 初 期 ニ於 テ ハ陰 性 ナ リ シ モ, 其 ノ後 再 燃 時 ノ有 熱 極 期 ニ於 テ陽 性 ト ナ リ、 解 熱 ト共 ニ再 ビ浩 失 セ リ。 入 院中 糞 、 尿 ノ菌 檢 索 ハ頻 囘 ニ亙 リ テ 之 ヲ實 施 シ、糞 中 ヨリ ハ第 十 七病 日 ヨ リ腸 ﹁チ フ ス 菌 ヲ檢 出 シ、第 五 十 九 病 日 ヲ 最 後 ト シテ陰 性 ト ナ レリ。 尿 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ第 三十 三病 日 二始 メ テ證 明 サ レ、第 五 十 二病 日 ヲ 最終 ト シ テ消 失 セリ。 某 母 初感染時 一零 六 四 日 ヨ リ 頭 痛 、肩 凝 リ 、 胃 痛 等 ヲ以 テ發 病 シ, 六月 六日 熱 發 三 八度 二分 二及 ベリ。 依 ツ テ某 醫 ノ診 察 、 治 療 ヲ受 ケ居 リ シ モ、途 二六月 十 六 日第 十 五病 日 腸 ﹁チ フ ス﹂ノ疑 ヒ ノ下 二本 院 ニ入 院 セリ。初 感 染 後 モ腸 ﹁チ フ ス﹂豫 防 注 體 格 中 等 度 、 榮 養佳 良 、顔 貌 善 蓬 、 體 温 三 七度 三 分、呼 吸 二 二、 射 ヲ 行 ハズ、 經 口 ﹁ワ クチ ン﹂モ服 用 シ タ ル コト ナ シ。 入院 時 脈 撞 八 八、 整 調 ニ シテ緊 張 良 シ。 眼 異 常 ナ ク、瞳 孔 對 光 反 應 活發 ナ リ。 耳、 鼻 正常 、 口唇 、 舌 乾 燥 セズ 。 白 色 ノ舌 苔 ヲ被 ル。 咽 頭 發 赤 ナ ク、扁 桃 腺 淋 巴腺 共 ニ腫 大 セズ。 背 部 二少 數 ノ ﹁ロゼ オ ー ラ﹂ヲ認 ム。胸 部 ハ心 臓 濁 四 一歳 。 祝 感 染 治 癒 後 二 年 入 ケ月 (﹁カ ル テ﹂番 號 、 昭 和 十 四 年度 昭 和 十 一年 九 月 三 十 日 第 六 十 五 病 日 ニシテ 全 治退 院 セリ。. 再感染 立 鼻 正常 ニシ テ、第 二 髄動 脈音 亢 進 ス。 肺 臓 二松 テ ハ打 診 常 ヲ 認 メズ 。 腹 部 ハ平 坦、 柔 軟 ニシ テ 廻 盲部 ニ輕 度 ノ 壓 痛 ア リ。 雷 鳴 ナ 聽 診 何 レ モ異 腸 ﹁チ フ ス﹂、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂第 三 一六 號)。 昭 和 十 一年 九 月 腸 ﹁チ フ ス﹂經 過後 ハ至極 健 康 ナ リ シ モ、昭 和 十 四 年 六 月 二 45 再 感染時 某 母 第一例 熱 シ、 以後 退 ヨリ早 ク モ解 チ 第十 六 病 日 入 院 第 二 日郎 入 院 後 ノ經 過 メズ。 知 畳 異常 ヲ 認 腓 腸筋 握痛 、 亢 進 セ ル モ、 テ膝 蓋 腱 反射 ズ 。 下 肢 二於 脾 何 レモ燭 レ ク、 肝 、腎 、 ス可 キ コト ナ シ。 腸 ﹁チ フ ス﹂豫 防 注射 ヲ施 行 セズ 、經 口 ﹁フ ク チ ン﹂ヲ 服用 即往 ニ於 テ, 二歳 ニシ テ麻 疹 ヲ經 過 酬、 同年 定 期 種 痘 ヲ受 ウ タ ル他 、特 記 リ。 病 セ ル者 ナリ 。﹁ 他 二弟 、 妹 二名 同 ジ ク腸 ﹁チ フ ス﹂ 二羅 患 シ本 院 二入 院 セ 太﹁ 患 者 ハ第 一例 出脚者 ノ第 六子 ニシ テ、母 親 ノ初 威心染當 時 家 族 感 染 ニ ヨリ、 罹 三 入 一號)。 初感染 第 二例 定 、 同 時 二退 院 セ リ。 昭 和 十 四 年 入 月 十 六 日 第 七 十 六 病 日 ニシテ、腸 ﹁チ フ ス﹂菌糞 中 保 有 症 ト決 性 ニシ テ、 陰 性 ナ リ シ ハ僅 二八 囘 ヲ算 セ ル ニ過 ギ ズ 。 二十 二病 日 二 一囘 ノ ミ腸 ﹁チ ァ ス﹂菌 ヲ檢 出 セ ル モ、糞 中 ヨ リ ハ殆 ド毎 囘 階 尿 及 ビ糞 便 ノ培 養 檢 査 ハ入 院 中 二十 五 囘 二亙 リ テ之 ヲ行 ヒ、尿 中 ヨ リ ハ第 現 ハ レ タ ル モ他 ハ總 テ陰 性 ニ了 レリ。 ル ニ, 血清 ノウ ヰダ ー ル氏 反應 ハ 入院 時 ニ於 テ既 ニ腸 ﹁チ フ ス﹂ ニ對 シ 三 ニ亙 リ採 血檢 査 セ ル ニ、流 血 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ 一囘 モ檢 出 シ得 ザ リ キ。 然 本例 ニ於 テ ハ, 入 院 時 、第 四 九病 日 郎 チ解 熱 第 三十 四 日 及 ビ退 院 時 ノ 三囘 至 レリ。 一囘 モ發 熱 ヲ見 ズ 。 自 覺 症 歌 モ輕 快 シ、第 三十 三病 日 ヨリ歩 行 ヲ始 ム ル ニ 入院時 セリ。 第 三病 日某 醫 ノ診 察 ヲ受 ケ腸 ﹁チ フ ス﹂ト診 定 サ レ、同 日直 チ ニ本 院 二八院 シ、翌 入 日午 前 ニ ハ體 温 三 八度 、 夕 方 ニ ハ四零 度 マデ上 昇 セリ。 九刀 九日 昭 和 十 一年 九月 七日 不 機 嫌 、 全 身 倦 怠 、 三 七度 四分 ノ 熱 發 等 ヲ以 テ發 病 セル コト無 シ ト 云 フ。 七歳 (﹁カ ル テ﹂番 號 、 昭 和 十 一年 度 腸 ﹁チ フ ス﹂、 ﹁バ ナ チフ ス﹂第 某 。 男 、 血 液 型 B。 院 ニ至 ル マデ 二零 零 倍 陽 性 ニシ テ、 退 院 時 二於 テ モ猶 入 零 零 倍 陽性 ヲ 示 セリ。 六、 脈 浦工 二 二、稍 ミ頻數 ナ ル モ、整 調 ニシ、 テ緊 張 良 シ。 可 視 粘膜 ニ貧 血 一零 六五 體 格 強健 、榮 養 中等 度、、顔 貌殆 ド尋 常 、 體 温 四 零度 一分 、 呼 吸 三 入 院 中 便 通 バ 一般 ニ秘 結 ニ傾 キ、尿 中 ﹁ ヂ ア ツ ォ﹂反應 ハ經 過中 二 零囘 二亙 無 ク、 瞳 孔 對 光 反 應 活 發 ナ リ。 耳、鼻 正常 。 口唇 、 舌乾 燥 シ、 白 色 ノ舌 苔 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ 三例 ル檢 査 ニ ョル モ毎 囘 陰 性 ニシ テ、尿 蛋 白 亦 第 二十 五 病 日 ニ 一町 ノ ミ陽性 ニ 第 二 圖 46 中 村 ・志 村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 某 子 初感染時 一零六 六 既 ニ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 二四 零 零 倍. 陽性 ニ現 ハ レ、退 院 時 ニ於 テ 一零 零 倍 ニ下 降 第二例 ヲ認 ム。 咽 頭 發 赤 ナ キ モ、兩 側 扁 桃腺 稍 く腫 大 ヌ。 淋 巴腺 ノ腫 脹 ナ シ。 皮 セ リ。 三 圖 膚 ハ乾燥 シ、 前 胸 部 ニ數 個 ノ ﹁ロゼ オ ー ラ﹂ヲ 認 ム。 胸 部 ハ心 臓 濁音 界 正 本 例 二於 テ ハ九囘 二亙 ル檢尿 ノ結 果 、尿 蛋白 及 ビ ﹁ヂ アツ ォ﹂反應 何 レ モ全 第 常 、 第 二肺 動 脈 音 稍 く亢 進 ス。 肺 臓 二於 テ ハ何 等 異 常 所 見 ナ シ旦腹 部 ハ平 第 十 一、第 二十 三 兩病 日ニ 於 テ確 實 ナ ル腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ヲ 檢 出 ジ 得 タリ。 ク陰 性ニ 了 リ,便 通ハ 一般 二秘 結 セリ 。糞 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ十 一囘 ノ檢 査 昭 和 十 一年 十 月 入 日 第. 三十 二病 日ニ シテ 全 治退 院 重リ。 坦、 柔 軟 ニシテ, 異 常 ナ ル壓 痛 、雷 鳴 等 ナ シ。 肝 、腎 、脾 ハ何 レモ觸 レズ。 入院 後 ノ經 過 再感染 ニヨ ル モ・ 毎 囘之 ラ 檢 出 シ得 ザ リ シ モ、尿 中 ヨリ ハ同 ジ ク十 一囘 ノ檢索 中、 十 二 病 日 ニ ハ全 ク解 熱 セリ。 第 四 病 日 ヨリ四 日 間 尿 失禁 ヲ 見・ タ ル モ、他 ニ ﹁チ フ ス﹂、 ﹁パラ チ フ ス﹂第 三 一七號 )。 下 肢 ニ於 テ ハ膝 蓋腱 反 射 殆 ド正 常 ニシ テ、 浮 腫 、 知 覺 異 常 等 ナ シ。 合 併 症 起 ラズ、 極 メテ 輕快 ニ經 過 セ リ。 入院 翌 日 ヨリ體 温 、脈 搏 共 ニ稍 く急 劇 二下 降 シ、 早 ク モ、 第 入 院 中 、 採 血檢 査 ハ、 入 院翌 日印 チ第 四病 日 及 ビ退 院 時 ノ 二囘施 行 シ、血 昭 和 十 一年十 月 腸 ﹁チ フ ヌ﹂溶 癒 後 健 康 ニシ テ著 患 ヲ 知 ラ ザ リ シモ、同 年 十 十歳 。 初 感 染 治 癒 後 二年 入 ケ月 (﹁カ ル テ﹂番 號 、 昭 和 十 四年 度 腸 液 ノ膽 汁 培 養 ハ何 レモ陰 性 ナ リ シ モ、ウ ヰ ダ ー ル氏 反 應 ハ第 四病 日 ニ於 テ 47 子 再 感染時 某 第二例 第 四 圖 中 村 ・志 村 弱 腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 一月 七肝 當 名 吉 屋 市 厚 塩局 醫 務 課 ノ手 ニヨル病 後 保 菌 者檢索 ニ依 リ糞 、 尿 性 腸 ﹁チ フ ス﹂菌保 有症 ト 決 定 セ ラ レ、 其 ノ後 引續 キ 兩 便 中 二排菌 ヲ持 續 セ り。 發 熱、 今 囘 モ前 記母 親 ガ 昭 和 十 四 年 六月三 日 發 病、 再 感 染 ヲ起 セル 二續 キ、山 ハ月十 三日 三 九度 六 分 全 身 倦 怠 ヲ訴 ヘテ發 病 セ リ。 同 日 某 醫 ヲ訪 レ診 察 ノ結 果感 冒 ト言 ハ レタ ル モ、 途 二 六月 十 六 日第 三 病 日 ニ シテ腸﹃チ フ ス ﹂ ノ疑 ヒ ノ モト ニ、 母 親 ト共 體 格 強 健 、 榮 養 佳 良 、 顔 貌 稍 ミ苦 惜 状 ナ ニ本 院 二入 院 シ來 レリ。 入院時 リ、 體 温 三 九度 六分 、 呼 吸 二四 、 脈 樽 一零 八 、 整 調 ニシ テ緊 張 良 シ。 眼 球 二異 常 ナ ク、 瞳 孔 對 光 反 應 活 濃 ナ リ。 耳 、 鼻 正 常 。 ロ唇 、 舌 乾 燥 シ、 白 色 ノ舌 苔 ヲ被 ル。咽 頭 發 赤 及 ビ扁 桃 腺 腫 大 共 ニナ シ。 淋 巴腺 亦 腫 脹 セズ。前 胸 部 及 背 部 ニ少 數 ノ﹁ロ ゼオ ー ラ﹂ヲ認 ム。 胸 部 所 見 ハ心 臓 濁 音界 正 常、第 二肺 動 脈 音 亢 進 ス。 肺 臓 ハ打 診 的 ニモ聽 診 的 ニモ異 常 ヲ認 メズ 。 腹 部 ハ平 坦、 柔 軟 ニシ テ、 廻 盲 部 ニ壓 痛 ア リ。 肝 、腎 、 脾 ハ何 レモ觸 知 シ得 ズ 。 膝 蓋腱 體 温 ハ入 院 後 約 十 日 間 ハ最高 四 一 反射山 几進 セ ル モ、腓 腸牌 肋握痛 、 浮腫 ナ シ。 入 院後 ノ經 過 一零 六 七 48 中 村 ・志村 = 腸 ﹃チ フ ス﹂再 感 染 ノ三 例 度、 最 低 三 入 度 ノ間 ヲ 往 來 シ テ大 體 稽 留 型 ヲ ト リ、第 十 六病 日 ヨ リ著 明 二 弛 張 スル ト共 ニ、極 メ テ徐 々 ユ下 降 シ始 メ タ リ。 七月 入 日第 二十 六病 日 二 デ七 月 十 九、二 十 日 ノニ 日間 ハ著明 ナ ル弛 張 熱 ヲ發 シ最 高 三 九度 二及 ベル 至 リ 一旦解 熱 セ ル モ、翌 日 ヨリ再 ビ發 熱 ジ十 二日 間 微 熱 ヲ續 ケ タ リ。 次 イ 一零 六 八 本 例 ニア リ テ ハ入 院 時 帥 チ 第 四 病 日、第 三十 病 日、 第 三 入病 日 、 退 院 時 ノ 四 同 ニ亙 リ 探 血検 査 セ シ所 、膽 汁 培 養 ニ ヨル流 血 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ろ證 明 ハ 入 院 時 二於 テ陽 性 ヲ 示 セ リ。血 清 ノウ ヰ ダ ー ル民 反 應 ハ入 院 當 初 二於 テ既 二腸 ﹁チ フ ス﹂菌 二對 シ 一六零 零 倍 陽 性 二現 ハ レ、退 院 時 ニ於 テ最 高實 二 一 ご 入零 零 倍 二達 セリ。 血 液像 ハ第 一表 二示 ス如 ク、 初 期 二於 テ ハ白 血 球 減 少 症 ヲ 呈 シ、各 種白 血 一日第 三+ 九 病 日 二至 リ 急 ニ下降 シ テ、 以 後 完 全 二解 熱 セ リ。 脈 摶 亦 入 院 後 約 一週 間 ハ 一零 零 乃 至 一 一零 ノ問 ヲ動 揺 セル モ、第 十 一 球 ノ百 分率 ユ於 テ ﹁エオ ジ ン﹂嗜 好 細 胞 消 失 セ ル モ、爾 他 白 血 球 二於 テ ハ著 モ、 七 旦 手 病 日 ヨリ ハ 一零 零 ヲ超 ユル 事 稀 ニシ テ、第 十 入 病 日以 後 殆 ド常 二復 シ入零 明 ナ ル變 化 ナ シ。 全 ク解 熱 スル ト共 二 白 血 球 數 漸 次 正 常 二復 シ、 ﹁エオ ジ ン﹂嗜 好細 胞 出現 セル モ中 性 嗜 好 細 胞 ハ減 少 シ、 反 之 、 淋 巴 球 ハ比 較的 増 前 後 ヲ數 フ ル ニ至 レリ。 六月 二十 二日 第 十 病 日突 然 悪寒 ト共 ニ四 一度 ノ高 熱 ヲ發 シ、第 十 ご病 日 左 肺 上 部 二帰 軋 音 、 吹 笛 音 ヲ 賠 ケ ル モ濁 音 著 明 ナ ラ 某 子 再感染時血液像 一 一漸 次秘 結 セリ。尿 中 ﹁ヂ ア ツ ォレ反 應 ハ入院 翌 日即 チ第 五病 ロ ニ於 テ陽 性 多 症 ヲ 呈 シ、 且 ツ﹁ア ヅ ー ル﹂顆 粒 ヲ有 スル淋 巴 球 亦 増 加. セリ (第 一表)。 第二例 ズ 。 呼 吸 亦 三零 乃 至 四 〇 程 度 ニシ テ、呼 吸 困 難 ニハ至 ラ ザ リ キ。 第十 六 病 表 経 過 中 有熱 初 期 二於 テ ハ 一日數 行 ノ下 痢 ヲ發 セ ル モ、體 温 下 降 二. 傾 ク ド共 一 日 ヨリ胸 部所 見 清 失 シ、肺 炎 二至 ラズ シ テ體 温 蛇 二脈 搏 ノ下 降 ヌ ルト共 二 所 見 亦 漸 次 輕 快 二赴 ケ リ。 第 49 糞 、尿 ノ培 養 検 査 二於 テ、 糞 便 中 ノ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハニ十 一同 ノ検 査 中 第 七 降 スル ト共 二清 失 セ リ。 ヲ 呈 ヅタ ル モ以 後 消 失 シ、尿 蛋 白 亦 有熱 極期 二於 テ陽 性 ナ リ シ モ、 體 温 下 入院 時 如 シ。 定 サ レ共 ニ本 院 ニ來 レリ。 即 チ、家﹁ 族 感心 染 ニョリ本 患 者 ハ罹 患 セ ル モ ノ 、 者 ノ妻 モ亦 同 年 九 月 六 日 ヨ リ發 病 シ居 リ、同 ジ ク十 月 二日 腸 ﹁チ フ ス﹂ト診 二 六、 脈 摶 一二 一零、 整 調 ニシ テ 緊 張、 大 サ 共 二 正 常 、 可 視 粘 膜 二貧 血 ナ 體 格 強 健 、 榮 養 中 等 度 、顔 貌稍 ゝ無 慾 状 、 體 温 四零 度 二分 、呼 吸 病 日 ヲ初 發 ト シ、 以 後 第十 入、第 二十 一爾 病 日計 三同 陽 性 ヲ 示 セ ル ノ ミ ニ シ テ其 ノ後 全 ク清 失 セ ル モ、尿 中 ヨリ ハ第 十 入 病 日 ヲ初 發 ト シ爾 後屡 く之 ク、 瞳 孔 對 光 反 應 活濃 ナ リ。 耳、鼻 二異 常 ナ ク、 口脣 、 舌 共 二乾 燥 シ、 舌 二白 苔 ヲ見 ル。 咽 頭 發赤 ナ ク、 扁 桃 腺 、淋 巴 腺 何 レモ腫 脹 セズ。 皮 膚 ハ乾 ヲ検 出 シ得 タ リ。 而 シテ、 本 患 者 ハ初 感 染 後 糞 、尿 性 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 保 有 症 ト決 定 セラ レ タ ル 燥 ジ﹁ロ ゼオ ー ラ﹂ハ認 メズ 。 胸 、腹 部 二異 常 所 見 ナ ク、 肝、 腎 、 脾 何 レ モ 體 温 ハ第 二十 病 日 二至 ル マデ三 十 九度 前 後 二稽 留 シ、第 ご 一零 六 九 等 度 陽 性 ニシ テ解 熱 ト共 二 一度 消失 セ ル モ、再 發 スル ニ及 ビ有 熱時 二於 テ 九病 日 二於 テ陽 性 二現 ハ ンタ ル モ以 後 消 失 シ、尿蛋 白 ハ入 院初 期 二於 テ中 経 過 申 便 通 ハ 一般 二秘 精 二傾 キ、尿 中 ﹃ヂ ァ ツオ﹂反應 ハ入 院 翌 日、 即 チ第 陽 性 ヲ呈 シ、 再 發 第 一日 二於 テ最 高 一六 零 零 倍 ニ上 昇 セリ 。 ノウ ヰダ ー ル氏 反 應 ハ、入 院 時 二於 テ既 二腸 ﹁チ フ ヌ﹂菌 二對 シ テ八 零 零 倍 所 、前 ノニ両 共 血液 中 ヨ リ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ヲ槍 出 ス ルヲ 得 タ リ。 而 シ テ血 清 本 例 二於 テ ハ 入院 翌 日、 再 發 第 一日 、 退 院 時 ノ 三 同 二亙 リ 採 血 檢 査 セ ル 七 日 間 ノ長 キ ニ亙 リ、 實 二第 七十 入病 日 二至 リ テ漸 ク解 熱 セ リ。 二於 テ ハ脾 腫 ヲ 觸 知 ス ル ニ至 レリ。此 ノ再 發 時 二於 ケ ル有 熱 期 間 モ亦 二十 ド モ、 第 五 十 一病 日 ヨリ 再 發 シ、體 温 上 昇 シ第 五十 五病 日帥 チ再 發 第 五 日 熱 セ リ。 此 ノ間 有 熱 日 數 ノ長 キ ニ拘 ラ ズ、何 等 合 併 症 ナ ク経 過 セ リ。 然 レ 十 一病 日 ヨリ極 メ テ徐 々 二下 降 ニ傾 キ、第 四 十 六病 日 ニ至 リ テ漸 ク 一旦 解 入 院 後 ノ経 過 觸知 セズ。 膝蓋 腱 反 射 減 弱 セ ル モ、 下 腿 浮 腫、 知畳 異 常 ナ シ。 モ ノナ ル ハ既 二述 ベ タ ル所 ナ ル モ、第 二次 ﹁チ フ ス﹂發症 時 二於 テ ハ糞 中 腸 ﹁チ フ ヌ﹂菌 ハ第 ご十 一病 日 ヲ、尿 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ第 五十 一病 日 ヲ最 後 ト シ、 其 ノ後 五 同 ノ菌 検 索 ヲ ナ セ ル モ、 糞 、尿 中 何 レ ヨリ モ之 ヲ検 出 シ得 ザ リ キ。 斯 ク テ ハ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 保 有 症 モ、此 ノ再 感 染 ニ ヨリ全 治 二至 ル モ ノ ナ ルカ ト甚 ダ興 味 ヲ豊 エタ ル モ、 母 親 ノ退 院 ト共 二、昭 和十 四年 入月 十 六 二 十 入歳 (﹁カ ルテ﹂番 號、 昭 和十 年 度 腸 ﹁チ フ ス﹂、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂ 某 。男 、 血液 型 O。 日 事 故 退 院 ノ運 ビ ト ナ レリ。 惜 ミ テ モ餘 リ ア リト言 フ 可 シ。 第三例 初感 染 第 入 零 三號 )。 麻 疹 ハ幼 時 二経 過 シ、種痘 ハ三同 行 ヘリ。 他 二墨 グ可 キ既 往 疾 患 ナ ク生 來 健 康 ナ リ。 未 ダ 腸 ﹁チ フ ヌ﹂豫 防 注射 ヲ 行 ハズ、経 口 ﹁ワク チ ン﹂モ服 用 セ ル コトナ シ。 昭 和 十年 九 月三 十 四 日夕 方 ヨ,頭 痛 、全 身 倦 怠、 發熱 等 ヲ訴 ヘテ發 病 シ、 九月 二、 十 五 日以 來臥 脈 ス。十 月 一日第 入病 日 ニ至 リ始 メ テ某 醫 ノ診 察 ヲ受 ク、 腸 ﹁チ フ ス﹂ト診 定 サ レ同 日 直 チ ニ本 院 二入 院 セ リ。 之 レ ヨリ先 キ、患 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 50 某 初感染 時 第三例 五 圖 第 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三 例 一零七 零 51 中 村 .志村 =腸 ﹁チ フ スし再感 染 ノ三 例 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ 菌 檢 索 ニヨ リ、糞 入 院 中 二十 七 同 ノ リ。 再 ビ 之ヲ 説明 セ 九 六號)。 ラ チ フ ス﹂ 第 五 腸 ﹁チ フ ス﹂、﹁パ (﹁カ ル テ﹂番一 號、 後 三 年 十 ク月 歳 。 初 感 染 治癒 ス﹂ 二罹 患 シ途 一零 七 一 セリ 。 翌 日 某 醫 等 ヲ訴 ヘテ發 病 全身 倦 怠、 頭 痛 三 十 八度 五分 、 三 日悪 寒 、 發 熱 昭 和 十 四年 七月 ル 妻 ト 同居 セ 二保 菌 者 ト ナ レ 年 九月 腸 ﹁チ フ リ。 問 同 ジ ク昭 和 十 過 セ ル モ、 此 ノ 後 至 極 健 康 二経 腸 ﹁チ フ ス﹂全 治 昭 和 十 年 十 二月 十月五日第十二病 日 ヲ初 發 二四 同 之 ヲ檢 出 シ、 第 七 十 入 病 日 ヲ最 後 ト シ テ以 後排 菌 止 ミ タ リ。尿 中 腸 ﹁チ ア ヌ﹂ 菌 ハ十月 入 日 第 十 五 病 日 ヲ初 發 ト シ七同 陽性 ニシ テ、 第 五十 病 日 ヲ 終 リ ト シテ以 後 全 ク清 失 セ リ。 斯 ク テ、 昭 和 十 年 十 二月 ご+ 一日 第 入 十 九病 日 ニシ テ 三 十 二 全 治 退 院 セ リ。 再感 染 第三例 某 再感染時 第 六 圖 52 中 村 ・志 村 = 腸 ﹁チ フ ス﹂再感 染 ノ三 例 二零 七 二 セリ。 リ。 全 経 過 中 何 等 ノ合 併 症 ヲ發 ス ル コト ナ ク、有 熱 期 間 モ短 ク輕 症 二経 過 本 例 ニア リ テ ハ入 院 中 入同 ニ亙 リ採 血 檢 査 セ ル ニ、血 清 ノウ ヰダ ー ル反 應 ヲ訪 レ病 名不 明 ノ モト ニ引續 キ治 療 ヲ受 ケ タ ル モ、發 熱續 キ七 月 入 日 第 六 ハ 病 日 ニ シテ直 接 本 院 外 來 ニ來 ル。診 察 ノ結 果 腸 ﹁チ フ ス﹂ノ疑 ヒ ア リ シヲ 以 〇 、脈 摶 九 零、 緊 張 良 好、整 調 ナ リ。 精 膜充 血 スル モ分 泌 物 ナ シ。 瞳 孔 封 ヨリ ハ入 院 翌 日即 チ第 七病 日 ノ檢 査 二於 テ腸 ﹁チ フ ス巳菌 ヲ 檢 出 セ リ。 々 タ ル モ ノナ リ シ モ第 四十 一病 日 二至 リ 入零 零 倍 二達 シ、血 液 ノ膽 汁 培 養 ハ入 院 當初 二於 テ ハ僅 カ ニニ ニ零 零 倍 ニシ テ、其 ノ後 凝 集 債 ノ上 昇 極 メ テ遅 テ、 同 日直 チ ニ入院 セ シ メ タ リ。 光 反 應 正 常 ナ リ。 耳、鼻 異 常 ナ シ。 ロ脣 、舌 共 二乾 燥 シ、 舌 ハ白 苔 ヲ被 ル。 血 液像 ハ第 二表 二示 ス如 ク、病 初 ニ於 テ ハ白 血 球 減 少 シ、 ﹁エオジ ン﹂嗜 好 體 格 強健 、 榮 養 中 等 度 、 顔 貌 苦 悶 欺 、體 温 三十 入 度 五 分 、 呼 吸 二 咽 頭 發 赤 ス ル モ、扁 桃 腺、 淋 巴 腺 ハ腫 脹 セズ。 皮 膚 ハ乾 燥 セズ 。 ﹁ロゼ オ 細胞 ハ清 失 セル モ、恢 復 期 二入 リ白 血 球 數 ハ正 常 トナ リ、 其 ノ百 分率 二於 入院時 ー ラ﹂ヲ認 メズ 。 胸、 腹 部 二異ハ 常 ナ ク、 肝、 腎 、 脾 ヲ觸 レズ 。 膝 蓋 腱 反 射 テ中性 嗜 好 細胞 ハ減 少 シ 比較 的 淋 巴 球 増 多 症 ヲ 呈 シ、﹁エオ ジ ン﹂嗜 好細 胞 第三例 某 夫 再感染時血液像 経 過 中 下 痢 ヲ 發 セズ、尿 中 ﹁ヂ ア ツオ ﹁ 反 應 ハ全 経 過 ヲ通 ジ陰 性 ニシ テ、 尿 ノ出 現 シ來 ル等 腸 ﹁チ フ ス﹂二特 有 ナ ル血 液 像 ヲ 示 セ リ(第 二表)。 六 几進 セ ル モ爾 他 ノ臥 病的 反 射 ナ ク、 浮腫 、知 覺異ハ 常 ヲ認 メズ 。 體 濫 ハ第 十 ご病 日 マデ 三 十 七 度 乃 至 三 十 九度 ノ 間 ヲ弛 張 表 セ ル モ、 第 十 三病 日 ヨリ下 降 シ始 メ 早 ク モ 第 十 七 病 日 一 一シテ全 ク解 熱 セ 入院 後 ノ経 過 第 二 53 蛋 白 亦僅 ニ有 熱 極期 ニ於 テ之 ヲ證 明 シ體 温 下 降 ス ル ト共 ニ消 失 セリ。 前 後 十 二同 ニ亙 ル検 便、 検 尿 ノ結 果、尿 中 腸 ﹁チ フ ヌ﹂薗 ハ毎 回 陰性 ニ了 レ ル モ、糞 中 ヨリ ハ僅 ニ第 十 三及 ビ. 第 三 十 四雨 病 日 ノニ同 ナ が ラ確實 ナ ル腸 ﹂菌 ヲ 槍 出 シ得 タ リ 。 ﹁チ フ ス 四、 患 者 血 清 ノ ウ ヰ ダ ー ル氏 反 應 及 ビ カ ス テ ラ ニー 氏 凝 集 素 吸 収 試 験 ウ ヰ ダ ー ル氏 反應 施 行 ニ當 り 血清 稀 釋 ハ二五 倍 ヨリ倍 數 稀 釋 法 ニ從 ヒ、 各 菌 液 ハ業 室 保 存株 ヲ 善 通寒 天斜 面血 温 ニ十 時 間 培 養 セ ル モ ノ ニ零 ・五% ノ割 ニ﹁フ オ ル マ リ ソ ﹂ヲ 加 ヘ タ ル モ ノ ヲ 使 用 セ リ 。 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ ァ ス﹂ 再 感 染 ノ三例 ヨ リ施 行 セ リ) (血清 稀 繹 ハ25倍 ヲ著 シク凝 集 シ、 其 ノ結 果 、 ニ於 ケ ル 二 零 零 倍 陽 性 一零 七 三 ニシ 子尿 菌 子 血 清 ハ業 室菌 及 ビ自 家 菌 何 レ モ殆 ド 母 血 清 ハ業 室菌 、 自 家 菌 ヨリ モ ( 菌 液 ハ全 テ普 通 寒 天 斜 面 二 十 四 時 間 培 養 ノ 生 菌 ヲ 用 ヒ タ リ )。 ニ關 係 ア リ ト思 考 ス ル分 離 菌 ニ ヨ リ 、 其 ノ凝 集 試 験 ヲ試 ミ タ リ ヲ、 第 三 例 ハ八 月 十 二 日 ノ血 清 ヲ 選 ビ、 自 家 分 離 菌 及 ビ再 感 染 次 ニ第 四 表 ニ ア ル如 ク 、 第 一例 及 ビ第 二 例 ハ七 月 二 十 日 ノ 血 清 リ ( 第 三 表 )。 菌 ニ對 ス ル斯 ル凝 集 モ全 テ 低 下 シ、 退 院 時 ニ ハ全 ク陰 性 ト ナ レ 零 零 倍 陽 性 ナ リ シ ヲ認 メ タ リ 。 サ レ ド 、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂A 及 ビ B チ フ ス﹂B 菌 ニ對 ス ル最 高 凝 集 價 ハ、第 一例 及 ビ 第 二 例 ニ於 テ 一 テ 、 他 ハ殆 ド 最 低 稀 釋 度 二 五 倍 ニ於 テ 陰 性 ニ了 レ リ 。 又 、﹁パ ラ 價 ハ 三 例 ヲ通 ジ テ 第 一例 ノ 入 院 時 動 揺 セ ル ヲ知 リ タ リ 。 尚 、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂A 菌 ニ對 ス ル最 高 凝 集 ハ經 過 中 低 減 シ、 第 二 例 ニ於 テ ハ反 對 ニ上 昇 シ、 第 三 例 ニ テ ハ 三 例 ニ ア リ テ ハ 八 零 零 倍 ナ リ 。 而 シ テ其 ノ凝 集 價 ハ第 一例 ニ テ 其 ノ結 果 ハ第 三 表 ニ示 セ ル如 ク、 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ニ對 ス ル最 高 凝 集 價 ハ第 一例 ニ於 テ ハ三 二 零 零 倍 、 第 二 例 ニ於 テ ハ 一二一八 零 零 倍 、 第 患 者 血 清 ノ ウヰ ダ ール 氏 凝 集 試 験 第 三 表 54 中 村 ・志 村 =腸 ﹁千 フ ス﹂再感 染 ノ三 例 、 子 血清 中 ノ凝 集 家 ハ自 家 菌 、 一零 七 四 、 子分 離 菌 ニ ヨリ 、 母便 菌 及 ビ業 室 腸 ﹁チ フ 、 母 血 清 中 ノ凝 集 素 ハ自 家 菌 ノ ミ ナ ラ ズ 、 、 夫 血 清 ハ業 室 菌 、 自 家 菌 共 ニ最高 凝集 價 八零 零 倍 ナ リ キ ( 第 四 表 )。 テ モ完 全 ニ、 又業 室 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ニ ヨ リ テ 著 明 ニ吸 収 セ ラ レ タ リ 。 ヨ リ施 行 セ リ) (血 清 稀 釋 ハ100倍 ヨ リ施 行 セ リ) (血 清 稀 釋 ハ50倍 尚 第 五 表 ニ示 ス如 ク カ ス テ ラ ニー 氏 凝 集 素 吸 牧 試 験 ヲ ナ セ ル ニ、 等 シ キ凝 集 價 ヲ示 シ、 患 者 血 清 ノ カヌ テ ラ ニ ー氏 凝 集 素 吸収 試 験 第 五 表 患者血清 ニヨル分離菌及 ビ業 室菌 ノ凝 集試験 第 四 表 55 ス﹂菌 ニ ヨ リ テ 完 全 ニ吸 収 セ ラ レ タ リ 。 又 、 ハ完 全 ニ消 失 セ ラ レ タ リ ( 第 五 表 )。 夫血 清 ハ自家 菌 、 妻 便 菌 及 ビ業 室腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ニテ吸 収後 、 其 ノ中 ノ凝 集 素 、 妻 便 菌 (昭 和 十 四 年 入 月 十 二 日分 離 ス)等 六菌 株 ハ、何 レモ數 本 ノ鞭 毛 ヲ有 ﹂色 素 ニ ヨ リ良 ク染 色 シ、 グ ラ ム氏 法 陰 性 ナ リ。 、 夫 血 液菌 及 ビ便 菌 。 五、 分離菌 ノ生 物學 的竝 ニ血清學 的 性状 、 子 血 液菌 及 ビ尿 菌 、 形態竝 ニ 一般培養性状 、 母 便 菌、 シ、活癈 ナ ル自由 運 動 ヲ ナ ス中 等 大 ノ桿 菌 ニシ テ、 ﹁ア ユ リ ン 培養性状 何 レ モ發 育 良 好 ニシ テ、 非 赤變 性 ノ正 常 大 牛 乳 ヲ凝 固 セズ。 何 レモ瓦 斯 ヲ産 出 セズ。 色 素 ヲ還 硫 化 水素 ヲ 發 生 シ何 レ モ穿 刺 線 ニ沿 ヒ 全 テ 液化 セズ 。 使 用培 養 基 ハP H七 ・零 ノ 一% ﹁ペプ ト ン﹂水 一零 七 五 ノ ニツ キ テ各 種 糖 類 ノ分 解能 ヲ 七 日間 ニ亙 リ テ観 察 セ リ。 其 ニ加 へ、 二・零 竓宛 小試 験 管 ニ分 注 シ、二 十分 間 滅 菌 シタ ル モ 溶 液 一・零 竓 ヲ 加 ヘタ ル モ ノ ニ十 七 種 ノ 糖 類 ヲ夫 々 一% ノ割 ( 照 内) 一零 零 ・零竓 ニ、一% ﹁プ ロー ム・チ モー ル・ブ ラ ウ﹂酒 精 糖類分解能検査 七 、 ﹁ゲ ラ チ ン﹂高 暦培 地 テ黒 變 ス。 六、 醋 酸 鉛 寒 天 培 地 元 セズ、 螢 光 ヲ放 タズ 。 五、 葡 萄 糖 加 中 性 紅 寒 天 四、 牛 乳培 地 聚 落 ヲ形 成 ス。 三、 遠 藤 氏培 地 二、 ﹁ラ ク ム ス、モル ケ﹂ 何 レモ僅 カ ニ赤 變 シ後青 變 セズ。 六菌 株 何 レモ培 地 ヲ平 等 ニ溷 濁 セ シメ、菌 膜 ヲ形 成 セ ズ 。 ﹁イ ン ド ー ル ﹂反 應 陰 性 ナ リ 。 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 一、 ﹁ブ イ ヨ ン ﹂及 ビ ﹁ペ プ ト ン ﹂水 糖類分解能検査(7日 間観察) 第 六 表 56 中村 ・志村 = 腸 ﹁チ フ ス﹂再感 染 ノ三 例 ヨ リ施 行 セ リ) (血清 稀 釋100倍 免疫 血清 ノ分 離菌 ニ ヨル 吸 収試 験 腸 「チ フス 」「パ ラ チ フ ス」A及B薗 第 八 表 ヨ リ施 行 セ リ) (血 清 稀 釋 ハ100倍 免 疫 血 清 ニ ヨル 分 離 菌 ノ凝 集 試 験 腸 「チ フス 」「パ ラ チ フス 」A及B菌 第 七 表 一零 七 六 、 ノ結 果 ハ第 六表 ニ示 ス如 ク、 六菌 株 ハ何 レモ各 種糖 類 ニ對 ス ル態 度 全 グ同 一 ニシ テ、 尚 之 ヲ 業 室 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ト 比 較 ス ル ニ完 全 ニ 一致 セリ (第 六表 )。 血清 學 的 性 状 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂A 及 ビB 菌 家 兎 免 疫 血清 ヲ以 テ、 第 七表 ニア ル如 ク 六株 ノ分 離 薗 ノ被 凝 集 性 ヲ検 シ タリ。 然 ル ト コ ロ、 何 レモ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 免疫 血清 ニヨリ テ 其 ノ免 疫 價近 グ、 或 ハソ レ以 上 ニ 高度 ニ凝 集 セラ レ、 ﹁パラ チ フ ス﹂A 及 ビ B菌 免 疫 血 清 ヲ 以 テ ハ凝 集 セ ラ レ ル コト弱 キ カ或 ハ全 ク凝 集 セ ラ レズ ( 第 七 表)。 次 ニ、 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 、 ﹁パ ラ チ フ ス﹂A 及 ビ B菌 家 兎 免 疫 血清 ノ前 記 四分 離 菌 ニ ヨ ル吸 収 試 験 ヲ 試 ミ タ ル ニ、 四分 離 菌 ハ何 レ モ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 免 疫 血清 中 ノ凝 集 素 ヲ宛 全 ニ吸 収 シ去 レ ル モ、﹁パ ラチ フ ス﹂A 及 ビB 菌 免疫 血清 中 ノ凝 集 素 ハ 殆 ド吸 収 シ得 ズ (第 八 表)。 分離 菌 ノ 菌 型 下 條 、 曾 田 氏 ノ ﹁チ フ ス﹂菌分 類 法 ニ從 ヒ、 六分 離 菌 ノ菌 型 ヲ検 シ タ ル ニ (培 養 基 調 製 法 ハ総 テ 下 條 。 曾 田 氏 法 ニ依 ル)、 57 一、 遠 藤 氏 培 地 ニテ 六菌 株 何 レ モ正常 大 聚 落 ヲ形 成 シ、 中 村 ・志 村 = 腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 二 、 ウ イ ツ テ ノ ﹁ペ プ ト ン﹂ヲ 用 ヒ タ ル 寒 天 培 地 ニ テ ハ、 表 九 第 、母 便 菌 、 、妻 便 菌 株 ハ共 ニ綾 小 聚 落 ト ジ テ 發 育 セ リ 。 子 血液 菌 及 ビ尿 菌 ノ 三薗株 ハ何 レ モ正常 大 聚 落 ト レ テ發 育 セ シガ、 夫 血 液 菌 及 ビ便 薗、 、 、母 、 子 ノ三菌 株 ハ 夫 妻 ノ 三 菌 株 ハ何 レ モ矮 小 聚 落 ト シ テ 發 育 セ リ。 三 、 下 條 氏 寒 天 培 地 (照 内 氏 ﹁ペ プ ト ン ﹂)ヲ 用 ヒ テ モ、 正常 大 聚 落 ヲ結 ビ、 四 、 ﹁キ シ ロ ー ゼ﹂・﹁ペ プ ト ン ﹂水 ニ テ ハ、六 菌 株 共 ニ﹁キ シ ロ ー ゼ﹂ヲ 分 解 セ リ 。 、 妻 便 菌 ノ 三 菌 株 ハ全 テ V I 型 菌 二該 當 、 母 便 菌 、 子 血 液 菌 及 ビ 尿 菌 ノ 三 菌 株 ハ共 ニ I 型 菌 、夫 血 液 菌 及 ビ便 菌 、 コ ト 確 定 セ ラ レ、 而 モ 以 上 ノ 諸 検 査 ニ ヨ リ 余 等 ノ分 離 シ得 タ ル 前 記 六 菌 株 ハ何 レ モ 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ナ ル シ ニテ、 ス ル コ ト 明 カ ト ナ レ リ。 六 、 総 括 竝 ニ考 按 余 等 ガ今 同 經 験 シタ ル三 症 例 ニ就 テ、其 ノ概 要 ヲ表 示 ス レバ第 九 表 ノ 如 シ。 即 チ、 三症 例 ガ何 レモ初 感 染 、 二次 發 症 ノ二回 ニ亙 リ我 ガ名 古 屋 市立 城 東 病院 ニテ治 療 サ レ、 而 モ其 ノ臨 牀 症 状 竝 ニ患 者 流 血 中 或 ハ 糞 、 尿 中 ヨリ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ヲ検 出 シ得 タ ル所 ヲ以 テ ス レバ、 前 後 二 同 ノ疾 患 ガ 腸 ﹁チ フ ス﹂症 ナ ル コト何 人 モ異 論 無 カ ル可 シ。 然 レド モ、 第 二次 發 症 ヲ以 テ腸 ﹁チ フ ス﹂ノ再感 染 ト ナ ス ニハ須 ラ ク周 到 ナ ル注 意 ヲ要 ス 所所 ニ シテ、 殊 ニ第 二 例 患 者 ハ初 感 染 全治 後 、 病 後 保 菌 者 ト決 定 サ レテ經 過 セ ル ヲ以 テ、 或 ハ保 菌 者 ノ晩 期 再 發 ニ非 ズ ヤ ト論 ヲ ナ ス モノ ア ラ ン。 余 等 モ勿 論 斯 ル點 ニ就 キ 一應 考慮 シタ ル モノ ナ リ。 即 チ若 シ幸 ヒ ニジ テ初 感 染 時 ノ分離 菌 ノ保 存 シア リ テ、 之 ト第 二 次 罹 一零 七 七 58 中 村 ・志 村 = 腸 ﹁チ フ ス﹂再感 染 ノ三例 ト コ ロ ナ リ 。 一零 七 入 從 ッテ、第 二 次罹 患 ヲ ﹁チ フ 根據 稍 ζ薄 弱 ナ ル ヲ ニ於 テ ハ、第二次發症 ヲ以 テ 再 感 染 ト ナ ス ニ ハ其 ノ 斷 定 シ得 ベ シ 。 異 ニ ス ル場 合 、 之 コ ソ 最 モ確 實 ナ ル腸 ﹁チ フ ス﹂ノ再 感 染 ト直 チ ニ ジ ク ス ル場 合 患 時 ノ分 離 菌 トガ 下條 、曾 田 氏 ノ所謂 ﹁チ フ ス﹂菌 型 ヲ 然 レド モ、 今 若 シ前 後 二囘 ノ分離菌 ガ 菌型 ラ同 ザ ル可 シ。 発 レズ ト難 モ、 亦 以 テ再 感 染 ニ非 ズ ト ハ何 人 モ否 定 シ能 ハ 入 手 シ得 ズ 、 コ ノ點 余 等 ノ甚 ダ 遺 憾 ト ス ル 余 等 ノ症 例 ニ於 テ ハ何 レ モ初 感 染 時 ノ分 離 菌 ヲ 發 病 セ ル ニ續 イ テ、 家 族感 必要 ニ ニシテ不 可 缺 ノ モ ノ ナ リ。 て ナ ラ ズ 、 加 之 ニ疫 學 的考 察 コ ソ ス﹂再 感 染 ト斷 定 セ ン ニ ハ以 上 ノ細 菌 學 的 檢 討 ノ 、 第 山 ハ子 ニ シ テ 、 初 感 染時 ニ於 テ 母 親 タ ル第 一例患 者 ガ 第 一例 患 者 ハ サ テ 措 キ 、 第 二 例 患 者 ハ第 一例 患 者 ノ ガ先ヅ發病 ル モ ノ ナ ル ハ既 ニ前 述 セ ルガ 如 シ。 而 シ テ第 二 次罹 患 時 ニ於 テ モ母親 染 ニ ョ リ 他 ノ弟 、 妹 二 名 ト 共 ニ腸 ﹁チ フ ス﹂ ニ罹 患 セ ナ リ ト セ ンカ 、先ヅ第 発疫 血清 見 タ リ 。 而 モ兩 例 ノ 血清學的關係 ニ兩分離菌 ノ 菌 型 及 ビ生 物 學 的、 シ、 而 モ兄 二 名 、 姉 二 名 ト共 ニ罹 患 シ明 力 ニ家 族感 染 ヲ 傳染系路 テ家族感染 トス ル再感 染 ナ リ ト思 惟 ス ル ヲ妥 當 ナ リ ト ス 。 學 的 性 状 ノ完 全 ニ 一致 セ ル所 ヨ リ、 第 二例 ハ再 發 ニ非 ズ シテ、 未 ダ 知 ラ レザ ル コ ト 、第 二 一 ニ約 二年 八 ケ月 ノ極 メ テ長 キ 間 隔 ヲ持 テ ル再 發 例 ノ 若 シ 一歩譲 リ テ保 菌 者 ノ再 發 兩者 ノ血 清 學的 關 係 、兩分 離菌 ノ菌 型竝 再 發 ヲ肯 定 ス ルノ甚 ダ無暴 ナ ラ如 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ヨ リ 一層 稀 レ ナ ル コ ト 、第 三 ニ母 親 ニ遅 レテ 發 病 セ ル他 ノ四 名 ノ家 族 感 染 ノ ト思 考 セ ラ ル 、ナ リ、 帥 チ、 シ テ 、 再 感 染 ヲ 否 定 シ テ マデ ヨ リ 考 察 ス ル ニ 、 再 發 ト ナ ス ニ ハ餘 リ ニ モ 不 自 然 ニ ニ保 菌 者 ノ ﹁チ フ ス﹂症 ノ再發自體 ガ腸 何 ニ論 明 ス ルカ ノ三點 ル コ ト ハ何 入 モ首 肯 シ得 ベ シ 。 ニ於 テ其 ノ周 圍 ニ ﹁チ フ ス﹂患 者 多 キ 時 見 ラ ル ・ モ ノ ナ リ 。﹂ト ノ 言 ヨ リ chm ann 氏 、 山 ト 勿 論 ナ ル可 シ。 而 モ尚 、 Curs 一致 セ ル ト ゴ ロ ヨ リ 見 レバ 、 同 一菌 株 ナ ル コ 困者 ヨリ再感 染 セ ルモ 第 三例 ハ患 者 ノ 妻 タ ル腸 ﹁チ フ ス﹂菌 保 仲 ニ リ 。 流行時 ﹁多 ク ノ 腸 ﹁チ フ ス ﹂再 感 染 ハ﹁チ フ ス﹂ ニ生 物 學 的 、免疫血清 學的性 歌ガ完全 田 氏 等 ガ 言 フ所 ノ、 ナ シ テ モ、 第 三 例 ハ妻 ヨ リ 再 感 染 セ ル モ ノ ト 考 ヘ ラ ル 、 リ ト思 惟 ス ル モ ノナ リ。 以 上 ラ 以 テ 、余等 ハ前記三例ハ確實 ナ ル腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ナ 第 二 例 共 ニ約 二年 八 ケ月、 第 三 例 ハ約 三年 十 ケ月 ナリ。 野 口 氏 ノ 例 ハ 一年 ト 十 次 ニ再感 染 ニ至 ル迄 ノ期 間 ニ就 キ考 フ ル ニ、 第 一例 、 中 澤 氏 ノ例 一年 十 ケ月、 馬 島 氏 ノ例 ハ 四 ケ 月 ト 十 二 日 、 川 口氏 ノ例 ハ四年 八 ケ月 、 六 日 、 丸 山 氏 ノ 例 ハ四 ケ 月 ト 八 日 、 原 田 氏 ノ 例 ハ 有効期間 ノ長 茲 ニ 再 感 染 ニ至 ル迄 ノ期 間 ト、 病 後獲 得 ス ル後 天性 免 疫 ノ ハ 五 ケ 年 、 秋 山 氏 ノ例 ハ約 十 八 ケ年 ト夫 々報 告 セラ レタ リ 。 59 短 ト 相 竝 行 ス ル モ ノ ナ リ ト 考 フ レ バ 、 上 記 症 例 報 告 ニ依 ル數 字 ヨ リ 見 ル時 、 腸 ﹁チ フ ス ﹂罹 患 後 ニ於 ヶ ル免 疫 ノ永績 性 ガ意 外 ニ モ短 キ ハ 注 目 ス 可 キ コ ト ナ リ 。 サ レ ド 、 勿 論 此 ノ 病 後 ニ於 ケ ル自 然 免 疫 ニ モ個 人 性 ア リ テ 、 斯 ノ 如 ク持 久 性 短 キ 免 疫 ノ賦 與 ト ナ リ タ レ ド モ、 豫 防 接 種 、 經 口免 疫 ノ如 キ入 工 免疫 ニ比 ス レバ尚 遙 カ ニ長 シ ト 言 ヒ得 ベ シ。 今 、 更 ニ再 感 染 ヲ初感 染 ト比較 シ テ 其 ノ病 症 ノ輕 重 ヲ考 フ ル ニ、 第 一例 ニテ ハ輕 症 、 第 二 例 ハ重 症 、 第 三 例 ハ輕 症 ナ リ 。 之 ヲ他 ノ報 告 ニ見 レ パ 、 Cur schm ann 氏 ハ殆 ド 常 ニ初 感 染 ヨ リ モ重 症 ニ 經 過 ス ル モ ノ ナ リ ト 云 ヒ、 丸 山 氏 、 馬 島 氏 、 川 口 氏 ノ 症 例 ハ再 感 染 ガ ヨ リ輕 症 ナ ル モ、 秋 山 氏 ノ症 例 ハ初 感 染 ノ場 合 ヨ リ モ重 症 ニ シ テ 遂 ニ死 亡 セ リ 。 今 豫 防接 種 、 經 口免 疫 等 入 工 免疫 ヲ施 行 セ ル後 腸 ﹁チ フ ス﹂ニ罹 患 セ ル者 ノ 場 合 ヲ ミ ル ニ、 人 工免 疫 者 ニ於 テ ハ無 免 疫 者 ヨリ モ死 亡 率 一般 ニ低 ク、 有 熱 日數 亦 短 ク輕 症 者多 ク重症 者 少 ナ シト ハ當 院 落 合 院 長 及 ビ野 崎 博 士 ノ研 究 ニ明 カ ニ シテ、 諸 擧 者 ノ意 見 亦 多 ク 之 ニ 一致 ス ル ト コ ロ ナ リ 。 況 ヤ病後 獲 得 ス ル自 然 免 疫 ニ於 テ 再 感 染 例 ヲ集 メ得 テ 其 ノ臨 牀 統 計 的 研 究 ヲナ シ得 ル時 、 必 ズ ヤ人 工免 疫 施 行 後 ノ腸 ﹁チ フ ス﹂罹 患 病症 ト ハ、 將 來 確肺 實 ナ ル腸 ﹁チ フ ス﹂ ノ知 リ得 タ ル範 園 内 ノ症 例 報 告 ヲ以 テ シ テ ハ、 未 ダ 腸 ﹁チ フ スし再 感 染 ノ臨 牀 ニ就 キ 云 々 ス ル コ ト能 ハザ ル モ、 余 等 ハ 染 ニ於 テ死 亡 率 少 ク、 有 熱 日數 短 ク、 又 輕 症 ニ經 過 ス ル モ ノ多 力 ラ ン。 レ ド モ 、 余等 同 ジ ク 、 再感 然 論 余 等 ノ 症 例 ヲ 以 テ腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ確 實 ナ ル モ ノ ト シ テ 竝 ニ記 載 シ、 將 來 ニ於 ケ ル統 計 材 料 ノ 一ツ タ ラ シ メ ン ト ス ル モ ノ ナ リ 。 七、結 余 等 ハ最 近 昭 和 十 四 年 六 、 七 月 ニ於 テ、 確 實 ナ ル腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ 三 例 ヲ 經 験 セ リ。 ( 1 )三 症 例 何 レ モ初 感 染 、 再 感 染 ノ 二 同 ニ互 リ 、 我 ガ名 古 屋 市 立 城 東 病院 ニ入院 セ ル モ ノナ リ。 ( 2 )再 感 染 ニ至 ル迄 ノ 期 間 ハ、 第 一例 、 第 二 例共 ニ約 二年 八 ケ月 、 第 三 例 ハ約 三年 十 ケ月 ナ リ。 ( 3)經 過 中 ニ於 ケ ル血 清 ウ ヰ ダ ー ル氏 反 應 ノ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ニ對 ス ル最 高 凝 集 價 ハ、 第 一例 ニ於 テ初 感 染 時 三 二 零 零倍 、 再 感 染 時 同 ジ ク 三 二 零 零 倍 ナ リ 。 第 二 例 ハ初 感 染 時 四 零 零倍 、再 感 染 時 一二 八零 零倍 ニシテ、 第 三例 ニ於 テ ハ 初 感 染 時 一六 零 零 倍、 再 感 染 時 八 零 零 倍 ナ リ。 一零 七 九 ( 4 )患 者 血 液 中 ノ腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ 第 一例 ニ ア リ テ ハ初 感 染 時 陽 牲 ナ リ シ モ、 再 感 染 時 ニハ陰 性 ナ リ キ。第 二 例 ハ初 感 染 時 ニ陰 性 ナ リ シガ 、 再 感 染 時 ニ陽 性 ナ リ。 第 三 例 ニ於 テ ハ初 感 染 時 、再 感 染 共 ニ検 出 シ得 タリ。 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 60 中 村 ・志村 =腸 ﹁チ フ ス﹂再 感 染 ノ三例 一零 八零 二 囘 共 陽性 ナ リ。 第 二例 ハ再 感 染 時 ニ陽 性 ナリ シ ノ ミ。第 三 例 ハ両感 染 ( 5 )糞 中 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ハ、 第 一例 二於 テ ハ初 感 染 、 再 感 染 ノ 時 共 陽 性 ナ リ。 ( 6 )尿 中 腸 ﹁チ フ ス ﹂菌 ハ第 一例 、 第 二 例 何 レ モ両 感 染 時 共 陽 性 ナ リ シ モ、 第 三 例 二於 テ ハ初 感 染 時 ニ於 テ ノ 〃 之 ヲ検 出 シ得 タ リ 。 ( 7)再感 染 時 ニ於 テ 三患 者 ヨリ分 離 セ ル 菌 ハ、 形 態 拉 ニ 一般 倍養 性 状 及 ビ 生物 學 的、 血清 學 的性 歌 等 、 全 テ業 室 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 ト完 全 第 二 例 ニ ア リ テ ハ 全 ク 脾 腫 ヲ 觸 レザ リ キ。 ニ於 テ ハ爾 感 染 時 共 少 藪 乍 ラ存 在 セリ。 第 三 例 ハ両 同 共 認 メザ リ キ。 腸 ﹁チ フ ス﹂菌 々 型 別 中 第 I 型 菌 ニ、 第 三 例 ハ第IV型 菌 ニ該 當 セ リ 、 ニ 一改 セ リ 。 而 シ テ、 第 一例 、 第 二 例 ハ共 二下 條 、曾 田 氏 二依 ル ( 8 )薫 薇 疹 ハ第 一例 ニ ア リ テ ハ再 感 染 時 ノ ミ、 認 メ得 テ 、 第 二 例 ( 9)脾 腫 ハ第 三 例 ノ初感 染 時、 殊 二再 叢 時 二於 テ觸 知 シ、 第 一例 、 再 發 染時 ニ於 テ、 第 三例 ハ初感 染 時 ニ於 テ陽性 ナ リキ。 ( 10 )﹁ヂ ア ツ オ ﹂反 應 ハ第 一例 二於 テ ハ雨 感 染 時 共 陰 性 、 第 二 例 ハ 口 , 腸窒扶斯 獻 ノ再 感染ニ就テ. 文 臺灣醫學會雑誌. 大正4年2) 丸山 , 號2. 腸窒扶斯再感染(?) 第第 3巻 昭和10年. ノ二例臺灣醫學會 79頁. 1 腸 雑誌 . 心感 謝 ノ意 ヲ表 ス。 爾 助 力 ヲ惜 マザ リ ジ當 院助 手内 藤 晶 之 助 氏 ニ深 謝 ス。 0頁 . 第150-155 1 4號 欄筆 ス ル ニ臨 ミ御 指 導 ト御 校閲 ノ勢 ヲ賜 リ タ ル院 長落 合 國 太 郎 博 士 二衷 テ再 感 染 ニ比 シテ 重 症 ナ リ。第 二例 ハ再 感 染 時 ニ於 テ、 合 併 症 ハ無 ( 11)第 一例 ハ初 感 染時 二於 テ有 熱 日藪 長 ク、 腸 出 血 、 再 燃等 ア リ キ モ有 熱 日敷 遙 ニ長 ク重 症 ナ リ キ。第 三例 ハ初 感 染 時 ニ於 テ有 熱 日数長 ク且 ヅ再 發 ヲ登 シ、 再 感 染 時 ・ リ モ重 症 ニ経過 セ リ。 1)野 5號 . 第4巻. 學的統展計望. 臨休ノ日本. 20) Curschmann, D ert ak ei en.," II. I nn sk fre kht ito Aufl. 25) 1924 Mohr, S.11. L. 二例. 巻. 就 テ. Therapie." imd SR t. aehel in. 26)G.v.Beg rma, n" nHa ndbuchderl me ren Curn s n, cI h .C ma Unterleibstyphus.ot Nhn agels " Speziele l Pathologieun d i tnach 22) Freundlich, )G 2o 3th, 24) Beotz, c 第6號 -7昭 和 11年 . der III. Aufl., l. B d . 1934, S . 829 . 2) 一患セ例ル 第 162號. 221頁. 大正5年. 3) 山田, 反覆腸 ﹁チ フ ス ﹂ニ 確 患 セ ル確 ノー 例 . 好生館欝事研究會 雑 5) 馬島, 興味アル腸窒扶斯再感染 ﹁チ フ ス ﹂ 再感染ノー例. 日本内科學會雑 誌 . 第9 巻 . 第5 號 .373頁. 大正10年. ノ 6), 中澤, 腸﹁チフス﹂再感染. 實験欝報 第 189號. 1212頁. 昭和5年. 7) 川口, 腸﹁チフス﹂再感染 誌 .第31巻. 第1號. 27頁. 大正13 年 . 巻 . 543頁. 昭和6年. 8) 青木, ﹂患 者 ニ於ケルー, 二統計的観察日本傳染病學會雑誌. 第5 フ ス ﹂. 大日本内科全書. 第 2 第 2 號 . 號. 227頁. 昭和9年. 10) 宮川, 腸﹁チ 第 第 巻 .第3號. 187 10號 . 997頁. 昭 和 5年 . 2 山 , 腸 ﹁チフヌ﹂治療學雑誌. 第 學雑雑 誌. 昭和7年. 佐 野1 ,6﹁ ) パ ラチフス ﹂患兒 ・ 内科 秋 1078頁. 第4巻. ニ 第5巻 第10號. 日本傳染病學會雑誌. 再感 昭和6年9) 第6巻. ス 」 421頁. 灌 由 , ヂフ 日本傳染病學會雑誌. 正來奥 ラ 一 例 . 14) 「 パ 第4號. 大正3年. ノ 巻 .第1冊. 162頁. 昭和12年. 11) 宮 川 腸 ﹁チフス﹂及ビ﹁パラチフス﹂ 村 山, 腸﹁チフス﹂. 日本内科全 書 .巻 8.第1冊ノ下. 295頁. 昭和4 年 . 連 綾 B 型 ﹁パ ラチ ワ ス ﹂.腸 ﹁チ フ ス ﹂ニ 罹 患 セルー例. 頁 . 満 誌 . 15) 山本, A型及ビB型﹁パラチフス﹂混合感 染 ノ ー例. 日本傳染病學會雑 1956頁. 昭和7年. 17) 正 來 , 腸 ﹁チフス﹂罹患後A型﹁パラチフヌ﹂ニ感染セル患者ノ ニ 腸 ﹁チフス﹂ヲ合併セルー例. 見料雑誌. 第389 號 . A 型 ﹁パラチフス﹂経過後ニ腸﹁チフス﹂ニ感染セルー例. 臨状内科. 第4 8) 下 川, 日 本簿染病學會雑誌第7 巻 .第12號. 1226頁. 日召和8年. 1ニ 罹患セル腸﹁チフス﹂患者ノ統計的 観 察 ,特 ニ経口免疫ト皮下注射冤疫トノ比較ニ 第 9號 .942 頁 .昭和望3年. 19) 落合, 野崎, 豫防 接 第10巻. rankh eiten 。" InneI rn e fe nkti M on es d kizin; re ,g "lLeehrbuch 27) Jochm ann-H Eichhot r, s der Teil , I 186 .4 21) 日本傅染病學會雑誌. Bd.3, der M edizin " I.B d. 1936. S.228. ,.B andbuch 種 就テ 1 3)