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外心・重心・垂心の同一直線上

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外心・重心・垂心の同一直線上
外 心・ 重 心・ 垂 心の 同 一 直 線 上
有名
問題
外心・重心・垂心
の同一直線上
p.1
チャート式 数学B p.350 基本例題25
類題:サクシード 数学B p.133 174
三角形 ABC の外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び
OG:GH = 1:2 であることを示せ。
《解答》
OP = OA + OB + OC で点 P を定める。
AP ・ BC = OP - OA ・ OC - OB = OC + OB ・ OC - OB
2
= OC - OB
2
=0
∵ 点 O は、三角形 ABC の外心であるので
OA = OB = OC
同様にして、 BP ・ CA = 0, CP ・ AB = 0
AP ,BP ,CP のうち、2 つは 0 でないので、AP⊥BC,BP⊥CA,CP⊥AB のうち、
2 つは成り立つ。よって、点 P は三角形 ABC の垂心である。(P=H )
すなわち、 OH = OA + OB + OC である。
OA + OB + OC
また、点 G は三角形 ABC の重心であるので、 OG =
3
よって、 OH = 3 OG
H
G
O
よって、外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び
OG:GH = 1:2
《別解 1-1》
[1] 三角形 ABC が直角三角形のとき
斜辺の中点が三角形 ABC の外心 O で、直角の頂点が三角形 ABC
の垂心 H であり、中線 OH を 1:2 の比に内分する点が
三角形 ABC の重心 G である。
よって、外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び
OG:GH = 1:2
H
2
1 G
O
[2] 三角形 ABC が鋭角三角形、または、鈍角三角形のとき
三角形 ABC の外接円と直線 OC との、点 C でない交点を D とする。
鋭角三角形
鈍角三角形
H
A
A
D
O H
B
M
C
B
D
M
O
(鋭角三角形でも、鈍角三角形でも同じ)
C
外 心・ 重 心・ 垂 心の 同 一 直 線 上
p.2
点 H は垂心であるので、AH⊥BC
線分 CD は外接円の直径であるので、DB⊥BC
よって、AH∥DB
点 H は垂心であるので、BH⊥CA
線分 CD は外接円の直径であるので、DA⊥CA
よって、BH∥DA
したがって、四角形 AHBD は平行四辺形であるので、AH∥
=DB … ①
三角形 CBD で中点連結定理を使うと、DB∥
= 2 OM … ②
直線 OM は辺 BC の垂直二等分線であるので、OM⊥BC
また、DB⊥BC
①,②より、AH∥
= 2 OM … ③
三角形 ABC の中線 AM と線分 OH の交点を K とすると
AH∥OM より、△KHA ∽ △KOM となり
AH = 2 OM より HA:OM= 2:1 (相似比) で、KA:KM= 2:1,KH:KO= 2:1
よって、点 K は三角形 ABC の中線 AM を 2:1 の比に内分する点、すなわち、三角
形 ABC の重心である。
よって、外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び、OG:GH = 1:2
H
A
2
鋭角三角形
鈍角三角形
A
2
O
1
B
K H
C
M
K
M
B
C
1
O
《別解 1-2》 [《別解 1-1》 の途中から]
[2] 三角形 ABC が鋭角三角形、または、鈍角三角形のとき
辺 BA、線分 BH の中点をそれぞれ L,N とする。
鋭角三角形
B
A
N
L
N
H
鈍角三角形
A
L
O
H
M
C
B
M
C
O
(鋭角三角形でも、鈍角三角形でも同じ)
三角形 BAHで中点連結定理を使うと、AH∥
= 2 LN … ①
先ず、点 O は外心であるので、OM⊥BC (直線 OM は辺 BC の垂直二等分線 )
点 H は垂心であるので、AH⊥BC
よって、OM∥AH … ②
①,②より、OM∥LN … ③
外 心・ 重 心・ 垂 心の 同 一 直 線 上
p.3
次に、点 O は外心であるので、OL⊥AB (直線 O L は辺 AB の垂直二等分線 )
点 H は垂心であるので、CH⊥AB
よって、OL∥CH
三角形 BCHで中点連結定理を使うと、CH∥MN
したがって、OL∥MN … ④
③,④より、四角形 OMNL は平行四辺形であるので、LN∥
=OM … ⑤
①,⑤より、AH∥
= 2 OM
(以下 《別解 1-1》 と同じ)
《別解 2》
三角形 ABC の辺 BC、辺 CA、辺 AB の中点をそれぞれ、A',B',C'とする。
H
A
∠A:鋭角
C'
B'
H'(O)
B
∠A:鈍角
G(G')
A'
A
C'
B'
G(G')
H
C
B
A'
H'(O)
C
点 G は三角形 ABC の重心であるので、中線 AA'、中線 BB'、中線 CC'を 2:1 の比に
内分する点である。よって、△ABC ∽ △A'B'C'で、相似の中心は、三角形 ABC の
重心 G ( 三角形 A'B'C'の重心 G'でもある。G=G' )
したがって、三角形 ABC の垂心 H と 三角形 A'B'C'の垂心 H'は相似の位置にある。
相似比は、2:1 より、GH:G'H'= 2:1
また、三角形 A'B'C'の垂心 H'は、A',B',C'の定め方より、三角形 ABC の辺 AB、
辺 BC、辺 CA の垂直二等分線の交点であるので、三角形 ABC の外心 O である。
(O=H')
よって、外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び、OG:GH = 1:2
《解説》
《解答》 では、ベクトルを用いて証明した。結論が OH = 3 OG で
点 G は三角形 ABC の重心であるので、 OG =
OA + OB + OC
3
よって、 OH = OA + OB + OC と予想できる。《解答》 では、これを証明した。
この 《解答》 の中で、例えば AP = 0 ならば、点 P は点 A と一致し、かつ
BP ≠ 0 , CP ≠ 0 であり、 BP ・ CA = 0, CP ・ AB = 0 より、BP⊥CA,CP⊥AB
三角形 ABC は、∠A が直角の直角三角形になることに注意しよう。
《別解 1-1》、《別解 1-2》、《別解 2》 は、初等幾何を用いた解法である。
「[1] 三角形 ABC が直角三角形のとき」は簡単に分かる。
《別解 1-1》、《別解 1-2》 の解法のポイントは、「[2] 三角形 ABC が鋭角三角形、また
は、鈍角三角形のとき」の場合で 「AH=
∥ 2 OM」を示すことである。
外 心・ 重 心・ 垂 心の 同 一 直 線 上
p.4
《別解 2》 では、辺 BC、辺 CA、辺 AB の中点をそれぞれ、A',B',C'として
△ABC ∽ △A'B'C'を導き、この相似の中心をうまく用いて証明した。
この問題の結果は、次の 「オイラー線の定理 」(次の 【参考】 参照)になっている。
【参考】 オイラー線の定理
三角形 ABC の外心 O、重心 G、垂心 H は、この順で同一直線上に並び
OG:GH = 1:2
(重心 G は、線分 OH を 1:2 の比に内分する。)
この直線 OGH を、オイラー (Euler ) 線 と言う。
. 三角形 ABC が正三角形のとき、外心 O、重心 G、垂心 H は一致して、
オイラー線 はない。
H
鋭角三角形
A
鈍角三角形
直角三角形
O
B
M
A(H)
G H
C
B
2
B
1 G
O(M)
M
A
G
O
C
( 点M は 辺BC の中点)
C
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