Comments
Description
Transcript
プラスチック 100 年-化学とライフスタイル
大阪市立科学館研究報告 17, 173-177 (2007) アフタヌーンレクチャー「プラスチック 100 年-化学とライフスタイル-」実施報告 岳 川 有 紀 子 * 概 要 2006 年 10~12 月 、2007 年 が「プラスチック 100 年 」となることに合 わせ、アフタヌーンレクチャー第 6シ リーズにおいて「プラスチック 100 年 ―化 学 とライフスタイル―」と題 した講 義 を実 施 した。身 近 な素 材 プラ スチックについて、一 般 市 民 の理 解 を深 め、考 えていただくことを目 的 として、プラスチックの化 学 、歴 史 について、資 料 、実 験 を交 えながら、時 には化 学 反 応 式 を使 うなど、普 段 の教 育 普 及 活 動 から一 歩 踏 み 込 んだレクチャーを行 った。また、プラスチックに対 する意 識 調 査 、レクチャーの教 育 効 果 と意 識 の変 化 についても調 べたので、合 わせて報 告 する。 1 . はじめに 2.講 義 の概 要 アフタヌーンレクチャーは、2005 年 度 から始 めた事 2-1.目 次 業 で、主 に当 館 の学 芸 員 が 自 らの専 門 分 野 を、高 校 レク チャー では 、筆 者 が 作 成 した レ ジュ メを 適 宜 配 生 以 上 の大 人を対 象に、1回あたり1時 間30分 の講 義 布 し、講 義 はパワーポイントで作 成 した画 像 等 を 使 い を4回 連 続 で行うものである。 なが ら行 った。また 、講 義 の 内 容 に 応 じて、簡 単 な演 2007 年 は 、実 用 的 な合 成 プラスチックが 誕 生 して 100 周 年となる。筆 者は、2007 年を「プラスチック 100 年 」と銘 打 ち、調 査 、資 料 収 集 活 動 に加 え 1 )2 ) 示 実 験 を 導 入 し、聴 講 者 の 理 解 を 助 け、講 義 だけで は単 調となりがちな刺 激を加 える役 割も期 待 した。 、この記 講 義 は、歴 史 の流 れに沿 って組 み立 て、随 時 必 要 念 すべき年 をプラスチックの普 及 教 育 のチャンスとして、 と内 容 に応 じて、科 学 的 な解 説 を加 えた。目 次 は、以 いくつかの活 動 を行 っている。その中 のひとつが、アフ 下のとおりである。 タヌーンレクチャー「プラスチック 100 年―化 学とライフ ------- スタイル―」である。レクチャーでは、①プラスチックが 1.はじめに 誕 生 する前 から現 在 に至 るまでの歴 史 、②プラスチッ 2.プラスチックとは? クの分 子 構 造 や合 成 方 法 を含 めた化 学 的 性 質 、③プ 2-1.語 源 ラス チッ ク の 現 状 と 課 題 、の 3 点 を 主 なテー マと して、 2-2.熱 可 塑 性と熱 硬 化 性 概 論 を講 義 した。これらの概 論 を理 解 することで、プラ 2-3.高 分 子・ポリマー スチックが持 つメリットデメリットを科 学 的 に 理 解 し、消 3.プラスチックが誕 生 するまでの素 材 :天 然 プラスチック 費 者 のひとりである自 らが、プラスチックの将 来 につい 4.化 学のはじまり 4-1.錬 金 術 て考 え、判 断する力を持つことを期 待 した。 4-2.石 炭・石 油 化 学 また、聴 講 者 に対 してアンケートを行 い、第 1回 目 の レクチャーではプラスチックに対 する意 識 、最 終 回 第 4 5.半 合 成プラスチック 回 目 には、レクチャーによる教 育 効 果 や意 識 の変 化 に 5-1.エボナイト ついて調 査 した。 5-2.セルロイド 5-3.カゼイン樹 脂 6.プラスチック 100 年 -1907 年 に誕 生 した合 成 プラスチック 7.ベークランド博 士:その生 涯と才 能 *1 大阪市立科学館 学芸課 E-mail:[email protected] http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~takegawa/ 8.ベークライト 9.プラスチックブームと電 気 の実 用 化 - 173 - 岳川 有紀子 10.ベークランドと高 峰 譲 吉 力 」について紹 介 した(目 次 9)。また、余 談 ではあるが、 11.その後のプラスチック ベークライトと日 本 との意 外 な関 係 を取 り上 げた(目 次 11-1.4大 汎 用プラスチック 10)。アドレナリンの抽 出 や消 化 酵 素 タカジアスターゼ 11-2.身 近 なプラスチック(PET,アクリル樹 脂 …) の発 見 で知 られる日 本 人 化 学 者 高 峰 譲 吉 を紹 介 し、 11-3.成 型 方 法 ベークランドと友 人 だったことで日 本 におけるベークラ 11-4.プラスチック生 産 量の変 化 イトの工 業 化 に良い影 響を与えたことを紹 介 した 12.これからのプラスチック 3)4) 。 この 回 までに 、プ ラス チッ ク の 誕 生 につ いての 必 然 12-1.機 能を持ったプラスチック 性 ・偶 然 性 を含 めた流 れ、世 間 の期 待 、普 及 の始 まり 12-2.リサイクル について特 に強 調 して示 し、次 回 以 降 の現 代 のプラス 12-3.生 分 解 性プラスチック チックの話 題へ入ることとした。 13.プラスチックの将 来 に私 たちができることは 14.おわりに 2-2.第1回レクチャー 第 1 回 は 目 次 1 ~ 5 の 解 説 を 行 い、「 プ ラス チッ ク と は」においては、当 たり前 のように使 う「プラスチック」と いう 言 葉 が 、歴 史 的 にどの ような言 葉 に 由 来 している のか、化 学 的 にはどのような定 義 であるかを押 さえ、 「高 分 子 」についての解 説 も含 めて、その分 子 構 造 に 写 真1.レクチャーのようす も触 れた。これらは後 の4回 のレクチャーでも基 本 とな る概 念 であるため、最 終 回 まで頭に入 れておいてもらう 2-4.第3回レクチャー こととした。 第3回は、目 次 11 の解 説 を行った。ベークライト以 次 いで目 次 3~5では、合 成 プラスチック 誕 生 直 前 3) 降 に誕 生 したプラスチックの中 でも、現 在 もっともよく利 までのプラスチック様 素 材 について紹 介 した 。「天 然 用 されている4大 汎 用 プラスチック(ポリエチレン、ポリ プラスチック」とは、いわゆる天 然 樹 脂 とも呼 ばれるもの プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩 化 ビニル)、そして4大 である。人 間 の 長 い歴 史 に おける、ほとんどの 時 間 を 汎 用 プラスチックに含 まない身 近 なプラスチック(PET、 天 然の素 材を利 用 してきたことを強 調 した。19 世 紀 頃 、 アクリル樹 脂 、ポ リ 塩 化 ビニ リデ ン 等 ) の 、合 成 方 法 、 人 口 が増 え、科 学 ・技 術 が発 達 したことにより、天 然 素 分 子 構 造 、特 徴 、利 用 例 を紹 介 した。合 わせて、代 表 材に変 わる新たなものとして半 合 成プラスチックが誕 生 的な成 型 方 法 も解 説した。 したことについて、実 際 の資 料 と合 成 方 法 ・化 学 構 造 1907 年 以 降 、プラスチックはさまざまな種 類 が次 々 を交えながら解 説 した。ただし、この時 代 では完 全な合 誕 生 し、それぞれの 性 質 を 活 かして加 速 度 的 に 大 量 成 プラスチックを作 るには至 らず、天 然 の高 分 子 を化 に利 用 する結 果 となっていることを、生 産 量 のグラフや 学 反 応 で変 化 させてプラスチック状 の素 材 を合 成 して 身 の 回 りの利 用 例 で紹 介 した。この回 で、合 成 プラス いることを押さえ、第 2回のレクチャーへの導 入とした。 チックの種 類 ・生 産 量 ・利 用 例を押 さえ、現 状 を把 握 し ておくことで、次 回 のテーマであるプラスチックの課 題と 2-3.第2回レクチャー 解 決 策を考える土 台とするものであった。 第 2回 は目 次 6~10の解 説 を行い、タイトルでもある 「プラスチック 100 年」(目 次 6)のメインとなる回とした。 2-5.第4回レクチャー まず、1907 年に誕 生 した世 界 初の合 成プラスチック 最 終 回は、目 次 12~14の解 説を行った。 「ベークライト」開 発 したベー クランド 博 士 の 人 となりを 現 在は、素 材としての特 徴だけに留まらず、さらに機 紹 介 し(目 次 7)、次 いで合 成 方 法 、特 徴 、利 用 (目 次 能 を 持 たせ た 高 分 子 が 誕 生 している 。そ の 例 と して、 8)について解 説 した。レクチャーに説 得 力 を持 たせる 2000 年 、白 川 英 樹 博 士 のノーベル化 学 賞 受 賞 の理 ため、ベークライトの特 許 資 料 や商 標 登 録 、当 時 の製 由 でもある導 電 性 高 分 子 、水 を吸 収 し圧 力 をかけても 品などを交えながら解 説を行 った。 水 が染 み出 さない吸 水 性 ポリマーを紹 介 した。後 者 に さらに、ベークライトが普 及した理 由 であるベークラン ついては実 験も行った(目 次 12-1)。 ド博 士 の「広 報 力 」と、画 期 的 な素 材 としての「利 用 - 174 - また誕 生 から 100 年 を経 た現 在 、大 量 生 産 、大 量 アフタヌーンレクチャー「プラスチック 100 年-化学とライフスタイル-」実施報告 消 費 に よるいくつかの 課 題 について紹 介 した。多 くの 回 答 数 は、37項 目 、のべ82点 であった。自 分 の身 人 が関 心 を持 っているリサイクルについては、PETボト の回りにあるもの、家 庭 で実 際 に使っているものを挙 げ ル、発 泡 スチロールを例 に挙 げ、リサイクル方 法 、再 生 たようなものが多く、しかし、レクチャーの参 加 者は素 材 量 、関 連 法 案 などについてデータを基 に解 説 した(目 を見 分 ける力 を持 っていることがわかる。なおPP(ポリ 次 12-2) 5)6) 。ここでは、第2回のレクチャーで解 説 した 各 プラスチックの種 類 (化 学 名 )を使 いながら主 要 なプ プロピレン)、PVC(ポリ塩 化 ビニル)はプラスチック製 品 でなく種 類 であるが、ここではそのまま載せた。 ラスチックの略 記 号 についてしっかりと押 さえ、種 類 を この結 果を踏 まえてレクチャーでは、答 え上 がらなか 見 分 け、分 子 レベルでのリサイクルの重 要 性 を伝 えた。 った、聴 講 者 としては意 外 な使 われ方 の例 も積 極 的 に また、廃 棄 のひとつの解 決 策 とも言 える生 分 解 性 プラ 紹 介するようにした(海 遊 館 の水 槽 、医 療 関 係 など)。 スチックについて、合 成 法 、利 用 例 、利 点 と課 題 につ いて解 説した(目 次 12-3)。 Q2.プラスチックの悪 いところだと思 う点 を3つ挙 げて 最 後 に、環 境 のためにリサイクル、とよく言 われてい ください。 るが、それ以 前 に不 要 なものは買 わないことや繰 り返 し 回答 回答数 割 合(%) 14 21.9 11 17.2 10 15.6 使 うことなど、消 費 者 レベルで貢 献 できる対 策 (3R)を 燃やすと有 毒 ガスがでる 紹 介 した。今 回 のレクチャーの内 容 :プラスチックの歴 腐 ら な い ・ 分 解 さ れな い ・ 自 然 史 、化 学、利 点 弱 点を理 解 した上 で、今 後 100 年のプ にかえせない ラスチックのあり方 を一 消 費 者 として考 え続 けてほしい 熱に弱い と希 望し、締めくくった。 割れやすい・傷つきやすい 7 10.9 廃 棄 処 分に困る 5 7.8 2 3.1 1 1.6 3 . プラスチックに プラスチック に 対 して持 して 持 つ 意 識 調 査 再 生できない、薬 品に弱い 講 義 を始 めるにあたり、一 般 市 民 である聴 講 者 が、 変 形しやすい・元に戻らない プラスチックに対 して、どのような意 識 、イメージを抱 い 環 境 汚 染、光(紫 外 線)に弱い ているかを 知 ることは、その 後 の 進 め方 を 左 右 する重 燃やすとくさい、臭 いがつく 要 なことであると考 えた。そこで1回 目 の講 義 において、 色 が変 わる、長 年 使 用 できな 何 も説 明 しない最 初 の段 階 で意 識 調 査 に協 力 してい い ただいた。設 問とその答 えは、以 下のとおりであった。 原 油を材 料に使っている Q1.プ ラスチッ クでできていると思 うものを3 つ 挙 げて とける、もえる ください。 回 答 数 は、17項 目 、のべ64点 であった。他 の質 問 回答 回答数 割 合(%) 10 12.0 かる。最 も多 い「燃 やすと有 毒 ガスがでる」については、 食器類 9 10.8 レクチャー以 外 の来 館 者 と直 接 会 話 する機 会 にも、よ 洗 面 用 具(洗 面 器・歯ブラシ) 5 6.0 く質 問 される事 項 であり、経 験 と一 致 する。この結 果 を 玩具 4 4.8 踏 まえてレクチャーでは、「有 毒 ガスの発 生 」について 各3 3.6 ペットボトル タッパ、ストロー、ラップ、めがね 塩ビ管、ボールペン、衣 類 の正 しい理 解 のために、プラスチックのさまざまな種 類 とその 分 子 構 造 等 を説 明 し、有 毒 ガス(例 えばダ イオ キシン、塩 素 系 ガス)が発 生 の条 件 と実 情 について解 料 理 用ボール・ざる、弁 当 箱 トレイ、カード、電 話 機・携 帯 より比 較 的 項 目 が少 なく、集 中 した印 象 があることがわ 各2 2.4 説を行った。 また、「 腐 らない・分 解 されない・自 然 にかえせない」に 消しゴム、衣 装ケース・整 理 箱 ポリ袋 ついても、生 分 解 性 プラスチックの例 を紹 介 し、課 題 の解 スプーン等の使い捨て食 器 決 のために研 究 ・応 用 が進 んでいることを紹 介 した。ただ 卵パック、ゴミ箱、ファイル し生 分 解 を優 先 するためにリサイクル しにくい、長 持 ちし 発 泡スチロール、車のボディ 家 具、本立て、定 規、下 敷 にくいなど本 来 のプラスチックの利 点 を後 回 しにしている 各1 1.2 ことも合わせて解 説した。 はし、ボタン、フィルムケース フラフープ、ハンガー 色々な生 活 用 品、PP、PVC - 175 - 岳川 有紀子 Q3.プラスチックのいいところだと思 う点 を3つ挙 げて ・自然にやさしいプラスチックに期 待している ください。 ・種類によって使い方や処 理 方 法が違うこと 回答数 割 合(%) ・急 速 に広 まり便 利 になった半 面 、さまざまな問 題 も生 れ 成 型しやすい(可ソ性を含む) 20 たが、上 手 くつきあうさまざまな可 能 性 があることがわか 軽い 14 21.9 20.3 10.1 7.2 5.8 2.9 回答 安い 7 強度 5 多 量に出 来る 4 水を通さない 2 ってよかった ・これまで自 分 が有 機 化 学 に関 わっていたのは人 類 に本 当 によかったのかどうか疑 問 だったが、利 用 方 法 を 探 る思 考が必 要なんですね ・もっとリサイクルで資 源を大 切にしたい ・化学 式の向こうに存 在する真 実 手 軽、新素 材、腐 食しにくい ・これを機 会にもう少し勉 強したい 機 械 的に強い(常 温で) ・いろいろな利 用 法と問 題 点 を知ることができた 熱を加えれば再 利 用ができる ・廃棄 処 分について、分 別 収 集は大 変 難 しいかと思 う 熱に強い、透 明、カラフル ・プラスチックは便 利 なものであるが、今 後 はリサイクルな 色々な素 材 のもとになれる 他の物 質と混ざりにくい 各1 どで捨 てられるものを減 少 す る必 要 があ る。使 用 後 の 1.4 取り扱いの容 易なプラスチックの開 発が必 須と考える さびない、弾 力 性がある ・プラスチックに歴史 があるということ あらゆるものに利 用できる ・種類が多 い(性 質)ということ ガラス(レンズ)の代わりになる 回 答 は以 上 19件 で、プラスチックを使 った後 のリサ 金 属(鉄など)の代 用にもなれる イクルや3R(循 環 型 社 会 のキーワードとされる Reduce 傷がつきやすい、熱に弱い Reuse Recycle を指す)など環 境 負 荷への対 策に関す 回 答 数 は 、2 3 項 目 、の べ6 9 点 であった。最 後 の 2 項 目 「傷 が付 きにくい」「熱 に弱 い」については、ネガテ ィブな性 質 であり回 答 者 が間 違 った可 能 性 も考 えられ るが、ここでは回 答をそのまま挙 げた。 る指 摘 が多 い。これは、もともと関 心 の高 い事 項 である とともに、最 終 回 のテーマがリサイクルなどの話 題 だっ たことも影 響 しているのではないかと考 える。あるいは、 プラスチックの長 所 短 所 を理 解 した上 で対 応 する必 要 これらの「いいところ」を残 しつつ、Q2の「悪 いとこ ろ」を解 消 するための方 法 を、今 後 考 えみようという課 題を聴 講 者に残すことにした。 性 があることも書かれている。このレクチャーを通して聴 講 者 に期 待 することとして、メリットデメリットを科 学 的 に 理 解 した上 で、消 費 者 自 身 がプラスチックの将 来 につ いて考 え 、判 断 する 力 を 持 つための機 会 とすることが 4 . プラスチックに プラスチック に 対 する意 する 意 識 変 化 と 考 察 できたと考える。 最 終 回 の第 4回 の講 義 が終 了 したところで、聴 講 者 へのアンケートを行 い、講 義 の理 解 度 、効 果 等 を調 べ た。7つの設 問 のうち、2つについてのコメントは以 下 の とおりである。 Q.もう少し詳 しく聞きたかったこと ・レクチャーの時 間 が短いと思う ・盛りだくさんで、どれもこれももっと聞きたい Q.プラスチックに対する考 え方 が変 化したこと ・講 義が早かったので完 全には理 解できなかった ・長 所 短 所 をよく人 間 が良 識 を持 ってコントロールしなけ れば、人 類 の将 来 を危 険 にさらすことになりかねない。 ・表をもう少 し拡 大して見やすくしてほしい ・プラスチックを食 べたら胃 酸 と混 ざって化 学 反 応 があ そのために、3Rは小 さいようで大 きな結 果 に繋 がり得 るので、各 人が日 頃 心に留めるべきである。 るか知りたかった ・化 学 反 応のしくみ ・ 燃 やすと有 毒 ガス がでるという 悪 いイメージが強 かった が、画 期 的な発 明であったということを改めて感じた。 ・プラスチックの分 類(性 質 上 の)がわかりにくかった ・プラスチック103種 類の全 てについて各 々の紹 介 ・各 自 治 体 ・メーカー・利 用 者 は分 別 をするシステムの充 実 をする必 要 がある・プラスチックの長 所 と短 所 を理 解 して利 用する必 要がある ・他の素 材との違い(JIS規 格など) ・それぞれのプラスチックの製 造 法やリサイクル方 法 ・合 成ゴム(タイヤ)の製 造 工 程 ・3Rをよく頭に入れてこれから生 活していきたい ・プラスチックのリサイクルに極 力 協 力 していたが、混 ざる とリサイクルできないものもあるということ ほと ん ど の 普 及 教 育 活 動 で は 、対 象 が 子 ど も か 一 般 市 民 であるため、化 学 反 応 や構 造 式 を紹 介 すること - 176 - アフタヌーンレクチャー「プラスチック 100 年-化学とライフスタイル-」実施報告 はないので、今 回 は様 子 を伺 いながら使 い、難 しかっ 参考資料 たのではないかと心 配 していたが、上 記 のコメントでは、 [1]岳 川 有 紀 子「『プラスチック 100 年』に関する調 査 報 時 間 があれば、もっと積 極 的 に反 応 式 を使 い、化 学 的 告 (1)-1907 年 前 後 のプラスチックに関 係 する8つの な側 面 についてももっと詳 しく解 説 してもよかったのか 文 献-」大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 16 号(2006)p41 もしれない。また、6時 間 でのレクチャーだけでは理 解 [2]岳 川 有 紀 子「『プラスチック 100 年』に関する調 査 報 のための時 間が足りないと思 い、適 宜 参 考 文 献 を紹 介 告(2)-1907 年 前 後 のプラスチックに関 係する 16 点の したりホームワークとしての課 題を与 えたりしたが、実 際 資 料 と 利 用 - 」 大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 16 号 にやってくる方 は毎 回 1、2名 であった。もっと詳 しく知 (2006)p49 りたい、というコメントが多 いが、自 分 で勉 強 するという [3]高 分 子 学 会 「日 本 の高 分 子 科 学 技 術 史 補 訂 版 」 よりは、教 えてほしいという受 身 の気 持 ちの方 が強 いの (2005)p84,p125 ではないかと思 われる。 [4]住 友 ベークライト株 式 会 社 「住 友 ベークライト社 史 」 毎 回 積 極 的 な 聴 講 ・ 質 問 があ り 、最 終 回 ま で 参 加 (昭 和61年)p8 者 数 もほとんど減 ることがなく、プラスチックに対 する関 [5]飯 沼 和 正 ・菅 野 富 夫 「高 峰 譲 吉 の生 涯 」朝 日 新 聞 心の高さを伺 わせた。今 後もプラスチックの化 学と歴 史 社(2000)p274 について、一 般 市 民 の更 なる理 解 と普 及 のための、活 [ 6 ]PET ボ ト ル リ サ イ ク ル 推 進 協 議 会 ホ ー ム ペ ー ジ 動を企 画し、続けていきたい。 http://www.petbottle-rec.gr.jp/top.html [7]発 泡スチロール再 資 源 化 協 会ホームページ http: //www.jepsra.gr.jp/ - 177 -