Comments
Transcript
- 資料 1 - 資料 構成的グループエンカウンター( Structured Group
資料 構成的グループエンカウンター( Structured Group Encounter 、以下SGEとする) SGEは、活用の目的、場面及び参加者の状態(意欲、体調等)に応じて展開できる上に、プログラ ム化することで熟練者でなくてもリーダーになることができる。 その意味では、リーダーはまず基本的なエクササイズを多く知ると同時に、学期始めや朝の会・帰り の会など、学校生活でのいろいろな場面に応じた様々な展開例も把握しておきたいものである。 なお、SGEを単発的な取り組みにとどめず、教科指導、学級経営、進路指導等の学校教育全体で計 画的に取り組むことが大切である。 実施上の留意点 ① 参加者一人一人を尊重する姿勢で、何事も強制しないこと。 (SGEでは、話したくなかったら話さなくてもいい。みんな違ってそれでいい。結果は違っ てそれでいい。それをスタートにしたい。) ② 参加者が感情表現しやすいように、リーダー自らが積極的に自己開示し、柔らかな言葉遣い や表情に配慮すること。 (現在の気持ちを今ここで率直に話す。) ③ エクササイズについては、参加者の実態をしっかり把握し、内容や進め方等を創意工夫する こと。 ④ 参加者のリレーションを高めるという目的に基づいた最低限のルールがあることを自覚し、 活動を見守ること。 (守秘義務を守る。話したくないことは話さなくてよい。教師は治そうとするのではなく、分 かろうとすることが大切である。) ※ SGEは、一定の枠をつくり、その中で行動することにより、自己規制による自己防衛を和 らげることをねらいとしている。 SGEの導入に当たって ① エクササイズを始める前に、守らなければならない約束事を伝える。 ・ できる限り恥ずかしがらず自分の感情や意見を伝えることを試みる。 ・ 他者の意見を非難しない。また評価するのではなく「あなたはこう思っている。でも私は こう思うよ」というように、自分の感情や考えをそのまま伝える。 ・ ロールプレイ形式の場合、最後に「これでエクササイズを終了します。今までの役も終了 です」と役割を解く。 ・ 自己開示によって互いが知ったことについては「他に言いふらしてはいけません」「おも しろ半分に話してはいけません」と秘密を守ることをしっかり伝える。 ② プログラムについて プログラムは3つのプロセスからできている。 ・ 導入のエクササイズ・・・心身の準備運動(ウォーミングアップ)で、場の雰囲気を和ま せることをねらう。 ・ メインのエクササイズ・・プログラム全体の中心となる。 ・ 振り返り・・・・・・・・1つのエクササイズが終わるごとに、参加者の自己理解と他者 理解を深めるために、振り返る場を設定する。 ※ エクササイズの選び方 数多くのエクササイズが紹介されている。初期の段階では「このクラスでは、あなたを傷つ ける者はなく、安全だ」というメッセージが届くエクササイズにし、その後、徐々に深い洞察 や他者理解が促されるようにプログラムする。 - 資料 1 - 小学校4年生に実施した継続的なエクササイズの計画 回 エクササイズ 自 己 肯 定 感 学 級 適 応 感 法 7∼8人で円座。手拍子に合わせ役名を呼 び、次の人を指名する。途切れないよう協 力して続ける。 2 友だち紹介 普段あまり親しくな い人ともっと知り合 う。 2人組をつくり、お互いのことを質問しあ う。メモをもとに、パートナーのことを全 員に紹介する。 3 聖徳太子ゲーム 一人でできないこと も協力し合えばでき る体験をする。 数人の子が1人1音ずつ一斉に発生する。 周りの子は何の言葉か、よく聞いて当てる。 4 目かくしジョギング 人への思いやり、信 頼の大切さを体験・ 学習する。 7∼8人のグループで、目かくしして歩く。 友だちが指名した相手にたどり着くよう、 声で助ける。 5 ほめあげ大会 クラスの友だちみん なを肯定的に見られ るようにする。 相手の長所を5つ見つけて紙に書く。互い に交換し、自分に合っているか、自己評価 する。 6 出会いを大切に クラスの友だちの、 今までとは違うよさ を発見する。 ペアの友だちの、出会った頃の印象と今の 印象をカードに書いて交換し、話し合う。 7 してもらったこと してあげたこと 人とのかかわりの中 で生きてきた自分に 気付く。 今まで人にしてもらったこと、してあげた ことを思い出して書く。4∼5人の班で話 し合う。 8 あなたの○○が好き です お互いのよいところ を伝え合い、自尊感 情を高める。 2列になって向かい合い、相手の長所を交 代して言う。1分くらいを目安に次のペア に移る。 9 私はわたしよ 自分の個性に誇りを もち、他人も尊重す る。 自分の個性や他の人にはない経験を3つ書 く。全員分を教師が読みあげ、だれのもの か当てる。 10 がんばり賞あげよっ と 友だちのよいとこ ろ、すばらしいとこ ろを認め合う。 友だちのがんばったことに賞を贈る。4∼ 5人の班で、それぞれの賞を話し合って決 める。 や り 方 楽しさを味わう。和 やかな雰囲気をつく る。 思 い い ご指名です 拡 大 ら 1 輪 の ね ※ グループの人数は、発達段階や内容に応じて適宜決める。アレンジの仕方によっては、クラス全 員でもできる。 ※ 引用文献:学級担任のための育てるカウンセリング全書第2巻サイコエジュケーション 國分康孝編(図書文化) - 資料 2 - 構成的グループエンカウンター年間計画モデル(中学校) 1 年 生 2 年 生 3 年 生 目 標 「村」・「島」意識の解消。 入学の不安を分かち合う。 リーダーシップ・フォロアー シップをはぐくむ。 新しい仲間は一人一人によ い印象・イメージをもつ。ク ラスよりは学年カラーをつ くる。 学年カラーとのバランスを 図りつつ、学級集団の中で ワンネスとアイネスを体験 する。 生 ・X先生を知る Y/N クイズ ・君はどこかでヒーロー ・君はピッタシ(係決め) ・PR大作戦(他者紹介) ・二者択一 ○ブラインドウォーク ○共同絵画 ・私は私が好きです。なぜ ならば・・・ ・意外なあなたを発見 ○ディスカウントとストロ ーク ・通知表をめぐる親子の会 話 ・素敵なあなた・素敵なわ が子 ・わが子の将来を語る 目 標 相互理解、教師への理解を 促す。学年カラーをつくり ながらクラスカラーをつく る。 夏休みを終えた生徒を学校 に取り戻す(近づける)。グ ループの凝集性を高める。 進路への思いを分かち合う。 個性への意識を高める。 生 ・ひと夏の経験 ・はじめてのデート ・マジカルほめ言葉 ・私の四面鏡(役員選挙) ・私の得た宝物(合唱) ・ブラインドデート ・自分さがし(エゴグラム) ・私のしたい 10 のこと ・無くて七癖 ○月世界 ○月世界 ○身振り手振り「新聞紙」 ・ディスカウントとストロ ーク ・親のエゴグラム ・受験生をもつ親の気持ち 目 標 今のクラスメートにとらわ れずに、発展的な人間関係 づくりをする。 相互信頼をもとにして、共 感的な自己主張ができるよ うにする。 今のクラスメートにとらわ れずに、高校で発展的な人 間関係づくりができる準備 をする。 学 生 ・気になる自画像 ・私の職業と価値観 ・どう接すればいい? ・25 歳の私からの手紙 ・別れの花束 期 徒 ・考え方をチェンジ! ・私が学校に行く理由 ・川遊びのプラン ・パスカルしよう(心理テ スト結果のフィードバッ ク) 1 学 徒 期 親 2 学 徒 期 親 3 ○森の何でも屋さん 親 ※ ※ ・ブラインドウォーク ○思い出を歌おう ・親の子ども理解(上記の 心理テストの結果を活用) ○印は、急な空き時間に前後の脈絡にとらわれず実施しやすいものを示す。 引用文献:エンカウンターで学級が変わる(中学校編) 國分康孝(図書文化) - 資料 3 - ○小学校低学年向きのエクササイズ○ 《朝の会に何回か続けて使えるエクササイズ−いろいろシリーズ》 ・ シリーズのねらい:漠然としていた自分の好みを段階的にはっきりさせ、自己理解を促進させ 自分と似た好みをもつ友だちや違う友だちの存在を知り、互いの理解を深 め合う。 「色いろいろ」 準備=画用紙8枚 場所=教室、机や椅子を廊下に出す 展開=①あらかじめ教師が設定しておいた4つの選択肢(赤・青・黄・白)の中から自分にぴっ たりする色を選び、そのコーナー(窓に画用紙を掲示しておく)に移動する。 ②同じ窓に集まった者同士で、選んだわけをインタビューし合う。特にわけがなくてもよ いことを伝える。 ③教師のリードで全体でシェアリング(窓の代表者数人の発表)をする。 ④4つの選択肢の色を変えて、窓さがしをする。その時の色は、子どもたちの好みに合わ せたり(ピンク・緑・オレンジなど)すると、盛り上がる。 ⑤1回目と同様、選んだわけをインタビューし合う。 ⑥全員で教室の中央を向いて大きな円になり、仲間集めをする。しゃべらないで、同じ色 の窓にいた友だちを探すことを伝え、そろったと思ったら座る。 ⑦まず1回目の色の仲間集めをする。うまくそろったら、みんなで拍手する。2回目も同 様にする。 「かたちいろいろ」 「色いろいろ」と同様に、○・△・□・☆など、いくつかの形を選択肢として設定し活動する。 他にも「動物」「食べ物」「スポーツ」「季節」「テレビ番組」など、子どもの好みに応じてアレンジ することができる。 ○小学校高学年向きのエクササイズ○ 《短学活や授業の始めに》 「鏡の国の私」 ねらい=他者理解 準備=なし 場所=教室 展開=①前後左右で4人組にする。隣同士で向かい合い、一言もしゃべらず、どちらか一方の人 の体をその場で1分間自由に動かす。 ②もう一方のペアがその動きを鏡のように真似をする。相手が嫌がるような言動をしない などルールも説明する。顔を合わせられない子には、首から下の動きでもよいことを伝 える。 ③その後、教師と指名した子の二人でモデリングをする。真似をする方とされる方はジャ ンケンで決め、終了後役割を交代する。これで1セット。 ④同様に、前後斜めでペアを決め、繰り返す。3セット終了後、シェアリングをする。 ○中学校向きのエクササイズ○ 《初期的な段階のエクササイズ》 「ネームゲーム」 自己紹介用のエクササイズ。10∼15人を1グループにする。スターターが自分の名前を名乗 り、右隣の人が「○○さんの隣の△△です」と名乗る。3人目は「○○さんの隣の△△さんの隣の □□です」と名乗り、次々と紹介していき、スターターに戻り全員の名前を間違わずに言ったとこ ろで拍手する。次に名前と趣味、名前と特技、名前とみんなに言ってもらいたいあだ名など、同様 に進める。 - 資料 4 - 「イメージゲーム」 ある程度慣れ親しんだグループでやるとよいエクササイズ。10人前後で1グループとする。鬼 を1∼2名決めて場を外してもらう。残った人の中で「答え」になる人を選ぶ。鬼を呼んで答えを 当ててもらう。鬼は「その人を例えるとどんなですか」と聞きながら答えを探す。例えには、動物、 季節、花、風景など何でもよい。鬼の問いには、できるだけ全員が答える。いろいろとアレンジす ることができる。 《中期的な段階のエクササイズ》 「トラストウォーク」 2人1組になる。一人は目隠しをするか目を閉じる。もう一人がその人と一緒に歩き回る。広い 場所を自由に歩き回るのもよいし、集団の中を歩き回るのも面白い。 「マッサージ」 肩をたたく。相手の腕を振る。手のひらをもむ。他、いろいろ。 「人間知恵の輪」 10人くらいから楽しめる。鬼を1∼数名決めて、しばらく外してもらう。残った人は全員手を つないで、腕や体をくぐったりまたいだりして絡まる。鬼を呼んで、解いてもらう。 《後期的な段階のエクササイズ》 「名前の由来」 学級単位でも少人数でもできる。自分の名前の由来、名付け親のこと、名前に込められた意味、 親や兄弟の名前との関係、自分の名前についての感想などを調べたり考えたりしておく。これを話 題に話し合う。 「私の成功物語」 少人数の方がやりやすい。自分の人生の中で「やった」という思いの強いこと、スポーツの分野 で好成績を挙げたこと、何かの資格を取ったこと、楽しかったことなどをじっくりと思い出す。何 日か前に提案しておくとよい。これを書き出し、一定の時間を決めて発表する。 「わたしのPR」 一種のロールプレイとしても使える。実在の人物でも想像上の人物でもよい。一人の有名人を選 び、その人になりきる。そして、活動資金を得るためと称して、あるいは一般の支持を得るため、 有名人としての自分をPRする。演説の時間を適当に決め、演説が終わった後、投票で一人を決め る。 「わたしはこれ」 箱の中に好きな花、好きな季節、好きな色、好きな車等を選択肢として3∼4個記入したカード を入れておく。一人が箱の中からカードを取り、その理由を説明する。説明の時間は3分程度にす る。少人数のグループの方が分かりやすい。 - 資料 5 -