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東海豪雨の教訓から学ぶもの - NHRI 名古屋流域圏水理研究院
水災害 ←水循環(気象/降水→流出・制御) 洪水・浸水災害 渇水被害 生態系リスク 東海豪雨の教訓から学ぶもの 平成22年度防災講演会 洪水・浸水被害 大雨→地先に湛水→内水氾濫 気象庁(台) (下水道等) 雨水排除インフラ←市町 大雨→河川に流出→洪水流→溢流・破堤→外水氾濫 (ダム・遊水地)(堤防) 治水インフラ←河川管理者 水防活動(インフラ機能維持) 2011年3月16日,名古屋市熱田消防署 名古屋大学大学院工学研究科 発災 氾濫(ハザード) → 人命・財産の被害(リスク) (公共土木災,一般資産災) ↑ 防災力(ハザードマップ認識) 防災対応(避難) ←避難勧告・避難所経営←市町 辻本 哲郎 ←救援 ←市町 ←復旧・復興 内水・外水で対象とする「雨の質」が違う! インフラ整備による「防災安全度」規模 計画←確率統計的 局所的・瞬間的(時間雨量)→内水氾濫 (排水路へ導入,河川などへ排水) 下水道網 排水機場 流域規模・(一雨)累積雨量→ 基本高水→ 河川流量※ (洪水流出) 外水 流域累積降雨→河川流量(←ダム,堤防) 基本方針(長期計画)→整備計画(20~30年) 一級河川 大都市で1/200,県庁所在地1/150 二級河川 内水 地先時間降雨 ←雨水排除:下水道(都市) 施設計画←1/10 (50mm/時間,60mm/時間) (洪水調節) ダム・遊水地(ピークカット) 堤防 ※河川流量→河川水位 →溢流 →外水氾濫 流速 →破堤越流 流域規模←水系治水 地先対応←地先治水(とくに輪中堤や宅地嵩上げなど) 整備段階での「計画」までの進捗遅れ ↓ 浸水想定 内水・外水 ↓ 「ハザードマップ」 →緊急時対応=たとえば安全な避難や減災 超過外力 ←計画を超える規模 異常豪雨 ←計画対象外 ハードな備えに依存した ソフトな対応 「ハザードマップ」に見る地域の安全度 水系治水←「河川の治水計画」 基本方針(長期的目標) 整備計画(20~30年で達成) 内水氾濫ハザード 地先に降る雨で1時間程度の時間スケールで 10年に一度程度これくらい浸水→何に困るか? 外水氾濫ハザード 大河川(中小河川は?)はダム・堤防で 地先を流れていないし,離れていても ある程度守られているが,100年に一度程度の雨だとこれくらい浸水 →避難が必要 堤防を越水したり破堤のおそれのあるとき→ポンプ停止 (水位が危険なレベルを超過) ↓ 内水を助長 遊水地 内水排除 (ポンプ) 氾濫原 (都市域) 洪水調節施設 計画 既設 計画規模 「ハザードマップ」→情報提供 対象:住民,市町の長,水防団,都市計画・開発者 時に臨んで 普段 ダム群 計画対象区間 「雨」で確率規模(再帰年) →「流出解析」して得られる「基本高水」 (地形・土地利用) 洪水調節(ダム・遊水地)後の流量→「計画高水流量」 基本方針の計画規模(←社会資本整備審議会) ←河川・流域面積のサイズ,人口・資産 大都市:1/200,県庁所在地:1/150,その他の直轄:1/100 整備計画(←流域委員会などの意見) ←災害経験,整備進捗,住民・地域行政,財政状況, 既往最大,... 1/30~1/50程度? 現状 しばしば,堤防整備進捗率 洪水疎通能(流量)の確率規模 1/10~1/30程度? 「堤防」が治水の目安 土構造の盛土 堤防の点検 堤防天端-余裕高さ=「危険水位」 必ずしも正確な表現ではない これより以下の水位を安全に流すように管理 →「計画高水位」HWL →この水位以下で「計画高水流量」を洪水を安全に流す. 治水計画の推進 伊勢湾台風(1959) 治水事業の計画途上 台風・梅雨前線豪雨 ・異常→ゲリラ豪雨(局所的集中豪雨など) ・超過→ これらには対応できない. →治水インフラの破綻 ダム→但書き操作,堤防→溢水・破堤 ポンプの運転停止,排水不良 豪雨災害 ↓ への 水災危機管理(ゲリラ豪雨対応,超過洪水対策) ソフト対応 治水計画の進捗の遅れ→顕在化 住民に危険を認識してもらって,避難対応などを期待 多様な水災害 ←長良川水害(1976) 治水計画の進捗遅れへの対応 東海豪雨(2000) →「都市型水害」の課題:都市の水災脆弱性 台風10個上陸(2004) 新潟豪雨・福井豪雨,台風21~23号など →地域の防災力の弱体化 ↓ (災害要支援者) ハザードマップの作成 (整備の現状での基本高水状況での「浸水想定」) 水防法改正 ソフト体制とハード整備の一体化 超過洪水対応 ハリケーンカトリーナによるニューオリンズの水没 (2000人の犠牲) →「スーパー伊勢湾台風」 →広域大規模避難 「東海ネーデルランド高潮洪水危機管理行動計画」 ゲリラ豪雨 治水計画 ←統計的に決められた「確率規模」の流量へ対応 ダム・遊水地,連続堤防からなるシステム ↑ 統計的均質母集団を構成する「標準型降雨標本」 都賀川(神戸),伊賀川(岡崎),その他 地域のゲリラ豪雨落とし穴 1959年 伊勢湾台風 ←ゼロメートル地帯,5000名以上の死者 1976年 長良川水害(安八破堤) ←大河川の破堤 2000年 東海豪雨 ←内水と外水連動・都市型水害・ 大きな一般資産災害(7000億円) 恵南豪雨 ←山腹崩壊,ダムの但し書き放流 2004年 新潟豪雨,福井豪雨,宮川,台風23号(由良川,円山川) ←10個の台風が上陸,中小河川破堤,200名を越す死者 2005年 ハリケーンカトリーナ(ニューオリンズ水没) ←高潮,千数百名の死者,特殊堤の破堤 →スーパー伊勢湾台風(広域水害対応) 2008年 局所集中豪雨(伊賀川,都賀川) ←ゲリラ豪雨 2009年 佐用豪雨 ←避難の難しさ(災害時の行動) 矢作ダム 2000年恵南豪雨 東海豪雨時の新川破堤 2000年東海豪雨, 名古屋都市圏水没 被害総額は7000億円(一般資産災が95%) 破堤と雨水排除不良による氾濫と浸水 破堤 氾濫シミュレーションの精度検証 痕跡結果 Monitored Calculated 計算結果 地下鉄駅も 水没 「ゲリラ豪雨」による悲惨な災害はなぜ起こるのか? 一定レベルの治水インフラストック さらに進化する情報(内容の充実と手段の充実) 抵抗力増加 治水インフラ整備の進捗の停滞 ←効果発揮の困難な部分が脆弱なまま残存 (B/C,環境,合意) ←財政的制約 ←公共事業の進め方(政策決定,合意) 減災機能の減少←都市構造・社会構造,個人特性 ← 水防組織(防災組織)の弱体化 ←水害に脆弱な都市構造(地下施設) ←避難の困難さ ←社会 ←個人 ←行政 ←都市構造 地球温暖化(気候変化)に伴う極端現象の激化 伊賀川(岡崎市) 都賀川(神戸市) 抵抗力増進が 期待できない 抵抗力の減退 外力増加 様々な水害(多様化する水害)に見舞われてきた! 伊勢湾台風(1959) 低平地に位置する都市圏の 広域大規模水害 ハリケーンカトリーナ(2005) 超過外力(スーパー伊勢湾台風)による広域大規模水害 ↓ 統制のとれた避難(自助・共助では間に合わない) 東海豪雨(2000) 都市の脆弱性をつく 水災 都市災害対策の徹底が課題 実は,破堤,ダムの但し書き放流などの抜本的課題も.. 豪雨災害(2004) 治水インフラ破綻状況への対応 避難体制←情報伝達 避難勧告,水防体制.....住民対応(自助・共助) ハード整備とソフト体制の確立 ゲリラ豪雨(2008) 局所集中豪雨時の 都市に潜む落とし穴 情報伝達が今のシステムで間に合わない Xバンドレーダーなどでのリアルタイム情報・予測の提供 避難戦略がとれるか? 2000年9月東海豪雨 ←「忘れない!東海豪雨」冊子・DVD (1)未曾有の豪雨 100mm近い時間降雨(雨量強度) →内水氾濫 ←雨水排除(下水道) 500mm近い累積降雨(一雨降雨) →洪水流量 →外水氾濫 ←治水対策(ダム・堤防) 水防災インフラ整備の目安 (2)大きな河川流量・内水湛水 早い流出→ピーク流量の先鋭化,湛水>排水 ↑ (排水区への流入) 丘陵地の開発・都市の舗装化 (雨水浸透・貯留効果の劣化) 水害に対しては,「敵対的」土地利用 名古屋都市圏の水災脆弱性とその減災 計画レベルの豪雨での外水・内水連動災害時 ←治水・雨水排除インフラ整備 都市の構造的脆弱性 都市の社会的脆弱性 ←「東海豪雨」 超過洪水時の都市圏を含む低平地広域大規模水害 (ゼロメートル地帯) 気象予測→水害予測→被害想定 危機管理行動計画 ←「スーパー伊勢湾台風」 (東海ネーデルランド高潮洪水地域協議会) ←「伊勢湾台風」,「ハリケーンカトリーナ」 局所集中豪雨の都市に潜む危険 要援護者,親水活動の被害, Xバンドレーダーの効用 ←ゲリラ豪雨「岡崎豪雨」 (3)水害脆弱地の土地利用 低平地 急傾斜地 遊水地的空間 自虐的土地利用 敵対的土地利用 (4)治水インフラ整備の進捗遅れ 堤防整備率が低いまま 計画高水位+余裕高→堤防高さ 必要な断面←浸透破壊への対応 治水への理解が得られない! ↑ (安全な空間が増えた,公共の意識欠如) 治水財政難 土地収用困難 (堤外地の占用など) 災害後は,激甚災害対策特別事業などで進む. (すでに被害が出て,さらに治水投資) (5)複雑な治水システム 整備の途上,歴史的背景,複合システム (6)都市構造の水害危険性 地下施設 排水機能....集水過程に無関心 複合体の安全度 路面の不浸透 脆弱な部分へ一気に流入,深刻な湛水 下水道施設 上流端:雨水枡管理 下流端:排水機上+貯留池 (7)都市構造の湛水脆弱性 ライフラインの湛水脆弱さ ライフラインのどの部分か(経路,動力源,供給NW) ↓ (8)都市の生活様式の水害脆弱さ 日常生活のライフライン依存性 上下水道 交通・通信 (8)都市の生活様式の水害脆弱さ 生活備品の水害脆弱性 (11)低平地での営業展開の脆弱さ 水害の確率の高い空間での営業様式 商品,製品・材料などのストック 製造ラインの湛水脆弱さ ↓ 一般資産災の膨大化 畳,カーペット 電化製品(PC,冷蔵庫→中味) ↓ (9)膨大な水害ごみ (10)都市生活における水害対応(とくに避難)の弱点 職住不一致(家族の分散と共同意識) さまざまな類型の人間が減災対象 異なる行動様式 住人,営業,顧客(商業・娯楽・交通) 近隣に無関心 .....必ずしも悪いことではない 「田舎」的なつきあいへの郷愁, プライバシーへの関与の鬱陶しさ →現代的・都会的なつきあい 避難のきっかけ 要援護者避難 「共助」が困難? 新しい「共助」の仕組 (12)公共に生きる行動様式 河川敷・堤防の占用 堤防道路とその河川側へのアンダーパス 堤防道路上の不法駐車 →水防,救援・支援活動の妨害 被災地と被災を免れた地域の付き合い 東海豪雨に代表される名古屋の水災 →名古屋の水災害脆弱さとその克服 様々な問題がそれぞれは大きくなくても複合して深刻な脆弱さを 生んでいる. ↑ 脆弱さやそれをもたらす問題点が顕著な事例を調査することは 有意義 →2009年「台風オンドイによるマニラ水害」の調査 2010年3月現地調査 マリキナ川 計画流量(2900m3/秒)を上回る洪水 (5000m3/秒) プロビヴィントヴィレッジ(富裕層居住) で被災(3m以上の湛水) ←堤防を溢流・一部破堤 →逃げ道困難(防犯対応) マンガハン放水路 2400m3/秒放流計画を上回る流量 →放水路に沿った不法居住の貧困層 住宅が冠水 →放水路に沿った道路等に避難(自助・共助) ←警報装置は機能せず ラグナ湖沿岸(低湿地)の長期湛水 辻本哲郎・戸田祐嗣(名大),鷲見哲也(大同大),柄谷友香(名城大), 境道男(中部建設協会) ←水フォーラム・庄内川河川事務所 マニラ市街 パシッグ川は越流等なし 護岸被災,内水被害 4つの典型地域 地形的 河川・放水路・湖 貧富 都心部と周縁 ↓ 被害特性や災害対応の相違 治水・防災への機関・組織 JICA 政権・財務省 PAGASA(気象庁) 気象庁・気象台 気象観測・雨量予測 →防災情報 気象観測・雨量予測→防災情報 EFCOS マンガハン放水路沿いに密集する不法住居 都市化の進行と取り残される周縁 DPWH(国土交通省) 治水計画・治水インフラ整備(放水路・堰) MMDA(都庁) 管理・運営←DPWHから施設管理の移管 LGU(地方自治体) 警報・避難対応 マニラ水害(2009) 東海豪雨災害(2000) 十分な連携ができていない どのようにJICAなどが支援したらよいのか? (資金投入・計画提案) 河川局・地方整備局 直轄河川治水整備 県河川課 県管理河川治水整備 県防災課 市町 雨水排除事業(下水道整備) 水防 避難勧告・避難所経営 愛知県河川情報周知戦略の目指すもの →「みずからまもるプログラム」 (13)さまざまな「類型」の空間的混在 基本方針 都市的(富裕層的)空間の強さと弱点 庶民的空間の弱さと強さ (14)地域間不公平の是正・調整 合意システムはどうするのか? (15)防災・減災に関わる様々な機関の不十分な連携 気象庁の防災情報 河川管理者にる河川情報 (河川状況と,河川の整備状況・治水対応状況) 地方自治体による水防・避難勧告・避難所運営 自助行動できる住民層への道のり プロセス アウトプット 3ヶ年行動計画の実践成果をもとに、スパイラルアップの具体的な取り組みをパッケージで提供します。 みずから守るプログラム~大雨が降ったら~ 気づき お住まい地域の水害の危険性に“気づく” ○学習教材の配布 理 解 ○体験型イベント ○気づきパンフレット 洪水ハザードマップを正しく“理解”する ○手づくりハザードマップ 判 断 水防情報を正しく“理解”し、一つの“判断”を経験する ○大雨『行動』訓練 行 動 3ヶ年行動計画(H19~H21)による地域協働型の実践 情報をみずから得て、正しい“行動”をとる ○セルフチェックポイント? ○要援護者支援? etc. 今後の課題2 (自助行動できる住民層の実現に向けて) ・情報伝達の改善 ・ピンポイント化 ・・・etc. 【行政】(公助) ・洪水ハザードマップの充実 (きづきマップの作成拡大) ・ファシリテータの育成 ・情報の充実、分かりやすさ ・避難勧告、指示の改善 ・メディアとの連携 ・・・etc. 標準型外力(統計にもとづく推計学的な外力の設定) →インフラ整備(水系治水,雨水排除) 進捗遅れ→ 水防(インフラの機能維持) ハザード認識に基づく行動→「避難」 ←気象状況の認識 気象予測・洪水予測 Cバンド・リアルタイムレーダー http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top 【個人・家族】 (自助) 【地域】 (共助) ・指導、サポート ・気づきイベント ・地域協働型イベント ・手づくりハザードマップ ・セルフチェックポイント ・大雨行動訓練 ・セルフチェックポイント ・プログラムの実践・改善 ・プログラムの拡充 ・気づき機会の醸成 ・・・etc. 自助・共助←公助(適切な指示,支援) ↑ ハザードマップ提供,避難勧告, ・地域での声がけ ・風土づくり ・講習、学習機会 ・・・etc. 理解・判断・行動 避難所経営,避難誘導 ↑ 「みずから守るプログラム」 災害対応 平成20年8月末豪雨 岡崎市の場合 超過外力 →「統制のとれた」避難,減災行動が必要 ↓ 早めの「体制」← 「予測」 広域・大規模化 一級河川 伊賀川 H20.8末 浸水域 × 同 死者 異常外力..「ゲリラ豪雨」 × × 愛知県 一級河川乙川浸水想定区域図 ←短時間・高解像度 気象情報+予測 XバンドMPレーダー http://www.river.go.jp/xbandradar/ 伊賀川(岡崎市) →「落とし穴」(リスク)の認識(洗い出し)→対応 都賀川(神戸市) 県下の主だった有堤河川について、浸水予 想図を県から提供している。 (189河川@H20末) 掘り込み区間や小規模河川は対象外。 岡崎市ハザードマップ 記録的な短時間豪雨により河川がはん濫 伊賀川では床下298棟、床上398棟、死者 2名の被害が発生した。 死者のうち1名は局地的な窪地形における 内水はん濫が原因であった。 平成21年台風9号(佐用豪雨) 用水路 超過外力への対応 ←インフラは不十分, 自助,共助型(←ハザードマップ)で対応できない ハリケーンカトリーナ米国東南部を襲う 幕山川 期間:2005/8/23 – 8/31 最大風速:約80m/s 最大瞬間風速:約 90m/s 最低気圧:902hPa (上陸時920hPa) 死者数:1,600人以上 高潮:メキシコ湾岸の Biloxi周辺で6-9m 以上の潮位 (波高を含む) 被害:約750億ドル(史 上最大の被害) 佐用町で死者18名、行方不明2名 自主避難した13名中 9名死亡,2名行方不明,2名救助 (H21.8.16産経朝刊) 出展:平成21年8月11日中日 10m SPOT Satellite Image: 2 Sept 2005 With Flood Mask ゼロメートル地帯に 展開する ニューオリンズ市の 大半が水没 1959年9月 伊勢湾台風 2005年8~9月 ハリケーンカトリーナ・リタ ニューオリンズ市周辺ゼロメートル地帯 東京都 ゼロメートル地帯 400 km2 66 万人 116 km2 176 万人 ゼロメートル地帯 ゼロメートル地帯 カトリーナ浸水区域 231 km2 46 万人 伊勢湾 ゼロメートル地帯 東京都 23区 大阪湾 ゼロメートル地帯 124 km2 138 万人 336 km2 90 万人 ゼロメートル地帯 ゼロメートル地帯 大阪市 名古屋市 災害のプロセス 伊勢湾台風(1959.9) Hurricane Katrina(2005.9) 発災(被災状況) 発災後避難・救援 応急復旧 50年誌編集 DVD作成 (2009.9) IPET※ 被災原因の究明 災害復旧 復旧計画 (防災インフラ計画) 危機管理 検証 災害直後 現地調査 2005.11 Incident Response ASCE Review FLCP調査 Orlando 2008.6 東海ネーデルランド 高潮洪水地域協議会 危機管理行動計画 2008.3,2009.3 台風18号(2009) 新しい 危機管理 災害5年目 現地調査 (2009.9) Gustav, Ike(2008) ※Interagency of Performance Evaluation Task Force ニューオリンズ市周辺ゼロメートル地帯 ニューオリンズ市域と 伊勢湾ゼロメートル地帯の類似性 400 km2 66 万人 広大なゼロメートル地帯 ←高潮 大河川 ←洪水の危険性 都市と人口集中 ←ポテンシャル ゼロメートル地帯 中部の活動 2005年11月 独自のカトリーナ調査団 (大学,行政,技術者,水防団) ←伊勢湾台風の経験 カトリーナ浸水区域 231 km2 46 万人 伊勢湾 ゼロメートル地帯 2007年 東海ネーデルランド高潮・洪水 地域協議会 作業部会→協議会→行動計画 336 km2 90 万人 ゼロメートル地帯 2009年 伊勢湾台風50年 伊勢湾台風克服経験の継承 →カトリーナ5年後調査 名古屋市 ニューオリンズの治水インフラ ←工兵隊 US-COE ポンプ場+雨水排水路システム,運河 →破堤 ↑ ↑ システムの脆弱性 外力,構造(基礎) 高水位,漂流物? 避難行動 ←連邦非常事態管理庁 FEMA Catastrophy(破堤)情報伝達 ↓ 避難誘導←情報伝達 訓練 避難手段 車→Contraflow 車のない人々,逃げない人々 情報伝達・避難支援 発災後 広域浸水域(被災地域)からの避難 都市機能麻痺 ↑ 応急復旧(緊急締切,排水,.....) US-COE 被災地支援(ブルーシート,トレーラーハウスほか) FEMA FEMAの役割 FEMA FEMA=Federal Emergency Management Agency (連邦緊急事態管理庁) NIMS and NRP 1999 ハリケーンフロイド対応などで高い評価 9.11テロ後 国土安全保障省(DHS=Dept. Homeland Security)のもとに再編 自然災害対応が弱体化 ハリケーンカトリーナへの初動のまずさが指摘 前局長の辞任 応急復旧時の対応 さまざまな機関の連携 復旧・復興プログラムにはいった. United Command さまざまな組織の連携 連邦系統,州系統,市・郡系統 FEMAの指揮において US-ACE,NPAなどそれぞれの役割 SWEAT PROGRAM S=Security W=Water(排水,給水,氷の供給) E=Energy(電気,ガス) A=Access(道路,交通機関) T=Telecom(通信) 現地対策本部 車による避難 危機管理のひとつの本質はPreparedness 避難順序などの秩序: ルイジアナでは 沿岸域の州から避難が始まり 最終的にニューオリンズ地区が 避難に入る. そしてそれに応じた コントラフローなどの規制 FEMAが主導し,州の安全保障緊急事態準備局( GOHSEP)が担当 州がFEMAの枠組みでのESFをこなせる体制を整備しつつある. (Emergency Support Function) FEMAの指導の下,州にEOC (Emergency Operation Center) が設置される EOCでは,ESFに基づくロジステック,資材(資源),資金配分などを議論する さまざまなチームがUnified Command Groupのもとで統率されて対応. 第2 段階の避難 ルイジアナ州では,危険な郡(risk parish),避難先となる郡(shelter parish)などの 分類ともに,避難先としてのhost stateとの協定 強制避難命令 (Mandatory Evacuation) 凡例 承認、指示等 支援要請 州政府 州政府 の資産 の資産 ESF:緊急事態支援機能 ESF ESF Oklahoma Oklahoma W E B S T E R BOSSIER BOSSIER 契約使用料 契約使用料 など など CADDO CADDO CLAIBORNE MOREHOUSE MOREHOUSE UNION WEST 交通手段 結節点 (集合場所・登録) シェルター EAST EAST CARROLL CARROLL LINCOLN OUACHITA RICHLAND OUACHITA JACKSON MADISON MADISON BIENVILLE Arkansas Arkansas 郡の緊急時 郡の緊急時 対応オペレー 対応オペレー ションセンター ションセンター SABINE SABINE 州政府の 活動 連邦政府 連邦政府 支援 支援 Texas Texas CALDWELL N A T C H I T O C H E S FRANKLIN TENSAS CATAHOULA LASALLE GRANT RAPIDES RAPIDES VERNON VERNON AVOYELLES C O N C O R D I A A AVOYELLES WEST W. FELICIANA FELICIANA BEAUREGARD ALLEN EVANGELINE EVANGELINE E. EAST FELICIANA T A N G I P A H O A ST SAINT HELENA POINTE POINTE E. BATON COUPEE COUPEE EAST ROUGE WEST W LIVINGSTON BATON BATON ROUGE LIVINGSTON ROUGE SAINT SAINT LANDRY LANDRY Risk Parishes Shelter Parishes Host States WASHINGTON ST SAINT TAMMANY 企業・個人 企業・個人 との契約、 との契約、 使用料など 使用料など 郡の 郡の 資産 資産 EMAC EMAC 州政府から 州政府から 州の資産へ 州の資産へ ACADIA ACADIA LA LA FA FAYE YE TT E TT JEFFERSON DAVIS SAINT ST MARTIN IBERVILLE IBERVILLE ST. ST. ES JAM JAM ES ASSUMPTION ASSUMPTION IBERIA CAMERON VERMILION ST. MARY SAINT Alabama Alabama ASCENSION ASCENSION ST. ST. MARTIN HN SAINT JOHN JO ST. ORLEANS ORLEANS J ST. SAINT J E CHARLES CHARLES EF ST BERNARD SAINT BERNARD F F PL E E R A R F S S Q O OO U U N E R N L A MARY VER Iberia TERREBONNE Nursery, Hospital含む (駐留) → Shelter parish Mass trans. Shelter state(EMAC) (train, airplane) M C I H N Emergency Management Assistance Compact E E S EMAC:緊急事態管理支援協定 ↓ 避難の出来ない層 ↓ Staging area ↑ Risk parish E ALLEN CALCASIEU 慣習的なシステム 自動車による避難 ↓ ContraFlow WINN CATAHOULA RED RIVER DESOTO DESOTO カテゴリー2以上のハリ ケーンに対応する。40時 間前に避難を開始する 米国(Louisiana)の避難戦略 Risk parish, Shelter parish and Host states 緊急時のマネジメントプロセス 携帯用変光板警告サイン 常設変光板警告サイン Katrina後の政略変化 州が中心となって州や各郡の要求と資源を災害対応に配分する仕組み. 警戒・避難体制 第1段階の避難 カテゴリー1以上のハリ ケーンに対応する。50時 間前に避難を開始する 伊勢湾地域広域避難にもかかわる共通の課題 最脆弱地域→一次避難→広域(再)避難 フェーズ・ゼロにおける危機管理体制の考え方 「東海ネーデルランド高潮対策地域協議会」の取り組み ■18:00時点■ 風速20mを超える 伊勢湾岸にて高潮越流による浸水開始 作業部会 2006.11 誰がメンバーか? 国,県,市町など行政 警察,自衛隊 ライフライン・施設管理者 (輸送機関,ライフライン,...) 指定公共機関(医療機関,中経連,商工会議所,...) ■17:00時点■ 高潮越流まであと1時間 ■15:00時点■ ■12:00時点■ ■ステージ4(17:00-18:00)※浸水1時間前 高潮水防警報レベル4 避難指示発令。緊急避難指示。 -危機の想定- ■ステージ3(15:00-17:00)※浸水3時間前 高潮水防警報レベル3 避難勧告発令。 地域協議会 2008.3 (48機関トップの参画) 危機管理行動計画 第1版(2008.3),第2版(2009.3) ■ステージ2(12:00-15:00)※浸水6時間前 高潮水防警報レベル2 要援護者の避難を開始。 27日 09:00 27日 03:00 26日 21:00 26日 15:00 北緯 30度 ■ステージ1(9:00-12:00) ※浸水9時間前 高潮水防警報レベル1 自主避難を呼びかけ。 ■09:00時点■ 26日 09:00 906 hPa ※背景地図:「Google Earth Pro」使用 スーパー伊勢湾台風+1/1000確率降雨の浸水想定 (上陸時の中心気圧910hPa:なお、伊勢湾台風は上陸時929.5hPa) 最大浸水深 広域巨大災害への対応 災害の予測 警報 避難受け入れ態勢 避難勧告 緊急措置 長良川 揖斐川 被害の拡大 広域避難の徹底 庄内川 日光川 市区町村界 破堤箇所 木曽川 TNT(東海ネーデルランド高潮洪水対策 TNT(東海ネーデルランド高潮洪水対策)) 災害の想定( 災害の想定(スーパー伊勢湾) スーパー伊勢湾) →どんな状況( どんな状況(被害) 被害)が考えられるか? →その対応策を持ちえるか? 現地災害対策情報共有 本部( 仮称) 設置 「スーパー伊勢湾台風」の高潮+1000年に一度の洪水 何が生命・財産,生活の危機として「想定されるか」? 市民の避難を確実に支援する体制を整備することが 緊急の課題. 公的な避難可能体制の中で,自助・共助が可能. ←自助・共助を主体とした防災への取り組みの出来る 地先作りが肝要 名古屋 緊急( 非常) 災害対策本部 ( 現地対策本部) 大規模広域水害への取り組み TNT 自然排水 発災 フェーズ0 現地災害対策本部←情報共有本部 ←情報共有本部 (発災後) 標準的水防災インフラ ポンプ排水 フェーズⅠ フェーズⅡ フェーズⅢ 1日~3日 4日~2週間 2週間~1ヶ月 ハード整備の推進 庄内川本川・支川の治水整備←「河川整備計画」 進捗しないときの 標準的な降雨(台風・前線)と流出 「減災行動」を意識 累積降雨・流域平均・到達時間 雨水排除インフラ整備 下水道(農地湛水防除)←時間雨量(50~60mm対応) (発災前) 水防活動 避難活動 救命・救助 医療・救護 復興 発災前 発災後 排水、緊急輸送路確保 フェーズゼロ 現地災害対策情報 共有本部(仮称) ※発災前(フェーズゼロ)の 現地オペレーション(連 絡調整)を担う 対策本部 県災害対策本部 「都市型水害」に対する脆弱さ 広域活動拠点 救助拠点 ゴミ仮置場 物資置場 救護所 仮設住宅敷地 ボランティア拠点 非 標準 市区町村災害対策本部 市区町村活動拠点 救護所 物資置場 ゴミ仮置場 ボランティア拠点 とくにこの地区(ゼロメートル地帯を抱える)→広域・大規模水害 膨大な人口の避難 (高潮・洪水) 統制のとれた 避難・救援 Infrastructure まとめ 水災害の多様性の認識 標準型→治水インフラ整備,ハザードマップ(自助・共助) 進捗遅れの認識 超過型→精度の高い予測→早期避難戦略 (高域避難計画) 異常型→潜む落とし穴の解消 レーダー(Cバンド,Xバンド)の効力の発揮 防災力 水防→治水インフラの効力の維持 避難支援←適切な避難勧告・避難所経営 落とし穴の解消 防災行政に携わる個々の「危機管理意識」によるチェック 都市に潜む「危険」......地域社会・行政で把握 Municipality group management group 日常の備え ←ハザードマップ,BCP 「自助・共助」 できない部分は? 局所集中豪雨(ゲリラ豪雨) Operation group 復旧←普段からのまもるべき対象 SWEAT ハードウェアの認識 超過外力 「スーパー伊勢湾台風」など 地域防災拠点 救助拠点 仮設住宅敷地 整備途上(現状の安全度) ↓ 浸水想定情報→ハザードマップの認識→水防活動 避難勧告・避難支援 避難行動 国出先機関 災害対策本部 非常(緊急)現地災害 非常(緊急)現地災害対策 本部を設置する場合は役 割を移行 整備 or 施設(堤防・交通・ライフライン)応急復旧 非常(緊急)災害対策本部