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IDEMA Japan News 44号 2001年9・10月号(Size: 1.24 MB)

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IDEMA Japan News 44号 2001年9・10月号(Size: 1.24 MB)
 (2001 年 9・
・10 月号 ) 目次
目次
IDEMA Japan News No.44 2 巻頭言 「静電的ブラックホール」
3 研究推進委員会 「ナノテクの潮流に乗ろう」
8 市場動向 「表舞台に立つストレージ」
村上俊一
(理事) アネルバ
三矢保永 名古屋大学大学院 教授
石川純二 ギガ・ストリーム 技術委員会
14「磁気ヘッド用スパッタ装置」合同分科会ワークショップより
恒川孝二 アネルバ 21「サスペンション駆動型アクチュエータについて」ヘッド・テスト分科会ワークショップより
半谷正夫 日本発条 18 ハードディスクドライブ入門講座開催
(10
月26
日(金))
のご案内
ハードディスクドライブ入門講座開催(10
(10月
26日
))のご案内
19 10 月 12 日(金)クォータリーセミナー開催のご案内
会社名をクリックして
37 DISKCON JAPAN 2002
出展のご案内
2002出展のご案内
ホームページをご覧ください
掲載広告
(50 音順
)
掲載広告(50
音順)
30 技術委員会報告
31 企画委員会報告 29
33
34
36
事務局からのお知らせ
国際ディスクドライブ協会組織図
行事予定
国際ディスクドライブ協会会員
オックスフォード・インスツルメンツ株式会社
1
株式会社 高純度化学研究所
35
大同特殊鋼株式会社
7
日本スパイダー・システムズ株式会社 表 4
株式会社 メディア研究所
表2
巻 頭 言
静電的ブラックホール 理事 村上俊一(アネルバ)
ブラックホール、この言葉は、天文学で、使わ
吸い上げるように、その電子も、
同様に、
物質外に、
れる単語で、我々の身近な自然現象とは、無縁な 放出される。ここで、素人考えだが、金属は、無
現象のように、思っていた。このブラックホール、 数の自由電子が海を形成しているために、ブラッ
すべての物質を吸い込んでしまう程の強力な力を
クホールが電気的に中性化する為に、電子を吸い
持っているという。このブラックホールを、成膜
加工に使おうとしている。そんな興味を引く話を
上げたとしても、固体表面には、何ら形状変化も
起こらないだろう? しかし、
誘電体であれば、
ど
聞く機会があった。その話を紹介しよう。
うであろうか? 最外殻の電子が結合に寄与し、
従来、プラズマを発生させるには、真空空間に、 その電子の数は表面近傍では極端に少ない。この
気体を導入して、高電圧等のエネルギーを加える ブラックホールが、近づいたとき、結合電子は容
事で、
中性原子を電子とイオンに分離していた。
そ
易に、吸い取られる。その結果、原子同士の結合
してその集合体、つまりプラズマの性質を利用し
て、成膜加工する事が一般的であった。このよう
の手は切られ、近傍の原子は、バラバラになるで
あろう。想像もつかないことが、起こっているの
に作られたプラズマ中のイオンの価数はせいぜい
である。もちろん このブラックホールは運動エ
一価か数価である。ここで、紹介するのが、多価
イオンの話である。太陽のコロナの中には、鉄や
ネルギーをもたなくても、
この遷移現象は起こる。
事実、
1個のブラックホールを表面に当てれば、
直
Caの多価イオンが存在することが知られている。 径2nmから数10nm
(10億分の1メートル)
赤色、緑色、黄色のコロナがそれに対応するらし
い。
この多価イオンを地球上で発生させるには、
ど
の範囲で、表面にクレーター状の凹部を作ること
が示されている。
んな技を使うのか? たくさんの電子を持ってい
ここからが夢である。このブラックホールを多
る原子から多数の電子を離していくには、狭い真
空空間に、
はじめから一価のイオンを閉じ込め、
そ
数集めれば、お互いの静電的反発力で、閉じ込め
られた空間では等間隔に分散するはずである。そ
のイオンに、数百KeVのエネルギーをもつ電子
れを一気に、
二酸化珪素基板表面にばら撒く事で、
を、猛スピードで、多量に(100mA∼300
mA)衝突させる事で、その多価イオンを作るそ
一度に凹部を無数に均一に作ることが出来る。 この雰囲気に、この元素と室温では反応しないガ
うです。ではどれだけの電子数が剥ぎ取られるの
スを導入しておく事で、バラバラになった反応性
か? X線スペクトル実験結果によれば、まった
く電子が無くなった裸の陽イオンが観測されてい
の高い原子とガス分子は反応し、蒸気圧の高い物
質を生成させ、その系外に、排出する事で、表面
る。昔化学の時間に習ったK殻、L殻、M殻にい
が加工できる。
た電子を、すべて剥ぎ取った結果、56価のプラ
スBaイオンやクリプトンの36価のイオンが出
今 ナノテクノロジーで騒がれているナノ加工の
致命傷は、大量生産するには、時間が掛かりすぎ
来ているというのである。このようなまったく電
る点である。この方法を使えば、一瞬にして、加
子の無い陽イオンが、作れることが、
私にとって驚
きであった。考えても見なかった事である。彼等
工できる。 そして、二酸化珪素の下に、薄く種
元素薄膜を敷いて置く事で、上手くいけば、その
は、
このような裸陽イオンを
“静電的ブラックホー
凹部の底部に見えた種元素を核に、有機磁性金属
ル”と呼んでいる。 今まさに、この“ブラックホール”の用途を模
ガスでの選択堆積が可能になる。そして、その部
分に記憶させる。テラビットメディアをこんな方
索している。この“ブラックホール”を、物質の
法で、作れるのかなと一瞬、思う。
表面に近づけると何が、起こるのであろうか? 物質表面には真空静電ポテンシャルの壁で、真空
不景気というデフレスパイラルが、まさにブ
ラックホールなのか? いかなる過去の経験に基
外に出ないように閉じ込められた電子の海が存在
づいた対策を打っても、
なかなか這い上がれない、
する。このブラックホールが、電子の海に近づい
たとき、その電子は、このブラックホールに吸い
人間の打つ行為など、無視するかのように、すべ
てが、吸い込まれていく。そして、ビックバ∼ン。
取られる。SF小説によくある大隕石が猛スピー
こんな御時世、既存の技術にとらわれず、
夢を見て
ドで、地球にちかづいた時、引力で、その海水を
もゆるされる?
IDEMA Japan News No.44
2
研究推進委員会
ナノテクの潮流に乗ろう
三矢保永(名古屋大学大学院工学研究科 教授)
ナノテクに関する記事が載らない日がないほど,
ナノテクノロジーとは,
「原子分子を所定の位置
ナノテクばやりである.この潮流の発端となった
に配置することにより,物質・要素をナノメータ
のは,2000年1月21日に当時の米国クリントン元
大統領が発表したナノテクイニシアティブ政策で
スケールで制御して,
新機能と高性能をもつ材料・
デバイス・システムを創造する技術」,と定義する
ある.ここでは,具体的な目標として,いくつか
ことができるであろう.手前ミソになるが,この
の応用例が提示された.鋼鉄の1/10の重さで10倍
の強度をもつ新素材,米国議会図書館に収められ
定義は,まさに現用されているヘッドディスクイ
ンタフェース(HDI)に当てはまる.図1に示すよ
ているすべての情報を角砂糖一粒大に記憶する記
うに,浮動ヘッドスライダは,ディスク上を 15nm
憶装置,ガンを2,3個の細胞の段階で発見し治療
する薬,コンピュータの処理能力を数百万倍に向
の微小すきまで浮上し,
ディスクの磁性膜上には,
5-8nmのDLC保護膜が形成され,その上に1.5-2nm
上させる半導体素子,エネルギー変換効率を 2 倍
の単分子層の潤滑剤が塗布されている.
HDIに限れ
に高める太陽電池などである.このために,5億
ドルもの巨費が投じられることとなった.応用例
ば,
デメンジョンは,
すきまのみが10nmを少しオー
バする程度であり,ナノテクの要件がほぼ満足さ
の三つは,Nano-technology,Information
れることになる.とくに潤滑膜については,潤滑
technology (IT),Bio-technology を包含してお
り,これらは新世紀に最も発展することが期待さ
剤高分子の末端極性基とDLCの不対電子を結合さ
せて,高分子をディスク上に植え付けることによ
れている分野である.日本でも,急遽,対応が検
り,低摩擦性と高潤滑性を両立させる方法が採用
討され,’01 年度予算ではナノテク関連研究費が
400億円に届くほどに急増され,また,日本の科学
されている.これは,
「原子分子を所定の位置に配
置することにより,
物質・要素をナノメータスケー
技術政策を担当する総合科学技術会議において, ルで制御する」技術他ならない.また,レーザテ
次期重点領域として,IT,環境,バイオに加えて, クスチャ処理は,
「物質・要素をナノメータスケー
ナノテク分野が,急遽,盛り込まれることとなっ ルで制御する」技術といえる.このように見ると,
た.
HDIにおいては,ナノテクノロジーは,とっくに現
図1 ヘッドディスクインタフェースのナノテクノロジー
3
IDEMA Japan News No.44
研究推進委員会
実のものとなっていたといっても言い過ぎではあ
るまい.
危機意識をもっているのは,現場に近い一部の開
発設計者ぐらいなものであろう.いくら声高に危
機意識を叫んでも,得体の知れない安心感にかき
今年の1月1日の日刊工業新聞には,
「ナノ世界
がひらく未来」と称する特集が組まれ,新世紀の
消されてしまう.この安心感は,磁気記録はほっ
ておいても進化するという先入観,あるいはパソ
産業革命と位置付けて,各種の技術が紹介されて
コンの性能と同じように,磁気ディスクの記憶容
いた.紹介された内容は,半導体レーザ分野では
量子ドットレーザ,材料分野ではカーボンナノ
量も,すでに満ち足りたとする当面の満足感,に
由来するのであろうか.関心は,もはやハードよ
チューブ,加工分野では STM を応用した原子分子
りもソフトの問題(使い方の問題)に移っている
の積み上げや,三次元気層成長によるナノ構造体
の形成などである.6月4日には,朝日新聞で「一
ということであろうか.
からわかるナノテクノロジー」という一般向けの
部外者とでもいうべき人々(真摯な開発設計者
易しい解説記事が掲載された.ここでも,カーボ
ンナノチューブ,量子ドット効果応用素子,原子
以外という意味)の先入観や満足感が,誤った判
断にならなければよいが,似たような悪しき例が
分子の積み上げ加工,自己組織化生体分子機械な
想い起こされる.’90年代初頭において,光技術が
どが紹介されていた.その他にも多くの紹介記事
が頻出しているが,残念ながら,著者の知る限り
光り輝き始めた頃,ただ光りの新しさに幻惑され
た磁気記録の限界説が横行して,磁気記録から光
磁気ディスク装置に関する記述は皆無である.磁
記録へと研究費と研究者の大移動が行われ,磁気
気記録には百年の歴史があり,それ自体にニュー
ス性がないし,またすでに実現されているものを
ディスクで稼いだお金を,光ディスク開発へ回す
ことを当然とする風潮が高まった.この結果,そ
掲載しても夢がない,という背景があることも理
の後には,日本の磁気ディスク技術は停滞するこ
解できる.しかし,いささかのサミシイヒガミを
禁じ得ない.クリントン元大統領が「米国議会図
ととなり,米国に大差を付けられる暗黒の時代が
続くこととなった.このような判断を下した人達
書館のすべての情報を角砂糖一粒大に記憶する記
憶装置」を提示したにもかかわらず,記憶装置は
は,日本の産業界に多大な損失を与えたことにな
るのだが,責任をとったという話は聞かない.
無視されているのである.
磁気記録のもつ伝統的な古いイメージがもたら
磁気ディスク装置の技術は,これまで危機に直
面することもなく,トレンドに沿って一様増加的
に高性能化が進められてきたために,ほっておい
ても進歩発展するという先入観が蔓延しているよ
うに思われる.情報技術(IT)については,その
役割や可能性が喧伝されているように,21世紀に
は,
世界規模において多種多様で莫大な情報を,
瞬
時に処理し利用することが可能なり,時間と空間
を超越した新しい社会が到来する.IT革命を牽引
している技術は,第一義的にはコンピュータと
ミュニケーションであるが,コンピュータ・サー
バ,デジタル家電のみならず,ネットワーク内に
も,多量の情報を蓄積保管しておくために,湯水
のごとく使用できる磁気ディスク装置の存在が前
提になっていることはまちがいない.
すなわち,
莫
大な情報を安価に蓄積保管しておく磁気ディスク
大阪大学産業科学研究所が作成した元図
(日刊工業新聞2001.1.1号)に加筆修正
装置なくして,IT は存立しえない.このように考
えれば,磁気ディスク技術に対して,もっと関心
が払われてよいように思われる.しかし,真摯に
IDEMA Japan News No.44
図2 ナノテクノロジーは 21 世紀のインフラ技術
4
研究推進委員会
す実効的な弊害は,上記の例にも見られるように
インパクトの弱さである.これは,研究開発費が
性のあるナノテク技術として,表面構造と高分子
膜との相互作用がある.これまでにも,ディスク
取りにくい,優秀な人材が集まらない,など研究
上の潤滑膜としては,図3に示すように極性基を
開発に必要なヒト・モノ・カネの巡りの悪さをも
たらすことになる.磁気記録はもともと近接効果
もつ潤滑剤を使用して,保護膜として表面に形成
される DLC 膜の不対電子に,潤滑剤の極性基を結
を素朴に利用したものであり,小さくすればする
合させる(固定層)とともに,その上に余剰の潤
ほど性能が向上するという特性を持っている.ま
さにナノテクの目指す方向と完全に重なる.古い
滑剤が流動する(流動層)ように構成した二層構
造が採用されてきた.この方法では,基本的には
磁気記録のイメージをナノテクによって着飾って, 材料表面に固有の特性に支配されるために,
機能・
イメージアップを図れば,ナノテクの代表選手と
して,一躍脚光を浴びる可能性がある.磁気記録
性能には限界があり,また多層膜(立体構造)の
ために薄層化にも限界がある.これに対して,表
技術をナノテクの中に取り込むために,大阪大学
面にナノ構造のテクスチャを形成して,表面を平
産業科学研究所が作製したナノテクの木に,磁気
記録関連を加筆して図2に示す.この木のイメー
面的に分割し(平面構造),分割された個々の平面
を適量に配置配分することにより,表面特性を制
ジが一般に広く流布することを期待したい.
御できる可能性がある.
表面の分割法としては,
図
著者の研究テーマであるナノすきまの実現は, 4に示すように物理的にナノレベルの凹凸構造を
まさにHDIという舞台においてナノテクを実演す 形成する方法と,化学的に表面エネルギーを分布
る好機会である.
HDIにおける課題を解決する可能
させる方法が考えられる.
このようなナノ構造は,
表面エネルギーを変換する機能をもっており,潤
滑剤との相互作用により,材料に固有の特性とは
異なる人工的な特性を創成することができる.ま
た,平面構造であるために,薄層化にも有利であ
る.
このようなナノ構造を主柱として,
「複合ナノ構
造表面による磁気記録用機能性トライボシステム
の開発―超高記録密度の小形大容量磁気ディスク
装置の実現―」というプロジェクトを構成し,文
部科学省ミレニアムプロジェクト「平成13年度
革新的技術開発研究推進費助成金の提案公募」に
応募したところ,応募総数633件中の 28件のなか
図3 . 磁気ディスク潤滑膜の二層構造
図4 ナノ構造とナノ分子膜の相互効果
5
IDEMA Japan News No.44
研究推進委員会
に採択されるという幸運に恵まれた.このプロ
ジェクトは,四つの革新技術を主要なテーマとし
市場のグローバル化によって,
磁気ディスクド
ライブメーカの淘汰が進み,
最終的には世界で3,
ている.
4社が生き残れば足りると,まことしやかにいわ
れている.巨大な石油産業や,自動車産業と似た
状況である.これらの製品の共通点は,高度の技
(a)ナノ構造テクスチャと自己組織化ナノ分子
膜の相互作用により材料定数と異なる人工的
術の集約された産物であり,誰しもが製造できる
な表面特性を実現
(b) ナノ分子膜の自己保持機能と自己修復機能
ものではないこと,国家戦略的な意義をもつこと
であろう(磁気ディスクは国家戦略的な意義をも
の定量的な評価
つコンピュータとコミュニケーションに必須の構
(c) 気液複合相潤滑シミュレーションの定式化
とプログラム開発
成要素).しかし,技術の革新性がなくなり,どこ
でもだれでも製造できる状況になってしまえば,
(d) 待避機能・振動抑圧機能をもつアクティブ
テレビやVTRと同じように成熟した付加価値の低
浮動ヘッドの開発
このプロジェクトには,3年間にわたって年間
い製品となり,産業の牽引力とはなり得ない.
平均5千万円の研究費が支給されるという規模の
最近のナノテク重視政策によって,磁気記録と
大きいものであり,研究に弾みをつけてくれもの
と期待している.トライボロジーという一見地味
相性のよいナノテクの潮流に乗って,磁気ディス
ク装置の技術革新を強力に推進する好機が到来し
な分野でも,高い評価が得られたのは,まさにナ
たと強く思う次第である.
ノテクの潮流に乗った勢いというべきかも知れな
い.
IDEMA Japan News No.44
6
市場動向
表舞台に立つストレージ
石川純二(ギガ・ストリーム)
PC需要が変調をきたしている。世界同時的不況が影響している事は確かだが、構造的問題もある。先
進国におけるPC普及の限界、ブロードバンド普及が超分散PC時代を招来していることなどだ。PC市場
は踊り場に来た。 基本的に受身の存在であるPC用ストレージの変容は避けられない。
一方、デジタル情報量は今後天文学的数字に膨れ上がる。例えば、インターネット上の情報量は2000
年末の250TBが2006年には3EBになる。 これだけの情報量を蓄え、利用するようになるのであり、iDC
などのストレージ・システムや個人が利用し蓄積するためのストレージへのニーズも膨大かつ多様にな
る。 情報化時代は「ストレージ中心時代」とも言うべき本質を持つ。しかし、これまでのPC周辺のスト
レージは概して良いビジネスになっているとは言えない。
今後の「ストレージ中心時代」はストレージ・ベンダーに新たなビジネス機会がもたらされる。
これは
ビジネスを立て直すチャンスにもなる。
変化の速度を見極める目とユーザーニーズに沿った製品開発が求められる。
1 . P C 時代の終焉
? ブロードバンドがコンピューティングを変化させる
時代の終焉?
1981 年末に IBM が 16bit アーキテクチャによる PC を出荷して以来 20 年が経過した。
1981年以降、WWのPC
300
出荷台数は停滞する
スタンド アロンPC時代
ことなく増加してき
た。特に1994年から
PC性能中心時代
250
ネットワーク性能中心時代
1200
1000
PC年度出荷
インターネット人口
6.5%/年
800
600
百
万 100
台
400
8.3%/年
50
ト
人
口
百
万
人
200
年
(f)
年
(f)
06
年
(f)
05
年
(f)
04
03
年
(f)
年
(f)
01
02
年
年
99
00
年
年
年
年
98
97
96
95
年
年
年
94
93
年
年
92
91
年
図1
90
年
89
年
年
平均成長率は 6.5%/
年 程度に低下する
88
87
86
85
年
0
年
0
84
2001 2006 年までの
ネ
19.1%/年
出荷台数は前年比△
3.5% の 1 億 2,900 万
台に留まり、その上
イ
ン
タ
ッ
P
C 200
出
荷
台
数 150
均成長率 19.1%/ 年
と大きく伸張した。
しかし、2001年に入
り急減速して本年の
1400
ユビキタス・コンピューティング時代
ー
2000年にかけては平
ナローバンド ・ネットワークPC時代
PC 出荷台数とインターネット人口 /WW
と予測される。
(図1) 2001年の
80%
減退はアメリカのITバブル崩
壊と、アメリカの膨大な IT 関
70%
連需要がもたらした世界同時
60%
好況(日本を除く)の後退が影
響しているのは言を待たない
P
C
普
及
が、原因はこれだけではない。率
構造的問題も確かに存在して
いる。
それは:
① 先進国における PC 普及率
が限界点に近づいており、今
%
50%
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
日本
アメリカ
Europe
40%
30%
20%
10%
0%
97年
98年
99年
00年 01年(f) 02年(f) 03年(f) 04年(f) 05年(f) 06年(f)
後数年で到達する。
(図2)
② 今後、コンピュータ機能の
IDEMA Japan News No.44
図2
主要国の PC 普及率
8
Ceiling
Point
62%
54%
48%
49%
45%
62%
68%
50%
市場動向
分散化が進みコンピュータがインターネット・アクセスにおける絶対的存在ではなくなる。
PC普及率では、例えば最大市場のアメリカでは、複数のアンケート調査*1 で全米の28%から30%の人
がPCもIA(Internet Appliance、インターネット対応機)も不要とする結果が出ている。習熟を必要と
する現在のPCアーキテクチャの限界でもあろう。
日本では、iModeユーザーの59.5%が家庭でも職場でもPCを使っていないとするアンケート調査結果
*2
がある。ネットワーク接続が Web フォンのような相対的に低性能のデバイスを補助してユーザーに
とって必要な機能性を発揮しているのである。
NTT DoCoMo は 2001 年 9 月から次世代 Web フォン、FORMA のサービスを開始するが、FORMA は移動時
384Kbps、静止時1.5Mbpsというブロードバンドを得て機能性は更に向上する。PC普及に今まで以上に
阻害要因となるのは容易に想定される。
2 . P C の時代区分
( 1 ) P C 性能中心時代からネットワーク性能中心時代へ
PC は今、転換点に差し掛
かっていると考えられるの
80%
であり、不況による需要減
70%
退が、その転換点をより鮮
やかに浮き彫りにしつつあ
60%
ると言える。
PCはこれまでムーアの法
則あるいはポラックの法則
*3
に従って性能向上が図ら
れPCの歴史は性能向上の歴
韓国
台湾
中国
日本
アメリカ
カナダ
ドイツ
フランス
デンマーク
イギリス
オランダ
世
帯
普
及
率
50%
40%
30%
史と言うことが出来る。PC
20%
を使った仕事がPC性能に依
存して行われてきたのであ
10%
り、その意味においてその
0%
向上は意味あるものであっ
図3
た。
99年
00年
01年
02年
03年
主要国におけるブロードバンドの家庭普及率推移
ところが、インターネッ
トのブロードバンド・アクセス普及がコンピュータのあり方に変更を加えつつある。
インターネットは、
画期的ウエブ・ブラウザーの登場、オープン・アーキテクチャ、アクセス網に電話が使え新たな設備投
資が少ない、そして Windows95 の登場、という要素が手伝って 1994 年以降急速に浸透した。インター
ネット熱は、ユーザー・オリエンティッドにブロードバンド・アクセスへのニーズに繋がり、1999年を
元年として各国でその普及が急速に進んでいる。
(図3)
そして、前記iModeに見るように、ことインターネット・アクセスにおいてはコンピュータは一定以
上の性能は不要である。
テクノロジーの進化はコンピュータ機能を高性能化、小型化、低価格化し、様々なデバイスにその機
能を付与する。
これとインターネットアクセス手段を得てユーザーが必要とする機能を充分に果たしつ
つあるのであり、今後ブロードバンドの進展とともにこうしたWebアクセスデバイスの市場は早晩、数
量、金額で PC を凌駕するものと考えられる。
(図 4)
この時代にあっては重要なイシューは、
コンピュータ性能の向上よりもネットワーク技術とそれに見合
うコンテンツの創出になると考えられるのである。
そして「
人間中心コンピューティング時代」
( 2 ) そして
「 人間中心コンピューティング時代
」へ
しかし、
インターネットの実効的帯域改善は、
基本的にコンシューマーから料金を徴収して改善に投
9
IDEMA Japan News No.44
市場動向
資するというステッ
プを踏む以上絵を描
800
700
くようにスムーズに
は進まない。直ぐにで
も実効帯域 1 0 M b p s 、
100Mbpsというアクセ
ス網が大きく普及す
ると考えるのは幻想
600
出
荷
台
数
500
400
万
台
300
200
である。
100
IT 革命を謳歌して
いたアメリカの通信
キャリアが最近4年間
0
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
1
0.1
10
1.1
20
3.2
40
6.8
62
12.9
87
22
120
0.15
0.4
0.8
1.5
2.3
4
5.9
7
11.6
11
19.4
15
29.6
20
45
27
2.8
0.2
24
6.5
48
12
75
24
110
39
150
60
200
80
260
105
112
134
129
134
143
158
168
177
車載機器
ゲーム機
に投資したネット
ワーク網改善投資は
ハンドヘルド機器
インターネット電話機
3500 億ドル(43 兆円)
パソコン
0.013
携帯電話
I-Net Appliance
に達するが基幹網に
設備された光ファイ
82.7
90.6
Giga-Stream, Inc.June 2001
図4
世界、インターネット・アプライアンス機器の市場
過去の例で見てもインフラを新たにして消費者に多大な負担を迫
バーの利用率は2.6%*5 に過ぎない。
るような変革は短兵急には進まないのだ。
筆者は将来のコンテンツ/情報配信は個人化、
すなわちプッシュ型のサービスが主流になると考えて
いるが、
鳴り物入りで登場したTiVoは業績が低迷し同社が損益分岐点とする130万ユーザーの獲得は全
くめどが立っていない現実にある。
(図5) アメリカのアナリストの中にはTiVoは2006年時点でも黒字
化しないと指摘するむきもある。2006年に到る前に存亡の危機を迎える可能性もある。TiVoはインフ
ラを新しくしたり、
有料コンテンツを流すという消費者に少なからない負担を求めるビジネスは、
既存
メディアとの競合もあり、簡単には進まないという一つの例だ。FCC の M. パウエル議長も、 Super
Comm2001の講演で『通信革命は西部開拓と同様に時間がかかる。 今は技術狂乱状態にあり、ビジネス
基盤が整う前に大砲を撃つ企業が多い。
』
と過熱を戒めている。変化を創り出す側の指向と市場の受容
性は乖離しがちになるのが常だ。
ネットワーク網の改善と相応のコンテンツ創出の流れが本格化するのは、
恐らく、
2005年以降になる。
それでは、その先のPCはどうなるか、これは予測というよりも「こうしたい、こうあるべき」という指向
の領域になるが、1981年にインターネットと情報市場の登場を予測したマイケル・ダートウゾス教授/
MITは最近の著書*6の中で「人間中心コンピューティング」の創造に期待を表明している。
同氏によれば、現在のPCは使い辛く人間が時には振り回されるような存在である。PC性能、例えばCPU
クロック周波数は2015年までに現在の50倍(50GHz)に達し超高性能PC時代が到来するが、こうした超
高性能PCを人間中心コンピューティングに使うべ
きだと主張する。
音声などによる簡単なコマンド発すれば、コン
ピュータ内部では記録されている個人情報をベース
にして個人に最適化された検索、
演算を膨大にこな
すようなコンピューティングを作る必要がある、
と
いうのだ。こうした考え方は、
筆者を含む多くのPC
ユーザーが等しく共有するところと考えられ、超高
性能PCの用途はそうした方向しか無いとさえ思え
る。
250
契
約
者
数
150
x
1
0
0
0
100
50
0
利
益
3Q
-50
4Q
1999年
1Q
2Q
3Q
2000年
4Q
1Q
2001年
M$
しかし、
こうしたコンピューティングの 創造は
現在のPCの否定、
すなわち新しいアーキテクチャ、
IDEMA Japan News No.44
契約世帯数
収益
200
10
-100
図5
TiVo の累計契約者数と収益推移
市場動向
O S の創造が必要であ
り、また音声認識など
1000000
100000
新しい周辺技術の ブ
ラッシュアップ、超高
速ネットワーク網の普
及が不可欠で時間がか
かる。
とは言え、新しいコン
10000
1000
容
量
100
P
B
10
1
ピューティングの実現
0.1
を目指す動きは現状の
PCアーキテクチャに限
0.01
1999年(e)
2000年(e)
2001年(f)
2002年(f)
2003年(f)
2004年(f)
2005年(f)
2006年(f)
界が見え始めた現在、
HDD出荷総容量
1780
3800
7000
14000
28300
57000
115000
230000
情報量総計
1900
2850
4300
6400
9600
14400
21600
34500
今後、確実に出てくる
ものと予測される。
デジタル情報量
46
98
210
440
940
1980
4200
8900
0.074
0.25
0.97
4.1
19.1
96.4
527
3089
Webページ総容量
出典:カリフォルニア大学など
図6
世界、情報量と HDD 総出荷容量
3 . 表舞台に出るストレージ
個人中心に情報や利便が提供される時代の実現が目指すべき方向とすれば、
ブロードバンドの普及と
ともに招来される超分散PC時代(Ubiquitous Computing, Pervasive Computing *5)は個人生活への利
便提供という意味でその端緒といえるだろう。
ところで、2000 年末現在インターネット上には Web ページが 40 億存在しており、毎日 700 万ページ
のレートで拡大している。40億ページは容量換算で250TBと推計され、これが2006年には3000PB(3E
B)超になると予測される。
(図6) これだけの情報が、個人が利用しやすいように整理されないと死蔵
になってしまうので、
今後検索やダウンロードのための技術開発に多大なエネルギーが注がれることに
なろう。
また一方、
この天文学的デジタル情報はストレージに蓄積する必要があるが、
供給サイドのWeb
サーバー、iDCなどのストレージシステム、そして受け側(ユーザー)としてのストレージとしては、情
報が利用しやすい形で提供されるようになれば、
HDD、フラッシュメモリ、
光ディスク市場なども膨大な
市場を形成することになる。
ユーザーサイドのニーズは、例えば、日本のiModeユーザーは月平均で5000パケット(=0.64MB、01年
総出荷容量 Peta Byte
MB単価(時点最小値)
1000000
100000
総
出
荷
容
量
P
B
1000
100
y=1.86・10 0.324x r2=0.999
10000
10
110%/年
1000
M
B
単
価
1
y=63.6・10 -.035x r2=0.996
100
0.1
-124%/年
10
¢
/
M
B
0.01
1
0.001
93
94
図7
95
96
97
98
99
00
01(f)
02(f)
03(f)
04(f)
05(f)
06(f)
HDD の総出荷容量(世界)とリテイル MB 単価(アメリカ)
11
IDEMA Japan News No.44
市場動向
6月現在)のダウンロードを実行しているが次世代のFORMAではパケット料金が1/5になることもあって
4.4MB/月、
パケット通信ではなく回線交換方式を利用すれば170MBほどのダウンロードが行われると予
測される。2010年に登場する次々世代Webフォンは100Mbpsの帯域を前提に開発が進められるが、この
場合では比例計算としても300MBから1.3GB程度のダウンロードが一般的に行われることになる。これ
に対応するストレージとしては、
多くの場合小型フラッシュメモリで充分と考えられるが、
フラッシュ
メモリはMB単価の点で2006年末時点でも10-15円/MB程度していると予測されアーカイブ用のメディ
アにはなりえない。
ここにモバイル型光ディスクなどのニーズが存在している。
ストレージの新しい市場はコンピューティング周辺だけではない、
AV機器もインターネットに接続さ
れることで、これまでの読み取り専用メディアに加えてライタブル・ストレージを必要とする。
言って見れば、ブロードバンド時代はメッセージ、情報、コンテンツを効率的に蓄え、ユーザーはこれ
を利用するためにブロードバンドの帯域に相応した大量の情報を一旦あるいは恒久的に保存するという
内容を持つ。
その意味でネットワーク中心時代とはストレージ中心の時代と言い換えることも可能だ。
そのストレージ中心時代は、
ストレージシステム全体の膨大な市場形成を誘い、
ストレージベンダに
新たなビジネス機会を提供することになる。
コンシューマー向けストレージに目を向けると、
IA機器市場の大きさと多様化は留意を要する。
IA機器の数量ベースの市場は2006年にはPC市場の3.3倍の5.8億台と見込まれるが、仮にこの0.5%の
ユーザーを獲得するだけで290万台/年となる。この数字は3.5”MOドライブが10年以上かけて築いて
きた市場規模を上回るのである。
また、超分散コンピューティングは多様なユーザー層、使う場所・条件・時などのパラメータを持つ
幅広い使われ方が考えられストレージに対するニーズは確実に多様化する。
ユーザー・ニーズ・オリエンティッドあるいはアプリケーション・オリエンティッドな製品が出来れば、
一定のビジネスになりうるのだ。
4 . 助走期と収穫期
PC用ストレージ市場はPCの出荷台数に比例して大きく伸張してきた。しかし、一方技術更新と価格
低下が激しくベンダーにとって現状は必ずしも良いビジネスにはなっていない。
HDDを例にとると総出荷容量とリテイルMB単価の関係は図7の通りであり、出荷容量の伸びよりも価
格低下の方が14%ほど大きい。
ベンダーは激しい技術の革新とそれを上回るコストダウン努力を強いら
れてきたのである。
光ディスクも同様で、日系の CD-ROM ドライブ・メーカーの多く は 1997 年以降、激しい倍速競争に
入ってからは利益が出ていない。価格競争がある上、製品の激しい陳腐化がメーカーに、技術開発費用
の押し上げ、
製造面では部品廃棄や期末の製品廃棄を大量に発生させる、
という経営を強いている為だ。
CD-RWドライブも2000年の過剰在庫が価格低下を引き起こし、
オーバーヘッドの大きい日系メーカーの
多くは赤字に沈んだ。
PCは、
今後伸びが減退すると予測されるが、
これまで数量の増大によってかろうじて付加価値額を確
保してきたストレージベンダーは一段と厳しい経営を強いられる。
収益性の改善はストレージベンダ共通の課題になっていると言えるのであり、新しく形成されるスト
レージ市場に積極的に関与して目的意識的に改善して行くことは必要であろう。
言うなれば、これまでが助走段階とすれば、これからは収穫期にして行く必要がある。
しかし、
留意を要するのは、
コーポレートにおける設備投資は経済的バランスが見出されれば容易に
実行されるのに対して、前記したように、コンシューマーの財布は簡単には緩まないという点だ。
新しく形成されるIA機器のユーザーは多様であり、使い方も多様化する。
変化のスピードを見誤って過剰期待を持つのは禁物であり、
またユーザーが何を求めているかを真摯
IDEMA Japan News No.44
12
市場動向
に見て行かないと思わぬ火傷を負う。
ストレージベンダーはこれまで、
極論すれば、
PCベンダーの言いなりでやっていればよかったがコン
シューマーと直接向き合う新しいステージにおいては独自のマーケティング眼を持つことが何よりも重
要である。
註) *1
Gartner DataQuestのアンケート調査1999年末
*2 情報通信研究所 2000年3月のアンケート調査 N=6960
*3 ポラックの法則
インテルのフレッド・ポラックが見つけたCPUに関する法則。半導体の性能はこれまでムー
アの法則(24ケ月で集積度、性能が 2倍になる)にしたがって進化してきたが、微細化が進
む今日では面積を2-3倍に増やしても性能は1.5-1.7倍にしかならない、とするもの。
*4
マイケル・ダートウゾス著「IT 学講座」 翔泳社 2001 年 6 月刊
*5 メリルリンチ証券調査部の指摘。
*6 Pervasive Computing; IBMが1999年の年次報告で用いた言葉。同年次報告ではPC時代は終
わり今後はPervasive Computing時代になると指摘している。
石川純二 [email protected](ギガ・ストリーム)
13
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 合同分科会(2001.6)より
磁気ヘッド用スパッタ装置
恒川 孝二(アネルバ)
1.はじめに
1999 年、米 IBM 社が TMR 素子を用いた MRAM 試作
がデバイスとして成り立つためには上記の機能が
備わっているだけでは十分とは言えない。
高MR比、
1)
高Hex、低Hc、etc.のような膜特性を得るために、
成膜装置メーカーも本格的に
「磁気ヘッド/MRAM用
超高真空技術が欠かせない。また生産装置である
ので、基板面内の均一性や基板間の再現性なども
を、TDK 社が TMR ヘッドの製品化 2)を発表し、TMR
膜の実用化が現実味を帯びてきた年である。我々
スパッタ装置」
(ここで言う磁気ヘッド用スパッタ
装置とは GMR/TMR 膜用のスパッタ装置を指す)の
設計検討を開始した。磁気ヘッド用途だけでなく
MRAMという半導体の製造ラインにも適合しなけれ
ばならないため、数多くの困難があった。しかし
開発開始から2年、ようやくデモ用の装置が社内
求められる。特に、TMR 膜においては、TMR 素子の
接合抵抗値がトンネルバリヤの厚さに対して指数
関数的に変化するため、膜厚の均一性と再現性が
キーポイントとなってくる。表1に GMR/TMR 膜用
のスパッタ装置に対する要求と、それらを実現す
るための方法をまとめてみた。
に設置されデータが出始めてきた。本稿では磁気
ヘッド用スパッタ装置の概要と我々が新規に開発
3.磁気ヘッド /MRAM 用スパッタ装置:C-7100
表2に C-7100 の特長を示す。各項目について説
した「磁気ヘッド/MRAM用スパッタ装置:C-7100」
の特長についてプロセスデータを混じえながら紹 明すべきであるが紙面の都合上、膜厚均一性、超
介する。
高真空、低圧スパッタリングにフォーカスして実
データを用いて説明し、最後にGMR膜とTMR膜につ
2.磁気ヘッド用スパッタ装置への要求
磁気ヘッドに使用されるGMR/TMR膜は図1のよう
いてC-7100によるデータを紹介する。
な多層構造を成しているため、磁気ヘッド用ス
3-1. 膜厚均一性
AMR の頃は 3”-4”wafer 面内で± 3% 程度の均一
パッタ装置には一般的な半導体/電子部品用のス
パッタ装置にはない特殊な機能が求められている。 性であれば良かった。それが GMR になると 4”-6”
TMRヘッド/MRAM
具体的には、①10層以上の多層膜を大気に曝すこ wafer面内で±2%以下を求められ、
となく真空中で連続的に成膜できること、
②1nm以
下の極薄膜を成膜できること、③ 1nm 以下の極薄
においては6”-8”wafer面内において±1%以下が
必要になってくる。そのような厳しい要求に対し
膜を酸化できること、④高Bs材の磁性体ターゲッ
表1 G M R / T M R 膜スパッタ装置への要
求と実現方法
トをスパッタすることができ、それらを磁場中で
成膜できること、などである。しかし GMR/TMR 膜
要求性能
Ta
NiFe
CoFe
Al-Ox
CoFe
Ru
CoFe
極薄酸化膜
0.5~1.5nm
0.8nm
Oxide
Cu
NiFe
CoFe
Cu
CoFe
NOL
CoFe
Ru
CoFe
PtMn
PtMn
NiFe
Ta
NiFeCr
NiFe
Ta
(a) TMR
zz多層膜成膜
多層膜成膜
zz極薄膜制御
極薄膜制御
zz膜厚均一性
膜厚均一性
zz極薄膜酸化
極薄膜酸化
zz高MR比
高MR比
zz磁気異方性
磁気異方性
zz磁気結合制御
磁気結合制御
zz膜の平滑性
膜の平滑性
zz再現性
再現性
10~15層
10~15層
<<±0.01nm
±0.01nm
<<±1%
±1%
<<1nm
1nm
GMR,TMR
GMR,TMR
<<±2°skew
±2°skew
Hin,
Hin,Hex
Hex
<<0.5nm
0.5nm
<<1%,
1%,1σ
1σ
実現方法
zzマルチカソード
マルチカソード
zzマルチチャンバー
マルチチャンバー
zz高速開閉シャッター
高速開閉シャッター
zz回転成膜
回転成膜
zz独自設計のカソード
独自設計のカソード
zz酸化専用モジュール
酸化専用モジュール
zz超高真空
超高真空
zz低圧スパッタ
低圧スパッタ
zz磁場中成膜(永久磁石)
磁場中成膜(永久磁石)
表2 C
表2 C - 7 1 0 0 の特長
(b) Specular-GMR
z 膜厚均一性(8”wafer面内)
≤ ±1%
z 極薄膜制御
≤ ±0.01 nm
z 超高真空(UHV)
≤ 8×10-7 Pa
z 高利用率ターゲット
≥ 45%
z 低圧スパッタリング
0.02 Pa ~
図1 G M R / T M R 膜の構造
図1 G
z 磁気異方性制御(スキュー角)
≤ ±2°
典型的な TMR 膜の構造(a)と Specular-GMR 膜の構造(b)
z 高均一酸化
≤ ± 1%
IDEMA Japan News No.44
14
技術委員会 合同分科会(2001.6 )より
て、我々は独自の回転成膜法によって8”wafer面
内±1%以下の膜厚均一性を実現した。図2は磁気
果が図4である。真空度が高くなるにつれてMR比
が増大し、10-7 Pa台で安定するという結果が得ら
ヘッドで使用される代表的な材料の膜厚分布測定
れた。これによって我々はC-7100の到達真空度の
結果を示す。グラフからわかるように全ての材料
において8”wafer面内±1%以下の均一な膜が得ら
標準仕様値を 8 × 10-7 Pa 以下と定めている。
3-3. 低圧スパッタリング
一般的なマグネトロンスパッタ装置におけるス
れている。図3はその一例であり、Ru 膜の膜厚分
パッタ中の Ar ガス圧は0.1-10 Paである。しかし
近年、半導体プロセスにおけるコンタクトホール
布プロファイルを示している。
3-2. 超高真空
のカバレッジ向上などを目的として低圧スパッタ
3)
超高真空の効果については、高MR比 、耐熱性の
向上4)、反強磁性層の薄膜化など、多くの報告がな
プロセスが使用されるようになった。
この場合、
低
圧スパッタによるスパッタ粒子の平均自由行程増
されている。我々もIrMnを用いたspin-valve膜の
大の効果を利用している。また、低圧スパッタに
MR比について真空度依存性を調べてみた。その結
はこれ以外の効果もある。スパッタ成膜中のArガ
ス圧を下げることで雰囲気中に含まれる不純物ガ
3.0
ス成分を少なくし、純度の高い膜を得ることがで
2.5
きる。図5はスパッタ中のArガス圧と膜の比抵抗
との関係を示している。Arガス圧が下がるにつれ
2.0
て抵抗値の低い膜が得られていることがわかる。
1.5
1.0
±1%
0.82
0.61
0.5 0.25
0.74
0.39
0.26
0.32
0.2
Cu
Ru
Ta CoFe NiFe IrMn PtMn
面ラフネスとの関係を示しているが、ほとんどの
0.0
Al
成膜材料
磁気ヘッドに用いられる代表的な材料においては、全ての材
料において 8”wafer 面内± 1% 以下の膜厚均一性を得ること
3-4. GMR
GMR 膜については高 MR 比を得ることが最重要で
あるが、
磁気ヘッドとしての実用上Hc < 1 Oe、
Hin
ができた。
100
< ± 10 Oe などいくつかの制約がある。とりわけ
Cu層を薄膜化することは高MR比を得るのに有効で
あるが、Cu 層を薄くするにつれて Hin が増大する
75
1
0.995
“NOL(nano oxide
という問題があった 5)。しかし、
25
0
0.995
-25
layer)を用いる”、
“特定の積層界面にプラズマ処
理をする”、などして2nm付近のCu層厚においても
10
-50
規格化膜厚分布
-100
1.00
●
● ●
8
1
-75
MR比 [%]
基板中心からの距離 [mm]
膜において低圧側でRaが下がっている。このこと
は、表面ラフネスによって特性が大きく左右され
るTMR膜にとっては有効なプロセスと考えられる。
図2 各種材料の膜厚均一性
50
さらに低圧スパッタには膜表面を平坦化する効果
があることがわかっている。図6はArガス圧と表
●●●●
●●●●
●●●●
●●
●●●
●●●●
●●●●
●●●●
●●●
●●
●
●
●
●
●
●
●
0.98
6
●
●
8× 10 -7 Pa
●
4
2
Ta/NiFe/CoFe/Cu/CoFe/IrMn/Ta
0.96
0.94
-100 -75
0
1E-8
-50
-25
0
25
50
75
100
基板中心からの距離 [mm]
図3 R u 膜の膜厚分布プロファイル
8”wafer 面内において ±0.32% の膜厚均一性を得た。
1E-7
1E-6
1E-5
到達真空度 [Pa]
1E-4
図4 M R 比の到達真空度依存性
到達真空度が下がるにつれて MR 比が増大し、8 × 10 -7 Pa 以
下で安定する。
15
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 合同分科会(2001.6)より
±10 Oe以下のHinを得ることができるようになっ
7100の性能が証明された。
3-5. TMR
た。図7はその実験結果を示している。NOLやプラ
ズマ処理を用いない標準プロセスのスピンバルブ
においてはCu層厚が薄くなるにつれてHinが増大
TMR 膜はトンネルバリヤとなる AlOx 層の形成が
キーポイントとなる。AlOx層の形成にはAlの成膜
後に酸化する方法が一般的に用いられている。低
しているが、NOLではHinが振動しCu層厚が2.1nm
においても ± 1 0 O e 以下の H i n を得ている
(MR=10%)。さらに、条件を変えた“プラズマ処理
抵抗が要求される磁気ヘッド用途においてはAlの
膜厚が1nm以下、わずか2-3原子層の厚さであるso
そのためAlの成膜には非常に高精度な膜厚制御技
2”においては、Hin < ± 10 Oe を維持したまま
C u 層厚を 1 . 9 n m まで薄くすることができた
(MR=12%)。図8はプラズマ処理をしたPtMnスピン
術が要求され、なおかつ基板面内でばらつきなく
均一に成膜しなければならない。さらにそのよう
な薄いAl層を均一に過不足無く酸化する技術も必
バルブのCu=2nmにおけるMR曲線である。酸化層を
使用していないにもかかわらず12%の高MR比が得 要とされる。比較的膜厚の厚い(と言っても 1られ、0.5 Oe の低 Hc と -4 Oe の Hin を実現した。 1.5nm 程度の薄さであるが)MRAM 用途には酸化速
図9はNOLを用いたスペキュラースピンバルブの 度の速いプラズマ酸化法が試されることが多いが、
25枚連続処理におけるMR比とシート抵抗(Rs)の再 膜厚の薄い磁気ヘッド用途には酸化速度が遅くイ
現性データである。MR 比、Rs ともに 1%(1 σ)以下 オンダメージの無い自然酸化法が試されている。
の再現性が得られ、生産装置として開発した C-
図10は自然酸化法によってバリヤ層を形成した
1.8
35
1.6
20nm NiFe膜
25
80nm CoFe膜
20
■
15
■
■
20nm Al膜
10
1.0
0.8
0.6
0.1
120
▲
■
●
▲
■
●
▲
●
■
6
Hin [Oe]
8
▲
■
●
4
▲
IrMn
◆
NiFe
×
■
●
×
Cu
▼
Ta
+
Al
□
Ru
膜厚:50nm
0.1
1
成膜することによって表面ラフネス(Ra)が小さくなる。
▲
■
標準
100
●
NOL
80
▲
プラズマ処理1
◆
プラズマ処理2
●
■
▲
60
40
■
●
◆ ▲
20
●
0
0
1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 3.2
CoFe
各単層膜(50nm)の表面ラフネスを AFM にて調べた。低圧で
◆
2
●
図 6 成 膜 中 の A r ガス圧と表面ラフネス
の関係
低圧で成膜することによって膜の比抵抗が下がる。
◆◆◆
▲▲
▲◆
◆
▲
■
■
●
■
●
●
●
●
▲■
■
PtMn
成膜中のArガス圧 [Pa]
図5
成膜中の A r ガス圧と膜の比抵抗の関係
14
■
▼
●
◆▼
0.0
0.01
1
成膜中のAr圧力 [Pa]
10
×□
■
0.2
0
0.01
12
+
1.2
0.4
5
▲
□
◆
+
▲
1.4
Ra [nm]
比抵抗 [µΩ-cm]
30
■
■■■
▲
●▲ ▲
●
●
◆◆◆
▲
■
●
●
▲
■
●
▲
■
-20
1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 3.2
Cu膜厚 [nm]
Cu膜厚 [nm]
(a) Cu vs MR
(b) Cu vs Hin
図7 P t M n スピンバルブの C u 層厚依存性
図7 P
Ta(3nm)/NiFe(2nm)/PtMn(12nm)/CoFe(1.8nm)/Ru(0.8nm) /CoFe(2.8nm)/Cu(Xnm)/CoFe(1.5nm)/NiFe(2.5nm)/Cu(1nm)/Ta
(3nm)。NOL及びプラズマ処理を施したスピンバルブでは、Hinの振動現象が現れた。
IDEMA Japan News No.44
16
技術委員会 合同分科会(2001.6 )より
14
MR比 [%]
12
10
14
MR : 12.0 [% ]
Rs : 16.6 [Ω /sq]
dR : 1.98 [Ω /sq]
Hex : 1123 [Oe]
12
10
8
8
6
6
4
4
2
2
0
-2000
Hin : -4.0 [Oe]
Hc : 0.5 [Oe]
Hk : 4.4 [Oe]
0
2000
0
-75
0
75
H [Oe]
H [Oe]
(a) メジャーループ
(b) マイナーループ
図8 P t M n スピンバルブの M R 曲線
図8 P
Ta(3nm)/NiFe(2nm)/PtMn(12nm)/CoFe(1.8nm)/Ru(0.8nm) /CoFe(2.8nm)/Cu(2nm)/CoFe(1.5nm)/NiFe(2.5nm)/Cu(1nm)/
Ta(3nm)。Cu 層厚を 2nm まで薄くすることができ、12% の MR 比と負の Hin(= -4.0)を得ることができた。
18
16
0.57% (1σ )
● Rs
■ MR
40
MR : 32 [%]
RA : 55 [Ωµm2]
● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●● ●
30
MR [%]
MR比[%]
シート抵抗(Rs) [Ω/sq]
20
14
20
0.74% (1σ )
10
12
0
-3000
10
0
5
10
15
20
25
処理枚数
図9 N O L を用いたスペキュラースピンバ
ルブの再現性
0
3000
H [Oe]
図 1 0 自然酸化法によって作成した T M R
膜の M R 曲線
Ta(5nm)/NiFe(2nm)/IrMn(5nm)/CoFe(2nm)/Ru(0.8nm)/NOL
/CoFe(2.8nm)/Cu(2.2nm)/CoFe(1.5nm)/NiFe(2nm)/Cu
(1nm)/Ta(3nm)。MR 比、Rs ともに 1% 以下の再現性が得られ
た。
Buffer/PtMn/CoFe/Ru/CoFe/AlOx/CoFe/NiFe/Cap。32% の
TMR 膜の MR 曲線である。32% の高 MR 比と 55 Ωμ㎡
業界及び半導体業界の発展に貢献していく必要が
の低RAが得られた。さらに条件を最適化して10Ω
ある。
高 MR 比と 55 Ωμ m 2 の低 RA が得られた。
μ㎡以下の低 RA も期待できる。
4.おわりに
<参考文献>
1) S. S. P. Parkin et al., J. Appl. Phys., 85
85,
ド、そして MRAM の実現は量産レベルで均一な TMR 5828 (1999).
素子を作製することができるか否かにかかってい 2) 日経エレクトロニクス1999.11.15 (no.757) p27
3) K. Hayashi et al., Jpn. J. Appl. Phys., 37
37,
ると言われている。そういった意味で我々成膜装
386 (1998)
置メーカーの責任は重大であると強く感じている。
4) 清水 豊他:日本応用磁気学会誌 , 23
23, 1045
磁気ヘッド/MRAM用スパッタ装置:C-7100につい
てその特長とプロセスデータを紹介した。
TMRヘッ
今後も特性向上のためのプロセス開発を進め、さ
らに生産装置としての再現性、信頼性、生産性、メ
ンテナンス性等の評価を行い、データストレージ
(1999)
5) J. Hong et al., IEEE Trans. Magn., 36
36, 2629
(2000)
17
IDEMA Japan News No.44
入門講座
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HDD
っ て 何?
HDDっ
PC と HDD
、 な ぜ HDD な の ?
HDD、
記 憶 装 置 に ど ん な の が ある の ?
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っ て 何?
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FDD(可動記憶媒体、装置)
お申込は下記の FAX、又はオンラ
インでお受けします
FAX:03-3539-7072
http://www.idema.gr.jp/class/
class_home.htm
参加希望日
こ んな 皆さ ん のた めに …
¾
非 技 術 系 や 専 門 分 野で な い 方 々 。
¾
営業部門の方々。
¾
こ れ から HDD 事 業部 門に 配属さ れる 方 々 。
¾
マ スコミ や 出 版 関 係 の 方 々 。
¾
証 券 、 金融機関の方々。
HDD??
PC
CPU=中央演算処理装置
HDD(補助記憶装置)
CD-ROM(読出し専用メモリー)
メインメモリー(主記憶装置)
第1希望
月 日
第 2 希望
氏名
年齢
月 日
性別
会社名
部署
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住所
〒
TEL
FAX
E-mail
国際ディスクドライブ協会事務局 FAX:03-3539-7072
申込書到着後、参加証と地図、請求書を受講月初頃に郵送にてお送りいたしますので、
御確認の上、料金を当日までに、第一勧業銀行 新宿南口支店 普通口座1113078
国際ディスクドライブ協会へお振込みいただきますようお願いいたします。
キャンセル・振替は受講日の 1 週間前までにご連絡ください。
第一希望が満席の場合はすぐにご連絡させていただきます。
日 程 : 第 39 回 10 月 26(
金)/ 第 40 回 12 月 21 日(金)
日 程 :
26(金
(時間は全て 13:00 から 17:00 まで/ 1 回で終了)
受講料金:
会員 ¥10,000.¥10,000.- 非会員 非会員 ¥12,000.¥12,000.- 学生 ¥3,000.受講料金
: 会員 ¥10,000. 非会員 ¥12,000. 学生 ¥
3,000.会 場
: 国際ディスクドライブ協会 会議室
会 場:
IDEMA Japan News No.44
18
IDEMA 2001 年 10 月クォータリーセミナー
開催のご案内
2001 年 10 月クォータリーセミナーをご案内申し上げます。このセミナーは、国際ディスクドライブ協会の主
要イベントのひとつです。この絶好の機会を活用することで、講演聴講による業界情報の収集、ご出席者相互
の親睦・情報交換・人的ネットワークの拡大等にご活用いただけます。
また、講演終了後は講師の方々を囲んでの立食パーティも予定しております。大勢の皆様のご参加をお願い
致します。
今回は、100 超 Gb/in2 に向けての HDD の最新の技術開発動向をまとめました。まず、HDD の技術ロードマップ
を明らかにし、次に磁気ヘッドと媒体の技術、並びに垂直磁気記録技術についてご紹介します。更に、磁気転
写サーボと高密度化に伴う測定とテスタの技術をご紹介します。各方面の皆様のご参加をお待ちいたします。
テーマ
日時
場所
(代)
交通
:「 高 密 度 H D D 技 術 ・ ・ ・ 1 0 0 超 G b / i n 2 に 向 け て 」
: 2001 年 10 月 12 日(金) 13:00 ∼ 17:00(終了後懇親会)
:主婦会館プラザエフ(B2 クラルテ)〒 102-0085 千代田区六番町 15 番地 TEL:03-3265-8111
:J R(中央線)四ツ谷駅前(麹町口)、地下鉄(丸の内線、南北線)四ッ谷駅から徒歩 2 分
プログラム
挨拶(会長)
13:00-13:05
講演1 「高密度化への技術ロードマップ」
13:05-13:40
SRC では、技術ターゲットである 200Gb/in2(100Gb/in2 超)の実現のため、ヘッド、媒体をはじめ HDD 技術の各要素部分で
の技術検討を進めている。その検討結果を紹介する。
SRC(情報ストレージ研究推進機構) テクノロジーボード議長
株式会社 富士通研究所 ストレージシステム研究所 所長代理 押木 満雅氏
講演2 「磁気ヘッドの先端技術」
13:40-14:15
磁気ヘッドは今後の高密度記録実現のために、エレメント構造、材料、プロセス共に技術的イノベーションが求められている。
本講演では今後のヘッド技術の開発状況を紹介する。
TDK 株式会社 記録技術開発センター 磁気デバイス開発部 部長 松崎 幹男氏
講演3 「SFメディアによる面内高密度磁気記録」
株式会社 富士通研究所 磁気ディスクテクノロジ研究部 猪又 明大氏
14:15-14:50
Coffee Break
14:50-15:05
講演4 「先進の垂直磁気記録技術」(仮)
秋田県高度技術研究所 所長 大内 一弘氏
15:05-15:40
講演5 「磁気転写記録技術」
15:40-16:15
古典的磁気転写と異なり、マスターに微細加工された強磁性体パターンを用いる新しい磁気転写記録方式を開発した。
この記録方式の応用で機械式サーボトラックライターを使用せずにサーボ信号を記録することが可能である。
松下電器産業株式会社 H D 開発センター 所長 松岡 薫氏
講演6 「高密度用の測定及びテスタ」(仮)
日本スパイダー・システムズ株式会社 専務取締役 金子 峻氏
16:15-16:50
懇親会:9F スズラン
16:50 -
講師・演題は今後変更する場合がございます。
国際ディスクドライブ協会
事務局 〒 105-0003 東京都港区西新橋 2-11-9 ワタルビル 6 階
TEL:03-3539-7071 FAX:03-3539-7072 E-mail:[email protected]
19
IDEMA Japan No.44
Japan
事務局行
FAX:03-3539-7072
2 0 0 1 年 1 0 月クォータリーセミナー参加申込書
ONLINE 申し込みも http://www.idema.gr.jp/registration/reg_home.htm から可能です。
必要事項をご記入の上、事務局宛てに FAX にてお申し込み下さい。
2001年 月 日
当社は
会社名
当社は
会員 ・ 非会員
である
である
ふりがな
氏名
部署
役職
住所
〒
−
社内アドレス
TEL
FAX
E-Mail
*参加者お一人につき一枚でお願い致します。
締め切り日 10 月 5 日(金)
セミナ・懇親会参加費
協会会員 18,000 円
非会員 30,000 円
聴講ご希望の方は、協会事務局宛
FAX、
、E-mail またはオンライン http://www.idema.gr.jp/registration/reg_home.htm でお申し込み下さい。
請求書の発送をもって受け付け済みとさせていただきます。
参加費は請求書をご確認の上、第一勧業銀行 新宿南口支店 普通1113078国際ディスクドラ
イブ協会へ銀行振り込みにてお支払い下さい。尚、銀行振り込みにてご入金の場合、原則として領収書
の発行は致しませんので予めご承知おき下さいますようお願い申し上げます。
お申し込み締め切り日は 10 月 5 日(金)ですが、定員となり次第締め切らせていただきます。また、当日キャ
ンセルの場合は参加費の返却は致しませんのでご了承下さい。
IDEMA Japan No.44
20
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
サスペンション駆動型アクチュエータについて
半谷正夫(日本発条)
1.はじめに
多くの特性が求められる。
PZTの保護と発生変位を
磁気ディスク装置は高密度、高速化にともない
除く特性は従来サスペンションにも求められるが、
マイクロアクチュエータで特に問題となるものを
近年著しいトラック密度と回転数の増大が進んで
いる。トラック幅が狭くなるにもかかわらず外乱
取り上げた。その他、フライハイト、Swage、ショッ
ク及び電送等の特性を満足しなければならないこ
とは言うに及ばない。以下にこれらの特性を説明
による振動が高い周波数まで及ぶために、ヘッド
をトラック中心に維持することは極めて困難と
なっている。そのため、振動の抑制を計ると共に
する。
まず振動特性であるが、本来サスペンションは
ばね部分のZ方向剛性を除いた全ての剛性が十分
制御帯域を上げる必要が生じている。
前者は高剛性ディスクや流体軸受けの使用に
よって、後者は軽量で高剛性なキャリッジアーム
大きく共振周波数が高いものが理想である。特に
とサスペンションによって改善が行われている。 位置決めに必要となるトラック方向(サスペン
しかしながら、制御帯域に関しては主要な外乱を ションでは Sway方向と Torsion方向)はその高周
圧縮できるレベルには至っていないと思われる。
波数化が望まれている。その特性を得るためのデ
このブレークスルー技術は2段アクチュエータ
ザインが図1に示すばね部を別部材としたFUMAサ
スペンションである(3)。しかしサスペンション駆
である。この技術は粗動用と微動用の2つのアク
チュエータを複合サーボ系で連続的に制御するも
動型ではロードビームとベースプレート間にアク
チュエータ部が配置されるために共振周波数を上
(1)
のであり
、
粗動用には従来のボイスコイルアク
チュエータを、微動用にはサスペンション内もし
くはその先端部に設けたマイクロアクチュエータ
を使用する。このマイクロアクチュエータはサス
ペンション駆動型、スライダ駆動型、ヘッド駆動
型に分類され、多くの研究はサスペンション駆動
型もしくはスライダ駆動型である。
スライダ駆動型は制御帯域を上げるための特性
には優れているが、信頼性、生産性及び発生変位
Swage Plate (t0.15)
に関してはサスペンション駆動型が優れていると
考える(2)。
本稿では製品化が近いと言われている
サスペンション駆動型の実用化に関するデザイン
Flange (Beam) (t0.10)
とその評価結果及び今後の改良ポイントを紹介す
る。
Hinge (t0.038-t0.04)
2.サスペンション駆動型に必要となる特性
マイクロアクチュエータには表1に示すような
Flexure (t0.025)
図1 FUMA サスペンション
表1 マイクロアクチュエータに必要とされる特性
特 性
・高 い 共 振 周 波 数
・ ア ー ム モ ー ト ゙励 起 の 軽 減
・風 乱 に 強 い 構 造
・ モ ー タ (P Z T )の 保 護
・発 生 変 位 の 確 保
・コン タミ発 生 の 防 止
サス駆 動
×
×
×
○
○
○
21
ス ラ イ タ ゙駆 動
○
○
○
×
×
×
対 策 (サ ス駆 動 )
・Fum aサ ス
・軽 量 化
・ダ ン パ ー
・φ 型 アクチュエータ
・PZTの 埋 込 み
・PZTの コーティング
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
(1) Pivot Type
(2) Beam Type-Inside PZT
(3) Beam Type-Outside PZT
図2 代表的なアクチュエータデザイン
Torsion Stiffness without PZT
Vertical Stiffness without PZT
6000
Torsion S tiffness [uN*m/deg]
Vertical S tiffness [gf/mm]
3000
Beam Type-Inside PZT
2500
Beam Type-Outside PZT
2000
Pivot Type
1500
1000
500
0
Beam Type-Inside PZT
5000
Beam Type-Outside PZT
4000
Pivot Type
3000
2000
1000
0
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.35
0
0.05
Thickness [mm]
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.35
Thickness [mm]
図3 アクチュエータ部の板厚と剛性
げることが難しい。高剛性にもかかわらず発生変
位が得られるアクチュエータとロードビームの軽
期を100kTPIとすると±0.5μm前後もあれば十分
と考えられる。サスペンション駆動型では特に発
量化が必要となる。
アームモードの励起はサスペンション駆動型で
生変位と主モードが反比例の関係となるのでTPI
の上昇と共に発生変位を減らし、主モードを上げ
は避けられない。それはスライダ駆動型に比べて
る努力が必要となる。また発生変位はその劣化や
可動部のイナーシャが大きいためである。ロード
ビームの軽量化とキャリッジアームの最適化が必
温度による変化が問題となるため、
PZTの評価と選
定は重要となる。
要となる。
コンタミの発生はPZTが焼結体であるために避
風乱は特に高回転の機種で問題となり、非定常 けられない。したがって、PZTに何らかのCoating
流体力によってロードビームが揺らされて位置決 (Encapsulation)が必要となる。
めが劣化するものである。特に Torsion モードで
顕著に現れるためロードビーム及びアクチュエー
タのねじれ剛性は重要となる。この特性が劣って
3.サスペンション駆動型のデザイン
前述したようにアクチュエータ部はその剛性が
いると制御帯域をいくら改善しても位置決め性が
重要である。そこで代表的なアクチュエータデザ
向上しないことになる。ねじれ剛性の高いアク
チュエータとロードビームが必要となるが、ダン
インの剛性を調べた。図2に各デザインを示す。
(1)はHTIテクノロジー社の Magnum5である。ア
パー材の使用も有効である。
クチュエータ中央に回転中心(Pivot)を設けてい
モータにはほとんどのサスペンション駆動型で
PZTが使用される。
それは軽量小型であることとレ
るのでPivot Typeと呼ぶことにする。(2)はPZTを
中央ビームの脇に配置して外側にφ型ビームを設
スポンスの良さからくるものであるが、
PZTは非常
けている。また(3)は中央ビームだけでPZTを外側
にもろい材料である。ショックやハンドリング時
の外力に対して PZT に応力が発生しにくいアク
に配置している。
これらのデザインをBeam Typeと
呼ぶことにする。
チュエータデザインが必要となる。特に Z 方向の
これらのデザインの板厚と剛性の関係を図3に
高剛性が求められる。
発生変位は2段アクチュエータが使用される時
示す。
Z方向及びねじれ剛性はデザインの違いより
も板厚に大きく影響されることが分かる。した
IDEMA Japan News No.44
22
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
(1) Swage Baseplate by Stamping Process
(2) PZT motors within the baseplate thickness
* baseplate thickness = 0.2mm
* PZT motor thickness = 0.15mm
length = 2.8mm
width = 1mm
図4 アクチュエータ部と全体の構成
がって、Pivot Typeのように複雑な形状で板厚が エータ及び全体の構成を示す。アクチュエータ部
t100μm以上にすることが難しいデザインよりも、 はベースプレート一体構造でプレス加工で作られ
形状が単純で板厚を自由に選定できるBeam Typeの
る。ハンドリングダメージ、PZT変位の有効活用及
デザインが優れている。
ねじれ剛性に関しては、
デ
ザインで異なり(2)のデザインが(3)の約2倍であ
び構造の対称性等を考慮してPZTは板厚200μmの
SUS材に埋め込まれる構造とし、
ロードビームには
る。
前述のFUMA構造を採用した。
Sway方向の剛性は共振周波数を上げる意味で重
要であるが、発生変位との関係上この方向の剛性
4.評価結果
をむやみに高くすることはできない。
PZT自体をこ
の方向の構造部材として有効に用いて剛性を上げ
る工夫が必要であろう。今後の課題である。
4.1 PZT の保護
表2に発生変位、ばね定数等の計算及び実測結
以上から、アクチュエータのデザインは Beam
果を示す。ばね定数が計算値と実測値で大きく異
Type (2)とし、その板厚は PZT を保護でき最も軽
量と考えられる t200μmとした。図4にアクチュ
なるのはばね部中央に通っているフレキシャー配
線部を計算では考慮しなかったことによる。
PZTの
有無によるばね定数
表2 発生変位等の計算値と実測値
の変化がほとんどな
いことから、アク
チュエータ部の Z 方
向剛性は十分大きい
と考えられる。
PZT保護の検証のた
めに PZT 破損試験と
サスペンション単体
23
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
ショック試験を行った。入力ショック波形は
0.2msecサイン波形3000Gで繰り返し回数を10000
に関してはクラックの発生及び発生変位の変化は
見られずPZTに過度な応力の発生がないことを確
回とした。それらの結果を図5に示す。アクチュ
認できた。したがって、採用したアクチュエータ
デザインは PZT を十分保護できており、実用に耐
エータ組み付け後のPZT破損強度はPZT単体に比べ
て3∼4倍となった。また、各方向のショック試験
えうると考える。
Y(Sway) direction (3000G, 0.2msec, 10k times)
Z direction (3000G, 0.2msec, 10k times)
1.5
1.5
(wire bondi ng broken 2/5)
1
0.5
0
-40
-20
0
c
20
40
Di splacement(um)
Displacement(um)
1
before
after
-0.5
0.5
0
-40
-20
0
20
40
before
after
-0.5
-1
-1
-1.5
Voltage(V)
-1.5
Voltage(V)
X(CSS) direction (3000G, 0.2msec, 10k times)
PZT Broken Strength 130 gf
1.5
Displacement(um)
1
0.5
0
-40
-20
0
20
40
before
after
-0.5
-1
-1.5
Voltage(V)
PZT Broken Strength 160 gf
図5 PZT 強度とショック試験結果
4.2 PZT の Coating
PZTのCoatingはカット面となるPZT側面を接着
剤で埋める方法を使用した。その外観と特性を図
6に示す。Coating前後の発生変位に変化はなく、
Coating品の折損強度はCoatingなし品の約2倍で
あった。
パーティクル発生に関してはLPC試験データを
図7に示す。
これはサスペンションを1分間洗浄
した純水中のパーティクルをカウントするもので、
純水を換えながら同一サンプルを連続5回測定し
た。したがって、回数を重ねる度にそのカウント
が0に近づけば新たなパーティクルの発生はない
と言える。Coatingを施したものはPZTなし品とほ
ぼ同等であり、
PZTからパーティクルの発生がほと
んどないことが分かる。
IDEMA Japan News No.44
24
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
1.5
displacement/um
1
Before
0.5
0
-40
-20
0
20
40
Encapsulation
-0.5
-1
-1.5
voltage/V
PZT Broken Strength
without Coating : 130 gf
Before Coating
with Coating : 270 gf
After Coating
図6 PZT Coating 外観と Coating 後の特性
With PZT
Without PZT
More than 1um
More than 1um
10000
10000
9000
9000
Without Coating
8000
Counts(more than 1um)
Counts(more than 1um)
8000
7000
6000
With Coating
5000
4000
3000
2000
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
1000
0
0
1
2
3
4
5
0
6
0
Ti mes
1
2
3
4
5
6
Ti mes
図7 LPC試験結果 4.3 PZT と発生変位
特性値にもかかわらず経時変化は異なっている。
PZTは各メーカ毎材質、工程条件等が異なるため
最後に発生変位とヒステリシスの温度特性を
図10に示す。キューリー温度の高いPZTの方
カタログ仕様はほぼ同等にもかかわらず発生変位の
特性は異なる場合が多い。
たとえば、図8に示すように圧電定数、キュー
リー温度がほぼ同じPZTにもかかわらず発生変位と
そのヒステリシスはかなり異なることが分かる。ま
た、図9に温度 85 ゜ C、湿度 85% 下での発生変位
とヒステリシスの経時変化を示す。ほぼ同等のPZT
25
が線形性、再現性で優れているが、発生変位は
小さくなっている。
以上のように発生変位の特性はPZT単体の特
性値だけでは決定できない。長期の試験と継続
した評価が必要とされる。基本的には発生変位
の絶対値よりも信頼性を重視すべきと考える。
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
D31=273 E-12 m/V, Tc =220 deg
D31=254 E-12 m/V, Tc=220 deg
Disp.=1.256 um, Hys.=14.97 %
1.5
1.5
1
1
displacement/um
displacement/um
Disp.=1.104 um, Hys.=7.25 %
0.5
0
-40
-20
0
20
40
-0.5
0.5
0
-40
-20
0
20
40
-0.5
-1
-1
-1.5
-1.5
voltage/V
d31=273 E-12 m/V, Tc=220 deg
voltage/V
図8 発生変位とヒステリシス
d31=300 E-12 m/V, Tc=210 deg
12
1.0
10
0.9
8
Hys./Disp. (%)
Displacement (um)
0.8
0.7
0.6
0.5
6
0.4
4
0.3
0.2
2
0.1
0
0.0
0
500
1000
0
1500
500
1000
1500
Time(hour)
Time(hour)
図9 高温高湿(85度C、85%)下での発生変位の経時変化
d31=273 E-12 m/ V, Tc=220 deg
d31=200 E-12 m/ V, Tc=315 deg
12
1.5
10
1.4
Hys./Disp. (%)
Displacement(u m)
1.3
1.2
1.1
1
0.9
8
6
4
0.8
0.7
2
0.6
0
0.5
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
Temp(deg)
Temp (deg)
図10 発生変位の温度特性
4.4 振動特性
る。また、取り付け高さ(Z Height)を変化させ
図11にベースプレート加振時の計算値とPZT
ると1st Torsionモードのゲインが大きくなって
いる。
加振時の実測値を示す。データの添付は省略する
が加振の位置が異なっても同様の特性となる。計
次に15000rpm、
ディスク間での風乱特性を図1
2に、ダンパー使用時の Transfer Function を図
算値と実測値で特に1st Torsion周波数が異なる
のは拘束位置が異なるためである。計算ではベー
13に示す。風乱によるオフトラック変位、特に
スプレートボス部を、実測ではベースプレートフ 1st TorsionモードのZ Height変化に対するその
感度が高い。このモードは図14から分かるよう
ランジ面を拘束している。
S w a y 周波数は実測で約 9 k H z となっており、 にアクチュエータ部からのねじれであり、アク
Coatingをすると数100Hzその周波数が上がってい チュエータの剛性不足と重いロードビームが原因
IDEMA Japan News No.44
26
100
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
である。拘束条件によって特に 1st Torsion 周波
数が変化する問題も同様の理由による。しかしな
がら、
ロードビーム上にダンパーを貼ることで1st
43.6mil
20
Gain (dB)
50
Gain [ dB]
10
0
w/o Encaps.
w/ Encaps.
-10
2nd T
1st T
30
Without Coating
30
分かる。
Sway
23.6mil
40
Torsionモードの風乱とゲインは改善されることが
40
33.6mil
-20
180
20
Phase
90
10
0
-90
0
-180
1
-10
1
2
3
4
5
6
7
8
3
5
7
9
11
Frequency (kHz)
13
15
17
19
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
40
90
0
20
Gain (dB)
Phase
With Coating
30
-90
10
-180
0
-270
-10
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
Frequency [kHz]
-20
(b)実測値(PZT加振)
(a)計算値(ベースプレート加振)
図11 Transfer Functionの計算値と実測値 Without Damper
With Damper
Fumatt-DSA
#2
12
14.0mil
18.0mil
22.0mil
26.0mil
30.0mil
34.0mil
38.0mil
1st T
8
6
4
2
14.0mil
18.0mil
22.0mil
26.0mil
30.0mil
34.0mil
38.0mil
10
8
6
4
2
0
0
1
3
5
7
9 11 13 15 17 19 21 23 25
Frequency[kHz]
1
3
5
7
1st Torsion ZH Sensitivity
9 11 13 15 17 19 21 23 25
Frequency[kHz]
1st Torsion ZH Sensitivity
12
12
10
y = -0.492x
10
y = 0.6988x
y = -0.1192x
[nm]
8
[nm]
[nm]
10
[nm]
12
Fumatt-DSA damper
#2
6
6
4
4
2
2
0
y = 0.076x
8
0
10
15
20
25
30
Z Height[mil]
35
40
10
15
20
25
30
Z Height[mil]
35
40
図12 風乱特性 (15 krpm, t2.7 between 3.5”disks, OD)
27
IDEMA Japan News No.44
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
44mil
34mil
24mil
Gl am Load : 3 gf, Stroke : 0.715 um
40
Mass : 72.43 mg,
Gain (dB)
30
20
10
0
-10
-20
180
0
-90
-180
1
3
5
7
9
11
13
15
17
19
Frequency (kHz)
Gl am Load : 2 gf, Stroke w/o Coating : 0.494 um
図13 Transfer
図13 Transfer Function with Damper
Mass : 61.61 mg
Short DSA Design (12.0mm)
(Bea m Thic k.=100u m)
50
w/o Encaps.
40
w/ Encaps.
Gain[dB]
30
アクチュエータ部
20
10
図14 1st Torsion Mode
0
-10
1
2
3
4
5
6
7
8
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11 12 13 14 15 16
17 18 19 20
9
10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
90
0
Phase
Phase
90
-90
-180
5.ショート化による振動特性の改善
以上の評価結果から実用化にはCoatingの実施
-270
Frequency [kHz]
とダンパーの付加が必要になるであろう。また、
図15 12mm長デザインと諸特性の計算値 9kHz強の主モードは従来サスペンションと比べて
も低い。
この主モードで達成できる制御帯域は2∼
3kHz程度である(4)。今後のTPIの上昇を考えると、 6.おわりに
3 ∼ 4kHz の制御帯域を達成するために主モード PZT を埋め込んだ Beam Type アクチュエータに
12kHz以上、さらなる風乱特性の改善、アームモー FUMAサスペンションを組み合わせたサスペンショ
ド励起の軽減が必要となる。これにはアクチュ
ン駆動型のマイクロアクチュエータを試作し、実
エータ部の高剛性化と軽量化が必須となり、サス
ペンションのショート化が有効である。
用化に必要となる技術とその評価結果を示した。
PZTのロバスト性に関しては十分な結果が得られ
図15に現行の 14.5mm 長を 12mm 長にしたとき
たが、振動特性に関してはアクチュエータ部の剛
のデザインと各特性を示す。
主モードは約12kHz近
くまで達成できるが、発生変位はその上昇にほぼ
性不足と重いロードビームのために満足できる特
性とは言い難い結果であった。この改善には
反比例して減少している。また、へたり特性の劣
ショート化が有効であることを示したが、さらな
化により荷重値は最大2gf程度となる。
るアクチュエータ剛性を上げるデザインとロード
IDEMA Japan News No.44
28
技術委員会 ヘッド・テスト分科会(2001.5)より
ビームの軽量化の検討が必要であろう。今後この
ような改善を進め位置決め性の飛躍的な向上に貢
献できれば幸いである。
参考文献
(1)山口、ハードディスク装置のナノメカトロニ
クス技術、日本機会学会[No.01-8]、IIP2001
情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集、
136-141
(2)中村、三枝、磁気ディスク装置用マイクロア
クチュエータ、電気学会誌、120 巻 11 号
2000 年、690-692
(3)半谷、入内嶌、風乱と高バンド幅化に対する
サスペンションの設計法、日本機会学会
[No.00-10]、IIP2000 情報・知能・精密機器部
門講演会講演論文集、48-53
(4)T.Shimizu, H.Masuda, M.Tokuyama, et al,
Development of a Φ -shaped actuated
suspension for 100-kTPI hard disk drives,
A b s t r a c t o f 8 th J o i n t M M M - I N T E R M A G
Conference, EQ-02, (2001), 295-296.
事 務 局 よ り お 知 ら せ
国際ディスクドライブ協会 会員募集
展示会出展料や広告掲載料に会員割引がある他、
会員企業社員の方はどなたでも、
セミナ−、
ディスク
フォ−ラム、
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また、
技術委員会の分科会
へも無料でご参加いただけます。協会案内、
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一般
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1/2ペ−ジ
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60,000円
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契約に関しましては科学技術社へお願いいたします。
株式会社 科学技術社
Tel: 03-3815-8163
IDEMA係 東京都文京区湯島1−5−31 第一金森ビル
Fax: 03-3815-8489
e-mail: [email protected]
IDEMA Japan News の送付について
隔月発行のIDEMA Japan Newsはご希望の方へお送りいたしますので、
新規送付希望と明記して事務局
まで送り先をご連絡ください。
また、
異動などで送り先の変更や不要になられた方も、
事務局までお知
らせいただきますようお願いいたします。
ご協力を宜しくお願いいたします。
fax:03-3539-7072 E-mail:[email protected] http://www.idema.gr.jp/news/news_home.htm
会議室開放に関するご案内
協会事務局の会議室を会員企業に開放いたしております。 広さは約20坪、スクール形式で30席、ご使
用時間は 10 時から 17 時、ご使用料は 3000 円 / 時間です。ご希望の方は、事務局までご連絡ください。
最新ストレージ用語辞典発売中
国際ディスクドライブ協会監修、
日経BP社発行の最新ストレージ用語辞典を頒布しております。価格
は、会員4500円、一般4980円です。お申込みいただきますと郵便振替用紙を同封してお送りいたしま
す。
http://www.idema.gr.jp/registration/reg_yougoshu.htmからお申し込みください。
2 0 0 1 年度会員名簿完成
内容更新につきまして、
ご協力ありがとうございました。 連絡担当者の方へお送りいたします。
29
IDEMA Japan News No.44
技術委員会報告
技術委員長 松崎幹男(TDK)
7月より新年度の活動を開始しました。今年度 テスト分科会と合同で分科会を開催予定しており
は技術委員会活動の更なる活発化のために、副委 ます。 員長、副分科会長の複数化を進め、組織の充実を ディスク分科会(渡辺分科会長)
図ります。また、ディスク分科会の分科会長は日 7月24日(月)にテスト分科会と合同で分科
立の渡辺様から富士電機総合研究所の小林様に交 会を開催しました。
ディスク分科会の会長をこれまでの渡辺分科会
代しました。
分科会活動はヘッド、ディスク、テスト、コン 長から小林分科会長への交代が提案され、承認さ
タミネーションコントロールおよびコンシューマ れました。
HDDの5つの分科会で活動を行います。昨年同 <ディスク分科会の 2001 年度活動計画>
様にテスト分科会はヘッド、ディスク分科会と協 1 Microwaviness WG;これまで原先生の御協力に
同で活動します。各分科会は2∼3ヶ月に一度の より、マイクロウェービネスの各測定器による
頻度で分科会を開催し、ワークショップを織り交 測定値比較、スプラインフィルターの効果につ
ぜながら選定したテーマに沿って主にワーキング いて、実媒体を使って調査した。2001 年度は、マ
グループ(WG)として活動します。特に今年度 イクロウェービネスが、グライド特性やモジュ
は昨年より始めた有料ワークショップに力を入れ レーションに与える影響について調査していき
る予定です。さらに、新設のコンシューマHDD たい。
分科会を軌道に乗せるべく技術委員会全体で支援 2 Imperfection WG;これまで WG 活動ではないが、
ディスク欠陥の分類を発生原因別に行ってきた。
します。また、例年通り 6 月と 11 月には合同分
科会を開催する予定です。技術交流の場として、 2001 年度は、これを発展させて、最近実用化さ
また標準化に向け活発な議論が展開できるよう開 れてきている光学式表面検査装置と R / W 特性と
かれた技術委員会にしていきたいと考えておりま の相関関係を、できれば WG 活動として実験的に
見ていきたい。
す。
HDD業界が低迷する中、次世代製品としてコ <ワークショップ>
ンシューマ分野への展開が期待されております。 “CVD カーボンとスッパタカーボンの比較および今
市場の拡大を促進する上においても、規格化によ 後の動向”
るメーカの負担の低減は非常に意味のあることで アネルバ(株)先端技術 Gr 渡辺直樹
あり、かつアプリケーションの多様化に応じたア 1 CVD カーボンを成膜する方法として、Ion Beam
プリケーションサイドの企業の入会も期待されま 法(バイアス電圧不要)、ECR 法(バイアス電圧
必要)、平行平板プラズマ法(バイアス電圧必要)
す。これらの意味でコンシューマHDD分科会の
があり、それぞれの特徴と課題について説明さ
活動には力を入れていく予定であり、前述のよう
れた。
に技術委員会全体で取り組む予定です。
2
アネルバでは、実績のある平行平板プラズマ法
また、特にコンシューマ用小型HDDにおいて
をまず実用化した。この方法でディスクにバイ
はなお一層の高面密度化が要請されています。こ
アス電圧を印加できるように工夫し、ガラス基
のためには垂直磁気記録技術は避けて通れない技
板への成膜も可能にした。
術であり、各分科会共通の課題として、今年度は
3
CVD
化で最も重要なパーティクル問題について
勉強会を中心として規格化への道を探ってまいり
は、ディスクキャリアの酸素アッシングをする
ます。
構成をとることにより解決した。
「最新ストレージ用語集」については今年度も
増補集を発行するべく準備を進めます。技術変化 4 Ion Beam 法についても、Diamonex の Hollow
Cathode 法を実用化した。
の激しい業界であり、年度毎の増補は不可欠と考
5 今後、さらに薄いカーボン保護膜を成膜する技
えております。
術を開発中である。
以下に分科会活動状況を報告します。
ヘッド分科会(小林分科会長)
分科会の活動はありません。8月31日(金)に
IDEMA Japan News No.44
30
テスト分科会(高木分科会長)
7月24日(月)にディスク分科会と合同で分
科会を開催しました。
テスト分科会の熱揺らぎWGのリーダもこれま
での高木リーダから相川リーダに交代することが
承認されました。
<テスト分科会の 2001 年度活動計画>
熱揺らぎ WG ;熱揺らぎ測定法の確立から、で
きれば標準化を目指したい。
加に期待する。」とのコメントがありました。
<活動内容について議論>
1 アプリケーションの定義・標準化
カテゴライズ、仕様・信頼性の定義など
2 ドライブ・デバイスの仕様検討・標準化、
現実解のアセスメントなど
3 評価法の定義。
テスターの最適化、ベンチマークソフトの検討
コンタミ分科会(藤本分科会長)
な
分科会の開催はありません。
ど
<ワーキンググループの提案>
コンシューマHDD分科会(渕上分科会長)
1 カテゴライゼーション WG ( Chair 渕上 )
8月3日(金)にキックオフ分科会を開催しま 2 コモディティドライブ・デバイス検討 WG
した。関連するアプリケーション、コンポーネン
( Chair 未定 )
ツの殆どの企業から70名を越える参加者があり、 3 テスティング WG ( Chair 未定)
新市場への期待の高さが感じられました。最後に 4 インターフェイススペック WG ( Chair 木下)
菅沼会長より「多くの関係者の参加に多謝。企業 < 2001 年活動計画の策定>
4セグメント毎にメリットが無ければ、本会の推 渕上分科会長解説: WG のディスカッションは適
進の意味が無い。本日の討論の結果を踏まえ、今 宜行う。2∼3ヶ月に1回分科会開催。第2回は
後本格的に本分科会を推進したい。各社の積極参 10月5日。テスティングWGは、当面ワーク
ショップ活動としたい。
企画委員会報告
企画委員会
企画委員会では協会主催の国際ディスクフォー
「ストレージの市場環境変化と近未来課題」
ラム(4 月の DISKCON Japan と併催)並びに 1、7、 石川純二氏(ギガ・ストリーム・インク)
10月開催のクォータリーセミナー講演の企画を担
当しています。
2 0 0 1 年7月クォータリセミナー
2001 年7月19 日(木)霞が関ビル1Fのプラザホー
ルにて116名の参加者をお迎えし、
「HDD 新市
場の台頭
・ ・ ・ コンシューマ用 H D D 市場展望
場の台頭・
は!!」と題して新規アプリケーションとして注
目を集めているコンシューマ用HDDについて、
第1部:セットメーカの方々による技術動向、
第2部:業界アナリストによる市場動向の展望と
してご講演頂きました。
第1部:
「DVD−CAM」吉野正則氏(日立製作所)
「HDDサイバーナビ」山下元之氏(パイオニア)
第1部のご講演では各社に実機を持ち込んだデ
モをお願いしました。それぞれのご講演では、DVD
に直接録画しシーンを編集できる機能を供えたカ
ムコーダの利点、カーナビに HDD を搭載すること
によるサーチ高速化やドライブ中CD-MUSICを聞き
ながらHDDの音楽ライブラリにダウンロードして
行くメリット、またHDD利用のVideo Recordingに
よるTime Shift録画・再生・編集のメリット、DVD
と連携できる HDD 録画機のメリット等、最新製品
に関して、各システムの特徴や機能を、実機やVTR
によるデモを含め、説明いただきました。
第2部のご講演に関しては石川氏ご本人にまと
めをお願いした概要が本誌別稿に掲載されており
ますので、それをご参照願います。
「HDD搭載 DVDレコーダの御紹介」
伊藤雄司氏
(東芝) 講演終了後は会場を霞が関ビル23Fの月曜会ク
ラブに移し、国会議事堂を窓外に、恒例の懇親会
「HDD録画装置」 大橋功氏(ソニー)
が開催されました。セミナーの席では公式には伺
第2部:
31
IDEMA Japan News No.44
えないことや疑問点を直接講師に確認して頂いた
り、業界の情報交換や人脈拡大の場としてにご利
用頂けた模様です。
2 0 0 1 年 1 0 月クォータリセミナー
現在、企画委員会では10月クォータリーセミナ
を基本テーマとして【
【高密度 HDD 技術… 100 超
2
に向けて】を設定し、2001 年 10 月 12 日
Gb/in に向けて】
6)
「高密度用の測定及びテスタ」
金子峻氏(日本スパイダー・システムズ)
みなさん非常に多忙な方々ばかりですのでやむ
を得ず、講演者・講演内容等が変更となる場合も
有り得ます。この点は予めご了承いただきますよ
うお願い申し上げます。
午後、主婦会館プラザエフ(四ッ谷駅徒歩1分)に
セミナーに参加の皆様は、講師を含め全員、講
て以下の様な構成で開催することを企画していま
す。
演終了後、同ビル内の別会場にて開催する懇親会
にご招待させていただく予定です。会場では講演
まず、HDDの技術ロードマップを情報ストレー
者に聞きそびれてしまったことの確認や、個人的
ジ研究推進機構(SRC)での議論に基づき明らかにし
て頂き、次に磁気ヘッドと媒体の技術、並びに垂
に質問をして頂くことも可能です。
この他、参加者同士の情報交換や昼間は聞けな
直磁気記録技術についてご紹介します。更に、磁
い業界の噂話や裏話も聞こえてくるようです。
気転写サーボと高密度化に伴う測定とテスタの技
術をご紹介します。各方面の皆様のご参加をお待
ちいたしております。
貴社の戦略に重要な情報を入手できるかも知れ
ません。多くの方々のご参加をお待ち申し上げて
おります。
当委員会ではクォータリセミナー等、企画の詳
予定プログラム
1)
「高密度化の技術ロードマップ」
細が決まり次第、順次最新情報をインターネット
押木満雅氏
SRC
(情報ストレージ研究推進機構)
、富士通研究所
を通じてご通知申し上げております。
WEBページの
URL は
2)
「先進の磁気ヘッド技術」
http://www.idema.gr.jp/qsem/qsem_home.htm で
松崎幹男氏(TDK) す。随時ご参照をお願い致します。このページか
3)
「SFメディアによる面内高密度磁気記録」
らはオンラインでのお申し込みも可能になってお
猪又明大氏
(富士通研究所) ります。また当委員会では皆様のご要望にお応え
4)
「先進の垂直磁気記録技術」
するべく講演テーマの募集を随時行っております。
大内一弘氏
(秋田県高度技術研究所) ご興味をお持ちの分野、取り上げをご希望される
5)
「磁気転写記録技術」
テーマ等、お有りでしたら是非とも協会事務局ま
松岡 薫氏
(松下電器産業) でお寄せ願います。
今後の開催予定
2 0 0 1 年 1 0 月 1 2 日( 金)
クォータリセミナー
2002 年 1月 18 日(金)
クォータリセミナー
2002 年 4 月 11-12 日(木 - 金)国際ディスクフォーラム
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32
主婦会館 ( 四 ツ 谷 )
未定
東京ビッグサイト
国際ディスクドライブ協会 組織図
2001年9月1日現在
事務局
事務局長(委嘱):多羅尾悌三
理 事 会
山本明子、三浦尚子
会計
担当理事:浦井治雄、久保田裕二
会長 菅沼 庸雄 (日立製作所)
副会長 筧
朗 (富士通)
広報出版委員会
委員長:鶴 哲生 Co:村上俊一
会員管理委員会
委員長:百束雄一 Co:上野寿久
監事 原田 英樹(HTA)
名誉理事 金子 峻 (日本スパイダー・システムズ)
専務理事 多羅尾悌三(国際ディスクドライブ協会)
理事 上野 寿久(神戸製鋼所)
企画委員会
理事 浦井 治雄(日本電気)
委員長:筧 朗 Co:寺田 章、鈴木 勲
(フォーラム/セミナー)
理事 久保川 昇 (IT総合研究所)
理事 久保田 裕二 (東芝)
イベント
理事 篠原 肇 (日立金属)
委員長:久保川昇 Co:多羅尾悌三
実行委員会
理事 鈴木 勲 (HOYA)
理事 鶴 哲生 (日立電子エンジニアリング)
教育推進委員会
委員長:山崎秀昭 Co:金子 峻
研究推進委員会
委員長:篠原 肇
理事 寺田 章 (アルプス電気)
理事 百束 雄一 (メディア研究所)
理事 渕上 祥児 (ソニー)
理事 松崎 幹男 (TDK)
技術委員会
委員長:松崎幹男Co:渕上祥児 鈴木隆夫
理事 村上 俊一(アネルバ)
(TDK) (ソニー)(日本スパイダーシステムズ)
理事 山崎 秀昭(日本スパイダー・システムズ)
ディスク分科会
分科会長:小林光男
理事 山崎 隆 (日本アイ・ビー・エム)
(富士電機総合研究所)
理事(USA) John Kurtweil(Read-Rite Corp.)
ヘッド分科会
分科会長:小林和雄 Co:福田一正
(富士通研究所) (TDK)
テスト分科会
分科会長:高木 均 Co:八田秀明 Co:宮本詔文
(協同電子システム) (アジレントテクノロジー)(日立製作所)
コンタミネーションコントロール分科会
分科会長:藤本敏夫 (東芝)
コンシューマーHDD分科会
分科会長:渕上祥児(ソニー)木下尚行(日本アイ・ビー・エム)
IDEMA USA
IDEMA Asia-Pacific
www.idema.org
3255 Scott Blvd., Suite 2-102,
Santa Clara, CA 95054-3013 USA
phone: 1-408-330-8100
fax
:1-408-492-1425
www.idema.org/asia/index.html
World Trade Centre,
1 Maritime Square #10-29
Singapore 099253
phone : 65-278-9522
fax
: 65-278-8762
33
IDEMA Japan News No.44
行 事 予 定
国際
ディスクドライブ
協会
国際ディスクドライブ
ディスクドライブ協会
業界カレンダ
www.idema.gr.jp をご参照ください
9 月 25-28 日
第 25 回日本応用磁気学会 学術講演会
ハードディスクドライブ
入門講座
ハードディスクドライブ入門講座
秋田大学
協会会議室
日本応用磁気学会 Tel:03-3272-1761
・10 月 26 日(金)(第 39 回)
10 月 11-12 日
・12 月 21 日(金)(第 40 回)
電子情報通信学会磁気記録研究会「一般」
九州芸術工科大学
クォータリーセミナー
山本節夫(山口大学) Tel: 0836-85-9622
E-mail: [email protected]
・10 月 12 日(金) 主婦会館 (四谷)
10 月 16-19 日
・2002 年 1 月 18 日(金)
2001 年光メモリ国際シンポジウム(ISOM2001)
圓山大飯店(台北)
技術委員会 ISOM2001 事務局学会事務センター
分科会開催場所 協会会議室
講演会開催業務部 Tel:03-5814-5800
10 月 5 日(金) コンシューマ HDD 分科会
11 月 13-16 日
10 月 19 日(金) ヘッド・テスト分科会
MMM Seattle, Washington
11 月 22 日(金)
合同分科会 日立金属高輪和彊館
Janis Bennett, American Institute of Physics
TEL: 516-576-2403
DISKCON JAPAN 2002
E-mail [email protected]
2002 年 4 月 10 日(水)-12 日(金)
http://www.magnetism.org
DISKCON JAPAN 4 月 10 日(水)-12 日(金)
2002 年 1 月 17-18 日
Exhibition
電子情報通信学会磁気記録研究会
国際ディスクフォーラム
4月11日(木)-12日(金)
「映像情報機器+一般」
International Disk Forum
松下電器株式会社
田辺隆也 (日本電信電話(株))
IDEMA USA
Tel: 0422-59-2803
E-mail: [email protected]
www.idema.org をご参照ください
2002 年 2 月 15 日
電子情報通信学会磁気記録研究会
DISKCON USA
「ハードディスクドライブ」
San Jose Convention Center
機械振興会館
Exhibition
9 月 19 日(水)-20 日(木)
山川清志(秋田県高度技術研究所)
Keynote Dinner 9 月 18 日(水)
Tel: 0188- 66-5800
Technical Conference
9 月 18(火)-20 日(木)
E-mail: [email protected]
Welcome Reception
9 月 19 日(水)
2002 年 3 月
Education Class
9 月 17(火)-21 日(金)
日本応用磁気学会第 124 回研究会「磁気記録」
Charity Golf Tournament 9 月 17 日(火)
開催地:未定
日本応用磁気学会
QUARTERLY DINNER MEETING
Tel: 03-3272-1761
The Fairmont Hotel--San Jose, CA
2002 年 4 月 28 日 -5 月 2 日
11 月 5 日(月)
Intermag Europe 2002
no-host cocktails: 6 p.m.
dinner: 7 p.m.
RAI Congress Center, Amsterdam
Clayton Christensen, Ph.D.
Courtesy Associates TEL: 202 973-8668
Author of The Innovator’
s Dilemma,and professor
E-mail [email protected]
of business administration at the Harvard
http://www.intermag2002.org
Business School.
次回 DISKCON JAPAN は、
2002 年 4 月 10 日(水)-12 日(金)です。
は、2002
IDEMA Japan News No.44
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国際ディスクドライブ協会会員
アイオメガ(株)
(株)アイメス
アジレント・テクノロジー(株)
2001 年 9 月 1 日現在
法人会員 120 社
個人会員 23 名
富士電機(株)
大日本印刷(株)
フジモリプラケミカル(株)
(株)タケシバ電機
(株)フューテックファーネス
(株)ツガミ
*(株)ブリヂストン
アネルバ(株)
月島機械(株)
アヒコファインテック(株)
TDK(株)
古河電気工業(株)
東京電子交易(株)
フロロウエア・バルカージャパン(株)
(株)アルバック
アルバック・ファイ(株)
(株)東芝
アルプス電気(株)
(株)東設
HOYA(株)
松下寿電子工業(株)
(株)マツボー
IT 総合研究所
東洋ガラス(株)
ウエスタンデジタルジャパン(株)
東洋鋼鈑(株)
上村工業(株)
ドクターシェンク ジャパン(有)
三井・デュポンフロロケミカル(株)
(株)エイトテクノロジー & トレーディング
戸田工業(株)
三菱化学(株)
(株)エイブル
凸版印刷(株)
* SRC (情報ストレージ研究推進機構)
(株)オハラ
オリエント測器コンピュータ(株)
丸紅メタル(株)
ミネベア(株)
ミノルタ(株)
長瀬産業(株)
日商エレクトロニクス(株)
(株)メディア研究所
ユナクシスジャパン(株)
(株)日製メックス
海外マシンツール(株)
日東電工(株)
横河電機(株)
川鉄商事(株)
日本アイ・ビー・エム(株)
ラップマスター SFT(株)
京セラ(株)
日本板硝子(株)
協同電子システム(株)
日本エー・ディー・イー(株)
(株)クボタ
リードライトインターナショナルジャパン
リオン(株)
リンテック(株)
日本ガイシ(株)
(株)レイテックス
クラリオンデバイス(株)
日本スパイダー・システムズ(株)
ケーエルエー・テンコール(株)
日本テクノビュート(株)
レクロイ・ジャパン(株)
(株)高純度化学研究所
日本電気(株)
ワイエイシイ(株)
(株)神戸製鋼所
日本発条(株)
(株)交洋製作所
相模ピーシーアイ(株)
(株)サンエイテック
(株)三協精機製作所
システム精工(株)
(株)島津製作所
ジャスタム(株)
ジャパンゴアテックス(株)
昭和電工(株)
信越化学工業(株)
神鋼商事(株)
スピードファム(株)
(株)住化分析センター
住友金属工業(株)
住友商事(株)
住友スリーエム(株)
住友特殊金属(株)
セイコーインスツルメンツ(株)
ゼオン化成(株)
ソニー(株)
ソニーケミカル(株)
日本ビーコ(株)
石崎 幸三 (長岡技術科学大学)
逢坂 哲彌 (早稲田大学)
日本ポール(株)
金井 靖 (新潟工科大学)
日本マックストア(株)
加藤 孝久 (工技院 機械技術研究所)
日本ミクロコーティング(株)
喜連川 優 (東京大学)
後藤 顕也 (東海大学)
日本メクトロン(株)
島田 寛 (東北大学)
日本レップ機構(株)
新庄 輝也 (京都大学)
パシフィック・ダンロップ・ジャパン(株)
神保 睦子 (大同工業大学)
浜井産業(株)
鈴木 孝雄 (豊田工業大学 大学院)
(株)ピクシーピナクルコーポレーション
高橋 研 (東北大学)
日立金属(株)
田崎 三郎 (松山大学)
田中 邦麿 (帝京平成大学)
(株)日立国際電気
田中 絋一 (長岡技術科学大学)
日立コンピュータ機器(株)
直江 正彦 (東京工業大学)
(株)日立製作所
中村 慶久 (東北大学)
日立電子エンジニアリング(株)
原 精一郎 (長岡技術科学大学)
日立マクセル(株)
藤森 啓安 (電気磁気材料研究所)
(株)広田製作所
古川 泰男 (豊橋技術科学大学)
堀江 三喜男(東京工業大学)
フェーズ・メトリックス・ジャパン(株)
三矢 保永 (名古屋大学 大学院)
(株)フェローテック
柳 和久 (長岡技術科学大学)
フォステクス(株)
綿貫 理明 (専修大学)
(株)フジクラ
* 日本ビクター(株)
ソニー・テクトロニクス(株)
不二越機械工業(株)
大同特殊鋼(株)
富士通(株)
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* は新入会員です。
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