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第28期「筑豊ゼミ」報告書 - トップページ of 住学協同筑豊地域づくりセンター

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第28期「筑豊ゼミ」報告書 - トップページ of 住学協同筑豊地域づくりセンター
第28期「筑豊ゼミ」報告書
2015.4 ~ 2016.3
市民遺産研究会
独楽研究会
若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
古代のロマンに酔う研究会
飯塚(中心市街地)このままで委員会
ビオトープ研究会
情報発信/データデザイン研究会
近畿大学産業理工学部
NPO法人 住学協同機構筑豊地域づくりセンター
第28期筑豊ゼミ運営委員会
0
第 28 期筑豊ゼミ報告書 目次
1. 近畿大学産業理工学部 荒川 剛 学部長 祝辞
・・・・・・・・・・ 2
2. 運営委員長挨拶
・・・・・・・・・・ 2
3. 研究会報告
・・・・・・・・・・ 3
3-1. 市民遺産研究会
3-2. 独楽研究会
・・・・・ 3
・・・・・ 7
3-3.
3-4.
3-5.
3-6.
・・・・・17
・・・・・20
・・・・・23
・・・・・26
若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
古代のロマンに酔う研究会 ~ヒミコを捜そう~
飯塚(中心市街地)このままで委員会
情報発信/データデザイン研究会
4. 第 28 期筑豊ゼミ ~住民目線での地域資源の発掘と調査・研究を~・・・・・30
4-1. 第 28 期筑豊ゼミ開講式にあたって
・・・・・30
近畿大学産業理工学部 学部長 荒川 剛
4-2. 第 28 期筑豊ゼミが目指すもの
・・・・・30
第 28 期筑豊ゼミ運営委員長 菊川 清
4-3. 募集要項
・・・・・31
4-4. 年間スケジュール
・・・・・33
5. ゼミ生名簿
・・・・・・・・・34
6.決算報告
・・・・・・・・・35
7. 修了式次第
・・・・・・・・・36
1
1. 祝辞
近畿大学産業理工学部 学部長
荒 川
剛
第 28 期筑豊ゼミ生の皆様、修了おめでとうございます。
筑豊ゼミも若手の会員の積極的な参加を呼びかけ活性化を図ってきましたが、研究会のテー
マなどにも問題があるのか、若手の会員の持続的な活動がままならない状況があります。
近年では、地域創生が政策として取り上げられ、この飯塚でもいろんな提案がなされてきていま
すが、この筑豊で生活をしている者にとっては、何か物足りなさを感じているのは私だけでしょうか。
特に少子高齢化に対しては、いくら政府がカンフル剤を打とうが、これといった妙案はなく、いろん
な分野の人々が知恵を出し、力を合わせて地道に持続性のある活動をしていく必要があるような
気がします。
産業理工学部にも最近外国からの留学生が入るようになってきました。今年は、大学院生も含
めると 10 人を越えるのではないかと思っています。今後留学生が増えることを考えると、この留学し
てくる学生の目線で飯塚を考える会(仮称:留学生による異文化を学ぶ会)を筑豊ゼミの中に設
けることで若手の会員の増加に繋げられないか考えているところです。今年、産業理工学部は創
立 50 周年を迎えますが、ますます大学のグローバル化が進めば、筑豊ゼミも外に目を向け、ひい
ては地域活性化に尽力をしていきたいと思っています。
今後ますます皆様方が健康で実りある成果を得られますことを祈念しましてあいさつに代えさせ
て頂きます。
2. 運営委員長挨拶
第 28期筑豊ゼミ 運営委員長
菊川 清
28期筑豊ゼミには、新たに2つの研究会、「古代のロマンに酔う研究会」と中心商店街の人々
が中心となった「飯塚(中心市街地)このままで委員会」が加わり、新たな視点で地域と連携した
研究会活動が進められてきました。
27期から引き続く5つの研究会では、それぞれその特徴を生かして、活動を続けています。特に
独楽研究会は長時間回る大名独楽の開発だけでなく、地域とも積極的に連携した独楽の普及
活動も進めています。また、ひきこもり研究会は「若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会」として、
新たな活動に踏み出しています。
学生主体の情報発信/データデザイン研究会(略称pdd研)では、筑豊ゼミのホームページのデ
ザイン並びに維持管理にも貢献しています。
29期も引き続き 「住学協同への実験」という原点に立った活動を地道に進めていくことで、筑
豊のまちおこしの一助になりたいと願っています。
2
3. 研究会報告
3-1. 市民遺産研究会
活動方針
27期は市民に分かりやすい飯塚歴史探索ルートを考え、「旧伊藤伝右衛門邸」をはじめ「いい
づか雛のまつり」に合わせグーグルマップを活用し、ホームページに掲載してきました。 今期は見
学会などの野外活動を中心とした活動を、次のような手順で進めていきます。
1.見学場所設定(有名、無名を問わず、会員が「自分の目で確認したい所」を出し合う)
2.資料収集(パンフレット・写真・記事等の収集)
3.見学場所訪問(実物を自分の目で確認することで、良い点や改良点を見つけ出す)
4.私ならこう紹介したい(収集した資料・現地での写真や感じた事を網羅して話し合う)
5.報告書作成(市民遺産研究会員による「案内記事」作成)
6.ホームページへ掲載(報告書作成を出発点として、ホームページの更新を心がける)
5 月例会
1・長弘雄次さんが「筑豊炭田近代化産業遺産群」について資料に基づき説明されました。
2・見学場所の候補地として忠隈のボタ山・小野谷のあじさいロードが挙がりました。
 忠隈のボタ山・・・管理会社の許可を得ないと見学は難しいとの事なので保留とします。

小野谷のあじさいロード・・・季節的に自然を楽しむ事と近くに遠賀川水源地が在るので
これを焦点に第1回見学場所と決定しました。
6 月例会
1・ 白神会長が「田川市まち歩きガイドブック」を配布し、説明。
2・ 6月14日の見学会報告(小野谷のあじさいロード ・嘉麻ふるさと交流館 ・正法寺)。
3
7 月18日:連続テレビ小説「あさが来た」ゆかりの地見学会
牟田炭坑巻き上げ機台座→潤野炭坑ボタ山跡→潤野炭坑災害慰霊碑→日鉄鉱業潤野抗
跡碑(嘉穂高校内)→日鉄鉱業事務所正門及び坑口→幸袋線二瀬駅プラットフォーム
牟田炭坑巻き上げ機台座
/
潤野炭坑災害慰霊碑 /日鉄鉱業潤野抗跡碑
日鉄鉱業事務所坑口
/ 日鉄鉱業事務所正門
幸袋線二瀬駅プラットフォーム
9月例会
*長弘雄次さんから「明治日本の産業革命遺産」ユネスコ世界文化遺産登録を契機に、筑豊
の石炭産業遺産を「関連資産」として位置付けた活動が求められている現状について、豊富な
写真や地図を用いた資料による説明があった。
なお、「関連資産」に対する考え方として、当初構成資産として活動しながら、外された筑豊の
「二本煙突・縦抗櫓」と「旧伊藤伝衛門邸」、唐津の「旧高取邸」に限るとの話もある。
4
10 月例会
会長所用の為、長弘先生から「明治日本の産業革命遺産- 製鉄・鉄鉱、造船、石炭産業」
の23の構成資産(官営八幡製鐵所や三池炭鉱などに含まれる個々の資産を数えると 31)につ
いて、資料を配布して個々の資産の特徴を解説して頂いた。
*10 月 25 日(日)「炭坑町たがわをまち歩き ~田川市フィールドトリップ~」(田川市石炭歴史
博物館主催)のボランティアガイドをしている白神会長にガイドをお願いして田川のまち歩きをした。
炭坑町田川まち歩き:、三井田川鉱業所専用墓地、ボタ湯温泉、三井寺の石炭仏(住職と
の懇談)、翔魂之碑、炭坑殉職者慰霊碑、鎮魂の碑、田川石炭記念公園の二本煙突、立坑
櫓、碑など。白神会長は文字通りプロのガイドでした。
三井田川鉱業所病院跡
炭坑殉職者慰霊の碑
鉱業所専用墓地
三井寺の石炭仏
鎮魂の碑
翔魂之碑
立坑櫓
12 月例会
長弘雄次さんが、1)明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 の登録に至る
経過とともに、23 の構成資産の全てについて、配布した資料に基づいて紹介
2)関連資産としての筑豊の石炭産業遺産について、配布資料に基づいて紹介
内容は、筑豊ゼミのホームページにアップしています。 http://chikuzemi.com/?p=2351
一例:筑豊炭鉱救護隊練習坑道 所在地:直方市石炭記念館 建設年:明治 45 年
炭鉱救護隊員の養成訓練、隊員の練習指導のため建
設され、大正 14 年、昭和 41 年に改築され、20 度、40
度の斜坑で坑道延長 117m、坑道内に煙、蒸気を通し、
実践さながらの練習訓練が行われ、1 万人の隊員養成
し、炭鉱災害に使命を果たした。昭和 44 年九州鉱山保
安センター開設に伴い昭和 43 年閉所した。貴重な近代
遺産である。
なお、明治日本の産業革命遺産については、公式ホームページに詳細な紹介 DVD があります。
http://www.japansmeijiindustrialrevolution.com/
5
1 月例会
1)29 期の活動について:遠賀川の源流から河口まで、堰堤を歩いて下りながら、遠賀川の特
徴を実感する活動をしてはどうか?遠賀川の植生や野鳥などについては、国道交通省遠賀川
河川事務所などから既に多くの報告が有るので、その報告等を参考にする。
2)3 月 6 日研修会:
26 期まで、福岡県内の長崎街道、いわゆる筑前六宿についての活動から 27 期佐賀県内の
長崎街道宿場に引き続き、28 期は長崎県内の宿場をたずねた。
先ず長崎市内新大工町商店街(シーボルト通り)の一画にある「長崎街道ここに始まる」を訪ね
た。その後、出島を見学、明治日本の産業革命遺産の祝世界遺産登録の垂れ幕の下がる浜
のまち商店街を経てめがね橋。90%の降水確率を覆す晴天に良い写真が取れました。暑い!
大村市の松原宿では、旧松屋旅館で雛祭りがあり、松原八幡神社の社務所では「松原マル
シェ」が開かれていた。街道の雰囲気はよく残されていた。
シーボルト通り
長崎街道ここに始まる
長崎街道松原宿雛祭り (旧松屋旅館)
めがね橋
松原八幡
市民遺産研究会
顧問 長弘雄次
会長 白神精一 副会長 岩野宏司 会計 千代田南子
会員 菊川 清、佐野 忍、主税洋三、平野春恵、森田泰司、山下末広
6
3-2. 独楽研究会
1 はじめに
近畿大学産業理工学部と筑豊ムラおこし・地域づくりゼミナール(筑豊ゼミ)独楽研究会では、
両手をあわせて一回ひねるだけで 14 分以上(最長 20 分)回る大名独楽について研究を行って
いる。大名独楽とは、福岡県飯塚市にある「日本の独楽資料館」の花元館長が 20 年の歳月を
掛けて製作した誰が回しても長時間回る独楽である。
これまで大名独楽の製作は経験則で改良してきたが、工学的な見地から大名独楽を長時間
回り続ける手法を研究するため、2013 年から筑豊ゼミ内に独楽研究会を立ち上げ、近畿大学産
業理工学部の教員と連携し、独楽を長時間回すにはどのような回し方が良いのか、長時間回り
続ける独楽はどのような構造が良いのかについて研究を行ってきた。
研究の結果、大名独楽の回転時間は独楽自身の特性に大きく異存をしているが、それ以外
の外部環境(気温や空気の流れ)、回し方、大名独楽が回転している時のバランス(歳差運動)、
独楽を回す天盤(ガラス板)も回転時間に与える影響が大きいことが判明した。
2 大名独楽
大名独楽とは、江戸時代における大名の道楽の一つである大名独楽勝負で用いられた独楽
である。大名勝負独楽では、天盤に向かい合って独楽を回し合い、長く回った方が勝ちという勝
負であった。この大名勝負のために、各大名は競い合って各流派の独楽師を高禄にて召し抱え
たとのことである。大名独楽勝負の模様を書き留めた古文書に「独楽は一刻半回り続けた」とあ
ることから、その時代の独楽は 2 時間以上回り続けたと考えられるが、現在ではどのような独楽で
あったのかという記録は残っていない。
日本の独楽資料館の花元克巳館長は、15 年前より大名独楽を研究し始め、当初は 3~4 分
回る独楽であったが、次は 6 分回る独楽となり、次第に 8 分、12 分、15 分と回る独楽ができ、現
在の最新の独楽は 20 分近く回る独楽となった。(図 2.1~図 2.6)
図 2.1 大名独楽 初代
図 2.2 大名独楽 二代目
7
図 2.3 大名独楽 三代目
図 2.4 大名独楽 四代目
図 2.5 大名独楽 五代目
図 2.6 大名独楽 六代目
表 2.1 大名独楽の世代とタイムの変遷
世代
年代
最長タイム
特徴
初代
1996
3 分 20 秒
木の一刀彫り
二代目
1998
5 分 20 秒
ボールペンの芯
三代目
2002
9 分 00 秒
木の中心材を利用
四代目
2012
15 分 00 秒
集成材を利用、重りを外周に入れた
五代目
2013
18 分 51 秒
厚さを薄く (13mm)、重さを 150g にした
六代目
2014
20 分 20 秒
重心を低く、形状を工夫
現在作成している大名独楽は、独楽の本体は集成材を用いた木製であり、直径 10cm、重量
165g 程度である。圧縮材を用いて製作した独楽本体の外周の内部には、鉛が均一に埋めこま
れている。そして、長さ約 10cm の心棒が独楽の中心に通してあり、独楽の軸先にはボールペンの
ペン先を利用している。独楽職人が一つ一つ手作業で製作するため、完全に同一の独楽を作
成することはできず、独楽によって特性が異なっている。
この独楽を両手で 1 回のひねりだけで回すことによって、約 1800rpm の初期回転を与える事が
でき、最長 20 分程度回り続ける。
3 独楽を回すガラス板に関して
3.1 ガラスの違いによる独楽への影響
大名独楽を異なる天盤(ガラス板)上で回したとき、回転時間の差が生じたため、ガラスの違
いが独楽の回転に影響を与えるのかについて、ガラス板の種類を変えて回転時間と回転数の
測定を行った。
ガラスは並板ガラス、テンパックスガラス、青板ガラスを使用した。並ガラスは破損しても破片が
細粒状になり安全性があるガラスであり、主に、車の窓ガラステーブルガラス等に使われている。
テンパックスガラスは優れた耐熱性、耐衝撃性をもっており、主に、電子レンジオーブントースター
のドア等に使われている。青板ガラスは安価な材質で最も多く使用されているガラスであり、主に、
窓ガラス等に使われている。
図 3.1 にガラス板の違いによる回転傾向の違いを示す。実験の結果、ガラス板の違いによっ
て回転傾向はほとんど変わらないことがわかった。
8
1400
青板ガラス
1200
テンパックス
回転数 [rpm]
1000
並ガラス
800
600
400
200
0
0:00:00
0:02:00
0:04:00
0:06:00
0:08:00
0:10:00
回転時間 [min]
図 3.1 ガラス板の違いによる回転傾向
3.2 ガラス板の表面にワックス塗布した影響
長時間独楽が回るガラス板の表面を確認したところ、より回るガラス板の表面はワックス塗布を
しており、それによって滑りが良いことが判明した。そこで、ワックスによる独楽の回転時間の影響に
ついて調査を行った。
図 3.2 にワックス塗布をしたガラス板の回転傾向の違いを示す。実験の結果、ワックス塗布をす
ることによって、回転時間は延びることと、ワックスを塗布した場合もガラス板の差はあまり生じない
事が判明した。
1400
青板(ワックス)
テンパックス(ワックス)
並板(ワックス)
青板ガラス
テンパックス
並ガラス
1200
回転数 [rpm]
1000
800
600
400
200
0
0:00:00
0:02:00
0:04:00
0:06:00
0:08:00
0:10:00
回転時間 [min]
図 3.2 ワックス塗布を行ったガラス板の比較
9
3.3 独楽のけん先とガラスについて
ガラス板にワックスを塗布することで、回転時間が延びる原因を検討したところ、ガラスの表面
は図 3.3 のように平らに見えても波打っており、それが独楽の回転に影響を及ぼしているのではな
いかという考えがでた。そして、ガラス表面にワックスをつけることによって、ガラスの波打っている表
面をワックスで埋めて図 3.4 のように平面を出しているのではないかと想定した。
図 3.3 ガラス板の表面(断面)
図 3.4 ワックス塗布をしたガラス板の表面(断面)
ワックスで磨くことによりガラス板の滑りは良くなるが、ワックスで磨いたガラスの上で独楽を回した
場合、この回転によりワックスが取れてしまい、ガラスの表面がデコボコになって独楽の回転に影
響を与えるのではないかという懸念も生じた。そこで、異なるワックスを塗布して、独楽の回転に違
いが生じるか検討することにした。
3.3 ワックスの違いが独楽の回転に与える影響
実験では、硬い順にガラス、ウレタン、エマルジョン、オイル、カルバナのワックスおよびロウソクを
利用した。ガラスはガラス繊維ベースのワックスで、ガラス被膜が表面にできるため一般的なワッ
クスと比べて硬質である。ウレタンは主にフローリングの床に使われるワックスで、床を保護するた
め厚みのある塗膜を形成する。エマルジョンはワックスの主成分などである樹脂や油性のものを
水中に分散させたもので、水分が蒸発することで硬化し膜を形成する。オイルはウレタンなどと違
い表面に厚い膜ではなく、浸透性があるため塗布物の組織に浸透しごく薄い膜を形成する。カル
バナは車などに使われるカーワックスであり、カルバナ蝋という蜜蝋が主成分の柔らかいワックス
である。ロウソクは一般的なロウソクの蝋をこすりつけ塗布した。
図 3.5 に実験結果を示す。ワックスを比較してみると回転傾向が軟らかいタイプと硬いタイプの
ワックスで分かれており、軟らかいタイプの方が硬いタイプのワックスより回転数の減少率が低いこ
とがわかる。回転数はどのワックスも 1 分あたりまでは違いは生じず、1 分からはロウソクとカルバナ
の軟らかいタイプのワックスとウレタン、エマルジョン、オイル、ガラスの硬いタイプのワックスで回転
数に差が生じた。差が出てからは終始軟らかいタイプの方が回転数の減少率が低く、高い回転
数を硬いタイプのワックスより維持していることから、軟らかいタイプのワックスの方が長く回るではな
いかと想定した。
10
1800
回転時間[rpm]
1600
ウレタン
1400
カルバナ
1200
エマルジョン
オイル
1000
ガラス
800
ロウソク
600
400
200
0
0:00:00
0:02:00
0:04:00
0:06:00
0:08:00
0:10:00
0:12:00
0:14:00
回転時間[min]
図 3.5 ワックスを塗布した回転傾向
図 3.6 にカルバナを塗布した場合と、ロウソクを塗布した場合の比較を示す。図から確認できる
ように、カルバナとロウソクでは回転時間にそれほど影響を生じておらず、カルバナとロウソクでは
効果にあまり差が生じない事が判明した。
1800
回転時間[rpm]
1600
1400
カルバナ
1200
ロウソク
1000
800
600
400
200
0
0:00:00
0:02:00
0:04:00
0:06:00
0:08:00
0:10:00
回転時間[min]
図 3.6 カルバナとロウソクの比較
11
0:12:00
0:14:00
3.4 独楽の軸先の接触面積に関する検討
セラミックタイルで大名独楽を回したとき、回転数が急激に低下したことから、その原因について
検討をおこなった。セラミックタイルで独楽を回転させた場合、普段の測定では観測したことがない
異様な音が生じ、聴診器による回転音から独楽の軸先に何かの影響を受けていることが判明し
た。これは、セラミックタイルの表面には細孔(ポーラス)と呼ばれる微細な孔があり、それに独楽の
軸先が嵌まったものと想定した。細孔はセラミックタイルの製造工程中のプレスをする際や焼成の
間にできる孔で、細孔の大きさは直径 200 [nm]~0.5 [mm]と大きさは不均一である。大名独楽の
軸先は直径 1.0 [mm]のボールペンの芯を使用しているが、独楽の軸先はどの程度の面積で接地
しているのかを計算をおこなった。
独楽の軸先のボールは平面に接触していない場合、図 3.7 のように球体となっているが、球体
が平面に接触する場合、図 3.8 のように独楽の重さでボールが変形している。ボールが変形して
接触しているとき、平面との接触面が円となっており、この円の半径をヘルツの公式より求めること
ができる。
独楽のけん先
独楽のけん先
独楽のけん先
接触範囲(上から見ると円になっている)
図 3.7 接触してない場合
図 3.8 接触している場合
ヘルツの公式およびガラス板やボールペンのペン先の材質をもとに接地面積を計算したところ、
平面との接触半径は約 0.033 [mm]という結果を得ることができた。そのため、大名独楽の軸先が
セラミックタイルの表面に接触している円の直径は約 0.066 [mm]であることから、実際に軸先が細
孔に嵌まったかはわからないが、軸先が細孔の影響を受けて回転数が急激に低下した可能性
はあると推測できることが判明した。
接触面がガラスの場合でも計算したところ、接触半径が約 0.025 [mm]で、円の直径は約 0.05
[mm]という結果を得た。
4 大名独楽の回転特性
大名独楽は、ガラス板の上で両手を合わせひねるように回すと容易に 10 分以上回転する。ま
た、一般的な独楽では、独楽の軸(心棒)が歳差運動を始めるが、大名独楽はバランスが取れ
ており、ほとんど歳差運動を生じない特徴を持っている。さらに、回転開始時に独楽の軸がふらつ
いていた場合でも、時間がたつにつれ回転が安定する現象が確認できる。
大名独楽の回転時の様子を観測していると、大名独楽でもある程度回転速度が落ちてくるに
つれて、歳差運動を始めてふらつき始める。しかしながら、大名独楽では、歳差運動でふらつきを
12
始めても、何度かふらつきが落ち着く現象(起き上がり現象)が現れる(図 4.1)。この起き上がり現
象が発生することによって、回転時間が長くなっている。この起き上がり現象は、同じ大名独楽で
も回し方によっては生じない。また、複数製作した大名独楽でも起き上がり現象が生じる独楽と生
じない独楽がある。このことから、大名独楽の歳差運動は、回転時のバランスと独楽の軸のふら
つきによる相関関係によって生じているのではないかと考えている。
図 4.1 大名独楽のおきあがりの様子
4.1 大名独楽の世代と回転傾向の比較
大名独楽の回転特性を検討するために、製作時期(世代)が異なる大名独楽について、時
間経過による独楽の回転数変化と回転時間の回転傾向について実験をおこなった。実験では、
タコメータを用いて、独楽の回転速度を測定している。大名独楽を複数回回して時間経過による
独楽の回転数変化が読み取れるグラフ(図 4.2)を作成した。なお、本実験では初期回転数をほ
ぼ一致するようにグラフを作成している。なお、測定時期が異なるため、独楽を回す天盤(ガラス
板)は異なっており、ガラス板によって回転傾向に多少の影響は生じている。
図 4.2 大名独楽の世代間による回転数の変化
13
図 4.2 のグラフより、新しい世代の独楽の方が、より長く回転していることが読み取れる。特に第
6 世代の独楽では、約 150rpm まで回転速度が低下しても、回転を続けることができるほど、バラン
スが取れている。これまでの多くの大名独楽は、約 180rpm 程度になると回転を終了していた。しか
しながら、独楽職人が製作した大名独楽のうち、よく回る大名独楽は、回転速度が約 180rpm を
下回った後も回転を続けることが、回転特性を測定した結果判明した。
4.2 低回転数における独楽の動きに関して
第 6 世代の 20 分近く回る大名独楽(№1、№A、№B)の独楽と第 5 世代の独楽(ゼミ)を用い
て、回転数が低くなった場合における独楽の動作について評価を行った。
第 6 世代の独楽を比較したところ、1 と A の独楽は回転に差が生じなかったが、B の独楽は 1
回目、2 回目ともに 1 分半ほどから 1 と A の独楽に比べて回転数の低下が早く、それ以降常に 1
と A の回転数を下まわった。また、B の独楽は 7 分あたりから 2 回目と比べて 1 回目の方の回転
数が低く、1 回目と 2 回目では、回転傾向が異なった。
1800
1
回転数 [rpm]
1600
A
1400
B 1回目
1200
B 2回目
ゼミ
1000
800
600
400
200
0
0:00:00 0:02:00 0:04:00 0:06:00 0:08:00 0:10:00 0:12:00 0:14:00 0:16:00 0:18:00
回転時間 [min]
図 4.3
20 分近く回る大名独楽(第6世代)の比較
第 5 世代の独楽(ゼミ)と第6世代の独楽(№1、№A、№B)を比較したところ、第6世代の独楽
(№1、№A、№B)は 200[rpm]を下回った低回転でも長く回り続けることがわかった。これまで、大名
独楽の回転数を測定していた経験から、200~180[rpm]程度まで回転数が落ちると、回転が終
了していたが、第6世代の独楽(№1、№A、№B)の独楽は回転数 200[rpm]以下の 180~
140[rpm]でも回転を維持していることが判明した。
そこで、200[rpm]以下の回転数に着目した。210[rpm]以下になってからの経過時間と、回転数
の変化をグラフ化(図 4.4)したところ、第6世代の独楽(№1、№A、№B)の独楽は 180~140[rpm]
の低回転になっても 4 分近く回り続けているが、第 5 世代の独楽(ゼミ)は回転数 200[rpm]以下で
は 180~160[rpm]を数十秒回転しか維持できず回転を終えていた。
この結果より、長時間回る独楽を作成するためには、低回転でもバランスが良い独楽、具体
14
的には毎分 150 回転程度でもある程度安定して回り続ける独楽が必要ではないかということが考
えられる。
350
1
A
300
B 1回目
B 2回目
回転数[rpm]
250
ゼミ
200
150
100
50
0
0:00:00
0:01:00
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回転時間[min]
図 4.4 200 回転以下の回転状況の比較
5 おわりに
今期の研究会では、大名独楽の天盤に用いるガラス板の種類によって、独楽の回転時間に
差が生じているのかについて研究を行った。研究の結果、ガラス板の種類が独楽の回転に与え
る影響は大きくないことが判明した。しかし、ガラス板の種類による影響は小さいが、ガラス板の表
面に対するワックスの塗布の有無によって、回転時間に大幅な差が生じることが判明した。これに
よって、ガラス板と独楽の軸先の間の滑りをよくするためにワックスが重要な役割を果たしていると
明らかにした。また、ワックスの種類によって、独楽の回転時間に大幅な差は生じないが、柔らか
いワックスの方が比較的回転に良い影響を与える事を明らかにした。
2013 年の研究開始当初に利用していた第 4 世代の大名独楽では、大名独楽が歳差運動
からの回復をすることによって回転時間が延びていたことから、歳差運動を上手く利用するための
独楽の構造と回し方について研究を行った。しかしながら、独楽の構造が薄く、低重心化された
第 5 世代や第 6 世代の独楽では、歳差運動からの回復がほぼ生じないようになったにも関わら
ず、回転時間が長くなった。特に回転時間が長い大名独楽は、回転数が低くなっても、歳差運
動を生じずに回り続けている。以上のことから、歳差運動を利用した回転時間の延長効果よりも、
独楽の回転時のバランスを重視する方が、回転時間を延ばすためには効果的ではないかと判
断した。今後長時間回る独楽の構造を考えるに当たっては、低回転時のバランスを重視した方が
回転時間を延ばす上でも効果的ではないかということを明らかにした。
(報告者 松崎 隆哲)
15
28 期をふり返って
独楽研究会を立ち上げて、3年間経ちましたが至らないところも多く、皆さんにはご迷惑をおか
けしたと思いますが試行錯誤しながら、会員の皆さんに支えていただきながら無事28期を終えるこ
とが出来感謝いたしております。
尚、独楽研究会は今季を持ちまして修了致すことになりました、3 年間の間、アドバイザーの松
崎 隆哲先生の的確なご指導と顧問の花元 克巳館長のご協力に感謝いたしています、また
近畿大学の吉田朋紘(学生)さんや須藤 敏機(学生)さんにはデータ処理、報告書等では大
変お世話になりました。その結果、研究会発足時は最長 15 分弱回っていた大名独楽は、今年
には最長 20 分 20 秒回る様になり一応の成果を得られました。
独楽研究会の皆さんのご協力有難うございました。
(記
笹原 泰史)
3 年間を振り返って
3 年前に独楽研究会のアドバイザーを引き受けてから、色々と戸惑いながらもなんとか 3 年間
の研究会を終えることができました。
大名独楽を長時間回すための手法を明らかにするため、工学的な見地から 3 年間研究を行
いましたが、これまで顧問の花元 克巳館長が経験的に改良してきた内容が、工学的にも適切
であったと気付く点が多々ありました。これからも、開発において経験則による改良は、時間と共に
最適なものを見つけていくということを実感させられました。
研究では、長時間回る独楽の特性について、データから解析していくという手法で明らかにしよ
うと考え、独楽の特性を調査してきました。この 3 年間で十分な成果を得ることができたと満足はし
ていませんが、長時間回すための手法を明らかにする目標に対しては多少なりとも役立てたので
はないかと思います。
最後になりましたが、顧問の花元 克巳館長および研究会長の笹原 泰史様、副会長の藤
木 哲雄様をはじめとする研究会の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。
(記 松崎 隆哲)
独楽研究会メンバー
アドバイザー 近畿大学産業理工学部 松崎 隆哲先生
顧問 花元 克巳(日本の独楽資料館館長)
研究会長 笹原 泰史、 副会長 藤木 哲雄
空閑 哲博、 坂口 英和、平井 義信、 安武 英剛、安永 昌司
須藤 敏機(学生会員)
16
3-3. 若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
27期「ひきこもり研究会」として発足した会を、今期はさらに深化を目指して「若者(不登校・ひき
こもり・非行研究会)」としました。
この3つの現象は筑豊においては全国平均をはるかに超える水準であり筑豊の未来を考える時
に避けることのできない問題です。(実は我が国の将来に大きく影響する問題でもあるのです)
この課題の難しさは世代間・個人の価値観・そして家族のあり方や考え方でその理解は全く違
います。場合によっては個人の責任を必要以上に指摘し追い込んでしまいやすく、また 家族ひ
いては「親」や「個人」の問題として片付けてしまいがちです。
仮に家族「親」の問題としても最終的には「様々な形での社会問題」となり、ひいては市民全体
の「問題」となることは自明です。
そこで会としては、以下の 3 点を目指してスタートしました。
1)不登校・ひきこもり・非行 の3課題について課題ごとに学び理解に努力する
2)ゲスト講師を招き公開講座をする
3)何らかの形で研究成果をだす(何をするかは会員で協議)
5 月例会
〇最近の青少年の事件についての解説
*日本経済新聞の記事を参考に解説・・・凶悪事件数は毎年減少中であり
事件の報道の仕方により誤解を生みやすいことを指摘
*少年犯罪の難しさの解説・ルポ「心にナイフをしのばせて」(文集文庫)を紹介
1969 年春 横浜の高校で起きた事件を 今から40年余りまえに起きた事件
今と何らかわらない事件 そこから何も学んでいない大人がいる事実
*飯塚 嘉麻 桂川 の現状 説明
6 月例会
〇歴史的転換のフリースクール・自宅学習の法整備について、会長 野田より解説
→ 学校外施設としての位置づけであった「フリースクール」は長く教育委員会から
拒絶された関係でした。近年「雪解け」の様子はありましたが、急速な展開の背景等
を解説
1) フリースクール主宰者委員任命(文科省)
2) 自宅学習(ホームスクーリング)現在法令違反の容認(法改正?)
→ いわゆる オルタナティブ(学校外教育)の容認
*特異な事例を紹介
京都府某市 NPO 法人が運営するフリースクールと市立小中学校の関係
(朝 学校に登校 その後 NPO のフリースクールに登校・・出席扱い)
→ 飯塚(筑豊)の現状に置き換えてみると
確認できる民間フリースクール飯塚に2団体のみ。後は公的適応指導教室
推定する不登校者数(嘉飯桂)は少なくみても 300 人あまりの受け皿にはなり得ない
17
→
フリースクール同様
夜間学級・夜間中学との輻輳が有効では?
*若者理解におすすめの漫画
「イキガミ」・今の世相を反映しています。実は戦前の日本の姿が透けてみえます。
7 月例会
〇文部省発表の全国フリースクール実態調査について
→ 筑豊の現状の解説
→ 今至急に必要とする若者自立準備・自立支援ホーム解説
若者理解のための新書紹介
1) ヤンキー化する日本(斉藤環) 2) ヤンキー経済(原田曜平)
*安倍首相をはじめとして私たちに内在する「ヤンキー」についての解説と
今後のまちづくりに重要な「若者経済」について言及する2冊
9 月例会
* 不登校。ひきこもり速報の解説
→ 筑豊の状況はまだわからない 議会で質問しない限りは一般にはわからない
少なくとも京都府では各市町村の情報コーナーで「学校基本調査報告」として
誰もが「知る」ことができます
→ 「いじめ(加害・被害)」からの防護のためが増加
→
→
「理由がわかならいのが当たり前」を大人が理解できるか?
不登校者数が管理職(校長)の実績が自身の評価に直結?
* 筑豊の就労支援の現状
→ 現状を把握できるデータは乏しい
→ 認定された方を受け入れる団体はあるが、そうでない方の受け入れ団体は
皆無に近い 結果 ひきこもり状態が悪化しやすい
*ひきこもり とは 第三者との接触がない との理解・・
10 月例会
1 前半期のまとめ・報告
→ 最大の懸案である 参加者確保の方法を話あう →現時点では妙案がでず
2 韓国の若者事情 紹介
→ 日本同様に若者のおかれている状況は厳しい
→ 大学就職内定率 40%前後 日本関係の仕事は無し
→ 大量の就職浪人が生まれる
→ 軍隊の厳しさ体験も? の状況
3 「今の若者は・・」もう言えない
警察白書2015年前半期 65才以上の犯罪が15才から18才の犯罪件数を超えました
今後どうなるか?・・
18
11 月例会
〇嘉飯桂の若者の環境
→ 平成26年度 不登校数(小中)300名超え! (過去に400名に迫った時期もあり)
→ 実数はその数倍!?
* 「せめて高校卒業を・高校卒が未来を開く基礎資格」
→ 現行の公立・私学に進学しないかぎり「高卒」は厳しい
→ 公立定時制・公立通信制はサポートがないかぎり困難、また3年間での卒業は大変
→ 私立通信制高校 飯塚市内2・川崎町1計3校ありますが費用が嵩む
* 「働く職場があるのか?」
→ 筑豊の有効求人率(〜65才) は0,64 (大半が「 高卒 」資格が基礎資格)
→ 「探せばなんかある あまえるな!」・・・追いつめるだけ
→ 保護者が「せめて高校卒を」 終わり「私もでてないし 同じでいい」 が増加中
*
実態を把握 具体的な政策が必要
12 月例会
今堀 浩 先生(北海道・北星余市高校教諭)
*高校卒業がないと進路の狭さについての講演
*全国から「高校卒業」を目指して非行系含め多種多様(年齢も)な若者が進学(様々なトラ
ブルが成長を促すとの学校方針)
*20才を超えての「進学者」のビデヲ紹介
北星余市高校の保護者(父)より
*我が子の進学した経緯と学校紹介
「どこにでもある父は仕事、母は子育てに必死(母子密着)からの家庭崩壊 これ以上事態
が悪化すると命のやりとりも」
1 月例会
1)漫画を教材に解説(中学卒業者の物語)
2)最近の新聞記事より読み取れる若者の環境解説
1)・ 2) を題材に質疑
→「本人の問題」 「親が悪い 」とどうしても思う・考える
→「関わる者が苦労する覚悟」が肝要
→ 直接の支援でなく 支援者を支援も必要 などなど
2 月例会
2月29日・3月1日 北海道 北星余市高校 視察
若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
会長
会員
野田 隆善
合田 弥生
祝原 正典
上田 明子
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3-4. 古代のロマンに酔う研究会
趣旨:学術的な研究ではなく、豊かなイメージを膨らませ、邪馬台国やヒミコを語り、古代のロマン
に酔う研究会! そして「ヒミコ祭り」
〇遠賀川流域は日本の黎明期を支え、古代文明が栄えていたことは、多くの古墳群、出土品、
地名などが物語っています。
〇邪馬台国がどこに存在したのか?定説がありません。 九州説 ⇔ 近畿説
活動内容:
1. 魏志倭人伝を読む
4. 遺跡見学(フィールドワーク)
2. 遠賀川流域の古代について学習
5. 祭りのイメージづくり、など
3. 講師を招いて、北九州説の学習
5 月例会
〇テーマに沿った各自の思いを交流し、
〇次回からの研究内容及びプログラムについての意見交換
〇次回、飯塚歴史資料館 嶋田光一館長を招いて、「立岩古墳から出た前漢鏡
を中心に学習し、遠賀川流域の当時の概要について研究する。
6 月例会
6 月 17 日(水) 講師を招聘して学習した
講師:飯塚市歴史資料館 館長 嶋田光一氏
内容:遠賀川流域の古代文化:立岩遺跡と前漢鏡
7 月例会
講演会開催:7 月 16 日(木) 午後 6 時半~9 時 場所:イイヅカコスモスコモン 展示ホール
講演者:尾園 晃 桂川町教育委員会 社会教育課文化財振興係 係長
題目:「遠賀川流域の古墳文化と王塚古墳」
桂川町教育委員会の尾園係長より、昭和初期の発掘状況から、八女市にある同じ前方後
円墳の岩戸山古墳との関係性、阿蘇泥溶岩で作られた石屋形、燈明台石、石枕について解
説されました。特に説明のなかで、近畿地域の大和王朝の古墳の石棺も阿蘇泥溶岩でつくられ
ており、大和王朝とも深い関わりを示すものがあります。
発掘状況から得られた情報のなかで、筑紫君磐井、岩戸山古墳、遠賀川流域の古墳との
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関連性、古墳の装飾性に関しては、時代背景が絞られた状況で話しが進みましたが、受講者か
ら時代背景については、幾つか指摘があり、疑問視する話しも度々あり、学会とは違う、随分と
楽しめる講座でした。
8 月例会
*「魏志倭人伝」を読もう
藤江文雄会長からの資料に基づいて、魏志倭人伝の勉強会をしました。参加者の母里聖徳
氏、西村隆幸氏(西日本新聞筑豊総局長)、小野正行氏(公益財団法人飯塚市教育文化
振興事業団理事長)からの筑豊地区の古代史研究に関する近況の報告がありました。
*邪馬台国の所在地に関しては、様々な議論がありますが、参加者の方から、日田市、宇佐
市の古代史研究家との交流会を開催してはとの意見がありました。また各地の邪馬台国の研究
報告シンポジウムの開催などの意見もありました。
*古代史の勉強会については、専門家ないし研究家の講話を聞く事とし、素人のグループでは、
より専門性の高い会にならないのではないかということに話がまとまりました。
*11 月 28 日(土曜日)午後 1 時より桂川町において、「邪馬台国九州説」で知られる吉野ヶ里
遺跡研究の第一人者の高島忠平氏(飯塚市出身、学校法人旭学園理事長)を招いてシンポ
ジウムを開催予定です。活発な意見交換を期待しています。
*4 月 16 日(土曜日)、17 日(日曜日)にはヒミコ祭りの開催を企画しています。古代史シンポジ
ウムと音楽イベント、古代の食試食会などを草案中です。
9 月例会
テーマ: 「ヒミコはどこにいたの?」
*邪馬台国論争の原点となる、邪馬台国が記述されている「三国志」の「魏志」倭人伝の池田
仁三による口語訳のプリントが配布され、邪馬台国の実在について簡単な復習をしました。
*11 月 28 日土曜日に王塚古墳見学も兼ねた、吉野ヶ里遺跡の専門家の高島忠平氏を招い
ての古代史シンポジウム(桂川町住民センター)の開催、2016 年 4 月 16 日土曜日に開催予定
の九州王朝説で知られる福永晋三氏等を招いての古代史シンポジウム(飯塚市文化会館コス
モスコモン)とともに、同時開催予定の「卑弥呼祭り」についての企画について話がありました。
10 月例会
前回と同じく出席者が少ないなか、11 月 28 日土曜日に王塚古墳見学も兼ねた、吉野ヶ里遺
跡の専門家の高島忠平氏を招いての古代史シンポジウム(桂川町住民センター)の開催につい
てと、再度来年秋に延期した「卑弥呼祭り」についての企画について話がありました。主に「卑弥
21
呼祭り」については、藤江会長の方から、今後の地域コミュニティが活性化するように、シビックプ
ライドとして歴史を持つ街づくりについての意見がありました。
「卑弥呼祭り」そのものについては、もちろん地域固有のものであってほしい、一発花火ではなく、
定期的で長期にわたるものであってほしいとの意見が強かったようです。内容については筑豊出
身者の音楽イベントや、筑豊の食材を使用した食のイベントなど、活発な意見がありました。
11 月 28 日(土) 場所:桂川町住民センター
〇遠賀川古代の王国再興会議キックオフイベント
*高島忠平氏講演会 14:00~
「王塚古墳から見た古代 / 遠賀川に輝く弥生の神々」
*古墳めぐりミニウォーキング(ながのばあちゃんのお弁当付き;1500 円)
桂川駅集合 9:00→王塚古墳 9:30→天神山古墳 11:00→住民センター着 12:00(昼食)
*ながのばあちゃんのフードコーナー/物産フードバザー
*古墳でコウフンコンサート 10:30~14:00
地元ミュージシャンによるアコースティックライブ
お問い合わせ・申し込み先:飯塚市教育文化振興事業団
1 月例会
「いいづか古代祭~ヒミコを捜そう~」 実施趣意書(案)について話しあった。
1) 「いいづか古代祭~ヒミコを捜そう~」(日程については流動的平成 28 年/29 年)
開催場所:イイヅカコスモスコモン中ホール、野外広場
主催団体:「いいづか古代祭~ヒミコを捜そう~」実行委員会・飯塚市教育文化振興事業団
NPO 法人住学協同機構筑豊地域づくりセンター
主 管:いいづか古代祭~ヒミコを捜そう~実行委員会
事業内容:中ホール:①シンポジュウム ②「私がヒミコ・トヨ」選出 ③獅子舞・お神楽・太鼓演
奏④朗読・大きな書 ⑤「ヒミコの歌」曲は松宮氏に依頼 詩は公募⑥「ヒミコダンス」(公募)
広場:◎体験活動 :火おこし、土笛・埴輪・土器・勾玉・管玉・弓矢づくりなど ◎ゲーム:魚釣
り、射的、弓など ◎食べ物販売:ヒミコ弁当、古代食、ヒミコ饅頭、前漢鏡焼き菓子、せなど
◎フリーマーケット(各種・公募)
街頭 :◎ヒミコパレード;(本町・東町通りを)
2)古代史フエスティバル in 飯塚 「立岩の王と遠賀川の神々」 の支援
日時:平成 28 年 4 月 16 日(土)、17 日(日) 11 時~17 時
場所:イイヅカコスモスコモン
イベント:古代史シンポジウム、遠賀川流域古墳探訪ツアー、その他文化・芸術、グルメ等
古代のロマンに酔う研究会
会長 藤江文雄 会計 小野正行 広報 森 秀信
会員 竹川克幸、犬丸道夫、石井慎司、小林道夫、大塚洋一、母里聖徳
22
3-5. 飯塚(中心市街地)このままで委員会
~飯塚のまちについて何でも語ろう~
1.
研究会の目的
私達が住んでいる、又は勤めている飯塚中心街はこのままでいいのでしょうか・・。
福岡市に人口や商業施設などが一極集中し、他の地域は年々衰退していくばかりです。
飯塚の街が機能しなくなる前に、もっと考えることが、やることがあるのではないでしょうか。安心
安全な街、住みやすい街、学力水準の高い街、有力企業の多い街、商業が活性化している
街など、色々あると思います。たった一人の意見でも、様々な立場の人達が賛同すれば大きな
力になります。まずは初めの一歩から。
2.
研究会の内容
8月の研究会が第1回目で、まずは
●飯塚のまちを良くするための提案をして頂く
*2020年東京オリンピックに向けてのインバウンド(外国人客の観光誘致)を飯塚で考えるべき。
福岡市内や太宰府市、笹栗の南蔵院までは観光客が来ている。
*近代化遺産として、山本作兵衛・沖ノ島(宗像)・遠賀川流域を巡るツアーはどうか。
*まちづくり会社に投資して、人材を増やせば様々な取り組みが出来る。
*コスモスコモンとの連携をして、もっと街に来てもらうことを考えてはどうか。
*定住人口を増やすことが大事。飯塚にいる学生は約 4,000 人。卒業すると全国に就職するの
で、飯塚の広告塔になる。
*「花いっぱい運動」の人達などの協力を得て、商店街に花を植えてはどうか。まず身近な場所
を綺麗にすることが大事ではないか。
*商店街のタクシー券は加盟店側の負担だが、利用者割引などタクシー側からも協力が得ら
れないか。飯まちサポーター会員カードを提示すれば、タクシー割引が受けられるなど、もっと連
携を。
*健康をテーマに、商店街内にここまで歩くと何メートルなどの表示をしてはどうか。
拠点をいくつか紹介したマップで導線を作るなど。
23
(1)
*健幸プラザにまち歩きマップを置いて、散策してもらうのはどうか。
*九工大生は大学の近くに居酒屋や食堂が少ないので、情報を欲しがっている。商店街がどこ
にあるのか知らない人が多い。
*飯塚出身の東京在住で、定年になる人に「飯塚に帰ろうキャンペーン」を同窓会のネットワーク
で行ったらどうか。老後を静かな地域で暮らそう、これだけ住みやすいというPRをする。
*伊藤伝右衛門邸から行ける商店街周辺のランチマップを作って、観光客を誘導するべき。
●ワークショップで飯塚の良いところを挙げていく
*まちの様子
(再開発で)整備されている、景観が良くなった、変化が見えて良い
*まちの状態
飲食店が増えた、イベント時の集客増、マンションが建つ、健幸プラザ
*住みやすさ
自然、人情、祭り
*まちにある地域資源
緑道公園、学校、交通環境、病院、繁華街、アーケード、高齢者に優しい
*まちにある歴史、文化、おいしい食べ物
宿場町、炭鉱、神社仏閣、山笠・太鼓、嘉穂劇場、何でもおいしい(魚、寿司、うどん)、味覚
焼、飯塚のとんちゃん
*まちに住む人々、
来街者
子育て世代・元気な
高齢者、親子連れ、
コミュニティの環境、木
月さん(能)、村上ゆき
さん(ミユージシャン)
24
(2)
3.研究会のまとめ
8月~2月までに計7回の研究会を開催しました。商店街の取り組みを紹介しながら、最初は飯
塚のまちを良くするための提案を挙げて頂いて、その後は飯塚の良いところをテーマごとに挙げて
頂きました。定住人口を増やすにも、地元の人が飯塚のいいところを分かっていないといけませ
ん。
毎回のように商店街に対する要望や提案がありましたので、第29期は商店街関係者が受け身
の体制ではなく、研究会のメンバー全員で課題を決めて形にしていく作業をしていきたいと考えて
います。例えば、伊藤伝右衛門邸からのランチマップ作成など。
飯塚(中心市街地)このままで委員会~飯塚のまちについて何でも語ろう~
会長 縄田 真照
会員 田中 雄治、久保 森住光、三好 宏輔、前田 精一、堤 考史、菊川 清、
主税 洋三、小野 正行、藤江 文雄、藤木 哲雄、笹原 泰史
25
3-6. 情報発信/データデザイン研究会
1.
概要
本研究会は、近畿大学産業理工学部の学生が主体となって運営される研究会で、広い意味
での情報の収集および発信の手法や、それらの背景にあるデータの整理・表現に関する全般の
事柄についての調査・研究に取り組んでいる。 今期は前期(第27期)に作成した筑豊ゼミと NPO
法人住学協同機構筑豊地域づくりセンター(以下、地域づくりセンター)の ウェブサイトの保守・
管理・改善を行い、地域の住民に親しまれるデザイン・データ構造を目指した。
また、筑豊地域の活動や魅力を多くの人に気付いてもらうために、筑豊地域で催される様々なイ
ベントや店舗の広報を行った。
2.
情報発信/データデザイン研究会とは
2.1
活動内容
産業理工学部の学生が主体となり、今まで培ってきた技術・情報を駆使して活動を行う。今期は
研究会を Web 班と広報班の2つに分けて活動を行った。Web 班の活動は、筑豊ゼミと地域づくり
センターのウェブサイトのデザインを地域住民に親しまれるものにし、様々な問題点を改善すること
により、筑豊ゼミと地域づくりセンターの広報の基盤を作成することである。
広報班は、筑豊地域の活動や魅力を多くの人に気付いてもらうために、筑豊地域で催される
様々なイベントや店舗の広報を行った。
3.
改善するウェブサイトについて
3.1
ウェブサイト
両サイト共に、前期に制作したウェブサイトに細かな不具合や広報するユーザの利用し辛さがあっ
たため、広報がし易く、ユーザに見てもらいやすいことを目的に改善を行う。
4.
活動内容
4.1 NPO 法人住学協同機構筑豊地域づくりセンター
4.1.1
修正・改善
筑豊ゼミとの関連性を更に高
めるために、ボタンで作成して
いた筑豊ゼミ HP へのリンクを既
存の画像を使用してのバナー
に変更した。具体的には菊川
清運営委員長の撮影した花
の写真を背景にし、文字は緑
の背景に対して見やすいように
シンプルな白で作成した(図 1).
図 1.筑豊ゼミ HP へのバナー
26
4.1.2 保守・管理
毎月の筑豊ゼミでの研究会報やイベント・お知らせなどのアップロードを行った。
また理事長交代の挨拶の PDF ファイルをアップロードした際、組織概要の下方に PDF ファイルへの
リンクを作成した。
4.2
筑豊ゼミナール
4.2.1 修正・改善
・スライドショーの修正
前期に作成したスライド
ショーに、ブラウザによ
って動作しない不具合
や動作はしているが白
い画面が出たまま遷移
する不具合など多くの
不具合が生じていたた
め、スライドショーのプロ
グラムを作成し直した。(図 2)
図 2.改善したスライドショー
しかし、スマートフォンなどでは時折不具合が生じるため、今後更なる改善をする必要がある。
・筑豊ゼミ 25 周年記念ページの作成
前期に頂いた筑
豊ゼミ 25 周年記
念のデータを筑豊
ゼミの固定ページ
として作成し、多く
のユーザから見
やすい様に、選
択した項目がその
場で広がって詳
細な内容を表示
するアコーディオン
メニューという形
式で実装した。
(図 3)
図 3.筑豊ゼミ 25 周年記念ページ
27
・自動コメント選別プラグイン
HP に投稿されたコメントの中には、無差別に投稿される無意味なコメントや HP の内容に沿わずに
特定のものを宣伝するコメントなど悪意のあるコメント(以下、スパムコメント)が存在していた。スパ
ムコメントは他のユーザが見て、不快に感じるため削除する必要があるが、実際に手動で行うとど
れがスパムコメントであるかの選択が難しい。また、多くのユーザに見てもらえると比例してスパムコ
メントも増える可能性があるため、膨大なコメントを選択するのは時間がかかる。それらを解消する
ため、「Akismet」というスパムコメントを自動で選別してくれるプラグインを導入した。これにより HP に投
稿されたコメントの中から 50 件ものスパムコメントが選別された。(図 4)
※プラグインとは、機能を拡張するために用いるプログラムのこと。
図 4.選別されたスパムコメント
・自動メール配信プラグイン
HP に記事が投稿された際にトップページにて
告知はしているが、毎回ユーザが見てくれる
かは分からず、毎日訪問してくれるユーザは
数少ない。そのため、記事が投稿される度
に登録したユーザに対してメールを配信する
「Jetpack」の購読プラグインを導入した。(図 5)
これにより、登録した購読者に対して自動で
メールを配信する。
図 5.購読者登録画面
4.2.2 保守・管理
今期より新しく「飯塚(中心市街地)このままで委員会」と「古代のロマンに酔う研究会」が発足した
ため、HP で記事を投稿できるようにユーザを作成し、紹介ページを作成した。
4.3 広報活動
4.3.1 イベント活動
福岡県内で実施されるイベントに赴き、動画を作成して動画投稿サイトに投稿したり、筑豊ゼミの
HP でブログ形式にて写真と共に投稿したりした。3 月の雛祭りの動画や田川市の目玉である「川
28
渡り神幸祭」、飯塚市の花形「飯塚山笠」などの様々なイベントを広報していった。(図 6)
4.3.2 連載企画
飯塚市にイベント以外の観点から興味を持ってもらえるように、飯塚の誇り高いお菓子について企
画をし、HP にてブログ形式で連載した。飯塚に本店がある「さかえ屋」にて定番である南蛮往来を
取材したり、8 月には「みるく畑」にて暑い日に良いアイスクリームを取材したりし、飯塚の誇るお菓
子たちを紹介した。(図 7)
図 6.イベント広報ページ
図 7.連載企画第 4 回
5.まとめ
5.1Web 班
今期で多くの不具合を修正したが、まだまだ地域づくりセンター、筑豊ゼミ両方で多くの不具合が
生じている。天気予報のプラグインが停止して機能していないことやスライドショーが安定した稼働
をしないことなどの不具合があるため、来期も不具合を修正しながらも、閲覧するユーザにも、投
稿するユーザにも利用しやすいウェブページを目指していく。
5.2 広報班
今後も多くのユーザに興味を持っていただくためにイベントを広報していくが、その中で人の興味を
引く文章の言葉選びや、人の目を奪うような写真の撮影方法の研究も進めていきたい。また、飯
塚市が今後どのようなカテゴリーでアピールすれば人が足を運んでくれるのかも研究の視野に入
れておく。
情報発信/データデザイン研究会(pdd 研)
会長 田中 翔 会計 丸林 恵
会員 片岡 雅博,田畑 勇城,藤下 勝文,柿谷 俊之,飯田 貴之,窪井 太治
アドバイザー 戒田高康
29
4. 第28期筑豊ゼミ開講式
住民目線での地域資源の発掘と調査・研究を
4-1. 学部長祝辞
近畿大学産業理工学部 学部長 荒川 剛
28 期筑豊ゼミ生の皆様、開講おめでとうございます。2 年前、筑豊ゼミを若
返らせようという目的から、大学生を中心とした研究会を立ち上げ何とか活
動を続けてきて今年で 3 年目にはいります。まだ、なかなか地域の方々に認
められてもらうほどの活動もしていません。
データデザイン研究会は一応の成果が出ていますが、ビオトープ研究会は
まだ大学のサークル的活動から抜けきらないところがあります。今年から、ア
ドバイザーの先生もかわり、会員の幅も広げて活動を活発にして頂きたいと思います。
今年の統一地方選挙で期日前投票所を近畿大学に開設して頂きました県の選挙管理委員
会の委員のお一人が筑豊ゼミの2期生の方で、いろいろ話をさせて頂きましたが改めて筑豊ゼミ
の活動の大事さを感じました。
さて、筑豊在住の以外の方々もサブメンバーに加えて、「筑豊を見つめなおす会」(仮称)を立
ち上げてはどうかという提案がございます。幅広く筑豊を研究材料にして頂いている方々をサブメ
ンバーにして、筑豊を輝かすプロジェクトを立ちあげる研究会ができないか考えています。
そのプロジェクトのコンセプトは市民参加型で、継続的で広く連携できるプロジェクトにする。
例えば、
(1)地域遺産の再評価―筑豊をテーマにされている報告の収集・検討
(2)新たな祭りの創設
(3)福岡―飯塚という経済的・地理的条件に近い都市(町)(外国も含む)との交流事業の検討
などを考えています。
予算など心配な面がありますが、現在地方創生が推進されている時期ですから、我々も何か
できるものがあるのではと思っています。
最後になりますが、筑豊ゼミに参加の皆様方の今年1年の活躍をお祈りしまして挨拶にかえた
いと思います。
4-2. 第 28 期筑豊ゼミが目指すもの
第 28 期筑豊ゼミ運営委員長 菊川 清
第26期・第27期と同じタイトルで,私の話には全く進歩の跡がみられませんが、今日は、多くの
学生さんの出席とともに、3月の募集要項にはなかった新しい研究会の紹介など、新しい息吹も
感じられる開講式となりました。
昨年は近畿大学産業理工学部に「地域連携研究センター」が開設されるなど、住学協同の
活動にも、新しい動きもあり、第28期では各研究会が、大学や自治体あるいは産業界との連携
の下に、住民目線での地域資源の発掘と調査・研究を進めていきたいと考えています。
30
4-3. 第28期「筑豊ゼミ」募集要項
第28期は、筑豊ゼミがNPO法人住学協同機構筑豊地域づくりセンターの一員として、「筑豊ゼミ・研究会」
(以降「研究会」)を始めて3年目を迎えます。
第28期「筑豊ゼミ」では、第27期の「研究会」活動を発展させるとともに、“あなたの思いを形にする「研究
会」”も募集します。
あなたも筑豊ゼミに参加し、「研究会」を創ってみませんか。
第28期「筑豊ゼミ」
1.場 所 近畿大学産業理工学部 (飯塚市柏の森11-6)
但し、「ひきこもり研究会」は「市民交流プラザ」(アイタウン2F)
2.期 間 平成27年4月~平成28年3月まで、原則として、毎月第3水曜日
但し、「ひきこもり研究会」は毎月第2木曜日(開講日を除く)
3.時 間 午後7時~9時
4. 会 費 地域づくりセンター 正会員 5,000円(年間)
学生会員 500円(卒業まで)
*開講式:4月15日(水)19時~ 当日ご持参ください。
5.募集期間 平成27年3月16日(月)~4月15日(開講式当日受付可)
6.会員(ゼミ生)を募集する「研究会」(カッコ内は問い合わせ先)
各「研究会」の紹介は裏面をご覧ください。
・「市民遺産研究会」 (白神精一<[email protected]>)
・「独楽研究会」 (笹原泰史<[email protected]>)
・「若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会 〜筑豊から全国へ発信〜」
(野田隆喜<[email protected]>)
・「ビオトープ研究会」:学生主体の研究会(七條真衣<[email protected]>)
・「情報発信/データデザイン研究会」:学生主体の研究会(田中翔
<[email protected]>)
7.新たな「研究会」の募集
「研究会」の「名称」と「趣旨」(400字程度)を付けて、複数名でお申込み下さい。
事前に、運営委員長(菊川)にご相談下さい。
8.申し込み先
ち か ら
ひ ろ み
筑豊ゼミ運営委員会事務局:主税 洋三
携帯: 090-8624-2886
(事務局長)
e-mail: [email protected]
9. お問い合わせ
菊川 清(運営委員長):携帯: 090-9485-5985
主税洋三 (事務局長):携帯: 090-8624-2886
31
e-mail: [email protected]
e-mail: [email protected]
「市民遺産研究会」(定例会:毎月第 3 水曜 午後7時~9時)
市民遺産研究会ではこれまで筑豊エリアの自然、文化、石炭遺産などを研究し地図におこし作成して掲
示・発表に取り組んできました。27期は市民に分かりやすく飯塚歴史探索ルートとして活動発表を行い、ホーム
ページには「旧伊藤伝右衛門邸」をはじめ「いいづか雛のまつり」に合わせ初めてグーグルマップを活用にアップ
し掲載をいたしました。又、事前に見学場所をパンフレットや写真にて検討し合って見学会(杵築市)をおこない
ました。
今期はさらに今までの地域へ出かけ現地の隠れた「へえ~」「そうなんだ」と思えるような目線で遺産の良さを
発掘し、マップや写真で発表できるようにしたいと考えています。
見学会も筑豊近郊をはじめ興味のある場所へ足を運んで調査研究を一人でも多くの方と市民遺産を探しまし
ょう。
「独楽研究会」(定例会:毎月第 3 水曜 午後7時~9時)
26期、27期と独楽研究会では「日本の独楽資料館」で花元館長が考案の一捻りで26期は最長15分と27
期は最長20分も回る大名勝負独楽の研究を近畿大学の先生のアドバイスを頂きながら研究致しました。一捻
りで20分回る独楽が出来た事で28期は独楽を対外的にアピールする方法を考え、研究していきます。
28期も引き続き近畿大学の先生のアドバイスを頂いて次の課題に挑戦します。
1.長く回るために、心棒の長さ、けんの高さ、ガラス板等の研究を致します。
2.筑豊を「独楽の街」と全国に発信出来る方法について研究していきます。
3.学会発表等の対外発表を通じて大名独楽をアピールしていきます。
4.各地区のイベントに参加して独楽回しの指導を通じて独楽の普及を図りたいと思っています。
「若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
〜筑豊から全国へ発信〜」
(定例会:5 月から毎月第 2 木曜)
昨年(27期)誕生しました ひきこもり研究会の成長を目指す28期です
戦後70年を迎える日本の若者を育む環境や社会は大きく変わりました。特に50代以上の「大人」には想像で
きません。今の若者の事情を聞けば聴くほど、心穏やかには聞きにくいことばかりです。そこで、昔からある不登
校・ひきこもり・非行の社会問題を正しく学びながら 今の若者たちの心持ちの理解、共感を目指し また次世
代のために何ができるかを悩み・模索したいと思います。
一人でも多くの方の参加をねがっています。
会の開催日・会場はあらためて参加希望の方に案内します。
「情報発信/データデザイン研究会」(定例会:毎月第 3 水曜で調整中)
本研究会は,近畿大学産業理工学部の学生が主体となって運営される研究会です。広い意味での情報
の収集および発信の手法やそれらの背景にあるデータの整理や表現に関する全般の事柄についての調査・
研究に取り組みます。第 27 期は主に NPO 法人住学協同機構筑豊地域づくりセンターと筑豊ゼミの WEB サイト
作成を行いました。第 28 期では第 27 期から引き続きさらに学習を進め、以下の活動を中心に行う予定です。
本研究会では、近畿大学以外の学生や学生以外の参加者も歓迎します。
・WEB サイトの改善・更新作業を含む維持管理。
・動画を用いた筑豊地域の情報発信。
32
4-4. 第 28 期筑豊ゼミ年間スケジュール
第28期 筑豊ゼミ年間スケジュール
若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会を除く
2015年
平成27年
4月例会
日 時
場 所
開 講 式
15日(水)
ログハウス
午後7~9時
5月例会
6月例会
7月例会
8月例会
9月例会
4
号
午後7~9時 館
20日(水)
4
号
午後7~9時 館
4
号
午後7~9時 館
市 民
17日(水)
15日(水)
4
号
午後7~9時 館
19日(水)
16日(水)
21日(水)
午後7~9時
11月例会
12月例会
1月例会
2月例会
3月例会
市 民
ロマン
ロマン
午後7~9時
10月例会
独 楽
独 楽
市 民
ロマン
独 楽
独 楽
市 民
ロマン
4
号
館
ロマン
4
号
館
市 民
4
号
午後7~9時 館
18日(水)
独 楽
市 民
ロマン
独 楽
独 楽
市 民
ロマン
4
号
午後7~9時 館
ロマン
4
号
午後7~9時 館
市 民
16日(水)
20日(水)
4
号
午後7~9時 館
17日(水)
16日(水)
午後7~9時
独 楽
市 民
ロマン
独 楽
独 楽
市 民
ロマン
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
4103教室
4401教室
4402教室
修 了 式
ログハウス
運 営 委 員 会
於:市民交流プラザ
会 場
確 保
7日(火)
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
B
12日(火)
運営委員会 午後7時~
地域づくり事務局6:30~6:50
4日(木)
済
B
5月18日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
A
2日(木)
運営委員会 午後7時~
地域づくり事務局6:30~6:50
6日(木)
5月18日
済
B
5月18日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
B
3日(木)
運営委員会 午後7時~
地域づくり事務局6:30~6:50
1日(木)
6月4日
済
B
7月2日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
B
5日(木)
運営委員会 午後7時~
地域づくり事務局6:30~6:50
3日(木)
8月4日
済
B
9月3日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
B
7日(木)
運営委員会 午後7時~
地域づくり事務局6:30~6:50
4日(木)
10月1日
済
B
11月2日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
A
3日(木)
12月1日
運営委員会 午後7時~
済
地域づくり事務局6:30~6:50
B
※ 若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会は開講式・修了式以外は
原則、毎月第2木曜日、午後7時~9時 場所:飯塚市市民交流プラザ(アイタウン2F)
33
5. 第 28 期筑豊ゼミ生名簿
氏 名
1
ながひろ
ゆう じ
長弘
雄次
2
しらがみ
せいいち
白神
精一
3
いわ の
こう じ
岩野
宏司
4
ち よ だ
なん こ
千代田 南子
5
きくかわ
きよし
菊川
清
6
さ の
7
佐野
しのぶ
忍
ちから
ひろ み
主税
洋三
研究会*
住所
市民遺産
飯塚市
25
市民遺産
飯塚市
26
市民遺産
飯塚市
27
市民遺産
飯塚市
市民遺産
市民遺産
35
ろくたに
たくや
六谷
拓也
独楽
飯塚市
36
なわ た
まさてる
縄田
真照
独楽
飯塚市
37
み よし
こうすけ
三好
宏輔
独楽
飯塚市
38
やすふみ
笹原
泰史
14
ふじ き
てつ お
藤木
哲雄
21
す どう
とし き
須藤
敏機
の だ
たかよし
野田
隆善
22
ごう だ
やよい
合田
弥生
23
いわいはら
まさのり
祝原
正典
うえだ
あき こ
上田
明子
24
慎司
みち お
福岡市
ささはら
20
石井
秀信
13
昌司
しん じ
森
克巳
安永
い しい
ひでのぶ
花元
まさ し
30
もり
かつき
やすなが
飯塚市
34
はなもと
19
道男
飯塚市
12
英剛
みち お
小林
市民遺産
独楽
安武
こばやし
克幸
近畿大学
18
29
かつゆき
隆哲
義信
福岡市
竹川
たかのり
ひでたか
洋一
たけかわ
松崎
平井
よういち
大塚
33
まつざき
やすたけ
おおつか
飯塚市
11
よしのぶ
28
市民遺産
末廣
ひら い
正行
清孝
山下
17
小野
きよたか
すえひろ
英和
まさゆき
高木
やました
ひでかず
の
たか き
10
坂口
お
32
泰司
さかぐち
聖徳
嘉麻市
たい じ
16
きよのり
市民遺産
森田
哲博
ぼ
道夫
もり た
空閑
り
母里
犬丸
9
てつひろ
文雄
31
春恵
が
藤江
飯塚市
はる え
く
ふみ お
市民遺産
ひらの
15
ふじ え
いぬまる
平野
8
氏 名
独楽
田川郡
川崎町
39
独楽
嘉麻市
40
独楽
田川市
41
独楽
独楽
独楽
飯塚市
鞍手郡
鞍手町
近畿大学
学生
42
43
44
若者
飯塚市
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
(田川市)
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン
飯塚市
古代ロマン 北九州市
古代ロマン
飯塚市
中心市街地
飯塚市
中心市街地
飯塚市
中心市街地
飯塚市
中心市街地
飯塚市
ゆうじ
かいだ
たかやす
PDD
戒田
高康
近畿大学
たなか
しょう
田中
翔
まるばやし
めぐみ
丸林
恵
かきや
としゆき
柿谷
俊之
かたおか
まさひろ
片岡
雅博
ふじした
かつふみ
藤下
勝文
47
くぼい
たいち
窪井
太治
48
いいだ
たかゆき
飯田
貴之
糟屋郡
粕屋町
古代ロマン
雄治
46
飯塚市
古代ロマン
た なか
ゆうき
若者
住所
田中
勇城
45
糟屋郡
もり す み
森住光
たばた
飯塚市
粕屋町
く
田畑
若者
若者
ぼ
久保
研究会*
PDD
PDD
PDD
PDD
PDD
PDD
PDD
PDD
田川市
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
近畿大学
学生
*)市民遺産=市民遺産研究会、独楽=独楽研究会、若者=若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会、古代ロマン=古代のロマンに酔
う研究会、中心市街地=飯塚(中心市街地)このままで委員会、PDD=情報発信データデザイン研究会
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6.決算報告
第28期 筑豊ゼミ 決算報告(2015年4月1日~2016年3月31日)
収
入
正会員活動費 (4000X32)
pdd研への活動費
事務局経費(1000x24)他
活動費等 入金
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
情報関連費
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
研修費
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
消耗品費
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
図書費
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
雑費
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
合 計
市民遺産研究会
研
独楽研究会
古代ロマン~研究会
究
情報発信研究会
若者研究会
会
このままで委員会
小 計
事務局
収 入
支 出
計
内訳
計
内訳
正会員32名名
283,347
128,000 学生会員3名
100,000
55,347
283,347
40,000
32,000
28,000
100,000
12,000
16,000
228,000
55,347
40,540
残
計
高
内訳
0
12,768
0
27,772
0
0
40,540
0
127,508
27,913
5,466
11,137
58,680
12,000
0
115,196
12,312
36,733
0
7,853
0
0
0
378
8,231
28,502
22,299
2,703
1,922
0
2,750
0
14,924
22,299
0
2,249
0
0
0
1,944
0
305
2,249
0
283,347
229,329
40,000
32,000
28,000
100,000
12,000
16,000
228,000
55,347
35
54,018
30,616
28,009
11,137
91,146
12,000
15,607
188,515
40,814
9,384
3,991
16,863
8,854
0
393
39,485
14,533
7.28期筑豊ゼミ 修了式次第
2016 年 3 月 16 日(水)
於:近畿大学産業理工学部ログハウス
19:00 開式のことば
19:02 祝辞
近畿大学産業理工学部
荒川 剛 学部長
研究会報告
19:10 市民遺産研究会
会 長 白神精一
19:20 独 楽 研 究 会
会 長 笹原泰史
19:40 若者(不登校・ひきこもり・非行)研究会
会 長 野田隆喜
19:50 古代のロマンに酔う研究会
会 長 藤江文雄
20;00 飯塚(中心市街地)このままで委員会
委員長 縄田真照
20:10 情報発信/データデザイン研究会
会 長 田中 翔
20:20 祝辞・挨拶
20:30 修了証書授与 各分科会長が代表
20:35 運営委員長挨拶・謝辞
20:40 閉式のことば
以 上
36
2016 年 3 月 16 日
発
発行
行:NPO 法人
住学協同機構筑豊地域づくりセンター
第 28 期筑豊ゼミ
http://www.chikuzemi.com/
編
集:第 28 期筑豊ゼミ運営委員会
[email protected](運営委員長)
[email protected](事務局長)
37
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