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医薬品インタビューフォーム 静注用0.25g・0.5g・1g 静注用1gバッグS 静
2016年10月改訂(第 8 版) 日本標準商品分類番号:876132 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998年 9 月)に準拠して作成 セフェム系抗生物質製剤 処方箋医薬品 日本薬局方 注射用セフォチアム塩酸塩 R R R R 静注用0.25g・0.5g・1g 静注用1gバッグS 静注用1gバッグG 筋注用0.25g ® PANSPORIN INTRAVENOUS 0.25Gm.,0.5Gm.,1Gm.,1Gm.BagS & 1Gm.BagG ® PANSPORIN INTRAMUSCULAR 0.25Gm. 剤 形 注射用粉末製剤 注射用粉末製剤の本体と溶解液からなる静注用キット製剤 規 格 ・ 含 量 静注用0.25g, 0.5g, 1g:1バイアル中セフォチアム塩酸塩0.25g(力価), 0.5g(力価), 1g(力価)含有 静注用1gバッグS、静注用1gバッグG:1容器中セフォチアム塩酸塩1g (力価) 含有 (力価) 含有 筋注用0.25g:1バイアル中セフォチアム塩酸塩0.25g 一 般 名 和 名:セフォチアム塩酸塩 ( JAN) 洋 名:Cefotiam Hydrochloride ( JAN) 製造販売承認年月日 薬価基準収載 ・発 売 年 月 日 製造販売承認年月日 薬価基準収載年月日 発売年月日 静注用0.25g, 0.5g, 1g、筋注用0.25g 1980年10月25日 1980年12月25日 1981年 2 月 5 日 静注用1gバッグS、静注用1gバッグG 1996年10月 9 日 1996年12月13日 1996年12月17日 開 発・製 造・ 販 売:武田薬品工業株式会社 輸入・発売・提携・ 製造販売元:武田テバ薬品株式会社 販 売 会 社 名 担当者の連絡先・ 電 話 番 号・F A X 本IFは2016年10月改訂の添付文書の記載に基づき作成した。 IF 利 用 の 手 引 き の 概 要 — 日本病院薬剤師会 — 1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯 当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR と略す)等にインタビュー し、当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビュー フォームを、昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第 2 小委員会が 「医薬品インタビューフォーム」(以下、IF と略す)として位置付けを明確化し、その 記載様式を策定した。そして、平成 10 年日病薬学術第 3 小委員会によって新たな位置 付けと IF 記載要領が策定された。 2. IF とは IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常 業務に必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとな る情報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤 師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付 けられる。 しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反した 情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。 3. IF の様式・作成・発行 規格は A4 版、横書きとし、原則として 9 ポイント以上の字体で記載し、印刷は一色刷 りとする。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。 IF は日病薬が策定した「IF 記載要領」に従って記載するが、本 IF 記載要領は、平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品から適用となり、既発売品については「IF 記載要領」 による作成・提供が強制されるものではない。また、再審査及び再評価(臨床試験実施 による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、記載内容が大きく異なる場 合には IF が改訂・発行される。 4. IF の利用にあたって IF 策定の原点を踏まえ、MR へのインタビュー、自己調査のデータを加えて IF の内容 を充実させ、IF の利用性を高めておく必要がある。 MR へのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬理作 用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改訂される使用上の注意 等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用医薬品添付文 書、お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等に より薬剤師等自らが加筆・整備する。そのための参考として、表紙の下段に IF 作成の 基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。 なお、適正使用や安全性確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発 売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合が あり、その取扱いには慎重を要する。 目 次 Ⅰ :概要に関する項目 1 .開発の経緯 1 2 .製品の特徴及び有用性 1 Ⅱ :名称に関する項目 1 .販 売 名 1 − 1 和 名 2 1 − 2 洋 名 2 1 − 3 名称の由来 2 2 .一 般 名 2 − 1 和 名(命名法) 2 2 − 2 洋 名(命名法) 2 3 .構造式又は示性式 2 4 .分子式及び分子量 3 5 .化学名(命名法) 3 6 .慣用名、別名、略号、記号番号 3 7 .CAS 登録番号 3 Ⅲ :有効成分に関する項目 1 .有効成分の規制区分 4 2 .物理化学的性質 2 − 1 外観・性状 4 2 − 2 溶 解 性 4 2 − 3 吸 湿 性 4 2 − 4 融点(分解点)、沸点、凝固点 4 2 − 5 酸塩基解離定数 4 2 − 6 分配係数 5 2 − 7 その他の主な示性値 5 3 .有効成分の各種条件下における安定性 5 4 .有効成分の確認試験法 5 5 .有効成分の定量法 5 Ⅳ :製剤に関する項目 1 .剤 形 1 − 1 剤形の区別、規格及び性状 6 1 − 2 溶液及び溶解時の pH、浸透圧比、粘度、比重、安定な pH 域等 6 1 − 3 注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び種類 6 2 .製剤の組成 2 − 1 有効成分(活性成分)の含量 6 2 − 2 添 加 物 7 2 − 3 添付溶解液の組成及び容器 7 3 .注射剤の調製法 7 4 .製剤の各種条件下における安定性 9 5 .溶解後の安定性 10 6 .他剤との配合変化(物理化学的変化) 11 7 .電解質の濃度 18 8 .混入する可能性のある夾雑物 18 9 .製剤中の有効成分の確認試験 19 10 .製剤中の有効成分の定量法 19 11 .力 価 19 12 .容器の材質 20 13 .そ の 他 20 Ⅴ :治療に関する項目 1 .効能又は効果 21 2 .用法及び用量 2 − 1 用法・用量 21 2 − 2 用法・用量に関連する使用上の注意 22 3 .臨床成績 3 − 1 臨床効果 23 3 − 2 臨床薬理試験:忍容性試験 24 3 − 3 探索的試験:用量反応探索試験 25 3 − 4 検証的試験 25 3 − 5 治療的使用 25 Ⅵ :薬効薬理に関する項目 1 .薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 26 2 .薬理作用 2 − 1 作用部位・作用機序 26 2 − 2 薬効を裏付ける試験成績 26 2 − 3 効力を裏付ける試験成績 36 Ⅶ:薬物動態に関する項目 1 .血中濃度の推移・測定法 1 − 1 治療上有効な血中濃度 38 1 − 2 最高血中濃度到達時間 38 1 − 3 通常用量での血中濃度 38 1 − 4 中毒症状を発現する血中濃度 40 2 .薬物速度論的パラメータ 2 − 1 吸収速度定数 40 2 − 2 バイオアベイラビリティ 40 2 − 3 消失速度定数 40 2 − 4 クリアランス 41 2 − 5 分布容積 41 2 − 6 血漿蛋白結合率 41 3 .吸 収 41 4 .分 布 4 − 1 血液−脳関門通過性 41 4 − 2 胎児への移行性 41 4 − 3 乳汁中への移行性 42 4 − 4 髄液への移行性 42 4 − 5 その他の組織への移行性 43 5 .代 謝 5 − 1 代謝部位及び代謝経路 45 5 − 2 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 45 5 − 3 初回通過効果の有無及びその割合 45 5 − 4 代謝物の活性の有無及び比率 45 5 − 5 活性代謝物の速度論的パラメータ 45 6 .排 泄 6 − 1 排泄部位 45 6 − 2 排 泄 率 45 6 − 3 排泄速度 46 7 .透析等による除去率 7 − 1 腹膜透析 46 7 − 2 血液透析 47 7 − 3 直接血液灌流 47 Ⅷ:安全性(使用上の注意等)に関する項目 1 .警告内容とその理由 48 2 .禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) 2 − 1 禁忌内容とその理由 48 2 − 2 原則禁忌内容とその理由 48 3 .効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 48 4 .用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 48 5 .慎重投与内容とその理由 49 6 .重要な基本的注意とその理由及び処置方法 49 7 .相互作用 7 − 1 併用禁忌とその理由 50 7 − 2 併用注意とその理由 50 8 .副 作 用 8 − 1 副作用の概要 51 8 − 2 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧 52 8 − 3 基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度 54 8 − 4 薬物アレルギーに対する注意及び試験法 55 9 .高齢者への投与 55 10 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与 55 11 .小児等への投与 56 12 .臨床検査結果に及ぼす影響 56 13 .過量投与 56 14 .適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) 56 15 .その他の注意 57 16 .その他 57 Ⅸ:非臨床試験に関する項目 1 .一般薬理 58 2 .毒性試験 2 − 1 単回投与毒性試験 58 2 − 2 反復投与毒性試験 58 2 − 3 生殖発生毒性試験 59 2 − 4 その他の特殊毒性 59 Ⅹ:取扱い上の注意等に関する項目 1 .有効期間又は使用期限 60 2 .貯法・保存条件 60 3 .薬剤取扱い上の注意点 60 4 .承認条件 60 5 .包 装 61 6 .同一成分・同効薬 61 7 .国際誕生年月日 61 8 .製造販売承認年月日及び承認番号 61 9 .薬価基準収載年月日 61 10 .効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 61 11 .再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 62 12 .再審査期間 63 13 .長期投与の可否 63 14 .厚生労働省薬価基準収載医薬品コード 63 15 .保険給付上の注意 63 Ⅺ:文 献 1 .引用文献 64 2 .その他の参考文献 66 Ⅻ:参考資料 67 ⅩⅢ:備 考 68 Ⅰ:概要に関する項目 1 .開発の経緯 武 田 薬 品 工 業 株 式 会 社 で は 、従 来 の セ フ ェ ム 系 抗 生 物 質 よ り 抗 菌 ス ペ ク ト ル が 広 く 、 か つ b −ラ ク タ マ ー ゼ に 対 し 安 定 な セ フ ェ ム 系 抗 生 物 質 の 合 成 を 目 指 し 、 一 連 の 7 − aminocephalosporanic acid 誘導体の研究の結果、7 位にアミノチアゾール基をもち、3 位に テトラゾール環を有するセフォチアムを見出した。以降、セフォチアム塩酸塩として開発を 進め、詳細な各種生物試験、二重盲検比較対照試験を含む臨床試験により、各種感染症に対 する有用性が確認され、1980 年 10 月製造承認を得た。その後、1982 年 10 月に産婦人科領 域感染症、化膿性髄膜炎の効能・効果及び小児等に対する用法・用量が、1984 年 6 月に耳 鼻咽喉科領域感染症に対する効能・効果が追加された。又、簡便・迅速・清潔な溶解操作の 出来るバッグS及びバッグGが 1996 年 10 月に製造承認を得た。 2004 年 9 月に再評価結果通知を受け有用性が再確認された。 2016 年 10 月に武田テバ薬品株式会社が武田薬品工業株式会社より製造販売承認を承継し た。 2 .製品の特徴及び有用性 (1)武田薬品研究所で合成したいわゆる第二世代のセフェム系抗生物質「セフォチアム塩酸 塩」の注射用製剤である。 (2)ブドウ球菌を含むグラム陽性菌及び 4 大グラム陰性桿菌(大腸菌、肺炎桿菌、プロテ ウス・ミラビリス、インフルエンザ菌)にバランスのとれた抗菌力を示す。 (3)腎排泄型の薬剤だが、胆汁中への移行も良好である。 (4)敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、呼吸器感染症、尿路感染症、腹膜炎、胆 道感染症、化膿性髄膜炎、整形外科領域感染症、婦人科領域感染症、耳鼻咽喉科領域感 染症などに良好な臨床効果が認められている。 (5)承認時までの調査では、2,132 例(静注、点滴静注、筋注を含む)中 123 例(5.8 %)に、 製造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では 32,284 例(静注、点滴静注、筋注を含 む)中 1,369 例(4.2 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。 なお、重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、急性腎不全等の重篤な腎障害、 汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、溶血性貧血、血小板減少、偽膜性大腸炎等の血 便を伴う重篤な大腸炎、間質性肺炎、PIE 症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens − Johnson 症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群)、痙攣、肝炎、肝機能障害、黄疸が あらわれることがある。 (6)迅速・簡便・清潔な溶解操作のできるバッグ S 及びバック G もある。 −1− Ⅱ:名称に関する項目 1 .販 売 名 1−1 和 名 パンスポリン® 静注用 0.25g パンスポリン® 静注用 0.5g パンスポリン® 静注用 1g パンスポリン® 静注用 1g バッグS パンスポリン® 静注用 1g バッグG パンスポリン® 筋注用 0.25g 1−2 洋 名 PANSPORIN® INTRAVENOUS 0.25Gm. PANSPORIN® INTRAVENOUS 0.5Gm. PANSPORIN® INTRAVENOUS 1Gm. PANSPORIN® INTRAVENOUS 1Gm.BagS PANSPORIN® INTRAVENOUS 1Gm.BagG PANSPORIN® INTRAMUSCULAR 0.25Gm. 1−3 名称の由来 PANSPORIN :抗菌スペクトルの「広さ」を PAN で表現し、セファロスポリン系の抗生物 質であることから「SPORIN」を語尾として結合し商品名とした。 2 .一 般 名 2−1 和 名(命名法) セフォチアム塩酸塩(JAN) 2−2 洋 名(命名法) Cefotiam Hydrochloride(JAN) Cefotiam(INN) 3 .構造式又は示性式 CH3 N N CO2H H2N H N N S O O S N H H CH3 N N N ・2HCl S −2− 4 .分子式及び分子量 分子式: C18H23N9O4S3・2HCl 分子量: 598.55 5 .化 学 名(命名法) (6R,7R)− 7 −[2 −(2 − Aminothiazol − 4 − yl)acetylamino]− 3 −[1 −(2 − dimethylaminoethyl)− 1H − tetrazol − 5 − ylsulfanylmethyl]− 8 − oxo − 5 − thia − 1 − azabicyclo[4.2.0]oct − 2 − ene − 2 − carboxylic acid dihydrochloride(IUPAC) 6 .慣用名、別名、略号、記号番号 略 号: CTM 開発コード: SCE − 963 7 .CAS 登録番号 66309 − 69 − 1 61622 − 34 − 2(Cefotiam) −3− Ⅲ:有効成分に関する項目 1 .有効成分の規制区分 該当しない 2 .物理化学的性質 2−1 外観・性状 本品は白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。 (日本薬局方) 2−2 溶 解 性 本品は水、メタノール又はホルムアミドに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、 アセトニトリルにほとんど溶けない。 (日本薬局方) ■セフォチアム塩酸塩の各種溶媒による溶解性 1) 溶 媒 本品1gを溶かすのに必要な量(mL) 溶解性の表現 水 <1. 7 溶けやすい メタノール <1.1 溶けやすい エタノール(99.5) 670 溶けにくい アセトン >10,000 ほとんど溶けない 酢酸エチル >100,000 ほとんど溶けない クロロホルム >100,000 ほとんど溶けない ヘキサン >100,000 ほとんど溶けない 日局・通則による 2−3 吸 湿 性 本品約 500mg を用いて、25 ℃・ 9 〜 79 % RH で保存したところ、20 〜 30 % RH の条件下 では含水量約 9 %まで、60 〜 75 % RH では約 13 〜 14 %までほぼ 1 日で吸湿し、6 日経過 後においても吸湿量に変化は認められなかった。さらに高湿度条件下では含水量が急増し、 結晶表面が湿潤する傾向を示した 1)。 2−4 融点(分解点)、沸点、凝固点 80 ℃〜 90 ℃で融解しはじめ、完全に液化しないまま約 97 ℃で発泡して分解する 1)。 2−5 酸塩基解離定数 アルカリ滴定法によって、下記の pKa が得られた 1)。 pKa1 : 2.6 pKa2 : 4.6 pKa3 : 7.0 −4− 2−6 分配係数 37 ℃における 2 −メチル− 1 −プロパノールと pH7.4 リン酸塩緩衝液との分配係数は 0.244 ± 0.013 であった 2)。 2−7 その他の主な示性値 ◇吸光度: (259nm) :約273 1% 1cm (第十六改正日本薬局方解説書 2011, C − 2386 廣川書店) 20 ◇旋光度:〔α〕:+60∼+72° (脱水物に換算したもの1g、水、100mL、100mm) D ◇pH:本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは1.2∼1.7である。 ◇水分:7.0%以下(0.25g、容量滴定法、直接滴定。ただし、水分測定用メタノールの代わ りに水分測定用ホルムアミド/水分測定用メタノール混液(2:1)を用いる) (日本薬局方) 3 .有効成分の各種条件下における安定性 規 格 苛 酷 試 験 温度 湿度 光 長期保存 試験* 保存条件 保存形態 − − 50℃、暗所 60℃、暗所 直射日光 室温、暗所 外 観 白色∼淡黄色の結晶 − 又は結晶の粉末 無色バイアル 3カ月 瓶(密栓) 1.5カ月 25℃、暗所、75%RH 無色バイアル 40℃、暗所、32%RH 瓶(開栓) 室内散乱光 結 果 保存 期間 pH 7. 0% 1.2∼ 以下 1.7 残存率 総 類 縁 (%) 物質(%) − − 微 黄 色 4.3 1.54 88.1 4.9 微 黄 色 4.3 1.51 87.8 6.4 12.7 1.52 96.8 2.7 淡黄色 (湿潤) 2カ月 含湿度 3カ月 微 黄 色 6.4 1.51 92.4 5.7 無色バイアル 12カ月 瓶(密栓) 2カ月 微 黄 色 4.4 1.51 96.7 2.0 帯褐白色 4.3 1.52 93.9 6.2 帯黄白色 5.7 1.50 96.8 1.8 アルミ缶 (密封) 39カ月 (武田薬品・研究所、*:武田薬品・品質保証部) 4 .有効成分の確認試験法 日局「セフォチアム塩酸塩」確認試験による。 5 .有効成分の定量法 日局「セフォチアム塩酸塩」定量法による。 −5− Ⅳ:製剤に関する項目 1 .剤 形 1−1 剤形の区別、規格及び性状 ◇剤形の区別 パンスポリン静注用 0.25g、0.5g、1g、パンスポリン筋注用 0.25g 注射用粉末製剤 パンスポリン静注用 1g バッグS 注射用粉末製剤本体と溶解液(生理食塩液 100mL)からなる。 パンスポリン静注用 1g バッグG 注射用粉末製剤本体と溶解液(5 %ブドウ糖注射液 100mL)からなる。 ◇規格 本品は定量するとき、表示された力価の 90.0 〜 110.0 %に対応するセフォチアム (C18H23N9O4S3 : 525.63)を含む。 (日本薬局方) ◇性状 白色〜淡黄色の粉末の製剤である。 1−2 溶液及び溶解時の pH、浸透圧比、粘度、比重、安定な pH 域等 ◇静注用 本剤 1g(力価)を 10mL ・注射用水に溶解した場合、pH は 5.7 〜 7.2 である。 また、本剤 0.5g( 力価)を 20mL ・注射用水に、本剤 1g( 力価)を 20mL ・注射用水、 100mL ・生理食塩液、又は 100mL ・ 5 %ブドウ糖注射液に溶解した場合、浸透圧比(生 理食塩液に対する比)は約 1 である。 ◇筋注用 本剤を添付の 3mL 筋注用溶解液に溶解した場合、pH は 5.7 〜 7.2、浸透圧比(生理食塩 液に対する比)は約 2 である。 1−3 注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び種類 該当しない 2 .製剤の組成 2−1 有効成分(活性成分)の含量 パンスポリン静注用 0.25g 及びパンスポリン筋注用 0.25g は 1 バイアル中セフォチアム塩 酸塩 0.25g(力価)を含有する。 パンスポリン静注用 0.5g は 1 バイアル中セフォチアム塩酸塩 0.5g(力価)を含有する。 パンスポリン静注用 1g は 1 バイアル中セフォチアム塩酸塩 1g(力価)を含有する。 パンスポリン静注用 1g バッグS及び 1g バッグGは 1 容器中セフォチアム塩酸塩 1g(力価) を含有する。 −6− 2−2 添 加 物 ◇静注用 バイアル品:無水炭酸ナトリウム(0.25g 製剤: 20.3mg、0.5g 製剤: 40.5mg、1g 製剤: 81mg)、L −アルギニン(0.25g 製剤: 127mg、0.5g 製剤: 254mg、1g 製 剤: 508mg) バッグS及びバッグG: L −アルギニン 712.7mg ◇筋注用 無水炭酸ナトリウム 20.3mg、L −アルギニン 127mg 2−3 添付溶解液の組成及び容器 ◇静注用バッグS 生理食塩液 100mL ◇静注用バッグG 5 %ブドウ糖注射液 100mL ◇筋注用 1 管中日本薬局方メピバカイン塩酸塩注射液(0.5W/V %)3mL 3 .注射剤の調製法 ◇静注用バイアル品 バイアル品は緩衝剤として無水炭酸ナトリウムを含有し、溶解時に炭酸ガスを発生する ため減圧バイアルにしてある。溶解にあたっては静注用 0.25g、0.5g には約 3mL、静注 用 1g には約 5mL の溶解液をバイアル内に注入して溶解すること。 なお、静脈内注射に際しては静注用 0.25g は通常 10mL に、静注用 0.5g、1g は通常 20mL に希釈して投与する。点滴静脈内注射を行う場合、注射用水を用いると溶液が等 張とならないため用いないこと。溶解にあたっては、溶解方法説明書きをよく読むこと。 ◇静注用バッグS及びバッグG (1)溶解液部分を手で圧し、隔壁を開通させ、抗生剤部分と 溶解液部分を交互に押して抗生剤を完全に溶解する。 (2)溶解を確認する。 押す 隔壁 ◇筋注用 パンスポリン筋注用は緩衝剤として無水炭酸ナトリウムを含有し、溶解時に炭酸ガスを 発生するため、減圧バイアルにしてある。溶解にあたっては、溶解方法説明書きをよく 読むこと。 調製時の注意 ◇本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時に 手の腫脹・瘙痒・発赤、全身の発疹・瘙痒、腹痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれた場 合には以後本剤との接触を避けること。 −7− パンスポリン静注用1gバッグS・1gバッグGの溶解操作方法 本品は下記の方法にしたがって溶解してください。 1 開封 2 使用直前に外袋(ピロー包装) を開封します。 3 溶解 展開 二ツ折りのバッグを広げます。 折れ曲がっている場合は、逆 折りにして平坦にして下さい。 4 溶解を確認する 溶解液部分を手で押し、抗生剤 部分と溶解液部分を開通させます。 この操作を繰返して抗生剤を完全 に溶解して下さい。 〔注意〕 1.製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。 2.次の場合には使用しないこと。 (1)外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。 (2)隔壁の開通前に抗生物質が溶解しているとき。 (3)抗生物質が変色しているときや溶解液が着色しているとき。 3.容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。 −8− 4 .製剤の各種条件下における安定性 (1)長期保存試験(保存条件:室温) 1)パンスポリン静注用 0.25g(保存形態:バイアル+外箱、添加物:無水炭酸ナトリウム) Initial 外 観 微黄白色の粉末 pH 6.3 残存率(%) 100 12カ月 帯黄白色の粉末 6.2∼6.3 98.8 24カ月 帯黄白色の粉末 6.3∼6.5 97.5 36カ月 微黄色の粉末 6.2 97.7 2)パンスポリン静注用 0.5g(保存形態:バイアル+外箱、添加物:無水炭酸ナトリウム) Initial 外 観 帯黄白色の粉末 pH 6.2∼6.3 残存率(%) 100 12カ月 帯黄白色の粉末 6.2∼6.3 98.0 24カ月 帯黄白色の粉末 6.3∼6.4 98.0 36カ月 帯黄白色の粉末 6.2∼6.3 98.4 3) パンスポリン静注用 1g(保存形態:バイアル+外箱、添加物:無水炭酸ナトリウム、L−アルギニン酸) Initial 外 観 微帯黄白色の粉末 pH 6.5 残存率(%) 100 12カ月 微黄色の粉末 6.3 99.4 24カ月 微黄白色の粉末 6.2 95.8 36カ月 微黄白色の粉末 6.3 95.2 4) パンスポリン静注用 1gバッグS(保存形態:バッグ(ピロー包装)+外箱、添加物:L−アルギニン酸) Initial 12カ月 24カ月 36カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 pH 6.2 6.2 6.2 6.2 残存率(%) 100 99.4 97.5 96.5 (武田薬品・品質保証部) (2)温度安定性(保存条件:40℃、保存形態:バイアル+外箱、添加物:無水炭酸ナトリウム) 1)パンスポリン静注用 0.25g Initial 2カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 pH 6.41∼6.56 6.35∼6.55 残存率(%) 100 97.6 4カ月 帯黄白色の粉末 6.40∼6.57 96.6 6カ月 微黄色の粉末 6.31∼6.50 94.2 4カ月 帯黄白色の粉末 6.35∼6.49 95.9 6カ月 微黄色の粉末 6.20∼6.45 95.2 4カ月 帯黄白色の粉末 6.34∼6.43 96.3 6カ月 微黄色の粉末 6.26∼6.41 96.0 2)パンスポリン静注用 0.5g Initial 2カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 pH 6.44∼6.74 6.33∼6.45 残存率(%) 100 97.1 3)パンスポリン静注用 1g Initial 外 観 微帯黄白色の粉末 pH 6.50∼6.78 残存率(%) 100 2カ月 帯黄白色の粉末 6.20∼6.38 97.2 −9− (3)光安定性(保存条件:室内散乱光、保存形態:バイアル、添加物:無水炭酸ナトリウム) 1)パンスポリン静注用 0.25g Initial 3カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 6.41∼6.56 6.34∼6.64 pH 100 98.3 残存率(%) 2)パンスポリン静注用 0.5g Initial 3カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 6.44∼6.74 6.32∼6.51 pH 100 97.4 残存率(%) 3)パンスポリン静注用 1g Initial 3カ月 外 観 微帯黄白色の粉末 微帯黄白色の粉末 6.50∼6.78 6.29∼6.41 pH 100 98.2 残存率(%) (武田薬品・研究所) 5 . 溶解後の安定性 (1)パンスポリン静注用 0.25g(保存温度:25℃、室温24カ月経過品、添加物:無水炭酸ナトリウム) 注射用蒸留水 10mL 生理食塩液 20mL 5%ブドウ糖液 20mL 溶解液 pH 残存率(%) 外 観 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 外 観 時 間 外 観 100 無色澄明 6.53 100 無色澄明 6.52 100 直 後 微黄色澄明 6.54 95.6 95.3 96.1 黄色澄明 6.57 無色澄明 6.50 黄色澄明 6.45 4 黄色澄明 6.62 94.8 微黄色澄明 6.61 93.8 黄色澄明 6.62 93.3 8 (2)パンスポリン静注用 0.5g(保存温度:25℃、室温24カ月経過品、添加物:無水炭酸ナトリウム) 注射用蒸留水 20mL 生理食塩液 500mL 5%ブドウ糖液 500mL 溶解液 pH 残存率(%) 外 観 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 外 観 時 間 外 観 100 微黄色澄明 6.72 100 微黄色澄明 6.48 100 直 後 微黄色澄明 6.65 黄色澄明 6.57 98.4 微黄色澄明 6.45 94.3 微黄色澄明 6.50 97.5 4 黄色澄明 6.61 92.4 微黄色澄明 6.70 92.9 微黄色澄明 6.64 97.3 8 (3)パンスポリン静注用 1g(保存温度:25℃、添加物:無水炭酸ナトリウム、L−アルギニン) 溶解液 時 間 直 後 4 8 溶解液 時 間 直 後 4 8 注射用水 (20mL) 生理食塩液 (500mL) 生理食塩液 (100mL) pH 残存率(%) 外 観 pH 残存率(%) 外 観 pH 残存率(%) 外 観 微黄色澄明 6.5 100 無色澄明 6.5 100 無色澄明 6.4 100 微黄色澄明 6.5 95.4 無色澄明 6.4 96.6 微黄色澄明 6.4 95.2 淡黄色澄明 6.4 91.3 無色澄明 6.4 91.1 微黄色澄明 6.4 91.6 5%ブドウ糖注射液 (500mL) 5%ブドウ糖注射液 (100mL) pH 残存率(%) 外 観 pH 残存率(%) 外 観 100 無色澄明 6.6 100 無色澄明 6.5 96.7 微黄色澄明 6.4 95.8 無色澄明 6.5 91.2 微黄色澄明 6.5 92.9 無色澄明 6.4 − 10 − (4)パンスポリン静注用 1gバッグS・バッグG(保存温度:25℃、添加物:L−アルギニン) 時 間 外 観 直後 ほとんど無色澄明 4 微帯黄色澄明 8 微帯黄色澄明 直後 ほとんど無色澄明 4 微帯黄色澄明 8 微帯黄色澄明 製 剤 バッグ S バッグ G pH 6.2 6.1 6.0 6.2 6.2 6.1 対表示率(%) 102.6 95.9 90.9 104.0 96.5 91.8 (5)パンスポリン筋注用 0.25g(保存温度:25℃、室温24カ月経過品、添加物:無水炭酸ナトリウム) 時 間 直 後 4 8 外 観 微黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 pH 6.70 6.61 6.73 残存率(%) 100 95.7 93.0 (武田薬品・研究所) 注意:溶解度は速やかに使用すること。 なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも 8 時間以内に使用すること。 6 .他剤との配合変化(物理化学的変化) (1)pH変動試験 6.3 6.3 6.4 6.3 6.2 6.3 6.3 pH (A)10.0mL 2.4 (B)10.0mL 9.5 (A)10.0mL 2.4 (B)10.0mL 9.5 (A)10.0mL 4.0 (B)10.0mL 8.3 (A)10.0mL 1.7 (B)10.0mL 11.9 (A)10.0mL 1.7 (B)10.0mL 11.2 (A)10.0mL 4.7 (B)10.0mL 7.5 移動指数 セフォチアム塩酸塩 0.25g(力価)注射用水 10mL セフォチアム塩酸塩 0.5g(力価)/注射用水 20mL セフォチアム塩酸塩 1g(力価)/注射用水 20mL セフォチアム塩酸塩 1g(力価)/生理食塩液 100mL セフォチアム塩酸塩 1g(力価)/5%ブドウ糖 100mL セフォチアム塩酸塩 0.25g(力価)/添付溶解液 3mL pH 最 終 パンスポリン 静注用 0.25g パンスポリン 静注用 0.5g パンスポリン 静注用 1g パンスポリン 静注用 1gバッグS パンスポリン 静注用 1gバッグG パンスポリン 筋注用 0.25g 一 般 名 単位/容量 試 料 販 売 名 1/10mol/L HCl(A) 1/10mol/L NaOH(B) 3.9 3.2 3.9 3.2 2.4 2.0 4.5 5.7 4.6 4.9 1.6 1.2 変化所見 ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ 微黄色澄明→ 無色澄明 ̶ 微黄色澄明→ 無色澄明 ̶ ̶ ̶ (武田薬品・研究所) − 11 − (2)バイアル品での配合変化試験 パンスポリン静注用 1g(力価)の 1 バイアルを下記の方法で 1 容器の薬剤に添加し、配合 直後、配合後 4、8、24 時間の外観、pH、残存率を測定した。 配合方法 Ⅰ:パンスポリン 1g( 力価)を生理食塩液 100mL に溶解し、配合薬剤(粉末製剤は 生理食塩液 5mL に溶解)を加える。 Ⅱ:パンスポリン 1g(力価)を配合薬剤に溶解する。 Ⅲ:パンスポリン 1g( 力価)を注射用水 5mL に溶解し、配合薬剤(粉末製剤は生理 食塩液 5mL に加える。 Ⅳ:パンスポリン 1g(力価)を注射用水 10mL に溶解し、配合薬剤を加える。 ■試験結果(25±3℃、室内散乱光) 薬 剤 名 方法 観察項目 6.36 100 98.2 95.6 82.1 6.34 6.34 6.35 100 97.2 92.7 6.36 81.1 黄赤褐色澄明 6.28 6.26 6.26 6.30 100 97.0 94.2 81.1 6.23 6.22 6.22 100 96.5 93.3 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.27 6.28 6.26 100 97.1 96.8 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.27 82.0 黄色沈殿 6.23 90.8 黄色澄明 6.30 6.26 6.25 6.18 100 95.0 92.5 78.3 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.40 6.39 6.41 6.46 100 97.3 93.9 82.1 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.21 6.23 6.22 6.16 100 97.7 92.3 83.7 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) 6.22 6.24 6.24 6.23 100 95.3 91.4 82.3 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 Ⅱ アミノフリード 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 6.31 Ⅰ 5−FU 注 250 協和 250mg 5mL (協和発酵) pH 残存率(%) Ⅳ カコージン D 注 200 200mg 200mL (日本製薬 / 武田) 6.31 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅳ カタボン−Hi 600mg 200mL (日研化学) pH 残存率(%) Ⅰ アタラックス−P 注射液 50mg 1mL (マルコ / ファイザー) 24 時間 6.31 外 観 黄赤色澄明 黄赤色澄明 黄赤色澄明 残存率(%) Ⅰ タケスリン静注用 1g (武田) pH 残存率(%) Ⅲ 塩酸パパベリン注射液 40mg 1mL (大日本) 8 時間 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ 大塚塩カル注 400mg 20mL (大塚製薬工場 / 大塚) pH 残存率(%) Ⅰ ペルサンチン静注 10mg 2mL (日本ベーリンガーインゲルハイム) 4 時間 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色濁り 残存率(%) Ⅰ ビソルボン注 4mg 2mL (日本ベーリンガーインゲルハイム) Ⅰ 注射用エフオーワイ 100mg (小野) 配合直後 外 観 微微黄色澄明 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 7.79 7.77 7.75 7.73 100 98.6 96.8 87.3 6.66 6.59 6.58 6.57 100 96.1 93.9 84.4 − 12 − 薬 剤 名 配合直後 4 時間 8 時間 24 時間 外 観 橙色澄明 橙色澄明 橙色澄明 橙色澄明 pH 6.36 6.35 6.34 6.37 100 97.2 95.7 アドナ注射液(静脈用) 100mg 20mL (田辺) 98.3 91.9 85.6 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.40 6.39 6.36 100 95.1 93.0 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.32 83.4 黄色澄明 6.43 6.45 6.44 6.40 100 98.0 92.5 78.5 外 観 暗赤色澄明 暗赤色澄明 暗赤色澄明 暗赤色澄明 pH 5.93 6.02 6.04 100 96.5 91.9 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.13 81.2 黄色澄明 6.22 6.22 6.21 6.16 100 97.2 93.5 84.4 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 黄褐色澄明 pH 6.23 6.23 6.23 6.33 100 96.1 93.9 80.2 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 6.48 6.46 6.43 100 96.5 93.7 黄色澄明 6.33 80.0 黄色澄明 6.31 6.33 6.35 6.37 100 97.6 92.6 81.6 外 観 微黄色澄明 淡黄色濁り 淡黄色濁り・沈殿 淡黄色濁り・沈殿 pH 残存率(%) 6.32 6.32 6.33 6.33 100 95.1 92.5 80.7 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 7.01 7.00 7.02 7.00 100 97.1 95.2 84.4 4.94 4.94 4.93 4.95 100 99.8 95.8 81.2 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 残存率(%) 6.39 6.35 6.32 6.40 100 98.1 95.4 81.4 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 100 99.2 95.5 79.5 Ⅱ アミノレバン 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 100 Ⅱ アクチット注 500mL (日研化学) 6.53 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 Ⅱ 大塚糖液 5% 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 黄色澄明 6.53 Ⅱ KN 補液 2A 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 黄色澄明 6.54 Ⅰ メロペン点滴用 0.5g (住友) 黄色澄明 6.55 残存率(%) Ⅰ 塩酸バンコマイシン 点滴静注用 0.5g (イーライリリー / 塩野義) 黄色澄明 pH Ⅰ ネオフィリン M 注 300mg 2mL (エーザイ) 外 観 Ⅰ チェナム点滴用 0.5g (萬有) 82.4 残存率(%) Ⅲ アリナミン F50 注 50mg 20mL (武田) 6.35 92.7 残存率(%) Ⅲ ゲンタシン注 60 60mg 1.5mL (シェリング・プラウ) 6.39 97.3 残存率(%) Ⅲ 静注用ビタノイリン 1 バイアル (武田) 6.40 100 残存率(%) Ⅲ ビタシミン注射液 500mg 2mL (武田) 82.7 黄色澄明 6.40 pH 残存率(%) Ⅲ 強力ネオミノファーゲンシー 20mL (ミノファーゲン) 外 観 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅲ ソル・コーテフ 500 500mg 5mL (住友 / ファイザー) 残存率(%) Ⅲ ニコリン注射液 250mg 250mg 2mL (武田) Ⅲ 方法 観察項目 外 観 無色澄明 無色澄明 無色澄明 無色澄明 pH 6.01 5.98 5.96 5.99 100 94.9 93.8 79.3 5.62 pH 残存率(%) 残存率(%) − 13 − 5.61 5.60 5.62 薬 剤 名 方法 観察項目 5.72 5.70 5.72 100 94.3 92.0 76.7 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 6.51 6.48 6.45 100 96.8 92.9 81.2 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.10 6.06 6.04 6.12 100 97.7 95.3 77.9 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 5.51 5.49 5.46 5.49 100 96.7 94.1 79.5 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.27 6.24 6.23 6.31 100 95.3 93.3 78.2 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.71 6.68 6.65 6.75 100 98.7 93.6 80.7 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 5.92 5.91 5.91 5.94 100 97.0 95.8 77.4 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 5.38 5.37 5.36 5.34 100 94.6 91.7 83.0 5.85 5.84 5.85 5.83 100 98.2 94.2 80.3 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) 6.04 6.04 6.06 6.07 100 97.0 92.5 79.7 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) 5.98 5.98 5.99 5.99 100 98.8 93.2 81.7 6.02 5.99 5.98 5.97 100 92.8 89.3 75.0 外 観 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 外 観 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 Ⅱ ハイカリック液−1 号 700mL (テルモ) 5.73 Ⅱ トリパレン 2 号 600mL (大塚製薬工場 / 大塚) 86.0 Ⅱ トリパレン 1 号 600mL (大塚製薬工場 / 大塚) 91.5 Ⅱ 低分子デキストラン L 注 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 96.1 Ⅱ ソリタックス−H 500mL (清水 / 味の素ファルマ) 100 6.63 残存率(%) Ⅱ ソリタ−T4 号 500mL (清水 / 味の素ファルマ) 5.82 Ⅱ ソリタ−T3 号 500mL (清水 / 味の素ファルマ) 5.86 Ⅱ ソリタ−T2 号 500mL (清水 / 味の素ファルマ) 5.88 無色澄明 残存率(%) Ⅱ ソリタ−T1 号 500mL (清水 / 味の素ファルマ) 5.85 pH 残存率(%) Ⅱ サヴィオゾール 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 24 時間 外 観 残存率(%) Ⅱ KN 補液 4B 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) pH 残存率(%) Ⅱ KN 補液 MG3 号 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 8 時間 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ KN 補液 3B 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) pH 残存率(%) Ⅱ HF−ソリタ 1000mL (清水 / 味の素ファルマ) 4 時間 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ EL−3 号 500mL (清水 / 味の素ファルマ) Ⅱ 12%イスポール S 注射液 200mL (日本製薬 / 武田) 配合直後 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) pH 残存率(%) 4.69 4.70 4.69 4.67 100 98.3 94.2 81.6 4.71 4.70 4.69 4.68 100 98.4 93.5 83.2 4.52 4.52 4.53 4.51 100 98.0 92.7 83.5 − 14 − 薬 剤 名 方法 観察項目 (杏林) 95.6 81.9 4.08 4.08 4.08 4.07 100 96.5 95.5 85.5 6.14 6.16 6.14 6.12 100 97.1 92.2 84.6 6.15 6.15 6.14 6.13 100 96.4 93.8 85.5 外 観 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.38 6.37 6.40 6.41 100 96.2 92.7 80.4 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 5.16 5.14 5.12 5.10 100 98.9 93.1 80.2 外 観 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 4.63 4.63 4.63 4.63 100 91.6 84.8 71.1 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.33 6.32 6.35 6.36 100 96.7 92.1 80.4 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) 6.34 6.33 6.34 6.37 100 98.2 94.7 80.8 微微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 外 観 無色澄明 pH 6.24 6.20 6.17 6.18 100 95.7 92.8 79.6 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) pH 残存率(%) 5.27 5.25 5.25 5.22 100 96.0 92.6 80.9 外 観 微微黄色澄明 微微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 外 観 微微黄色澄明 微微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) pH 残存率(%) pH 残存率(%) Ⅱ ラクテック注 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 98.0 Ⅱ ラクテック G 注 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 100 Ⅱ マックアミン 500mL (日本製薬 / 武田) 4.49 Ⅱ マルトス−10 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 4.50 Ⅱ ポタコール R 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 4.50 Ⅱ ペリソリタ−Na130 1000mL (清水 / 味の素ファルマ) pH 残存率(%) Ⅱ ヘスパンダー 500mL 4.49 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ 5%フルクトン注 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) pH 残存率(%) Ⅱ プラスアミノ 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) 24 時間 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ フィジオゾール 3 号 500mL (大塚製薬工場 / 大塚) pH 残存率(%) Ⅱ ハルトマン液「コバヤシ」 500mL (小林製薬) 8 時間 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ プロテアミン 12X 注射液 200mL (田辺) pH 残存率(%) Ⅱ プロテアミン 12 注射液 200mL (田辺) 4 時間 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ ハイカリック液−3 号 700mL (テルモ) Ⅱ ハイカリック液−2 号 700mL (テルモ) 配合直後 6.38 6.35 6.34 6.37 100 93.7 91.1 80.9 6.69 6.67 6.68 6.65 100 94.3 92.1 83.6 6.37 6.35 6.34 6.39 100 94.9 92.2 80.2 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 残存率(%) 6.35 6.33 6.34 6.37 100 95.6 91.4 80.0 上記試験の配合注射剤の商品名、メーカー名は2005年2月時点のもの。 (武田薬品・研究所) − 15 − (3)バッグ S 及びバッグ G での配合変化試験 パンスポリン静注用 1g バッグ S 及びバッグ G の 1 容器を下記の方法で 1 容器の薬剤に添 加し、配合直後、配合後 4、8、24 時間の外観、pH、残存率を測定した。 配合方法 Ⅰ:本品 1 容器中の内容物を添付の溶解液に溶解し、これに配合薬剤を加えた。 Ⅱ:本品 1 容器中の内容物を添付の溶解液に溶解し、これに 20W/V %ブドウ糖注 射液 20mL に溶解した配合薬剤を加えた。 Ⅲ:本品 1 容器中の内容物を添付の溶解液に溶解し、これに本品添付の溶解液 20mL に溶解した配合薬剤を加えた。 Ⅳ:本品添付の溶解液から抜いた 5mL の液に配合薬剤を溶解し、これを本品 1 容器注 の内容物を添付の溶解液に溶解した液に加えた。 ■バッグSの試験結果(20∼25℃、約700 lx) Ⅰ 薬 剤 名 方法 観察項目 配合直後 アリナミン F50 注射液 外 観 無色澄明 50mg 20mL 6.15 pH (武田) 100 残存率(%) pH 5.94 5.82 5.77 5.62 100 93.5 85.4 75.5 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.39 6.38 6.37 6.32 100 95.9 92.4 77.9 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.28 6.15 6.10 5.90 100 94.6 90.0 75.7 外 観 黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 pH 6.46 6.36 6.23 5.89 100 94.4 87.9 70.9 外 観 微黄色半澄明 微黄色半澄明 微黄色半澄明 淡黄色半澄明 pH 6.42 6.32 6.21 5.96 100 93.2 88.3 74.1 外 観 黄色澄明 黄色澄明 黄だいだい色澄明 だいだい色澄明 pH 5.80 5.79 5.76 5.67 100 91.8 83.8 66.6 微赤色澄明 微赤色澄明 微赤色澄明 微だいだい色澄明 pH 5.65 5.62 5.62 5.58 100 92.8 88.1 70.4 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.47 6.38 6.32 6.10 残存率(%) 残存率(%) 残存率(%) 100 93.8 89.2 73.9 黄だいだい色澄明 黄だいだい色澄明 黄だいだい色澄明 6.20 6.11 5.86 外 観 黄だいだい色澄明 100 93.7 88.3 73.4 Ⅰ トランサミン注 10% 1g 10mL (第一) 74.9 淡黄色澄明 Ⅰ アドナ 0.5% 50mg 10mL (田辺) 90.7 Ⅳ 水溶性プレドニン 50mg (塩野義) 5.99 外 観 Ⅲ ビタメジン静注用 1 バイアル (三共) 黄色澄明 6.05 淡黄色澄明 残存率(%) Ⅱ 静注用ビタノイリン 1 バイアル (武田) 淡黄色澄明 6.07 94.5 残存率(%) Ⅰ ケイツー N 注 10mg 2mL (エーザイ) 微黄色澄明 微黄色澄明 残存率(%) Ⅰ フラビタン注射液 5mg 1mL (トーアエイヨー/アステラス) 24 時間 無色澄明 残存率(%) Ⅰ 500mg パントール注射液 500mg 2mL (トーアエイヨー/アステラス) 8 時間 外 観 残存率(%) Ⅰ ビタシミン 500mg 2mL (武田) Ⅰ メタボリン注射液 50mg 1mL (武田) 4 時間 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.50 6.39 6.35 6.16 100 93.8 90.2 73.8 pH 6.29 残存率(%) 残存率(%) − 16 − 薬 剤 名 外 観 無色澄明 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.39 6.26 6.20 5.94 100 96.2 90.7 75.3 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.43 6.35 6.30 6.07 100 94.9 90.7 78.1 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.39 6.31 6.25 6.05 100 96.7 92.7 79.5 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.37 6.28 6.19 6.00 残存率(%) 残存率(%) 残存率(%) 100 95.3 91.0 78.1 外 観 黄緑色澄明 黄緑色澄明 黄色澄明 黄色澄明 pH 6.26 6.14 6.04 5.87 100 93.6 89.8 75.8 残存率(%) Ⅰ ベルサンチン注射液 10mg 2mL (ベーリンガーインゲルハイム) 24 時間 Ⅰ ビソルボン注射液 4mg 2mL (ベーリンガーインゲルハイム) 8 時間 Ⅳ ミラクリッド注射液 5 万単位 1mL (持田) 4 時間 Ⅰ ザンタック注射液 50mg 2mL (グラクソ・スミスクライン/ 三共) 配合直後 Ⅰ カコージン注 100mg 5mL (日本製薬 / 武田) 方法 観察項目 残存率(%) ■バッグ G の試験結果(20∼25℃、約 700 lx) 薬 剤 名 5.95 100 95.1 89.7 74.4 外 観 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 5.84 5.74 5.70 5.53 100 94.3 90.0 75.3 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.38 6.39 6.41 6.32 残存率(%) 残存率(%) 100 96.6 92.9 78.1 外 観 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.22 6.12 6.04 5.86 100 94.6 88.6 74.4 外 観 黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 pH 6.35 6.22 6.14 5.88 100 94.6 89.6 73.5 外 観 微黄色半澄明 微黄色半澄明 淡黄色半澄明 淡黄色澄明 pH 6.30 6.22 6.15 5.93 残存率(%) 残存率(%) 残存率(%) 残存率(%) 100 95.5 90.6 77.3 外 観 黄色澄明 黄色澄明 黄色澄明 だいだい色澄明 pH 5.75 5.73 5.71 5.64 100 94.2 89.6 71.9 外 観 微赤色澄明 微赤色澄明 微赤色澄明 微だいだい色澄明 pH 5.57 5.54 5.53 5.59 100 93.8 89.3 74.0 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.34 6.26 6.21 6.10 Ⅰ アドナ注射液(静脈用) 50mg 10mL (田辺) 5.98 Ⅳ 水溶性プレドニン 50mg (塩野義) 5.99 外 観 黄だいだい色澄明 残存率(%) Ⅲ ビタメジン静注用 1 バイアル (三共) 6.08 Ⅱ 静注用ビタノイリン 1 バイアル (武田) pH Ⅰ ケイツー N 注 10mg 2mL (エーザイ) 黄色澄明 Ⅰ フラビタン注射液 5mg 1mL (トーアエイヨー/アステラス) 24 時間 淡黄色澄明 Ⅰ 500mg パントール注射液 500mg 2mL (トーアエイヨー/アステラス) 8 時間 淡黄色澄明 Ⅰ ビタシミン 500mg 2mL (武田) 4 時間 微黄色澄明 Ⅰ メタボリン注射液 50mg 1mL (武田) 配合直後 外 観 Ⅰ アリナミン F50 注射液 50mg 20mL (武田) 方法 観察項目 残存率(%) 残存率(%) pH 残存率(%) 100 95.5 89.6 77.9 黄だいだい色澄明 だいだい色澄明 だいだい色澄明 6.23 6.15 6.09 5.90 100 94.9 90.9 76.6 − 17 − 薬 剤 名 方法 観察項目 配合直後 4 時間 8 時間 24 時間 外 観 無色澄明 無色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.45 6.38 6.34 6.23 Ⅰ トランサミン S 注 1g 10mL (第一) 100 94.8 92.2 76.9 外 観 無色澄明 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 pH 6.32 6.19 6.12 5.98 100 95.4 90.9 77.5 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.37 6.25 6.19 6.00 残存率(%) Ⅰ カコージン注 100mg 5mL (日本製薬 / 武田) 残存率(%) Ⅰ ザンタック注射液 50mg 2mL (グラクソ・スミスクライン/ 三共) 100 94.5 91.1 77.9 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.27 6.17 6.09 5.92 残存率(%) Ⅳ ミラクリッド 5 万単位 1mL (持田) 100 94.1 90.0 76.5 外 観 無色澄明 微黄色澄明 微黄色澄明 淡黄色澄明 pH 6.22 6.09 6.01 5.81 100 94.1 89.8 73.9 外 観 黄緑色澄明 黄緑色澄明 黄色澄明 黄色澄明 pH 6.14 6.00 5.92 5.72 100 93.2 88.3 74.0 残存率(%) Ⅰ ビソルボン注射液 4mg 2mL (ベーリンガーインゲルハイム) 残存率(%) Ⅰ ベルサンチン注射液 10mg 2mL (ベーリンガーインゲルハイム) 残存率(%) 配合注射剤の商品名、メーカー名は2003年7月時点のもの。 (武田薬品・研究所) 7 .電解質の濃度 セフォチアム塩酸塩 1g(力価)あたり Na を 1.53mEq、Cl を 3.34mEq 含有する。 (武田薬品・研究所) 8 .混入する可能性のある夾雑物 下記の 3 種類の類縁物質が混入する可能性がある。 N HS N S H2N N N CH2CH2N(CH3)2 N S CH2CONH O テトラゾール体 N O O ラクトン体 CH3 N S H2N N CH2CONH O O H N S CH2OH N N H2N S COOH 脱テトラゾール体 O N CO2H S N H H CH3 N N N ・2HCl S (参考)セフォチアム塩酸塩の化学構造式 (武田薬品・研究所) − 18 − 9 .製剤中の有効成分の確認試験 日局「注射用セフォチアム塩酸塩」確認試験による。 10.製剤中の有効成分の定量法 日局「注射用セフォチアム塩酸塩」定量法による。 11.力 価 セフォチアム(C18H23N9O4S3)としての重量(力価)で示す。セフォチアム塩酸塩標準品の 1mg は 0.878mg(力価)に対応する。 − 19 − 12.容器の材質 ○静注用 0.25g、0.5g、1g、筋注用 0.25g 注射剤用ガラス容器、ゴム栓 ○静注用 1g バッグS、バッグG バッグ製剤の構造 アルミラミネートフィルム フィルム (ガスバリア性) 乾燥剤 抗生剤部分(上室) 仕切りフィルム 抗生剤 脱酸素剤 隔 壁 (弱シール部) ポリエチレン多層フィルム 溶解液部分(下室) 溶解液 13.そ の 他 該当しない − 20 − Ⅴ:治療に関する項目 1 .効能又は効果 〈適応菌種〉 セフォチアムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、シトロバクター 属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プ ロビデンシア・レットゲリ、インフルエンザ菌 〈適応症〉 敗血症 深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 骨髄炎、関節炎 扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃炎周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性 呼吸器病変の二次感染 膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症) 腹膜炎 胆嚢炎、胆管炎 バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎 化膿性髄膜炎 中耳炎、副鼻腔炎 2 .用法及び用量 2−1 用法・用量 ◇静注用 通常、成人にはセフォチアム塩酸塩として 1 日 0.5g 〜 2g(力価)を 2 〜 4 回に分け、また、 小児にはセフォチアム塩酸塩として 1 日 40 〜 80mg(力価)/kg を 3 〜 4 回に分けて静脈内 に注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減するが、成人の敗血症には 1 日 4g(力価) まで、小児の敗血症、化膿性髄膜炎等の重症・難治性感染症には 1 日 160mg(力価)/kg ま で増量することができる。静脈内注射に際しては、日局「注射用水」、日局「生理食塩液」 又は日局「ブドウ糖注射液」に溶解して用いる。また、成人の場合は本剤の 1 回用量 0.25 〜 2g(力価)を糖液、電解質液又はアミノ酸製剤等の補液に加えて、30 分〜 2 時間で点滴 静脈内注射を行うこともできる。なお、小児の場合は上記投与量を考慮し、補液に加えて、 30 分〜 1 時間で点滴静脈内注射を行うこともできる。また、バッグS及びバッグGはそ れぞれ添付の生理食塩液側又は 5 %ブドウ糖注射液側を手で圧し、隔壁を開通させ、それ ぞれセフォチアム塩酸塩を溶解した後、30 分〜 2 時間で点滴静脈内注射を行う。 − 21 − <注射液の調製法と調製時の注意> ◇バイアル品は緩衝剤として無水炭酸ナトリウムを含有し、溶解時に炭酸ガスを発生す るため減圧バイアルにしてある。溶解にあたっては静注用 0.25g、0.5g には約 3mL、 静注用 1g には約 5mL の溶解液をバイアル内に注入して溶解すること。 なお、静脈内注射に際しては静注用 0.25g は通常 10mL に、静注用 0.5g、1g は通常 20mL に希釈して投与する。点滴静脈内注射を行う場合、注射用水を用いると溶液が 等張とならないため用いないこと。溶解にあたっては、溶解方法説明書きをよく読む こと。 ◇バッグS及びバッグGにおける調製法 (1)溶解液部分を手で圧し、隔壁を開通させ、抗生剤部分と 溶解液部分を交互に押して抗生剤を完全に溶解する。 (2)溶解を確認する。 押す 隔壁 ◇本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時 に手の腫脹・瘙痒・発赤、全身の発疹・瘙痒、腹痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれ た場合には以後本剤との接触を避けること。 ◇筋注用 通常、成人にはセフォチアム塩酸塩として 1 日 0.5 〜 2g(力価)を 2 〜 4 回に分けて筋肉内 に注射する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。また、筋肉内注射に際しては、1 バイアルあたり添付のパンスポリン筋注用溶解液 3mL で溶解する。 <注射液の調製法と調製時の注意> ◇パンスポリン筋注用は緩衝剤として無水炭酸ナトリウムを含有し、溶解時に炭酸ガス を発生するため、減圧バイアルにしてある。溶解にあたっては、溶解方法説明書きを よく読むこと。 ◇本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時 に手の腫脹・瘙痒・発赤、全身の発疹・瘙痒、腹痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれ た場合には以後本剤との接触を避けること。 2 − 2 用法・用量に関連する使用上の注意 (1)高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に 投与すること。 (「薬物動態」の項参照) (2)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、 疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。 − 22 − 3 .臨床成績 3 − 1 臨床効果 (1)成人感染症 製造販売後の使用成績調査 14,121 例(静注用製剤)についての成績概要は下表のとお りである。 疾 患 別 臨 床 効 果(成人) 感 染 症 有効率 (有効以上) 例 数 % 340/562 60.5 19/20 95.0 慢性膿皮症 148/192 77.1 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 551/787 70.0 骨髄炎 161/204 78.9 関節炎 91/112 81.3 扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む) 131/139 94.2 急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染 1,024/1,289 79.4 肺炎 4,082/5,213 78.3 129/174 74.1 67/110 60.9 710/915 77.6 1,346/1,574 85.5 31/36 86.1 腹膜炎 770/966 79.7 胆嚢炎 785/918 85.5 胆管炎 490/672 72.9 6/6 − 子宮内感染 18/20 90.0 子宮付属器炎 21/25 84.0 子宮旁結合織炎 19/24 79.2 化膿性髄膜炎 56/79 70.9 中耳炎 37/44 84.1 副鼻腔炎 37/40 92.5 11,069/14,121 78.4 敗血症 深在性皮膚感染症 肺膿瘍 膿胸 膀胱炎 腎盂腎炎 前立腺炎(急性症、慢性症) バルトリン腺炎 計 − 23 − (2)小児感染症 製造販売後の使用成績調査 416 例についての成績概要は下表のとおりである。 疾 患 別 臨 床 効 果(小児) 感 染 症 有効率 (有効以上) 例 数 % 20/34 58.8 深在性皮膚感染症 1/1 − 慢性膿皮症 5/6 − 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 25/33 75.8 骨髄炎 14/18 77.8 関節炎 6/8 − 扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む) 17/17 100 急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染 19/23 82.6 105/125 84.0 肺膿瘍 2/2 − 膿胸 3/4 − 膀胱炎 4/4 − 腎盂腎炎 21/29 72.4 腹膜炎 80/90 88.9 胆管炎 4/4 − 子宮旁結合織炎 1/3 − 化膿性髄膜炎 6/8 − 中耳炎 4/5 − 副鼻腔炎 2/2 − 339/416 81.5 敗血症 肺炎 計 注:小児への投与は静注用のみに認められています。 3−2 臨床薬理試験:忍容性試験 健康成人男子 26 例を対象にセフォチアム塩酸塩 125、250、500mg 各単回、250mg 1 日 2 回(間隔 6 時間)を 2 日及び 5 日間筋注、500mg 単回点滴静注、500mg、1,000mg 各 2 回(間 隔 6 時間)静注、2,000mg 2 回(間隔 6 時間)点滴静注して、安全性を検討した。 その結果は下記のとおりであった 3)。 (1)自・他覚症状、血圧・心拍数・呼吸数・心電図等の理化学的検査、血液一般検査に特 記すべき変化はなかった。注射局所の疼痛は軽く、腫脹、硬結などを認めなかった。 (2)本剤投与に明らかに起因すると考えられた唯一の所見として、500mg 筋注後血清 − 24 − CK(CPK)値が正常範囲内ながら明らかに上昇し、注射部位筋肉の障害作用が示唆さ れた。したがって、500mg を同一部位に連続筋肉内投与することは避けることが望ま しいと判断された。 (3)2,000mg 2 回点滴静注例で投与開始 2 〜 4 時間後痕跡程度の蛋白尿が出現し尿沈渣に 硝子様円柱・白血球がごく軽度一過性に増加する傾向があった。またこのうち 3 例中 1 例は投与 2 週間後に ALT(GPT)が正常限界をこえて上昇した。これらの変化はセ フォチアム塩酸塩投与とただちに関連づけることはできないが、セフォチアム塩酸塩 に起因した可能性を完全には否定し得ないので、今後大量連続投与にあたっては、と くに腎・肝への影響に十分注意を払うことが必要と考えられた。 山本俊夫, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3): 172 3−3 探索的試験:用量反応探索試験 該当資料なし 3−4 検証的試験 ◇二重盲検比較対照試験 細菌性肺炎及び肺化膿症を対象とする Cefotiam(SCE − 963)の臨床評価− Cefazolin を 対照とする二重盲検比較試験 4) 松本慶蔵, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3): 399 術後感染症に対する Cefotiam(SCE − 963)と Cefazolin の比較試験 5) 白羽弥右衛門, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3): 472 Cefotiam(SCE − 963)の慢性複雑性尿路感染症に対する二重盲検法による Cefazolin との 比較成績 6) 石神襄次, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3): 629 3−5 治療的使用 (1)使用成績調査・特定使用成績調査・製造販売後臨床試験 V − 3 − 1 の項参照 (2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要 該当しない − 25 − Ⅵ:薬効薬理に関する項目 1 .薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 セフェム系抗生物質 2 .薬理作用 2−1 作用部位・作用機序 細菌の細胞壁の合成を阻害する。本剤がグラム陰性菌に対し強い抗菌力を示すのは細胞外 膜透過性に優れ、b − lactamase に比較的安定であり、かつペニシリン結合蛋白画分 1B 及 び 3 に対する親和性が高いため細胞壁 peptidoglycan 架橋形成阻害作用が強いことによると 考えられる 7)〜 10)。 2−2 薬効を裏付ける試験成績 (1)標準菌株に対する抗菌力 抗菌作用は殺菌的で、最小発育阻止濃度でも殺菌作用を示す 11)。 ■グラム陽性菌 12) 接種菌量 薬 剤 菌 種 Staphylococcus aureus 209−P JC 108cells/mL 106cells/mL CTM CEZ CET CTM CEZ CET 0.39 0.20 0.20 0.20 0.20 0.10 〃 Smith 0.78 0.39 0.20 0.39 0.20 0.20 〃 Terajima 0.78 0.78 0.78 0.39 0.39 0.20 〃 Neumann 0.78 0.78 0.78 0.39 0.39 0.20 〃 E−46 0.78 0.78 0.39 0.39 0.39 0.20 〃 No.80 (PCGr) 1.56 6.25 0.78 0.39 0.39 0.20 Staphylococcus epidermidis 0.78 0.78 0.78 0.78 0.78 0.39 Streptococcus pyogenes S−23 0.05 0.10 0.20 0.05 0.10 0.20 〃 Cook 0.10 0.20 0.20 0.10 0.20 0.20 Enterococcus faecalis >100 >100 50 >100 100 50 Streptococcus viridans >100 >100 100 >100 100 50 Streptococcus pneumoniae type Ⅰ 3.13 0.78 0.39 0.78 0.78 0.20 〃 type Ⅱ 0.20 0.20 0.20 0.20 0.10 0.10 〃 type Ⅲ 0.20 0.20 0.20 0.10 0.10 0.10 Corynebacterium diphtheriae 0.78 0.39 0.39 0.78 0.39 0.39 Bacillus subtilis ATCC6633 0.20 0.20 1.56 0.10 0.20 0.025 Bacillus anthracis 0.78 0.20 0.20 0.39 0.025 0.025 Clostridium tetani 1.56 0.20 0.39 1.56 0.20 0.39 Clostridium perfringens 3.13 1.56 3.13 3.13 1.56 3.13 (MIC:µg/mL) − 26 − ■グラム陰性菌12) 菌 種 接種菌量 薬剤 Neisseria gonorrhoeae Neisseria meningitidis Escherichia coli NIHJ JC−2 〃 〃 NIH No.29 Citrobacter freundii NIH 10018−68 Salmonella typhi T−287 〃 O−901 Salmonella paratyphi A 〃 B Salmonella enteritidis Shigella dysenteriae EW−7 Shigella flexneri 2a EW−10 Shigella boydii EW−28 Shigella sonnei EW−33 Klebsiella pneumoniae 〃 NCTC 9632 Enterobacter cloacae NCTC 9394 Enterbacter aerogenes 〃 NCTC 10006 Hafnia alvei NCTC 9540 Serratia marcescens IFO 3736 Proteus vulgaris OX−19 Proteus mirabilis 1287 Morganella morganii Kono Providencia rettgeri NIH 96 Providencia alcalifaciens NIH 118 Pseudomonas aeruginosa No.12 〃 E 2 CTM 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 50 0.20 0.10 0.20 0.10 0.20 0.10 0.10 0.20 0.10 0.20 0.39 >100 >100 >100 >100 >100 25 0.20 >100 0.025 >100 >100 >100 108cells/mL CET CEZ 0.78 0.39 0.78 0.78 25 1.56 12.5 3.13 3.13 1.56 >100 >100 0.78 1.56 0.78 1.56 0.78 12.5 0.78 6.25 3.13 3.13 12.5 0.78 12.5 1.56 25 6.25 6.25 6.25 3.13 3.13 6.25 3.13 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 3.13 12.5 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 CTM 0.10 0.10 0.05 0.05 0.05 0.20 0.05 0.025 0.025 0.025 0.10 0.05 0.05 0.05 0.05 0.10 0.10 0.39 0.78 1.56 3.13 1.56 3.13 0.10 6.25 0.025 0.05 >100 >100 106cells/mL CET CEZ 0.78 0.39 0.78 0.78 6.25 0.78 6.25 1.56 1.56 0.78 25 25 0.39 0.78 0.39 0.78 0.39 1.56 0.78 0.78 1.56 1.56 3.13 0.78 3.13 0.78 6.25 0.78 3.13 0.78 1.56 1.56 1.56 1.56 50 100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 >100 12.5 12.5 1.56 3.13 >100 >100 0.20 0.20 50 0.78 >100 >100 >100 >100 (MIC:µg/mL) ■嫌気性菌13) 菌 種 B.fragilis ss. fragilis 2540 〃 2582 〃 NH−1 B.fragilis ss. distasonis Ju−11−1 B.fragilis ss. vulgatus IM−7CM B.fragilis ss. thetaiotaomicron IMZ−9 B.fragilis ss. ovatus Ju−6−1 B.melaninogenicus ss. melaninogenicus GUI−1011 B.melaninogenicus ss. intermedius O−33 B.melaninogenicus ss. asaccharolyticus Gy−2 F.necrophorum S−45 〃 F.nucleatum F.varium ATCC 8501 CTM 100 25 100 3.13 25 100 100 0.19 50 0.19 0.19 3.13 0.39 12.5 CEZ 25 6.25 25 1.56 12.5 25 50 0.19 6.25 0.19 0.19 1.56 0.19 12.5 菌 種 F.varium M−39 F.gonidiaformans Tomo 176 E.lentum E13.1.4 E.limosum E531 P.acnes ATCC 11827 P.granulosum B.adolescentis ATCC 15705 C.perfringens Ps.anaerobius 3923−3 Ps.productus ATCC 27340 P.variabilis ATCC 14956 〃 NH−3 V.parvula NH−5 〃 KW2.2 CTM 3.13 12.5 100 100 0.19 1.56 1.56 0.78 12.5 25 50 1.56 0.39 0.39 CEZ 3.13 6.25 50 12.5 0.19 1.56 0.78 0.19 0.78 6.25 12.5 0.19 0.19 0.19 (接種菌量:106cells/mL、MIC:µg/mL) − 27 − (2)主な臨床分離菌に対する抗菌力の比較(MIC90) 1996 年〜 2001 年に順天堂大学・臨床検査部で分離された主な臨床分離菌に対す る CTM、CEZ、CMZ の抗菌力は下記のとおりであった 14)15)。 ■主な臨床分離菌に対する抗菌力(MIC90) (微量液体希釈法、接種菌量10 6CFU/mL) 菌 種 株数 黄色ブドウ球菌 (MSSA*1) 0.125 0.5 ≦0.063 0.25 薬剤濃度(MIC90) 1 2 4 8 16 µg/mL 32 64 219 CTM グラム陽性菌 化 膿 レ ン サ 球 菌 162 肺 炎 球 菌 161 (PSSP*2) 肺 炎 球 菌 128 (PISP*3) 肺 炎 球 菌 (PRSP*4) CEZ 31 インフルエンザ菌 349 グラム陰性菌 大 肺 菌 335 腸 炎 桿 CMZ 菌 235 プロテウス 147 ミラビリス *1:MPIPCのMIC≦2µg/mLの株 *2:PCGのMIC≦0.063µg/mLの株 *3:PCGのMIC0.125µg/mL≦ ≦1µg/mLの株 *4:PCGのMIC≧2µg/mLの株 注)MIC90が記載されていない菌種は、当該薬剤が有効菌種として承認されていない。 − 28 − CEZ 128 128< (3)主な臨床分離菌に対する抗菌力の推移 1)呼吸器感染症由来の臨床分離菌に対する抗菌力の推移 呼吸器感染症由来の臨床分離菌に対する抗菌力の推移は下記のとおりであった。 ■黄色ブドウ球菌(MPIPC の MIC < 4mg/mL の MSSA) 年 次 株 数 ≦0.125 0.25 1990年16) 50 − − 1991年17) 40 − − 1992年18) 39 − 1993年19) 40 − 1994年20) 34 − 1995年21) 35 − 1996年22) 32 − 1997年23) 45 − 1998年24) 34 2.9 2.9 1 1999年25) 33 − 2000年26) 36 − 2001年27) 39 − 2002年28) 34 − 2003年29) 38 − 2004年30) 40 2005年31) 38 2.5 2.5 1 2.6 2.6 1 2.6 2.6 1 − 2.9 2.9 1 − 3.1 3.1 1 − − 3.0 3.0 1 2.8 2.8 1 2.6 2.6 1 − 2.6 2.6 1 2.5 5.0 1 78.9 81.6 30 MIC(µg/mL) 0.5 78.0 78.0 39 52.5 52.5 21 66.7 69.2 26 85.0 85.0 34 79.4 82.4 27 80.0 80.0 28 53.1 56.3 17 46.7 46.7 21 85.3 88.2 29 97.0 100 32 69.4 72.2 25 84.6 87.2 33 14.7 14.7 5 28.9 31.6 11 75.0 80.0 30 10.5 92.1 4 1 16.0 94.0 8 47.5 100 19 30.8 100 12 12.5 97.5 5 17.6 100 6 17.1 97.1 6 43.8 100 14 53.3 100 24 11.8 100 4 2 4 8 − − − − − − 64 2.0 98.0 1 128 ≧256 2.0 100 − 1 16 2.0 96.0 1 32 − − − − − − − − − − − − − − 2.5 100 1 − − − − − − − − − − − − − − 2.9 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − 25.0 97.2 9 10.3 97.4 4 85.3 100 29 68.4 100 26 20.0 100 8 5.3 97.4 2 2.8 100 1 − − − − − − − − 2.6 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − 2.6 100 1 − − − − − − − 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 29 − − ■肺炎球菌 株 数 ≦0.125 0.25 85.6 5.9 1990年16) 118 85.6 91.5 101 7 71.4 10.7 1991年17) 112 71.4 82.1 80 12 76.9 9.1 1992年18) 121 76.9 86.0 93 11 61.2 10.2 1993年19) 98 61.2 71.4 60 10 58.4 17.8 1994年20) 101 58.4 76.2 59 18 56.1 11.0 1995年21) 82 56.1 67.1 46 9 60.2 8.6 1996年22) 93 60.2 68.8 56 8 49.4 19.8 1997年23) 81 49.4 69.1 40 16 66.0 7.0 1998年24) 100 66.0 73.0 66 7 52.5 9.9 1999年25) 101 52.5 62.4 53 10 41.1 21.9 2000年26) 73 41.1 63.0 30 16 33.3 6.9 2001年27) 72 33.3 40.3 24 5 41.7 12.6 2002年28) 103 41.7 54.4 43 13 2.5 38.3 2003年29) 81 2.5 40.7 2 31 47.5 10.0 2004年30) 80 47.5 57.5 38 8 45.2 13.1 2005年31) 84 45.2 58.3 38 11 年 次 0.5 2.5 94.1 3 1.8 83.9 2 4.1 90.1 5 3.1 74.5 3 3.0 79.2 3 6.1 73.2 5 5.4 74.2 5 7.4 76.5 6 9.0 82.0 9 5.0 67.3 5 − 6.9 47.2 5 4.9 59.2 5 11.1 51.9 9 12.5 70.0 10 10.7 69.0 9 1 − 3.6 87.5 4 0.8 90.9 1 3.1 77.6 3 4.0 83.2 4 12.2 85.4 10 8.6 82.8 8 3.7 80.2 3 14.0 96.0 14 9.9 77.2 10 6.8 69.9 5 9.7 56.9 7 10.7 69.9 11 8.6 60.5 7 13.8 83.8 11 9.5 78.6 8 MIC(µg/mL) 2 4 8 3.4 2.5 97.5 100 − 4 3 5.4 6.3 0.9 92.9 99.1 100 6 7 1 6.6 2.5 97.5 100 − 8 3 2.0 12.2 7.1 89.8 96.9 99.0 2 12 7 9.9 6.9 93.1 100 − 10 7 2.4 11.0 1.2 100 96.3 97.6 2 9 1 1.1 12.9 3.2 100 95.7 98.9 1 12 3 9.9 8.6 90.1 98.8 − 8 7 4.0 100 − − 4 9.9 12.9 100 − 90.1 10 13 2.7 16.4 11.0 100 86.3 97.3 2 8 12 5.6 16.7 20.8 100 73.6 94.4 4 15 12 20.4 9.7 100 − 90.3 10 21 16.0 11.1 11.1 76.5 87.7 98.8 9 9 13 1.3 3.8 11.3 100 95.0 98.8 1 3 9 1.2 8.3 11.9 100 90.5 98.8 1 7 10 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 30 − 16 32 64 128 ≧256 − − − − − − − − − − − − − − − 1.0 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − 1.2 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − 1.2 100 1 − − − − − − − − − − − − − − ■インフルエンザ菌 株 数 ≦0.125 0.25 1.6 0.8 1990年16) 124 1.6 2.4 2 1 1.8 1991年17) 111 − 1.8 2 0.8 4.9 1992年18) 122 0.8 5.7 1 6 1.6 4.9 1993年19) 122 1.6 6.6 2 6 2.2 2.2 1994年20) 92 2.2 4.3 2 2 1.0 1.9 1995年21) 104 1.0 2.9 1 2 4.8 1996年22) 84 − 4.8 4 7.1 1997年23) 85 7.1 − 6 年 次 1998年24) 96 1999年25) 104 − 2.9 2.9 3 2000年26) 99 − 2001年27) 85 − 2002年28) 95 − 2003年29) 84 − 2004年30) 78 − 2005年31) 77 − 3.8 6.7 4 1.0 1.0 1 11.8 11.8 10 13.7 13.7 13 0.5 31.5 33.9 39 42.3 44.1 47 45.9 51.6 56 35.2 41.8 43 30.4 34.8 28 17.3 20.2 18 31.0 35.7 26 42.4 49.4 36 6.3 6.3 6 31.7 38.5 33 29.3 30.3 29 23.5 35.3 20 8.4 22.1 8 − − − 1.3 1.3 1 3.9 3.9 3 17.9 19.2 14 14.3 18.2 11 1 42.7 76.6 53 34.2 78.4 38 27.0 78.7 33 41.0 82.8 50 34.8 69.6 32 43.3 63.5 45 28.6 64.3 24 24.7 74.1 21 39.6 45.8 38 24.0 62.5 25 18.2 48.5 18 15.3 50.6 13 22.1 44.2 21 6.0 6.0 5 16.7 35.9 13 23.4 41.6 18 MIC(µg/mL) 2 4 8 2.4 14.5 1.6 79.0 93.5 95.2 3 18 2 8.1 5.4 5.4 86.5 91.9 97.3 9 6 6 13.9 2.5 3.3 92.6 95.1 98.4 17 3 4 11.5 2.5 94.3 − 96.7 14 3 14.1 14.1 1.1 83.7 97.8 98.9 13 13 1 17.3 5.8 12.5 80.8 86.5 99.0 18 6 13 20.2 8.3 2.4 84.5 92.9 95.2 17 7 2 11.8 7.1 2.4 85.9 92.9 95.3 10 6 2 20.8 12.5 8.3 66.7 79.2 87.5 20 12 8 14.4 8.7 9.6 76.9 85.6 95.2 15 9 10 20.2 8.1 8.1 68.7 76.8 84.8 20 8 8 11.8 14.1 10.6 62.4 76.5 87.1 10 12 9 5.3 11.6 10.5 49.5 61.1 71.6 5 11 10 13.1 19.0 26.2 19.0 38.1 64.3 11 16 22 16.7 12.8 10.3 52.6 65.4 75.6 13 10 8 13.0 11.7 7.8 45.5 66.2 74.0 10 9 6 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 31 − 16 4.8 100 6 2.7 100 3 0.8 99.2 1 2.5 99.2 3 1.1 100 1 1.0 100 1 3.6 98.8 3 3.5 98.8 3 9.4 96.9 9 − 5.1 89.9 5 4.7 91.8 4 10.5 82.1 10 6.0 70.2 5 9.0 84.6 7 3.9 77.9 3 32 64 128 ≧256 − − − − − − − − − 0.8 100 1 − − − − − 0.8 100 1 − − − − − − − − − − − − − − 1.2 100 1 1.2 100 1 2.1 99.0 2 2.9 98.1 3 3.0 92.9 3 4.7 96.5 4 7.4 89.5 7 11.9 82.1 10 11.5 96.2 9 19.5 97.4 15 − − 6.1 99.0 6 1.2 97.6 1 10.5 100 10 3.6 85.7 3 2.6 98.7 2 2.6 100 2 1.0 100 1 1.9 100 2 1.0 100 1 2.4 100 2 − − − − − − 11.9 97.6 10 1.3 100 1 2.4 100 2 − − − ■肺炎桿菌 年 次 1990年16) 1991年17) 1992年18) 1993年19) 株 数 ≦0.125 0.25 79.2 4.2 79.2 83.3 24 19 1 65.0 25.0 65.0 90.0 20 13 5 46.4 42.9 46.4 89.3 28 13 12 36.0 20.0 36.0 56.0 25 9 5 1994年20) 14 1995年21) 25 1996年22) 21 1997年23) 17 1998年24) 26 1999年25) 18 2000年26) 25 2001年27) 32 2002年28) 36 2003年29) 36 2004年30) 15 2005年31) 20 0.5 4.2 87.5 1 5.0 95.0 1 10.7 100 3 20.0 76.0 5 1 4.2 91.7 1 16 32 64 128 ≧256 8.3 100 − 2 − − − − − − 5.0 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − 16.0 92.0 4 4.0 96.0 1 − − − − − − − − − 42.9 42.9 6 4.0 100 1 57.1 100 8 − − − − − − − − − 4.0 100 1 − 4.8 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − 11.5 88.5 3 5.6 94.4 1 4.0 88.0 1 3.1 87.5 1 3.8 92.3 1 − − − − − 3.8 96.2 1 3.8 100 1 − − − − 5.6 100 1 − − − − 4.0 92.0 1 − 4.0 96.0 1 − 4.0 100 1 − − 9.4 96.9 3 − − − 3.1 100 1 − − − − − − − 2.8 100 1 − − − − 2.8 100 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − 5.0 100 1 − − − − − − − − − − − − 68.0 68.0 17 57.1 57.1 12 82.4 82.4 14 15.4 15.4 4 83.3 83.3 15 40.0 40.0 10 81.3 81.3 26 52.8 52.8 19 52.8 52.8 19 80.0 80.0 12 75.0 80.0 16 20.0 88.0 5 14.3 71.4 3 11.8 94.1 2 61.5 76.9 16 5.6 88.9 1 44.0 84.0 11 4.0 92.0 1 9.5 81.0 2 5.9 100 1 4.0 96.0 1 14.3 95.2 3 36.1 88.9 13 38.9 91.7 14 20.0 100 3 15.0 95.0 3 MIC (µg/mL) 4 8 − − − 2 − − − 3.1 84.4 1 8.3 97.2 3 5.6 97.2 2 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 32 − 2)尿路感染症由来の臨床分離菌に対する抗菌力の推移 尿路感染症由来の臨床分離菌に対する抗菌力の推移は下記のとおりであった。 ■大腸菌 年 次 株 数 ≦0.125 0.25 1990年32) 320 1991年33) 262 1992年34) 219 1993年35) 177 1994年36) 183 1995年37) 195 1996年38) 227 1997年39) 188 40) 1998年 150 1999年41) 144 42) 2000年 MIC(µg/mL) 157 2001年43) 172 2002年44) 163 2003年45) 217 2004年46) 186 0.5 8 1 2 4 79.1 12.2 4.4 2.5 0.6 0.3 79.1 91.3 95.6 98.1 98.8 99.1 16 − − 253 39 14 8 2 1 73.3 14.5 7.6 2.3 0.4 0.8 0.8 73.3 87.8 95.4 97.7 98.1 98.9 99.6 192 38 20 6 1 2 2 79.5 12.8 2.3 1.8 1.4 79.5 92.2 94.5 96.3 97.7 174 28 5 4 3 72.3 14.1 2.3 72.3 86.4 88.7 128 25 4 − − 98.2 − − 1 13 3 3 148 17 3 4 5 74.4 12.8 5.6 2.6 2.6 1.0 0.5 0.5 74.4 87.2 92.8 95.4 97.9 99.0 99.5 100 145 25 11 5 5 2 1 1 69.6 20.3 4.0 1.8 2.2 0.4 0.4 69.6 89.9 93.8 95.6 97.8 98.2 98.7 1 1 158 46 9 4 5 77.7 10.1 4.8 3.2 1.6 77.7 87.8 92.6 95.7 97.3 146 19 9 6 3 71.3 14.7 7.3 2.7 0.7 0.7 71.3 86.0 93.3 96.0 96.7 97.3 107 22 11 4 1 1 124 11 2 5 2 75.2 12.1 5.1 3.8 1.9 75.2 87.3 92.4 96.2 98.1 118 19 8 6 3 80.2 9.3 6.4 0.6 1.7 80.2 89.5 95.9 96.5 98.3 138 16 11 1 3 77.9 10.4 1.2 4.3 4.3 77.9 88.3 89.6 93.9 98.2 127 17 2 7 7 75.6 13.8 4.6 0.9 0.9 75.6 89.4 94.0 94.9 95.9 0.5 98.4 2 1 − − − 99.5 − 99.5 − − − − 100 0.5 1 − − 0.4 0.9 − − 99.1 100 1 2 0.5 − 100 0.7 − 100 − − − − − − − − 1 − − − − 2.0 − − 0.6 0.6 99.4 100 1 1 1.2 99.4 0.6 − − − 100 2 − 1 1.2 − − − − 1 − 1 2 3 98.7 100 1.1 − 1 0.6 − − 4 99.3 − − − − 99.4 0.6 − 100 2 1.8 − 97.7 164 30 10 2 2 16.7 3.2 2.7 2.2 1.1 69.9 86.6 89.8 92.5 94.6 95.7 130 31 6 5 4 2 − 33 − 1.1 97.8 2.1 69.9 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 1 1.7 2.7 1.4 3 100 96.7 100 0.5 100 1.7 2.2 3.5 1.4 98.3 − 0.3 − 100 99.5 7.3 94.0 98.6 − 96.6 1.6 1.4 1 0.6 91.8 95.1 1 89.3 9.3 7.6 99.7 1 90.2 93.8 99.4 ≧256 1 80.9 86.1 0.3 − 80.9 86.1 0.3 0.4 0.5 − 128 64 32 − − 4 − 1 0.5 0.5 1.4 98.2 98.6 100 1 1 3 1.1 1.6 1.6 96.8 98.4 100 2 3 3 − − ■肺炎桿菌 年 次 株 数 ≦0.125 0.25 1990年32) 57 33) 1991年 31 1992年34) 34 1993年35) 38 1994年36) 31 1995年37) 53 1996年38) 45 1997年39) 44 1998年40) 31 1999年41) 38 42) 2000年 MIC(µg/mL) 32 2001年43) 37 2002年44) 46 2003年45) 47 2004年46) 41 2 4 10.5 5.3 3.5 1.8 3.5 73.7 84.2 89.5 93.0 94.7 98.2 42 6 3 2 1 2 51.6 25.8 3.2 6.5 51.6 77.4 80.6 87.1 16 8 1 2 70.6 23.5 70.6 94.1 24 8 47.4 26.3 7.9 47.4 73.7 81.6 0.5 2.9 − 97.1 18 10 3 54.8 19.4 6.5 54.8 74.2 80.6 17 6 2 71.7 17.0 5.7 71.7 88.7 94.3 38 9 3 71.1 17.8 8.9 71.1 88.9 97.8 100 − − 3.2 3.2 6.5 90.3 93.5 100 1 1 2 − − 100 93.5 − − − 5.3 5.3 86.8 92.1 2.6 5.3 − − − 94.7 100 2 2 − − − − − 1 2 3.2 3.2 96.8 100 1 1 4 1.9 − − − − 1 12.9 − − 1 2.9 − 96.2 1.9 − 98.1 1 1.9 − − − 100 1 1 2.2 − − − 32 8 4 61.4 22.7 6.8 2.3 61.4 84.1 90.9 93.2 27 10 3 1 71.0 22.6 3.2 71.0 93.5 96.8 22 7 1 84.2 15.8 84.2 100 32 6 56.3 34.4 3.1 56.3 90.6 93.8 18 11 1 78.4 13.5 5.4 78.4 91.9 97.3 29 5 2 78.3 13.0 6.5 78.3 91.3 97.8 − − − − − 1 − ≧256 1.8 − − − 128 64 32 16 8 1 73.7 − − − − − 100 1 2.3 − − 95.5 2.3 − 97.7 1 2.3 − − 100 1 1 3.2 − − − − − − − − − − − − − − − − − 100 100 1 − − − − − − − 3.1 − 96.9 3.1 − − − − 100 1 1 2.7 − − − − − 100 1 2.2 − − − 36 6 3 36.2 38.3 4.3 4.3 2.1 36.2 74.5 78.7 83.0 85.1 1 − − − 1 17 18 2 2 75.6 14.6 2.4 7.3 75.6 90.2 92.7 100 31 6 1 3 − 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 34 − 4.3 − − 89.4 2.1 − 91.5 2 − − − 8.5 − 100 1 − − 4 − − ■プロテウス・ミラビリス 年 次 株 数 ≦0.125 0.25 1990年32) 22 33) 1991年 11 1992年34) 13 1993年35) 16 1994年36) 20 1995年37) 18 1997年39) 19 1998年40) 17 41) 1999年 13 2000年42) 12 43) 2001年 MIC(µg/mL) 20 2002年44) 12 2003年45) 16 2004年46) 14 0.5 1 2 4 8 16 32 64 128 ≧256 − − − − − − − − − 63.6 31.8 4.5 63.6 95.5 100 14 7 1 27.3 54.5 9.1 27.3 81.8 90.9 3 6 1 46.2 38.5 7.7 7.7 46.2 84.6 92.3 100 6 5 1 1 31.3 68.8 31.3 100 5 11 35.0 55.0 10.0 35.0 90.0 100 7 11 2 16.7 61.1 16.7 16.7 77.8 94.4 3 11 3 57.9 36.8 57.9 94.7 − 9.1 − − − − − 100 − 1 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − 100 − − − − − − − − − − − − − 100 5.6 1 5.3 − − − 11 7 29.4 70.6 29.4 100 5 12 53.8 38.5 53.8 92.3 7 5 25.0 33.3 8.3 16.7 25.0 58.3 66.7 83.3 3 4 1 2 30.0 40.0 5.0 30.0 70.0 75.0 6 8 1 66.7 25.0 66.7 91.7 8 3 43.8 37.5 12.5 43.8 81.3 93.8 7 6 2 7.1 57.1 7.1 64.3 1 8 − − − 1 − − − − − − − − − − 7.7 − − − − − − − − − 100 1 16.7 − − − 100 − − 2 25.0 − − − − − − − − 100 5 8.3 − 100 − − − − − − − − − − − − 100 1 6.3 − − − 1 7.1 − − − 71.4 21.4 − 1 上段:構成比、中段:累積構成比、下段:菌株数 − 35 − 92.9 3 7.1 − − − − − 100 1 2 − 3 効力を裏付ける試験成績 (1)呼吸器感染症モデルでの検討(マウス) 肺炎桿菌を吸入させて作成した呼吸器感染症モデルマウスにおいて、CTM の治療効果は 47)。 下記のとおりであった 時間後に 1 回投与した場合の治療効果 ■感染 3 薬 剤 100 CTM 300 50%生残量 (mg/kg) 500 700 111 CEZ 800< ■感染 18 時間後から 1 日 2 回 7 日間(14 回)投与した場合の治療効果 観察項目 50%生存量 (SD50) 薬剤 CTM 100 300 700 900 68.8 CEZ 50%のマウス CTM の肺からの除菌 必要量(CD50) CEZ 50%有効量 (mg/kg) 500 394 96 904 ■感染 30 時間後から 1 日 2 回 7 日間(14 回)投与した場合の治療効果 観察項目 薬剤 50%生存量 (SD50) CTM 100 200 300 50%有効量 (mg/kg) 700 800 2400 2500 64.8 CEZ 724 50%のマウス CTM の肺からの除菌 必要量(CD50) CEZ 288 2504 注)試験菌株に対する両剤のMIC:CTM 1.56 µ g/mL、CEZ 3.13 µ g/mL [試験方法] 試験動物: 4 週齢雄マウス(体重 18 〜 20g) 感染方法:肺炎桿菌 DT − S 株、約 109CFU/mL の菌液を 1kg/cm2 の圧で 40 分間噴霧吸入 薬剤投与: CTM、CEZ ともに 0.85 %食塩水溶液として皮下投与 観察項目: 50 %のマウスの生存に必要な薬剤量(SD50、mg/kg)及び 50 %のマウスの肺から除菌 するのに必要な薬剤量(CD50、mg/kg) − 36 − (2)尿路感染症モデルでの検討(マウス) プロテウス・ミラビリスを経尿道的に膀胱内に注入して作成した尿路感染症モデルマウ スにおいて、治療効果は下記のとおりであった 48)。 ■尿路感染症モデルマウスでの治療効果 観察項目 薬剤 50%のマウスの 膀胱壁からの 除菌必要量 CTM 50%のマウスの 腎からの除菌 必要量 CTM 100 50%有効量 (mg/kg) 200 300 400 500 18.4 CEZ 319 43.6 CEZ 413 [試験方法] 試験動物: 5 週齢雄マウス(体重 19 〜 23g) 感染方法:麻酔下でプロテウス・ミラビリス IFO3849 株 103CFU/0.05mL の菌株を経尿道的に 膀胱内に注入し、6 時間外尿道口を結紮 薬剤投与:上記操作終了後 3 日目から、CTM あるいは CEZ を 1 日 2 回 5 日間皮下投与 観察項目: 50 %のマウスの膀胱壁及び腎から除菌するのに必要な薬剤量(mg/kg) − 37 − Ⅶ:薬物動態に関する項目 1 .血中濃度の推移・測定法 1−1 治療上有効な血中濃度 感染部位、起炎菌の種類及び起炎菌に対する感受性により決まる。 1−2 最高血中濃度到達時間 Ⅶ−1−3の項参照 1−3 通常用量での血中濃度 (1)腎機能正常人での検討 1)成人での検討 ①静注及び点滴静注時での検討 腎機能正常の成人に静注及び点滴静注したときの血中濃度の推移は下図のとおりで あった 49)。 ■静注及び点滴静注時の血中濃度の推移 (µg/mL) 血 中 濃 度 150 用法・用量 2 g 静注 125 1 g 静注 100 2 g 1時間点滴 2 g 2時間点滴 75 50 1 g 1時間点滴 1 g 2時間点滴 25 1g 2g 1g 1g 2g 2g 例数 t1/2 (h) AUC (µg・h/mL) 24 1.09±0.26 79.2±36.3 静注 2 1.58±0.65 237±254 静注 1時間点滴 147 1.42±1.42 100±64 3 1.29±0.13 76.5±12.8 2時間点滴 1時間点滴 43 1.25±0.29 169±89 2 1.38±0.12 197±86 2時間点滴 mean±SD 1 2 3 4 5 時 間(h) 6 7 8 ②筋注での検討 腎機能正常の成人に筋注したときの血中濃度の推移は下図のとおりであった 49)。 ■筋注時の血中濃度の推移 (µg/mL) 血 中 濃 度 25 用量 例数 20 0.25g 0.5g 9 8 15 t1/2 (h) Tmax (h) Cmax AUC (mg/mL) (µg・h/mL) 0.90±0.18 0.54±0.20 9.56±3.46 18.8± 6.4 1.01±0.31 0.50±0.22 17.0 ±5.5 34.5± 7.6 mean±SD 0.5 g 0.25 g 10 5 1 2 3 4 時 間(h) − 38 − 5 6 2)小児での検討 腎機能正常の小児に静注及び点滴静注したときの血中濃度の推移は下図のとおりで あった 49)。 ■静注及び点滴静注時の血中濃度の推移 (µg/mL) 150 用法・用量 血 中 濃 度 100 20mg/kg 40mg/kg 20mg/kg 40mg/kg 40mg/kg 静注 20mg/kg 静注 50 静注 静注 1時間点滴 1時間点滴 AUC (µg・h/mL) 例数 t1/2 (h) 4 3 7 4 1.23±0.11 1.14±0.16 1.08±0.21 1.07±0.05 31.9±5.1 126±19 42.4±13.9 156±87 mean±SD 40mg/kg 1時間点滴 20mg/kg 1時間点滴 0 1 2 3 4 5 6 時 間(h) (2)腎障害患者での検討 1)静注での検討 種々の程度の腎障害患者にパンスポリン 1g を 5 分間で静注したとき、t1/2 は腎障害の程 度に応じて延長し、AUC は増加した 50)。 ■腎機能障害の程度と血中濃度 (µg/mL) 100 血 中 濃 度 第3群 26.2µg/mL 10 第2群 3.43µg/mL 1.0 第1群 0.34µg/mL // /1 1 1 1 6 3 2 2 3 4 5 6 時 間(h) − 39 − AUC Ccr(mL/min/1.73m2) t1/2 (h) (µg・h/mL) (範囲) 群別 例数 Ⅰ 5 98.4±19.8 0.916 (75.3∼121.0)±0.090 77.6 ±24.0 Ⅱ 5 46.8±16.3 2.03 (23.8∼66.6) ±1.62 175 ±119 Ⅲ 8 7.09* ±3.06 534* ±204 5.8±6.5 (0∼18.6) mean±SD、*:p<0.01(vs.Ⅰ及びⅡ群、分散分析) 2)筋注での検討 種々の程度の腎障害患者にパンスポリン 500mg を筋注したとき、t1/2 は腎障害の程度に 応じて延長し、AUC は増加した 51)。 ■腎機能障害の程度と血中濃度 (µg/mL) 50 20 Ⅲ群 血 中 濃 度 10 5 Ⅱ群 2 Ccr (mL/min) (範囲) AUC t1/2 (h) (µg・h/mL) 群別 例数 Ⅰ 3 104.8±2.8 1.00 (100.7∼110.1) ±0.18 31.8 ±3.1 Ⅱ 4 59.8±7.8 1.39 (45.6∼74.4) ±0.08 63.7 ±9.4 Ⅲ 4 14.5±5.3 4.96 (6.5∼29.9) ±0.54 274.0 ±44.6 mean±SE 1 Ⅰ群 1 2 3 4 5 6 時 間(h) 1−4 中毒症状を発現する血中濃度 該当資料なし 2 .薬物速度論的パラメータ 2−1 吸収速度定数 腎機能正常の成人にパンスポリン 250mg(n=9)、500mg(n=8)を筋注したとき、吸収速度定 数はそれぞれ 4.87 ± 3.09、6.51 ± 5.22h − 1(mean ± SD)であった 49)。 2−2 バイオアベイラビリティ 該当資料なし 2−3 消失速度定数 ○腎機能正常の成人にパンスポリン 250mg(n=9)、500mg(n=8)を筋注したとき、消失速度 定数はそれぞれ 0.80 ± 0.17、0.73 ± 0.09h − 1(mean ± SD)であった 49)。 ○腎機能障害の程度に応じて、Ⅰ群(Ccr : 98.4 ± 19.8mL/min/1.73m 2 、n=5)、Ⅱ群 (Ccr : 46.8 ± 16.3mL/min/1.73m2、n=5) 及びⅢ群 (Ccr : 5.8 ± 6.5mL/min/1.73m2、n=8) に患者を分け、パンスポリン 1g を 5 分間で静注したとき、消失速度定数はそれぞれ 2.08 ± 0.40、1.38 ± 0.97、0.269 ± 0.108h − 1(mean ± SD)であった 50)。 − 40 − 2−4 クリアランス ○腎機能正常の成人にパンスポリン 1g を静注 (n=24)、1 時間で点滴静注 (n=147) したとき、 クリアランスはそれぞれ 257 ± 121、214 ± 110mL/min(mean ± SD)であった 49)。 ○腎機能正常の小児にパンスポリン 20mg/kg を静注(n=4)、1 時間で点滴静注(n=7)したと き、クリアランスはそれぞれ 10.7 ± 1.6、8.86 ± 3.86mL/min/kg (mean ± SD) であった 49)。 ○腎機能障害の程度に応じて、Ⅰ群(Ccr : 98.4 ± 19.8mL/min/1.73m2、n=5)、Ⅱ群 (Ccr : 46.8 ± 16.3mL/min/1.73m2、n=5) 及びⅢ群(Ccr : 5.8 ± 6.5mL/min/1.73m2、n=8) に患者を分け、パンスポリン 1g を 5 分間で静注したとき、クリアランスはそれぞれ 257 ± 82、142 ± 74、39.9 ± 14.6mL/min(mean ± SD)であった 50)。 2−5 分布容積 ○腎機能正常の成人にパンスポリン 1g を静注 (n=24)、1 時間で点滴静注 (n=147) したとき、 分布容積は 23.7 ± 11.4、25.4 ± 14.9L(mean ± SD)であった 49)。 ○腎機能正常の小児にパンスポリン 20mg/kg を静注(n=4)、1 時間で点滴静注(n=7)した とき、分布容積はそれぞれ 1.15 ± 0.27、0.81 ± 0.31L/kg(mean ± SD)であった 49)。 2−6 血漿蛋白結合率 (参考) 〔in vitro〕 ヒト血清にセフォチアム塩酸塩 20mg/mL 添加し、平衡透析法で測定した血清蛋白結合 率は 8 %であった 52)。 3 .吸 収 該当資料なし 4 .分 布 4−1 血液−脳関門通過性 Ⅶ− 4 − 4 の項参照 4−2 胎児への移行性 妊婦にパンスポリン 500mg を静注及び筋注して母体血清、臍帯血、羊水中濃度を測定した 結果は下表のとおりであった 53)。 ■静注時の母体血清、臍帯血、羊水中の濃度 (µg/mL) 投与後の時間 (分) 20 24. 3 30 13. 6 19.7 9.3 5.0 9.7 <0.2 0.4 母体血清 臍 帯 血 羊 水 40 14.9 14.9 13.6 7.7 12.0 8.0 0.5 60 10.0 90 6.5 100 3.1 120 2.5 2.5 300 0.5 9.2 3.8 2.4 4.6 4.9 1.7 3.0 2. 8 0.7 0.8 12例の個別の成績を記載した。 − 41 − ■筋注時の母体血清、臍帯血、羊水中の濃度 10 17.1 6.5 3.2 0.2 <0.2 母体血清 臍 帯 血 羊 水 30 14.8 20.4 3.7 4.3 1.6 <0.2 (µg/mL) 投与後の時間 (分) 110 90 100 6.8 3.2 6.8 60 7.7 70 6.3 2.6 4.3 3.8 0.3 4.7 1.5 2.7 130 3.5 2.2 2.7 0.7 1.0 150 5.4 0.7 3.7 1.4 6.7 180 0.4 0.9 5.1 13例の個別の成績を記載した。 4−3 乳汁中への移行性 産褥婦 4 例にパンスポリン 500mg を筋注して、乳汁中への移行を検討したが、投与後 2、4、 6 時間後の濃度は 0 〜痕跡程度の移行が認められた 54)。 4−4 髄液への移行性 (1)化膿性髄膜炎患者での検討 化膿性髄膜炎患者における髄液への移行性は下記のとおりであった。 1)成人 ○ 1g 静脈内注射 55) (µg/mL) ○ 1g 30 分点滴静脈内注射 56) 血中濃度 髄液中濃度 50 (µg/ml) 30 20 10 血中濃度 髄液中濃度 100 38.7 血中濃度 20 髄液中濃度 血中濃度 40 (µg/mL) 10 2.5 1 10 1 2 3 0.1 4 1 2 時 間(h) 3 時 間(h) 〔患者:64歳, 女, 55kg, 細胞数 208/3〕 〔患者:26歳, 男〕 2)小児 ○ 62.5mg/kg 静脈内注射 57) 1日目 2日目 3日目 4 投与量 (mg/kg) 投与後の時間 (分) 髄液中濃度 (µg/mL) 血清中濃度 (µg/mL) 62.5 165 10.0 38.0 62.5 120 6.40 − 62.5 30 5.25 106. 6 62.5 60 1.13 33.0 62.5 120 2.12 − 62.5 180 4.43 − − 42 − 5 6 (2)非髄膜炎患者での検討 脳神経外科で炎症の無い手術患者にパンスポリン 2g を静脈内投与して、脳室内及び腰 椎脊椎管内に留置したカテーテルより髄液を採取できた患者 7 例の髄液中濃度は下記 のとおりであった 58)。 ○脳室内髄液中の濃度の推移(4 例) ○腰椎腔内髄液中の濃度の推移(3 例) (µg/mL) 0.7 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.6 0.5 T.K. S.G. Y.K. N.T. 0.4 N.K. 0.3 K.S. 0.2 Y.Y. 0.1 前 30分 4−5 0.84 (µg/mL) 1 2 3 前 30分 6時間 1 2 3 6時間 その他の組織への移行性 1)喀痰中への移行 呼吸器感染症 7 例における各種の投与量・投与法での喀痰中濃度は下記のとおりで あった 59)。 投与量 投与方法 喀痰中ピーク濃度 (µg/mL) 0.25g 筋 注 0.81 0.5g 筋 注 1.15 1g 2 時間点滴静注 0.61 1g 2 時間点滴静注 0.86 1g 2 時間点滴静注 0.46 1g 2 時間点滴静注 0.55 2g 2 時間点滴静注 1.69* *:Concentration in intrabronchiolar secretion − 43 − 2)その他組織への移行性 投与量・投与方法 血 液 1 g 静注 成 人 小 児 骨 髄 血 髄 液 胸 部 肺 例数 組織・体液 3) 1 g 1時間点滴 6 20mg/kg 1時間点滴 61) 3 62) 1 g 1時間点滴 5 1 g 1時間点滴 63) 8 64) 細気管支分泌液 1 g 1時間点滴 4 1 g 1時間点滴 66) 6 腹 部 胆 汁 胆のう壁 腹 水 泌尿器 尿* 腎 2 g 30分点滴 1 g 静注 64) 2 67) 8 16 32 68) 3 1 g 1時間点滴 69) 21 1 g 1時間点滴 70) 7 2 g 1時間点滴 71) 10 1 g 1時間点滴 13 72) 4 30分∼4時間値 30分∼2時間値 115.8 65.3 69.6 4.9 50分∼2時間30分値 36.9 30分∼2時間30分値 76.1 6.7 1∼2時間値 1∼8時間値 8.3 30分∼3時間30分値 32.5 1∼4時間値 227 1∼4時間値 30分∼4時間値 27.1 309.7 20.3 1∼4時間値 1∼5時間値 40.7 0∼2時間尿 4∼6時間尿 5085 352 2∼3時間値 104.5 婦人性器 1 g 1時間点滴 73) 20 150分値 子宮膣部 1 g 1時間点滴 74) 26 30分∼4時間値 子宮底部筋層 1 g 1時間点滴 74) 22 30分∼4時間値 6.7 27.0 23.3 卵 巣 1 g 1時間点滴 74) 23 30分∼4時間値 13.2 卵 管 1 g 1時間点滴 74) 17 30分∼4時間値 骨盤死膣滲出液 1 g 1時間点滴 74) 9 30分∼8時間値 1 g 30分点滴 62) 6 桃 1 g 30分点滴 75) 53 副 鼻 腔 1 g 30分点滴 75) 17 鼻 茸 1 g 30分点滴 75) 13 中耳粘膜 1 g 静注 76) 5 30分∼2時間値 耳 漏 1 g 静注 76) 8 1∼4時間値 13.7 6.5 15分∼2時間30分値 6.7 6.8 耳鼻咽喉 10.8 26.4 25.8 4.3 *武田薬品集計:Chemotherapy 1979, 27(S−3)CEFOTIAM論文特集号を集計した。 注)表内の数字はピーク値を示す。 は時間内における維持濃度を示す。 − 44 − µg/mL µg/g 128 41.4 1∼2時間値 前立腺 骨 64 5分∼2時間値 6 1 g 1時間点滴 0.5 g 静注 4 10 65) 胸 水 2 8 56) 2 g 30分点滴 1 3 60) 1 g 30分点滴 薬 剤 濃 度 0.13 0.25 0.5 5 .代 謝 5−1 代謝部位及び代謝経路 健康成人にパンスポリン 500mg 筋注して、尿中代謝物を Proteus mirabilis ATCC21100 を 試験菌とする TLC − bioautography で検討した結果、セフォチアム塩酸塩のみのスポット であり、活性代謝物は検出されなかった 77)。 5−2 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 該当資料なし 5−3 初回通過効果の有無及びその割合 該当しない 5−4 代謝物の活性の有無及び比率 活性代謝物は検出されなかった。 (Ⅶ−5−1の項参照) 5−5 活性代謝物の速度論的パラメータ 該当しない 6 .排 泄 6−1 排泄部位 主に腎を介して排泄される。 (Ⅶ−6−2の項参照) 6−2 排 泄 率 1)腎機能正常例での尿中排泄率 腎機能正常例での投与 0 〜 6 時間の尿中排泄率は成人で 55.9 〜 76.9 %、小児では 45.7 〜 71.1 %であり、投与量、投与方法による差異は認められなかった。 ■成人の尿中排泄率 投与方法 筋 注 静 注 点滴静注 投与量 例数 0∼2h 2∼4h 4∼6h 0∼6h 0.25g 7 38.5% 16.5% 5.8% 61.0% 0.5g 6 39.6% 13.0% 3.3% 55.9% 0.25g 9 62.9% 3.4% 1.3% 67.5% 0.5g 10 69.4% 6.0% 1.5% 76.9% 1g 4 56.6% 5.2% 1.7% 62.5% 0.5g (1h) 3 53.0% 8.8% − 61.8%(0∼4h) 0.5g (2h) 2 52.4% 12.4% 2.0% 66.8% 1g (1h) 13 57.5% 9.0% 6.3% 72.8% 1g (2h) 8 47.7% 15.0% 5.2% 67.9% 2g (1h) 5 55.5% 9.8% 1.9% 67.2% 武田薬品集計:Chemotherapy 1979, 27(S−3) CEFOTIAM論文特集号より集計した。 − 45 − ■小児の尿中排泄率 投与方法 投与量 例数 0∼2h 2∼4h 4∼6h 0∼6h 10mg/kg57) 3 44.0% 4.0% 2.6% 50.6% 20mg/kg57) 2 56.3% 8.3% 1.6% 66.2% 40mg/kg78) 3 39.4% 5.3% 1.0% 45.7% 57) 10mg/kg (1h) 3 65.2% 5.1% 0.8% 71.1% 78) 40mg/kg (1h) 4 42.9% 5.1% 0.7% 48.7% 静 注 点滴静注 2)腎障害患者での尿中排泄率 腎障害患者にパンスポリン 1g を静注したとき、尿中排泄率は高度腎障害者では低下した 50)。 ■腎障害患者での尿中排泄率 Ccr (mL/min/1.73m2) 例数 6−3 0∼6h 0∼24h 60< 4 69.9% 79.7% 20<∼<60 3 65.1% 72.8% <20 3 22.1% 29.3% 排泄速度 Ⅶ−6−2の項参照 7 .透析等による除去率 7−1 腹膜透析 持続的腹膜透析法施行中の慢性腎不全患者 3 例(年齢: 23 〜 38 歳、BUN : 62.3 ± 20.9mg/dL、クレアチニン値; 9.4 ± 2.3mg/dL、総蛋白: 5.6 ± 0.6g/dL)を対象に、パン スポリン 1g を静注したときの、血清中濃度及び透析液中濃度の推移は下表のとおりであ る 79)。 ■血清中及び透析液中のセフォチアム濃度の推移 5分 血清中濃度 (mg/L) 15分 30分 60分 120分 240分 360分 103.1±10.5 82.9±21.6 68.4±9.8 58.0±10.6 42.1±6.9 36.7±13.0 25.9±9.6 透析液中濃度 (mg/L) 0.5±0.4 1.9±1.1 2.6±1.2 mean±SD − 46 − 5.7±2.2 8.3±2.8 12.3±3.7 12.4±4.9 7−2 血液透析 維持透析中の患者 6 例(年齢: 28 〜 73 歳)を対象に、透析日と非透析日に、パンスポリン 1g を静注したときのパラメータは下表のとおりであり、セフォチアムは血液透析により 除去される 50)。 ■透析日及び非透析日の薬物動態パラメータ パラメータ 透析日 非透析日 t−test α (h ) 2.36±1.04 0.987±0.447 p<0.05 β (h−1) 0.342±0.148 0.103±0.045 p<0.01 t1/2α (h) 0.342±0.149 0.857±0.417 N.S. t1/2β (h) 2.74±2.15 8.02±4.04 p<0.01 V(L/kg) c 0.149±0.049 0.144±0.030 N.S. Varea (L/kg) 0.289±0.083 0.352±0.235 N.S. Kel (h−1) 0.701±0.378 0.225±0.089 p<0.05 AUC (µg・h/mL) 247±104 717±340 p<0.01 CLs (mL/min) 78.9±35.3 27.0±10.1 p<0.01 −1 mean±SD 7−3 直接血液灌流 該当資料なし − 47 − Ⅷ:安全性(使用上の注意等)に関する項目 1 .警告内容とその理由 該当しない 2 .禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) 2−1 禁忌内容とその理由 全製剤共通 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者 5 %ブドウ糖注射液添付のバッグ G の場合 低張性脱水症の患者[電解質を含まない糖液を投与すると脱水が増悪することがある。] 筋注用の場合 (1)低出生体重児、新生児、乳児、小児 (2)メピバカイン塩酸塩又はアニリド系局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある患者 2−2 原則禁忌内容とその理由 本剤の成分又は他のセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 3 .効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 該当しない 4 .用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 (1)高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投 与すること。(「薬物動態」の項参照) (2)本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、 疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。 − 48 − 5 .慎重投与内容とその理由 全製剤共通 (1)ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやす い体質を有する患者 (3)高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。](「薬物動態」の項 参照) (4)高齢者(「高齢者への投与」の項参照) (5)経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠 乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。] 5 %ブドウ糖注射液添付のバッグ G の場合 (1)カリウム欠乏傾向のある患者[ブドウ糖がカリウムと共に細胞内に取り込まれ、 カリウム欠乏傾向を助長することがある。] (2)糖尿病の患者[静脈内へのブドウ糖の投与により血糖値が急速に上昇する可能性が ある。] (3)尿崩症の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。] (4)腎不全の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。] 生理食塩液添付のバッグ S の場合 (1)心臓、循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷により障害が悪化すること がある。] (2)腎障害のある患者[ナトリウムの貯留を助長することがある。] 6 .重要な基本的注意とその理由及び処置方法 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次 の処置をとること。 (1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー 歴は必ず確認すること。 (2)投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 (3)投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。 特に、投与開始直後は注意深く観察すること。 − 49 − 7 .相互作用 7−1 併用禁忌とその理由 該当しない 7−2 併用注意とその理由 薬剤名等 利尿剤 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 他のセフェム系抗生物質で併用による腎 機序は不明であるが、利尿 フロセミド 等 障害増強作用が報告されているので、併 時の脱水による血中濃度の 用する場合には腎機能に注意すること。 上昇等が考えられている。 [理由] Dodds ら80)はフロセミドあるいはエタクリン酸が CER の腎毒性を増強させるとの動物 試験の論文を発表している。この論文では、マウスに利尿剤を単独使用した群では腎障 害を起こさず、CER500mg/kg 単独投与群でも 16 %に近位尿細管の壊死を認めたに過ぎ ないのに、フロセミドあるいはエタクリン酸との併用群では 40 %以上に尿細管壊死が みられ、また、CER を 800mg/kg に増量するとこの傾向は一層増強され、利尿剤併用群 では 70 〜 100 %に近位尿細管壊死を認めたとしている。一方、ラットでは CER +フロ セミド併用群で各単独投与群より尿中蛋白排泄の増加、血中尿素窒素、血清クレアチニ ン値の上昇等が認められ、組織学的にも CER +フロセミド併用群では全例に近位尿細 管壊死像が認められたが、エタクリン酸との併用群では腎毒性増強作用はみられず、そ の理由は明らかでなかったとしている。 また、Lawson ら81)は腎障害惹起ラットに CER、CET、CL、KM をそれぞれフロセミド と併用した後、腎臓を組織学的に検索した結果、併用群において腎障害の増強が認めら れたことから、抗菌剤と利尿剤併用時の腎障害増強因子として、先行腎障害の存在を重 視した論文を発表している。これらの作用メカニズムについては必ずしも明らかでない が、その原因として、フロセミドによる水分吸収低下のため尿細管上皮細胞中の薬剤濃 度が高まり、その重合が起こり、これがアレルゲンとなる可能性、さらにフロセミド使 用時の利尿・脱水による血中濃度の上昇等があげられている。 本剤の場合、ラットにセフォチアム 300mg/kg/日を筋肉内に、フロセミド 50mg/kg/日 を経口で 4 日間投与して併用毒性について検討した結果、併用による増悪あるいは新た な毒性の出現は認められなかった*。しかし、セフェム系抗生物質にフロセミドを併用 投与したところ腎障害が増悪したという報告はセフェム系抗生物質一般にみられること より、パンスポリンについてもフロセミドとの併用については、注意が必要である。 * :武田薬品・研究所 − 50 − 8 .副 作 用 8 − 1 副作用の概要 承認時までの調査では、2,132 例(静注、点滴静注、筋注を含む)中 123 例(5.8 %)に、製 造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では 32,284 例(静注、点滴静注、筋注を含む) 中 1,369 例(4.2 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。 以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。 (1)重大な副作用 1)ショック、アナフィラキシー(0.1 %未満)を起こすことがあるので、観察を十分 に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血 管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適 切な処置を行うこと。 2)急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1 %未満)があらわれることがあるので、定期的 に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うこと。 3)汎血球減少(0.1 %未満)、無顆粒球症(0.1 %未満)、顆粒球減少(0.1 〜 5 %未満)、 溶血性貧血(0.1 %未満)、血小板減少(0.1 〜 5 %未満)があらわれることがある ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切 な処置を行うこと。 4)偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎 (0.1 %未満) があらわれることがある。 腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置 を行うこと。 5)発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE 症候群(0.1 %未満)等があらわれることがあるので、このような症状があらわれ た場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う こと。 6)皮膚粘膜眼症候群(Stevens − Johnson 症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群) (0.1 %未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 7)痙攣(頻度不明)等の中枢神経症状があらわれることがある。特に、腎不全患者に あらわれやすい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照) 8)AST(GOT) 、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸(0.1 % 未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合 には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 0.1%未満 0.1∼5%未満 1) 過敏症注) 発疹、蕁麻疹、紅斑、瘙痒、発熱 リンパ腺腫脹、関節痛 2) 血 液 貧血、好酸球増多 3) 肝 臓 AST(GOT)、ALT(GPT)、AL−Pの上昇 LDH、γ−GTPの上昇 4) 消化器 悪心、下痢 嘔吐、食欲不振、腹痛 5) 菌交代症 口内炎、カンジダ症 6) ビタミン 欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血 症、出血傾向等) 、 ビタミンB群欠乏症状 (舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) めまい、頭痛、 怠感、しびれ感 倦 卷 7) その他 注)このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。 − 51 − 8−2 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧 承認時までの調査では、2,132 例(静注、点滴静注、筋注を含む)中 123 例(5.8 %)に、製 造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では 32,284 例(静注、点滴静注、筋注を含む) 中 1,369 例(4.2 %)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。 なお、重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、急性腎不全等の重篤な腎障害、 汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、溶血性貧血、血小板減少、偽膜性大腸炎等の血便 を伴う重篤な大腸炎、間質性肺炎、PIE 症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens − Johnson 症 候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群)、痙攣、肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれるこ とが上記の調査あるいは自発報告等で認められている。 ■副作用の発現状況 調査施設数 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 (%) 承認時までの調査 176 2,132 123 195 5.8 製造販売後の調査 6,978 32,284 1,369 2,673 4.2 合 計 7,154 34,416 1,492 2,868 4.3 ■副作用の種類別発現頻度 副作用の発現件数 (%) 副作用の種類 承認時ま 製造販売 合 計 での調査 後の調査 副作用の発現件数 (%) 副作用の種類 [皮膚・皮膚付属器官障害] 25(1.17) 242(0.75)267(0.78)[消化管系障害] 承認時ま 製造販売 合 計 での調査 後の調査 16(0.75) 130(0.40)146(0.42) 発 疹 22(1.03) 188(0.58)210(0.61) 嘔 気 瘙 痒 1(0.05) 58(0.18) 59(0.17) 下 痢 5(0.23) 34(0.11) 39(0.11) 蕁麻疹 2(0.09) 30(0.09) 32(0.09) 食欲不振 1(0.05) 27(0.08) 28(0.08) 9(0.42) 55(0.17) 64(0.19) 紅斑性皮疹 0 9(0.03) 9(0.03) 嘔 吐 2(0.09) 17(0.05) 19(0.06) 斑点状丘疹性皮疹 0 7(0.02) 7(0.02) 腹 痛 4(0.18) 10(0.03) 14(0.04) 湿 疹 0 2(0.01) 2(0.01) 口内炎 0 5(0.02) 5(0.01) 乾癬状皮疹 0 1(0.003) 1(0.003) 舌 炎 0 2(0.01) 2(0.01) 急性蕁麻疹 0 1(0.003) 1(0.003) 軟 便 0 2(0.01) 2(0.01) 滲出性紅斑 0 1(0.003) 1(0.003) 偽膜性大腸炎 0 1(0.003) 1(0.003) 水疱疹 0 1(0.003) 1(0.003) 口内乾燥 0 1(0.003) 1(0.003) [中枢・末梢神経系障害] 1(0.05) 18(0.06) 19(0.06) 消化不良 1(0.003) 1(0.05) 0 頭 痛 0 7(0.02) 7(0.02) 便 秘 0 1(0.003) 1(0.003) 知覚減退 0 6(0.02) 6(0.02) 鼓腸放屁 0 1(0.003) 1(0.003) めまい 1(0.05) (血便) 5(0.02) 6(0.02) メレナ 0 1(0.003) 1(0.003) 痙攣 0 1(0.003) 1(0.003) 心窩部痛 0 1(0.003) 1(0.003) [自律神経系障害] 0 5(0.02) 5(0.01) 胃腸障害 0 1(0.003) 1(0.003) 0 5(0.02) 5(0.01)[肝臓・胆管系障害] 60(2.81) 777(2.41)837(2.43) [聴覚・前庭障害] 0 1(0.003) 1(0.003) 血清ALT(GPT)上昇 52(2.44) 695(2.15)747(2.17) 発汗亢進 耳 鳴 [精神障害] 0 1(0.003) 1(0.003) 血清AST(GOT)上昇 50(2.35) 682(2.11)732(2.13) 0 3(0.01) 3(0.01) AL−P上昇 7(0.33) 215(0.67)222(0.65) 0 0 1(0.003) 1(0.003) γ−GTP上昇 不 安 0 1(0.003) 1(0.003) LDH上昇 1(0.05) 22(0.07) 23(0.07) 苦 悶 0 1(0.003) 1(0.003) 総ビリルビン上昇 0 傾 眠 − 52 − 27(0.08) 27(0.08) 18(0.06) 18(0.05) 副作用の発現件数 (%) 副作用の種類 承認時ま 製造販売 合 計 での調査 後の調査 副作用の発現件数 (%) 副作用の種類 LAP上昇 0 黄 疸 0 2(0.01) 2(0.01) リンパ球増加 ZTT上昇 [代謝・栄養障害] 高尿酸血症 [心・血管障害] 低血圧 [心拍数・心リズム障害] 心悸亢進 頻 脈 [血管(心臓外)障害] 18(0.06) 18(0.05) 単球増加 承認時ま 製造販売 合 計 での調査 後の調査 0 1(0.003) 1(0.003) 0 1(0.003) 1(0.003) 0 1(0.003) 1(0.003)[血小板・出血凝血障害] 5(0.23) 16(0.05) 21(0.06) 0 1(0.003) 1(0.003) 血小板減少 1(0.05) 16(0.05) 17(0.05) 0 1(0.003) 1(0.003) 血小板増多 4(0.19) 0 0 3(0.01) 3(0.01) 出 血 0 4(0.01) 1(0.003) 1(0.003) 0 3(0.01) 3(0.01)[泌尿器系障害] 2(0.09) 59(0.18) 61(0.18) 0 2(0.01) 2(0.01) BUN上昇 2(0.09) 56(0.17) 58(0.17) 0 1(0.003) 1(0.003) 血清クレアチニン上昇 0 0 1(0.003) 1(0.003) 乏 尿 0 6(0.02) 6(0.02) 1(0.05) 25(0.08) 26(0.08) 頻 尿 0 1(0.003) 1(0.003) 44(0.14) 44(0.13) 潮 紅 1(0.05) 13(0.04) 14(0.04) 蛋白尿 0 1(0.003) 1(0.003) 血管痛 0 9(0.03) 9(0.03) 無 尿 0 1(0.003) 1(0.003) 1(0.003) 1(0.003) 紫 斑 0 2(0.01) 2(0.01) 血 尿 0 静脈炎 0 1(0.003) 1(0.003)[一般的全身障害] 4(0.19) 79(0.24) 83(0.24) [呼吸器系障害] 呼吸困難 1(0.05) 7(0.02) 8(0.02) 発 熱 2(0.09) 35(0.11) 37(0.11) 倦 卷 1(0.05) 3(0.01) 4(0.01) 怠感 0 14(0.04) 14(0.04) 呼吸障害 0 2(0.01) 2(0.01) 胸 痛 1(0.05) 9(0.03) 10(0.03) 気管支痙攣 0 1(0.003) 1(0.003) ほてり 0 9(0.03) 9(0.03) チアノーゼ 0 1(0.003) 1(0.003) 皮内反応陽性化 0 5(0.02) 5(0.01) [赤血球系障害] 赤血球減少 2(0.09) 43(0.13) 45(0.13) 悪 寒 3(0.14) 0 2(0.09) 39(0.12) 41(0.12) 顔面浮腫 0 ヘモグロビン減少 1(0.05) 35(0.11) 36(0.10) 浮 腫 ヘマトクリット値減少 0 クームス直接試験陽性 0 32(0.10) 32(0.09) アナフィラキシー・ショック 2(0.01) 2(0.01) 疼 痛 [白血球・網内系障害] 17(0.80) 134(0.42)151(0.44) 末梢性浮腫 好酸球増多 14(0.66) 76(0.24) 90(0.26)[抵抗機能障害] 白血球減少 5(0.23) 45(0.14) 50(0.15) モニリア症 好中球減少 0 7(0.02) 7(0.02) 腟モニリア症 3(0.01) 3(0.01) 3(0.01) 0 3(0.01) 3(0.01) 0 2(0.01) 2(0.01) 0 1(0.003) 1(0.003) 0 1(0.003) 1(0.003) 0 15(0.05) 15(0.04) 0 9(0.03) 9(0.03) 0 3(0.01) 3(0.01) 顆粒球減少 0 6(0.02) 6(0.02) 菌交代現象 0 2(0.01) 2(0.01) 無顆粒球症 0 2(0.01) 2(0.01) 生殖器モニリア症 0 1(0.003) 1(0.003) 承認時までの調査集計:1980年10月 製造販売後の使用成績調査集計:1986年12月 − 53 − 8−3 基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度 製造販売後の使用成績調査における背景別副作用出現率は下表のとおりである。 症例数 (1) 男 (2) 女 (1) 1歳以下 (2) 2∼6歳 (3) 7∼15歳 (4) 16∼29歳 (5) 30∼49歳 (6) 50∼64歳 (7) 65∼74歳 (8) 75歳以上 (1) 敗血症 (2) 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 (3) 慢性膿皮症 (4) 深在性皮膚感染症 (5) 骨髄炎 (6) 関節炎 (7) 扁桃炎 (8) 急性気管支炎 (9) 慢性呼吸器病変の二次感染 (10)肺 炎 (11)肺膿瘍 (12)膿 胸 (13)胆管炎 (14)胆のう炎 (15)腹膜炎 (16)腎盂腎炎 (17)膀胱炎 (18)前立腺炎 (19)化膿性髄膜炎 (20)子宮内感染 (21)子宮旁結合織炎 (22)子宮付属器炎 (23)バルトリン腺炎 (24)中耳炎 (25)副鼻腔炎 (26)その他 (1) 無 (2) 有 (1) 白血病 (2) 悪性腫瘍 (3) 消化器疾患 (4) 心・循環器疾患 (5) 呼吸器疾患 (6) 血液疾患 (7) 腎疾患 (8) 肝・胆道系疾患 (9) 中枢神経疾患 (10)脳血管障害 (11)糖尿病 (12)その他 (1) 無 (2) 有 その (1) 無 他 (2) 有 (1) 無 * (2) 有 (1) 手 術 (2) 全身麻酔 (3) 局所麻酔 (4) 輸 血 性 年 齢 投 与 目 的 有無 内 訳 合 併 症 有無 過敏症 有無 内 訳 併用処置 18,259 14,025 293 412 725 3,169 7,251 8,279 7,003 5,152 838 944 271 31 313 169 266 1,977 219 8,232 253 157 851 1,377 1,266 2,311 1,171 51 132 25 116 36 8 58 51 11,161 7,284 25,000 701 4,019 2,113 3,608 4,264 1,036 2,961 3,542 628 2,632 1,737 8,165 31,536 748 31,946 338 20,365 11,919 11,464 5,019 2,506 2,473 副作用発現 症例数 835 534 11 7 32 141 339 370 279 190 49 48 7 4 20 7 9 75 16 415 23 10 24 38 55 80 45 2 5 3 3 2 1 3 4 421 317 1,052 39 168 88 181 217 47 117 128 25 124 62 331 1,285 84 1,342 27 916 453 432 195 95 115 副作用発現 件 数 1,674 999 20 9 52 288 657 740 516 391 103 112 13 8 37 8 18 133 19 788 38 25 51 79 110 164 84 4 9 5 5 3 2 5 9 841 590 2,083 76 340 179 354 409 106 229 278 48 266 114 675 2,513 160 2,629 44 1,732 941 903 432 176 236 副作用発現 症例率(%) 4.57 3.81 3.75 1.70 4.41 4.45 4.68 4.47 3.98 3.69 5.85 5.08 2.58 12.90 6.39 4.14 3.38 3.79 7.31 5.04 9.09 6.37 2.82 2.76 4.34 3.46 3.84 3.92 3.79 12.00 2.59 5.56 12.50 5.17 7.34 3.77 4.35 4.21 5.56 4.18 4.16 5.02 5.09 4.54 3.95 3.61 3.98 4.71 3.57 4.05 4.07 11.23 4.20 7.90 4.50 3.80 3.77 3.89 3.79 4.65 *:手術、全身麻酔、局所麻酔及び輸血を施した症例を併用処置有の症例として集計した。 − 54 − 8−4 薬物アレルギーに対する注意及び試験法 ○禁忌 全製剤共通 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者 筋注用の場合 メピバカイン塩酸塩又はアニリド系局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある患者 ○原則禁忌 本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 ○慎重投与 (1)ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしや すい体質を有する患者 ○重要な基本的注意 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、 次の処置をとること。 (1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレル ギー歴は必ず確認すること。 (2)投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 (3)投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。 特に、投与開始直後は注意深く観察すること。 ○重大な副作用 ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、 口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁 麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ○その他の副作用 発疹、蕁麻疹、紅斑、瘙痒、発熱、リンパ腺腫脹、関節痛等があらわれた場合には投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 ○注射液の調製時の注意 本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時 に手の腫脹・瘙痒・発赤、全身の発疹・瘙痒、腹痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれ た場合には以後本剤との接触を避けること。 9 .高齢者への投与 次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に 投与すること。 (1)高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。 (2)高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。 10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断 される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。] − 55 − 11.小児等への投与 静注用の場合 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。 筋注用の場合 低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性は確立していないので投 与しないこと。 12.臨床検査結果に及ぼす影響 (1)テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる 尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。 (2)直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。 [理由] (1)ベネディクト試薬、フェーリング試薬及びクリニテストは、硫酸銅(CuSO4)の還元 による変色反応を利用した検査である。セファロスポリン系薬剤は、開裂してイオ ウを遊離し、CuS(黒色)や Cu2S(灰黒色〜青色)を生じて試験結果の評価を困難に するとされているので注意が必要である 82)。 (2)セフェム系薬剤は、赤血球膜に付着することにより、あるいは赤血球膜を変化させ 非特異的に血清蛋白を吸着するために直接クームス試験陽性を呈することがあると 考えられており注意が必要である*。 * :林康之:薬と検査成績 1988, p171 中外医学社 13.過量投与 該当しない 14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) 静注用の場合 (1)投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用すること。 (2)投与方法:静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎を起こすことが あるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法 等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。 (3)溶 解 後:溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする 場合でも 8 時間以内に使用すること。この場合、バイアル品では微黄 色の溶液の色調が時間の経過とともに濃くなることがある。また、バ ッグ S 及びバッグ G ではわずかに微黄色の溶液の色調が時間の経過と ともに濃くなることがある。 (4)バッグ S 及びバッグ G は、分割投与しないこと。 (5)小児に点滴静脈内注射を行う際には、十分な血中濃度を得るために、30 分〜 1 時 間で投与を行うこと。 − 56 − 筋注用の場合 (1)投与経路:静脈内注射が困難な場合にのみ使用すること。 (2)筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、 下記の点に注意すること。 ①筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ、必要最少限に行うこと。な お、同一部位へ反復注射は行わないこと。 ②神経走行部位を避けるよう注意すること。 ③注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、 直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。 (3)調 製 法:本剤は 1 バイアルあたり添付の筋注用溶解液 3mL に溶解し、筋肉内注 射にのみ使用すること。 (4)溶 解 後:溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする 場合でも 8 時間以内に使用すること。この場合、微黄色の溶液の色 調が時間の経過とともに濃くなることがある。 15.その他の注意 本剤の投与に際しては、定期的に肝機能、腎機能、血液等の検査を行うことが望ましい。 16.そ の 他 該当しない − 57 − Ⅸ:非臨床試験に関する項目 1 .一般薬理 セフォチアムの一般薬理作用についてマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ 及びサルを用いて、一般症状、中枢神経、自律神経、呼吸、循環、腎機能、平滑筋に及ぼ す影響を検討した。 セフォチアムは CEZ と同様大量投与時に中枢興奮作用(ネコにおける脳波状の棘波と痙攣 波の出現)、また、イヌに種特異的なヒスタミンの遊離を介する血圧低下作用を示したが、 これ以外では特記すべき一般薬理作用を示さなかった 83)。 2 .毒 性 2 − 1 単回投与毒性試験 LD50(g/kg、セフォチアムとして) マウス 動物種 ラット ♂ ♀ ♂ ♀ 静 注 3.84 3.84 3.68 3.75 皮 下 8.65 7.80 >10.0 >10.0 投与経路 (武田薬品・研究所) 2−2 反復投与毒性試験 0.1、0.3、1、3g/kg/日を 1 カ月筋注、0.03、0.1、1g/kg/日を 6 カ月筋注、イヌに 0.1、0.3、 1g/kg/日を 1 カ月静注及び筋注、0.03、0.1、0.3/kg/日を 6 カ月静注、サルに 0.1、0.3、 1g/kg/日を 1 カ月静注及び筋注(投与量はいずれもセフォチアムとして)した試験において 本剤に起因すると思われる主な所見は以下のとおりである 84)。 (1)腎臓への影響 サル 1g/kg/日投与群において近位尿細管上皮の壊死並びに尿細管腔内の細胞性ある いは硝子様円柱の増加が認められた以外、特記すべき異常所見は認められていない。 なお、ラットに 1g/kg/日 1 カ月筋注及びサルに 1g/kg/日 1 カ月筋注した試験において セファロチン(CET)1g/kg/日を対照として比較検討した結果、本剤の腎臓への影響 は CET とほぼ同程度であることが認められている。 (2)肝臓への影響 サル 1g/kg/日、ラット 3g/kg/日投与群において肝細胞の脂肪化、AST(GOT)、ALT (GPT)等の上昇が認められた以外、特記すべき異常所見は認められていない。 (3)その他 各動物の高用量筋注群で投与局所の刺激作用とそれに伴う貧血が、また、イヌに特異 的な皮膚の潮紅及び腫脹が認められた以外、特記すべき異常所見は認められていない。 − 58 − 2−3 生殖発生毒性試験 ラット及びウサギの器官形成期にそれぞれセフォチアムとして 0.03、0.1、0.3g/kg/日、 及び 0.01、0.03、0.09g/kg/日を筋注した試験ではウサギの 0.09g/kg/日投与群で母動物の 体重抑制及び死亡が観察された以外、催奇形作用を含め胎児所見等に異常は認められてい ない。また、妊娠前及び妊娠・哺育期投与試験(ラット)、周産期及び授乳期投与試験 (ラット)では特記すべき異常所見は認められていない。 (武田薬品・研究所) 2−4 その他の特殊毒性 該当資料なし − 59 − Ⅹ:取扱い上の注意等に関する項目 1 .有効期間又は使用期限 使用期限 静注用 0.25g、0.5g、1g、筋注用 0.25g : 3 年 静注用 1g バッグ S、バッグ G : 2 年 6 カ月 (外箱に表示の使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。) 2 .貯法・保存条件 室温保存 3 .薬剤取扱い上の注意点 注意−医師等の処方箋により使用すること。 静注用バッグ S 及びバッグ G の場合 (1)製品の品質を保持するため、本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。 (2)次の場合には使用しないこと。 1)外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。 2)隔壁の開通前に抗生物質が溶解しているとき。 3)抗生物質が変色しているときや溶解液が着色しているとき。 (3)容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。 筋注用の場合 (1)パンスポリン筋注用溶解液は、局所麻酔剤の日本薬局方メピバカイン塩酸塩注射液 で、劇薬かつ処方箋医薬品である。 (2)溶解液のアンプルは「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、ヤスリを 用いず、アンプル枝部のマーク(青)の反対方向に折り取ること。 4 .承認条件 該当しない − 60 − 5 .包 装 静注用 0.25g(力価): 10 バイアル 静注用 0.5g(力価): 10 バイアル 静注用 1g(力価): 10 バイアル 静注用 1g(力価)バッグS(溶解液:生理食塩液): 10 キット 静注用 1g(力価)バッグG(溶解液: 5%ブドウ糖注射液): 10 キット 筋注用 0.25g(力価): 10 バイアル 6 .同一成分・同効薬 同一成分薬:ケミスポリン、セピドナリン、セファピコール、セフォチアロン、パセトクー ル、ハロスポア、ホンパスチン 同 効 薬:セフェム系注射用抗生剤 7 .国際誕生年月日 1980 年 10 月 31 日 8 .製造販売承認年月日及び承認番号 販 売 名 製造販売承認年月日 承認番号 パンスポリン静注用 0.25g 1980年10月25日 55EM1289 パンスポリン静注用 0.5g 1980年10月25日 55EM1290 パンスポリン静注用 1g 1980年10月25日 55EM1291 パンスポリン静注用 1g バッグS 1996年10月 9 日 8AM10151 パンスポリン静注用 1g バッグG 1996年10月 9 日 8AM10150 パンスポリン筋注用 0.25g 1980年10月25日 55EM1292 9 .薬価基準収載年月日 パンスポリン静注用 0.25g、0.5g、1g、筋注用 0.25g : 1980 年 12 月 25 日 パンスポリン静注用 1g バッグS、バッグG : 1996 年 12 月 13 日 10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 (1)1982 年 10 月 28 日に化膿性髄膜炎、産婦人科領域感染症の効能・効果及び小児の用法・ 用量が追加された。 (2)1984 年 6 月 5 日に耳鼻咽喉科領域感染症の効能・効果が追加された。 − 61 − 11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 再審査結果通知: 1987 年 9 月 14 日 内容:薬事法 14 条第 2 項各号のいずれにも該当しない。 再評価結果通知: 2004 年 9 月 30 日 内容:製造(販売)承認事項の一部を変更すれば薬事法 14 条第 2 項各号のいずれにも該当し ない。 ◇効能・効果(全製剤共通) 承認内容 再評価結果 <適応菌種> セフォチアムに感性の ブドウ球菌属 レンサ球菌属 肺炎球菌 大腸菌 シトロバクター属 クレブシエラ属 エンテロバクター属 プロテウス属 モルガネラ・モルガニー プロビデンシア・レットゲリ インフルエンザ菌 <適応症> 敗血症 深在性皮膚感染症 セフォチアムに感性の ブドウ球菌属 連鎖球菌属(腸球菌を除く) 肺炎球菌 大腸菌 シトロバクター属 クレブシエラ属 エンテロバクター属 プロテウス・ミラビリス プロテウス・ブルガリス プロテウス・モルガニー プロテウス・レットゲリ− インフルエンザ菌 による下記感染症 敗血症 腫症 よう 慢性膿皮症 皮下膿瘍 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 術後創・火傷後感染 骨髄炎 骨髄炎 関節炎 化膿性関節炎 桃炎( 桃周囲炎、 桃周囲膿瘍 桃炎( 桃周囲炎、 桃周囲膿瘍) を含む) 急性気管支炎 気管支炎 肺炎 肺炎 肺膿瘍 肺化膿症 膿胸 膿胸 慢性呼吸器病変の二次感染 気管支拡張症の感染時 − 62 − 備考 承認内容 膀胱炎 腎盂腎炎 前立腺炎 尿道炎 腹膜炎 胆嚢炎 胆管炎 バルトリン腺炎 子宮内感染 子宮付属器炎 骨盤死腔炎 子宮旁結合織炎 髄膜炎 中耳炎 副鼻腔炎 再評価結果 膀胱炎 腎盂腎炎 前立腺炎(急性症、慢性症) 削除 腹膜炎 胆嚢炎 胆管炎 バルトリン腺炎 子宮内感染 子宮付属器炎 子宮旁結合織炎 化膿性髄膜炎 中耳炎 副鼻腔炎 ◇用法・用量(静注用のみ) 「髄膜炎」を「化膿性髄膜炎」に読み替え。 12.再審査期間 6 年(1986 年 10 月 24 日満了) 13.長期投与の可否 該当しない 14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード パンスポリン静注用 0.25g : 6132400F1033 パンスポリン静注用 0.5g : 6132400F2030 パンスポリン静注用 1g : 6132400F3036 パンスポリン静注用 1g バッグ S : 6132400G3023 パンスポリン静注用 1g バッグ G : 6132400G4020 パンスポリン筋注用 0.25g 備考 : 6132400E1038 15.保険給付上の注意 該当しない − 63 − Ⅹ Ⅰ:文 献 1. 引用文献 1)板倉紘一, 他:武田研究所報 1978, 37:286 2)Terasaki T.,et al.: J. Pharmacobio-Dyn. 1992, 15:99 3)山本俊夫, 他: Chemotherapy :172 1979, 27(S − 3) 4)松本慶蔵, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :399 5)白羽弥右衛門, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :472 6)石神襄次, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :629 7)杉中秀寿, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :67 8)小此木研二, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :94 9)紺野昌俊, 他: Jpn. J. Antibiotics 1979, 32:583 10)Nozaki Y.,et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1979, 15:20 11)土屋皖司, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :73 12)西野武志, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :45 13)渡辺邦友, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :35 14)猪狩淳, 他: Jpn. J. Antibiotics 2003, 56:437 15)猪狩淳, 他: Jpn. J. Antibiotics 2003, 56:458 16)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1995, 48:887 17)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1995, 48:965 18)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1996, 49:34 19)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1996, 49:107 20)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1996, 49:419 21)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1997, 50:421 22)池本秀雄, 他: Jpn. J. Antibiotics 1998, 51:437 23)池本秀雄, 他: Jpn. J. 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Antibiotics 2005, 58:518 46)熊本悦明, 他: Jpn. J. Antibiotics 2006, 59:177 47)Nishi T.,et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1980, 18:549 48)Iwahi T.,et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1980, 18:257 49)平松信祥, 他:基礎と臨床 1986, 20:141 50)Konishi K.,et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1984, 26:647 51)大川光央, 他: Chemotherapy 1979, 27:712 52)土屋皖司, 他: Chemotherapy :121 1979, 27(S − 3) 53)張南薫, 他: Chemotherapy 54)松田静治, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :649 1979, 27(S − 3) :655 55)小島精, 他: Jpn. J. Antibiotics 982, 35:1063 56)伊藤治英, 他: Jpn. J. Antibiotics 1982, 35:1183 57)岩井直一, 他: Jpn. J. Antibiotics 1981, 34:1002 58)伊東洋, 他:医学と薬学 1982, 8:1415 59)松本慶蔵, 他: Chemotherapy 60)澤田晃, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :373 1979, 27(S − 3) :459 61)西村忠史, 他: Jpn. J. Antibiotics 1981, 34:1027 62)菊地臣一, 他: Jpn. J. Antibiotics 1982, 35:1053 63)清水信義, 他: Jpn. J. Antibiotics 1983, 36:1133 64)小山明, 他: Chemotherapy 1983, 31:136 65)今泉宗久, 他: Jpn. J. Antibiotics 1982, 35:1145 66)松浦雄一郎, 他: Jpn. J. Antibiotics 1983, 36:537 67)谷村弘, 他: Chemotherapy 1981, 29(S − 1) :641 68)脇慎治, 他: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :133 69)八板朗, 他: Jpn. J. Antibiotics 1985, 38:1566 − 65 − 70)田中一誠, 他: Jpn. J. Antibiotics 1983, 36:76 71)中口和則, 他: Chemotherapy 1983, 31:942 72)加藤廣海, 他: Chemotherapy :558 1979, 27(S − 3) 73)金子茂男, 他:西日本泌尿器科 1984, 46:711 74)高瀬善次郎, 他:産婦人科の世界 1982, 34:331 75)市川朝也, 他:日本耳鼻咽喉科感染症研究会会誌 1986, 4:2 76)久保武, 他:耳鼻咽喉科展望 1983, 26(補・5) :477 1979, 27(S − 3) :106 77)畚野剛, 他: Chemotherapy 78)青山恒夫: Jpn. J. Antibiotics 1982, 35:801 79)板垣信生, 他: Jpn. J. Antibiotics 1988, 41:405 80)Dodds M. G.,et al.: Br. J. Pharmacol. 1970, 40:227 81)Lawson D. H.,et al.: J. Infect. Dis. 1972, 126:593 82)D'Arcy P.F.: Pharm. Int. 1984, 5:2 83)松本直彦, 他: Chemotherapy 84)高野喜一: Chemotherapy 1979, 27(S − 3) :145 1979, 27(S − 3) :163 2 .その他の参考文献 該当しない − 66 − ⅩⅡ:参考資料 主な外国での発売状況 韓国で販売されている。 − 67 − ⅩⅢ:備 考 その他の関連資料 該当しない − 68 − − 69 −