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水にこだわり、水と寄り添う 断水工事の歴史を変えた 株式会社大勇

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水にこだわり、水と寄り添う 断水工事の歴史を変えた 株式会社大勇
企業経営トピックス
多彩な工法と信頼で飛躍 ー
水にこだわり、水と寄り添う
断水工事の歴史を変えた
水にかける情熱は
父から子に託された
取締役副社長
代表取締役社長
大久保 太陽 氏
大久保 明勇 氏
株式会社 大勇フリーズ
一般的には水道管などの配管工事を行う際
には、元栓を遮断してから工事を行うのが常
識とされる中、液化窒素を使用して配管内の
水を凍結させるというユニークな工法で注目
を集めているのが大勇フリーズだ。
「凍結工法のパイオニア」と呼ばれ、独自
の技術・ノウハウを武器に年間8,000件以上
の実績を誇り、首都圏はもちろん、創業30
周 年 を 迎 え た2010年 に は、 関 西 支 店 も 立
ち上げるなど、日本全国に活躍の場を広げて
いる。
企業理念
五つのユウ
悠とは、永く社会に貢献することである。
結とは、出会い、縁を大切にすることである。
勇とは、勇気を持って果敢に挑戦することである。
宥とは、失敗をゆるし次の機会を与えるものである。
大 勇 フ リ ー ズ の 歴 史 は35年 前 に 遡 る。
1980年、川口市を拠点に住宅の給排水工事
尤とは、最もすぐれていて目指すべき究極の姿である。
の専門会社として創業。その後、公共工事に
五つのユウを全てのYOUへ
も参入し、事業を拡大する一方で、上下水道
企業ビジョン
We are Life Line Guardians!
全従業員とその家族が幸せになるために
不断水工法を通じて
水道工事のソリューションを提供する№1 企業になろう !!
企業
概要
株式会社 大勇フリーズ
http://www.daiyufreeze.co.jp
■ 代 表 者 大久保 明勇
■ 設 立 1980 年
■ 資 本 金 1,000 万円
■ 従 業 員 36 人
■ 事 業 内 容 管工事業
(凍結工法施工・不断水穿孔法施工)
■ 統括事業本部 〒333-0831 川口市木曽呂 7-1
■ 関 西 支 店 〒561-0836 豊中市庄内宝町 1-3-8-104
■ 電 話 番 号 048(290)5611( 代 )
■ 取 引 店 東川口支店
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飽くなき水へのこだわり
ぶぎんレポート No.183 2014 年 12 月号
の敷設工事から考案したオリジナルの「凍結
工法」を開発し、さらに事業を拡大させてき
た。自らを「水道屋」と自負する創業者の大
久保明勇社長は、常に「水を無駄にしたくな
い」という強いこだわりと信念を持ち、オリ
ジナル工法の開発に惜しみなく資金を注いで
きた。こうした社長の実直な人柄や仕事に対
する真摯な姿勢が、多くの実績と信頼を積み
重ねてきた。
その意思を受け継ぎ、さらなる事業の発展
への舵取りを行っているのが長男である副社
長の大久保太陽氏だ。もともとエレベーター
等の機械設計分野の出身で、大勇フリーズ入
社後は昼夜を問わず多くの施工現場を経験
し、現在は社業全般のマネジメントを担って
いる。
凍結できないため、配管内の水が静止状態で
オリジナル工法の開発で柔軟に対応
あることが絶対条件となり、配管の分岐部分
従来の配管工事は、基本的に断水や水抜き
だけに施工したい時でも、凍結の条件をクリ
が当たり前で、200トン近い水が無駄になる
アできないことがある。このように、凍結工
こともあるという。無駄になるのは水だけで
法には配管の種類や環境など、さまざまな条
なく、それに費やす時間や、ライフラインが
件を伴うため、残念ながら万全な工法とはい
止まるため周囲への影響なども大きい。ま
えない。凍結工法を専門で行っている業者の
た、病院やホテル、工場など、24時間絶え
多くは、これらの条件がネックとなり、受注
ず水を必要とする施設にとっては、断水は死
が限定されるのが現状だ。
活問題となる。
「断水工事の歴史を変えた」といわれる大
工事部分のみ水を止める凍結工法なら、水
勇フリーズの強みは、まさにここにある。長
の排出も最小量で済む。凍結工法のメリット
年培った技術と実績、ノウハウに基づき、独
はそれだけではない。昼夜問わず施行できる
自に開発した代替工法によって柔軟に対応が
ため、時間や日常生活にも支障なく、現場の
可 能 だ。 特 に、2006年 に 特 許 を 取 得 し た
状況に応じて柔軟な対応が可能となる。ま
「DOWS(ダイユウ オリジナル ウォー
た、赤水や漏水の心配も少ない。凍結工法
ター ストップ )工法」は、既存の仕切弁を
は、依頼者・施工者双方にとって、まさに画
操作することなく、一時的に水の流れを止め
期的な施工法といえる。
るため、凍結を可能にし、破損や漏水、赤水
断水せずに配管の交換や増設、移設などが
の心配も少ない。また、両端に凍結を施すこ
できる凍結工法であるが、塩ビ管やコンク
とで断水範囲が最小限となり、排水量も最小
リート管などは、凍結により破損する可能性
量で済む。さらに、配管の撤去部分に施工す
もある。また、水の性質上、動いている水は
るため、サドル跡が残らないなどの多くのメ
■大勇フリーズ オリジナル配管更新4工法
凍結工法
DOWS工法
ダイユウ オリジナル ウォーター ストップ
液体空気(窒素)を使用して配管内の水を凍結
どんな工法?
させ、最小限の水抜きで配管の分岐やバルブの
交換工事、
増設工事なども行えるようにする工法。
【建物】
【埋設】
凍結部分はバルブの代 埋設している配管 ( 特
断水範囲を最小限にする工法
DCV工法
ダイユウ コンパクト バルブ
凍結工法では対処できない
管種にも施工できる工法
DSP工法
ダイユウ シスイ プラグ
凍結工法では対処できない
分岐の配管に施工できる工法
一時的に水の流れを止めることで凍結工法
既設配管の任意の場所にサドルを 凍結工法では対応が難しい T 字
やDSP工法を補助するための工法。
設置して機械的に水を止めること 管や割り T 字管、溶接配管など
わりに止水する役割を
に官公庁管理下 ) の凍
DOWS工法単独で使用することはなく、 で、濁り水や断水範囲を最小限に の分岐配管に対して行う工法。
果たすため、建物全館
結 工 法。た だ し、建 物
凍結工法との併用が基本になる。
DOWS
抑えるための工法。
を断水にすることなく
に対して行う凍結工法
工法を採用することで全く断水せずに済む
VP管やACP管は、凍結工法によ る場合は条件や制限があるが、
D
配管工事が行える。
とは注意点が異なる。
ほか、併用する工法の効果が高まり、施工
り破損する恐れがあるため、代替工 SP工法なら心配なく安全にバル
時間の短縮にもつながる。
法としてDCV工法を採用する。
分岐部分に対して凍結工法を用い
ブ交換や閉栓などの施工が可能。
●凍結した部分は一時的にバルブの代わりとして利
●既存のバルブを操作することなく凍結が可能。 ●小型軽量設計のため、作業中や埋 ●凍結工法では難しい配管の分岐部
●断水工事にかかる時間を短縮することが可能。
ない。
用でき、
配管上に何も残らない。
●バルブ操作による破損・漏水・赤水の心配が 設後の配管への負担が減らせる。
に伴う工事が可能。
特 徴
●凍結工法とDCV工法など、
用 ●従来は難しかった大口径からの分
●凍結工法専用の特注仕様の発砲スチロール容器を ●両端に凍結工法を行った場合は、 断水範囲を
用いるため、容器を加工して直管以外にも曲管、 最小限に抑えられる。
片落ち管などにも対応が可能。
●配管の撤去部分に設置するため、
施工後にサ
ドルが残らない。
途に合わせて組み合わせが可能。
岐部に伴う工事がスムーズに行
●施工後に止水が必要な場合は、フ える。
ランジ部分まで掘削することで再
度止水が可能。
●凍結工法を行い、バルブが効かず凍らない場 ※温水配管での施工には非対応
合には後からDOWS工法の施工が可能。
凍結工法特許取得 特許第 3653597 号
DIFS工法特許取得 特許第 2626676 号
DOWS 工法特許取得
特許第 3839100 号
DCV 工法特許出願中
DSP 工法特許出願中
ぶぎんレポート No.183 2014 年 12 月号
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リットがある。
このDOWS工法は単独ではなく、凍結工
法などとの併用が基本となり、DOWS工法
地元、川口市より授与された
「川口市産業技術・技術者顕彰」
を採用することで急な施工中止を防いで工事
全体の安定性を高めるなど、まさに画期的な
工法といえる。さいたま市をはじめとする自
治体はもちろん、ビルメンテナンス業や大型
商業施設など、多くの民間企業でも採用され
づいたオリジナル工法が用意されている。業
ている。不断水を可能としたこのオリジナル
界では「配管工事で困ったら大勇に声をかけ
工法は、水道事業体からも高く評価されてお
ろ」と言われるほどのポジションを確立して
り、2007年には凍結工法の第一人者として
いる。
認められ、「川口市産業技術・技術者顕彰」
を授与されている。
これからもNOをYESに変えていく
また、既設配管の任意の場所にサドルを設
業界のトップを走り続ける大勇フリーズが
置して機械的に水を止めることで、赤水や断
評価される理由は、高い技術力だけではなく、
水範囲を最小限に抑えるとともに、塩ビ管や
現場に応じた柔軟な対応力・組織力も大きい。
コンクリート管など、破損の恐れのある凍結
クライアントの要望を踏まえ、現在の工法
工法の代替工法として採用される「DCV
で対応が困難な場合は、その要望に応じた設
(ダイユウ コンパクト バルブ)工法」
、本
計 や開 発まで 行う徹 底 ぶりだ(
「DSP-P
管を断水することなくT字管の首部分で施工
(ダイユウ シスイ プラグ パッケージ )工法」
)
。
可能で、凍結工法では不可能な空気弁や補修
この柔軟な対応を可能にするのが、精鋭部
弁の交換を可能とする「DSP(ダイユウ シ
隊、研究開発室の存在だ。
「施工会社で研究
スイ プラグ)工法」など、技術と実績に基
開発?」と驚くかもしれないが、必要な部品
❷ 凍結状況
凍結工法による
配管更新工事の実例
❶施工前
大勇フリーズオリジナル
(直径 450mm配管 ソフトシール弁取付工事)
※条件が揃えば直径 450mm の水道管でも施工できます。
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送風機にて換気
専用のバンドを使用して容器を固定
❺ 施工完了
❹ 新規ソフトシール弁取付
❸ 配管撤去状況
堀削寸法 2,200mm×2,200mm
管下 300mm
解凍後、専用のスプレーを塗布して、
弊社の凍結シートを巻き付けて完了
ン
タッフイ タビュー
ス
研究開発室
ン
タッフイ タビュー
ス
関西支店
黒田 宏征 さん (38 才 )
が規格品にない場合は
自 社 で 設 計 し て い る。
伊藤 精一 さん (56 才 )
業務:新工法の確立
社内工具等の設計
業務:営業工事
入社の決め手は?
入社の決め手は?
他業種出身だったことと、独学で操作を習得
以前勤めていた会社では、施工時に断水し、そ
したAuto CADを最大限に活用出来る会
の大変さに日々直面していた。その時、凍結工
社だと思い、入社を決めました。
法と出会い「この会社だ!」と思い、入社。
営 業 窓 口 か ら 設 計・
職務中、
「やり甲斐」を感じる(感じた)時は?
職務中、
「やり甲斐」を感じる(感じた)時は?
開 発、 施 工、 そ し て メ
大手企業で出来なかった案件に対し、お客様
困難な現場で出来るだけお客様の要望に応えら
のニーズに応えた小回りのきく工法を考え、
れる提案をして、凍結工法施工後、
「ありがとう」
無事に工事を完了させた時。
の御礼の言葉をいただいた時。
企業PRをお願いします!
企業PRをお願いします!
お客様が抱えているソリューションを提供す
全従業員とその家族が幸せになるために、不断
るために、社員が一丸となって仕事に取り組
水工法を通して、水道工事のソリューションを
んでいます!
提案する№1 企業を目指している会社です!
そ の 範 囲 は、 バ ル ブ や
工事用治具などにもお
よぶという。
ンテナンスまでの流れ
を 社 内 で 一 元 化、 ま さ
にメーカーとしての側
面も持つ大勇フリーズ。
現 在、 太 陽 副 社 長 は 業
務部門のデータの一元
管理にも着手している。以前は伝票や施工概
う特殊な工事のため、例え1%でも不安要素
要書などは手書きや別途ビジネスソフトで作
があれば他の工法を検討し、万全の態勢で施
成していたが、商品コードや顧客コードなど
工に臨んでいる。社内では定期的な講習や実
を体系化・データ化することで、作業工程を
習が日々行われており、あらゆる管種・液体
大幅に削減した。また、顧客からの電話には
での凍結による耐圧や亀裂、材質変化の試験
受話器を取るとパソコン画面に顧客情報が表
が繰り返されている。
示されるなど、実績伸長に伴い増加する顧客
サービスの向上にもつながっているという。
国際化への布石
経営の判断材料の可視化など、新たな展開を
現在、大勇フリーズの工務部には、凍結工
進めるうえでも、IT活用による業務の改善
法やオリジナル工法を習得するために技術留
や効率化は今後も推進していく予定だ。
学生が在籍している。来日前に「パイプフ
こうした新しい取組を推進する一方、ライ
リージング」で全世界を英語、日本語でネッ
フラインである水を無駄にしたくないという
ト検索したところ、組織の規模、工法の解説
社長のこだわりによる、創業当初からの365
などから自分の学びの環境にマッチした大勇
日・24時間対応体制は今も変わりない。ま
フリーズの門を叩いたという。海外進出を視
た、施工規模や移動距離に関係なく、全国に
野に入れての採用かと尋ねたところ、副社長
駆けつける姿勢も同じだ。他の業者がNOと
から意外な答えが返ってきた。
断って回ってきた仕事や、困難な仕事も大勇
確かに海外に目を向けての採用ではあるが
フリーズではYESに変える。NOの数が多
企業進出というよりも、目を向けているのは
ければ多いほど、やり甲斐があり、それが実
東南アジアの新興国。どのくらい先になるか
績と自信につながるという。
はわからないが、東南アジアを中心とする新
もちろん、「安全」「正確」「丁寧」という
興国にライフラインの水道システムが構築さ
姿勢も創業当初から変わらない。施工会社と
れた際に、そのメンテナンスに対応できる人
しては当たり前のことではあるが、大勇フ
材の育成を支援したいという。父から子に繋
リーズでは、安全かつ確実な施工以外は絶対
がれた熱いバトンは、今後、国内だけでな
に行わない。多くの人が居住する生活圏で行
く、海の向こうでも繋がれていきそうだ。
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