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流通菓子市場に関する調査を実施(2016 年)
2016 年 8 月 17 日 プレスリリース 流通菓子市場に関する調査を実施(2016 年) ~大人消費を取り込み、好調に推移する流通菓子市場~ 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の流通菓子市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 5 月~7 月 2.調査対象:流通菓子メーカー、菓子卸売業、関連団体等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用 <流通菓子市場とは> 流通菓子とは、量販店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ディスカウントストア、駅構内 売店などの小売流通チャネルにて販売される菓子類である。本調査ではチョコレート、ビスケット類、米菓、豆菓 子、スナック菓子、チューインガム、キャンディ・キャラメル、輸入菓子、その他菓子製品(錠菓、玩具菓子など)の主 要 9 品目を対象とする。 【調査結果サマリー】 2015 年度の流通菓子市場規模は、前年度比 102.0%の 1 兆 9,841 億円の見込 2014 年度の流通菓子市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比 104.0%の 1 兆 9,452 億円で あった。2015 年度は同 102.0%の 1 兆 9,841 億円の見込みで、2 年連続で拡大する見通しである。2014 年 4 月に消費増税があり、嗜好品である流通菓子の需要減退が懸念されたが、その影響は軽微であり、 価格改定の浸透、コンビニエンスストアやドラッグストアの店舗数増加、ドラッグストアの食品取扱い構成 比の上昇、訪日外国人客によるインバウンド需要の増加など様々な要因が作用し、市場は好調に推移し ている。 2015 年度はチューインガムと輸入菓子を除く全ての製品カテゴリで市場が拡大の見込 製品カテゴリ別に流通菓子市場をみると、2015 年度の構成比はチョコレート 18.6%、スナック菓子 15.2%、米菓 13.8%、ビスケット類 12.6%、キャンディ・キャラメル 10.4%の見込みである。特に、構成比の 大きいチョコレートとビスケットが高い伸長率を示すなど、チューインガムと輸入菓子を除く全ての製品カ テゴリにおいて、市場は拡大基調で推移する見通しである。 大人消費の取り込みが、流通菓子市場の成長のカギに 流通菓子は、子供のおやつに対応した商品が数多く存在するが、少子高齢化が進む中で、大人をター ゲットにした商品開発に菓子メーカー各社が注力しており、こうした大人消費がここ数年の流通菓子市場 を下支えしている。実際に、ロングセラー商品の素材や製法に対する拘りを強めたプレミアム商品や、健 康機能性を切り口にした商品などがここ数年人気を呼んでいる。モノがあふれる中で、‘少々割高でも味 や品質が良いものを食べたい’というニーズが顕在化していると考える。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年版 菓子産業年鑑 流通菓子編」 発刊日:2016 年 7 月 14 日 体 裁:A4 判 590 頁 定 価:110,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 8 月 17 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況と予測 2015 年度の国内流通菓子市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比 102.0%の 1 兆 9,841 億 円の見込であり、2014 年度に引き続いて市場は拡大する見通しである。2014 年 4 月に消費税が引き上 げられた際、嗜好品である流通菓子の需要は減退するのではとの懸念が関連事業者の間で広がったが、 大きな影響はなかったと考える。2014 年度上半期には増税の影響が見られた菓子メーカーや卸も、下半 期には回復したとする声が大半であった。2014~2015 年度にかけての市場拡大の主な要因としては、 様々なメーカーが価格改定に踏み切ったが順調に浸透したこと、チョコレートやナッツ類の健康効果が注 目されたこと、コンビニエンスストアやドラッグストアの店舗数の増加、ドラッグストアの食品取扱い構成比 の上昇、訪日外国人客によるインバウンド需要の増加などが挙げられる。 図 1. 流通菓子市場規模推移 (単位:億円) 25,000 100.0% 101.5% 98.4% 99.4% 100.7% 104.0% 99.3% 99.6% (単位:%) 102.0% 100.0% 20,000 18,919 19,195 18,884 18,763 18,902 18,770 18,695 19,452 19,841 80.0% 15,000 60.0% 10,000 40.0% 5,000 20.0% 0.0% 0 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 流通菓子市場規模 2012年度 前年度比 2013年度 2014年度 2015年度 (見込) 矢野経済研究所推計 注1. メーカー出荷金額ベース 注2. 2015 年度は見込値 2. 注目すべき動向~大人消費の取り込みが成長のカギに 流通菓子は、子供のおやつに対応した商品が数多く存在するが、少子高齢化が進む中で、大人をタ ーゲットにした商品開発に菓子メーカー各社が注力しており、こうした大人消費がここ数年の流通菓子市 場を下支えしている。 こうした大人消費の取り込みを図った商品としては、ロングセラー商品の素材や製法に対する拘りを強 めたプレミアム商品や、健康機能性を切り口にした商品などがここ数年人気を呼んでいる。例えば、素材 や製法に対する拘りを高めた製品は、売価を高めに設定できるほか、価格競争になりにくいことが市場に プラスの影響を与えている。また、実際にこうした製品が消費者に受け入れられていることから、消費者心 理として、モノがあふれる中で、‘少々割高でも味や品質が良いものを食べたい’というニーズが顕在化し ていると考える。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 8 月 17 日 プレスリリース 3. 製品カテゴリ別動向 製品カテゴリ別に流通菓子市場をみると、2015 年度の構成比はチョコレート 18.6%、スナック菓子 15.2%、米菓 13.8%、ビスケット類 12.6%、キャンディ・キャラメル 10.4%、チューインガム 4.5%、豆菓子 4.0%、輸入菓子 3.6%、その他 17.3%の見込みである。 特に、構成比の大きいチョコレートとビスケットが高い伸長率を示すなど、2015 年度ではチューインガム と輸入菓子を除く全ての製品カテゴリにおいて、市場は拡大基調で推移する見通しである。チョコレート は、カカオの含有量が多いハイカカオチョコレートをはじめとした機能性チョコレートの好調や価格改定が 浸透したことが寄与した。ビスケットは、高価格帯商品が増加しているほか、朝食スタイルの多様化で食シ ーンが拡大していることが寄与したと考える。米菓も高価格帯商品が増加しているほか、家飲みの定着で おつまみ用の米菓が好調に推移している。スナック菓子はポテト系が牽引役となった。キャンディ・キャラ メルは、ソフトキャンディやグミキャンディの好調が寄与した。 一方で、苦戦をしいられたチューインガムは、食事が原因の口臭を抑えるブレスケア効果の訴求にお いて、錠菓(タブレット菓子)に押されていることが影響している。輸入菓子は、円安が続いたことで価格改 定を余儀なくされたインポーター(輸入業者)が多く、国内製造品と比較して価格の優位性が薄れたこと が影響したと考える。 図 2. 2015 年度(見込)製品カテゴリ別市場構成比 その他菓 子製品 17.3% 輸入菓子 3.6% キャン ディ・キャ ラメル 10.4% チューイ ンガム 4.5% チョコ レート 18.6% 2015年度 市場規模 (見込) 1兆9,841億円 スナック 菓子 15.2% ビスケット 類 12.6% 米菓 13.8% 豆菓子 4.0% 矢野経済研究所推計 注3. メーカー出荷金額ベース 注4. 2015 年度は見込値 注5. その他菓子製品には錠菓(タブレット菓子)、玩具菓子などが含まれる Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.