Comments
Description
Transcript
小さな矢印の群れ――「ミース・モデル」を超えて
2013 年 11 月 20 日 TOTO 建築叢書第 4 弾! 雑木林的空間をもつ建築へ 『小さな矢印の群れ――「ミース・モデル」を超えて』 刊行のご案内 TOTO 出版は、TOTO 建築叢書第 4 弾となる『小さな矢印の 群れ――「ミース・モデル」を超えて』を 2013 年 11 月 20 日に 発行いたします。 本書は、建築家であり、教育、研究に携わる小嶋一浩氏自ら が生み出した建築の概念「開いた場的モデル」とは何かを説 いた一冊です。 20 世紀の箱型建築「ミース・モデル」は、建築を外部から 切り離し、密閉することで内部空間の環境をコントロールで きるため、技術の発達とともに、地域性に関わらずどこでも 成立し、量産されてきました。氏はこの状況こそが現代にお いては建築の閉塞感を強めているのではないかとの疑問を 投げかけ、より「開いた場」こそが建築に求められていると して、思考と実践を続けています。 そのために現代のコンピュータによる解析技術を駆使して、 空気、光、人などの流れを<小さな矢印(→)の群れ>とし 書 著 名=小さな矢印の群れ 「ミース・モデル」を超えて 者=小嶋一浩 てとらえ、建築空間を流動するたくさんの<小さな矢印>か ら空間の構成を考えることによって、外部環境が建築内にす ブックデザイン=中島英樹(中島デザイン) べり込み、まるで雑木林の中を散策するように、さまざまな 定 人々に対応する快適な空間の実現を目指しています。 価=本体 1,400 円+税 発行日=2013 年 11 月 20 日 体 裁=四六判(128×188mm)、 本書は、氏が長年教鞭を執ってきた大学で行なった数多くの 並製、196 頁 ISBN=978-4-88706-339-6 国や地域でのサーベイと、実際の設計活動を通して、「ミー ス・モデル」に対向する「開いた場的モデル」を生成するた めにはどのような方法が有効かをまとめた内容となってい ます。 *「TOTO 建築叢書」は、建築家をはじめ、構造家、建築史家、建築計 画学者等々、建築をとりまく幅広いジャンルの方々の良質な「知見」を紹 介し、建築的知性をアーカイブする新シリーズとして 2011 年に創刊しま した。 内容紹介 目次 はじめに 第1章 〈小さな矢印〉が自在に動く場所を、建築を通してどう生み出せる のか? 第2章 黒と白 第3章 Fluid 流れるもの 第4章 Cultivate 耕すように建築する 第5章 自然・集落・都市 20世紀の前と後 第6章 雑木林的:空間の問題として 第7章 〈小さな矢印の群れ〉から〈白の濃淡〉へ あとがき 著者プロフィール 小嶋一浩 Kazuhiro Kojima 1958 年、大阪生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院修士課程を経て、 同大学博士課程在籍中の 1986 年にシーラカンス(1998 年シーラカンスアンドアソシエイツ、 2005 年より CAt に改組)を共同設立、パートナーとして国内外で数多くのプロジェクトを実現して いる。東京大学助手を経て、1994 年〜2004 年東京理科大学助教授、〜2011 年教授のの ち、2011 年より横浜国立大学大学院/建築都市スクール Y–GSA 教授。 主な受賞に、1997 年日本建築学会賞(作品部門)「千葉市立打瀬小学校」、2003 年日本建 築学会作品選奨「宮城県迫桜高校」・2004 年「ビッグハート出雲」・2009 年「千葉市立美浜打 瀬小学校」など、2002 年 ARCASIA 建築賞ゴールドメダル「スペースブロック上新庄」、2007 年 日本建築家協会賞「ぐんま国際アカデミー」、2009 年 Global Holcim Awards Silver「Ho Chi Minh City University of Architecture」、2013 年村野藤吾賞、2011 年 AACA(日本建築美術 工芸協会)賞「宇土市立宇土小学校」など多数。 主な著書に『CULTIVATE』(共著、TOTO 出版、2007)、『空間練習帳』(共著、彰国社、2011) など。 Photo by YUKAI