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「健幸」の考え方 (PDF形式 228.8KB)

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「健幸」の考え方 (PDF形式 228.8KB)
第2回
健幸都市宣言起草委員会
資料1
第2回多摩市健幸まちづくり推進協議会での「健幸」の考え方
「 健 幸 」 の 定 義 に つ い て 、 事 務 局 か ら 「 資 料 10
健 幸 ま ち づ く り に つ い て 」( P2) の 案
を提示したところ、各委員の了承を得ることができた。
な お 、会 議 で の 各 委 員 か ら の 発 言 の う ち 、
「 健 幸 」の 考 え 方 に 関 連 す る も の に つ い て は 以
下のとおり。
■
・
高 齢 者 の 社 会 参 加 に よ る “ Win-win” 型 地 域 づ く り)
藤 原 委 員 に よ る 研 究 発 表( 資 料 7
身体的な自立よりも前の段階の能力である高次生活機能(社会的役割・状況対応・
手 段 的 自 立 )が 失 わ れ る と 、身 体 的 な 自 立 が 脅 か さ れ 、要 介 護 状 態 に つ な が っ て い く 。
・
高齢者の社会性を維持するためには、役割や知的好奇心に働きかけるプログラムを
仕掛ける必要がある。特にニュータウンのような土地では役割が自然発生的に生まれ
ることは難しい。またそれは、誰か特定の人や世代が幸せになるものではなく、三方
良し(Win-Win)が原則。
・
高齢社会の到来により、社会保障制度への不安など、現役世代への負担増が予想さ
れる中では、世代間の対立が危惧される。元気な高齢者が支えられる側ではなく支え
る側に回ることによって現役世代の負担軽減につながるアプローチが重要。
・
生涯発達の基本として心理学者のエリクソンが提唱していることだが、壮年期にお
いては、次世代の価値を生み出す行為に積極的に関わりたいという次世代継承の意識
を潜在的に有すると言われている。
・
アメリカの学校で高齢者が絵本の読み聞かせボランティアを行ったところ、高齢者
自身の身体機能の改善だけに留まらず、子どもの読解能力の向上や非行防止、教師の
負担軽減等の効果も認められた。
・
住民活動においても構成員を多世代にすることが重要。高齢者だけでは活動の継続
が難しく、また子育て世代においても、子どもを核とした活動は子どもが大きくなる
と継続されない。また、メンバーが多様であると、それぞれが属するつながりを通じ
た発信が可能となり、発信力も強化できる。
・
どの世代も、現実には結びつきが弱く、孤立しがちであり、いざというときに助け
合えないという不安や不便を抱えている。孤立を解消するには、世代を超えて、多世
代で支えあうことが重要。
■
・
志藤氏による研究発表(資料8
長寿時代の生き方、逝き方を考える)
2011 年 の 調 査 に よ る と 、 日 本 で は 、 看 取 り に つ い て の 方 針 の 主 導 権 は 本 人 が 取 る こ
と が 理 想 と 考 え る 人 の 割 合 が 多 い 一 方 で 、現 実 に は 本 人 が 主 導 権 を 取 る こ と は 少 な く 、
国別の比較では、その理想と現実のギャップが最も大きいのが日本である。
・
少しずつ変わってきてはいるが、日本は看取りの際の判断を家族に任せる傾向があ
り 、 本 人 の 尊 厳 や QOL は あ ま り 重 視 さ れ な い 傾 向 が あ る 。
・
内閣府による一人暮らし高齢者に対する調査では、今後の備えとして、死んだ後の
お墓のことは半数近い人が、葬儀についても約3割の人が考えているのに対し、死ぬ
前 の 終 末 期 医 療 に つ い て 考 え る 人 は 16.6% と 非 常 に 少 な い 。
1
・
最 期 の 自 己 決 定 の 重 要 性 に つ い て 啓 発 を す る 中 で 、 2014.5 月 に 「 納 得 で き る 旅 立 ち
の た め に 」 と い う ガ イ ド ブ ッ ク を 刊 行 、 2016.7 月 に は 「 私 ら し く 死 に た い 」 を 刊 行 し
た 。 “ 旅 立 ち ”か ら “ 死 に た い ”と い う 表 現 に 変 化 し た が 、こ れ は 、 今 は こ れ く ら い
の大胆な表現でないと誰も見向きしないとの出版社のアドバイスを受けたからである。
・
老いや病と付き合い、寿命を全うするためには覚悟と努力が必要。自己決定と言っ
ても、知らなければ選択できない。医療の限界や自らの病気を知り、治療を選択する
こと。その選択について家族や医者とコミュニケーションをとること。加齢とともに
現在の生活の継続が難しくなることを認識する、つまり折り合いをつけていくこと。
自分の地域で受けられるサポートについて知ること。
・
「ピンピンコロリ」は稀であり、それを求めすぎると突然死が一番良いということ
になってしまう。病気や障害を抱えても、折り合いをつけて、悔いなく最期を迎える
こと=「大往生」を目指すべき。
■
田村委員からの意見
・
医者として、終末期における患者自身の選択に寄り添うことは重要と考えている。
自分が研修生当時は、がんの末期を本人に告知するのはタブーで、患者の家族に告知
の判断を仰ぐと拒否されていた。私は、本人が最期まで自己決定すべきという信念に
基 づ き 、先 ず は 本 人 に 告 知 し て か ら 、家 族 に ど う 伝 え る か を 話 し 合 う よ う に し て き た 。
・
しかし、母が肺がんの末期とわかった時、医者として母に病状を告知したところ、
望みのない話をするのではなく、嘘でも希望のある話をすべきだと怒られた。これは
ある意味患者の本音。死を迎える患者と最期まで寄り添うとき、どのように対応すべ
きかはケースバイケースであり、正解はない。
■
有本委員からの意見(参考資料4
障害者の健康感について)
・
規模は小さいが、障害者の主観的健康感を調査分析した研究の紹介。 障害者の健康
に つ い て 、身 体 的 健 康 、精 神 的 健 康 、社 会 的 健 康 の 3 つ に 整 理 し 、調 査 を 行 っ て い る 。
・
精神的健康には、対処の自信があるという内容が含まれており、これは自己効力感
につながっている。
・
社会的健康には、例えば友人がいる、支援を受けられる状況があるなどの内容が含
まれており、これは安心感につながっている。
・
障害当事者が自分の健康をどう考えるか調査したところ、半分は健康と回答してい
る。
・
調 査 対 象 者 に 社 会 的 活 動 へ の 参 加 状 況 に つ い て 質 問 し た と こ ろ 、7 割 以 上 が 活 動 に 参
加している。
・
社会的活動への参加と健康のどちらが先かは難しいところだが、社会的活動に参加
している場合は全体的幸福感を感じ、さらに参加している社会的活動が多いほど、全
体的幸福感は高くなるという状況がある。健康管理よりも地域ぐるみでの活動に力を
入れた方がよい、生活の支援等の充実の方が生活の質を高めるという研究結果の紹介
である。
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