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1 地域再生計画 1 地域再生計画の名称 インテリジェントICT地域実装
地域再生計画 1 地域再生計画の名称 インテリジェントICT地域実装計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 倉敷市 3 地域再生計画の区域 倉敷市の全域 4 地域再生計画の目標 IoTにより収集されたビッグデータ等をAIが処理する「インテリジェントICT」が社会実 装され始めている。総務省が平成27年6月に発表した「インテリジェント化が加速する ICTの未来像に関する報告書」においては,「(人間に匹敵する可能性のある)高度な認 知や判断,更に創造を行う力をもった人工的な知性が近い将来に実現する」と記され, 今後の政策立案には,このことを前提に進めていく必要があると指摘している。 特に東京圏においては,IoTやAI等をテーマとするセミナーやショールームあるいは人 材が充実し,個々の事業者や個人がスキル習得や自らの事業への適用を実証する環境が 整備されつつある。一方,当圏域においては,そういった環境がぜい弱であるため,地 方行政による戦略的アクションがなければ,様々な分野で,インテリジェントICTの便益 と う た を取り込んだ東京圏等の事業者に淘汰されるなど,圏域の人とマネーが流出し,地域全 体が弱体化することが想定される。 また,倉敷市において,平成27年9月策定の「倉敷みらい創生人口ビジョン」におい て,産業別の就業者数を調べた結果,情報通信業の特化係数が男女とも0.5にも満たない 状況にあり,倉敷市の課題と捉えている。 これらの課題に対し,倉敷市では,地方都市において最先端の「高度データ利活用圏 域」となることを目指すこととし,データサイエンティストを始めとする情報通信業の 人材育成や雇用の場の創出の取組を開始しており,既存事業においては,統計データや オープンデータを中心に扱ってきた。しかしながら,その取り組みは,いわゆる地域課 題の発見や解決には有意であるが,それだけでは,雇用や経済構造の変革にまで対応可 能なインパクトを持つ新ビジネスの創出は困難と考えられる。一方,総務省の「AIネッ トワーク検討会議」の中間報告で紹介されているEY総合研究所のレポートで平成27年か ら平成32年までの年間平均成長率が43.8%(平成32年国内市場規模23兆638億円)とされ ているAI関連国内市場規模を踏まえると,既存事業のスコープをビッグデータやAIにま で拡充することで,先述の社会変革への対応に影響力を持つだけのインパクトを持った 新ビジネスの創出が圏域においても期待できると考えられる。 こういった背景から,本事業では,圏域としてのデータ利活用に係るスキルと環境を, 1 IoTやAIといった「インテリジェントICT」に対応させ,事業推進主体をハブとして,圏 域の教育,健康,商工農林等の各種事業者が,そのスキルと環境をシェアリングし,尚 かつそのシェアリングサービスを求めて,新たな人材や事業者が圏域に誘引されている 状態を目指すこととしている。 【数値目標】 平成28年度 平成29年度 平成30年度 事業推進主体の受注額(交付対 象事業及び地方創生加速化交付 500万円 4000万円 1億5000万円 2件 3件 5件 2人 2人 2人 金事業によるものを除く。) 開発したインテリジェントICT サービスの数 AIの実装に対応可能な公共デー タサイエンティスト数 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 倉敷市では「高度データ利活用圏域」となることを目指し,地方創生先行型交付金 (タイプⅠ)を活用して,倉敷市と協働で事業に取り組む推進主体を設立し,オープ ンデータカタログサイトの開設・運営,各種のオープンデータ等を組み合わせた分析 ・ビジュアルコンテンツの公開,データサイエンティストの育成などを開始した。取 組のさらなる高度化と裾野の拡大を目指し,地方創生加速化交付金を活用して,ビッ グデータの取扱いを本格化し,データの蓄積や分析が可能な環境(データレイク)の 整備及び複数データの相互接続性強化(LOD化)やオンライン等を活用した人材育成の 環境整備などの立ち上げ,また,育成するデータサイエンティストの中から圏域テレ ワーカーを募りデータ収集やクレンジング及びデータコンテンツの解説ライティング 等の業務の委託などに取り組むこととしている。本計画では,これらの取組を深化さ せ,先ほどの開発環境の整備や人材の育成などの成果を具体的な形(サービス)とす るために,倉敷市も含めた「高梁川流域連携中枢都市圏」に特化した知識を源泉 (「知識ベース」)としたAIアシスタント・サービスの開発に取り組むことで,IoTや AI等の「インテリジェントICT」に関するスキルが必要となる「しごと」を創生し,そ の業務を事業推進主体等が遂行することを通じてデータサイエンティスト等の人材を 育成するとともに,事業推進主体が収益を上げ地域の基盤産業となることを目指すも のである。 5-2 第5章の特別の措置を適用して行う事業 地方創生推進交付金【A3007】 1 事業主体 2 倉敷市 2 事業の名称及び内容: 高梁川流域インテリジェントICT実装事業 本事業は,具体的には,地方創生加速化交付金事業で収集・蓄積・連携(LOD化) を進めているオープンデータや,IoTを活用して収集するセンサデータ,ウェブ埋没 データ及びSNSデータ等を,知識ベースの素材とする人工知能(AI)によるアシスタ ント・サービス(以下,AIアシスタント・サービスという)の開発に取り組む。 本年度は,次の2分野のAIアシスタント・サービスの実現に取り組む。 ① 文化・観光分野における観光客等をターゲットとしたAIアシスタント・サービス 高梁川流域圏の文化や観光面に特化した知識ベースと,AppleのSiriやMicrosoft のCortanaのような音声応答インターフェースを持ち,クラウド上のAIエンジンを活 用した仮想キャラクタを作成するなどし,スマートフォン用のアプリケーションと して展開するするとともに,このアプリケーションをセンサに見立て,入力された 音声データ等を,個人情報に留意した上で,政策立案や観光マーケティングに二次 利用可能な仕組みとする。また,当該サービスの構築に向けては,圏域住民の方に もイベント等を通じてAIの育成に参加いただき,子供から高齢者まで「インテリジ ェントICT」に親しみ,その恩恵を享受するための意識の醸成を図る。 なお,この分野をAIアシスタント・サービスの最初のターゲットとしたのは,観 光が域外マネーの獲得効果が高いとされている点と,取り組みの周知が,全国ニュ ースに取り上げられるレベルのインパクトで期待できることによる。 【①で狙う地方創生効果】 (a) これまでにないサービスとして注目を集めることによる,観光客,特にAIや 仮想キャラクタに強い関心を持つ人の誘引 (b) 構築したサービスを事業推進主体等のプロモーション素材として活用するこ とによる,新たな「しごと」の創出 ② 圏域に関するデータの収集,分類,整形を支援するサービス 地方創生先行型交付金事業を拡充した地方創生加速化交付金事業では,インテリ ジェントICT社会での利活用を想定したオープンデータ整備ビジネスの創出を目指し ているところである。加速化交付金事業では,オープンデータのLOD化やデータクレ ンジングが可能なテレワーカーの育成等を計画しているが,データの収集法や,収 集したデータの特徴をAI自らが認知・学習し,オープンデータ化に向けた適切なデ ータ形式やタグ付けの設計及びデータクレンジングをアシストできるようになれば, オープンデータ整備の更なる効率化が可能になる。 【②で狙う地方創生効果】 (a) 圏域に関するデータの収集と整備の加速化に伴う,オープンデータ効果によ る経済活性化 3 (b) 今後拡大すると考えているデータ整形・整備市場を狙った新ビジネスの創出 ①,②ともチャレンジ要素の高い開発となるが,これらのサービス開発は,地元 の事業者や学生が主体的に取り組み,東京圏等から招聘する専門家からの技術移転 を受けながら,実現することとしている。なお,交付対象事業で導入するインテリ ジェントICTの基盤部分は,次年度以降必要な拡充を図りながら,適用する分野をコ ールセンター業務,経済構造分析及び政策評価等に順次拡充する計画である。 【①,②で共通して狙う地方創生効果】 (a) 圏域の中小事業者を支える「公共データサイエンティスト」のスキルアップ と被支援事業者の「稼ぐ力」の向上 (b) 事業推進主体等の事業拡張に伴う雇用創出及び高度データ利活用技術を学ん だ学生の地元定着 (c) 中小事業者であってもデータ利活用の便益が得やすいことやデータ人材が集 めやすいことによる関連人材や事業者の誘引 更に,特筆すべき波及効果として,地域の各種事業体を巻き込み,それぞれの事 業領域での,新サービスの創出や,既存サービスの品質向上及びそれに伴う「稼ぐ 力」や「雇用」の創出が,本年度内にも期待できる点である。地方創生先行型交付 金事業の一環として,JR倉敷駅前に,圏域住民であれば,原則無料(要会員登録 )で利用できるデータ分析サロンが設置されており,学生や自治体職員のほか,シ ビックテック団体,メディア・通信事業者,健康事業者,「くらしきベンチャーオ フィス(インキュベーション施設)」の入居事業者等にご利用いただいている。利 用者は,事業推進主体の職員によるサポートを受けながら,サロンに設置された統 計分析ツールやGISツールを利用して,持ち込んだデータの分析等に活用しているが, 事業推進主体側も,サロン会員から,収集データの選定や,ビジュアル化の方策等 にアイデアの提供を受けている。 本事業で整備する,クラウド上のAIエンジンと接続されたサービス開発環境は, 主としてこのサロン内に設置され,事業推進主体の専用端末以外は,サロン会員に も開放する計画である。本事業自体も,サロン会員のアイデアに着想したものであ り,既に「AI話し相手サービス」や「ログ解析システム」の試作といったシンプル かつビジネス化の可能性が感じられるアイデアが出ていることから,倉敷市が事業 推進主体に開発委託する予定の①②のサービスと並行して,サロン会員によるAI新 サービスが創出される可能性も秘めている。 3 事業が先導的であると認められる理由 【官民協働】 ・本申請書に記載した交付対象事業,加速化交付金事業,先行型交付金(タイプⅠ) 事業は全て,まず,行政が公益に資するサービスの創出を地域事業者である事業推 4 進主体に発注し,協働して公益サービスを充実させるとともに,事業推進主体のス キルアップや信用資本の醸成及びビジネスリソースとなるデータ等の蓄積を促すこ とで,事業推進主体独自の収益ビジネス創出を促進する事業モデルを採用している。 特に,「インテリジェントICT」を含む高度データ利活用の市場は,今後数年の 内に急速に拡大することが予測されることから,事業推進主体の人材,信用及びデ ータ蓄積が醸成されれば,ビジネスチャンスが急速に拡大し,それに伴い行政の役 割の縮小と,民間である事業推進主体の役割の拡大が期待できる。 なお,事業推進主体は,本年度中を目標に公益団体化する計画である。 【地域間連携】 ・AIアシスタント・サービスの実装化を目指し,まずは知識ベースの構築やその基と なるデータの収集に注力することになる。その際,関係する地方公共団体と連携し, 広域的に同じ種類や粒度のデータを収集することと,それらのデータ形式の標準化 が重要になる。また,「インテリジェントICT」の社会実装プロセスは成熟された ものではないため,様々なアイデアやそれらを組み合わせてトライアンドエラーを 繰り返すことになるが,単独の取組では,ビジネスにつながる汎用的な解を見つけ ることが困難である。 そこで,まず連携中枢都市圏のスキームを活用し,7市3町による連携を基礎と して事業を推進する。更に,先行型交付金(タイプⅠ)事業の遂行等を通じて形成 された各種協議会,研究会及びシビックテックのコミュニティ等との連携体制を活 用する。 このことにより,サービスエリアの拡大によるビジネス化の促進だけでなく,デ ータ整備の相互支援と広域標準化,新サービス開発に向けたアイデアの創発等の相 乗効果が期待できる。 【政策間連携】 ・IoTやAI等の「インテリジェントICT」を活用した高度データ利活用推進政策は,教 育,健康,商工業,農林水産等あらゆる分野の政策の基盤となるものであり,それ ら全ての領域と今後深く連携する計画であるが,「インテリジェントICT」事業の 一般向けスタートアップ・サービスとして,最初にターゲットとする領域と,本事 業のポリシー的視点における連携政策について下記に示す。 (観光振興政策) IoT技術で圏域全体のデータを収集しつつ,本年度は特に「観光」と「文化」に注 力した知識ベースを構築する計画である。これを知識源とし,音声応答に対応した AIアシスタント・サービスを構築する。これにより,観光サービスを向上させると ともに,ICTやAIに興味を持つ個人やコミュニティを観光客として誘引する。 なお,IoT部分については,昨年度から観光振興事業で整備を進めている「倉敷 5 Free WiFi」のインフラを活用する計画である。 (企業誘致・移住促進政策) 交付対象事業及び関連事業で実現する,①データが収集,活用しやすい圏域②デー タサイエンス分野の有スキル者が集めやすい圏域③IoTやAI等の「インテリジェン トICT」の社会実装を先進的に推進する圏域の3点を全国にアピールし,それによ り「インテリジェントICT」関連の事業者や有スキル者を誘引する。 (大学連携政策) 交付対象事業の目的の1つには,地元大学等で高度なデータ利活用技術及びIoTや AI等の「インテリジェントICT」について学んだ学生の地元定着がある。これを実 現するためには,事業自体及び事業推進主体等の認知度や魅力を高める必要がある。 このことに向けて,特に情報工学系の大学研究室と定期的に情報交換の場を設け, アルバイトやインターンを受け入れるほか,研究協力やCOC+の適用についても前向 きに協議を進めている。 【自立性】 ・オープンデータ及びその機械判読化や標準化について,必要性は認識しながらも実 現できていない団体が多い。一方,データを活用する立場からすると,「AI」やそ のベースとなる「ビッグデータ」や「オープンデータ」といった言葉がマスコミに 取り上げられる機会が増えてきており,データ保有事業者,特に自治体に対しオー プンデータ化を求める声が,今後益々大きくなると思われる。 このアンマッチにより,オープンデータ化支援やデータクレンジングに関する全 国規模のビジネスチャンスの今以上の拡大が予想される。従って,従来はデータ利 活用ニーズよりも先にトップダウン政策によるオープンデータ化が進められたが, 今後はニーズが先に来ることに留意すべきと考える。こうした流れの中で,今後は 使いやすい形式でのオープンデータが求められるため,既にカタログサイト等に登 録済のPDFや機械判読が困難なデータにまで遡って,膨大な量のデータ整形や標準 化といったデータクレンジングのニーズが生じると予想する。 また,データ利活用ニーズの高まりに伴い,それに対する教育に関するビジネス チャンスが生じる。一方で,検定2級以上の統計学やビッグデータの取扱いやAIの 適用については専門性が高く,自社社員に対する教育ニーズよりも業務委託に係る ニーズが高くなる。特に,この部分については付加価値額が高く,本事業の遂行を 通じて「インテリジェントICT」に関するスキルを身につけた事業推進主体の自立 性及びその規模の拡大が十分に期待できる。 【その他の先導性】 【事業推進主体の形成】 ・平成27年に地方公共団体情報システム機構の地方支援アドバイザー(元岡山県IT 6 戦略推進監)を代表理事とし,地域のIT事業者の出身者7名及び工学系の学生が 主要メンバーとなる一般社団法人データクレイドルを設立した。団体に対して, 地元大学の教授(工学,統計学)及びマーケティングやデータ分析・ビジュアラ イズ分野等の全国的なプレーヤーによる支援体制が確立している。なお,当該法 人が事務局となり,シビックテックの任意団体である「Code for Kurashiki」が 設立され,現在も大学のIoT関連の研究支援等を実施している。 ・業務遂行能力については,先行型交付金(タイプⅠ)事業において,新法人の立 ち上げや,それに伴う融資交渉を含む委託業務を完遂した実績がある。なお,新 事業分野に不足していたデータサイエンスやデータビジュアライズ等に関するス キルについては,その幅広い人脈で圏域内外から専門家を見つけ,強力な支援ネ ットワークを形成したことから,交付対象事業で新たに導入するIoTやAI等の 「インテリジェントICT」の分野においても,支援ネットワークを更に拡充し, 事業遂行が可能であると見込んでいる ・事業推進主体の代表理事が経営責任を負う。なお,同法人は,交付対象事業及び 関連事業等の実績をベースとし,かつ関連事業者等から出資を募り,公益社団法 人化を推進する計画がある。 【地方創生人材の確保・育成】 ・「インテリジェントICT」によるものを含むデータの高度利活用を,自組織の経 営戦略等に生かしたいというニーズは地方においても高いが,現状においては首 都圏のデータサイエンティストに委託することになる。しかしながら,首都圏の データサイエンティストと,該当地域に定着しているデータサイエンティストで は,スキルレベルが同等だとしても,該当地域に精通している度合いが違うため, より実態に即した回答が期待できる。もちろん,必要となる費用も大きく異なる ことが予測される。ここに,地域独自のデータサイエンティストのニーズがあり, その対応レベルは,昨今のICTの環境変化を踏まえると,IoTやAI等の「インテリ ジェントICT」を実装可能なレベルになると考える。 ・事業推進主体が,地元大学の学生も積極的に受け入れながら,市の委託業務の遂 行を通じて人材育成を図る。この際,当面不足する基礎スキルについては,地元 学術機関やシビックテック団体及び大手ベンダの研究者やエンジニア等から技術 移転を受けることになる。なお,その協力体制は先行型交付金(タイプⅠ)事業 の遂行を通じて形成済である。 【狙う市場や実現したい将来像】 ・地方の自治体や中小事業者を対象としたIoTやAI等の「インテリジェントICT」を 含むデータ利活用市場におけるエキスパート集団となることを狙う。今後あらゆ る分野でのデータ利活用は拡充されると予想されるが,多くの地方中小団体は大 7 手コンサル系ベンダ等を活用することは困難であり,そこをカバーすることで地 域課題の解決とビジネス化を同時実現する。 【地域の強み】 ・既に,複数の自治体と協働関係にある公共データサイエンティスト法人が設立さ れている点が強みである。外部有識者からは,法人組成の経緯や複数の自治体に またがる活動が先駆性のある特徴と評価いただいている。また,「まち・ひと・ しごと創生会議」構成員であり「IT総合戦略本部」本部員である首長の理解と推 進力も当地域の強みである。 【直接性】 ・倉敷市の成長戦略の1つとして注力している圏域で活動する「公共データサイエ ンティスト」の育成・強化につながる「しごと」を直接創生する。その成果物を プロモーション素材としても活用し,ノウハウを展開することで地方から全国へ の横展開による「しごと」の受注を促進する 【新規性】 ・公共データサイエンティスト法人による地域課題解決とビジネス化の両立モデル は新規性が高いと考えるが,更に,IoTやAI等の「インテリジェントICT」の社会 実装を自治体として事業化することは,これまでAPPLICが発行するICT利活用事 例集等で見たことはない。この新規性と加速化交付金事業による,データと人材 の確保のしやすさをセールスポイントとして,IoTやAI等の「インテリジェント ICT」事業者の誘致を推進する。 4 重要業績評価指標(KPI)及び目標年月 平成28年度 平成29年度 平成30年度 事業推進主体の受注額(交付対 象事業及び地方創生加速化交付 500万円 4000万円 1億5000万円 2件 3件 5件 2人 2人 2人 金事業によるものを除く。) 開発したインテリジェントICT サービスの数 AIの実装に対応可能な公共デー タサイエンティスト数 5 評価の方法,時期及び体制 ①地域の有識者等による検証:毎年度秋頃を目途に,外部有識者会議や地方創生 等特別委員会でKPIを含めた事業の状況を報告し,検証を行う。KPIの達成度が著し く低い場合は,事業の見直しを行うとともに,結果を市のホームページに掲載して 公表する。 ②総務省「地域情報化アドバイザー制度」を活用した事業検証(年3回程度実施) 8 :上記①の検証は幅広い事業が対象となる。したがって,交付対象事業に特化した密 度の高い評価を実施するために,総務省による有識者派遣制度を活用しての検証等も 別途実施する。 なお,検証に必要となる,サービスの利用状況データや蓄積されたデータに関す る統計データについては,データビジュアライズコンテンツが作成され次第,先行 型交付金(タイプⅠ)事業で構築した圏域データポータルサイトで公開する予定で ある。 6 交付対象事業に要する費用 ① 法第5条第4項第1号イに関する事業【A3007】 ・総事業費 149,869千円 7 事業実施期間 地域再生計画認定の日から平成31年3月31日まで 5-3 その他の事業 5-3-1 地域再生基本方針に基づく支援措置 該当なし 5-3-2 支援措置によらない独自の取組 (1)データで紡ぐ高梁川流域加速化事業・・・① テレワークで紡ぐデータキャピタル事業・・・② 事業概要:①「データで紡ぐ高梁川流域連携事業」ではミニマム環境による調査 ・研究に留まったビッグデータの取扱いを本格化し,Hadoop等か らなるビッグデータの蓄積や分析が可能な環境(データレイク) を整備するとともに,具体的なサービスを立ち上げる。また,オ ープンデータをLODや共通語彙基盤に対応させるとともに,データ セットや分析・ビジュアルコンテンツを順次拡充していく。 ②データ利活用を推進するにあたり,オンラインと対面によるデータ サイエンティスト(初級~中級)育成のための学習コンテンツサ ービスを整備するとともに,その修了者の中から希望者を圏域テ レワーカーとして登録し,データの収集やクレンジング及びデー タコンテンツの解説ライティング等の業務を委託する。なお,当 該事業で整備したテレワーク環境は,順次データ利活用事業以外 にも順次展開する計画である。 補助制度名:地方創生加速化交付金 事業主体:倉敷市 事業期間:平成28年度 (2)データで紡ぐ高梁川流域連携事業 9 事業概要:高度データ利活用のノウハウを圏域(7市3町)内で蓄積・運用し,公 共的な高度データ利活用サービスを提供する「公共データサイエン ティスト」を育成・移入するとともに,そのスキル・シェアリング の拠点となる「公共データサイエンティスト法人」を整備して,連 携中枢都市圏の地方公共団体と「高度データ利活用圏域」を共創す るもの。 具体的には,一般社団法人が設立され,当該法人により,データ 形式を標準化したオープンデータカタログサイトの運営,各種のオ ープンデータ等を組み合わせた分析・ビジュアルコンテンツの公開, セミナーやイベントの開催,圏域住民が無料で利用できるデータ分 析サロン運営が実施されている。 事業主体:倉敷市 補助制度名:地方創生先行型交付金(タイプⅠ) 事業期間:平成27年度 (3)情報政策企画事業 事業概要:国,他自治体及びICTの動向把握に努め,市全体の情報戦略を策定・ 遂行するとともに,ICTに係る市全体のプログラムマネジメントを行 うもの。 事業主体:倉敷市 事業期間:平成20年度~ 6 計画期間 地域再生計画認定の日から平成31年3月31日まで 7 目標の達成状況に係る評価に関する事項 7-1 目標の達成状況に係る評価の手法 毎年度,外部有識者会議や地方創生等特別委員会でKPIを含めた事業の状況を報告し, 検証を行う。また,総務省の「地域情報化アドバイザー制度」を活用した事業検証も, 同時に行う。なお,設定した各KPIついては,事業推進主体からの報告により把握する。 7-2 目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容 毎年度秋頃を目途に,達成状況を企画経営室が取りまとめて報告し,KPIの達成度が 著しく低い場合は,事業の見直しを行う。 7-3 目標の達成状況に係る公表の手法 地域再生計画の目標の達成状況について,毎年度結果を市のホームページに掲載して 公表する。 10