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CaN International Group News letter 2015年12月号(Vol. 15) 本ニュースレターは、CaN International Groupの関係者の皆様に、各国における新規トピックス、CaN International Groupの連絡事項等についてお知らせし ております。掲載情報に関しまして、当社は細心の注意を払っておりますが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。 【目次】 Ⅰ 最新の各国動向 ■ⅰ) TPPの大筋合意内容と、アジア(マレーシア、ベトナムなど)への海外進出への影響…P,2 ■ⅱ)アジア、家電市場規模、約150億米ドルに拡大~韓国企業のシェア獲得~…P,3 今月の出張レポート 『イギリス/ベルギー』 ***今月の筆者: China代表 星野海***…P,4 Ⅱ 諸制度ハイライト ■ⅰ) ■ⅱ) Ⅲ 日台、租税協定の締結へ…P,7 カンボジア、縫製・製靴業の月額最低賃金140米ドル(約17,200円)に…P,8 CaN からのお知らせ ■ⅰ)12月3日にCaN International Groupが3周年を迎えました!…P,8 1 ⒸCaN International Group Ⅰ 最新の各国動向 ■ⅰ) TPPの大筋合意内容と、アジア(マレーシア、ベトナムなど)への 海外進出への影響 今回のTTP(環太平洋戦略的経済連携協定)によって、アジアでは特にマレーシアやベ トナムなどにおける規制が大幅に緩和される可能性があり 、その場合日系企業の海外 進出にとっては追い風となる。業界ではコンビニエンスストアなどの小売業や、金融機 関、IT系企業等がサービス展開をしやすくなる。各業界別の合意内容と各業界企業の声 は下記表の通りである。 (参考)TPP合意内容と業界の声 業種・品目 TPP合意内容と業界の声 ・マレーシアでは、コンビニへの外国資本の出資が可能に。 ・ベトナムでは、協定発効から5年後に、外資系小売業の2店目以降の出店に 際する政府審査が不要になる。 ・ファミリーマートの中山勇社長は「ベトナムなどアジアで店舗網を増やそうと 小売り しており、マレーシアにも興味がある(まだ進出していない)マレーシアは有望な フロンティア。規制がなくなるなら歓迎だ」と語っている。 ・アジアへの出店を進めるイオンでは、2014年にベトナムに初出店する際、同国の 小売業規制をクリアするために4年を費やしていた。小売規制の緩和が、進出を 金融機関 後押しする。 ・マレーシアでは、外国銀行の支店数の上限が引き上げられる。 ・ベトナム、マレーシア、ブルネイで、公共事業の受注条件が緩和される。ただし、 建設会社 各国で独自の建築基準が残る可能性もあり、「現状と大きく変わらない恐れも ある」(ゼネコン大手幹部)との慎重な見方もある。 ・現在、ベトナム、マレーシアで厳しく規制されている、格安スマートフォン業界の 通信 知的財産 外資系企業の参入規制が緩和される。 ・NTTコミュニケーションズは既に、ベトナムやマレーシアの政府に対して、「仮想 移動体通信事業者(MVNO)」(回線の再販売を行う業者)として進出するための 法規制について、ヒアリング調査を始めたという。 ・インターネット上で販売されるコンテンツ、電子書籍等に関税をかけることが 禁止される。 電子商取引 ・必ずしも明確でなかった各国のルール整備が進む。通関の迅速化が見込まれ、 (EC) 現地拠点がなくても通販などの事業が可能になる。 (出典)2015/10/23 日本経済新聞よりCaN International作成 2 ⒸCaN International Group 経済産業省では、TPPの大筋合意を受け、今後、中小企業の海外進出を支援するため、 国や地方、日本貿易振興機構(JETRO)などの相談窓口を一本化し、海外展開の実績をも つOB・OGなどを専属アドバイザーとして企業に派遣していく方針であることを明らかにし た。中小企業1,000社の海外進出を目標として、進出先の商習慣、法制度、貿易保険、また、 政府系金融機関による低利融資の活用法などをアドバイスする。 ■ⅱ) アジア、家電市場規模、約150億米ドルに拡大 ~韓国企業のシェア獲得~ ユーロモニターによると、アジア主要6カ国(タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポー ル、ベトナム、フィリピン)の家電4製品(洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビ)の市場規模は 過去4年間で約7割増加し、2014年には約150億米ドルに達した。 アジアの家電市場 が拡大する中、近年、 LG電子やサムスン電 子などの韓国勢が大 きなシェアを握り始め ている。価格の安さや、 デザイン、機能の選択 肢が豊富なことに加 え、地域に密着した商 品開発、広告戦略によ り、以前、日本勢が高 いシェアを誇った分野 や地域でも数年で シェアが逆転してしま うといった事態も発 生している。 家電業界のシェア の変遷は急速である ほか、自動車業界と比 較してもそのサプラ イチェーンは流動的 である。 サプライヤ―企業 はこうしたセットメー カーの経営状況、戦略 の動向を注視し、柔軟 に対応していくことが 求められる。 (出典)2015/11/20 日本経済新聞 3 ⒸCaN International Group 今月の出張レポート 『イギリス/ベルギー』 ***今月の筆者 : China代表 星野海*** 本コーナーでは、 CaN International Group社員の出張記を通して、各国の状況をご紹介します。 <イギリスの参考データ> [人口] 約6,411 万人 [面積] 約24万km [星野よりご挨拶とコメント] (日本の約3分の2) [首都] ロンドン [宗教] キリスト教(カトリック) [主要産業]自動車、航空機、電気 機器、エレクトロニクス、化学、石油、 ガス、金融など [1人当たりGDP]約46,000ドル <ベルギーの参考データ> [人口] 約1,125万人 [面積] 約3万km (四国地方の約1.5倍) [首都] ブリュッセル [宗教] キリスト教(カトリック) [主要産業]石油化学工業、非鉄 金属工業、自動車、食品工業など [1人当たりGDP]約48,000ドル <筆者: 星野より挨拶> はじめまして。CaN International China代表の星野です。先日、中国の連休、国慶 節(10月1日~10月7日)を利用して、9月25日から10月6日の12日間、イギリスとベル ギーに視察旅行に行ってまいりましたので、現地情報を皆様にお届けさせていただ きます。 イギリス、ベルギーには約20年ぶりの渡航となりましたが、旅行中は最終日を除い て快晴が続き、素晴らしい青空に迎えられました。相変わらず空気汚染のひどい中国 に住み慣れた身としては、それが如何に素晴らしいことか実感させられました。 4 ⒸCaN International Group ******* イギリス / ベルギー の旅行情報 ****** ATM / 現地での両替 イギリスのATM 欧州ではATMやキャッシュディスペンサーが、空港、駅、 ショッピングモールだけでなく、街中のビルの外壁、ガソリ ンスタンドなど、いたるところにあり、為替レートも比較的 良いため大変便利です。事前両替なしにイギリスやベル ギーに旅行しても、都市部なら何とかなると思います。 尚、中国大陸や香港の銀行カード(銀聯やPLUSのつい ているカード)も問題なく使用することができました。 現地のアジア人旅行客 国慶節のシーズンであったこともあり、中国からの 旅行者は通常の何倍もの人数だったのではないでしょ うか。場所によってばらつきはありますが、観光地では アジア系の半分以上は中国人、以下順に韓国人、日本 人、東南アジアの人がいたように思います。 (出典)地球の歩き方HPより 現地では日本人はほんの少数しかいませんので、現地の客引きからも「你好」と声を 掛けられることが度々ありました。また、現地のヨーロッパ人旅行客からも、日本人であ ることを告げると大変珍しそうな顔をされ、欧州でも中国人の存在感が強いことが窺 がえました。実際のところ、中国人はツアー参加が多く集団で行動するため、ひと際目 立つのかもしれません。 英国をはじめ欧州は、中国に対して比較的宥和であると言われますが、中国旅行客 に対しても歓待ムードのようでした。 難民問題と治安 (注:執筆時点は2015年10月) 難民問題が取り沙汰されている中での訪欧でしたが、影響はあまりないように感じ ました。但し、ベルギーの一部地域では治安が問題になっているようで、南欧のそれと 同様な雰囲気を察することが出来ました。 欧州は、旧植民地また東欧から人が流入し既に多様な人種が混ざった社会として道 を進めて久しい状況となっています。それが欧州(特に西欧)を今まで曲がりなりにも その地位にとどまらせたのだと私は考えています。他方、国家と最適通貨圏という制 度の兼ね合いで、ドイツを中心とする経済成長の恩恵を受けている場所と、ギリシャを 筆頭とするマージナルで若者を中心として失業率の非常に高い社会とが、分かれてし まっているかのような格好となっているとも感じています。 今回の訪欧で、これを改めて実感するとともに、今回のシリア難民問題を含め、一層 の多様化が進んでいくのであろうと考えました。 ******************************** 5 ⒸCaN International Group ************** イギリス ************* イギリス:通貨ポンド イギリスはEUに加盟しているもののユーロ通貨を導入しておらず、イギリス独自のポ ンド通貨を使い続けています。世界の外貨準備高に占める英ポンドの割合は、米ドル(約 64%)、ユーロ(約21%)に次いで約4%を占める日本円と同程度です。ポンドに限った話 ではないですが、外国為替市場ではポンドの取扱高は実需に比して多く、ポンドの対ド ル、対ユーロや対円取引は為替取引でもメジャーな取引のひとつとなっています。 過去15年間のポンド・円月足チャートを見ると、1ポンド=120円から240円の間を推移 しており、2015年11月現在は1ポンド=180円程度と、ほぼ中央・平均値となっています。 購買力平価(消費)の観点からすると1ポンド=180円は高いという意見もありますが、 個人的には、何故ポンドが割高なのかについて考えをめぐらせると、経済学の枠を超 えて楽しめます。 カナリー・ワーフ(ロンドン) イギリス:新興金融エリア、カナリー・ワーフ 今回、イギリスの新興金融エリアであるロンドンのカ ナリー・ワーフにも立ち寄りました。 リバーサイドにある金融機関を中心としたビジネス 街で、昔からインド系、アラブ系、アフリカ系の方も多く 勤務されており、アジア系の人は非常に少ないようで した。 (出典) National Geographicより 因みに、ロンドン市内の別のエリアのレストランでは、 日本人商社マンと思われる方々がヨーロッパ人とラン チミーティングをしている姿を見かけましたが、まだ まだビジネスシーンでの東洋人の存在はかなりの少 数派です。もちろん、英国の就業ビザを取りにくいと いう状況も強く関係があるでしょう。 イギリス:スコットランドの資産運用業 アバディーンをはじめ、イギリスは地方都市でもブティックファーム的な資産運用業 が盛んです。スコットランドの首都、エディンバラにも投資ファンドがいくつかあります。 私自身、過去にシンガポールでファンド運用業を営んでいたこともありますが、この ような場所《法・税務・金融・ITなど高度なビジネスインフラが整備されているうえ、自 然が豊かで、生活環境が良く、伝統が維持されている一方クリエイティビティが喚起さ れるような場所》で資産運用業を行えるのは非常に羨ましいと思いました。 ******************************** 6 ⒸCaN International Group 日本の(そして中国も同様と思いますが)資産運用業に対する思想の違いをまざま ざと見せつけられたような気がします。資産運用には何が必要かということについて、 星野は英国の思想に賛意を表します。 ************** ベルギー ************* グラン=プラス大広場(ブリュッセル) ベルギー:ブリュッセルの言語事情 ベルギーは南北でオランダ語圏 とフランス語圏に分かれています が、北側のオランダ語圏に位置す る首都ブリュッセルでは、フランス 語が公用語とされており、フランス 語圏が孤島状態となっています。 実際に、現地でお店に入ると、店 員からは基本的にはフランス語で 対応されました。 (出典) http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage646 南北は公式に「言語境界線」として線引きされており、北部のオランダ語を利用する 地域が人口の約60%、南部のフランス語を利用する地域が約40%を占めています。市 役所などの公的機関でも、オランダ語以外、フランス語以外の使用が禁じられている場 所もあり、言語間の対立はその歴史とともに根深いものがあります。 ブリュッセルではEUの本部が置かれていることもあり、英語も通じます。ただし、観 光客エリアから少し離れると英語が片言になったり、通じにくい場合もあります。 ******************************** Ⅱ諸制度ハイライト ■ⅰ) 日台、租税協定の締結へ 日本と台湾は、2015年11月25日、26日に東京で開催された「日台貿易経済会議」にて、 二重課税などを防ぎ、両国間の投資を促進することを目的として、早期に租税協定を結 ぶための覚書を交わした。 日台租税協定が実現すれば、例えば台湾に所在する日系企業(子会社)が日本の親会 社に配当金を送金する際の、20%の源泉徴収が軽減されることになる。また、日本から 台湾への長期出張者に対する二重課税も回避できるようになるため、台湾へ進出して いる企業のみならず、取引先に台湾企業がある会社などにも広くメリットがある。 台湾の馬英九総統は、以前より日本との友好的な経済関係の構築を重視しており、今 後は自由貿易協定(FTA)等も視野に経済連携を強化したい考えだ。 7 ⒸCaN International Group ■ⅱ) カンボジア、縫製・製靴業の月額最低賃金140米ドル(約17,200円)に カンボジアでは、縫製・製靴業の工場作業員の最低賃金を1ヵ月当たり140米ドルとする 法案が可決され、2016年1月1日より適用される。今回の改正で、現在の月額最低賃金は 128米ドルから12米ドル(9.4%)大幅に上昇することになる。 カンボジアでは、これまでも、最低賃金が急激に上昇してきた。2012年時点では月額 61米ドルであった最低賃金が、4年で約2.3倍に増加したこととなる。最低賃金の引き上 げによってカンボジア国内の内需振興が期待されるものの、日系企業を含む外国投資 家の投資心理を冷やしかねないため、今後、同国には、物価上昇率など、実態に則した 賃金決定が期待される。 Ⅲ CaN からのお知らせ ■ⅰ) 12月3日にCaN International Groupが3周年を迎えました! CaN International Groupは、おかげさまで2015年12月3日に設立3周年を迎えました。 これもひとえに皆さまのご支援の賜物と、深く感謝いたしております。今後もより一層、 サービス向上に努め、みなさまから末永く愛される会社を目指してまいります。今後と もCaN International Groupをどうぞよろしくお願い致します。 3周年記念:銀座のおしゃれなレストランにて 8 ⒸCaN International Group CaN International Group Contact ◆Tokyo / Singapore(山岡) 03-6280-3660 [email protected] ◆China(星野) hoshino @caninternational.co ◆Hong Kong(湊) [email protected] ◆Thailand(小田) [email protected] ◆Vietnam/Cambodia(安藤) [email protected] Our Services 1.海外進出コンサルティング 4.地域統括拠点コンサルティング クロスボーダーに係るコンサルティング業務 2.クロスボーダーM&Aコンサルティング 5.海外コンプライアンス業務 3.国際税務コンサルティング 6.各種国内税務業務(CaN International 税理士法人) 大久保 昭平 CaN International Group代表 公認会計士。立命館大学卒業、早稲田大学大学院修士課程修了(ファイナンス)。2003年、新日本監査法人入所。監査業務、 コンサルティング業務経験の後、2010年、SCS Global(シンガポール)に参画し、2011年、SCS Global Financial Advisory Pte. Ltd.設立、代表取締役就任。2012年、日本に帰国しCaN International Group設立、代表に就任。 清水 厚 CaN Accounting Advisory(株) 代表取締役 公認会計士。一橋大学商学部経営学科卒業。監査法人トーマツ、Deloitte & Touche LLP トロント事務所駐在を経て、 CaN Accounting Advisory(株)を設立、代表取締役に就任。2013年5月CaN Internationalに参画、パートナーに就任。 星野 海 CaN International China代表 公認会計士。東京大学文学部歴史文化学科卒業。三井物産、KPMG、シンガポールでの資産運用会社設立を経て、 2013年CaN Internationalに参画、中国を中心に星海財務コンサルティングを設立し、執行董事・総経理に就任。 安藤 崇 CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd 、CaN International Advisory Cambodia Co.,Ltd.代表取締役 南山大学法学部卒業。一般事業会社、NAC国際会計Groupなどを経て、日系企業のベトナム進出プロジェクトにて 現地法人の設立及び立ち上げ業務を経験。2014年、CaN Internationalに参画し、CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd、 CaN International Advisory Cambodia Co.,Ltd.の代表取締役。 湊 崇宏 CaN International Advisory (HK) Limited 代表取締役 公認会計士。東京都立大学経済学部卒業。あずさ監査法人、(株)コーポレート・アドバイザーズ、SCS globalを経て、 2015年CaN Internationalに参画し、CaN International Advisory (HK) Limited の代表取締役。 9 ⒸCaN International Group