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富士通 - Fujitsu

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富士通 - Fujitsu
富士通研究所
会社案内
デジタル社会での共創に向けた
ヒューマンセントリック・イノベーションの実践
富士通研究所は、最先端テクノロジーの研究開発とそれを
昨今の変化の激しいデジタル社会において顧客企業の成
活用するビジネスモデルを創出することで、社会に大きな変
長戦略を強力に推進するために、次の三つの施策を実行して
革を起こし、富士通グループの成長に貢献することをミッショ
います。一つは、世界中の人々が驚き、感動する研究開発成
ンとしています。具体的には、グローバルな視野で ICT に関わ
果を継続的に生み出し発信していくこと。次に、多くの研究開
る、先端材料、次世代素子、ネットワーク、クラウドシステムの
発成果をグローバルな規模で PoC や PoB に早期に展開する
研究開発から次世代のソリューション/サービスの創出まで、
こと。そして最後に、世界に通用する新たなビジネスモデルを
幅広い分野の研究開発に取り組んでいます。
創出し、ビジネスイノベーションを起こしていくことです。
ICT の 急 速 な 進 展 や Mobile、IoT、Big Data、AI、Security
このような考え方に基づき、富士通研究所は、全世界富士
など新しい先端技術の融合により、かつてないスケール、
通グループの従業員 16 万人と共働して、デジタル社会での
スピードであらゆるものがつながり、人、モノ、情報、コトがデ
共創に向けた先端テクノロジーを開発すると共に、人を中心
ジタル化していきます。ビジネスや社会のデジタル革新を起
とした新たな価値創造「ヒューマンセントリック・イノベーショ
こすためには、テクノロジー、製品、サービス、ビジネスモデル
ン」を実践していきます。
をデジタルで動的につなげる「共創の場」としてのデジタルビ
ジネス・プラットフォームが必要となってきます。この実現に
向けて、富士通研究所は、次世代 ICT システムの中期的ビジョ
ンとして「ハイパーコネクテッド・クラウド」を掲げ、新たな研
究開発を推進すると共に、このプラットフォームによりデジタ
ル社会における異業種・異分野間のエコシステムを共創して
いきます。
株式会社富士通研究所
代表取締役社長
佐々木 繁
ICT:Information and Communication Technology
IoT:Internet of Things
AI:Artificial Intelligence
PoC:Proof of Concept
PoB:Proof of Business
02
FUJITSU LABORATORIES LTD.
ハイパーコネクテッド・クラウド
Service-Oriented Connection
サービスをダイナミックに統合し共創ビジネスを展開
Web Scale ICT Infrastructure
必要な技術を常に取り込み進化し続ける ICT インフラ
Core/Front Network Fusion
仮想化により物理からサービスまでをつなぐネットワーク
AI(Artificial Intelligence)
あらゆる製品、機能やサービスをインテリジェント化
Security
サイバー、IoT、個人認証、プロダクトまでを守る統合したセキュリティ
応用研究
新ビジネス共創に向けた PoC、PoB を推進しソリューションを早期創出
先端基礎研究
ICT の限界に挑む研究開発を推進しイノベーションを創出
FUJITSU LABORATORIES LTD.
03
Service-Oriented Connection
ビッグデータ、ナレッジから生み出される新たな価値やアプリケーション、
サービスをダイナミックにつなぎ統合する技術の研究開発を行っています。
● ナレッジインテグレーション
グローバル化やニーズの多様化、システムの複雑化が進展する現在、ますます人やサービスが垣根なくダイナミックにつながっていく
社会へと変化していきます。このような環境の変化に対応し、イノベーション創出によるビジネス拡大を実現するためには、自社内の知識
や技術だけでなく、広く世の中で用いられているオープンな知識や技術も積極的に取り込み、活用していくことが求められています。
「ナ
レッジインテグレーション」では、内外に存在する知識やサービス、データを活用し融合させ、新しい価値を生み出すシステムを迅速に構
築するための研究開発に取り組んでいます。
基幹系
ソフトウェア開発技術
サービス指向型
ソフトウェア開発技術
アプリケーション解析技術
機能
既存システム
差異化部分を開発
API
リファクタリング
API
SoEシステム開発技術
機能
機能
API
API
新規ビジネス創出
PoC
プロト
タイピング
組立て型
開発技術
アイデア
サービス化
API
サービス
API
API
API
API
サービス サービス
サービス
サービス
パブリック クラウド
プライベート クラウド
IoT
モバイル
AI
基幹系ソフトウェア開発技術
サービス指向型ソフトウェア開発技術
SoE システム開発技術
現在稼働中の業務アプリケーションを、
クラウドを前提とした変化に強く新しい価
値創出に適した次世代型に作り替えるため
の開発技術に取り組んでいます。特に、ク
ラウド上に蓄積されたソフトウェア資産や
各種の履歴などを活用して、組立て型開
発・シナリオ開発の形態になったときに重
要となる開発効率化と品質向上を実現し
ます。
オープン/プライベートを問わず内外
に存 在 するサ ービスやデ ータを活 用し
た、新しいスタイルの業務アプリケーショ
ン開 発 技 術に取り組 んでいます。特に、
サ ービス/ API の 組 立 て 型アプリケ ー
ション開発において、クラウドアプリケー
ションをターゲットとして開発の容易性と
信頼性を確保する技術の研究開発を進
めています。
人やモノがつながり、新たなイノベー
ションを 創 出 するシ ステ ム(System of
Engagement:SoE)を 迅 速 に 開 発 する
ための技術に取り組んでいます。特に、モ
バイルや IoT を活用してクラウド上で素早
くアプリケーションを試作し、実際に使用
した利用者からのフィードバックを受けて
改良する、繰り返し型の開発技術を実現
します。
04
FUJITSU LABORATORIES LTD.
●
IoT インテグレーション
モバイル/IoT の普及により、人が活動する実世界の状況を高精度にデジタル化し、成長の加速やビジネスモデルの革新、共創による新
市場開拓を図る「デジタル革新」が急速に広がっています。
「IoT インテグレーション」では、業務システムからモバイル/ IoT までのあらゆ
るアプリケーション/サービスを縦横無尽につなげ、実世界の人・モノの情報をシームレスに活用したサービスを創出する IoT インテグ
レーション基盤の研究開発に取り組んでいます。 SoEサービス
共創・異業種連携
組立て型開発
IoTインテグレーション基盤
実世界連動型サービス提供
実世界仮想化
モバイル・IoT
ヒューマンインタラクション
工場・施設
店舗・病院
インフラ・公共
ホーム
実世界連動型サービス提供技術
実世界仮想化技術
ヒューマンインタラクション技術
現場ワーカーや一般消費者をデジタル
世界に自然と巻き込みデータ化していくた
めには、今以上に使いやすくセキュアな
サービスを提供する技術が必要になりま
す。この研究では、実世界の人やモノの状
況に合わせてタイムリーかつ快適・安全に
サービスを提供する実世界連動型のサー
ビス提供技術に取り組んでいます。
実世界の人やモノとクラウドのサービ
スとを簡単かつ柔軟につなぐため、端末
やデバイスの種類、無線接続状態などを
サービスから隠ぺいするデバイス仮想化
技術、人やモノの情報をデジタル世界に
写 像して API 化するオブジェクト化 技 術
に取り組んでいます。
多種多様なデバイスが普及する IoT 時
代には、人と ICT のインタラクション手法
も進化します。ここでは、スマートファシリ
ティ、パーソナルロボット、ウェアラブルシ
ステムなど、画面やキーボードなどの物理
制約を越えた新しいヒューマンインタラ
クション技術の研究開発に取り組んでい
ます。
FUJITSU LABORATORIES LTD.
05
Web Scale ICT Infrastructure
人、モノ、情報からサービスまで、全てがつながり連動するクラウドシステムを構築するための、
ICT インフラおよび ICT プラットフォームの研究開発を行っています。
● 新世代クラウドプラットフォーム
人・モノ・環境の全てがつながりデジタル化されていく今後の ICT システムは、従来の自社運用(オンプレミス)に加え、各種クラウド
サービスだけでなく、様々な業種の様々な現場に存在する端末やデバイスが広域かつ複雑につながり稼働するシステムとなります。
「新
世代クラウドプラットフォーム」では、いろいろなシステムや場所に存在するデータやアプリケーションを無意識にストレスなく利用するた
めに、仮想的なクラウドを実現する技術やそれらをサポートする技術などの研究開発に取り組んでいます。
ICTリソースを最適配分する分散クラウド
IoTデータ
分散クラウドフュージョン技術
パブリック クラウド
ホステッド
データ処理
蓄積・分析
次世代データ
活用基盤
IoTデータ
オンプレミス
クラウドシステム
ソフトウェア技術
高い信頼性でサービスを提供
サービス利用者
クラウドシステムソフトウェア技術
分散クラウドフュージョン技術
多様化し、変化するお客様の要件に対し、お客様の自社運用(オ
ンプレミス)クラウドとの接続も含め、各種クラウドサービスを高い
信頼性で、柔軟かつ迅速に提供しつづけるクラウドシステムを実現
するソフトウェア技術を研究開発しています。
現場の環境変化によるレスポンス悪化やシステムの不安定化に
対し、稼働する多数のシステムの大量データを最適な場所で効率
良く収集・分析・活用することで、レスポンス向上やトラブル予防・
早期復旧により新たなサービスを創出するデータ処理とアプリ
ケーション配備技術を研究開発しています。
06
FUJITSU LABORATORIES LTD.
●
ICT インフラ技術
IoT 時代では様々なセンサーやデバイスから膨大なデータが生成され増大するため、データの管理を容易にし、かつ高速に処理する必
要があります。
「ICT インフラ技術」では、増大するデータの高速処理に向け、半導体の微細化技術に依存した従来の汎用的なコンピュー
タではなく、用途に特化した新たなアーキテクチャーによる高性能化の研究開発を進めています。さらに、小型で高速・低消費電力化を
目指した次世代実装技術の研究開発も進めています。また、IoT 時代の多様なデータ活用に向け、データを効率的に管理して活用する仕
組みの研究にも取り組んでいます。
ドメイン指向コンピューティング
次世代データシステム
ものづくり技術の知能化/自律化
従来の汎用的なサーバは性能の限界を
迎えつつあります。次世代のアーキテク
チャーとして、FPGA や GPU などの専用エ
ンジンを用いて人工知能やメディア処理と
いった特定の領域で性能・機能を発揮で
きるドメイン指向コンピューティングとし、
そ れらを効 率 良く実 行させるサ ー バと
データセンター技術の研究開発に取り組
んでいます。
IoT デバイスの登場により、データシス
テムが活用できるデータが多様化すること
で、様々な形で共創が行われるデジタル革
新が起きようとしています。共創をプラット
フォームとして支えるため、分散した SoR
データ、オープンデータ、IoT データを仮想
的に統合した大きなデータストアに見せる
次世代データ活用基盤の研究開発に取り
組んでいます。
仮想ものづくりとリアルなものづくりを
両輪として、設計から製造まで一貫したも
のづくりCPS を構築し、多様化する顧客の
要望に迅速かつ柔軟に対応できる知能化、
自律化されたスマートなものづくりとその
ソリューション化を目指します。また、新し
いアイデアを短期で形にするプロトタイピ
ング環境も構築しています。
ドメインサーバ
メディア
サーバ
医療
サーバ
SoRデータ、オープンデータ、
IoTデータを仮想的に統合し活用
セキュリティ
サーバ
仮想ものづくりとリアルなものづくりとを
両輪とした、ものづくりCPSの構築
次世代データ
活用基盤
企画
プロトタイピング
技術
共創
設計
設計自動化、
ノウハウ抽出・活用技術
ものづくりCPS
開発
VPS、仮想化技術
生産
準備
生産ライン
仮想化技術
製造
検査・解析、
ものづくりIoT技術
要件に特化した最適なサーバ
ハードウェア
特性に適した
アーキテクチャー
仮想工場
ソフトウェア
最適ライブラリ/IP
FPGA
メニーコア
学習
GPU
不揮発メモリ
推論
設計・開発環境
クラウド
検索
認識
符号化
SoRデータ
オープンデータ
SoR: System of Record
IoT: Internet of Things
ソリューション化
IoTデータ
CPS: Cyber Physical System
VPS: Virtual Product Simulator
FUJITSU LABORATORIES LTD.
07
Core/Front Network Fusion
基幹ネットワークから IoT のフロント領域まで、混在する様々なネットワークを仮想化により融合し、
シームレスにつなぐ技術の研究開発を行っています。
●
One Network
IoT 時代となり、大量の端末・デバイス等がネットワークを介して接続し、多様なサービスが提供されています。サービスごとに複雑な
ネットワーク設定をすることなく簡単に利用でき、利用の変化に応じて進化するネットワーク「One Network」の実現を目指した研究開発
に取り組んでいます。具体的には、サービス要件や変化に合わせて様々なネットワークリソースを簡易かつ素早く構成可能とする技術や、
これを支える 5G 無線・光ネットワーク等の物理的な大容量化・高速化の技術について研究開発を進めています。
IoTサービス
サービス
光リソース
5Gサービス
One Network
オーケストレーション・サービスコネクション
ネットワーク機能リソース
CLOUD
Services
無線リソース
人・モノ
ネットワーク仮想化
Edge
Computing
広域移動通信
次世代光通信
Swarm of
Sensors / Devices
IoT、5G向け
超高速・高効率
光ネットワーク
無線通信
大容量無線通信
ネットワーク仮想化技術
超高速・大容量無線アクセス技術
高効率光伝送技術
人、モノ、サービスを“つなげたいとき
に、最適につなぐ”、お客様に合わせて適
応するネットワークの提供を目指していま
す。限られたネットワークリソースを効率的
に切り出し、必要に応じ柔軟に組み合わせ
て提供するネットワーク仮想化技術を核
に、データセンターからデバイスまで連携
運用するオーケストレーション技術、様々
なサービスをつなぐコネクション技術など
の研究に取り組んでいます。
次世代移動通信 5G や本格的な IoT 時代
の到来に向けて、大量センサーデバイスの
収容および遠隔制御などの新たなサービ
スを実現可能とする大容量・低遅延・高信
頼な無線通信を実現します。低速なセン
サー情報から毎秒数十ギガビット以上の超
高速データまであらゆる通信速度を柔軟
に収容する無線アクセス制御技術、および
高密度に配置された無線基地局の統合制
御技術などの研究開発と標準化活動を進
めています。
ICT 社会のバックボーンとしてコア・メト
ロ・アクセスネットワークを支える光通信
機器の大容量化を実現するために、次世
代の光変復調、信号処理、光ノードアーキ
テクチャーに関する研究開発を進めていま
す。さらに、光ネットワークの効率的な運用
を実現するためのモニタリング・信号品質
分析技術・光ノード制御機能の研究開発
にも取り組んでいます。
08
FUJITSU LABORATORIES LTD.
●
IoT フロントインテグレーション
「IoT フロントインテグレーション」では、お客様の IoT の現場(IoT フロント)で必要とされる技術について研究開発に取り組んでいます。
IoT の現場では、お客様のビジネスシーンに応じて多種多様なデバイスや様々なネットワークが利用されます。今後の爆発的な数の増加
に対応し、人手によるこれまでの構築・管理を削減するために、現場の IoT フロント環境(センサーデバイスや無線ネットワーク)を迅速に
構築し、自律的に運用する技術について研究開発を進めています。
業務アプリケーション
ゲートウェイ
フロント運用管理
障害監視・自律制御
デバイス・通信方式差異吸収
店舗
IoTデバイス
フロント運用管理
障害分析・最適化制御
IoTデータ
コアネットワーク
ゲートウェイ
Wi-Fi
ゲートウェイ
BLE
900MHz帯
保守
作業
製造現場
運用管理者
スマートフォン
人・モノ
無線ネットワークのインテグレーション
IoT
フロント
センシングのインテグレーション
フレキシブル/
バッテリーレス
熱発電
導電体貼り付け
可能アンテナ
BLE: Bluetooth Low Energy
フロントインテグレーション技術
フロント運用管理技術
IoT ではセンシングデバイスを安定してクラウドにつなぐ技術が
必要です。そのために安定して利用できる無線ネットワーク技術
と、人手をかけずに無線ネットワークを構築・運用する技術につい
て研究開発を行っています。さらに、電源がない場所でも容易に利
用できる環境発電を活用したセンシング技術や、現場に必要なセ
ンシングを迅速に開発するプロトタイピング技術の研究開発を進
めています。
センサーや機器などの IoT デバイスは、様々な環境での利用と
共に、いつどのようにデータを集めるかなど利用の仕方も多様に
なり、その管理も複雑かつ膨大になります。そこで、多種多様な
IoT デバイスとそれらをつなぐ無線ネットワークの状態を常時監
視し、問題が発生する前に遠隔で自動修復するなど、現場のフロ
ント環境を自律運用するための技術について研究開発を行って
います。
FUJITSU LABORATORIES LTD.
09
AI
インテリジェントな ICT システムを活用した
サービスの提供および人の感情・感性を理解する、
人を中心とした AI の研究開発を行っています。
● 人工知能
ICT の高性能化と人工知能(AI)技術の進歩の両立により、社会の様々な領域での AI の利活用が急激に始まっています。AI が自ら予測
判断することなどにより、社会における人の判断や活動を支援していくことが期待されます。さらに、機械が人に寄り添える存在になるこ
とも期待されています。
「人工知能」研究では、メディアやセンサーなどから生成される膨大なデータから有益な情報を抽出する技術や、
人の感情や感性を理解可能にする技術について研究開発に取り組んでいます。
ヘルスケア
交通
アプリ事例
産業
金融
流通
渋滞認識
画像診断
異物混入
不正予防
商品推薦
交通・人などの
流れ認識
化合物予測
ライン自動化
企業分析
自動発注
状態推定
予兆監視
対話代行
動線分析
事故認識
知覚・認識
開発技術
知識化・発見
判断・支援
人の感情・意図推定
対話応答
推論、計画
人の行動認識
自然言語処理
予測、最適化
時系列環境認識
パターン発見
対話、推薦
機械学習
(Deep Learningなど)
データ
メディア
センサー
Web
テキスト
数値
学習(Deep Learning)
メディア処理
知識処理
AI 技術を支える機械学習技術である
Deep Learning は、社会の様々な領域で
の応用が期待されています。データの学
習能力を最大限引き出すための最適化・
効率化技術や、画像や音声、テキストなど
の総合的学習(マルチモーダル)のための
技術開発と、学習結果を実運用環境に適
応させるための軽量化技術の開発などに
取り組んでいます。
人の五感相当の機能を ICT システム上に
実現し、現実社会とコンピュータによる仮
想世界とをシームレスにつなぎます。映像
処理、音声音響処理、言語処理のフロント
技術の研究開発のみならず、フロントから
集めた情報を分析・理解することによっ
て、例えば人の感情や特性を推定し、個人
にカスタマイズされた各種サービスを実
現する研究に取り組んでいます。
Web データや行政の公開するオープン
データ、企業内の業務データ、などの多種
多様なデータの内容を Linked Data とし
て連携させることで知識ベースを構築し、
その上で分析や推論を行うことで、自然言
語による対話や予測に基づく業務の最適
化などを人工知能で実現するための研究
に取り組んでいます。
10
FUJITSU LABORATORIES LTD.
Security
サイバー、IoT、個人認証、プロダクトの安全を保障し、
クラウド上で全てを連携するセキュリティシステムを
構築するための研究開発を行っています。
● セキュリティ
クラウドや IoT の進展とともに生活の利便性は向上しますが、同時に、サイバー空間のシステムが悪用され、停止した場合の社会的リス
クが増大しています。また今後、個人情報やプライバシー情報を含むパーソナルデータの利活用が進むと、データのプライバシーを適切
に守ることが必要となってきます。これらのシステムを安全に稼働するため、利便性とセキュリティを柔軟にコントロールするための研究
開発に取り組んでいます。
クラウドのセキュリティ強化
データ・プライバシー保護
プライバシー保護/ブロックチェーン
業務パッケージ
サービスプロダクト
クラウド
Hyperconnected Cloud
モバイル/PC
ネットワーク
アプリケーション
サイバー・システム
セキュリティ
マイナンバー
スポーツイベント
ヘルスケア
認証基盤
認証基盤
FinTech
サーバ、
ストレージ
ミドル
セキュリティ技術による
プロダクト強化
認証・認可
アイデンティティ連携/トラストフレームワーク
サイバー・システムセキュリティ
データ・プライバシー保護
認証・認可
企業システムにおけるサイバー攻撃を
早期に検出し、その影響範囲を特定して被
害を軽減する技術などを研究開発してい
ます。従来のサーバ・クライアント PC から
クラウド・IoT まで拡大するシステムをサイ
バー攻撃から保護し、安全な社会・企業シ
ステムを実現します。
高速匿名化によりセンサーや端末とクラ
ウドを安全につなげるパーソナルデ ータ
保 護 技 術や P2P による改ざん 不 能 なブ
ロックチェーンや高度なデータ保護が可能
な独自高機能暗号技術により、複数の組
織でデータを安全かつ高信頼に保ち、連
携や利活用を可能にします。
手のひら静脈・指紋に加え、クラウド向
けの生体認証や ID 連携によりクラウド上
で身分を保証する、本人認証サービスや
IoT に対応した機器認証の技術を開発し、
安心・安全な認証基盤を実現します。
FUJITSU LABORATORIES LTD.
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応用研究
新ビジネスの創出を目標に
技術とビジネスモデルを融合させる
応用研究に取り組んでいます。
● 応用研究
ICT の新たな市場の開拓を目標に、要素技術とビジネスモデルを融合させる応用研究に取り組んでいます。インパクトのある研究所
の要素技術を活用し、自動車、ロボティクス、医療、ソーシャル、ライフなど、ICT の活用で変革がもたらされる可能性が高い領域で、新
しいビジネスを創出します。お客様との PoC、PoB を通して具体的なプロダクト/サービス/ソリューションとして短期間で市場に提供
していきます。
PoC、PoBを通じた共創
ソーシャルイノベーション
●お客様 ●新市場 ●新ビジネス
アカデミア
外部企業
応用研究
融合
顧客/パートナー
融合
共創
統合
探索
新技術分野
環境インフラ
社会インフラ
交通
新応用領域
次世代医療
新実用化領域
ライフイノベーション
+
技術プール・ビジネスモデル
PoC : Proof of Concept
PoB : Proof of Business
スマートハウス
ウェアラブルセンサー
自動車
スポーツ
カレンシー
デジタル
コンテンツ
ロボティクス
ロボットが人とICTを自然につなぎます
周辺空間の状況
ドライバーの状況
ロボットが連携して一人ひとりにサービスを提供します
クルマの状況
自動車
ロボティクス
通信機能や自律走行機能を備えスマートマシンへと進化する自
動車を ICT で支え、都市化・高齢化が進む社会の多様なモビリティ
機能を実現するためのハイパーコネクテッド・クラウドの在り方と、
それを支える先端技術の研究開発に取り組んでいます。
人と自然に共存するロボットの実現を目指し、人とのインタラク
ションや、自律的行動、ロボット相互間の連携など、ロボティクス関
連技術の新たなサービス創出への応用研究を進めています。
12
FUJITSU LABORATORIES LTD.
先端基礎研究
ICT の限界を突破するために必要な、
新たな技術を生み出すための研究を行っています。
● 先端基礎研究
半導体微細化技術が飽和を迎えつつあるなど、テクノロジー開発には現状技術の延長線上にはない研究が必要となります。予測不可
能な、将来の ICT 市場でのブレークスルーを目指して、量子コンピューティング技術や新材料開発などの基礎研究に取り組んでいます。
ニューロ/量子コンピューティング
ナノカーボン技術
半導体微細化の限界が近づき、従来のノイマン型コンピューティ
ングではこれまでの性能向上ペースを維持できなくなることが予
想されます。次世代に求められる大幅な性能向上の実現を目指し
て、従来とは異なる非ノイマン型アーキテクチャーである、ニュー
ロコンピューティングと量子コンピューティングの研究開発に取り
組んでいます。
グラフェン、カーボンナノチューブに代表されるナノカーボン材
料はシリコン半導体を遥かに凌駕する優れた性質を持ち、微細化
限界を迎えつつある電子デバイスにブレークスルーをもたらすこ
とが期待されています。ナノカーボン材料を使った、放熱デバイス、
超高感度センサーや、超低消費電力デバイスなどの実現を通し、
世の中の技術の進歩に貢献していきます。
カーボンナノチューブ
(CNT)
ニューロ/量子コンピューティング
グラフェン
計算量
実ニーズ
最適化問題
Deep Learning
全結合
アーキテクチャー
GPU
FPGA
ニューロ
エンジン
汎用サーバ
量子
エンジン
放熱材料
においセンサー
トランジスタ
発熱源
ムーア則終焉
による限界
基板/ヒートプレッダ
年代
FUJITSU LABORATORIES LTD.
13
海外研究所紹介
国内外の研究所が相互に連携しながら最先端の研究開発に取り組むとともに、
規制などにより国内では実践の難しい実証研究を行っています。
富士通研究所
Fujitsu Laboratories of Europe(欧州富士通研究所)
多様な価値観や文化をもった国々からなる EMEIA におけるソリューションを意識して、ビッグデータによる知識処理や、気象やものづく
りのための科学技術計算高速化手法を研究開発しています。さらに、第 5 世代移動通信を視野に入れた標準化活動にも積極的に取り組ん
でいます。
★
©OpenStreetMap
Fujitsu Laboratories of Europe が開催している
Fujitsu Innovation Gathering での、研究所による
パネルディスカッション
14
FUJITSU LABORATORIES LTD.
スペインのサンカルロス病院と共同で開発した
医療データ分析システム HIKARI。
患者のデータを分析・可視化
スーパーコンピュータを用いた津波・浸水シミュレーション
Fujitsu Laboratories of America(米国富士通研究所)
米国(カリフォルニア州シリコンバレー、テキサス州テレコムコリドー)に所在する地の利を活かし、グローバルに通用する先進技術やビ
ジネスを生み出し育むインキュベーションの場として、最新技術動向の調査、新しいコンピュータアーキテクチャー、ネットワークシステム、
セキュリティなどの先進技術の研究、ヘルスケアや教育等のソリューションの開発、スタートアップ企業との連携によるオープンイノベー
ションに取り組んでいます。
サンフランシスコ
シリコンバレー
©OpenStreetMap
Fujitsu Laboratories of America が毎年開催している
北米テクノロジーフォーラムにおける講演
北米ネットワークビジネスを支える光通信ネットワークの
先進技術開発
運転中のストレスなどをモニタリングして健康増進に役立てる
モバイルヘルスケア技術
富士通研究開発中心有限公司
日本の研究所と連携しながら、ネットワークや AI、知識処理などの研究開発や、日本発の技術の事業化支援などを推進しています。さら
に、成長著しい中国発のイノベーション創出に向けて、社会インフラ(交通監視、空気・水環境)や文化促進(古文書保護)など、地域特有
のニーズに向けた技術の研究開発に取り組んでいます。
富士通研究開発中心が毎年開催している
中国科学技術フォーラムにおける先端技術の講演
車両検出・分類
渋滞検出
駐車空満検出
交通違反(違法駐停車)
高精度な画像処理で、交通渋滞や違反、駐車場利用状況などを
自動検出するスマート交通向け映像認識技術
大型サイズの古文書に対しても非接触式スキャナで
分割して読み込んだ画像を合成できる古文書電子化技術
FUJITSU LABORATORIES LTD.
15
株式会社富士通研究所
〒211-8588 神奈川県川崎市中原区上小田中 4-1-1
TEL.(044)754-2613
www.fujitsu.com/jp/labs/
2016年6月
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