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VOL. 01 - 東京エレクトロンデバイス

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VOL. 01 - 東京エレクトロンデバイス
VOL. 01
Intel® Atom™ Processor N2600/N2800 × Intel® SSD 313
最新AtomプロセッサとSSD313で作る
PC Like Embedded
という運用方法では対応が難しくなって
組み込みシステムも
います。また、故障時の修理交換費用が
ネット連携の時代へ
高価なだけでなく、アプリケーションの
「Embedded(組み込み)システム」は、
民生品のように数百万台規模の製品販
必要性もあります。
売は行われないものの、現場の目的に応
じてさまざまな OS やアプリケーション
が用意され、一度導入されると長期運用
Intel Atom プロセッサであれば、省エネかつ低コス
トで PC の開発環境を流用可能です
PC Like Embedded であれば
従来型組み込みシステム
[ メリット ]
・長期間の運用が可能
[ デメリット ]
・故障時の交換コストが高すぎる
・故障時は再開発が必要
・新機能の追加がしにくい
PC Like Embedded
[ メリット ]
・非常に安価
・ネット連携がしやすい
・豊富な Windows 資産が利用可能
[ デメリット ]
・専用開発されたシステムより
耐久性は劣る
・世代交代が早い
互換性やシステム開発を一からやり直す
PC の開発環境を流用できる
PC Like Embedded
されていくという傾向があります。
そこで、新たなトレンドとなってきて
しかし、こうした変化の少ない組み込
いるのが、
「高信頼で高価」なシステム
み機器の環境も最近では変わってきま
から「安価なシステムを定期的に交換」
した。インターネットの普及により、通
とする PC と同様の流れです。ハードウェ
信環境の整備が進んできたことから、外
アの交換時期を明確化することで、デー
部サービスと連携させる能力を持つ通信
タ連係を前提としたシステム性能の向上
機能と、PC と同様の処理能力が求めら
とソフトウェアの定期メンテナンス・近
れてきているのです。外部サービスとの
代化を行うことで、時代にあったサービ
連携例として、
眼にする機会が多いのは、
スの提供が可能となります。
コンビニなどで使用されている「POS
Intel では「PC 機能が内蔵されている
システム」です。現在の POS はレジス
組み込み機器を「PC Like Embedded」
ター機器としての利用方法だけでなく、
と呼んでいます。PC Like Embedded の
通信環境との連携により、電話料金から
メリットは Intel アーキテクチャを使用
オンラインショッピングなどの支払い、
している点です。Windows 系の豊富な
電子看板デジタル・サイネージといった
開発環境が利用できるため、外部サービ
ものにまで使用されています。
スやインターネット連携などが行いやす
しかし、外部サービスとの連携を求め
くなります。また、Windows は前述の
られるシステムは、これまでのような信
互換性を維持しつつ、システムアップ
頼性の高いシステムを長く使い続ける、
デートを行うのにも適しています。
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インテルプロセッサ&SSD120%使いこなしテクニック
VOL. 01
VOL. 01
AtomプロセッサとIntel SSD 313が
切り拓く新時代の組み込みシステム
組み込みシステムでは、トラブルの原因となりやすい機械的動作をする部品は減らしたいもの。
PC Like Embedded では、最新 Atom プロセッサと SSD の組み合わせで問題を解消します。
x86 アプリケーションが利用できる Atom プロセッサ
x86 の豊富な資
産が利用可能な
Intel Atom プロ
セッサ
これまで、1 万円前後の安価な組み込
アルコア対応で、1.86GHz という
みシステムというと、ARM 系の CPU を
Windows を動作させるのに十分な動作
使ったものを使用し、高い開発コストを
クロック、モニター出力に必要な GPU
掛けてカスタマイズするしかありません
機能も CPU 内に内蔵しています。
でした。しかし、Intel Atom プロセッサ
現在でも組み込み系システムの OS に
登場後は状況が変わりました。安価な
Windows XP を使用している方はいらっ
「PC Like Embedded」対応ボード
しゃるかと思います。Atom プロセッサ
「DN2800MT」であれば、1 万円前後と
は、Intel x86 系システムと互換性があ
いう低価格で購入可能となったのです。
「DN2800MT」は、ボード上に最初から
NAND チップメモリに SLC タイプを使用。容量少ないが
書き換え回数の上限が高く組み込み環境向きだ
SPEC
るため、組み込み系で主流の Linux 系だ
けでなく Windows 系 OS を動作させる
CPU が搭載された状態で出荷されます。
ことのできるパワーを持ち、長期にわ
搭載されている CPU は「Intel Atom
たって蓄積・運用されてきた豊富なソフ
N2800」です。Atom プロセッサはデュ
トウェア資産の活用ができます。
製品名
Intel SSD 313
容量
24GB
インターフェース
SATA 3.0Gbps 対応
NAND Flash
SLC
く、組み込みシステムに求められる運用
うメリットがあります。また 0 ∼ 70℃
DRAM キャッシュ
1GB
環境への耐性を十分に備えています。
という高温でも動作します。
シーケンシャル・リード
最大 160MB/s
シーケンシャル・ライト
最大 115MB/s
PC パーツで故障原因となりやすいのが
ただし、SSD にも弱点はあります。
ランダム・リード(8GB スパン)
33,000 IOPS
HDD に使用されるモーターです。モー
SSD に使用されている NAND フラッシュ
ランダム・ライト(8GB スパン)
40,000 IOPS
ターは、環境温度などに寿命が左右され
メモリには書き込み可能な回数があらか
ランダム最大書込
120,000 IOPS
やすい欠点が存在します。この解決策と
じめ決まっていることです。このため、
消費電力
アイドル:1W、
アクティブ:1.5W
して提案したいのが、
「DN2800MT」と
Intel SSD 313 シリーズでは、現在コン
動作時:2.17 GRMS (5-700 Hz)、
SSD「Intel SSD 313」の組み合わせです。
シュマー向けに販売されている耐久性の
SSD は USB メモリと同様にデータの記
低い MLC 型でなく、より耐久性の高い
耐振動性
非動作時:3.13 GRMS (5-800 Hz)
モーターレスで高い環境耐性を持つ SSD は HDD より安全
「PC Like Embedded」は安価なだけでな
がないため、外部からの衝撃に強いとい
平均故障間隔
120 万時間
動作環境温度
0℃∼70℃
録に NAND フラッシュメモリを使用し
SLC 型を採用しました。市販の MLC 型
保証期間
3年
た記録媒体です。HDD のようなモーター
の 10 倍以上の書き込み耐性があり、信
やヘッドの移動といった機械的駆動部分
頼性には定評があります。
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インテルプロセッサ&SSD120%使いこなしテクニック
VOL. 01
VOL. 01
インテル純正ボード「DN2800MT」と
SSDでコンパクト&高性能を実現する
DN2800MT は、miniITX 規格のコンパクトなサイズながら、Atom N2800 プロセッサ搭載、
mSATA コネクタ部に intel SSD 313 を基板上にマウント可能と多機能なマザーボードです。
Intel DN2800MT
また、動作クロック 1.86GHz の CPU
コアを 2 個搭載したデュアルコア仕様
に加え、Intel 独自の Hyper-Threading
技術を採用しているため、最大四つのア
プリケーションを同時実行が可能です。
MPEG2、WMV、H.264 などの動画を再
インテル製 SSD、mSATA SLC 20GB
SSD313
生支援することができる GPU 内蔵のた
め動画を使ったデモなどにも最適です。
「DN2800MT」は、ボード上に Serial
ATA 3.0Gbps コネクタを 2 個備えてい
ます。一つは PCI Express Mini Card コ
ネクタと同形状をした Serial ATA コネク
DDR3-SDRAM SO-DIMM 2GB、
タ「mSATA」としても使えるため、前ペー
FD10N-02GN(HG810H0
ジで紹介した「Intel SSD 313」を基板上
基板サイズは幅 170mm× 奥行 170mm と非常にコンパクトながら十分
な拡張性を持つ
に取り付けられます。このほか、PCI
SPEC
製品名
Intel Desktop Board DN2800MT
CPU
intelR Atom プロセッサー N2800 (1.86GHz)
チップセット
インテル NM10 Express Chipset
メモリ
DDR3 SO-DIMM
Express x1×1、USB2.0×4、Mini PCI
基板上にスッキリパーツが収まる
Express( ハーフサイズ )×1、DDR3
「DN2800MT」は 32nm プロセスで製造
SO-DIMM×2 という基板のサイズから
された CPU「Atom N2800 プロセッサ」
は考え慣れない拡張性を持っています。
204pin スロット×2(最大 4GB)
をオンボードで搭載したコンパクトなマ
ネットワークは 10/100/1000Base-T
ディスプレイモニター
VGA(最大 1920×1200 ドット)、
( 解像度 )
HDMI(1920×1200 ドット)、
ザーボードです。Atom N2800 は、
LAN に対応、通常のアナログ RGB 出力
IA-32 対応の x86 系アプリケーションと
だけでなく、ハイビジョン映像の出力が
PCIe mini card ×2(mSATA、Wi-Fi)
完全な互換性があり、さらにネットブッ
可能な HDMI 端子、4 チャンネル・オー
SirialATA コネクタ
3.0Gb/s×2
クなどの省エネ PC 用に開発された CPU
ディオの再生が可能なオーディオチップ
イーサネットポート
10/100/1000Mb/s×1
であるため、TDP6.5W という高い省エ
が搭載されています。
拡張コネクタ
USB 2.0×4 ポート(拡張時最大 8)、
ネ性能を持っています。この優れた省電
省エネシステムのため、SSD やメモ
AUDIO line-out (line-in、mic-in)
力構造により、CPU 専用の放熱ファン
リを組み込んだ状態にあっても、AC ア
使用時周囲温度
0℃∼50℃
を必要としないため、ファンモーターな
ダプタのみで駆動可能な完全ファンレス
対応 OS
Windows XP、Vista、Windows 7
どの寿命を気にせずに運用できます。
システムを構築可能なのが特徴です。
eDP (1366×768) or LVDS (1366×768 )
拡張スロット
PCI Expressx1×1、
シリアル ×2(内蔵ピンヘッダ)、
パラレル ×1(内蔵ピンヘッダ)、
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インテルプロセッサ&SSD120%使いこなしテクニック
VOL. 01
VOL. 01
Atom N2800を搭載した
DN2800MTボードのセットアップをする
ここからは DN2800MT のハードウェア組み立て工程を紹介します。あらかじめ CPU は取り付け
られているため、メモリと SSD を基板上に取り付けて筐体に組み込めばすぐに使用可能です。
ごく短時間で組み立て可能
①PC Like Embedded システム
②メモリの取り付け
動作させるために必要となる部材です。マザーボード、
スロットとメモリ側の切り書きをあわせ、メモリをメモリ
SSD、メモリをワンセットでご提供いたします
スロット部分に斜めに差し込む。ロックされれば OK
③Intel SSD 313 を固定
④スイッチ類を取り付け
メモリと同様にスロット部分に斜めに差し込んだ後、ネ
ケース接続の電源スイッチや LED ランプなどをマザーボ
ジで固定する。先の細いドライバーがあると便利
ードにあるピンに接続する
⑤ピン配置はマニュアルを参考に
⑥マザーボードをケースに取り付ける
取り付けはマザーボード付属のマニュアル通りに行う。
マザーボードをケース本体に取り付け、ケースの裏側か
コネクタは「+」と「−」の極性があるので注意
ら固定すれば組み立ては終了する
写真 1 のうち、DN2800MT( プロセッ
サ搭載済み ) +Intel SSD 313 + メモリ 1
枚が東京エレクトロンデバイスから提供
可能となります。AC アダプタおよびケー
スについては別途ご用意ください。
まず最初に DN2800MT のメモリス
ロットにメモリを取り付けます。メモリ
スロットの位置は前ページのマザーボー
ドレイアウトを参照にしてください。メ
モリの切り欠きの位置を確認、裏表を確
認してからメモリスロット部分に斜めに
差し込みます。端子の金色の部分が見え
なくなるまで押し込んでからメモリを倒
し、かちっとロックがはまれば OK です。
次に SSD を PCIe mini card(mSATA)
に取り付けます。スロット部分への差し
込み方法はメモリの場合とほぼ同じです
が、ロック機能はありませんので、マザー
ボードへの固定は付属のネジで行いま
す。次にケースの電源スイッチや LED
ランプをマザーボードのピンヘッダ部分
に取り付けます。LED ランプには「+」
と「−」の極性があります。コネクタの
▼がついている方が「+」となります。
最後にマザーボードをケースに取り付
け、裏側からネジ止めして固定すれば組
み立て終了です。
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インテルプロセッサ&SSD120%使いこなしテクニック
VOL. 01
VOL. 01
組み立て後のシステムに
Windows 7 Ultimateをセットアップ
前ページで組み立てたシステムに Windows 7 Ultimate をインストールするまでの工程を紹介
します。インストールはスムーズに行えますが、一部ドライバのインストールが必要となります。
一部ドライバは手動インストール
①光学ドライブなどを準備
②ドライブの起動順を変更
本体背面。インストール作業にはモニター、USB キーボ
「F2 キー」で設定画面に入り、
「Boot」の項目から起
まず、光学ドライブから Windows の
システムディスクを読み込むように設定
変更します。電源投入直後にキーボード
の「F2 キー」を押し続けると設定画面
に入ることができます。キーボードの左
右矢印キーで「Boot」という項目を選
んだら、上下矢印キーで「Boot Device
動ドライブを変更。設定を変更したら保存して再起動
ード、USB マウス、USB 接続の光学ドライブが必要
Priority」を選び「Enter」キーを押します。
「+」「−」キーで「Optical Drives」を
③Windows をインストール
④デバイスマネージャーを確認
選び決定。次に「Exit」メニューの
「Saving Changes」を選べば OK です。
あとは通常の Windows インストールで
す。なお、グラフィックスドライバは手
動でのインストールが必要となります。
インテルのダウンロードセンター
(http://downloadcenter.intel.com/Defa
ult.aspx?lang=jpn)にアクセスし、製品
デバイスマネージャーを見ると「ディスプレイアダプタ」
光学ドライブにシステムディスクを入れて起動。先の
の項目が標準 VGA になっている
設定がうまく言っていればインストールが行われる
ファミリー「デスクトップボード」、製
品ライン「NM10 チップセット∼」、製
⑥ドライバをインストール
⑤ドライバを入手する
品名を「N2800MT」と選択すると別画
面に変わります。ここで「Windows 7
(32-bit)」を選ぶとダウンロード可能な
ドライバ一覧が表示されます。この中か
ら「Graphics: Intel Graphics Media
Accelerator Driver for Windows 7」をダ
ウンロードしてインストールすれば完了
となります。
ダウンロードセンターで DN2800MT と OS 名を入力す
入手したドライバーを画面の指示に従ってインストール
ると一覧がでる。グラフィックスドライバを入手する
する。インストール終了後に一度細動が必要だ
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インテルプロセッサ&SSD120%使いこなしテクニック
VOL. 01
VOL. 01
PC Like Embedded 運用TIPS!
どんなに完璧に構築したつもりのシステムでも、使い続けると多少のトラブルは起こるものです。
ここでは、「PC Like Embedded」を続けていく上で、知っておくと便利なことを紹介します。
TIPS 01
DN2800MTのACアダプタ入手のポイントは?
AC アダプタには DC プラグの形状や電圧の区
形状を確認
AC アダプタの仕様をチェック
AC アダプタを入手する場合、プラグの形状に気を付
仕様は AC アダプタのラベル部分に記載されている。
ける。AC アダプタは、DC プラグ仕様「内径 2.5mm
必要な電源仕様は「+8 ∼ 19V DC ±10%」で定格
/ 外径 5.5mm センタープラス」となる
出力は 50W 以上が目安
分・電源容量などの違いがありますので、購入
時には仕様を確認の上お買い求めください。
N2800MT 用の AC アダプタは、DC プラグ仕様
「内径 2.5mm/ 外径 5.5mm センタープラス」、
電源仕様「+8 ∼ 19V DC ±10%」です。仕様
を把握していれば、秋葉原等で同等品がお求め
頂けます。
TIPS 02
DN2800MTをWindows XPで使用したい
「DN2800MT」の Windows XP ライバは、イン
Windows XP で検索
現在はβ版ドライバ
ダウンロードセンター(http://downloadcenter.int
現在 Windows XP 用に提供されているグラフィック
el.com/Default.aspx?lang=jpn)から入手可能
スドライバはβ版のため、一部機能制限がある
テルのダウンロードセンターから入手可能で
す。OS 選択画面で「Windows XP Professional」
を選ぶという点だけです。なお、現在提供され
ているグラフィックスドライバはβ版のため、
ハードウェア・アクセラレーションが有効では
ありません。これに対応した正式版は 9 月リリー
スの予定となっております。
TIPS 03
Windows XPでTRIMコマンドを利用するには?
Windows 7 では SSD のために「Trim コマンド」機能が用意されています。Trim コマンド
Intel SSD Toolbox を導入
は OS 側から SSD に対して、Windows のゴミ箱から削除されたデータなど完全に不必要に
なったデータ領域を伝えるという役割を持っています。これを参考にして SSD は性能低下
の防止や寿命の延長などを行います。しかし、Windows XP では OS 側に Trim コマンドは
用意されていないため SSD の運用には不向きです。そこでインテルの提供する「SSD
Toolbox」は、これらの OS でも Trim コマンドを出せるようになる「Intel SSD Optimizer」
があります。スケジュール機能を用いれば、Trim コマンド発行時期を任意のタイミングで
SSD Toolbox はインテルダウンロードセンター
から入手可能。Intel SSD Optimizer の項目か
Trim コマンドが発行可能となっている
発行することが可能です。
http://www.teldevice.co.jp/product/intel
インテリジェントシステム カンパニー IAソリューション部
〒163-1034 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー S34階
TEL.03-5908-2677 FAX.03-3344-1812
E-mail:[email protected]
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