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医薬品インタビューフォーム
2011 年 2 月改訂(第 2 版) 日本標準商品分類番号 872479 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成 処方せん医薬品 剤 規 一 格 ・ 般 含 形 錠剤(素錠) 量 1 錠中、日局クロルマジノン酢酸エステル 25mg 含有 名 和名:クロルマジノン酢酸エステル 洋名:Chlormadinone Acetate 製造・輸入承認年月日 製造販売承認年月日:2006年 8月 4日 薬 価 基 準 収 載 薬価基準収載年月日:2006年12月 8日 ・ 発 売 年 月 日 発 売 年 月 日:1988年 7月15日 開発・製造・輸入・発売・ 製造販売元:日本新薬株式会社 提携・販売会社名 担当者の連絡先・ 電話番号・ F A X 番号 本 IF は 2009 年 10 月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。 IF 利用の手引きの概要 ― 日本病院薬剤師会 ― 1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯 当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR と略す)等にインタビューし、当該 医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォーム を 、 昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品インタビュー フォーム」(以下、IF と略す)として位置付けを明確化し、その記載様式を策定した。そして、 平成 10 年日病薬学術第 3 小委員会によって新たな位置付けと IF 記載要領が策定された。 2.IF とは IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な 医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された 総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬 企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。 しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反した情報及び 薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。 3.IF の様式・作成・発行 規格は A4 判、横書きとし、原則として 9 ポイント以上の字体で記載し、印刷は一色刷りとする。 表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬が策定した「IF 記載 要領」に従って記載するが、本 IF 記載要領は、平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品から適用と なり、既発売品については「IF 記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また、 再審査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、記載 内容が大きく異なる場合には IF が改訂・発行される。 4.IF の利用にあたって IF 策定の原点を踏まえ、MR へのインタビュー、自己調査のデータを加えて IF の内容を充実させ、 IF の利用性を高めておく必要がある。 MR へのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬理作用、臨床成績、 非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては、 当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用医薬品添付文書、お知らせ文書、緊急安全性情報、 Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆、整備する。そのための 参考として、表紙の下段に IF 作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。なお 適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する 項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合があり、その取扱いには慎重を 要する。 目 次 Ⅰ.概要に関する項目 ─────────────────────────────── 1 1.開発の経緯 ──────────────────────────────── 1 2.製品の特徴及び有用性 ─────────────────────────── 1 Ⅱ.名称に関する項目 ─────────────────────────────── 2 1.販売名 ────────────────────────────────── 2 2.一般名 ────────────────────────────────── 2 3.構造式又は示性式 ───────────────────────────── 2 4.分子式及び分子量 ───────────────────────────── 2 5.化学名(命名法) ───────────────────────────── 2 6.慣用名、別名、略号、記号番号 ─────────────────────── 2 7.CAS 登録番号 ─────────────────────────────── 2 Ⅲ.有効成分に関する項目 ───────────────────────────── 3 1.有効成分の規制区分 ──────────────────────────── 3 2.物理化学的性質 ────────────────────────────── 3 3.有効成分の各種条件下における安定性 ──────────────────── 3 4.有効成分の確認試験法 ─────────────────────────── 3 5.有効成分の定量法 ───────────────────────────── 3 Ⅳ.製剤に関する項目 ─────────────────────────────── 4 1.剤形 ─────────────────────────────────── 4 2.製剤の組成 ──────────────────────────────── 4 3.製剤の各種条件下における安定性 ────────────────────── 4 4.溶出試験 ───────────────────────────────── 4 5.製剤中の有効成分の確認試験法 ─────────────────────── 4 6.製剤中の有効成分の定量法 ───────────────────────── 4 7.容器の材質 ──────────────────────────────── 4 8.その他 ────────────────────────────────── 4 Ⅴ.治療に関する項目 ─────────────────────────────── 5 1.効能又は効果 ─────────────────────────────── 5 2.用法及び用量 ─────────────────────────────── 5 3.臨床成績 ───────────────────────────────── 5 Ⅵ.薬効薬理に関する項目 ───────────────────────────── 6 1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 ─────────────────── 6 2.薬理作用 ───────────────────────────────── 6 Ⅶ.薬物動態に関する項目 ───────────────────────────── 7 1.血中濃度の推移・測定法 ────────────────────────── 7 2.薬物速度論的パラメータ ────────────────────────── 7 3.吸収 ─────────────────────────────────── 8 4.分布 ─────────────────────────────────── 8 5.代謝 ─────────────────────────────────── 8 6.排泄 ─────────────────────────────────── 8 7.透析等による除去率 ──────────────────────────── 8 Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 ───────────────────── 9 1.警告内容とその理由 ──────────────────────────── 9 2.禁忌内容とその理由 ──────────────────────────── 9 3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 ──────────────── 9 4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 ──────────────── 9 5.慎重投与内容とその理由 ────────────────────────── 9 6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法 ────────────────── 9 7.相互作用 ───────────────────────────────── 9 8.副作用 ────────────────────────────────── 10 9.高齢者への投与 ────────────────────────────── 11 10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ─────────────────────── 11 11.小児等への投与 ────────────────────────────── 11 12.臨床検査結果に及ぼす影響 ───────────────────────── 11 13.過量投与 ───────────────────────────────── 11 14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等) ──────── 11 15.その他の注意 ─────────────────────────────── 11 16.その他 ────────────────────────────────── 11 Ⅸ.非臨床試験に関する項目 ──────────────────────────── 12 1.一般薬理 ───────────────────────────────── 12 2.毒性 ─────────────────────────────────── 12 Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目 ───────────────────────── 13 1.有効期間又は使用期限 ─────────────────────────── 13 2.貯法・保存条件 ────────────────────────────── 13 3.薬剤取扱い上の注意点 ─────────────────────────── 13 4.承認条件 ───────────────────────────────── 13 5.包装 ─────────────────────────────────── 13 6.同一成分・同効薬 ───────────────────────────── 13 7.国際誕生年月日 ────────────────────────────── 13 8.製造・輸入承認年月日及び承認番号 ───────────────────── 13 9.薬価基準収載年月日 ──────────────────────────── 13 10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容 ───────── 13 11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容 ─────────────── 13 12.再審査期間 ──────────────────────────────── 13 13.長期投与の可否 ────────────────────────────── 13 14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード ──────────────────── 13 15.保険給付上の注意 ───────────────────────────── 13 ⅩⅠ.文献 ──────────────────────────────────── 14 1.引用文献 ───────────────────────────────── 14 2.その他の参考文献 ───────────────────────────── 14 ⅩⅡ.参考資料 ────────────────────────────────── 15 ⅩⅢ.備考 ──────────────────────────────────── 16 Ⅰ.概要に関する項目 1.開発の経緯 クロルマジノン酢酸エステルは、1959 年に合成されたプロゲステロン誘導体の 一種である。薬理学的研究により、強いプロゲステロン様作用及び抗エストロゲ ン作用を有することが明らかにされ、更にその後の研究で抗アンドロゲン作用及 びそれにもとづく前立腺肥大抑制作用、前立腺萎縮作用等も見い出された。 本剤は、1987 年 5 月に承認され、翌年 7 月より販売しているが、医療事故防止 対策のための販売名変更により 2006 年 8 月に新たな製造販売承認を得た。 2.製品の特徴及び 1)前立腺細胞においてテストステロンの作用発現を阻害する。 有用性 ・テストステロンの前立腺細胞内への取込みを阻害(ラット) ・5α-ジヒドロテストステロンとレセプターとの結合を阻害(in vitro) 2)血中テストステロンの値を低下させる。 ・視床下部-下垂体系の抑制によりゴナドトロピン分泌を低下(ラット) ・精巣におけるテストステロン生合成を抑制(in vitro) 3)抗アンドロゲン作用により前立腺萎縮作用及び前立腺重量増加抑制作用を示す (ラット)。 4)本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない が、重大な副作用として、うっ血性心不全、血栓症(脳、心、肺、四肢等)、 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、糖尿病、糖尿病の悪化あるいは高血糖が報告 されている(いずれも頻度不明)。 1 Ⅱ.名称に関する項目 1.販売名 (1)和 名 プロスタットⓇ錠 25mg (2)洋 名 ProstatⓇ Tablets 25mg (3)名称の由来 - 2.一般名 (1)和 名(命名法) クロルマジノン酢酸エステル(JAN) (2)洋 名(命名法) Chlormadinone Acetate(JAN) 3.構造式又は 示性式 4.分子式及び 分子量 分 子 式:C23H29ClO4 分 子 量:404.93 5.化学名 (命名法) 6-Chloro-3,20-dioxopregna-4,6-dien-17-yl acetate 6.慣用名、別名、 略号:CMA 略号、記号番号 7.CAS 登録番号 302-22-7 2 Ⅲ.有効成分に関する項目 1.有効成分の規制 該当しない 区分 2.物理化学的性質 (1)外観・性状 白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。 (2)溶解性 クロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、エタノー ル(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。 (3)吸湿性 該当資料なし (4)融点(分解点)、沸点、凝固点 融点:211~215℃ (5)酸塩基解離定数 該当資料なし (6)分配係数 該当資料なし (7)その他の主な示性値 20 旋光度〔α〕 :-10.0~-14.0°(乾燥後、0.2g、アセトニトリル、10mL、100mm) D 3.有効成分の各種 条件下における 安定性 該当資料なし 4.有効成分の確認 日本薬局方「クロルマジノン酢酸エステル」の確認試験による。 試験法 5.有効成分の定量法 日本薬局方「クロルマジノン酢酸エステル」の定量法による。 3 Ⅳ.製剤に関する項目 1.剤形 (1)剤形の区別及び性状 白色~帯黄白色の錠剤である。 表 裏 側面 直径 (mm) 厚さ (mm) 重量 (mg) 8.0 2.8 180 (2)識別コード 242 2.製剤の組成 (1)有効成分(活性成分)の含量 1 錠中、クロルマジノン酢酸エステル 25mg を含有する。 (2)添加物 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ポリビニルアルコ ール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム 3.製剤の各種条件下 における安定性 4.溶出試験 [試験項目]定量値、外観、崩壊時間 保存条件 保存期間 保存形態 結果 40℃・75%RH 6 カ月 PTP 包装 (ピロー包装) 適合 日本薬局方外医薬品規格第三部に定められたクロルマジノン酢酸エステル錠 25mg の溶出規格に適合する。 5.製剤中の有効成 日本薬局方 一般試験法「赤外吸収スペクトル測定法」による。 分の確認試験法 6.製剤中の有効成 日本薬局方 一般試験法「液体クロマトグラフィー」による。 分の定量法 7.容器の材質 PTP:ポリ塩化ビニル、アルミ箔 8.その他 4 Ⅴ.治療に関する項目 1.効能又は効果 前立腺肥大症 前立腺癌 ただし、転移のある前立腺癌症例に対しては、他療法による治療の困難な場合 に使用する。 2.用法及び用量 前立腺肥大症 クロルマジノン酢酸エステルとして、1 回 25mg(1 錠)を 1 日 2 回食後に経 口投与する。 前立腺癌 クロルマジノン酢酸エステルとして、1 回 50mg(2 錠)を 1 日 2 回食後に経 口投与する。 なお、症状により適宜増減する。 3.臨床成績 (1)臨床効果 該当資料なし (2)臨床薬理試験:忍容性試験 該当資料なし (3)探索的試験:用量反応探索試験 該当資料なし (4)検証的試験 1)無作為化平行用量反応試験 該当資料なし 2)比較試験 該当資料なし 3)安全性試験 該当資料なし 4)患者・病態別試験 該当資料なし (5)治療的使用 1)使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験 該当資料なし 2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要 該当資料なし 5 Ⅵ.薬効薬理に関する項目 1.薬理学的に関連 アリルエストレノール、オキセンドロン、ゲストノロンカプロン酸エステル ある化合物又は 化合物群 2.薬理作用 (1)作用部位・作用機序 ①血中テストステロン値の低下作用 ・視床下部-下垂体系の抑制によるゴナドトロピン分泌を低下(ラット) ・精巣におけるテストステロン生合成を抑制(in vitro) ②抗アンドロゲン作用 ・テストステロンの前立腺細胞内への取り込みを阻害(ラット) ・5α-DHT とレセプターとの結合を阻害(in vitro) (2)薬効を裏付ける試験成績 1.前立腺萎縮作用 1) Wistar 系雄性ラットに、クロルマジノン酢酸エステルを経口投与した場 合、前立腺の有意な萎縮が観察された。 2.前立腺重量増加抑制作用 1) テストステロン投与による前立腺の重量増加に対して、クロルマジノン酢 酸エステルを皮下又は経口投与した場合、用量依存性の著明な重量増加抑 制作用が観察された(去勢 Wistar 系ラット)。 6 Ⅶ.薬物動態に関する項目 1.血 中 濃 度 の 推 (1)治療上有効な血中濃度 移・測定法 該当資料なし (2)最高血中濃度到達時間 該当資料なし (3)通常用量での血中濃度 <参考>2) 本剤 1 錠をビーグル犬に経口投与した場合、約 2.5 時間で最高血中濃度 (261±44ng/mL)に達した後、血中からゆるやかに消失し、その半減期 (t1/2)は 59.5 時間であった。 (4)中毒症状を発現する血中濃度 該当資料なし 2.薬物速度論的 パラメータ (1)吸収速度定数 該当資料なし (2)バイオアベイラビリティ 該当資料なし (3)消失速度定数 該当資料なし (4)クリアランス 該当資料なし (5)分布容積 該当資料なし (6)血漿蛋白結合率 該当資料なし 7 3.吸収 該当資料なし 4.分布 (1)血液-脳関門通過性 該当資料なし (2)胎児への移行性 該当資料なし (3)乳汁中への移行性 該当資料なし (4)髄液への移行性 該当資料なし (5)その他の組織への移行性 該当資料なし 5.代謝 (1)代謝部位及び代謝経路 該当資料なし (2)代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種 該当資料なし (3)初回通過効果の有無及びその割合 該当資料なし (4)代謝物の活性の有無及び比率 該当資料なし (5)活性代謝物の速度論的パラメータ 該当資料なし 6.排泄 (1)排泄部位 該当資料なし (2)排泄率 該当資料なし (3)排泄速度 該当資料なし 7.透析等による 除去率 (1)腹膜透析 該当資料なし (2)血液透析 該当資料なし (3)直接血液灌流 該当資料なし 8 Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 1.警告内容とその 該当しない 理由 2.禁忌内容とその 重篤な肝障害・肝疾患のある患者 理由 [代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が悪化することがある。] 3.効能・効果に関 該当しない 連する使用上の 注意とその理由 4.用法・用量に関 該当しない 連する使用上の 注意とその理由 5.慎重投与内容と (1)心疾患、腎疾患又はその既往歴のある患者 その理由 [ナトリウムや体液の貯留があらわれることがある。] (2)糖尿病患者 [耐糖能の低下があらわれることがある。] 6.重要な基本的 (1)劇症肝炎等の重篤な肝機能障害による死亡例が報告されているので、投与開 注意とその理由 始後 3 カ月までは少なくとも 1 カ月に 1 回、それ以降も定期的に肝機能検査 及び処置方法 を行うこと。 (2)前立腺肥大症に使用する場合は次の点に留意すること。 1)本剤による前立腺肥大症に対する治療は、根治療法ではないことに留意し、 本剤投与により期待する効果が得られない場合には、手術療法等他の適切 な処置を考慮すること。 2)投与期間は 16 週間を基準とし、期待する効果が得られない場合には、以後 漫然と投与を継続しないこと。 3)ポテンツ低下等があらわれた場合、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ 休薬又は他の療法への変更を行うこと。 7.相互作用 (1)併用禁忌とその理由 該当しない (2)併用注意とその理由 該当しない 9 8.副作用 (1)副作用の概要 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。 1)重大な副作用と初期症状 1)うっ血性心不全(頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合 には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 2)血栓症(脳、心、肺、四肢等)(頻度不明)があらわれることがあるので、 異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。 3)本剤投与 1~2 カ月後に劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)が あらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、投与開始後 3 カ月間は 少なくとも 1 カ月に 1 回、それ以降も定期的に肝機能検査を行い、悪心・嘔 吐、食欲不振、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止 し適切な処置を行うこと。 4)糖尿病、糖尿病の悪化あるいは高血糖(いずれも頻度不明)があらわれるこ とがあり、昏睡、ケトアシドーシスを伴う重篤な症例も報告されているので、 血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 2)その他の副作用 頻度 頻度不明 種類 生 殖 器 インポテンス、性欲低下等 過 敏 症注 1) 注 2) 発疹、そう痒等 肝 臓 肝機能異常等 腎 臓注 3) BUN、クレアチニンの上昇等 電解質代謝 循 環 血 消 化 注 4) 浮腫、体重増加等 器注 1) 動悸、心悸亢進、息ぎれ、胸内苦悶等 液 貧血 器 胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢、便秘、口渇、嘔吐、腹痛等 精神神経系 頭痛、眠気等 泌 頻尿、尿道不快感、下腹部痛等 尿 器 脂 質 代 謝 中性脂肪の上昇 内 泌 女性型乳房、血中 FSH、LH、テストステロン値の低下、プロラ クチン値の上昇 膚 脱毛 他 倦怠感、微熱、発汗、肥満 分 皮 そ の 注 1) 発現した場合には投与を中止すること。 注 2) 肝機能検査値に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 注 3) 発現した場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 注 4) 観察を十分に行い、発現した場合には投与を中止するなど適切な処置を行う こと。 10 (2)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧 該当資料なし (3)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度 該当資料なし (4)薬物アレルギーに対する注意及び試験法 その他の副作用 頻度 頻度不明 種類 過敏症注 1) 発疹、そう痒等 注 1)投与を中止すること。 9.高齢者への投与 高齢者への投与の際には用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。 [一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、血中濃度が持続す るおそれがある。] 10.妊婦、産婦、 授乳婦等への 投与 11.小児等への投与 12.臨床検査結果に 及ぼす影響 13.過量投与 14.適用上及び薬剤 交付時の注意 (患者等に留意すべき 必須事項等) 薬剤交付時: PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。[PTP シ ートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔 洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。] 15.その他の注意 ラット、ウサギ及びイヌにおいて精子形成異常が認められるという報告がある。 また、副腎皮質はラット及びイヌでは萎縮するという報告があるが、モルモット では萎縮しないという報告がある。 16.その他 11 Ⅸ.非臨床試験に関する項目 1.一般薬理 該当資料なし 2.毒性 (1)単回投与毒性試験 3) LD50(mg/kg) 動物 投与経路 経 口 皮 下 腹腔内 マウス ♂ >15,000 >10,000 >10,000 4,224(3,334~5,404) ラット ♀ >15,000 >10,000 >10,000 3,975(3,136~5,038) ( (2)反復投与毒性試験 該当資料なし (3)生殖発生毒性試験 該当資料なし (4)その他の特殊毒性 該当資料なし 12 ♂ >10,000 >10,000 >10,000 >10,000 ♀ >10,000 >10,000 >10,000 >10,000 ):95% confidence limits Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目 1.有効期間又は 使用期限 使用期限:5 年 2.貯法・保存条件 室温保存 3.薬剤取扱い上の 注意点 処方せん医薬品:注意-医師等の処方せんにより使用すること 4.承認条件 該当しない 5.包装 PTP:100 錠、500 錠 6.同一成分・同効薬 同一成分薬:プロスタール錠 25、プロスタール L 錠 50mg 同 効 薬:(前立腺肥大症) アリルエストレノール、オキセンドロン、ゲストノロンカプロン 酸エステル (前立腺癌) エストラムスチンリン酸エステルナトリウム水和物、ゴセレリン 酢酸塩、ビカルタミド、フルタミド、リュープロレリン酢酸塩 7.国際誕生年月日 不明 8.製造・輸入承認 年月日及び承認 番号 承認年月日:2006 年 8 月 4 日 承 認 番 号:21800AMX10677000 9.薬価基準収載年 2006 年 12 月 8 日 月日 10.効能・効果追加、 効能・効果追加 用法・用量変更 前立腺癌(1988 年 9 月 5 日) 追加等の年月日 及びその内容 11.再審査結果、再評 価結果公表年月 日及びその内容 再評価結果 平成 20 年 1 月 7 日付薬食発第 0107001 号厚生労働省医薬食品局長通知にて、医 療用医薬品再評価結果が公表され、薬事法第 14 条第 2 項各号のいずれにも該当 しないとの結果を得た。 12.再審査期間 該当しない 13.長期投与の可否 本剤は投与期間に関する制限は定められていない。 14.厚生労働省薬価 基準収載医薬品 コード 2478001F2276 15.保険給付上の注意 該当しない 13 ⅩⅠ.文献 1.引用文献 1) 野村忠敬ほか:薬理と治療,16(4),1677(1988) 2) 杉山 信:プロスタットの生物学的同等性に関する資料(日本新薬社内資料)(1985) 3) 鷲見信好ほか:日本新薬社内資料 2.その他の参考文献 該当資料なし 14 ⅩⅡ.参考資料 主な外国での発売状況 該当資料なし 15 ⅩⅢ.備 考 その他の関連資料 該当資料なし 16