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視覚障害・聴覚障害教育コース 聴覚障害教育専修プログラム 個々の

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視覚障害・聴覚障害教育コース 聴覚障害教育専修プログラム 個々の
2014.2.26
鳥取聾学校 本校
聴能担当 岸本浩忠
No.10
[速報]
職員研修会(2月 24 日(月))
視覚障害・聴覚障害教育コース 聴覚障害教育専修プログラム
【課題研究】
個々の子どもに合わせた授業の充実―指導と授業計画の立案―
講師
山根
里美
教諭
この文章は独立行政法人 国立特別支援総合研究所研修(平成25年9月3日(火)~11月8
日(金)
)の伝達研修の要約です。ご家庭でも応用できる点を中心に記載しました。文体は敬体と
し、一部を簡単な言葉に改めています。
1 聴覚に障がいのある児童の実態把握の方法
聴覚に障がいのある子どもの聞こえ方や発音の状況を把握し指導に活かすためには、①補聴機器、
発音・発語のしくみなど、聴覚障がいにかかわる知識・技能を身につけておくことと、②聞こえる
子どもたちの聞こえやことばの発達を理解しておくことが必要です。
ご
い
また、言語力に関する検査(語彙や構文など)では、点数だけではなく質的なチェックが必要で
す。①聴覚障がい児の能力や知識にはムラがあり、ある単語がわかったからといってそれと同等の
単語やそれより簡単な単語がわかるとは限りません。逆に、ある単語がわからなかったからといっ
てそれと同等やそれ以上のレベルの単語がわからないとは限りません。また、②検査結果を子ども
がどう考えて答えを選んだのかの判断材料とするとともに、何がわかっていて、何がわかりつつあ
って、何がまだわからないのか明らかになるような分析を行うことで、指導と評価が一体化して教
育効果が上がります。
さらに認知の特性や知的能力等を把握するための検査を
行うことで、個々の子どもの実態により近く迫ることが可
能です。検査の結果を教員相互及び保護者の皆さんと共有
していくことは、継続性のある支援につながります。
2 授業づくり(ご家庭での指導を想定してお読みください。)
(1)基礎的配慮
① 音環境の整備・・・(子どもの聴力を把握した上で)よく聞こえる声量とわかりやすい話し方を心
がけましょう。
(最近はスマートフォンのアプリに騒音を測定するものができ参考になります。
)
② 言語環境の整備・・・教員(保護者)は子どもにとって言語モデルです。正しい日本語を使いまし
ょう。また、年齢に即した読み物も整備しましょう。
③ 視覚情報の充実・・・子どもは視覚でたくさんの情報を得ます。図や写真と日本語が一緒に書かれ
た掲示物・本を活用するとともに、ふりがなや指文字、キューサインで音を確認しましょう。
④ 体験活動の重視・・・言語概念を形成するために、子どもが直接体験できる場を設定しましょう。
⑤コミュニケーションの成立・・・「通じ合う」授業のためには個々の子どもに対応できるコミュニケ
ーション手段の選択の問題が、次に常に通じたかどうかの確認が必要です。コミュニケーション
手段は、キュード・スピーチ、聴覚活用、指文字、手話等があります。これらの機能の特色に十
分配慮し適切に選択することが必要です。通じたかどうかの確認には、教師(保護者)の言った
ことの復唱、実際に黒板に書かせてみる等の方法があります。
⑥系統的・計画的な指導…年間指導計画は各教科等の横の関係も考えて組まれています。相互に関
連づけて指導するとさらに効果が上がります。
(各教科等横断的な年間指導計画)さらに、幼稚部
から高等部まで連携して、子どもの成長に合わせた継続的な支援が必要です。
⑦教材・教具
子どもの主体的学習を支えるのは「おや」とか「なぜ」とかの心的働きや「面白い」という気
持ちを持つことです。教材の選択については、子どもの興味関心に近いもの、生活の中でなじみ
のあるものを使って学習活動が展開できるよう工夫することが大切です。また、使用方法につい
ても、効果的な使用ができるよう研究が必要です。
⑧板書(教員が黒板に書いたもの、1時間の授業の流れ・整理されるべき内容が黒板に書かれたもの
をさします。
)
板書はチョークの色やカード、短冊等を用いながら、視覚的に捉えやすいよう工夫します。聴覚
障がいがある場合は、聞きながら書くのは難しく、板書の時間を適切に設けることも必要です。
⑨評価
「分かりましたか」と聞いて「分かった」と答えても、安心してはいけません。「分かったか」
と尋ねられたことが分かったという場合が多いからです。子どもが学習内容を理解したかどうかの
判断は、指導時のやりとりや行動で評価することが大切です。すなわち、具体的な行動目標と照ら
し合わせて到達度を評価します。子どもがどのように思考しているか、どのように判断しているか
は目に見えないものであり、話す、書く、作品等、表現されたものを通して評価していくことが重
要です。また、叱ることより褒めることの方が、教育の効果は大きくなります。
(3)言語指導
①口声模倣(指導者の口の動きを見ながら児童に同じように発声させること)や手話模倣の充実
聴覚だけでなく、視覚的な情報も模倣の手がかりとなるほか、口の動きを意識することで筋感
覚も記憶の手がかりとなり、言語の定着に効果があります。また、口に出すことで言葉のテンポ
やリズムをつかませることができます。
②拡充模倣(子どもの発話を少し長くして口声模倣させること。発話を単語ではなく文にしてかえす。)
例)指導前「ちょうだい」→指導後「おやつ、ちょうだい」
子どもの心を揺さぶってより正しい言葉を定着させることをねらって指導します。
③生活の言語化(子どもの発達段階や年齢等に即した生活場面でのやりとりを通して、聴覚に障が
いがあることで獲得しにくかった語彙や表現を身につけさせること)
トピックスや流行語等を取り上げたやりとりなどを自然なコミュニケーションの場を通して行
います。
④言語の生活化(教科学習の中で扱う言葉を事前に日常生活の中で意図的に使用したり、授業で扱
った言葉を意図的に生活の中で使用したりする場を設け、子どもの言葉の定着を図ること)
対象となる言葉を扱う単元の指導前から指導後にかけて行います。
(指導後も、言葉が定着する
まで行います。
)
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