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未来を生きる子どもたちに 求められる情報活用能力
未来を生きる子どもたちに 求められる情報活用能力 鳴門教育大学大学院 准教授 藤 村 裕 一 教育の情報化は 2領域3分野の明快な区別のもとで 混同による誤解 Information Education 学校教育の情報化 Digitalization of School Education 授業の情報化 校務の 情報化 (学びの場における 情報通信技術の活用) 教師 情報教育 情報活用の実践力 情報の科学的な理解 情報社会に参画する態度 児童生徒 2 1 ツールとしての情報メディアの活用 • あくまでも「ツール」としての活用→子どもが使う必要感・ 必然性を感じる目的意識・問題意識を!(授業改善) • 特定のソフト・ハードに依拠せず,さまざまな「ソフト」 「ハード」を,柔軟に活用できる「応用力」 =Platform Freeな活用指導 • 情報「機器」だけでなく,多様な情報メディア(アナログ& デジタル・・・紙媒体,音声言語,アフォーダンス等も)も, 特性に応じて効果的に • 読解と表現,コミュニケーションに関する指導等を通して いつの時代・どんな場合にも使える情報に関する指導を (情報機器の活用や表現に偏らない情報教育,情報科学の教育への応用も) 時代が変わり,メディアが変わっても 生涯にわたって柔軟に対応できる「転移できる力」の育成を! 3 情報教育は, 社会で生きることや学ぶこと,ものの見方・考え方など, 人間形成に深く関わるもの 哲学×科学 本質的多元論 の重要性 流行 教育情報学から Multi disciplineな 教育情報人間学へ 不易 時代とともに変わるもの いつの時代も変わらないもの コンピュータ,インターネット ケータイ,デジタル放送,デジカメ プロジェクタ,電子メール,電子掲示板, ブログ,プロフ,学校裏サイトなど ウイルス,ファイル共有,スパイウェア 感じる(感受,感性) 知る・考える(思考,理解,記憶,自律) 伝え合う(読解,表現,伝達,他社理解, 自己の相対化) 生きる(生物としての人間,自尊感情)など 情報を有効活用する知識・技能 メディア特性 情報特性・人間特性を 踏まえた見方・考え方・感じ方 4 (なぜそうなのか,どうすべきなのか理由つきで学ぶ) 2 情報社会に 参画する 態度 情報活用の 実践力 (日常の行動規範 日常モラルと 関連づけて) (アナログもデジタルも) 人間と情報との関わりに関する価値観 (情報に関する見方・考え方・感じ方) 情報の科学的な理解 (応用力を獲得するために必要な 不易と流行両者に関する具体的な知識) 5 佐伯胖,藤村裕一 支援としての リフレクション 人間教育としての情報教育 well-being(よりよく生きようとし続ける人間の姿) 能力育成 情報活用能力 方法知 メディア特性 人格形成 モニタ リング 内省 情報と人間とのかかわりに関する メタ認知 学力・自己教育力 対 象 領 域 価値観形成 見方・考え方・感じ方 情報特性 伝え合う 読解 表現 伝達 他者理解 自己の相対化 情報活用能力の育成を 最終目標としない 情報教育 内容知 人間特性 感じる 知る・考える 思考 認知(情報収集・選択, 記憶,知識の再構成) 自律(Self control) 感受 美意識 感性・品性 生物としての人間理解 自尊感情(Self-esteem) 生きる 6 3 H大の教育理念(知的技法の育成) 情 報 教 育 正確に理解する能力 正確に書く能力 正確に意思の疎通をはかる能力 数量的な処理能力(コンピュータ) 1つ以上の外国語に通じる能力 明晰かつ批判的に思考する能力 自然と社会と人間とのかかわり方を理解し, 知識を得る方法と考え方の習得 違った価値観や制度をもった異文化に関 する深い認識 7 具体的な指導内容は,各種 モデルカリキュラムを参考に 「情報の科学的な理解」で指導すべき 知識が具体化されていないのが課題 8 4 9 10 5 11 ねらいに応じてメディア・ミックス (クロスメディア) アナログ・メディア 体験・活動 デジタル・メディア 6 教育におけるICT導入の必要性,有効性の議論 (欧米では,20年~10数年前に完了) 在り方の検討と普及のフェイズへ ●必要なICT環境,望ましいICT環境(持続可能性,自立展開可能性)の検討 ●上記ソフトウェア,ハードウェア,インフラ,制度の開発・改善 ●効果的な活用法の開発と共有 ●先進的・創造的な全体構想の開発・普及 13 本質的多元論 本質を見据え, 本質への回帰 番組・デジタル教材・ICTの活用で,授業改善を! 「電子黒板」→黒板に置き換わるものか,大きさの問題 (自己目的化×,黒板との役割分担・連携) (「電子情報ボード」 →コンテンツ(教材)活用が本質,OHCも) 全教室の「デジタルテレビ」活用研究を 「デジタル教科書」→紙ものの教科書に置き換わるものか (電子教師用指導書・掛図…子ども用は紙) (教科によって適・不適,すべきでないこと) (デジタル教科書orデジタル教材) 「ICTに頼るの」はやめましょう→あくまでも授業改善 目的に応じてメディアミックス 「学ぶ」より,「遊べ!」→教師の遊び心が,いい授業に 7 教師用にほしいもの① 指導者用デジタル教科書 デジタル教師用指導書 (「教科書を例に」望ましい指導の仕方を示す) (デジタルとアナログの組み合わせ方) (教科書以外の教材へのリンクも)→2画面機能の有効活用 デジタル教材提示(Multi platform) (教科書の資料をマルチメディア化して大きく映す, 効果的に見せる・提示する,操作する) 教師用にほしいもの② 授業支援システム(ツールだけでなく) ツ ー ル 部 分 デジタル教科書教材,デジタル教材を統合操作 (収集・並び替え・提示・書き込み,時数自動報告,略案共有, 児童生徒端末の状況把握・蓄積・分析,画面転送など) (要プラットフォーム or 連携標準) ベテラン大量退職 新卒大量採用 + 授業改善のための 高付加価値化 初心者でもいい授業をできるようにする支援 (問題発見の4方法,目的・過程別の教師の支援(発問・指 示等),効果的教材提示方法,形成的評価の方法等を提示) ↑教育学の知見↑ 8 学習者用にほしいもの① 学習支援システム(ツールだけでなく) ツ ー ル 部 分 デジタル教科書教材,デジタル教材,インターネット, マルチメディアノート,発表ツールを統合操作 (提示・共有可能マルチメディアノート,協働学習用マルチメ ディア掲示板,3Dリアルタイム協働学習空間,TV会議システム) Cf. PAT,CVA等 + 教育改善のための高付加価値化 校務支援システム(統合型学習者情報DB)連携機能 (学習記録の自動収集・分析・評価連携,保護者の閲覧,e通知表) 学習アドバイザ機能 (場面・目的別アドバイスを教師のコントロールの下で表示) マルチメディア電子掲示板等,協働学習の場を 9 学習者用にほしいもの② 発達を考慮した学習者用サービス 協働学習空間管理・運営組織 (適切なコミュニティ運営のための人的システム,公的white list) 学習者用廉価ネットワークサービス (家庭学習対応,動画対応) 発達に応じた学習者用携帯端末 (常時携帯,家庭・郊外でも・・・本当に10インチだけ?Interfaceは?) 発達に応じたユーザ認証 (小学校1年生に8桁のパスワードでいいのか?) 発達に応じた音声入力FEP (文章入力対応.学習済み漢字対応,児童生徒用推測入力) ZoomIt の活用で,電子情報ボード化 各教室のデジタルテレビ活用が喫緊の課題 発表者ツールによる複線化 + 実物投影機(OHC)化 高画質・高音質を生かす取り組み,見せ方も 10 ICT(含デジタル教材)のメディア特性(プラス面) マルチメディア性(動画,静止画,音声,文章,数字等を統合処理) 可塑性(拡大・縮小,加工が容易) 即時性・複写性(デジタルで即時保存・再生,劣化なくコピー作成可能) 高操作性(ランダムアクセス,早回し・スロー・一時停止,繰り返し視聴等) 共有性・通信性(デジタル信号として劣化なく諸回線で送受信・共有) アーカイブス性(分類整理・蓄積し,高度な検索が可能) ICT (含デジタル教材) のメディア特性(マイナス面) 操作困難性(発展途上の機器が多く,設置・操作に習熟が必要) 電源・回線依存性(電源や回線速度に依存・左右される) 価格・性能比例性(高性能のものは高価格で,導入困難) 偏見性(ICTは非人間的・非教育的 or ICTバラ色論的 偏見) マイナス特性を軽減・克服し, プラス特性を最大化して活用するのが望ましい在り方 11 クラウド・コンピューティングの実現イメージ アプリケーション事業者→ 「仮想化」を活用したWebアプリ化 仮想統合されたデータセンター、機器等リソース(HaaS/IaaS)に、 プラットフォーム(PaaS)、アプリケーション(ASP・SaaS)が搭載され、 ベンダー→複数のアプリケーション事業者とプラットフォーム事業者 多様なクラウドサービスが利用者に提供され始めた のコーディネート 概念イメージ データセンター間のリソース統合 センター内統合 《仮想化》 センター内統合 センター内統合 多様なクラウドサービス アプリケーション アプリケーション アプリケーション 事業者 事業者 事業者 プラットフォーム プラットフォーム 事業者 事業者 サービス利用者 サービス利用者 23 出所:「地方公共団体における ASP・SaaS導入活用ガイドライン 概要版」(総務省)をもとにASPIC 作成・藤村修正 教育クラウドのメリット ハードウェア調達、システム更新の費用が不要となる ・従来のシステム構築と異なり、新規ハード購入、システム構築や運用サポート等の費用が不要 ・システム構築を行わないため、迅速にサービスを利用開始可能 ・従来のようなハード更新年度の費用負担が不要 各年度の費用負担を平準化できる ・ハード更新が不要となるため、毎年度のサービス利用料金支払いのみで費用負担を平準化 (※上記のメリットはいずれもレディメイド型のASP・SaaSを庁内の既存機器で利用する場合を想定) 【教育クラウド導入の場合と従来型のシステム開発の場合のコストの比較イメージ】 【前提条件】 教育 クラウド ・レディメイド型 ・LGWANを利用 ・既存クライアントを利用 ・サービス内容にあわせて業務 を標準化するためのBPR※に 要する人件費等コスト、デー タ移行費は含まない 導入前年度 初年度目以降 コスト低減 運用業務からの開放 ASP・SssS 初期導入経費 サービス 利用料 削減されるコスト ・オーダーメイド型 ・ハードはリース化 ・ハード保守契約を締結 ・データ移行費は含まない 導入期間短縮 現 地 調 整 費 システム開発・構築費 導入前年度(開発・設定作業) 共同利用が鍵 割り勘効果 【主な削減コストの内訳】 ハードウェア・ソフトウェアリース料、ハードウェア・ソフトウェア保守料、機器搬入・現地調整費 ※削減されるコストはサービスの種類や利用条件等によって異なる 【前提条件】 従来型の システム 開発 (凡例) ①ASP・SaaSと従来型のシステム構築にお いて、ほぼ同種のコストは同色としている。 ②従来型のシステム構築のみに必要となるコ ストは網掛けとしている。 小 ← 機 器 搬 入 ・ ハ リー ード ス ・ ソ 料フ ト ハ ー ド システム ・ ソ フ 運用サポート費 ト 保 (制度改正対応含む) 守 料 更にリース満了以降に 機器の老朽化に伴う 機器更新などが必要 初年度目以降 負担コスト → 大 24 12 教育クラウドの実現イメージ(ハイブリッド)鳴門教育大学 学びの場における情報通信技術の活用 SaaS (Software as a Service) デ ジ タ ル 教 科 書 A デ ジ タ ル 教 科 書 B デ ジ タ ル 教 材 イ デ ジ タ ル 教 材 ロ 授 業 支 援 シ ス テ ム 藤村裕一,2010 校務情報化 ナ 自 レ 作 ッ ジ 教 材 マ ネ ・指 ジそ導 メの案 ン他 トの ノ ン ・ 校セ ン 務シ アテ プィ リブ ① ノ ン ・ 校セ ン 務シ アテ プィ リブ ② ※デジタル教科書は教師用指導書付録扱いであり,Web配信のための著作権処理をされていないため, 現状ではサーバ利用不可 セ ン シ テ 校ィ ブ 務 ア プ リ 1 センシティブ セ ン シ テ 校ィ ブ 務 ア プ リ 2 共通認証基盤 (シングルサインオン) (Platform as a Service) 電子決裁 オ フ ィ ス ア プ リ イ ロ データ パブリック・ クラウド コミュニティ・クラウド PaaS オ フ ィ ス ア プ リ 内容固定 (原本証明) データ連携 自動バッ クアップ アプリケーション実行環境(ミドルウェア,共通モジュールなど) アプリケーション開発環境 プライベート・クラウド with VPN IaaS/HaaS (Infrastructure/Hardware as a Service) 回線負荷軽減システム 超高速回線(有線/無線) 設置場所明示ストレージ サーバ,ストレージ,ネットワーク,OS,端末,入出力装置(提示装置を含む)25 札幌市…全国標準+教育クラウド+大規模災害対応 ●小・中・高・特別支援一括導入・・・317校 (児童生徒数=約15万人 教職員数=約1万人) ●教育クラウドをサービス調達(5年間) ●APPLIC教育情報アプリケーションユニット標準仕様 V1.0準拠 ●震度7相当対応データセンターで自動バックアップ ●専門家による進捗管理とアドバイス ●パイロット校における先行導入と活用促進委員会 ●ヘルプデスク・ICT支援員の配置 札幌市内のデータ センターで運用 帯広市内のデータ センターへ超高速 回線でバックアップ 宮古島市…教育クラウド+テレワーク 13 メッセージとは(by 形態論 情報科学) 記号メッセージ 非記号メッセージ Coded Message Non-coded Messages 言語メッセージ verbal messages 表現作品(絵,彫刻など), 表情,しぐさ, 文字言語・音声言語 文化(伝統,慣習など), Cf.ミーム(文化的自己複製子) 非言語メッセージ nonverbal messages 事物の態様 など 絵記号,抽象記号 明示的 暗示的 読み解くおもしろさ 27 コミュニケーションに関する教育<メディア特性> 同期性 情報チャ ンネル 同期 論理・ 感情 伝達性 容易性 保存性 匿名性 公開性 帰属 意識 音声, 感情・ 身振り, 論理 表情, 服装, 視線, 雰囲気 ◎ × × △ ○ 手紙 非同期 文字,絵 感情・ 論理 × ◎ ○ × × 電話 同期 音声 感情 ◎ × × × × 携帯 同期 音声 感情 ◎ × △ × × メール 非同期 文字 論理 ○ ◎ × × △ 感情・ 論理 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 非同期 文字,写 感情・ 真 論理 ○ ○ × × ◎ 対面 電子 非同期 文字 掲示板 SNS 28 14 コミュニケーションの仕組み 文脈 文脈(コンテクスト) その世界特有のコミュニケーション 発 信 者 環 意 図 的 情 報 自己理解 (メタ認知) 記 号 化 △他者理解 言語 非言語 メ デ ィ ア その世界特有のコミュニケーション(プロトコル) 復 号 化 クオリア (感覚質) 非 意 図 的 情 報 ノイズ 一回性 非対称性 受 信 情 報 セレンディ ピティ 読解+思考 偏見・バイアス ステレオタイプ スキーマ 境 他者理解 自己理解 (メタ認知) 自己の相対化 受 信 者 自己変容・ 自己創出 断片的知識 偶有性 (手紙・メールより, 対面会話が高) 29 シャノン&ウィーバー,フィッシャー,林,ピアーズ&クローネン,茂木の理論を統合 コミュニケーション観(見方・考え方・感じ方) 特性理解…コミュニケーションは,○○という性質をもつ。 ・一回性,非対称性,偶有性 効果理解…コミュニケーションは,○○をもたらす。 ・他者理解 ・自己理解(メタ認知) ・自己変容・自己創出 ・セレンディピティ 判断…だから,自分はコミュニケーションをこうする。 30 15 よりよい情報の読解とコミュニケーション のために指導しておきたいこと <情報特性に関する例> 一次情報(直接見聞きしたこと)の方が 二次情報(伝え聞いたこと)より,信憑性が高い 情報はすべて発信者の視点で切り取られたもの …真実をまるごとそのまま伝えるのは不可能 <人間特性に関する例> 人は,同じ情報を違うように見ることがある 人は,偏見・先入観をもってものを見がちである 人は,非日常世界では違う人格となることがある 31 『情報モラルを鍛える』(赤堀侃司ほか,2004,ぎょうせい) 第3章コミュニケーション能力をどう向上させるか 守末 恵(桜美林大) 求められるコミュニケーションの力① 特 に 重 要 「見る」ことは「見ない」こと 意図しないものがメッセージに 二度と繰り返せない シンボルのやりとり 逃げられない 言葉にならざるメッセージを知る 解釈ルールの違いが誤解を生む 32 16 求められるコミュニケーションの力② 非言語コミュニケーションによるいじめ 非言語コミュニケーションを利用した仲間 づくり・雰囲気づくり 話す力を育てる とにかく慣れる,そして自分で確認する 自分を語って知ってもらう 話すためにいろいろなことに興味をもつ 33 求められるコミュニケーションの力③ 人間関係をスタートさせる力を育てる まずは目を合わせ,スモールトークを始めよう きっかけを自らつくる姿勢を育てる フレンドリーであることの大切さ 交渉力を身に付ける アサーティブ・コミュニケーション 消極的なコミュニケーション(泣き寝入り・我慢型) 攻撃的なコミュニケーション(けんか腰・一方的型) アサーティブ・コミュニケーション(Win-Win型)34 17 求められるコミュニケーションの力④ 聴く力を育てる(アクティブ・リスニング) 反応力 クリティカル・シンキング 価値観の違いを知って共感力を育てる ポジティブ・フィードバック→自尊感情 チャレンジする目標をもつ 35 問題解決学習・課題解決学習における 知識・技能の活用モデル ひとりで ひとりで ひとりで みんなで みんなで 問題 疑問・目的 既習事項 既有経験 仮説 解決 調査・観察・実験等に関する知識と, その活用によって得た客観的知識 新出事項 新規経験 分析 総合 比較 検証 直感的思考 拡散的思考 主観的思考 反省的思考 集中的思考 客観的思考 帰納的推理 演繹的推理 類比的推理 18 「学ぶ」こと・「考える」ことと情報 (読解力・思考力・判断力の育成) 教材例 思考のレッスン 学び方(「問題解決学習」や「仮説実験」など) 思考法(演繹的思考と帰納的思考,拡散思考と集中 思考,比較,比喩など) →読書の重要性 発想法(ブレインストーミング,KJ法,逆転の発想など) 論理構成の初歩(思考や説得,嘘を見抜くために) 内省の仕方(よりよい見方や考え方,自分作りのために) 教科等の学習や生涯学習,よりよい人間であるための思考・内省 37 問題解決学習における知識・技能の活用法モデル みんなで ひとりで 問題 疑問・目的 既習事項 既有経験 ひとりで 仮説 検証 ひとりで 解決 調査・観察・実験等に関する知識と, その活用によって得た客観的知識 新出事項 新規経験 分析 総合 比較 みんなで 直感的思考 拡散的思考 主観的思考 反省的思考 集中的思考 客観的思考 帰納的推理 演繹的推理 類比的推理 38 19 この部分の 育成を! セットで鍛えるのがポイント! 問題解決における思考・判断 読解力 新たな情報 ① 思考力 ② 判 断 分析・考察 ③ 知 識 39 「多面的読解」の重要性 同じ情報を見ても,得られる知識・識見の深さ・広さが違う 例題:これは何ですか? ボールペン=ステレオタイプ 視点・立場を変えて見る+スキーマの照合+思考 「多面的読解」は より多くの情報をもたらす <【素材】で見た例> <【形状」】で見た例> ゴム,プラスチック,インク,鉄 正面から見たら円,グリップにくぼみ,クリップ ↓(スキーマとの照合) ↓(スキーマとの照合) 同じ工場で作っているわけがない ものの形状には理由がある ↓(分析・関連思考) ↓(分析・関連思考) それぞれの素材・部品工場が 握りやすさ,可搬性,保持性 あり,組み立て工場がある。 40 20 情報モラル指導の基本的な4つの考え方 禁止ではなく,望ましい使い方と気をつける点を指導 多数の事例指導を必要とする対症療法的指導でなく, できるだけ少ない事例から応用が利くようにする指導 緊急対策-応用力育成-長期的人間教育 を組み合わせた指導=UAL method 学校-保護者-支援組織の連携を目指した指導 モラルの構造と成立過程 強 制 力 ルール(規則) 集団や社会とのかかわりで 守るべき マナー(行儀作法) 他とのかかわりで 迷惑をかけない気配り エチケット(礼儀作法) 自分自身の問題として 気づかい エシックス(倫理) あり方,理想,正義,公正 内 面 化 強制力と内面化は,長い年月で確立していった「概念の軸」 情報モラルは短期間で成立したため未分化 『日常の授業で学ぶ情報モラル』,中村祐治ほか,教育出版,2007 42 21 情報モラル教材構成の新method① UAL method Urgent action - Adaptability – Long span human education 長期的 人間教育 情報モラル教育の教材構成 緊急対策 Urgent action 応用力 Adaptability Long span human education Social capitalの重要性 43 情報モラル教材構成の新method② SPS method Students - Parents - School 親子のための情報モラル教育 児童生徒 保護者 児童生徒 学校 保護者 児童生徒 学校 学校 保護者 44 22 新学習指導要領では… 総則本文 先生ご自身にも実施義務 「…コンピュータで文字を入力するなどの基本的な 操作や情報モラルを身に付け…」 すべての教員が,すべての教科等で実施 総則解説における情報モラル教育の具体的目標 他者への影響を考え,人権,知的財産権など自他の 権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと 危険回避など情報を正しく安全に利用できること コンピュータなどの情報機器の使用による 健康とのかかわりを理解すること 総則解説における学習活動例 23 24 情報モラル教育実践ガイダンス 文部科学省 国立教育政策研究所(平成23年3月) http://www.nier.go.jp/kaihatsu/jouhoumoral/guidance.pdf 49 情報モラルの指導内容(3) 情報倫理(心を磨く) 情報社会の倫理 法の理解と遵守 公共的なネットワーク社会の構築 安全への知恵 情報セキュリティ 情報安全(知恵を磨く) 50 25 情報モラル指導カリキュラムチェックリスト 52 26 「情報モラル教育実践ガイダンス」の指導案 53 CECの情報モラルポータル 「ネット社会の歩き方」 http://www.cec.or.jp/net-walk/ 54 27 まず子どもに指導しておくべき4つのこと 「匿名性」はない (詳細な記録が残る) 秘密の場所ではない (誰もが見られる) 違法行為は厳罰となる (バーチャルな世界の話でなく,現実世界の行為) 一度ネットに流出すると回収不能 (謝ってすむ問題でなくなり、取り返しがつかない) 今すぐ大人(教師・保護者)が すべき3つのこと まずは,子どもの実態を知る フィルタリング等の設定をする 我が家のルールを決めさせる 56 28 もし,ネットいじめにあったら メールや掲示板の内容を保存・印刷したり,画面の 写真を撮る。 メールアドレスを変更する。または,しばらく携帯電 話を使わないようにする。掲示板の管理人やプロバ イダに削除依頼をする。 学校や警察の生活安全課に相談し書き込んだ児童 生徒の特定や指導を依頼する。 一人で悩ませないこと 57 まずは,証拠を残して,先生や親に相談!! それが難しいときは・・・ 大分県警 大分県警察本部 サイバー犯罪 対策室 097-536-2131 文部科学省→教育委員会 24時間いじめ相談ダイヤル 0570-0-78310 (なやみ言おう) 29 教育クラウドによる校務支援システム デジタル教科書・教材・授業支援システム 「人間教育としての情報教育」 積極的なICT活用 よりよい教育の実現を! 今後は,テレワーク(ソフトウェアシンクライアント等) の導入促進も! 地域情報化アドバイザー制度(総務省予算で講演1回・助言3回まで) [email protected] 30