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ニューズレター(9月)
大阪商工会議所中小企業振興部 〒540-0029 大阪市中央区本町橋2番8号 TEL06(6944)6451 FAX06(4791)0444 No.225 2009.9.18 ニューズレター(9月) テーマ 1.工夫ある経営で頑張っている中小企業(8件) ………………………… 2頁 ○都会の喧騒のなかの水草魚店(㈱上田・北区) ○特殊な加工技術で精度の高い製品を短納期加工するネジ加工会社(竹内製作所・城東区) ○癒しにこだわり天然素材よもぎにこだわる寝装具を提供(㈱エネタンコーポレーション・中央区) ○本社工場・駐車場の全照明をLED化し、環境保全に取り組む企業 ∼地球温暖化防止にチャレンジ∼(前田機械㈱・港区) ○信用と信頼を大切にして業歴 100 年以上の老舗企業を経営する4代目経営者 (㈱源邑光北野刃物製作所・生野区) ○確かな技術と顧客志向に裏打ちされた「車のお医者さん」 (㈲吉井モータース・浪速区) (島野珈琲㈱) ○「大阪の珈琲を売る」←→「繁盛店を造り、育て、共に栄える」 ○天然無垢の木材の木くずを凝縮させたECOで安心な加工薪「火だまりブリケット」 (誠交木材工業㈱・住之江区) 2.地域の動き(2件) ………………………… 10 頁 ○生野工業高校で「ものづくり教室」が開催される(生野区) ○天王寺・阿倍野支部が「あべのカーニバル」に出店(阿倍野区) 大阪のあるべき姿と重点テーマを示す「ビジョン」と、そ の実現に向けた「アクションプラン」をとりまとめたのが 「大阪賑わい創出プラン」です。 “ビジネス・ホームドク ター” である経営指導員が、 地域商工業に活力あふれる 「大 阪」をつくりだすための支援をします。 新淀川支部(淀川三区担当) 北・都島・福島支部 旭・城東・鶴見支部 中央支部 此花・西・港支部 東成・生野支部 天王寺・阿倍野支部 大正・浪速・西成支部 東住吉・平野支部 住之江・住吉支部 工夫ある経営で頑張っている中小企業 都会の喧騒のなかの水草魚店 株式会社上田(代表取締役:上田義継氏 所在地:北区芝田 1-1-3 ℡:6376-3277 正社員: 3名)は、トロピカル水草魚店「ウエダ」を昭和 53 年に開業し、平成4年6月に法人成りした。 店舗は阪急三番街1階北側、阪急かっぱ横丁の向かいにあり立地条件は良い。 社長さんによれば、過去のバブル時のようなブーム時には、単価の張るアロアナ等の大型熱 帯魚等が飛ぶように売れ、法人客も急激に拡大した。また、10 年前の不況時には、サラリーマ ンの癒しの対象として熱帯魚ブームもあったが、現在の不況時は、閉塞感からか急激な売り上 げの拡大は見込めないとのこと。 目下の業務は、阪急三番街のミニ水族館等の管理受託業務と小売販売であるが、小売販売に おいては、一般のサラリーマン層を対象として小型の淡水魚・汽水魚・海水魚を 1,000 種類以 上水槽に陳列し、豊富に品揃えしている。また、魚の専門医的な知識のある大学の水産学部を 卒業した従業員を配することにより、その場で、その熱帯魚特有の育て方、雌雄の区別の仕方、 卵の産ませ方、魚特有の病気に対する対処方法等を即答できるようにしている。そのためか、 固定客層に根強い人気がある。 社長さんの話によれば、小型熱帯魚中心で販売単価は安価であるため、売上そのものには貢 献しないとのこと。 ただ、都会の喧騒の中にあって、いろいろな熱帯魚を扱うこの店舗は貴重な存在である。 (北・都島・福島支部) 特殊な加工技術で精度の高い製品を短納期加工するネジ加工会社 城東区放出の工場密集地にネジの加工を専門に行う会社がある。 昭和 35 年創業で業歴 49 年のネジ加工会社、竹内製作所(所在地:城東区放出西 1-3-44 ℡: 6967-1134 代表取締役:竹内弘氏)だ。 工場に入ると大型の加工設備が所狭しに配置されており、激しい音を立てながら稼働してい る。景気後退の影響で昨年の6割程度だと竹内社長は苦笑いしているが、設備の稼働状況を見 る限り、そうとは思えない活況振りだ。 一言でネジと言っても多種多様。量販店等で売られているような規格ネジもあれば、ユーザ ーごとに仕様が異なる特殊ネジもある。同社で扱っているネジは後者の特殊ネジ、主に自動車 のエンジン回りや内装部分に使われている。自動車用のネジは、メーカーや車種、使われる場 所によって、全て仕様が異なるだけでなく、受注ロットが大きく、数万単位で注文が入る量産 品でもある。 2 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) 同社では、このような受注に迅速に対応できるよう、創業当初から切削による加工を行って こなかった。ネジ加工と言えば、一般には切り屑を出しながら行う切削加工を想像してしまう が、材料に大きな力を加えて変形させる加工方法もある。 この方法を一般に冷間圧造や転造などと言う。高度な技術を要することや費用がかかること 等から、まだまだ採用している業者が少ない特殊な加工技術だ。転造は金属繊維を切断しない ので強度的にすぐれており、しかも安定した精度で量産できる加工方法。その一方で、不良対 策を十分しておかなければ、全て無駄になってしまう危険性もある。 同社では、全ての転造機にセンサーを取付け、不良が発生したら自動停止するようにしてい る。自動停止させることで、不良を後工程に流さない、その場で原因を見つけ出し、二度と同 じ失敗を繰り返さない。工程内で品質をつくり込むことが竹内社長の考えだ。 この取組みを始めて、既に 10 年以上が経過する。不良が出る度にラインが止まるので、当初 は納期に追われて大変だったが、 不良が出ない分、 返って加工効率は高まると自信を覗かせる。 昨年秋以降、自動車メーカーの 在庫調整を受け、自動車部品メー カーや関連加工会社は厳しい経営 を強いられている。同社もその例 外ではないが、高い精度で短納期 加工できる強みが評価されている のか、他社に比べれば落込みは少 ない方。とは言え本格的な稼働に はまだまだ至っていない状況。早 期の景気回復を期待したいところ だ。 (旭・城東・鶴見支部) 癒しにこだわり天然素材よもぎにこだわる寝装具を提供 株式会社エネタンコーポレーション(所在地:中央区南久宝寺 3-3-3 三都ビル2階 ℡: 6281-5600 URL:http://www.enethancorp.jp/index.html)は、自社で開発し、特許申請した 「エネタン素材」の寝装具の製造販売を営む平成 20 年 12 月に設立した新しい会社である。同 社は、加藤木正彦社長が独立に際し、以前の勤務先の会社から営業権譲渡を受け、設立したも の。 エネタン素材は、天然の「よもぎ」100%と天然水を配合したウレタン樹脂を自然発泡させた 素材のこと。自然の恵みとエネルギーがいっぱい詰まったウレタンから、 「エネタン(エネルギ ーウレタンの略) 」と名づけた。 「エネタン」の特徴は、次の通り。①素材に配合される「よも 3 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) ぎ」は日本のハーブであり、消臭性、抗菌性、防虫性に優れている。②人の体温と体圧を感知 して、理想的な体圧分散を行う。③特殊製法により、高い吸湿性と一般低反発ウレタンより 19 倍も優れた通気性を実現。④ウレタン気泡の骨格がしっかりと形成され耐久性が高い。このよ うに、ホルムアルデヒドやヒ素化合物質は一切使用しないで、環境にやさしく、安心、安全で ある。 商品群は天然よもぎ配合の①低反発ウレタン枕、②マット&マットレス、③椅子の背・腰マ ットのほか抱き枕も揃えている。価格は枕で 1 万円前後とちょっぴり高価だが、 「人生の1/3 の時間を占める睡眠を理想の型で提供できます」と自信をもっておられる。また、秋からはお 手頃価格の商品も発売を開始するとのこと。 同社は企画、OEM製造、卸売が中心だが、アンテナショップを大阪の心斎橋に設けて、取 扱店は、関東中心にロフト、ハンズ (8店)、ナチュラルハウス(7店)、 東武百貨店(3店)、西武百貨店(3 店)、ヤマトヤシキ(2店)等多数で 取り扱っており、ヤフーオークショ ンや通販でも購入可能である。 蒸れにくく、高機能が快眠を誘う 枕や、マットレスは、生活の不規則 な人たちが体調管理に役立てられる と購入するケースが目立っている。 南久宝寺町の直営店に、是非一度、 足を運んでみては。 (中央支部) 本社工場・駐車場の全照明をLED化し、環境保全に取り組む企業 ∼地球温暖化防止にチャレンジ∼ 前田機械株式会社(所在地:港区市岡元町 2-3-28 代表取締役:前田博氏)は明治 26 年創 業の会社で、ボーリング・プレーナー等金属加工全般を手掛ける老舗企業である。 同社の前田社長は「地球にとって人間はガン細胞と言われますが、人間の叡智と努力で大切 な地球を皆で守りたい」との理念にもとづき、環境への取組み活動として次のことを実践して いる。 ① 環境汚染の予防に努める(自動車のアイドリングストップなど) ② 冷暖房の適切な温度管理(クールビズ、ウオームビズなど) ③ 電力の節電に努める(待機電源の低減など) 4 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) ④ 水の循環利用の推進(雨水や冷却排水の再利用など) ⑤ エコマーク付き商品の優先的調達 ⑥ LED(発光ダイオード)照明の積極的な利用など 特に上記⑥の具体的な対策として約半年がかりで、本社工場・駐車場の全照明機器をLED 照明に転換した。前田社長によると「恐らく中小企業で本社工場・駐車場の全照明をLED化 したのは当社が世界初ではないか」とのこと。 地球温暖化が進む中、省エネ対策としてLEDがますます注目を集めている。というのは、 LEDは白熱電球・蛍光灯と比べて消費電力が非常に少なく、長寿命なので、電気代の節約や CO2 排出や廃棄物の削減に効果を発揮する。 同社は前述のように金属加工業者であるが、一方でLED照明を普及するために、LED照 明機器の販売促進パートナー企業と提携し、企画から販売までできる組織体制を構築するとと もに、LED照明の効果が体感できるように本社内にLED照明の展示コーナーを設置してい る。 「近年LED照明機器の価格が低下していますが、蛍光灯と比較するとまだまだ値段が高く、 初期投資が多くかかります。各家庭の照明機器をLED照明に切り替えやすいよう政府も補助 金を出すなど対策を講じてほしい」と前田社長は熱く語っていた。 同社にはさまざまなLED照明が展示されているので、是非一度本社を訪問されてはいかが (問い合わせ:6582-5010 まで) 。 (此花・西・港支部) 信用と信頼を大切にして業歴 100 年以上の老舗企業を経営する4代目経営者 総務省統計局による事業所・企業統計調査によると我が国の総事業所数は約 600 万社となっ ている。そのうち業歴 100 年以上の長寿企業が約 25,000 社あるといわれている。 生野区にある株式会社源邑光北野刃物製作所(みなもとのむらみつ きたのはものせいさくし ょ 所在地:生野区生野東 4-4-19 代表取締役:北野朋宏 ℡:6731-3654)は明治 39 年創業で、 業歴 103 年。一昨年全国の長寿企業の仲間入りを果たした。現社長の北野朋宏氏は第4代目の 経営者である。同社は建築金物の製造を行なっており、主として内装・外装関係の職人が使用 するパテベラ、クロス地ベラ、ローラー、ブラシ等をつくっている。 北野朋宏氏が事業を引き継いだ平成 14 年頃は安価な中国製品に押され売上は落込みが激し い時であり駄目じゃないかなと思われる局面が度々訪れたという。これではいけないと考えた 北野社長は得意先を回り展示会等にも顔を出して今まで以上にお客様の声を聞くようにした。 「あんなもの、こんなものが欲しい」 「軽いものが良い」「これは駄目」等のユーザーの声を大 事に聞き入れすぐさま対応しひとつひとつ形にしていったという。 例えば「軽いものが良い」という声を聞くと製品の軽量化をとことんまで考え、軽くて強度 5 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) のある材料チタンに行き着き試行錯 誤を繰り返し製品化にこぎつけた。 チタン製のヘラは従来のステンレス ヘラに比して倍以上の価格設定であ ったが同社の窮状を救う大ヒット製 品となった。しかし、暫くするとチ タンの摩耗性に問題点があることが 判明、そこで従来の材料ステンレス に強度が保つよう工夫をして穴をあ けて軽量化し、硬質メッキを施して 強度と耐摩耗性を向上させるととも 【主な製品】 にデザインにも工夫こらし、更に実 用新案を取得し、ここでしか出来ない新製品を開発した。この製品も評判となり引合いが増加 してきている。 一連の経験から 「大切なことは人間関係における信用と、製品に対する信頼を得ることです。 従業員にも同じことが言え、弊社では信条を作成し全社員が同じ目的を持ち、またそれぞれが 自分の担当業務で向上心と責任を持ってもらうように心がけています。」と北野社長は語る。帝 国データバンク史料館が平成 20 年6月「日本の会社展第1回 老舗−温故知新−」を開催する にあたり明治維新前に創業した全国の長寿企業に、今後最も重要視することを漢字一文字で表 現してもらったところ“信用” “信頼”の「信」が圧倒的に多かったという。北野社長のように 老舗企業の強みである“信用” “信頼”を大切に守りながらも急速な時代の変化に即応する“進 取の気質”がゴーイングコンサーンという企業の一番の目的を達成する経営手法ではないだろ うかと考えさせられた。 (東成・生野支部) 確かな技術と顧客志向に裏打ちされた「車のお医者さん」 有限会社吉井モータース(所在地:浪速区塩草 3-1-27 代表取締役:吉井孝氏 ℡:6561-9671 URL:http://y-motors.ciao.jp/)は昭和 38 年設立のいわゆる街の自動車修理屋さんである。本 社・ショールームから少し離れた工場は、5∼6台は余裕で同時作業が可能な規模だが、ほと んど満車状態だ。8メーカー対応のデジタルテスターを導入し、輸入車の整備も得意というこ とで、ベンツをはじめとする輸入車が目立つ。 代表者は若い3代目社長だが、お客様の要望に答えるかたちで、様々なサービスを展開して いる。 そのひとつが積載車(レッカー車)だ。この規模で自前の積載車を持っている修理工場は少 6 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) ない。急な故障で立ち往生して困っているお客様からの連絡があれば、すぐに現場に駆けつけ る。 新車、中古車も販売しているが、特に中古車の場合、なかなか希望の車種・仕様に出会えな いことが多い。そこでお客様の希望を聞いておいて条件に合う車を探すようにしているのだと いう。ネットオークションに条件に合った車が出れば打ち合わせの上入札もする。落札した車 はまず、自社に引き取り、内装外装を整えて納車する。落札時より格段にきれいになっていて、 お客様が驚かれることもあるという。中古車には2年保証(有料)も付けられる。 また、持ち込みでのタイヤ交換に対応しているのも、 「せっかくオークション等でタイヤを安 く買っても持ち込みでタイヤ交換をしてくれる店が少ない」というお客様の要望に答えたもの だ。最近増えてきた大径タイヤ(20 インチまで)にも対応している。 最近はレンタカー事業もはじめているが、これもユーザーサービスの一環だ。自分の車では ちょっと都合が悪いという時のために軽自動車からワンボックスまで、一通り取り揃えている。 可能な限り自社内で作業を行う、というの が社長のこだわりだ。外注ではなく自社内で 行うことでレベルを下げないで低料金でのサ ービス提供が可能になるのだという。「私の 作業はコストになりませんから」 と笑われる。 さすがに「車のお医者さん」と名乗るだけの ことはある。 また「吉井モータース サービスブログ」 と題されたブログでは、社長自らがつづった 日々の作業の様子を見ることができる。 (大正・浪速・西成支部) 「大阪の珈琲を売る」←→「繁盛店を造り、育て、共に栄える」 八尾南駅から徒歩約5分、公園の横をぬけると島野珈琲株式会社がある。世界各国より選りすぐりの 珈琲豆を仕入れ、こだわりのロースト、ブレンドをして飲食店や小売店に卸している。 オリジナル商品の開発や関連機械器具などの卸も手掛ける。オリジナルの「大阪の旬」シリーズや、 輸入クッキー、ジャムなどにはリピーターも多い。 またコーヒーの美味しさを知ってもらえるようにと、玄関横にはCafé を併設した。ここでは、1杯 250 円からブラジル契約農園で栽培された樹上完熟豆B4やこだわりのオリジナルブレンドのコーヒーが楽 しめる。 さらにその奥には 60Kg 焙煎機を設置、作業を見学できるようにしたガラス張りのローストルームがあ る。大きな 60Kg 焙煎機を間近で見学できる事もなかなかないので、小中学生なども見学に訪れ、好評 7 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) だ。 オリジナル商品の「大阪の旬」には、共通のロゴが入り「おおさかのあじ」と読ませる。初代・通天閣の 写真が全てのパッケージにあしらわれ、昔ながらの製法なのに古くさくない、初めてなのにどこか懐か しい商品を多数展開している。 一方、社長は長年の経験もあり、取引先や知人、展示会での来店者から様々な相談を受ける事が 多い。最近は飲食店などのプロデュース的な依頼が多く、昨年の沖縄那覇での喫茶店をきっかけに、 今年は宮古島と沖縄の2店舗の依頼があり、9月に宮古島のカフェがオープンする。北海道の旅館か らも依頼が入り、オーナーが先日相談に来てくれた。 社長は「まず当社に来て頂き、当社の事を知ってもらってからです」と、お互いに納得できるまで話し 合い、何度も足を運びお店の内装や重要なコンセプトづくり、メニューの試作まで親身になって一緒に 造り上げる。「京都や奈良、もちろん大阪でのお店のプロデュースも多いんですよ!」と、最近は北から 南の端へも出かけて、役に立ち、喜んでもらえる事に一生懸命なようだ。 今はお店のプロデュースには、交通費などの実費を負担して頂く程度らしく、今後はコンサルタント、 プロデュース事業として展開していきたいと語る。 また、社長は経済団体を通した付き合いも欠かさず参加している。良い企業同士、地域とのお付き 合いなくして新たな良い企業も商品も生まれてこない。10 月に開催するモノづくり企業の展示会、“第5 回産業交流フェア”にも出展が決まっている。「大阪の旬」を是非味わってもらいたい。 (東住吉・平野支部) 天然無垢の木材の木くずを凝縮させたECOで安心な加工薪「火だまりブリケット」 住之江区平林は6つの貯木場を持つ日本でも有数 な木材の集積地である。その中に「火だまりブリッ ケット」を作る誠交木材工業株式会社(所在地:住 之江区平林北 2-9-97 代表取締役 ℡:6685-3871 中村圭介氏 URL:http://hidamari-bri.com 設 立:昭和 14 年)がある。 造作材の加工やガーデニング用品などを製造する 同社は長年、加工したときに出る削りくずやおがく ずの処理に困っていた。削りくずやおがくずは廃棄しようとすればお金を払って処分してもら わなければならないからである。 環境問題がとり立たされる今日、処分するしかなかった削りくずやおがくずを何とか活かせ ないかと考えた4代目の中村社長は木くずをギュッと凝縮させたエコで安心な加工薪「火だま りブリケット」 (1個は約 153gの重さでペレットよりも大きいが小さく割ることもできる)に たどりついた。 8 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) 「火だまりブリケット」の特徴は天然無垢の木材から作られた加工薪であるために、薪スト ーブ用の燃料で薪と一緒に使うことができ、薪ストーブが持つ火力や燃え方、使用感などの風 情を損なわず環境にやさしい商品である。 特徴として ①圧縮しているために高い燃焼性を持つ(天然の薪とエネルギー量で比較する と約3分の1の体積で、ブリケット2.5kg で石油・灯油など液体燃料1.0ℓ に匹敵すると言 われている)。②防腐剤を一切使っていないので有害物質が発生しない。③乾燥度が高く簡単に 火をつけやすい。④薪が湿ったなどの緊急時に手軽に使える。⑤灯油は原油価格に連動するが 木くずから作られるため価格が安定している。⑥薪割りの重労働を軽減できる。⑦1箱 20 ㎏の ダンボール箱で届けられるため取り扱いやすく、保管 に便利である。 「火だまりブリケット」は原料の木が大量に二酸化 炭素を吸収しているために燃やしても二酸化炭素が余 りでなく、地球温暖化の防止や森林資源を有効活用で きるバイオマスエネルギーである。この冬、薪ストー ブのあるお家は「火だまりブリケット」で楽に暖かく 過ごしませんか。 (住之江・住吉支部) 9 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) 地域の動き 生野工業高校で「ものづくり教室」が開催される 8月 28 日、生野工業高校で「ものづく り教室」が開かれた。生野区の9つの小 学校から 24 名が参加した。生野工業高校 からは、OBから1年生の学生 13 名が小 学生のサポートとして参加した。この教 室も今年で8回になるとのことで、先生 や学生の努力に敬意を表する。 今年は、センサーが黒線などに沿って 走行するライントレーサー・ロボットを 作成した。部品の円盤などは、先月、共 催している異業種交流会「フォーラム・ 高校生のお兄さんに手伝ってもらいながら、製作する小学生 アイ」の代表である吉持製作所で、学生 がヘラ絞り加工で製作した。 作業は、予め作成しておいたパワーポイントを生野工業高校の学生が説明して、参加した小 学生が製作していくという方法で進んだ。生野工業高校の学生が各テーブルにつき2∼3人を サポートした。前半はハンダ付けがメインだったが、みんな器用に使っており、誰一人として やけどすることもなく感心する腕前であった。ある小学生は、「コンデンサー」などの部品もよ く知っており、次はこうすると分かっていた。 後半はいよいよ完成品の製作。発光ダイオードや基板・電池、車両をつけ完成となる。ネジ・ ナットをつけるのは意外と苦労していた。狭い穴にネジをいれ、反対側にナットを取り付ける のは、表側と裏側に注意し、片手で押さえてねじ回しで止めていく。高校生のお兄さんに協力 してもらって止めていた。 これで出来上がった。しかし、これからが大変。片方の車輪が回らない、LEDがつかない など。生野工業高校の先生がチェックしていたが、場合によっては、ハンダを溶かして、再度、 ハンダ付けを行うなど、始めからやり直しのようなこともあった。無事に動いても、線上を動 くかというとそうではなく、これも調整が必要で、そばで見ている方がイライラする微妙な調 整が必要。うまく線上を動いてくれた時の小学生のうれしさは格別のものであった。逆に全く 動かない小学生は沈んでおり、なんとか動くように先生と学生さんに期待している気持ちが伝 わってきた。 うまく動いた小学生、動かなかった小学生。いずれもこの夏のいい思い出になったのではな いだろうか。 (東成・生野支部) 10 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) 天王寺・阿倍野支部が「あべのカーニバル」に出店 8月2日(日)に阿倍野区役所裏の市立工芸高校グランドで第 36 回「あべのカーニバル」(阿 倍野区民まつり)が開催された。 このカーニバルは毎年8月の第1日曜日に地元の官公庁や各種団体・企業・住民の参加・協力 により催されていて、本年度の出店者数は 22 に及んだ。 当日の朝は雨が降っていたが、午後に は日中 31℃を超える猛暑となり、来場者 も3万人を数えた。 当支部は長年続いている「Tシャツら くがきコーナー」を今年も出店した。無 地のTシャツに染料ペンで好きな絵を書 くコーナーで、子供が中心であるが保護 者の参加も多く見られ会場はパンク状態 であった。 Tシャツに下絵を挟み込み、その上か ら輪郭と色を塗るという方法で、子供も 大人も熱心にとりくんでいた。 (天王寺・阿倍野支部) 11 ニューズレター225 号(平成 21 年9月) 大 阪 商 工 会 議 所 支 部 〒532-0025 淀川区新北野1−14−11 大阪新北野第一ビル2階 TEL.6302-5977 FAX.6302-5978 北・都島・福島支部 〒530-0047 北区西天満5−1−1 ザ・セヤマビル3階 TEL.6130-5112 FAX.6130-5113 旭・城東・鶴見支部 〒536-0005 城東区中央2−12−14 柏木ビル2階 TEL.6930-2244 FAX.6930-9898 中 〒541-0051 中央区備後町3−4−9 輸出繊維会館 6階 TEL.6222-2221 FAX.6222-2480 〒552-0007 港区弁天1−2−30 オーク4番街3階 TEL.6599-1537 FAX.6599-1538 東 成 ・ 生 野 支 部 〒537-0012 東成区大今里3−14−27 ITTビル2階 TEL.6975-5662 FAX.6975-5663 天王寺・阿倍野支部 〒543-0056 天王寺区堀越町13−18 銀泉天王寺ビル5階 TEL.6771-2211 FAX.6771-2257 大正・浪速・西成支部 〒556-0017 浪速区湊町1−4−38 近鉄新難波ビル 11 階 TEL.6649-5252 FAX.6649-5253 新 淀 川 支 (淀川三区担当) 央 支 部 部 此花・西・港支部 東住吉・平野支部 住之江・住吉支部 〒547-0034 平野区背戸口5−6−17 小谷ビル東館4階 TEL.6797-1155 FAX.6797-1199 〒558-0051 住吉区東粉浜3−27−12 住吉住之江産業会館2階 TEL.6674-1125 FAX.6674-1138 12 ニューズレター225 号(平成 21 年9月)