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知的障害者の福祉支援の方向性

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知的障害者の福祉支援の方向性
2010.7.6 全国知的障害関係施設長等会議
第3分科会
知的障害者の福祉支援の方向性
ー改革推進会議と総合福祉部会の展望ー
関西地域支援研究機構 代表
おおさか地域生活支援ネットワーク
理事長 北野誠一
第1部 総編
2
まずは、少し戦後の障害者支援の
まずは
少し戦後の障害者支援の
歴史のおさらいをしておこう。
3
「完全参加
と平等」の
等」
理念
共生社
会(イン
クルー
ジョン)
展開
障害者改革推進会議・
部会で差別禁
止法・
総合福祉法等の検討始まる
2010年
国連障害者権利条約制定
千葉県障害者差別禁止条例
共生社
公費の 会(イン
適正 クルー
化
化?
ジョン)
開始
2006
年
2007年
障害者自立支援法
介護保険改革・
予防給付
措置制度から利用制度へ
︵
障害者支援費制度︶
地域福祉計画
社会福祉基礎構造改革
介護 保 険
住宅保
障(?)
バリ
バリア
フリー
1994年
2000年
年
ハートビル法
交通バリアフリー法
国民年金改革
障害・
老齢基礎年金
国際障害者年
国連・
障害者の10年
老人保健福祉計画
障害者基本計画
1981
年
ソーシャ
ル・
所得
保障
プラ
プランニ
ング
1986年 1990年
1993年
介護の 事業(所)
社会化と の
利用契 多元化と
地域化?
約
2000年
2003
年
【図】わ 国の 地域自
【図】わが国の「地域自立生活支援」の流れ
活支援」の流れ
4
厚労省第16回政策会議資
料(2010年5月12日)
5
家族=本人=支援者相互エンパワーメント
の時代・世代間関係
時
世
係 ①
• 1950年代までは、支援は皆無で、差別偏見の中で、家族がほと
んどすべての支援を担ってきた (今なおそうである精神障害者と
んどすべての支援を担ってきた。(今なおそうである精神障害者と
その家族にとっては、このような時代区分すらむなしい気がする!)
• 1960年代以降、家族会運動等によって、入所施設建設が盛んと
なった。(その世代の家族には、施設建設は悲願!)
家族に丸投げ=力尽きたら施設職員に丸投げ=本人の希望は?
• 1970年代後半以降、高等部卒業後の地域での作業所運動も盛
んとなった。(その世代の家族には、作業所は生活そのもの!)
家族は作業所運営の担い手=職員はその手伝い=本人の選択は?
(本人は、18までは家∼支援学校=18からは家∼作業所だけ?)
• 1980年代後半以降、重度身体障害者の自立生活運動始まる。
1980年代後半以降 重度身体障害者の自立生活運動始まる
(自立運動障害者には、自立生活センターと介助派遣は命!)
家族 阻害要
家族は阻害要因?=障害者本人が運営=介助者は管理される者?
障害者本
営 介 者 管
者
6
家族=本人=支援者相互エンパワーメント の時
代・世代間関係
代
世代間関係 ②
• 1990年代以降、地域でのGH運動始まる。(初めて、親が元気な
うちから 地域生活が可能になる )
うちから、地域生活が可能になる。)
家族は最後の支え手=本人はGHの利用者?=職員は疑似家族?
• 2000年代以降
2000年代以降、地域での移動支援と、就労支援を含めた日中活
地域での移動支援と 就労支援を含めた日中活
動支援がさかんとなる。
家族はサービス利用者?=本人はサービス消費者?=職員はサー
家族はサ
ビス利用者? 本人はサ ビス消費者? 職員はサ
ビス提供者?
• 2010年代以降、家族=本人=支援者関係はどうなる?
代
、
本
支援者関係
う
家族は権利擁護者=本人は支援を活かした市民=職員は
本人の ン ワ
本人のエンパワーメント支援者≒3者の相互エンパワーメントとは?
ント支援者
者の相互 ン ワ
ントとは
• 重度の障害者も地域で暮らしている昨今、このストーリーは、所詮
は軽度?の障害者や賢い?障害者だけのもので、重度の障害者に
は、施設や病院しかないということを真剣に語る人たちは、実は6
7
0・70年代という時代・世代の産物であることも、また事実であろう。
次に、障害者制度改革推進会議と各部会の
次に
障害者制度改革推進会議と各部会の
位置づけと作業工程等を見ておこう
8
障がい者制度改革推進本部
度改
東担当室長
(障害者・弁護士)
を中心とした民間登用者 制度改革推進事務局
と内閣府の協働チーム
内閣総理大臣を本部長とし
すべての国務大臣で構成
し、必要な法・制度を定める
障害者に係る制度の改
革を始め、
障害者施策の推進に関
する事項について意見
(24人・障害者14団体)
障がい者制度改革推進会議
度改
議 1月∼
障がい者制度改革推進 各部会事務局
障がい者差別禁止法・
虐待防止法部会 ?
教育部会 ??
?
雇用・
就労部会 ?
総合福祉部会 4月∼
障害者に係る総合的な社会福祉
法制の制定に向けた検討
︵55人・障害当事者・
支援者等︶
部会の庶務は、内閣府等の協力
を得て、厚労省がおこなう。︶
9
障害者権利条約の批准に基づく
障害者関連法の創出と改変予定
1.新たに作る必要がある法律
1
新たに作る必要がある法律
①障害者差別禁止法(部会等で原案を策定し、2013年度議会上程)
②障害者虐待防止法(部会等で原案を策定し、2011年度議会上程)
2.全面的に改変を要する法律
③障害者基本法(推進会議等において原案を策定し、2011年度議会
上程)
④障害者自立支援法(総合福祉部会等において原案を策定し、2012年
度議会上程)
3.改変を要する法律
⑤教育関連法(部会等で原案を策定し、2012or13年度議会上程)
⑥労働関連法(部会等 原案を策定し
⑥労働関連法(部会等で原案を策定し、2012or13年度議会上程)
年度議会上程)
⑦バリアフリー関連法
①∼⑦の関連は
①
⑦の関連は、【図
【図ーX】参照
X】参照
10
障害者総合福祉サービス法
労働関連法
教育関連法
バリアフリー関連法
障がい者虐待防止法
障害者差別禁止法
【図 X】
【図ーX】
】
1
ー
図
の
章
2
部
4
第
【
日本国憲法
障害者権利条約
障害者基本法
11
「国連障害者権利条約」を批准するに当たって
解決すべき最低6つのこと その1
• 障害の及び差別の定義と範囲
• 前文(e) 「障害(Disability)は、本人の機能障害
( pa e ts)と、本人が他の市民と同様に完全に
(Impairments)と、本人が他の市民と同様に完全に
実際に社会に参加することを妨げる人間や環境の
障壁(Barriers)との相互関係から生じる 」
• 第2条定義「障害に基づく差別とは、障害に基づくす
第 条定義「障害 基づく差 と
障害 基づくす
べての分野におけるあらゆる区別、排除、制限であ
り ‥‥合理的配慮を行わないことを含む
り、
合理的配慮を行わないことを含む。」」
これらのことを考慮すれば、「障害者基本法」を超えた
各分野ごとの差別禁止を規定した 障害者差別禁
各分野ごとの差別禁止を規定した「障害者差別禁
止法」と、極めて限定的・制限的な手帳制度に捉わ
れない、他の市民と同様の日常生活と社会参加に
必要な支援を権利づける「障害者総合福祉サ ビ
必要な支援を権利づける「障害者総合福祉サービ
ス法」が不可欠
12
「国連障害者権利条約」を批准するに当
国連障害者権利条約」を批准する 当
たって解決すべき最低6つのこと その2
• 第19条自立生活
「障害のあるすべての人に対し、他の者と平等な
選択の自由を有しつつ地域社会で生活する平
等な権利を認め、‥‥完全なインクルージョン
及び参加を容易にするための効果的かつ適切
な措置をとる。(a)・・・どこで誰と生活するかを選
)
択する機会を有すること並びに特定の施設等で
生活する義務を負わない と」ために、地域社会
生活する義務を負わないこと」ために、地域社会
で普通に参加・参画できるサービス(支援と住ま
い)を保障し、望まない施設 病院生活を強いら
い)を保障し、望まない施設・病院生活を強いら
れないようにすること
(その3∼6略)
13
「差別禁止法」「虐待防止法」と
「総合福祉法 等は車
「総合福祉法」等は車の両輪
輪
• 「障害者差別禁止法
「障害者差別禁止法」や「障害者虐待防止法」と
や「障害者虐待防止法 と
「障害者総合福祉法」等は車の両輪
• 地域生活に必要不可欠な教育システムや就労
システムやバリアフリーシステムや日中活動シ
ステムステムや介助システムや相談支援システ
介助
相談支援
ム等がなければ、差別や虐待を防止することも
阻止することもできない。
阻止することもできない
• 多くの障害者が希求する 「差別禁止法」「虐待防
止法」のためにも、「自立支援法」の構造的問題
を超えた「障害者総合福祉法」の成立が肝要。
14
こんどは、「自立支援法」の構造的問題をふまえて、
「障害者総合福祉法」の概要を見てみよう
15
「自立支援法」の6つの構造的問題
自立支援法」の6つの構造的問題
1.介護保険への統合を前提としたために、税制度
に 応益負担等を導入
に、応益負担等を導入
2.入所施設で平準化したADL中心の障害程度区
分は(知的 精神)障害者 地域生活には 適切
分は(知的・精神)障害者の地域生活には不適切
3.障害者も行政担当者も ン ワ メントできない
3.障害者も行政担当者もエンパワーメントできない
サービス支給決定の仕組み
4 利用者と共に 責任をもってサービスをコーディ
4.利用者と共に、責任をもってサ
ビスをコ ディ
ネートする本人中心相談支援の欠落
5 働く 学ぶ 遊ぶ 市民活動するとい た移動支
5.働く・学ぶ・遊ぶ・市民活動するといった移動支
援を含む社会参加支援の非個別給付化
6.サービス基盤整備とランニングコスト(人件費)
16
の決定的不足
1.介護保険への統合を前提としたために、
税制度に 応益負担を導入
税制度に、応益負担を導入
• 【図
【図−1】に見るように、自立支援法は、3つの給付方式の
1】に見るように、自立支援法は、3つの給付方式の
組み合わせ
• 介護給付は、将来の介護保険への一部統合を前提とした
介護給付は、将来の介護保険 の 部統合を前提とした
ために構造自体が引っ張られ、税制度に応益負担や保険
型程度区分システムを導入してしまった。
• 【図−2】に見るように、地域生活支援事業は、今後の一
般財源化が想定されるが、移動支援や地域活動センター
等社会参加上 重 施策が非個別給付化
等社会参加上の重要施策が非個別給付化してしまった。
ま た
• 残った訓練等給付は、就労支援メニューのみとなったが、
ここに移動支援等の社会参加メニューを持ち込めないよう
では、介助の基礎部分は介護保険、社会参加等の部分は
障害施策(税制度)といわれても きわめて脆弱な障害施
障害施策(税制度)といわれても、きわめて脆弱な障害施
策しか残らない疑念は払拭できない。
17
一括補助金
︵一般財源化?︶
=地域生活
支援事業
支援費等障害者支援
=訓練等給付
=介護給付
介護保険
【図ー1】「障害者自立支援法」における、3つの給付体系
18
身体障害者 知的障害者 精神障害者
身体介護
と家事援
助
外出や社
会参加へ
の支援
外出や社
会 参 加
(働く・学
ぶ ・ 遊
ぶ)への
支援
就労に向
けた訓練
等
【図−2】
地域生活支援事
業の守備範囲︵
?︶
心の安定
と自己決
定・コミュ
ニケ-ショ
ン支援
介護︵保険︶
給付の範囲
高齢者
訓練等給付
の範囲
19
障害者サービスに見る、非ナショナル
ミニマム化と一括交付金化の危険性
「自立支援給付に係る障害者福祉サービス等については、必要なサービスが公平かつ
自立支援給付に係る障害者福祉サ ビス等については、必要なサ ビスが公平かつ
確実に提供される。これはそうなんですけれども、今回国連の権利条約を批准いたし
ますので、国連の権利条約の批准に基づきますと、当然表現は「本人が暮らす地域
で普通の市民として暮らすのに必要なサービスが公平かつ確実に提供される」という
ことになりますので、これは全国 律の基準というよりは、最低必要なナショナルミニ
ことになりますので、これは全国一律の基準というよりは、最低必要なナショナルミニ
マムは確保するということが国の義務になってくるということだと思われます。
一方、地域生活支援事業については、「地域の実情に応じて各地方、公共団体が創意
工夫を生かしてやるべき事業である」と書いておられますけれども、実は本人の暮ら
すべき地域で普通の市民として暮らすということは 本人の暮らす地域でありますか
すべき地域で普通の市民として暮らすということは、本人の暮らす地域でありますか
ら、その地域の実情に合わせて仕組みを柔軟にしていく、つまり、ローカルオプティマ
ムにしていくのは当然のことであります。
例えば手話通訳なり、知的障害者への移動支援なり相談支援というのはとても大事な
事業 あ
事業でありまして、これは絶対にやるべき必須事業ですから、これは国がナショナル
絶
事業 す
が
ミニマムとしてどう確立するかということと、それに加えてローカルオプティマムとして
それぞれの地域がどういう工夫をそれにプラスαするかという視点で物事を考えたら、
新 な制度を
新たな制度をつくるに当たって全国一律に提供されるべきサービスと地域の実情に
国 律 提供
域 実情
応じて柔軟に提供されるサービスなど、サービスの内容に応じて、その位置づけを分
けるなどという発想は出てくるはずもないわけであります。当然ナショナルミニマムと
して必要なサービスを、地域でどういうふうに柔軟に運営するかということが大事な
んですけれども、必須事業はナショナルミ マムとしてやっていくんだ、さらにそれを
んですけれども、必須事業はナショナルミニマムとしてやっていくんだ、さらにそれを
地域の創意工夫を加えてやれる仕組みにするのだという方向を明確に出していただ
きたいと思います。」(障害者制度改革推進会議第10回北野の発言より)
2.入所施設で平準化したADL中心の障害程度区
分は(知的・精神)障害者の地域生活には不適切①
神 障害
適 ①
• 【図−M,N,S】に見るように、そもそも、身辺介
護と家事援助以外の直接的 精神的支援(自己
護と家事援助以外の直接的・精神的支援(自己
決定・理解支援)は、介護保険のメニューの想
定外
• それには、ケアマネジャーや後見(保佐)人ある
いは地域福祉権利擁護事業の生活支援員だけ
でなく、より日常的直接的な見守り 傾聴 情報
でなく、より日常的直接的な見守り・傾聴・情報
提供・促し等を行う支援者による支援が必要
21
2.入所施設で平準化したADL中心の障害程度区
分は(知的・精神)障害者の地域生活には不適切②
• これまでの専門職領域としての、医療・看護・教育・
司法のすべての領域と一部かなさりながら、それぞ
れの専門職の非日常的支援とは異なる日常的・直接
的支援がなければ、一定の知的障害者・精神障害
者・認知症高齢者等の地域自立生活は困難
• 「介護福祉士」が、その定義上も資格カリキュラム上
介護福祉 」 、そ 定義
資格 リ
ラ
も、高齢者や身体障害者の「身辺介護」がメインであ
るとすれば、アメリカのDirect Support Professional (DSP=直接支援員)のような「直接的・精神的支援の
専門家」を、わが国でどのように位置づけて養成し、
そのサービスの必要量を見込むのか?
22
どこで誰と何を食
べるのか
【図 M】
【図ーM】
どこで誰とどのよ
う 暮らす か
うに暮らすのか
個々人の
日常生活
(参加・役
割)の実態
ウイークデイは、どこで
誰と何をする か
誰と何をするのか
ウイークエンドや、
アフターファイブは、
どこで誰と何をするのか
地域自立生活
(参加・役割)
の構成
・
・
・
服選び支援、身だしなみ
服選び支援
身だしなみ・整容支援
整容支援
健康保持支援、通院同伴、習い事支援、
資格取得支援、職場開拓・斡旋、
職場内トラブル対応支援、訪問販売対
応支援、年金等金銭管理・貯金支援
・
・
個々人の
個
人
参加・役
割支援の
割支援
実態
外出 旅行等計画 手配支
援、サークル・
本人活動支
援、友人 異性関係支援、
犯罪・
危険回避支援、
各種買い物支援 同伴、
ガイヘル等の調整支援
メニュー 衛生支援、外
栄養・
食同伴、買い物同伴、調理支
援、HHの調整支援、経費支
払い 管理支援
【図ーN】
【図
N】
入居・転居支援、家賃
準備・支払い支援、清
掃・整頓支援、備品管
理支援 近隣関係支援
理支援、近隣関係支援
・
知的障害者地
域支援の構成
個々人の
参加・役割に
必要な支援
と、本人中心
ケアマネ
自己決定・
理解支援
︵
主に精神機能に対する
直接的︻ face to face
︼
支
e 援
医療︵
主に生命活動の
安定・
保持に対する支援︶
地域自立生活
支援・教育テクノロジー
支援の4つの (主に智慧や技術を媒
介にした間接的支援
構成要素
)
【図ーS】
介護(主に身体
機能に対する直
接的支援)
では、障害程度(支援)区分を
(
どうするのか? その1
• ADL中心・施設中心の標準的・固定的区分は
ADL中心・施設中心の標準的・固定的区分は、自治体・
自治体・
当事者双方にとって有益ではない。
• 一定の目安(ガイドライン)と
定の目安(ガイドライン)と、自治体担当者の裁量の範
自治体担当者の裁量の範
囲の目安と、担当者のトレーニングが重要
• カリフォルニア州の在宅支援サ
カリフォルニア州の在宅支援サービス(IHSS)の3年(2
ビス(IHSS)の3年(2
006∼8年)を擁した膨大な各業務量・時間ガイドライン
分析においても 最低限介助である食事支援(例えば
分析においても、最低限介助である食事支援(例えば、
朝食抜きからイングリッシュブレックファーストまで)から
排泄支援(体調 体質からトイレスタイルまで)にいたる
排泄支援(体調・体質からトイレスタイルまで)にいたる
各業務量・時間の支援程度区分(5区分)ごとのアセスメ
ント・ソーシャルワーカーの裁量の範囲は2倍を超えて
おり、さらに、それを超えることも、複数のソーシャル
ワーカー会議で認められている。
では、障害程度(支援)区分を
どうするのか? その2
• それが
それが、個別性の大きい人間に対する地域での介助
個別性の大きい人間に対する地域での介助
支援の実態の反映であり、安易な標準化は危険である。
• ただしそのために、アセスメント・ソーシャルワーカーに
ただしそのために アセスメント・ソーシャルワーカーに
対して、一定の州及び自治体のトレーニングやスー
パ ビジョンのしくみが作られており、それをわが国で
パービジョンのしくみが作られており、それをわが国で
どうするのかという問題はこれからの重要課題。
• アセスメント・ソーシャルワーカーは、利用者を病気や
アセスメント ソ シャルワ カ は、利用者を病気や
機能障害の適格要件(エリジビリティ)に当てはめる給
付管理者ではなく、障害当事者の希求する地域生活
(社会参加)上のニーズをふまえて、必要なサービスを
協議するという意味で、ソーシャルワーカーそのもの。
• それでも、合意にいたらなかったり、不服のある場合は、
極めてスムーズな不服申立(アピール)の仕組みが必要。
では、障害程度(支援)区分を
どうするのか? その3
• ただし
ただし、サービスメニューやその上限量を規定する障害程度区分が
サ ビスメニ
やその上限量を規定する障害程度区分が
不要であることは、一定のガイドラインが不要であることを意味しな
い。
• 各国・各行政単位が有する一定の標準尺度(ガイドライン)は、ナ
各国 各行政単位が有する 定の標準尺度(ガイドライン)は ナ
ショナルミニマム(地域自立生活に欠かせないサービス量)のため
にも、行政単位での公正性を担保するためにも必要。
• 本人の障害の状況と、人的・物理的・社会的環境との相互関係から
本人の障害の状況と 人的 物理的 社会的環境との相互関係から
一般的の導かれる、基本的に必要な支援ニーズ(ここまでは、ガイ
ドライン化可能)と、本人の日常生活上のスタイル、例えば朝食のメ
ニュ
ニュー、整髪やファッション、日中の仕事や活動スタイルとその移動
整髪やファッション 日中の仕事や活動スタイルとその移動
手段・支援の必要度・移動に要する時間、帰宅後の活動スタイル、
飲酒・喫煙等の状況、トイレのスタイルと一般的に要する時間・支援
に要する時間 入浴のスタイルと頻度 就寝時間と就寝時の支援ス
に要する時間、入浴のスタイルと頻度、就寝時間と就寝時の支援ス
タイル等々 さらには、一般的パターンではない日(旅行・他者の訪
問・冠婚葬祭等々)さらには、本人の精神的あるいは身体的調子
(体調)等の変化による支援度の変化や気候 天変地異等々、極め
(体調)等の変化による支援度の変化や気候・天変地異等々、極め
て個別的要因をもふまえなければ、個々人のサービス支給決定は
成立しない。
28
3.障害者も行政担当者もエンパワーメン
トできないサ ビス支給決定の仕組み
トできないサービス支給決定の仕組み
• 図Aは
図Aは、そもそも要介護認定で支給上限額が決
そもそも要介護認定で支給上限額が決
定される仕組みで、高齢者も行政担当者もケア
マネも裁量できない。
マネも裁量できない
• 図Bは、障害程度区分とサービスメニューや国
庫負担基準がリンクしているために 行政担当
庫負担基準がリンクしているために、行政担当
者にある裁量権が行使できていない。
• 図Cは、自治体独自のガイドラインと、本人中心
支援計画案との協議・調整の中で支給決定がな
される。(支援費から自立支援法になり窮屈?)
• 図Dは、新しい総合福祉法によって、図Cの関係
者の役割と権能が法的に明確化された状態
29
①申請
本人
家族
③依頼契約
委
ケアマネジャー 託
④介護度を上限と
するケアプラン作成・実施・モニタリング
行政担当者
②訪問調査と要介護度認定
A.介護保険に一般的にみられるモデル
介護保険
般的 みられる デル
①申請
本人
家族
③ケアプラン等
依頼契約
相談支援
事業者
委
託
行政担当者
④支給量を上限と
するケアプラン作成・実施・モニタリング
②訪問調査と要介護度認定と
自治体基準に基づくサービス支給量の決定
B.自立支援法に一般的にみられるモデル
自 支援法
般的 みられる デル
①依頼
本人
(家族・代理人)
②共同で本人中心
支援計画案作成
③本人中心支援計画案
に基づくサービス申請
④自治体ガイドライ
ンに基づくサービス
支給量の決定
行政
担当者
相談支援事業者
⑤支給量と支援計画案
をふまえて本人中心計画作
成・実施・モニタリング
委託関係
委
C.支援費制度以降に
C
支援費制度以降に
みられる、意識の高い
自治体
自治体のモデル
デ
不服申立審査 仲裁機関
不服申立審査・仲裁機関
本人中心
支援計画
支援機関
本人の
エンパワーメント
を支援する
アドボカシー
機関
スーパーバイ
ジング
を含む
SW会議
支給決定
本人
(家族・代理人)
【本人中心計画
+権利擁護】
協議・調整
協議
調整
行政
アセスメント
SW
【ガイドライン+
一定の裁量権】
アセスメントSW
をトレーニング
する機関
D.「障害者総合福祉サービス法」が提起する
「障害者総合福祉サ ビ 法 が提起する
本人の社会参加の希望に基づく協議・調整モデル
各自治体ごとの
サービス支給基準
その社会のその年代・性別の市民の
一般的社会参加と役割ライン
さ の
障害程度区分による
支給限度額
障害者Aさんの活動・
参加
本人のしたい・やりたい社会参加と役割
に対する支援目標ライン
本人のC
本人のCapacity(潜在的能力)ライン
it (潜在的能力)ライン
医療・リハ的支援目標ライン
本人のPerformance
(活動と参加の実際状況)ライン
【図ーW】】
【図
ICFにみる本人の社会参加・役割と「障害者自立支援法」の現状
4.利用者と共に、責任をもってサービスをコー
ディネートする本人中心ケアマネジメントの欠落
• 介護保険の居宅介護支援事業所のような
サービス事業者併設ではない、障害者総合
相談支援センタ が必要(軽度の知的障害
相談支援センターが必要(軽度の知的障害
者に相談支援がいらない訳がない!!)
• 重度障害者等包括支援事業者が、本人に必
要なサ
要なサービスをコーディネートする指定重度
を
ディネ
する指定重度
障害者包括支援計画の策定に関するシステ
ムも費用も不明確とはどういうこと?
費用
明確
う う
• その際、アメリカCA州型の相談支援センター
(RC)と本人中心支援計画(PC IPP)が参
(RC)と本人中心支援計画(PC−IPP)が参
考になる。
日本の障害者ケアマネジメントは問題も
多いが、評価できることがある。
⇒それは、とにもかくにもまず、本人の希望を聞き取ること
から始めたこと
⇒そこから始めると、これまでのような、措置可能なサービ
から始めると れま
うな 措置 能な
ビ
スに何とか障害者を当てはめる作業は、できなくなる。
⇒そこでは 本人の希望するようなサ ビスや それを担う
⇒そこでは、本人の希望するようなサービスや、それを担う
事業所が、ほとんど存在しないことが、実感される。
⇒ここで 私達は初めて 真の意味でのUNMET NEEDS
⇒ここで、私達は初めて、真の意味でのUNMET NEEDS
(サービスに出会えなかったニーズ)を、理解したのだ。
⇒あとはもう、意欲的な市町村は、やる気のある当事者や
あとはもう、意欲的な市町村は、やる気のある当事者や
事業者と一丸となって、すこしでもUNMET NEEDS
に
答えようとしたと言う訳
では、障害者ケアマネをどうする!
• 本人や家族のことをよく分かって
本人や家族のことをよく分かって、本人の立場に立って
本人の立場に立って
必要なサービスのコーディネーションを支援する機能
(業務)を必要とする人には、それが必要不可欠なので、
• それをできれば、地域自立生活支援マネジメント、もし
くは本人中心の地域生活支援マネジメントと呼びたいと
本 中
域 活支援
ころだが
• それを短縮して、本人中心ケアマネジメントと呼ぶ。
• 一方、基本的に本人が必要なサービスを自分でマネジ
メントする場合を、セルフ(ケア)マネジメントと呼ぶ。
• 竹内孝仁も言うように、エンパワーメント支援としての
本人中心ケアマネジメントは、セルフマネジメントをめざ
す支援であることに注意!!
アメリカの当事者運動
による、当事者管理(セルフマネ
ジメント)の理解 専門家の管
理が必要
専門家(機関)が管理する
することが望ましい
サービスのある部分は、本人だけでは
管理できないか、本人がそれを望まない
経験やトレーニングに
よって、必要なサービス
を、本人が管理できる
すぐに必要な
サービスを
管理
できる
〔図ー13〕日常
生活支援の
当事者管理に
関するモデル
(
(S.Litvak,WID
1991)
ウィークエンド・
アフタ フ イブ活動支援
アフターファイブ活動支援
入所(院)
医療・職リハ訓練等
サービス
移動・交通
サービス
日常生活マネジメント及び
サービスコーディネーション
住宅サ ビス
住宅サービス
介護サービス
ビ
地域自立生活支援
アクセシブル
住宅サ ビス
住宅サービス
【図ーX】
社会活働支援
グループホーム
ケア付住宅
住宅
地域自立生活︵
支 援︶
センター
自立生活プログラム及び
サービスコーディネーション支援
地域医療
就労支援
地域介護サービス
施設・病院移行支援では、なぜケース(ケ
施設
病院移行支援では、なぜケ ス(ケ
ア)マネジメントが必要なのか①
• 入所(院)施設は、〔図ーX〕にもあるように、本人自身
では管理できない、本人達の日常生活を強制的に管
理し、本人自身ではコーディネーションできない、三種
類のサ ビスを画 的にコ ディネ ションすること
類のサービスを画一的にコーディネーションすること
によって、トータルに生活を支援しているところと思わ
れ
れている。
る。
• ところが、実際は、その強制と画一化のために、地域
で生活する際に最も必要な 自分の日常生活を自分
で生活する際に最も必要な、自分の日常生活を自分
で組み立てて、自分に必要なサービスをコーディネー
ションする力(エンパワーメント)が
ションする力(エンパワ
メント)が、支援されるどころ
支援されるどころ
か、奪われてしまっている。
施設・病院移行支援では、なぜケース
施設
病院移行支援では、なぜケ ス
(ケア)マネジメントが必要なのか②
• 例えば、自分の日常生活の諸活動を自分で組み
立てる「時間管理」や、そのために必要な費用を、
月々の生活費との関係で調整する「金銭管理」
生 費
係
整する「金銭管
や、「服薬管理」(not投薬管理)などが、身につ
かないどころか阻害されている。
かないどころか阻害されている
• それゆえに、〔図ーX〕にもあるように、そのことを
支援する自立生活プログラムと ケ ス(ケア)マ
支援する自立生活プログラムと、ケース(ケア)マ
ネジメントが必要となるが、施設・病院内でそれ
をすることは 不可能
をすることは、不可能。
• 同じ職員や、同じ管理システムや、同じ環境・雰
囲気の中で ある部分だけ本人の自己管理を徹
囲気の中で、ある部分だけ本人の自己管理を徹
底することなど、絵に描いた餅でしかない。
本人中心総合相談支援機関の要件は
• 本人の立場に立って、地域で暮らし続けたいと願う、
本人とその家族を長期的に支援するためには、
本人とその家族を長期的に支援するためには
①市町村から特別に委任され、
②しかも 行政
②しかも、行政の下請け機関ではなく、
請け機関 はなく
③区域内外のサービス事業所を、コーディネーションす
る力量を持ち、
④地域の各種当事者・市民団体、医療機関、教育機関、
④地域の各種当事者
市民団体、医療機関、教育機関、
就労事業所、警察、消防所等とよい関係を保持し、
⑤個別のサ ビス事業所から独立し(あるいは、別立て
⑤個別のサービス事業所から独立し(あるいは
別立て
の当事者中心の理事会を有し)、
⑥安定して継続運営できる財政基盤が確保でき、
⑥安定して継続運営できる財政基盤が確保でき
等が、不可欠の要件となる。
本人中心総合相談支援機関の業務
は(そ
は(その1)
)
①必要なサービスと結びついていない事例の発見
②ライフサイクルを一貫してサポートできる体制 (本人
サポートファイルの作成支援・活用を含めて)
③各種相談支援体制(保育、教育、就労、住宅等を含
めて)
④本人中心の地域自立生活支援計画(サービス機関
ごとの個別サービス計画ではなく 本人の生活希望
ごとの個別サービス計画ではなく、本人の生活希望
にもとずく総合支援計画)作りのサポート
⑤そのための本人と家族・支援関係者会議の開催
⑥地域全体で支援するに当たって支援の困難な事例
の検討と展開(困難事例とはそもそも何かをふまえ
て?)
43
本人中心総合相談支援機関の業務
は(その2)
⑦精神病院や入所施設や矯正施設からの地域移行・
⑦精神病院や入所施設や矯正施設から
地域移行
地域定着支援
⑧必要な社会資源の発見と創造とそのための権限
⑨本人の利用するサービス事業所へのスーパーヴィ
ジ や
ジョンやモニタリング、さらに一定の苦情解決や権
タリ グ さらに 定の苦情解決や権
利擁護センターと連携した虐待ケースへの相談支
援と権利擁護活動
⑩それらを可能とするための、障害当事者(団体)と障
害児・者に関係する行政と支援の関係者 そして地
害児・者に関係する行政と支援の関係者、そして地
元産業や地域住民が参加・参画する「地域自立支
援協議会」の運営と活用
等が、その中心業務となる。
44
保健福祉省(DHHS)
リハビリテー
ション局(DR)
発達障害局
(DDS)
保健サービス局
(DHS)
医療扶助
支援付就労
州立入所施設
地域センター(RC)
〔ケースマネジャー〕
〔ケ
スマネジャ 〕
居住サービス
移動サービス
再委託型本人中
心ケアマネ機関
心ケア
ネ機関
日中活動
サービス
レスパイト
サービス
児童プロ
グラム
成人デイ
サービス
中間ケア施
設
支援付
自立生活
グループ
ホーム
〔RC参考図〕
(参考)本人中心ケアマネ機関として
の地域センタ (RC)の仕組み
の地域センター(RC)の仕組み
• す
すべて州の予算だが、NPO法人が委託運営しており、ラ
州 予算
、
法
委託運営
おり、ラ
ンターマン法で、理事会の25%以上は知的障害者本人、
25%以上は家族等による、文字通りコンシューマーコント
ロ ル
ロール
• 21のRCには、100名位のケースマネジャーが登録され
ているが、地域性や、言語等との関係で、一部は再委託
• ケースマネジャーのケース数は、現在施設入所の人の場
合は62ケース、地域移行した人の場合は45ケース
• 障害者本人とケースマネジャーとが作り上げた本人中心
支援計画(PC−IPP)に基づいて、サービス提供者との契
約(POSC)がなされる。
• サービス提供者はRCを通してしか契約できないので、PC
−IPPを尊重しなければ、営業を続けることが困難
• 障害者本人は、ケースマネジャーの拒否権や、利用者権
利擁護者(CRA)の活用、公聴会の要求権等を有する。
Kさん中心支援計画【図ーZ】 会議出席者 Kさん いとこのGさん
日時 00年0月0日,
00年0月0日
C活動センターの所長
C活動センタ
の所長 RCのCRA
計画会議場所 C活動センターRCのKさん担当のケースマネジャー
本人の目標(Goal)
1,わたしは、C活動
センターに近いGH
センタ
に近いGH
に住みたい
2,わたしは、Cセンター
での活動を続けたい
3,わたしは、友人
と出かけた
と出かけたい
本人・家族・友人等の
できること
きる と
RCと支援サービスの
できること
きる と
わたしとGさんは、住 RCは、GHの最新
めそうなGHを
情報を提供する
訪問する
C活動センター
私は、地下鉄を使っては、個別サービス
一人で行き帰りをする 計画(ISP)を作成・
友人のEさん、Rさんと 実行する
食事や買い物に行く
(
)
GHのスタッフは、
4,わたしのお金の管理
,わたしのお金の管理 Gさんは、わたしの
SSIから月に60ドル 毎日の費用として
を手伝ってほしい
を現在のGHに渡す 2ドルづつ渡す
署名 さん 署名ケースマネジャーJさん
署名Kさん
署名ケ ス ネジ
さん
署名スーパーバイザーSさん(LCSW)
次回見直し予定日
【図ーZ】は、いわゆるケアプランと、
どう違うのか
• 本人中心支援計画は、
本人中心支援計画は
①本人の希望や目標である ㋐誰とどこで
暮らしたい ㋑日中、どんな活動がしたい
㋒after やweekendは誰と何がしたい、の
㋒after5やweekendは誰と何がしたい、の
3つの「私は、‥したい」を支援する計画
②GHや日中活動や医療等の個別のサービ
ス利用計画ではなく、それらを含んで、本
人はもちろん 家族や友人や家主や店主
人はもちろん、家族や友人や家主や店主
や職場関係者や地域等のインフォーマル
な関係者による 各種の「支援の輪」の構
な関係者による、各種の「支援の輪」の構
築をも見据えた計画
病気のAさんや障害のBさんを
支援するんじゃない!
• 私達の最大の過ちは、
私達の最大の過ちは、「OOの病気をもつAさん」や「XXの
OOの病気をもつAさん」や XXの
障害をもつBさん」の事例検討や支援計画を立てる所から
うまれる。
• それでは、そもそも「医療リハモデル」の認識構造にどっぷ
りとはまり込んでいるのだ。
• そうではなく、本人のエンパワーメントの支援者は、「ほん
とうは、OOの活動に参加したいAさん」や「やっぱり、XX
の役割をやりたいBさん」の自立生活支援をするのだ。
役割
自
援
• だから私達は、「XXの役割をやりたいBさん」を支援する
がゆえに、まず本人の希望に基づく本人地域総合支援計
画を立て、Bさんの障害や、病気が、Bさんの希望を裏切
らないように 医療 リ 計画等にも必要な敬意と努力を
らないように、医療・リハ計画等にも必要な敬意と努力を
払うわけである。
ケアマネジャ の本来業務とは?
ケアマネジャーの本来業務とは?
• 「本人の望む
「本人の望む、本人らしい生活の各場面での役
本人らしい生活の各場面での役
割や参加の仕方の支援」であり
• それが、「本人のエンパワーメント支援」
れが 「本
パ
支援
つまり、 夫(妻)として、親(子)として、祖父母
• つまり、「夫(妻)として、親(子)として、祖父母
(孫)として、友(仲間)として、近隣(自治会)とし
て、市民(選挙民)として、労働者(消費者)とし
て学生(メンター)として、ボランティア(地域活
動家)として サークル(趣味)のメンバーとして
動家)として、サ
クル(趣味)のメンバ として
等々、これら尊厳ある人間としての様々な役割
や参加が可能となる様 トータルに支援する」
や参加が可能となる様、ト
タルに支援する」
のが、ケアマネジャーの本来業務
エンパワーメント(自己・権利実現)の定義
その1
• 「①本人(家族・支援者)が、
どうせ私(達)は障害者(年寄り・子ども・女・
その家族・その支援者)だからと、諦め(がま
ん)させられている
希望・社会参加・市民的役割・選択(肢)・人
希望
社会参加 市民的役割 選択(肢) 人
権(地域で普通に暮らす権利)・自分らしさ・可
能性・愛し愛されること・仲間で助け合う力・
成熟する力・自然治癒力等を自覚し、明確に
すると共に
エンパワーメント(自己・権利実現)の定義
その2
• ②そ
②その心理的・組織的・社会的・経済的・法
心理的 組織的 社会的 経済的 法
的・政治的阻害要因(ICFの阻害的環境要
因)と対決し
因)と対決して、問題を解決する力を高め、
問題を解決する力を高め
③必要な支援等(
の促進的環境要因)を
• ③必要な支援等(ICFの促進的環境要因)を
活用する力を高め
• ④自分の弱さや恐れ等を他者に投射すること
なく受け入れ、自分をも他者をも抑圧しない
あり方を創出すること
• つまり、『共に生きる力を高めること』
エンパワーメントは価値ある関係
• つまりエンパワーメント(Empowerment)とは、『その人
間関係・社会関係において
間関係
社会関係において、自分の自己決定や参加
自分の自己決定や参加・
参画が、自分だけでなく、仲間や社会にも意味・価値が
あるのだという実感と実態』であり、(【図―X】参照)
• 逆に脱エンパワーメント(Disempowerment)とは『その
逆に脱 ンパワ メント(Di
)とは『その
人間関係・社会関係において、他者や社会に仕切られ、
自分自身を ント
自分自身をコントロールされてしまっているという実感と
ルされてしまっているという実感と
実態』を意味する。(【図―Y】参照)
• 誤解してはいけないのは、エンパワーメントは、決して自
分だけが強くな たり 人をコントロ ルすることではな
分だけが強くなったり、人をコントロールすることではな
い。そんなことをすれば、また脱エンパワーメントされた
人間や関係を生み出すだけである。大切なことは、権力
関係に対しては、法的権利関係を確立して、対抗権力と
確
して存在しながら(権利実現)、かつ一般的関係性にお
いては、共に生き 活かし合う関係性を構築してゆくこと
いては、共に生き・活かし合う関係性を構築してゆくこと
(自己実現)、それを、エンパワーメント(自己・権利実
現)という。
住まい
世界
家族の
世界
住人
旅行者
息子
教育の世界
〇〇大学
の聴講生
エンパワーメ
ントされた
当事者
活動の世界
患者
Aさん
××グルー
プのメンバー
【図 X 】
【図ーX
遊びの世界
CILの
C
の
ピアカウ
ンセラー
ンセラ
仕事の
世界
医療
の
世界
住まい
世界
家族の
世界
住人
旅行者
息子
教育の世界
〇〇大学
の聴講生
【図ーY 】
遊びの世界
脱エンパワー
メントされた
Aさん
××グルー
プのメンバー
当事者
活動の世界
患者
CILの
C
の
ピアカウ
ンセラー
ンセラ
仕事の
世界
医療
の
世界
住まいの世界
家族の
世界
住人
遊びの世界
旅行者
息子
教育の世界
〇〇大学
の学生
関係性
の改善・
改善
調整の
必要性
様々な支援を活用し
ながら、様々な参加・
が 様
参
参画や役割関係の 患者
中で普通に生きる
自立生活者Aさん
【図】
本人の地域生 ××グルー
プ メ バ
活における様々 プのメンバー
な参加や役割 社会
活動 世界
関係上の問題 活動の世界
の改善・調整
CILの
ピアカウン
セラー
仕事の
世界
医療
の
世界
SW的
ケアマ
ネの
必要性
+
権利擁護
活動の
必要性
5.働く・学ぶ・遊ぶ・市民活動するといった移動支援
を含む社会参加支援の非個別給付化
• 例えば
例えば、アメリカCA州のIn‐Home Supportive メ カ 州
Services(IHSS在宅支援サービス)は典型的な
PAS(利用者選択介助)で 在宅介助を何時どこで
PAS(利用者選択介助)で、在宅介助を何時どこで
使用しても、合意があればOK
• 知的障害者や精神障害者は、IHSSと日中活動や
GH等が併用可能
• ドイツの介護保険は、基礎的介護のみで、社会参
加部分は 統合社会扶助 提供される
加部分は、統合社会扶助で提供される。
• 今回の「自立支援法」における移動支援の地域生
活支援事業化は 教育や就労やスポ ツ等の市
活支援事業化は、教育や就労やスポーツ等の市
民活動に必要な移動支援等の問題を、市町村の
自由裁量にしてしまい、きわめて権利性の脆弱な
位置づけ
57
6.サービス基盤整備とランニングコスト
(人件費)の決定的不足①
• 介護保険は
介護保険は、元介護対策本部事務局長の和田勝氏
元介護対策本部事務局長の和田勝氏
によれば、ゴールドプラン以降の基盤整備にともなう
ランニングコスト対策
• 障害者自立支援法は、ゴールドプランのような基盤
整備もなければ ランニングコストも極めて低レベル
整備もなければ、ランニングコストも極めて低レベル
• 特にGH・CHは、基盤整備に金をかけないつもりな
ら 支援費当時の4∼7人規模同一補助金(個別で
ら、支援費当時の4∼7人規模同
補助金(個別で
言えば傾斜配分)に戻して、民間住宅やアパートが
使いよい単価設定にす き
使いよい単価設定にすべき
• さらに、職員のキャリアアップのために、必要な費用
と代替職員の費用等が捻出でき、そのために必ず
支出される仕組みを創出すること
6.サービス基盤整備とランニングコスト
(人件費) 決定的不足②
(人件費)の決定的不足②
• 2000年以降の市場原理主義・規制緩和の大きな
流れの中で、
• 福祉支援職員の「勤務条件の改善や十分な配慮」
(高齢者介護・自立支援システム研1994年)とは逆
行する
多くの職員を非常勤化する 常勤換算」の導入や
• 多くの職員を非常勤化する「常勤換算」の導入や
• 措置費に対応した必要な人件費の割合(支援単価
に対する人件費比率)なき
• 惨憺たる非常勤・低賃金の介護労働現場を生み出
してしまった。
してしまった
6.サービス基盤整備とランニングコスト
(人件費)の決定的不足③
• 厚労省は
厚労省は、2003年12月の『総合規制改革第3次答申に対す
2003年12月の『総合規制改革第3次答申に対す
る考え方』の中で
• 「厚生労働行政の分野は、サービスや規制の内容が国民の
生命 生活や労働者の労働条件などに密接に関わるもので
生命・生活や労働者の労働条件などに密接に関わるもので
あり、
• またそのサービスの大半が、保険財源や公費で賄われてい
るなど 他 分
るなど、他の分野とは異なる性格を有していることから
なる性格を有
る
• サービスの質や安全性の低下を招いたり、安定的な生活が
損なわれることがないか
損なわれることがないか‥‥
• 規制を緩和した結果、労働者の保護に欠けることになったり、
生活に不安感を起こさせないか
• 等の観点から慎重な検討を行うことが必要」と述べている。
等の観点から慎重な検討を行うことが必要 と述べている
• まさにその通りであり、厚労省は毅然として、そうなるよう、一
定の 常勤率」制度と 人件費比率」制度を導入す き。
定の「常勤率」制度と「人件費比率」制度を導入すべき。
第 部実践活動編
第2部実践活動編
本人と支援者の相互エンパワーメント
本人と支援者の相互エンパワ
メント
理解と、西宮の活動と鳥羽市の活動
報告です。
報告です
まずは、西宮市北部地域の障害者・
地域住民協働誘発活動の報告から
61
西宮障害者・
地域住民協働誘発活動動
北部活動
畑を使える
住民
アイデアの
ある住民
各種芸術
活動住民
不足する社会資源・関係の地域・創造的展開
す 社会資
係
創造的
ななくさ たけのこくらぶ
新生園・ 最重度障害者
知的障害者
山口苑・
特養高齢者
既存の活動ノウハウ
の提供
青葉園・
最重度障害者
新しい活動展開の
リタ ン
リターン
メインストリーム
協会・
重度自立障害者
一羊会・
知的障害者
障害
存在する社会資源・関係の分野別維持・展開
南部活動
かめのすけ
介助支援
市役所
社協
2005.11 「旗あげの会」を企画
北部全地域の社協関係者が参加し、多
く 方々 あたたか 祝福に包まれ
くの方々のあたたかい祝福に包まれ、
本人中心活動サークル「北部障害者の
つどい『たけのこくらぶ』」が誕生
●拠点や施設を持たず
●メンバーも参加形態も自由(ヘルパー・
●
ン
も参加形態も自由( ル
施設職員・家族など・どなたと一緒でも)
●地域住民として生きている本人に寄り
添って、手探りで活動を創っていくところ
からスタ ト (市社協及び分区社協、地区VCが
からスタート。
(市社協及び分区社協 地区VCが
活動をバックアップ)
活動を通じて知 て
活動を通じて知っていった北部地域の課題
た北部地域の課題
●資源も人手も十分ではなく情報も届きにくい
●障害者 高齢者 家族の孤立化
●障害者・高齢者・家族の孤立化
●公共交通機関の未発達
●商業施設等の開発の遅れ
● 村 昔な ら
●旧村の昔ながらのつながり
な り
●流入者が集まるニュータウンのまちづくり
等々
人と人とのつながりを頼りに、1人ひとりが
人と人とのつながりを頼りに、1
手探りでまちづくりをすすめている住民の思い
活動を続けて実感したこと
手探りで北部5地域全てをまわり年間100回
を超える活動を続けてきた中で 結果的に各地
を超える活動を続けてきた中で、結果的に各地
域に障害のある方のつどいの場のイメージをつ
くっていく役割を果たしていることに気付く。
くっていく役割を果たしていることに気付く
1人ひとりにとって、かけがえの
人 とり と
かけがえ
ない活動。障害者本人も同じ地
域住民とし 堂 と存在し お
域住民として堂々と存在し、お
互いが主体者として自己実現
を果たす場 あり 地域住民
を果たす場であり、地域住民1
人ひとりをゆっくりと巻き込みな
がら拡が
がら拡がっていくおもしろさ。
くおもしろさ
東山台
北六甲台
ミ なつまつり 芋掘り
ミニなつまつり・芋掘り
鉢植え講習会・食事会
クリスマス会 など
山
口
さくらまつり 畑づく
さくらまつり・畑づく
り・ピクニック・温
泉・地域散策など
野外での食事会・創作
おかしづくり・地域散策
サマーフェスティバル出店など
たけのこくらぶ
名
塩
食事会・名塩っ子まつり
木之元地蔵盆・あいの家
地域散策・交流会
地域散策
交流会 など
みんなで気軽に集まって、
障害のある人もない人も
一緒に楽しく集える場づ
くりをすすめていく役割
を持つことが、地域住民
として主体的に生きるこ
生 瀬
地域散策・秋まつり
地域散策
秋まつり
とであるという実感
社協が活動を
バック
アップ
名塩 分区事業や「あいの家 との連携/第4火曜
名塩:分区事業や「あいの家」との連携/第4火曜
〈 塩瀬公民館・名塩会館 〉
生瀬:地域行事参加を通じて交流/第3火曜
〈 生瀬市民館 〉
東山台:県民交流ひろば事業や「つくしんぼの会」との連携/第3木曜
〈 東山台安心プラザ・ナシオンホール 〉
山口:畑づくりを通じた交流・社協ふれあい交流事業として/第1木曜
〈 山口公民館 →H21.4∼地区センター
H21 4 地区センタ 〉
北六甲台:マンパワーを軸とした様々な交流会が定着、
「青い空」との連携/第2火曜〈 北六甲台安心プラザ 〉
食事会・創作・ゲーム
保護者会 など
西宮市長
西宮市権利擁護システム推進委員会
社協理事会
運営委員会
西宮市権利擁護支援センター
宮 権 擁護支援
家族
近隣
分野
ネット
住宅
交通
分野
ネット
雇用
就労
分野
ネット
医療
福祉
分野
ネット
学校
教育
分野
ネット
【西宮市権利擁護センターのシステム構想図】
消費
生
生活
分野
ネット
68
次に、どこでも可能な小規模自治体のモ
次に
ど
も可能な小規模自治体
デルとして、三重県鳥羽市(人口2万)を
取り上げてみました。
取り上げてみました
(2009年11月の地域自立支援協議会
立ち上げを目指して 月から 月にか
立ち上げを目指して、6月から10月にか
けて展開された準備会活動を)
「地域自立支援協議会」は
なぜ必要なのか?
• 実際には「地域自立支援協議会」は、それぞれの自
治体のの ぴきならぬサ ビスとニ ズの現状と課
治体ののっぴきならぬサービスとニーズの現状と課
題との格闘戦略以外にない。
• その際、絶対条件は、障害当事者が中心となって参
際 絶 条
障害 事 が
加・参画することと、障害児・者に関係する行政と支
援
援の関係者、そして地元産業や地域住民の参加・参
者
産業
住
参 参
画があることだ。
• タダシ、その戦略の上手下手はあるので、いくつか先
行自治体のモデルは、参考になる。
厚生労働省資料
地域自立支援協議会は地域づくりの中核
•
•
•
•
自己完結に陥らない(ネットワ クで取り組む基盤をつくる)
自己完結に陥らない(ネットワークで取り組む基盤をつくる)
他人事にとらえない(地域の課題を的確に把握する)
出来ることから進める(成功体験を積み重ねる)
取り組みの成果を確認する(相互に評価する)
地域自立支援協議会は地域が協働する場
地域で障害者を支える
ここから大転回が始まった
• 準備会前
準備会前の事務局打ち合わせで、これまで見て
事務 打 合わ
れ
きた事務局作成の力作の資料は一切準備会の
参加者には出さないことを確認
• そもそも、「地域自立支援協議会」の目標が、障
害児 者が地域で自立生活が可能となるように
害児・者が地域で自立生活が可能となるように、
本人・家族・地域住民・サービス事業者・企業経
営者等の民間の創意工夫をいかして それと福
営者等の民間の創意工夫をいかして、それと福
祉や教育行政とが協働することであるとすれば、
• そのような取らぬ狸の皮算用は参加者の創意工
夫・アイデアを萎縮させかねないので、まずは、
参加者の窓口をできるだけ広げて、話しやすい
テーマをみんなで設定
なんともにぎやかで楽しい準備会
• それから、5回(毎月) 「こどもグループ」と「くらしグルー
プ」に分かれて 本人・家族・サービス事業者・相談支
プ」に分かれて、本人・家族・サ
ビス事業者・相談支
援事業者・教育関係者・社協・行政等はそれぞれ自分
たちの抱えている悩み・困難を出し合い それを課題・
たちの抱えている悩み・困難を出し合い、それを課題・
分野別とライフサイクル別に整理しあって、お互いの持
つ困難と課題を分かち合った。
つ困難と課題を分かち合った
• さらにそれをふまえて、「地域自立支援協議会」をどん
な組織や運営形態にして 誰がどの分科会にどんな
な組織や運営形態にして、誰がどの分科会にどんな
テーマで、どんなタイムスケジュールで参加して、何を
創り上げるのかまで 次に見るように見事に決まった
創り上げるのかまで、次に見るように見事に決まった。
『鳥羽市障がい者福祉計画推進委員
会』
鳥羽の障害福祉の総括的なビジョンを策定
リンクを図る リンクを図る
鳥羽市地域自立支援協議会
◎「全体会」:予算前と年度末or年度初に開催する全体報告の場とする。
【会議開催数:年2回程度】
全体会
相談
ネットワ ク
ネットワーク
専
門
部
会
運営部会
◎「運営部会」:各部会の代表者で構成する要となる部会とする。
①相談・ケースによる地域課題の分析と整理
②課題・ニーズの優先順位や役割分担を整理
③課題・ニーズに対する具体的な解決策の検討と整理
※事務局を兼ねた機能を持たせる
事務 を兼ねた機能を持たせ
【会議開催数:月1回or2ヶ月に1回】
しごと
くらし
◎「専門部会」:それぞれのテーマに沿った協議を図る場とする。
■相談ネットワーク⇒相談支援体制強化にかかる協議・提案
(途切のない支援を目的に)
■しごと⇒就労という自立に向けた支援体制強化にかかる協議・提案
■くらし⇒住まいについての支援体制強化にかかる協議・提案
※当面は、「相談」「しごと」の部会を進めていくこととする
【会議開催数:月1回or2ヶ月に1回】
※相談窓口・個別検討会議
相談1
相談2
ケース1
ケース2
・福祉事務所等に寄せられる、様々な相談&ケースの集約
・困難事例等については、専門部会へあげていく
【随時対応する】
線路は続くよ、どこまでも !!
• さて、ここまで見てきた最後の準備会の事務局たた
き案も みごとにたたかれて ①「専門部会?」⇒「部
き案も、みごとにたたかれて、①「専門部会?」⇒「部
会」②「部会」の数と中身はこれでいいの? ⇒ 2つに
して中身も「相談 ネットワ ク部会」「しごと くらし部
して中身も「相談・ネットワーク部会」「しごと・くらし部
会」③「個別検討会議」と「部会」や「運営部会」との
議
関係は? ⇒ 図を訂正して、「個別検討会議」の困難
事例は守秘義務との関係もありメンバー限定の「運
営部会」で検討して「部会」での課題設定に繋げる⑤
全体会 役割は ⇒ 全体会で上がった重要課題
全体会の役割は?
全体会 上が た重要課題
は「障害者福祉計画推進委員会」に組み込み、その
進行管理を行う ⑥どこまで参加自由?⇒「運営部
進行管理を行う。⑥どこまで参加自由?⇒「運営部
会」以外はどこまでも⑦どんな人に参加してもらう
の? ⇒本人や家族会が抜けてるのとちゃう?
• 等々、思いや議論は尽きないのであった‥‥‥
最後に、障害者本人と家族と
支援者の相互エンパワーメント
について見ておこう。
76
本人ー支援者の
相互エンパワーメントの展開
• ここでは
ここでは、障害児・者や高齢者等の本人と、施設や事
障害児・者や高齢者等の本人と 施設や事
業所あるいは相談支援等の支援者(スタッフ)との日常
の相互関係を取り上げるが、
• 一方だけがエンパワーされて、一方が脱エンパワーさ
れるように見える権力 抑圧関係は、力を持つ(?)側
れるように見える権力・抑圧関係は、力を持つ(?)側
の人間性や感性をも荒廃(相互脱エンパワーメント関
係)させていることを忘れてはならない。
)
• それは、特定の相互関係に影響を及ぼすだけではな
い。支援者Aと利用者Bの相互脱エンパワーメント関
。支援者
者
相
関
係は、利用者C・D・Eを不安にさせ、委縮させるだけ
でなく、支援者X・Y・Zの人間性や感性をも荒廃させて
しまう。
しまう
外なる契機
過去及び現在
の法・制度や支援
法 制度 支援
関係の実態と限界
本人エンパワーメント
支援計画
内なる契機
本人の諦め(がまん)
させられていた夢・希望・
目標・自分らしさ・
仲間で助けあう力 成熟
仲間で助けあう力・成熟
する力・自然治癒力等
支援者(スタッフ)
外なる契機
職務上の要請・
利用者からの要請・
現在の資格等
スタッフエンパワ
スタ
フエンパワ
ーメント支援計画
内なる契機
支援者の諦め(がまん)
させられていた夢・希望
志向性 興味 資質
志向性・興味・資質・
可能性と偏見・恐れ・弱さ
︻図︼本人と支援者の現状の相互規定性を超えた可能性の展望
本人(メンバー)
78
本人と支援者の相互エンパワーメント①
本人の場合
①支援者に守られた依存的状態から、支援者の各種の
支援を活用して、本人が選んだ本人らしい生活を展開
できることがエンパワーメントの基本
②そのためには、何よりも、本人の内なる希望や志向性
を自由に表現(意見表明権)できる環境や、本人の可
能性 開
能性に開かれた多様な経験と選択肢の展開が重要
多様 経験 選択肢 展開
要
③次にそれを、その集団内で与えられた活動や役割を
超えて、参加 参画を展開すると共に
超えて、参加・参画を展開すると共に
④地域生活全体に普遍化できる市民的参加や役割とし
て展開することが必要
79
本人と支援者の相互エンパワーメント②
支援者の場合
①利用者本人の求めに応じられる、いい個別支援のス
①利用者本人の求めに応じられる
いい個別支援のス
キルアップと習熟が、職場の役割としてまず求められ
るが、
④それと同時に、支援者の内なる志向性と可能性を開
花させることが、支援者のエンパワーメントに繋がる
だけでなく 障害者本人の希望や可能性を押し広げ
だけでなく、障害者本人の希望や可能性を押し広げ
るという意味では、相互のエンパワーメントに繋がっ
ゆく
てゆく
③さらにそれと共に、職場や法人の一員として、組織全
体の中でいかにエンパワーメントするのか、
③及び、その社会で通用する、普遍的スキルの構築と
自分達の社会的意義を本人達と共に展開する必要性
80
外なる契機
誕生から現在にいたる
親子(兄弟)関係のあり様・
親子(兄弟)関係のあり様
社会的支援の実態と限界・
本人の障害に対する了解
家族(親)
外なる契機
本人から(へ)の希求・
医療・教育・支援機関等
から(へ)の要請・
親族・地域から(へ)の注文
本人エンパワーメント
支援(計画)
家族(親) ン ワ
家族(親)エンパワ
ーメント支援(計画)
内なる契機
本人の諦め(がまん)
させられていた夢・希望・
目標・自分らしさ・
仲間で助けあう力 成熟
仲間で助けあう力・成熟
する力・自然治癒力等
内なる契機
家族(親)ゆえに諦め(
がまん)させられていた夢・
希望 志向性 興味
希望・志向性・興味・
可能性と偏見・恐れ・弱さ
︻図︼本人と家族・
親の現状の相互規定性を超えた可能性の展望
本人
81
家族相互エンパワーメント支援とは
• 結局、本人も家族も、その時代の医療・教育・福祉等の法・制度に
代
規定され、翻弄され続ける。
• それは、少しでもましな支援サービスを求めるからであるが、それ
は常に 本人の障害の否定 不受容と紙 重でもある
は常に、本人の障害の否定・不受容と紙一重でもある。
• 本人と親・家族はそれぞれの思いを意識的・無意識的に投射しあ
うことによって、増幅しあったり、反発しあう。
• さらに、そこに仲間と医療・教育・福祉の関係者との意識的・無意
識的関係が加わって、本人を織りなす曼荼羅世界が創出される。
• 本人にとって、親がその自立の阻害要因のごとくに立ち現れるよう
になった時、初めて成熟した親子関係の世界が立ち現れる。
• まさにそのごとく立ち現れることを支援し、それらの親子の葛藤の
まさにそのごとく立ち現れることを支援し それらの親子の葛藤の
プロセスをサポートし、それぞれの自立に向けたエンパワーメント
援
、
援
を支援するのが、家族相互エンパワーメント支援に他ならない。
82
父親
医師
母親
本人
兄弟
C
支援
者B
仲間
本人−家族ー支援者の
相互エンパワーメント関係
は
【図―&】のような、
分かりやすい
曼荼羅関係にはならない
A
【図 &】
【図―&】
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父親
母親
役割
役割
母親
父親
内面
内面
本人
役割
医師C
兄弟
役割
役割
本人
医師C
役割
内面
内面
支援者
B役割
支援者B
内面
【図―@】
兄弟
仲間A
役割
仲間A
内面
本人ー家族
ー支援者の
支援者
相互曼荼羅
関係は、【図ー
@】のごとく
きわめて
複雑にみえる
が それが
が、それが、
人間
という存在
の証しでもある
の証しでもある。
時に阻害要因
のごとく存在す
る関係を 促進
る関係を、促進
要因へと転換
し、相互エンパ
ワーメント関係
ワ
メント関係
へと収斂してゆ
くことを、エンパ
ワーメント支援
ワ
ント支援
という。
84
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