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活動報告書(pdf) - 大阪大学グローバルコラボレーションセンター

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活動報告書(pdf) - 大阪大学グローバルコラボレーションセンター
2010年度 GLOCOL フィールドスタディ
アメリカ試行プログラム
1. 日程:2011 年 3 月 7 日(月)~3 月 11 日(木)
日
3 月 7 日(月)
時間
訪問先
11:00
成田発
9:15
JFK 着
(ANA 010)
13:15-14:15
国連本部
見学ツアー参加
15:00-16:00
UNDP
Mr. Shantanu Mukherjee
Macroeconomics advisor,
Bureau of Development Policy
10:30-11:45
3 月 8 日(火)
UNA-USA
Ms. Amy E. Ruggiero
(米国国連協会)
Director of UNA Education Programs
13:00-14:30
国連事務局会議管理局
中野健司事務局次長とランチ
15:00
国連政務局(DPA)
Mr. Stephen Jackson
Team Leader
Policy and Planning Unit
16:30
日本政府国連代表部
18:15
10:00 - 12:00
角大使
金森一等書記官
UNICEF
(10:00)
Ice breaking & Self-
introduction
(10:10) Work at UNICEF & Career Journey
(Ms. Naomi Ichikawa)
(10:50)
(11:10)
Q&A session with Naomi-san
Internship
at
UNICEF
(Ms.
Dhwani Patel + Mayuko Murasawa)
3 月 9 日(水)
(11:30) Q&A session with Dhwani + Mayuko
(11:55) Wrapping up (Mayuko)
UNICEF 村沢氏他とランチ
12:00-13:00
15:00
国連広報局(DPI)
赤阪清隆広報局長
19:00
国連フォーラム
幹事学生他と意見交換
3 月 10 日(木) 11:15
JFK 発(ANA009)
3 月 11 日(金) 15:25
東日本大震災発生のため成田から中部空港に
緊急振替え着陸
2.会合概要
2-1
国連開発計画(United Nations Development Programme; UNDP)
UNDP の Shantanu Mukherjee 氏を訪問し、UNDP の役割とミレニアム開発目標(以下 MDGs)の現状に
ついて説明を受けた、質疑応答では MDGs の今後の展望と国際機関におけるエコノミストの役割につい
て議論した。
国連開発計画の役割
◆国連の各専門機関(WHO など)と横断的に協働し、MDGs 達成に向けた包括的な政策パッケージを提
言する。
ミレニアム開発目標(MDGs) の現状と課題
(MDGs に関しては http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html を参照)
◆MDGs は世界全体として進展が認められる。しかしアジア圏では達成速度は速いが、一方でアフリカ
地域では達成の速度は遅い。また各目標(貧困の削減など)によって達成速度が異なっている。
◆3つ(と1/2)の認められた真実
1、MDGs 達成に向けた進展は直線的ではない。(達成速度が速いときと遅いときがある。
)
2、MDGs 達成に向けた進展は単調的ではない。(経済危機などによって悪化することがある。)
3、MDGs 達成に向けた進展は国・地域によって差がある。(特に強調されていた。)
(4)、成長の鈍化と達成速度の鈍化との間に相関がある。
◆達成の成功要因(参照:Unlocking progress: MDGs acceleration on the roads to 2015)
・①国が主導している、②貧困層対策を含めた経済成長政策を実施している、③教育、健康、衛生に対
する公共投資を行っている、④経済危機などの偶発的ショックに対応できる社会保障がある
・これらを含み、かついくつかの MDGs を同時に達成できる行動計画が求められている
など
(例:女性
教育)
・2010年9月に現状確認と評価を行う MDGs Summit が行われた。次の5年間の計画が議論される。
◆2008年の経済危機によって、先進国からの資源に制約がかかり、達成速度が鈍化する可能性がある。
・効率的に資源を配分し MDGs の速度を落とさずに2015年までに達成する必要がある。
(選択と
集中)
・MDGs Acceleration Framework
・MDGs の中で達成が遅い分野で、何故うまくいっていないのかの原因を分析し、それに対して
集中的に取り組むための評価・原因分析・優先順位決定・施策決定・行動フレームワーク
・多くの国で導入されている。
資料)
ウガンダ(妊婦死亡率の低減)の例
(参照:UNDP プレゼン
質疑応答
Q 国際機関での経済学・経済学者の役割
・①複雑な問題の原因特定・そのための評価方法を開発・標準化する、②MDGs 達成に向けた適切な
財政運営のアドバイス、③理論的見地から政策に裏付けを与える
・わかりやすい人間の行動のメカニズムの発見は、政策のターゲット・制度設計に大きく影響を
与える
・経済理論によって問題をフレームワークに当てはめて分析し、優先順位をつけることができる
・政策当事者はそういった経済理論を理解し、政策に活かしたいと考えている。
・実証分析やシミュレーションなどは政策決定に非常に大きな影響を与えている。(例:エンゲ
ル係数)
Q
MDGs が2015年に終了するが、今後の展望は?
・期限までに多くの進展が認められるはず。それから教訓を得て、次に活かすことが重要。国際共有
目標を持つことは、資源・経験を効率的に活かす意味で重要であり、おそらく新たな目標が設定さ
れるだろう。
Q
経済学を学ぶ者の国際機関でのキャリアパス
・STEP1:リサーチャー、評価部門、統計専門家として(若いエコノミストには非常にいい経験)
・STEP2:政策アドバイバイザーとして
・経済理論・事情に精通し、実際に国レベルの仕事をしてからこのステップに移る。
・どういう風に提言するのか、その政策が政治的に安定かを考える必要がある。
・アメリカでは STEP1を専門にするシンクタンクが多く存在し、そちらに移るエコノミストもいる。
国際機関に勤めているなら、多くの場合 STEP2に移ることを促される。
・インターンに行って実際に自分の実力を証明することで、採用されやすくなるだろう。
米国国連協会(UNA-USA)
2-2
会合要旨
UNA-USA の Amy E. Ruggiero と Andrew Roush を訪問し、UNA-USA の社会的役割と活動についてブ
リーフィングを受けた。質疑応答では、現在の米国の社会情勢を踏まえた上での UNA-USA の成果と課題
について議論した。会合を通じ、UNA-USA の活動を日本でも応用できる可能性が少なからず存在するこ
とを学んだ。
UNA-USA の役割および活動
60 年以上の活動履歴を持ち、一義的に国連およびその活動について米国民に広報する組織である。そ
のための手段として、模擬国連やグローバル・クラスルーム* を利用している。2010 年 11 月に組織改編
があり、現在は国連財団と統合して活動中である。
*グローバル・クラスルーム
地理や世界史の授業の一環として、世界の諸問題について考えるプログラムであり、初等・中等教育に
焦点が当てられている。多文化理解が一義的目的であるが、能力開発としての性格もあり、コミュニケー
ション能力や批判的思考力を磨くなどの目的も兼ね備えている。
質疑応答
①9・11 テロ後、米国政府および米国民の国連離れが顕著になったと思うが、そのことについてはどう思
うか。
―その通りで、国連に懐疑的な米国民は多数いる。問題は、多くの米国民が国連の機能や成果をよく知
っていないことにある。しかし、米国民は国連が取り組んでいる課題(平和構築など)について評価
するはずである。というのも、国連の活動に多くの国々が参加することで、その分活動経費を軽減す
ることができ、実質的な利益があるからである。実際、オバマ政権が誕生してから、米国民の国連に
対する認識は好意的に変化してきた。2010 年末におこなわれた超党派の調査で、米国民の 60~65 パ
ーセントが国連を支持しているという結果が出た。この数字は 10 年前の調査時よりもずっと向上し
ていた。
②昨今の不況の影響で、米国の ODA 予算の削減が議会で検討されているが、そのことについてどう思う
か。
―政治的問題なので、正確なことを申し上げることはできない。しかし、私見としては、ODA 予算削
減などの話は特に下院において昔からあるので驚くべきことではないが、憂慮すべきことである。下
院議員は 2 年の任期で多くの成果を上げる必要があるため、社会情勢を反映した短期的政策を追求し
がちである。
③もし有権者が国連を理解し、支持するようになれば、政治家が国連を支持しない理由はないですよね。
そういう意味で、UNA-USA の教育プログラムは有益ですね。
―その通りで、特に若者世代に国連の活動について知ってもらうことが重要である。その一環として、
UNA-USA は模擬国連やグローバル・クラスルームのような教育プログラムを実施している。また、
その教育プログラムは、社会的背景の異なる他者を知り、理解するという、社会的に重要な能力を高
めることに役立つ。そのような能力は、将来的に有権者として正確な情報を見極める上でも有益であ
る。
④阪大生が UNA-USA の教育プログラムに参加できるのか。
―UNA-USA が開催する教育プログラムの参加者は中学生や高校生である。しかし、その教育プログラ
ムにおいて、模擬国連を熟知した大学生が無給で先生の補佐をすることもある。UNA-USA はそのよ
うな多くの大学生の人材を利用することができる。
⑤関西にある模擬国連クラブと連携すれば、何か新しいプログラムを始められるかもしれない。
―新しいプログラムを始める際は、小規模なレベルから始めた方がいい。また、そのようなプログラム
に参加するだけではなく、他のプログラムの運営委員を手助けしたり、訓練することで、広範なアプ
ローチを学ぶことができ、非常に有益な経験となる。また、国連に関する国際会議の場合、会議を通
じて英語力を向上させることもできる。
⑥グローバル・クラスルームに消極的な先生がいれば、どのように説得するのか。
―UNA-USA の教育プログラムは基本的に選択制であって強制ではないが、その教育プログラムを利用
ことが、他の教科を教える上でいかに有益であるかを懐疑的な先生に示す。米国ではすべての先生が
生徒を進級させなければならないため、先生は UNA-USA の教育プログラムがそのために役立つと分
かれば、取り入れるはずである。また、最近の教育予算の削減の中で、ボランティアという形で
UNA-USA の人材も利用することができる。さらに、UNA-USA の教育プログラムの成果を評価する
先生が多くいることも事実である。
2-3
国連政務局(United Nations Department of Political Affairs:DPA)
DPA のスティーヴン=ジャクソン氏を訪問し、DPA の任務・ジャクソン氏のキャリア・インターンにつ
いてブリーフィングを受け、DPA がどのように紛争予防や平和構築に携わっているのかを学んだ。質疑
応答では、DPA の課題などについて議論した。
DPA の任務

国連事務総長への政策的な助言とサポート
例:声明の草案作成、他国訪問の際に予め対談のポイントとなる項目を書き出すなど。

国連憲章 99 条(事務総長が、平和及び安全が脅かされている問題に関して安保理に注意を促すこと)
に基づいて、事務総長と協力しつつ国際社会の平和や安全を守る。
例:オバサンジョ元ナイジェリア大統領を特使に任命し、コンゴ民主共和国(以下 DRC)の紛争仲
裁を図る。

平和的手段による紛争の仲裁
例:紛争終結後の選挙実施に関する助言、公式な会議のコーディネート、チュニジアでの開発プロ
グラム
※しかし全ての紛争に国連が迅速に対処できる訳でなく、国連内で利害関係を争う事態に陥ることもある。
ジャクソン氏のキャリア

現在の勤務部署・・・政策立案(Policy planning)
将来起こりうる平和や安全保障を脅かす問題を予測し、紛争予防のための政策を練る
例:チュニジアなど北アフリカの政治情勢変化の分析、ナイル川周辺地域の「水をめぐる紛争」へ
の対処

以前のキャリア・・・オバサンジョ特使の補佐
―DRC の PKO に従事し、将軍との対談や和平合意の締結に立ち会い、首脳会談のセッティングを
行った。
―2008 年に DRC とルワンダが緊張関係に陥った際に、両首脳会談を早急に設けてオバサンジョ特
使に仲介を要請し、危機を回避した(対応の早さ・特使に適役であるオバサンジョ氏の任命・特使
が会談を仲介したことが功を奏した)。
質疑応答

国連の平和構築活動(選挙や DDR)は一時的であると感じる。長期的な平和を実現するためには。
⇒重要なのは選挙や DDR や和平合意などの「道具」ではなく「長い月日」
。アイルランド紛争を鑑
みても、紛争復興に時間を要することを認識すべきだが、その一方でいつまで出資できるかという
資金問題にも直面している。

ルワンダでは経済発展を目的とした vision2020 という政策が実施されているが、未だに貧困地域が
存在し、政策の目標と現状は異なっている。それはなぜだと思うか。
⇒独裁政権を変えない限り、改善は難しいと思われる。
⇒大統領は経済発展を推進しているが、それだけで国民が抱えている紛争の辛い経験を乗り越えられ
る訳ではないだろう。

国連本部で立案した政策をフィールドで実施する場合はどのような問題に直面するか。
―国連職員は「よそ者」と認識されることもあり、紛争当事者との信頼関係の構築が難しい。
―官僚組織ゆえに迅速に対応することができない場合がある。
―紛争原因は地域によって異なり、地域ごとの対処が必要とされるが、難しい反面やりがいがある。

DRC の鉱山資源が、違法取引によって武装勢力の資金源となる「紛争レアメタル」問題を防ぐ手段
とは。
⇒(1)不買運動(2)経済協定や地域統合を結んで市場を開き、取引を合法化する(例:EU、東アフリカ
共同体)。
国連のインターンシップに必要な技術

知識
・素早く、的確に、論理的に文章を書く。
・A4 一枚に要約する力を身につける。

チームワーク
・文化的背景が異なる人々と働くため。

言語力
・特にライティング能力が必要とされる。
国連日本政府代表部 角大使
2-4
会合要旨
国連日本政府代表部の角茂樹大使を訪問し、国際社会の現状とその中で日本が果たすべき役割について
ブリーフィングを受けた。質疑応答では、国際貢献の重要性や国際社会の一構成員としての意識を持つこ
との意義について議論した。会合を通じ、日本人の内向的意識を外向的意識へと変容していく必要性を学
んだ。
国連創設以降の歴史分析と現状
国連(安保理)は、大国の活動に正当性を与えるための機関として 1945 年に設立された。当時の大国
とは、米国、イギリス、ソ連であり、大国として必要な 3 つの条件を満たしていた。それらの条件とは、
①世界最高水準の国内総生産、②世界最高水準の軍事力、③豊かな国民社会である。第二次世界大戦後の
世界は米・英・ソという大国によって統治されていたという点において、均衡が維持されていた。しかし、
特に冷戦が終結した 1990 年代以降、
中国やインドといった発展途上国が国際社会において台頭してきた。
それらの新興国は旧来の大国の条件をすべて満たしているわけではない(例えば、中国やインドの国内社
会は必ずしも全体的に豊かとは言えない)。また新興国は、状況に応じて大国としての地位と新興国とし
ての立場を使い分け(例えば、中国は世界第二位の経済大国だが、気候変動枠組条約では新興国としての
立場をとる)
、自国の利益を伸長しようとしている。大国として必要な 3 つの条件を満たさない新興国が
大国として振る舞う現在、国際社会の構造は不均衡化を経験している。
国際社会における日本のあり方
日本は、世界最高水準の軍事力を保持していないという点で、旧来の大国に当てはまらない。日本の特
徴は、他の大国と比較して、軍事費をほとんどかけずに経済発展してきたということである。そこでまず、
①日本は米国と緊密な同盟関係を維持する必要がある。これまで有事の際には米国が大きな犠牲を払って
きたからである。また、②日本は政府開発援助(ODA)を安易に削減するべきではない。世界の安定は
日本の利益に直結しているだけではなく、ODA を削減すれば、
「寛容な経済大国」という国際社会におけ
る日本のイメージが損なわれかねない。日本は経済支援という形で国際社会に貢献しているという意識を
忘れてならない。そして、③日本は「人間の安全保障」というイメージを今後推進していくべきである。
国民生活の保障を目標とする政策は重要であり、中東で進行中の政変からも明らかなように、国民が満足
しない政府は瓦解する運命にある。また、強力なイメージを持つ国家はその分大きい影響力を持つことも
事実である。
質疑応答
①これまで日本は主に財政面で国際社会に貢献してきたと思うが、対テロ戦争において日本は米国から財
政支援と人員派遣の両方を要請された。日本の人員派遣はしばしば国内で論争を呼ぶため、日本は国際
貢献を財政支援に特化すべきか。
―財政支援も人員派遣も両方重要である。日本は財政面での国際貢献を慈善活動のように考えるべきで
はなく、財政・人員の両方のレベルで国際貢献を果たすことが日本の役割であると考えるべきである。
②世界で日本国債に対する評価が下がってきているが、そのことが国際社会における日本のイメージ低下
につながる可能性はあるか。
―世界の日本に対するイメージは依然として「寛容な経済大国」である。日本国債の評価の低下が即座
に日本のイメージ低下につながるとは考えにくいが、今後日本のイメージをいかに守っていくかが日
本の課題である。
③「慈善活動ではなく、世界や日本の安定のために ODA を削減すべきではない」という考えを日本国内
で広めるためには、具体的にどうすべきか。
―日本は多額の軍事費を負担することなく発展した経済大国である。日本は、人員派遣や財政支援が世
界の安定だけではなく自国の利益につながるという経験を実際にしていないため、
「安易に ODA を削
減すべきではない」といった考えを認識することが難しい。まずは米国など大国の歴史を冷静に分析
することが必要である。
2-5 日本政府代表部 金森一等書記官
要旨
日本政府代表部の金森一等書記官を訪問し、国連機関で働くための試験制度、インターンシップに参加
する方法や働く上で求められる資質・心構え等を伺った。また米国内で日本人留学生向けに行っている国
連機関への就職するためのガイダンスで配布している資料もいただき、それらを基に話を進めていただい
た。
国連でキャリアパスを踏むための基本情報

国連機関人事の特徴

空席公募制度で自らの席を確保し続ける。

即戦力が常に求められる。


席確保後も自分で空席に応募しなければ昇進はできない(同ランク内での調整異動はあり)
。
“入口”の把握
YPP(United Nations Professionals Program:国連事務局の若手職員採用プログラム)

4 月に募集分野が公表される。

文書作成力、コミュニケーション力がかなり求められる。

過去の試験科目実施実績を見て自分の専門分野との整合性を見極める必要がある。
:『計量経済』は統計に含まれるのか?
→募集要項に応募できる専門分野が記載されている。たとえそれを主専攻にしていなかった
としても単位として取っていればそれも良い。

コンピテンシー面接(※参照『国際機関の採用

コンピテンシーベーストインタビューは必ず行われる。
応募書類の書き方』の P2 以降
→国連で求められる能力を問われる!具体的な経験や体験をもとに自分のアピールする!
JPO(Junior Professional Officer:主に基金・計画、専門機関への若手派遣

UNICEF や UNDP などへの派遣が中心。

人気機関:UNICEF、UNDP、UNHCR
→最近の傾向:これらの機関がドナー国からの拠出金が減っているため現地職員を増やして国
際職員を減らしている)

“職務経験”にアルバイトやパート経験は含まれない。研究機関で働いた実績は含まれる。専門
調査員や JICA から JPO になる人もいる。

TOEFL は相対評価になるため、基準点数はない。応募書類とともに面接に進む人を決めるので
判断基準は TOEFL だけではない。
LEAD(Leadership Development Program)/NETI(New Emerging Talent Initiative)

対象が全世界なので競争率は JPO より高い。

将来の幹部候補として採用するもの。JPO よりは機関に配属される可能性は高い。

JPO からこれに応募する人が多数。

空席公募について

できるだけ早いタイミングで応募書類を提出するほうが良く、提出期限間際にならないように
注意する。

外部応募からの不利なプロセスはとられなくなった。ただ内部応募者のほうが多少有利な点に
未だに変わりはない。


公募になっている空席にはどのようなことが求められているのかを見極める力が重要。
語学能力

書く、話す+フランス語(採用プロセスでアセットにされることが多い)
国連事務局でインターンシップに参加するためには

身分:修士 or 博士在籍中であること。

募集時期(ニューヨークでのインターン):3期制。

募集締め切り時期
夏募集:2月末、秋募集:5月末、春募集:9月末

VISA:通常のビザと観光ビザは3カ月までであり、それ以上の期間を超えた場合にどの VISA が申
請可能かは不明。

期間:基本は2か月(ただしできる限り長く従事できる人が選ばれる可能性が高まることもある)→
PR として「長期間インターンとして従事できる」

期待すること:情報収集のためのシステム運用が得意な人=適応力

インターン数(2008):日本人 28 数名、中国 100 数名
→外務省は日本人を増やしたい⇔学生は経済的支援を求めている
→しかし外務省的に経済的支援をすることは厳しい状況
⇒大学が助成金を出すというのは外務省と学生の双方に有益
★国連機関で働く上での心構え

空席探しをするのはあくまでも“自分”→依存すると国連内で生き残れない!

国連の活動をきちんと理解すれば、本部で働くことのメリットを理解に繋がる。
2-6
UNICEF
要旨
教育分野で働く職員の方々はどのようなキャリアパスを経てきたのかを知ることが UNICEF 訪問の最
大の目的である。実際に正規職員として働いている方とインターン経験者から、キャリアの積み方やキャ
リア選択において心がけるべきこと、国連機関でインターンをするための準備や心構えについて話してい
ただいた。また学生も人生のモットーを伝え、今後のキャリアパス等についてアドバイスをいただいた。
市川さんのキャリアパス
これまでの人生で一貫して“挑戦”というモットーを持ち続けておられました。それを踏まえ、ご自身
のキャリアパスを3段階に分けて各々の段階に表題を掲げてお話をしてくださいました。
【最も挑戦した時代】
高校時代、交換留学を経験したことで言語・価値観の違いや米国の多文化主義に触れた。大学卒業後は
日本旅行代理店に就職。国際会議マネージャーとして広範な職務訓練(取引先への接し方・良好な対人関
係の築き方など)を受けた。数年勤務した後、フランス語習得のために、フランスのソフトウェア会社に
マーケティング顧問として転職した。
【自分自身と向き合った時代】
ソフトウェア会社に転職後、
“自分が本当にやりたいことは何か?”
“自分の比較優位はどこか?”と自
分自身と向き合い米国の大学院に入学(行政学専攻)し、国連の DPKO(平和維持活動局)インターン
で現地調査員も経験した。
人事の分野で JPO に申請するも不合格。日本に帰国し派遣社員として勤務しながら、自分の強みに気
付くことができた。アジア開発銀行研究所を経て、能力開発の分野で JPO に再申請し合格した。自分と
向き合い、自分にしかないニッチを見つけ、DPKO でのインターン経験とアジア開発銀行研究所での職
務経験を的確にアピールできたことが勝因だった。
1 年目は UNICEF の Planning Section に配属され、2 年目以降:バングラデシュで統計調査を行った。
特に旅行代理店で身に付いた仕事のマネージメント力が大いに役立った。
【人生のバランスを再考した時代】
ニューヨーク事務所に異動して現在は緊急時プログラムを担当。バングラデシュでの同僚や現地の人と
親密に過ごしていた生活と一変したことが人生の優先順位を考え直すキッカケとなり、家族の大切さに気
付かされた。
市川さんのライフヒストリーから学んだこと

日本の民間企業での新人研修(礼儀作法、対人関係の築き方などの体得)は非常に重要な経験となる。
即戦力が求められており,このような研修システムは基本的にない。

仕事・人材のマネージメント力が求められる。必要なのは教育や保健に関する専門知識だけではない。

キャリア選択はその時に置かれている状況や立場など考慮して柔軟に選択していくことが大切。また,
自分がどのような強みを持っているのか,どのような貢献ができるのか…など自己分析をしてそのつ
ど本当にやりたいことを熟考して駒を進めること。
質疑応答(UNICEF は UNICEF 側の複数の担当者を意味する)

いかにして英語力を向上させるか。
―民間での仕事を通じて英語力を向上させた。言語を学ぶには,実際に現地で生活し,熱心に交流す
ることが重要である。

職を得る前の仕事内容の詳細はどのようにして知るのか。
―大学のキャリアフェアーで知ったり,担当者に直接連絡したり,別の部門の似た職を探してみる。

申請に際して,カバーレターや推薦状は必要か。
―カバーレターはプラスになるが,内容が良くなければ提出しない方がいい。推薦状は選考の最後ま
で必要ない。

志望動機を CV に入れるのはどうか。
―規定はないので好みの問題。CV に含まれてない情報をカバーレターに入れても良い。

インターンの期間、雇用形態はどうなっているのか。
―どちらも厳密に規定されていないので交渉次第である。パートタイムも可能である。

採用に際して,招聘状を送ってもらうことはできるのか。
―可能であると思う。
書類作成に関する技術的な助言(※最初の助言は敦賀から)
①
P-11 形式の履歴書に同じ情報を含めた CV を添付する

CV は物語り調にすると良い
→自分の強み・アピールポイントを、CV は書面であるが面接官に語りかけるかのように
伝えたいことを取捨選択して文書にすること

自身の経験に即して複数の CV を準備しておくことも有効。
②
希望職種の業務内容に記載されているキーワードを必ず盛り込む
③
学生の場合,アピールする点は学校での経験(例:リーダーシップ)でも構わない
④
語彙・スペル・文法・時制等のミスがないように留意する
⑤
面接で答える内容を複数パターン用意する
⑥
必ずしも必要でない情報は書ききれなければ無理やり書く必要はない
2-7 国連広報局
要旨
国連と阪大がパートナーシップを構築するための手段のひとつとして“アカデミックインパクト:
Academic Impact(AI)”というものがある。国連と学術機関を結ぶ取り組みを行っている国連広報局の
赤坂局長を訪問し、AI の参加方法や参加するメリットを聞き取った。また国連機関でインターンシップ
をする方法についても伺った。
アカデミックインパクト Academic Impact(AI)の概要
導入:模擬国連について
 AI の目玉イベントのひとつ
 開催地:韓国のインチョン(仁川)
 開催期間:8/10~14
 費用:模擬国連参加費は無料(ただし渡航費等は自己負担)
 参加のメリット:世界中の AI 参加大学から学生が集まるため参加するだけで様々な国の学生と“ネ
ットワーク”を構築できること
設立目的
 学術機関(主に大学)と国連の様ざまな活動の実践の場をつなぐ
→AI が介在する理由としては①全世界共通の目標(例:MDGs)を達成するためのアイディアが国
連機関に不足しているため、②世界中で同じような研究が多重に行われており、その研究に投資して
いる資金の分配を効率化するための2点が挙げられる。
 世界中の学術機関(主に大学)とのパートナーシップを構築
AI 参加の利点

世界中の大学と友好的な関係を構築することができる

そのネットワークを活用して大学が国際社会に対してどんなことに貢献できるかを広く提示するこ
とができ、かつ国内外の大学から研究に関する助言を享受できる

近隣の大学と共同で大きな国際会議を開催しやすくなる

それに伴って世界中の大学から学生を呼ぶことができ、また国連の機関も会議に参加する可能性が
高まる
インターンシップ参加方法

修士・博士課程の学生が応募可能

東京にある国連広報センターでは情報を入手しやすい

①ボランティアや②ニューヨーク以外の事務所(日本国内、たとえば大阪や東京)でのインターンの
後にニューヨークでのインターンに応募することもひとつの選択肢
★質疑応答
現在は国連―大学という繋りだが、国連の専門機関―大学が繋がることは可能になるか?
―AI の対象は大学だけでなく①高等教育機関全般とは「グローバル・コンパクトを通じた持続可能な
開発」の推進のためにビジネススクールとパートナーシップを結んでいる。②研究機関とは国連機関
と共に活動できる専門家を発掘するために関係を築いている。
3
参加学生による所感
今回のスタディ施行プラグラムを通じての期待と現実
伊藤孝治
今回のスタディ施行プラグラムに期待していたものは,実際に国連やその他の国際機関での活動に従事
している関係者の方から詳細な報告を聞くことにあった。その期待は見事に実現した。我々は,今回のプ
ログラムで訪問した,UNDP(国連開発計画),UNA-USA(米国国連協会),DPA(国連政務局),日本
政府国連代表部,UNICEF,そして DPI(国連広報局)の関係者の方から興味深い話を聞くことができ
た。UNDP では MDGs(ミレニアム開発目標)の現状と今後の展望を,UNA-USA では米国人の国連に
対する理解を促進しようとする取り組みを,DPA ではアフリカにおける平和構築の成功例と失敗例を,
日本政府国連代表部では日本の国際社会に対する姿勢のあり方を,UNICEF ではキャリア形成の例を,
そして DPI ではアカデミックインパクトの有益性を関係者の方から直接学ぶことができた。実際の関係
者の方から生の声を聞くような機会は滅多にないことであり,今回のように広範な部門にわたって関係者
の方と接触することができたのは本プログラムの主要な特徴だった。そしてそこから広範なテーマに関し
て多くの知識を得ることができたのは,本プログラムの大きな収穫だった。
しかし,どうしても越えられない壁が存在したことも事実である。個人的には依然として世界で最も影
響力を持っている米国の国連政策について話を聴くことを望んでいたが,それは叶わなかった。また,日
本政府国連代表部の角大使からは日本の国際社会へのアプローチのあり方について貴重なご意見をうか
がうことができたが,角大使はあくまでも日本を取り巻く国際社会の全体像を明らかにすることに焦点を
当てていた。そのため,日本政府の国連に対する個別の具体的な政策についてお話いただくことはできな
かった。外交問題や外交政策は繊細な領域であり,そこには常に隠密性が伴うことを考慮すれば,このよ
うな結果は驚くべきことではない。また,角大使の外交官としての立場からしても,核心部に迫るような
発言をすることは,職務上および倫理上,許されないようにも思われる。国家の外交政策の中枢部に接近
するには不可避的にその領域の関係者になることが必要であり,筆者は部外者が知ることのできる話には
限界が存在することを今回のスタディ施行プログラムで痛感した。
筆者は,今回のプログラム全体を通じて,理想と現実の両方を経験することができ,現実には越えられ
ない壁が存在することも痛感した。それでも今回のプログラムは,国際社会の現状および日本がそのよう
な国際社会の現状にいかにして対処していくべきなのかについて,非常に多くのことを学べた有意義なプ
ログラムだった。
今回のスタディ施行プログラム全体を通じて学んだこと
伊藤孝治
筆者は,今回のスタディ施行プログラム全体を通じて,国連や他の国際機関で働く関係者の方から,そ
れぞれの機関の活動・成果・問題点を学ぶことができた。様々な国際機関の関係者の方に直接聞き取りを
おこなうことによって,それらの組織への理解を深めることは,本プログラムの大きな特徴だった。
しかし,本プログラム全体を通じて見えてきたことは,日本人の国際社会に対する意識における一種の
乖離のようなものである。この意識レベルでの乖離は,一般的な日本人と,国連や他の国際機関で働くこ
とを積極的に希望する日本人の間に存在する。米国国連協会の関係者の方は米国人の国連の活動に対する
認識が依然として低いことを問題点として強調していたが,このことは一般的な日本人に対しても当ては
まるのではないかという議論がなされた。また,日本政府国連代表部の角大使は,日本が国際社会の一構
成員として正当な責任を果たし,相応の負担を負うべきであるということを強調していた。さらに,国連
広報局の赤阪広報局長は,高等教育機関と国連が連携する事業であるアカデミックインパクトが依然とし
て日本で浸透しきっていないことを課題として強調していた。
その一方で,日本政府国連代表部の金森一等書記官や UNICEF の関係者の方からは,国連や国際機関
で働くための詳細なキャリア説明を受けることができた。外務省の JPO 制度を利用して国際機関への派
遣を希望したとしても,その選考過程は非常に競争率が高く,厳しいということだった。実際に今回
UNICEF 職員としてキャリア説明をおこなってくださった日本人の方も JPO 制度を過去に利用されてお
り,国際機関で働くためのコツや助言を多く教えていただいた。つまり,国連や他の国際機関で働くこと
を熱望する日本人も十分に存在するわけであり,国連や他の国際機関の職員への道は狭き門ということだ
った。
このように,日本人の国際社会に対する意識が二極化している印象を受けたことは非常に興味深かった。
国連の活動やその有益性を十分に認識していない「孤立主義的」な日本人が依然として多く存在する一方
で,自らを国連や他の国際機関に関与させることで国際社会に少しでも貢献しようとする「国際主義的」
な日本人も同時に多く存在するということである。このような意識レベルでの乖離を解消するための一つ
の手段として,模擬国連やグローバル・クラスルームといった教育活動を日本の若者を中心に推進し,国
連の活動やその有益性に対する日本人の理解を継続的に促進していくことは十分可能であるように思わ
れる。インターネットのような技術革新により,かつてよりも相対的に小さくなっているグローバルな国
際社会において,一般的な日本人の内向的思考を外向的思考に変容させていく啓発活動を忍耐強く継続し
ていくことが重要であるという結論に最終的に至った。今回のスタディ施行プログラムを通じてそのよう
な考えに到達できたことは非常に大きな収穫だった。
個人報告書
経済学研究科経済学専攻
小川弘昭
◆所感
今回のプログラムを通して痛感・実感したことが四つある。一つ目は英語力強化の必要性である。残念
ながら聞きながら議論をまとめていき、的確な質問や議論を活発にする意見ができなかった。書く・聞く・
話すといった個々の能力を強化するだけではなく、その一連の流れとしての「実践的な英語」を学ぶ必要
性を多いに感じた。また多くの職員が重要生を強調していた文章力(論理的でわかりやすく、簡潔な文章
作成能力)に関しても、今後いっそうの努力が必要である。
二つ目は自分を積極的にアピールする必要性である。国際機関への採用はコネで決まるといっても過言
ではない。インターンを通じて、しっかり自分の能力・資質を上司にアピールする。そして採用が決まっ
た後でも、より高いレベルを目指して仕事をするには、仕事を通じてしっかりとした専門性/能力・他人
との比較優位性を確立し、それらを自らアピールしていく必要がある。
三つ目は人間的魅力である。今回訪問させて頂いたすべての職員が非常に穏和で、知的で、人間的魅力
があった。様々なバックグラウンドを持つ同僚と世界を舞台に仕事をしていく上で、こういった素質が重
要だと感じた。
四つ目として、このプログラムを通じて自分の疑問点であった経済理論と現実世界の関係についても、
エコノミスト以外の職員の方からも意見を伺うことができ、理解することができた。経済理論は必要とさ
れている。しっかりとした理論的素養を磨くとともに、実際のデータを扱えるエコノミストとしてキャリ
アを積んでいきたい。
最後に、今回プログラムを計画・同伴して頂いた敦賀先生と、忙しい仕事の合間、時間を作ってお話を
して頂いた皆様、そしてすばらしい機会をあたえてくれたグローバルコラボレーションセンターに感謝し
たい。
◆目標
①専門性(経済学)の深化、②人間力の開発、③必須能力の強化
◆行動計画
①専門性(経済学)の深化
経済理論(特に貿易論)の研究を深化させる。
・論文を一週間で三本読み、理解する。
・教科書を一ヶ月で一冊読み、理解する
・レベルの高い修士論文を書く。
・計量経済学・統計学を究める。
・データの取り扱い、分析手法についての知識。
ニッチ分野を見つける。
・国際貿易論の全体像の把握。
・経済連携から始まる地域平和。
②人間力の開発
体作り・趣味をもつ
・ジムへ通う。
・ジョギングを始め、来年の大阪マラソンに参加。
大阪大学以外の人間関係を作る。
・プログラムへの積極的な関与。
・学外の研究会・勉強会に参加。
・その他の機会についてもアンテナをはる。
③必須能力の強化
英語力
・大学の提供する上級英語授業への参加。
・一日二時間、英語の勉強に充てる。
・ニュースを聞き、それをまとめていく。
・英語ライティングを勉強する。
・GRE、TOEFL の勉強をする。
・海外大学院入学の道を模索する。
文章力
・論理的な文章についての理解を図る。
・時間を設定し、教科書を読み、それをまとめる。
・自分の気になるトピックに関してまとめる。
・まとめたものを他人に見てもらい助言をもらう。
処理能力
・仕事・勉強にタイムラインを設定し遂行する。
・Glocol の RA の仕事を積極的に行う。
We don’t have a single model.
外国語学部 4 年
片山夏紀
◆このプログラムの志望動機
私は学部で東アフリカの共通語であるスワヒリ語を専攻し、実際にタンザニアやルワンダを訪れて、よ
り一層アフリカの地に魅せられてきた。卒業論文は、100 日間で 50 万人以上が犠牲になった東アフリカ・
ルワンダの虐殺をケース・スタディとした紛争後の平和構築について執筆した。大学院では、アフリカ地
域における紛争の再発を予防する政策を研究したいと考えている。将来は平和構築学やアフリカ政治を専
門として、国際機関や研究機関で働くことを志望している。よってプログラムの志望動機は、国連がどの
ように平和構築に関わっているのか、具体的には、当事者ではなくあくまで「よそ者」の国際機関が、紛
争当事国の紛争再発を予防するためにどのような政策提言を行っているのか、それを知ることであった。
◆収穫
収穫を一言で表すと、国連政務局で聞いた「We don’t have a single model.」という言葉に尽きる。こ
れまでどの紛争地域にも適応する「絶対的な」紛争予防の政策を私は模索してきたのだが、それは無いと
キッパリと応えて下さった。やはり紛争当事国が主導権を持って紛争復興しなければ、真の平和構築は実
現できない。そのやり方は地域によって様々であり、それを主導ではなくあくまで「サポート」するとこ
ろに、国連の存在意義があるのだと納得できた。
何よりもったいなくて悔しかったことは、言語の壁であった。特に国連政務局で話をして下さった方は、
アフリカ大湖地域における政策提言・実施のスペシャリスト。まさに私の関心分野のど真ん中で仕事をな
さっていて、今こうして録音した音声を繰り返し聞いていると、もっと質問したいことが山ほどあったが、
英語力が及ばず、その場できちんと話を理解することができなかった。いつか絶対、彼にもう一度話を聞
きに行きたい。留学以外に言語能力を磨く手段として、ユニセフの方が提示して下さった民間企業や JICA
や NGO 勤務という選択肢も、非常に有益な情報であった。
◆国連のインターンを志望する学生に伝えたいこと
「ニッチな分野を磨き、自分をいかに周りの人間と差異化するか」。国連事務局の方や、インターン中
の大学院生の方が繰り返していた言葉だ。例えば私の場合は、スワヒリ語を磨く+国際情勢に精通するな
どの選択肢が考えられる。インターンひいては国連勤務という道のりには、それこそ single model など
存在しないが、語学力(特にライティング)とチームワークは必須であるというお話を何度も耳にした。
◆おわりに
ニューヨークでは滞りなく物事が進んだが、復路の飛行機が成田に着陸する直前で東日本大震災が発生
し、多くの尊い命が奪われた。被災地の復興を祈る中、潘基文事務総長が日本語で「哀悼の意を表します」
と声明を出した際に、私達が 3 日間国連本部で吸収してきたことと、これまで日本が国連に貢献してきた
業績が一本の線のごとく繋がって、日本は孤立しているのではなく国際社会の一員として成り立っている
ことを痛感した。
私達の関心ある分野に応じたアポ取りから始まり、最後の最後まで私達をサポートして下さった敦賀先
生、事務の片山さんと青木さん、ニューヨークで同行して下さった大阪大学職員の南さん、お話を聞かせ
て下さった全ての皆様に、心から感謝申し上げます。
FIELDO 試行プログラムに参加して…
人間科学研究科

十田麻衣
プログラムを通じて学んだこと
【キャリア形成の考え方】
試行プログラム参加の最大の目的は“今後の自分のキャリアについて考え直す機会にすること”でした。
希望していた UNICEF 職員やインターンの方々から直接お話を伺える場を設けていただけたこともあって、
この目的を達成することができました。セッションを通してキャリア形成において自分なりに4点の重要
な要素を見出だせました。キャリアを形成していく上で大切なことは①広い視野を持って、②興味関心の
アンテナを張り巡らせて、③その時の自分の状況や興味に合わせて柔軟に、④そして長期的な目で見てキ
ャリア選択を積み重ねていくことであると感じました。
これらのことに気付くと同時に、私の人生の最終目的である“小学校の教員として国際理解教育を通じ
て国際貢献をすること”と国連機関で働くことの関連性を新たに考え直す必要性に気付かされました。今
後はこの答えを見つけられるように自分の人生においてやりたいことと優先順位を吟味しながら、国連機
関(現在の関心は UNICEF の教育分野)で働くこともキャリア形成の一選択肢として考えながら、キャリ
アを積んで行こうと思います。
【要約力】
“各セッションで聞いた話を第三者に分かりやすく要旨を説明できるようにすること”と敦賀先生から
学生たちに課題が与えられました。私にとっては最も苦手なことのひとつであり、ましてや英語で聞いた
内容を体系化して要点を掴むことはとても難しい課題でした。最後の最後まで慣れることはできませんで
したが、なんとなく自分なりにコツは掴めたような気がします。私は普段グループディスカッションや長
時間のセミナーで、話し合ってることや聞いていることに注視しすぎてしまい、全体の中での“位置づけ”
を見失いがちなので、今回の経験を日常生活にも反映させて要約力を磨いていきます。

プログラムを通じての反省点
私の関心分野(教育開発)と他の視点(今回の訪問で言えば、経済学的な視点・平和構築の視点・外交の
視点)との関連性を深く追求しきれなかったことでした。その原因として①英語を聞き取るのに必死にな
りすぎてしまった、②そのため各セッションでの話を体系化して自分なりに消化するのに時間がかかって
しまったという2点が挙げられると考えています。

今後のプログラムに対する提案
もう2日くらい滞在して、毎日のセッションの終わりの時間をもう少し早ければと思いました。(費用
がその分かかってしまうことは承知ですが…。)睡眠時間があまり取れず、翌日のセッションが辛かった
日もありました。睡眠時間が短くなってしまったのは私たちの力量不足で議事録のまとめにだいぶ時間が
かかってしまったことが最大の原因ではありましたが…来年度からはその点も踏まえていただければと
思いました。
講評
敦賀和外
1.アメリカ試行プログラムの目的と達成
今次アメリカ試行プログラムの目的は大別して1)国連に関する理解を深めること、2)インターンシ
ップに関する情報収集を行うこと、そして3)今回得られた情報を高度副プログラム及び海外インターン
シップ科目に反映する、という三点であったが目的は概ね達成されたといえよう。
本プログラムを実施するにあたり、参加学生には二つの役割を与えた。第一に、プログラムを各人の研
究分野(外交史、経済、教育、平和構築)に関連付け、国連機関等の専門家との議論を通じて如何に研究
分野の理解を深化させるか、そして将来のキャリア形成と結びつけるか考えることを求めた。第二に、阪
大生の代表として国連機関でのインターンシップに関する聞き取り調査を行い、今後インターンを希望す
る阪大生にとって有益となる情報を提供することを課した。正味二日半という短い滞在であったが、
UNDP、米国国連協会、国連政務局、日本政府代表部、UNICEF、国連広報局の六機関で計七回の会合
を持っただけでなく、学生たちは昼食や夕食の時間も精力的に聞き取り調査及び意見交換を行った。帰国
後、参加学生たちが今回インターンシップに関し得た情報を「虎の巻」として編集し、将来インターンシ
ップを行う学生にとって大変貴重なリソースを提供してくれた。事前勉強会を二回行い、プログラム期間
中も毎晩遅くまで議事録のまとめに関し議論し、事後の報告書の作成も遅延なく進めてくれた学生たちは、
与えられた任務を立派に遂行してくれた。
2.国連に関する学習とキャリア形成との結びつけ
今回参加した学生たちは、外交史、経済、教育、平和構築という異なる分野で研究を行っている。そし
て彼らは必ずしも国連に関する知識を豊富に持ち合わせているわけではなかった。しかし、プログラム実
施に際し行った事前調査、質問事項の検討及び専門家との議論は、学生が各自の研究を今後いかに発展さ
せ、且つ将来のキャリア形成について考えるための一助となったと確信している。また、研究課題の異な
る学生間で各課題について議論を行う場の提供は、自らの研究に対して他の学生による新鮮な意見を得ら
れたという点で彼らにとっても有意義であったと思われる。
3.インターンシップに関する情報収集
学生たちに「阪大生の代表」として聞き取りを行い簡潔な資料の作成を課したのは、そのプロセス自体
が一種の「就業体験(インターンシップ)」となるからである。情報を収集し結果を簡潔な文書にまとめ
ることは実務能力の基本であり、自らのためだけでなく、他者のために有益な情報を取得するための過程
は、「プロ意識」向上に寄与するものであることから、この点についてはプログラム期間中幾度となく意
識づけを行った。彼らは最初どのように情報を収集し報告書を書けばよいのか戸惑っていた様子もあった
が、責任感を維持しながら情報収集及び報告書の改善に努めてくれた結果、報告書は当初の案と比較し質
が格段に向上した。
4.成功要因
今次プログラムの成功は、①学生の意識の高さ及び②少人数であったことが大きな要因であった。
今回参加した学生は、明確な問題意識を持ってプログラムに臨み、時差ぼけや英語でのコミュニケーシ
ョンに苦労しながらも最後まで集中力を途切らせることなく日程をこなした。また 4 名という少人数であ
ったことから、各自に責任を分担させ、会合時の議論の主導及び議事録の作成の任を与えることも可能で
あった。
5.リスク管理
正味二日半という強行軍であったことから、各日振り返りの時間が深夜近くになったことは反省点である。
今回は参加学生が体調も崩すことなく全日程を終えることができたが、充分な休息を与えることは事故回
避からも重要である。
また、滞在先ではトラブルに遭遇しなかったが、帰国日に飛行機の到着が東日本大震災の発生直後となり、
成田空港から中部空港へ緊急振替着陸したことにより、帰路の変更を余儀なくされた。幸いにも学生は同
日中に帰宅でき難を逃れることができたが、渡航中の連絡体制及び緊急時対応の重要性を改めて思い知ら
された。
国連インターンシップ・虎の巻
Does and Don’ts for an Internship in the U.N.
この「虎の巻」は、2011年3月にニューヨークにて、GLOCOL 試行プログラム(アメリ
カ)に参加した学生が国連本部及び関係機関について情報収集した内容をまとめたものです。下
記には個人的見解も含まれているため、インターンシップ公募、派遣用件については各受入期間
からの情報をご参照ください
1、履歴書について
1-1、形式

P11(Personal History Profile: PHP)という公式な履歴書があるので、それを使用すること。

字数制限があるため”I”や”my”などは省略すること。

動詞は動作動詞(action verbs)(lead, facilitate, organize 等)を使い、明確かつ正確に記述する
こと。(巻末の補足にて、動作動詞のリストがあるので確認のこと。)


時制の一致には気をつけること。
応募の際は、P11 とともに、自分をアピールした履歴書を用意すること。(具体的な数字を入れると
より効果的。例
1000人の学生からトップ1%に選ばれた
など。)

応募先の機関・職種用にそれぞれ履歴書を作成すること。
(使い回しは厳禁。)

専門が複数あるのであれば、それぞれに履歴書を作ってもよい。(例:数学と統計学で一つずつ。)

箇条書き、項目ごとに番号をつけるなど見やすさを重視する。

カバーレターは応募者のやる気と資質を測る上で重要であり、カバーレターをつけないと選考者の目
に留まる可能性が下がる。しかし不出来なもの(動機が漠然としている、スペルミスがあるなど)な
ら逆に悪い印象を与えかねないので、出すのであれば最高のものを提出すること。カバーレターの代
わりに、動機などを履歴書に含めてもよい。
1-2、内容

履歴書ではストーリーを重視し、自分が(私たちではなく)どういった強みを活かし、どういう成果
をあげたかを書く。またその強みがインターンシップでの仕事と関連している方がよい。

自分の人生と仕事を絡める。

スポットライトの当て方を考える。(例:こういった経験をしたからこそ、この仕事に向いてい
る。)

学生団体やアルバイトでの経験を書いてもよい。(学生の応募のみ)

成果に至る具体的なプロセスを書くこと。

他者との差別化を図り、自分を売り込む

応募先の機関や職種を研究することは非常に大事。
(何故その機関でその職種で働きたいのかを、
人生・経験・能力を絡めながら自分独自の言葉で伝えられると強い。
)

各ポストへの応募が多く、ふるいにかけるために先行者が各履歴書をキーワード検索にかけるケース
がある。働きたい部署の HP やインターンの Job Description を分析し、キーワードを見つけ、必ず
載っているままの単語で書く。

もし Job Description が前もって分からなければ、配属先の正規職員の Job Description を見てキ
ーワードを探し出す。

応募書類に載っていないものは存在しないものとされる。自分をアピールするに必要な情報はすべて
漏れなく載せること。

この仕事をするために生まれてきたくらいのことを書く。

スペルミス、グラマーミス(時制の不一致等)は厳禁。(最悪見てもらえないことがある。)

中国語は読み書きができると書いてもよい。(西欧系と比べて、日本人は中国語が読める・書けると
いう意味で。
)

できた履歴書は事前に複数の人に必ずチェックしてもらう。
(特にネイティブのチェックは必須。多
くの場合、自分の英語は不十分だと思って臨むこと。周りにネイティブがいなければ、オンライン添
削サービス(有料)を利用することもできる。
)
2、選考について

ルールはあるが、実態は非常にあいまいな選考プロセス。

自分ができること、知っていることを積極的にアピールする姿勢が重要。

CV を見てもらえたか毎日電話するなどの積極性も必要。

長期間(たとえば3ヶ月以上)インターンとして従事できる候補者が有利である。

応募が多数のため、できるだけ早く応募するべき。(締め切り前だと見てもらえない可能性あり。)

修士論文をサンプルエッセイとして提出を求められることがある。(分析力を判断するため。
)
3、職場では
3-1、職場環境

無給。

OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)である。

基本的にはよく組織されたプロジェクトに配属されるので学ぶことが多い。

インターンはプロジェクトの一員として仕事をさせてもらえる。

責任感、任務遂行力などが必要。
3-2、職場での姿勢

「何でも仕事します」の姿勢。(資料作りなど仕事を貪欲に自分で見つける。)

名前と顔を覚えてもらうためにネットワーキングはしっかりする。

エレベーターなどで上司に会ったときのために、常に1分用アピールを用意して顔を覚えてもら
う。(エレベータピッチという。

http://www.youtube.com/watch?v=y1Y02_oZP8U&feature=player_embedded)

ネットワーキングで大切なことは“自分が相手に何をしてあげられるか”、“相手にとって自分と繋
がるとどんないいことがあるか”を意識すること。

非常に高い文章作成能力が求められる。(スペルミス、グラマーミスをしない。)

論理的な文章を書くこと。(序文→分析→提言)

簡潔な文章を書くこと。
(できるだけ枚数を少なくして、要点がわかるように)
3-3、その他

NYの国連本部では一年のうち春、夏、秋、の三期に応募期間が設けられる。(随時、不定期に募集
している機関もあるので各機関からの情報をチェックすること。)

大学院に在籍している人が対象。(卒業してからは参加できない。)

フルタイムかパートタイムかは交渉次第。(例えば、インターンを週3回にし、他の時間は研究に活
用するなど)
4、その他
4-1、住居について

ニューヨークでのインターンの際、基本的には住居の面倒は見てもらえない。Craigslist(情報掲示
板)http://newyork.craigslist.org/でゲストハウス等の情報収集ができる。
(ただし、誰でも簡単に投
稿できるので、悪質な物件に当たることもあるので注意すること。)

ニューヨーク(http://www.ihouse-nyc.org)やワシントン DC(http://www.ishdc.org/)にある International
House は審査を通過した大学院生か社会人しか入居できないため、質は保証できるのでおすすめ。
4-2、国連について

あまり国連に理想を描かないように。実際は組織だった官僚的な側面(意思決定が遅いなど。)もあ
り、また個人が個人の能力・裁量で動く組織(例えば能力のある人は自分の仕事の領域を広げて、他
の職員の仕事にも干渉するなど。)でもある。
(職員談) 職場の人間関係が良好でないケースもあり、
日本と同じ現実に直面することもある。

アフリカで働くならば、フランス語が役に立つ。フランス語は国連でも需要がある。

女性が有利である。(たとえば補欠リストに載ったとしたら、女性は3年間載ることができるが、男
性は1年間である。)

情報システム、及び統計学の専門家の需要がある。

国連はビザ取得用にインターン証明書を発行してくれるわけではない。

オフサイトインターン(ESCAP バンコクなど本部以外でのインターン)や模擬国連に参加するのも
よい。
4-3、キャリアについて

自分を売り込むことに積極的にならないと海外にいる学生に負ける!海外の学生はインターンをす
るために非常に積極的で精力的に自分をアピールしている。(例:国連周辺のお店を回って希望機関
の職員に話しかける、インターン募集期間でなくても直接メールを送るまたは電話をかける。)

ニッチを見つける。(この分野では国連では自分が一番、例:議会運営、プロジェクトの管理)

実体験に基づいた自分のストーリーをたくさんもつ。

文章作成能力(論理、簡潔、わかりやすい)を磨く。

リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングのすべての分野において、業務に支障がな
いだけの高い英語の運用能力が求められる。

自己分析はしっかりする。(自分の強み、仕事へのモチベーション源などを理解する。)

チームワークが重要。
(異なる文化をもつ人々と共に働く為。限られた時間で信頼関係を築く必要
がある為。)

自分の専門分野にこだわりすぎない。

必ずしも専門家である必要はない。民間会社で働いていた経験がプラスに作用することもある。

一貫性のあるキャリアを築くことが重要であり、多様な経験はプラスに評価されない。行きたい機
関・部署を特定して、それに見合うキャリア選択を重ねていくこと。

日本は国連職員とのコネクションを得にくい状況にあるので、少しでも国連機関で働いたことのある
教授がいれば、その人に現職員を紹介してもらうなど最大限に教授との関係を活用すること。
参考資料
WikiHow
How
to
Get
a
Job
With
the
United
Nations
http://www.wikihow.com/Get-a-Job-With-the-United-Nations
国連機関への就職ガイダンス資料(2011年度版)
Facebook 等の SNS でも “UN Internship”のページが複数あり、有益な情報が取得できるケースもある。
国連フォーラム
http://www.unforum.org/internships/top.html
世銀プロ http://wbproblog.sblo.jp/article/43124752.html
補足1
動作動詞のリスト
accelerated
accompanied
accomplished
concluded
condensed
conducted
examined
exceeded
executed
launched
led [lead]
lobbied
quantified
raised
tabulated
tailored
targeted
achieved
acquired
adapted
added
adjusted
administered
adopted
advised
advocated
aired
affected
allocated
amended
analysed
answered
appraised
approved
arbitrated
arranged
articulated
assembled
assessed
assisted
audited
augmented
authorised
attended
balanced
bargained
broadened
budgeted
built
calculated
carried out
catalogued
centralised
challenged
changed
channeled
chose [choose]
circulated
clarified
classified
collaborated
collected
combined
commissioned
compared
compiled
completed
composed
conceived
consolidated
constructed
consulted
contrasted
contributed
controlled
convened
converted
conveyed
convinced
co-ordinated
corresponded
counselled
created
cultivated
cut
decided
decreased
defined
delegated
demonstrated
described
designated
designed
determined
developed
devised
devoted
diagnosed
directed
discounted
distributed
documented
doubled
drafted
earned
eased
edited
eliminated
employed
enabled
encouraged
endorsed
enforced
engineered
enhanced
enlarged
enriched
ensured
established
estimated
evaluated
expanded
expedited
explained
extended
faclitated
fashioned
financed
forecasted
formed
formulated
found
founded
framed
fulfilled
gained
gathered
gauged
gave
generated
governed
granted
guided
handled
headed
identified
implemented
improved
improvised
increased
influenced
informed
initiated
innovated
inspected
inspired
installed
instituted
instructed
interpreted
insured
interviewed
introduced
invented
invested
investigated
involved
issued
joined
judged
located
logged
maintained
managed
mapped
marketed
maximised
measured
moderated
modified
monitored
motivated
multiplied
rated
recommended
reconciled
recruited
revised
redesigned
reduced
reorganized
reported
researched
reviewed
scheduled
secured
selected
sent
narrated
served
negotiated
serviced
nurtured
set up
shaped
observed
shortened
obtained
showed
opened
simplified
operated
sold [sell]
orchestrated
solved
ordered
spearheaded
organized
stabilised
originated
staffed
overhauled
oversaw [oversee staged
standardised
participated
started
partnered
steered
(with)
stimlulated
performed
streamlined
persuaded
strengthened
pioneered
stressed
planned
stretched
polled
structured
prepared
studied
presented
submitted
printed
substantiated
probed
succeeded
processed
suggested
procured
summarised
produced
superceded
profiled
supervised
programmed
supplemented
projected
supplied
promoted
supported
proposed
surpassed
proved
surveyed
provided
synthesised
publicised
systematised
published
purchased
taught
tested
tightened
traced
tracked
traded
trained
transferred
transformed
translated
travelled
trimmed
tripled
utilised
updated
uncovered
undertook
unified
unravelled
used
vacated
validated
verified
weighted
widened
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