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自動車の基幹部品・部材技術の世界市場を調査

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自動車の基幹部品・部材技術の世界市場を調査
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富士経済 GROUP
第12107号
PRESS RELEASE
株式会社 富士経済
2012年11月20日
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町
12-5 小伝馬町YSビル
TEL.03-3664-5811 FAX.03-3661-0165
URL : http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
https://www.fuji-keizai.co.jp/
広報部 03-3664-5697
20年の「ユーロ6」環境規制をクリアする技術開発をめざす
自動車の基幹部品・部材技術の世界市場を調査
―2025年予測―
●ガソリン直噴エンジン:3,662万台(11年比6.2倍)過給機を加えダウンサイジング
●環境規制対応主要部品12品目:6兆4,727億円(11年比192.7%)高効率化を積上げて
●CVT:1兆2,500億円(11年比189.4%)HVに導入拡大も
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町
社長
阿部
界
03-3664-5811)は、2012年7月から9月にかけて、ガソリン車、ディーゼル車のさらなる技術開発で環境規制
に対応する自動車の基幹部品・部材関連の世界市場を調査した。
その結果を報告書「
“World-Wide”自動車環境技術関連市場実態総調査 2012」にまとめた。
この調査では、世界の各自動車メーカーおよび自動車部品メーカーの取り組み、関連部品及び材料市場について
まとめた。自動車環境技術関連のエンジン3品目と部品12品目および車体軽量化関連部材7品目を対象に、その
開発実態、関連各社の供給・連携状況を捉え、25年までの市場動向を予測した。
私たちはもはや「環境」を度外視して自動車の開発を進めることは出来ない。自動車の普及は、同時に「排ガス」
による環境汚染を引き起こして来た。
まだまだ世界的にはガソリンエンジンやディーゼルエンジン車が増加してお
り、全て電気自動車(EV)あるいは燃料電池車(FCV)になる「ゼロ・エミッション」世界の実現は困難であ
る。
「環境」を保障する排ガス処理技術の開発は自動車メーカーの至上命題となっている。環境規制は、年々強化す
る方針が打ち出されており、特に先進国を中心に20年に向けて、厳しいCO₂ 規制が課せられ、自動車メーカー
はエンジンの改良を初め、部品・部材技術の総合的な開発を進めている。15年から排ガス規制「Euro6」などで
一層強化された環境規制がスタートする欧州の自動車メーカーは、ガソリンエンジンを小排気量化して、ターボチ
ャージャー(過給機)を搭載する技術対応を行っている。
このような、低燃費で、しかもハイブリッド車やEV並みに環境に対応する第三のエコカーと呼ばれる自動車が
注目されている。
*第三のエコカーは、HVなどの新技術に依存せず、ハイブリッド車並みの低燃費を実現し、ガソリン・ディーゼルエンジンやアイドリング
ストップ、車体の軽量化や空気抵抗の削減など本来技術を極限まで改善して総合的に効率を高めた車。
<調査結果の概要>
環境規制対応部品
車体軽量化部材
エンジン
部
品
2011年
2025年予測
667万台
4,763万台
3兆3,586億円
6兆4,727億円
10兆 498億円 15兆7,518億円
11年比
7.1倍
192.7%
156.7%
第三のエコカーを開発するにあたっては、まずエンジンの燃費改善技術が重要視され、駆動系ではATの改善、
そして車体の軽量化技術さらに空力構造技術の4分野が総合的に追及される。
車体の軽量化も燃費改善対策に大きな役割を占める。構造変更、レーザー溶接など工法変更、そして材料置換、
コスト低減、重量軽減といったメリットが追及される。これまで鉄からアルミ、さらに樹脂という置換はよく行わ
れて来たが、今後は軽量化に加えてリサイクルの側面も考慮して、材料変更が行われる。
鉄系からこのような代替が確実に進んでいるが、原材料のコスト高もあり、大幅な代替は進まない。基本的には
スポット溶接による一体成形や、工法変更によるボディコストの低減、複数部材(金属プラス樹脂)の複合成形な
どの工法変更による軽量化と材料変更による軽量化と並行して進むと見られる。
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<注目環境規制対応部品>
1.ガソリン直噴エンジン
2011年
2025年予測
11年比
数
量
594万台
3,662万台
6.2倍
ガソリンをシリンダー内に、高圧で直接噴射するエンジンである。過給吸気を利用し、ダウンサイジングとの相
性が良い、高圧縮比が可能、耐ノック性の向上などの効果がある。今後は混合器圧縮エンジンに置き換わりこのエ
ンジンがシェアを伸ばす。欧州の環境規制の強化により、欧州の完成車メーカーを中心にこのガソリンエンジンで
ダウンサイジングが進められている。
2.アトキンソンサイクル/ミラーサイクルエンジン
2011年
2025年予測
11年比
数
量
73万台
601万台
8.2倍
アトキンソンサイクル/ミラーサイクルエンジンのメリットは、軽負荷運転時だけミラーサイクル化し、高負荷
時は高圧縮比で使い分けて、低燃費と高出力の双方を得ることが出来る点である。
ミラーサイクルエンジンは、見かけの排気量より実際圧縮する混合気量が少なく、排気量の割にはパワー不足に
なる。これを補完するモータアシスト(HV化)や過給機、CVT(Continuously Variable Transmission)の高
精度制御、高圧縮化による応答性を総合的に併用する。トヨタ自動車は、モータでパワー不足を補い、自然吸気エ
ンジンのマツダデミオは、バルブタイミングとCVTを電子制御して高い燃費性能を生み出している。ミラーサイ
クルエンジンは、HVに搭載することを考える完成車メーカーが多い。
3.インジェクタ
2011年
2025年予測
11年比
金
額
7,499億円
1兆2,288億円
163.9%
インジェクタはガソリンエンジンなどの予混合燃焼機関で、
圧縮された燃料を吸入空気に霧状に噴射する装置で
ある。12年現在、ほぼすべての燃料噴射装置が電子制御になった。ガソリン車用インジェクタは、現在マルチポ
イント方式が主流であり、新興国を中心に需要が拡大している。先進国では直噴方式のインジェクタの需要が拡大
して来ている。ディーゼルエンジン用は、近年、各国の排ガス規制対応のため、高度な燃料制御が必要となってお
り、電子制御式を主流に欧州を中心に順調に拡大していくと見られる。
インジェクタの開発は、特にディーゼルエンジンの排ガス規制強化に伴い、燃料室への高効率噴射によって燃費
を向上させる改良が進められている。しかし従来シスシステムに比べ低コスト化が今後の最大の課題である。
4.CVT
2011年
2025年予測
11年比
金
額
6,600億円
1兆2,500億円
189.4.%
CVTは、
「無段変速機」で、変速比を連続的に変化させる動力伝達機構(トランスミッション)である。変速シ
ョックなくスムーズに走行することが可能で、
常に最適な変速比を保つことで低燃費技術の一つとして大きく貢献
している。
日本国内では、ハイブリッド車の普及に伴い、燃費改善に効果的で、かつエコカー減税の対象となることからC
VT搭載車の販売台数は全体の3分の2である。
一方、
北米、
欧州市場においては、
依然としてMT車やDCT
(Dual
Clutch Transmission)を採用する。CVTは大排気量車には不向きで、日本の「ストップアンドゴー」の交通事
情にマッチしたもので、欧州や北米では普及が期待できない。CVT搭載の輸入車も、メルセデスベンツ「Aクラ
ス」と「Bクラス」
、アウディ「A4 1.8 TFSI」などに限定されている。
<注目車体軽量化部材>
1.アルミニウム合金
2011年
2025年予測
11年比
金
額
33億円
50億円
151.5%
アルミニウム合金は特にエンジンではシリンダヘッド、エンジンブロック、シリンダヘッドカバー、エンジン用
フードなどの軽量化に大きく貢献している。特に日本、欧州、北米で需要が高い。
一方、中国やその他の発展途上国では、アルミニウムより安価な鉄を使用する。今後は、先進国以外においても
アルミニウム合金部品の採用が加速すると見られる。
アルミニウム合金は強度もあり、
軽量化に最適な材料であり、
今後も採用部位、使用量ともに拡大していくと予測される。鉄に比べ、高価格で推移しているためリサイクル活用
本件に関するお問合せ:広報部
(Tel.03-3664-5697
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
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が進むと見られる。
2.エンジニアリング・プラスチック (Engineering plastic)
2011年
2025年予測
11年比
金
額
6,033億円
1兆 510億円
174.2%
強度に特に優れ、100℃以上の環境下でも、引っ張り強度と曲げ弾性率を保つプラスチックである。
「エンプ
ラ」と略称される。中国、インドなど新興国の自動車生産台数の増加や、車体軽量化が期待されることから、エン
プラの需要拡大が期待されている。しかし、原材料の高騰から、コスト面の課題がまだ解決されていない。特にH
VやEVなどの次世代自動車(環境対応車)の需要の高まりから、難燃性エンプラの使用が多くなると見られ、コ
ストを抑制した難燃性エンプラの開発が急がれる。
PC(ポリカーボネート)は自動車用窓ガラスに採用して大幅な軽量化が図れるため、今後も需要拡大が見込ま
れる。POM(ポリアセタール)は燃料系部品に使用されるケースが多く、主に燃料タンクに使用される。今後も
ガソリン車、ハイブリッド自動車を中心に必ず採用されることから、安定した需要が見込まれる。GF-PET(G
F強化ポリエチレンテレフタレート)は、欧州でサンルーフレールやドアミラーステイで採用されており、今後も
需要が拡大すると予測する。
<調査対象>
自動車メーカー
環境規制対応部品
車体軽量化部材
国内自動車メーカー11社、海外自動車メーカー5社
(1)ガソリン直噴エンジン (2)アトキンソンサイクル/ミラーサイクル (3)HCCI(予
混合圧縮着火)
(4)可変バルブタイミング/可変バルブリフトタイミング (5)インジェクタ (6)過給機
(7)アイドリングストップシステム (8)CVT (9)EGR(排気循環システム)(10)尿素
SCR(尿素選択還元システム)(11)排ガス処理用三元触媒 (12)DPF(ディーゼル微粒
子捕集フィルタ)(13)エアフロメータ (14)LAFセンサ(リニア空燃比センサ)(15)ノッ
クセンサ
(1)高張力鋼板 (2)アルミニウム合金 (3)汎用樹脂 (4)エンプラ (5)熱可塑性エラス
トマー(6)熱硬化性樹脂 (7)CFRP
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等へのヒアリング調査
<調査期間> 2012年7月~9月
以上
資料タイトル :
「
“World-Wide”自動車環境技術関連市場実態総調査 2012」
体
裁 :A4判 343頁
価
格 :書籍版
120,000円 (税込み126,000円)
PDF版 120,000円 (税込み126,000円)
書籍版・PDF版セット 140,000円 (税込み147,000円)
調査・編集 :富士経済 名古屋マーケティング本部
TEL:052-232-9200
FAX:052-232-9191
発 行 所 :株式会社 富士経済
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル
TEL:03-3664-5811(代) FAX:03-3661-0165 e-mail:[email protected]
この情報はホームページでもご覧いただけます。
URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/
本件に関するお問合せ:広報部
(Tel.03-3664-5697
Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected]
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