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日本農業のポテンシャルと国際展開の課題

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日本農業のポテンシャルと国際展開の課題
資料7-3
参考配布資料(案)
日本農業のポテンシャルと国際展開の課題
-復興農業、GLOBAL G.A.P.、農業情報の標準化-
東京農工大学大学院農学研究院
澁澤
栄
資料概要
1.
2.
3.
4.
5.
6.
生産性からみた日本農業の地位
農法の構成要素と技術標準の考え方
日本農業の影響力
復興農業
データ・情報の標準化について
農業の担い手について
1
一人あたり
収穫面積
生産量
期末在庫
単収
収穫面積
穀物単収 F A O S T AT 2 00 5
10
農業就業人口
65歳以上
単収 ( t/ha)
日本 6 t/ha (14位)
8
中国 5.2 t/ha (24位)
インド2.4 t/ha(99位)
ロシア1.8t/ha(124位)
6
4
世界平均3.3 t/ha 2
0
0
50
アフリカ
100
150
国別単収順位
200
2
農業生産の仕組み:農法の5大要素
農産物
生産者の資質
資格・組織
経験・知識
量・品質判定法
地域システム
作物
ほ場
品種(DNA)
発現形
環境応答
観測方法
診断・処方箋
土壌特性
形・運搬路
水利・施設
栽培歴
気候・気象
技術
集出荷
選果選別
貯蔵
輸送
法制約
作業判断(AI農業)
遵法作業
肥培管理
農業機械
環境制御
3
農産物の収量・品質の特性
ばらつき
時間・空間変動の評価と対策が農法の焦点
遺伝子
環境管理としての農法
環境応答
技術
ばらつき
作物
ばらつき
ばらつき
ほ場
農家の意志
地域の協力
4
包括的な技術標準化の多岐多様性・階層性
技術管理
安定した
農産物
○人力→機械化→自動化
○推奨→マニュアル→規則
作業連鎖 ほ場準備→播種(移植)→生育管理→収穫→出荷
農法要素
品種
品種(DNA)
発現形
環境応答
観測方法
診断・処方箋
ほ場
土壌特性
形・運搬路
水利・施設
栽培歴
気候・気象
地域システム
集出荷
選果選別
貯蔵
輸送
法制約
技術
生産者
の資質
作業判断
遵法作業
肥培管理
農業機械
環境制御
資格
組織
経験
知識
AI農業
5
(2013.6.28)
農場リスク管理標準:GLOBAL G.A.P.
韓国済州島 西帰浦ミカン輸出組合(聞き取り)
GLOAL G.A.P. 認証申請中
選果選別 8ライン、2万トン/ライン
戸
数 150戸のミカン農家
品
種 温州ミカン、デコポン、びわなど
施
設 建物5.3千m2、8億3千万円
(国27%、地方46%、自己27%)
輸 出 先 日本ほか、(第2施設の建築中)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%8
3%AB:%E6%B8%88%E5%B7%9E%E5%B3%B6.png
6
日本農業の影響力の評価軸(仮)
 人材・教育研究の影響力
例:農業研修制度、学位取得種数、指導的人材養成数・幹部用プログラム
農業技術指導、ノウハウの継承(AI農業)、共同研究(SATREPS, CREST)、など
 知財・規格・サービスの影響力
例:共通規格(農業機械・通信プロトコル ISO標準)、農産物の品質規格、
ノウハウの解析(AI農業)、知財保護、農業サービス(公的・民間)、など
 農業技術産業の影響力
例:H24農機出荷額 4454億円(日農工)
国内2930億円、輸出1524億円
種苗・肥料・施設・IT産業の影響力
※現地生産額 ?
 農産物輸出入の影響力
例:GLOBAL G.A.P.、HACCP等の国際標準、農産物流通ルール
7
研究影響力の例:日本発の精密農業モデル連携地域(澁澤研究室)
ロシア・アムール州:起業省・極東農業大学
精密復興農業・GLOBAL G.A.P.・標準化
中国農業大学:精密農業研究センター
アブダビ:提案中
アグロメディカルフーズ開発センター構想
韓国:精密農業学会
SATREPS:遺伝的改良と
先端フィールド管理技術
の活用によるラテンアメリ
カ型省資源稲作の開発と
定着(コロンビア CIAT・水
田・精密農業)
マレーシア:UTM
精密水田農業
パンジャブ農業大学
精密水田農業
アジア開発銀行
タイ:1000haみかん園
NEDO: Smart Lean農業
インドネシア・ジャワ島
UPNベテラン・ジョグジャカルタ
精密復興農業
ブラジル・サンパウロ州
ポンペイア,ジャクト社
土壌センサー・精密農業
8
Precision Restoring Agriculture(精密復興農業)
2011.9.18 Shibusawa
実行と作業記録
時間+位置+動作
結果の評価
時間+位置+証拠
目標
地域産業
雇用確保
持続性
データ・情報
の共通化
判断の文脈構成(AI農業)
時間+位置+行動
事実の記録
時間+位置+証拠
9
JST復興促進プログラム「土壌・栽培情報価値の可視化による精密復興農業モデルの構築」
株式会社エーディエス、東京農工大学、株式会社神田製作所、農業法人でんぱた、産業技術総合研究所
【共通化の必要性】
データ収集・保存・処理・流通
10
農産物の生産・流通の複雑化⇒共通化・標準化⇒ 信頼性向上
安全性向上
生産の場の階層構造
ほ場作業情報
生産効率
低コスト化
産地・地域
の標準化
地力維持
農協・生産組合
流通の場の階層構造
営農集団
個々の農家
物流経路
ほ場(畑地・果樹園等)
(首都圏,地産地消など)
消費の場の階層構造
卸市場など
農産物
流通の
複雑化
団地・地域など
出荷情報
の標準化
量販・輸送業者(農協など)
トラック・航空機など
コンテナ・包装容器・農産物
流通マージン
在庫効率
生協・大型小売り
小売り店・コンビニ
家庭・個人消費者
実需・店頭情報
の標準化
定価格
良質・信頼
課題:標準化の階層
個別化
匠の技能(AI農業・ブランド)
法令遵守(GAP)
生活・産業一般(データ属性)
情報通信(データ形式)
計測方法(デジタル・アナログ)
ISO準拠
11
例:加工業務野菜流通のモータルシフトにおける情報共有化の課題
GGAP
農家
農地
HACCP
JR貨物,トラック,フェリーの組合せ
実需者
産地拠点
最終消費者
集配拠点
集配拠点
空調なし,保冷,クールの組合せ
産地拠点の役割
○実需に見合った出荷体制
○経営革新による収益性向
上と出荷価格の大幅低減
○農家・農地の生産計画の
管理・安定生産・産地連携
○川上シーズの反映
○低炭素産業化
サプライチェイン
管理ユニット
管理ユニットの役割
○産地拠点の出荷価格・出荷量情報
○実需者の仕入れ価格・入荷量情報
○低炭素・最適輸送組合せの提案
○輸送単位・情報の標準化
実需者の役割
○国産食材の安定需要創出
○仕入れ価格と販売価格の
適正バランス維持
○川下ニーズの反映
○低炭素産業化
実証課題:管理ユニットの所属はいずれが望ましいのか
○産地拠点が管理ユニットをもって流通管理する
○実需者が管理ユニットをもって流通管理する
○管理ユニットが独立して流通管理する
12
地域資源(農業知財)を活用する日本農業の主な担い手
「耕す市民」農業
「地産知商」農業
◎
「企業」農業
製品:自然と調和
し対話する暮らし
製品:生産と販売
(直売)のしくみ
製品:農産物
の品質と価格
・健康寿命の重視
・作業対価を払う
・数百万の市民農園
・文化と人格涵養
・生活の質を販売
・マーケットイン
・多角経営事業体
・数百万の都市農業
・社会責任の自覚
・資金流動の管理
・数万の生産法人
・低コスト高効率化
課題
・リテラシィ教育
・農園管理標準
・危害管理標準
課題
・危害管理標準
・地域市場の再生
・次世代継承
課題
・国際競争力
・雇用管理
・資本蓄積
法令遵守・衛生管理(安全)と信頼・満足度(安心)の重視
地域コミュニティ維持・環境保全・生物多様性の重視
13
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