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Sim。n stevin と Richard Daff。rne

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Sim。n stevin と Richard Daff。rne
第19巻第2号(19831)
Simon StevinとRichard Dafforne
久 野 秀 男
目
次
niere D’ltalie., Schvltbovck in
Bovckhovding van Coomschap op
まえがき
de Italiaensche wyse.
(4)「私D.R.の状態(資本)」・「状態(資本)
の証明」
Simon Stevin
(1548.Bruges−1620. Hague)
Richard Dafforne
(1)彼の簿記書
(2)仕訳帳:Iovrnal en Livre de Compte
(1)彼の簿記書
de Marchandise selon Ia Maniere
(2)仕訳帳:Joumallと元帳:Leager
D,ltahe., Iomael in Bovckhovding
(3)‘‘Survey of the Generall Ballance,
van Coomschap op de Italiaensche
or Estate−reckoning,,
wyse・
(4)「仕訳」(journalizing)のRules
(3)元帳:Grand Livre en Livre de Co・
(5) Ballance Booke
mpte de Marchandlse selon la Ma・
記書」等の項目で,小島男佐夫・岸悦三両教
まえがき
授等による明確な解説がみられる。
N
Slmon Stevinの名をきくことすでに久し
簿記という「記帳の技法」は,すくなくと
い。人名(西洋人名)辞典の類ではおなじみ
も書物の上でみる限りでは,最初から(周知
の人物であるが,この場合,簿記・会計にか
のように,1494年刊・パチオリ『ズムマ』),骨組
かわる記述はまつない。ここでは,r岩波西
としては完成された形で登場する。十五世紀
洋人名辞典』(p736), r平凡社・大人名事典』
末のパチオリの数学書は,「活字を用いて印
(外国篇,P405), r平凡社・新撰大人名辞典』
刷された」という但し書きのつく最初の簿記
(外国人名,P292)をあげておく。他方,内外
書という事になっているが,それ以前の事に
の簿記・会計の文献には,とくに会計史関係
ついては,筆者(久野)には,皆目見当がつ
の文献にはまちがいなく顔を出す人物であり,
かない。従って,いささか独断ではあるが,
わが国の会計学辞典類でも,独立した項目お
あえていえば,すくなくとも印刷された簿記
よひ関連諸項目で解説が加えられている。辞
書を通じての印象としては,「簿記」は,十
典であることから紙幅の制約があるので,詳
五世紀にとり立てていえるほどのまえぶれも
細な内容をのぞむのは無理であるが,「シモ
なくポッと姿をあらわしたように思えてなら
ン。ステフィソ」・「シモン・ステフaンの簿
ない。「記帳の技法が,複式簿記へと次第に
1
進化・発展していった」なぞとは,すくなく
収録されている。この論文の前文は,いわば
とも現象面からは,到底考えられない。どう
伝記風の記述であり,後半になって,オラン
にも不思議でならないが,この種の技法の出
ダの著名な会計史家Dr, de Waalの名前と
現は,本来,こうしたものかも知れない。
ともに若干の重要な記述がみられる。Slmon
十六世紀は,この「簿記」の,世にいう
Stevinの複式簿記の基本的(一般的)原理の
「ベニス式薄記」の,忠実な継承・伝播の時
解明,事業の資本と所有の分離に関する認
代であるとみてよかろう。パチオリの時代の
識,あるいは,“Compound”entry(例%}t’,
イタリアは,周知のように,政治的にも経済
現金出納帳や営業費明細帳を店用した日次・月次
的にもすでに衰退期に入っており,商業の中
の一括仕訳),諸勘定の総括(closmg the acc−
心は,ハンザ同盟諸都市へ,やがてオランダ
ounts), StaetとStaet Proef.および損益
へと移行しっつあったのである。
計算への指向等である。しかし,いずれも,
十七世紀は,明らかに,一つの過渡期,あ
比較的に簡単で抽象的な記述に止まっており,
るいは新しい段階への胎動期とみてよかろ
率直にいって会計学者ないし会計史家の論文
う。この世紀の幕開きとほぼ同時にSimon
としては論証が充分であるとはいえない点が
Stevinの簿記書が登場する。また,彼の強
あり,内容がやや乏しい。もっとも同氏はオ
V・影響下にあるといわれているRichard
Dafforneの第一の簿記書の刊行は,この世
ラソダ中央統計局・社会経済部長として紹介
紀の36年てあった。
されているところから無理はないとも思う
が。その外この論文では,Simon Stevinの
会計史に関連の内外の著書・論文等を通じ
例の「君主の簿記」(官庁簿記)およびオラン
て,この二人の業績を知る機会も多かったけ
ダ商人Abraham Cabelijauとスウェーデソ
れども,何分にもやむを得ぬことてはあるが,
の官庁簿記の事情が紹介されている。これは
隔靴掻痒の感をまぬがれなかった。ただし,
貴重な研究であった。
John B. Ge1Jsbeek, Ancient Double ・=
邦文の文献ては,「期間損益計算の成立(生
Entry Bookkeeping,1914.,これは注目す
成)」の命題で,岸悦三r会計生成史』(昭和
べき文献で,この「論考」の場合でも教えら
55年2月,同文舘)・.第7章(副題:ステヒン簿
れるころが多かった。しかしGeijsbeekの
記論の研究)およひ渡辺泉r損益計算の展開
場合でも,大型本であるとはいえ,“Stevin’s
と複式簿記』(昭和55年6月,大阪経済大学経営
Joumal and Ledger Reproduced”の項で,
研究所)・第3章に精緻な研究成果が発表さ
本文が5頁と,タイトル・べ一ジをふくめ
れている。また,岸教授r前掲書』(123∼148
帳簿雛形からの引用が18頁にすぎないし,
頁)には,「資料」として仏語版からの第3・
“Richard Dafforne Partly Reproduced”の
5・9・10章の全訳がある。貴重な文献であ
項で,本文が2頁と3分の1と,タイトル・
る。
ペーシをふくめ,The Merchant8 Mirrour:
etc.の原典のうちの43頁が紹介されている
誠に幸なことに,近年の複写技術の進歩に
にとどまっている。肝心なところで,今一歩
より,原典のマイクロ・フィルム版やゼロッ
といった感じをまぬがれなかった。このほか
ク版であれば,いとも簡単に入手できる。研
にも,地元のオラソダ人の論文に,0.ten
究上の大きな利点である。
Have, Slmon Stevm of Brugesがあり,
ただ,Richard Dafforneの場合はともか
A.C. Littleton&B. S. Yamey ed., Studies
くも,Simon Stevinの場合は,蘭語,仏語
in the History of Accounting, 1956. 存こ
およびラテン語て書かれているという筆者
2
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
〈久野)にとって甚だやっかいな問題がある。
(1608年)
ただ,簿記(書)の性質上,とくに帳表の
Hypomnemata Mathematica,(第1部),
類を通して見当をつける場合では,勿論,辞
『数学編』,−Leyden.(これは簿記書ではな
書と首っ引きてはあるが,相当程度に原著者
い。蘭語よりのラテン語訳。手許にない)
の意向を確認し理解できるように思えた。ま
(1650年,Slm◎nの息子のHendrick Ste・
た,種々な言語て同一の内容が書かれている
vmの再版)
ということは,比較・類推して見当をつける
Verrechting van Domeine Mette Cont・
のには甚だ便利てある。
rerolle en ander behousten vandien.
−Leyden.(J. B. GeiJsbeek, Ancient Double
Simon Stevin
=Entry Bookkeeping,1914.にTitle Page,
Staet of capitae1とStaet Proefおよび仕
(1548.Bruges−1620.]日〔ague)
訳帳Iornaelと元帳Schvltbovckの雛形の
(1》彼の簿記書
一部が収録されている)
パチオリの『ズムマ』(1494.Venetla)以
来といわれたSlmon Stevlnの簿記書は,
彼の簿記書は,前半がApologistica mer
1602年から1608年までに,仏語,蘭語および
catorum「イタリア式商業の簿記」てあり,
ラテン語て出版されているが,とくに内容に
後半がPrincipis Apologistica ad Italorum
バライヤティーがあるというわけではない。
ratiocinium informata「イタリア式君主の
まつ,年次に一覧して示そう。
簿記」である。
(1602年と1608年)
GeiJsbeekも指摘しているように(r前掲書』
Llvre de Compte de Prince a la Maniere
139頁),「イタリア式君主の簿記」の説明ては,
D’Italle, en Doraaine et Finance extraor−
「イタリア式商業の簿記」の場合のような仕
dinaire, etc , Descrit par Simon Stevin
訳帳や元帳等の雛形を用いた説明ははいっさ
漉Bruges.−Leyden.(1608年のゼロック
いないので,具体的なその仕組は今ひとつ判
ス版が手許にある)
然としない。本稿ては,専ら「イタリア式商
(1604年)
業の簿記」Apologistlca mercatorum, Livre
Verrechnung van Domeinen, ende vo・
de Compte de Marchand selon la Maniere
rstelyke Boekhouden. −Amsterdam.
D’ltalie, Coopmans Bovckhovding op de
(手許にない)
ltaliaensche wyse.の仕訳帳,元帳および
(1605年)
「私D.R.の状態(資本)」と「状態(資本)の
Hyp◎mnemata Mathematica,(第2部),
証明」を対象として調査・検討したい。
De Apologistica Principum Ratocinio Ita・
lico(イタリア式君主の簿記),−Leyden.
なお,Simon Stevinの研究業績について
〈手許にない)
付言する。彼の書物としては,1605年から
(1607年)
1608年の間に,Wisconstighe Ghedachten−
Vorstelicke Bovckhovdmg op de Italia・
issenとして集大成した形でも出版されてい
ensche wyse m Domeine en Fmance ext・
る。この書物のラテン語訳が,有名なHyp・
faordmaire, etc., Beschreven denr Simon
omnemata Mathematica(前掲)であり,仏
Stevm van Brugghe.−Leyden.(ゼロック
語(抄)訳がMemoires Mathematlquesで
ある。Hypomnemata Mathematicaの第1
ス版が手許にある)
3
部が数学書であり,第2部が簿記書のDe
する質疑応答》,第6章《交易所の勘定》,
Apologistica Principum Ratocinio Itahco
第7章《社中の勘定》,第8章《社中の閉
(前掲)である。この部分の前半がApologis・
鎖》,第9章《状態(資本)の組立あるいは貸
tica mercatorum(前掲)であり,後半が
借の均衡:私D.R.の状態(資本)および状
Principis Apologistica ad Italorum ratloc。
態(資本)の証明》,第10章《帳簿の締切お
inium informata(前掲)てある。この簿記
よひ新帳簿の開始》となっている。原典(仏
書に,前掲の仏語版やオリジナルとなった蘭
語版と蘭語版)の「要旨」に示された目次は,
語版がある。
次のとおりてある(両版ともにp14の「要旨」
当時の学術用語は,いうまてもなくラテン
の中に示されている)。
語である。この場合,蘭語版が先に出来て,
吻㎜凶一de醐第伽紳醐3鳳
ついでそのラテン語訳がなされているところ
“・亜・。幽翻傭融㈱卿‘P勧ゐ3』㈱d鵡砺磁鵬
なぞは,いかにもSimon Stevmの面目躍
認・‘・卵儒ψ幽獅認@α網fムWtenfonre‘鯉・8蝋
如たるところがある。彼は熱心な蘭語の支持
甥臨畿欄茄剛鰯編㎞噸
者であり,ライデン大学で蘭語で講義をした
’磁紹¢SUf,・t9伽棚岬醐㈱曜岬㎞踊P”4備tete・
最初の人物といわれている。詳細は,先掲の
凶陣踊”必岬嘩儒F4伽・
0.ten Haveの論文を参照されたい。
・d”rPt・llsa・ede l励幽㎝璽8岬‘岬望燃
また,先掲のO.ten Haveの論文による
顔鳳壷8必μκ叩轡脇
凶脚齢如噸舜櫛♂ε甑
凶伽脚紬諏脚必ゐ職げ一循剛必勧℃3肺
と,Simon Stevmの取扱った研究テーマは,
数学,物理学,流体静力学,天文学,自然地
理学,航海術,工学,工業技術,軍事科学,
簿記,建築術,音楽理論,政治学およひ論理
7切噸8”伽4w朋鍵ψ伽爵P47鋤mt .1・r加8’
学の多岐にわたっているという。
τ儒帥ceden demanttt・vrt”帥‘rfdenり伽10傭’3寵5‘励伽‘k
肋噺緬彌88血㈱3ら襯∼儒5‘ゐ凶ゐ蝋緬68伽喚ρπ鼻
μ棚謬
滋8据聯伽尾耀蝕㎎脅%婦嫌”des Mem伽商呼伽‘E
彼の簿記書の前半の「イタリア式商業の簿
働0鷹oξヨゐ傭儒。
記」(Apologistlca mercatorum, Coopmans
r‘n・Vttfden ee加P8吻・㏄麺伽伽凌鰍趣師恥鮮励臥
勘]解帆劔5鷹脳鯉旗纏朗r伽縁即』鵬
Bovckhovdmg op de Itahaensche wyse,
Ten1禰伽職B5催仙μ動げ惚麺響αr伽躍‘吻囎凧
Tenncゐψ傭㎝‘囎囎”ψ’・
Llvre de Compte de Marchand selon Ia
丁伽卿滅岡磁滋・・eefs襯凶望
Maniere D’ltahe)は全10章から構成されて
T観幡伽囎・・紬躰胸彦囎e吻・nm・g d・r mc紹”・轍栖
おり,財産目録から出発して,仕訳帳,元帳
(補注)第9項のタイトルは,仏語版では,la comp◎・
へと説明をつづけるベニス式簿記書の伝統に
Sltlon d’Estatとあるが,その本文ではこれにつづけ
忠実である。元帳には,資本勘定をはじめと
て,ov Balance(あるいは貸借の均衡)とある。蘭語
して現金勘定,実名商品勘定,人名勘定を開
版では,「貸借の均衡あるいは状態の確定」とある。
設してある。また,現金出納帳や営業費(小
口経費)明細帳の両補助簿もみえている。こ
れにつき,日次・月次の一括仕訳を行なう仕
Simon Stevinの片仮名の表記について付
記する。Stevmについては, r岩波西洋人名
組になっている。第1章《仕訳帳への記入方
辞典』(p736), r平凡社・大人名事典』(外国
法》,第2章《仕訳帳から元帳への転記》,
人篇,P405), r平凡社・新撰大人名辞典』(外
第3章《仕訳帳と元帳の雛形と記帳事例》,
国人名,p292)は,いずれも,ステヴィンで
第4章《当座帳,現金出納帳および営業費
ある。これらの辞典では,Simonについて
(小ロ経費)明細帳》,第5章《勘定帳簿に関
の片仮名による表記はない。会計学辞典類で
4
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
4
3
レー
、.』
は
L’Aロ1600、
βe
●
ザll駕落}二::}酌・η6甑。鈎鳩僻・
83
o
178’〃陰2・o・
6
Noix 2 balts・1吻8
哩:鵜麗:}NCt・・7・留≧・脚騨岬一・
一13
174tηr 3●o・ Sの物獄鯵
目三
i5工
3弓
一一
β
1
3α吻8・
6s 810
Tコaer I600・
ltrfchウ漉η〃’勧踊8’2〃濯〃加雛漁‘ess,van乃emge‘o‘乃’
de脚σ忽”de?4rt勧’‘6‘’4々”bm”e”卿〃4‘”∫μ‘‘承
丁(4gheltn 2Tbalei wegbe”de
嘔:畿;捻}瑠η6劒・。助・〃
o
83
r78 t4r 1・q
㌣濡1:こ}s〈;e’・7・鋤’・助酬
ユ74’〃3・O・ SenVV
一■噛一晒一隣1
2
80
8
zs(koten a bAkn Weghe〃dcノ
68 堰│
−・
151
一 Ml一
は,最新のr会計学辞典』(昭和57年10月刊,
に補注てのべる)の開始仕訳については,次項
東洋経済新報社)をはじめとし,『会計学大辞
で説明する資本勘定との関連で,その実況を
典』(中央経済社),『新会計学辞典』(同文舘)
20・21頁に紹介してある。ここてはまつ,
ともに,ステフィンあるいはシモソ・ステフ
Clous debt.(元帳4丁の丁字勘定ロ座の借方記
ィソとなっている。前掲の岸教授はシモソ・
入,1600年5月30日,仕訳帳3頁),Noix debt.
ステヒンであり,渡辺教授はシモン・ステヴ
(元帳6丁の胡桃勘定ロ座の借方記入,1600年5月
ィーンてある。
30日,仕訳帳3頁)の仕訳帳面での記帳を例示
筆者(久野)自身は,今日までシモン・ス
して,私見をのべる。この丁字勘定と胡桃勘
テヴィンと表記してきたが,自信はない。従
定の元帳面の実況は,いずれも,次項て紹介
って,本稿ては,Slmon Stevmと書くこと
して,私見をのべる。
にした。また,本稿ては,重量と貨幣の単位
この取引は,アルノルト・シャック(Arn・
名称は,日本人になじんだものに便宜上書き
ault Iacques, Aemout Iacobs)から,掛で
替えてあることをとくに付記する。
丁字(Clous, Naghelen)と胡桃(Nolx,
(2)仕訳帳:Iovrnal en Livre de Compte
Noten)を仕入れたものである。
de Marchandise selon la Maniere D’ltalie,
Iomael in Bovckhovdmg van Coomschap
仕訳帳面の実況は,上掲のとおりである。
op de Italiaensche wyse.
なお,写真版の資料として,仏訳版・蘭語版
1600年1月0日(この妙な日付については後
を併記するが,邦訳は原則として仏語版によ
5
元丁旧1月 1600年.
30
4 一
d.
£ S
51諸゜借方・ルノル5’ジヤ・クにより・・ケ月内支払・
丁字 2梱重量
ql:駕麟鵬麟虜鐸ン備1°
83
178ポント 風袋2ポンド
6 一
胡桃 2梱重量
警撒麟譲}麟1穿顕}臨17}診
68
8
174ポント 風袋3ポント
ヨi「
計i・5・1・
り,蘭語版を参考にする。以下の場合もすべ
い。パチオリの場合てあると(rスムマ』・《計
て同しである。
算記録詳論》第12章),資産諸勘定を借方に記
仕訳帳面の開始仕訳の個所で,邦訳をして
帳するような場合で,次のようになってい
いて気がついた原典の2重の誤りについては,
る。参考のために,英(抄)訳も示す。
次項て指摘しておいたが,ここても同様に細
Per cassa de c6tant1. A cauedal・
かいことだが,この仕訳の場合に,同じよう
Per gioie・ … :Acauedal ditto・・
なケースて気がついたことがあるのて付記す
Per argentl ・:Aditto・・
る。5月30日のこの取引の胡桃の重量と金額
・ ● ●
は,原典のままて辻褄が合う。8シリング×
By ready money . To capital
171重量ポンド=68金額ポンド8シリングで
By Jewels・ .To capital ditto
ある。丁字の場合ては,原典のような83金額
By sllver・ :To ditto・・
ポンドとはならぬ。総量が178重量ポンドで
このようにdltto(同上)がやたらに多く
風袋が2重量ポンドであり,正味176重量ポ
つづく。これが,Slmon Stevinの場合てあ
ソドとなる。これはこれでよい。しかし,単
ると,こうなる。
価10シリソグなのだから,丁字の金額は,10
Diverses parties debet par capltal・
シリング×176重量ポンド=88金額ポンドの
筈てある。ところが原典ては83金額ポンドと
(Verscheyden partlen debet per Cap−
ある。8を3とミスプリントしたのかとも思
ったが,胡桃との合計額が151金額ポンド8
Dominico Manzom(Quaderno doppio
itael)
etc.,1540)のGiornale DopPio(仕訳帳)の
シリングとあるのて,必ずしもそうでもない
場合ても,パチオリと同じて,やたらに
らしい。おそらく,原稿て間違えて,結果的
dltto ヵミっつくo
にはそのままで押し通したことになったので
Per Cassa・・〃ACauedal−−
あろう。
Per・・ ・・〃ACauedal ditto,
Per…・〃ACauedal ditto,
この記帳で,とくに注目すべき点がある。
となっており,「諸口」の表記はない。
その1は,Slmon Stevmの場合,勘定科
Passchier Goessens, Buchhalten fein
目が複数のときに諸口(Diverses partles,
kurtz zusafhen gefasst und begriffen, etc.,
Verscheyden partlen)と表記する点てある。
1594.などは,刊行の時期としてはSlmon
次項の仕訳帳の冒頭の開始仕訳も参照された
Stevinに近いが,パチオリやマンゾー二と同
6
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
じて,諸ロの表記はない。ただし,Passchier
Fur Cassa ll An Cauedal・・…
Goessensの場合は,仕訳帳面での貸借仕訳
とあり,FurとAnの前置詞を用いている
の表記法に関しては,Slmon Stevinとほと
のみならず,Cassa(金箱)というイタリア
んど同じ方式を採用した。次にのべる。
語,あるいは,Caueda1というベニス地域語
前出のJ.B. GeiJsbeekも, r前掲書』(P.
まて踏襲している。この場合,普通のイタリ
115)て,次のようにいう。
ア語でなら,CaPital(e)であろう。また〃
Stevin ls the first of the wrlters ment。
てはなく,llとなっている。
10ned m this book to use combmation
前出のPasschier GoessensのIomal(仕訳
Journal entrles with the word “sundries”.
帳)の第1頁は,次々頁のようになっている。
この点は,今後もう少し検べてみたいと思
No.1Casse So1・−per Capital.__
っている。
とある。cauedalてなくcapitalであり,
その2は,仕訳帳面での貸借仕訳の表記法
〃等の符(記)号もない。前置詞はperだけ
に関してである。
てあるが,ここでSolという符(記)号化し
周知のように,この点に関する限り,ベニス
た助動詞がみえている。
式簿記は,当初から,極めて高度にテクニカル
このSol(Sol!)が,パチオリの場合の元
てあった。すなわち,例の前置詞と〃を使う
帳面の転記様式(《計算記録詳論》第15章「元帳
の方式である。例を示して解析してみよう。
転記」)からきていることは,明らかである。
(取引例)現金500をもって禰業。
その現金勘定と資本勘定の冒頭の記帳手続は,
Per cassa de c6tanti〃Acauedal
こう説明されている。英訳を併記する。
・500
Cassa de cδtantl die dare a dl.8. nov・
§bre. per cauedal.
擬人的な完全叙述体の表記であれば,こう
Cash (ready mQney)should glve on
なる。便宜上,英文て表記する。
November 8,“per”(by)capital.
Cash(ready money)圭s debtor to
caPlta1.・…500
Cauedal de mi tale &c. die havere a
Capltal ls creditor by cash、・…500
dl.8. novembre per cassa.
このような仕訳の表記を,“atwofold
Capitad of myself etc. should have on
double entry”という。要するに重複してお
November 8,“per”(by)cash.
り無駄であるから,一方を省略して,
die(dee)dareとdie(dee)havere,「与
Cash ls debtor to capital.… 500
ウペシ」と「得ベシ」の表記であり,また,
となる。これで充分である。
仕訳帳面でのPer〃Aの定型ではなく,と
ベニス式簿記では,この場合の前置詞の
もにdle dare perとdle havere perなの
by(Per), to(A)をもって貸借を区別し,
である。
かつ,〃ll=.:のような符(記)号を間に
〔英〕should give;should have
さしはさんだ。
〔仏〕doit donner;doit avolr
ベニス式簿記書(マンゾー昌の簿記書)の独
〔独〕soll geben;soll haben
訳本といわれる Wolffgang Schweicker,
〔伊〕dee dare;dee havere
Zwlfach Buchhalten, etc.,1549.では,
(dare) (avere)
Giomal(仕訳帳)の第1頁は,次頁のように
周知のように,貸借を表示する符(記)号
なっている。
として,助動詞,動詞の一方を省略するとな
7
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れば,Soll・Haben;Doit・Avoirとなる。
てはなく,むしろ逆に,
かくて,独語では,das Soll u. das Haben=
Cassa(Cash)debet a(to)capl taL
借方ト貸方〔商〕である。仏語では,dOit et
となる筈てある。“is debtor to”,“1s cred−
avoir ==借方ト貸方〔商〕である。イタリア語
1tor by”,という発想をとる限りではまさに
ては,dare(deblt,借方), avere(credlt,貸
そうである。さらに,次項でいくつかの事例
方)てある。こちらは,動詞の方を用いている。
が紹介してあるが,Slmon Stevmの元帳面
の各勘定口座では,貸借両側ともにPar
(Per)・・……となっており,“1s debtor to”,
Slmon Stevinの仕訳帳面における,
Diverses partles debet par Arnault
“1s creditor by”という発想を土台とする英
Jacques,
語の場合の勘定口座の記帳とは異なる。両者
(Verscheyden partien debet per Aernout
を比較してみる。
Iacobs,)
現金
(借方)
といった表記は,先掲のパチオリの「元帳
転記」の様式を,仕訳帳面にとり入れた
To △△ ×××
Passchier GoessensのIornal(仕訳帳)の
To △△ ×××
(貸方)
By △△ ×××
様式と,まったく軌を一にするものである。
前出のSchweickerとGoessensとを比較
現金
(借方)
されたい。ベニス式簿記との比較ては,明ら
かに異なるとともに,まあ一長一短というと
Par(By)△△ ×××
ころであろう。
(貸方)
Par(By)△△ ×××
Par(By)△△ ×××
周知のように,英国は,この方式を踏襲し
た。現存する最古の英文簿記書James Peele,
The maner and fourme how to kepe a
元帳面の勘定ロ座にみられる前置詞のPar.
perfecte reconyng, etc,1553.のThe
Per(By), A, An(To)の符(記)号化に関
Journal or Dayly boke第1頁は,次頁の
して,ベニス式簿記における仕訳帳の定型て
とおりてある。
あるPer cassa〃Acaueda1(借方現金1!
貸方資本金)の線にそうとならば,次のよ
冒頭の箇所は,次のとおりである。
うになる。
Mony ls Debltor to Stock belonging to
Cash is debtor to(A)cap三ta1.
me F. B.(久野注, Fraunces Bonde, grocer of
Capltal is creditor by(Per)cash。
London) and is for 270 angels, therein
valued after x s. the Angel, amounteth
Dr
to one hundred thirty and v pounds. I
saye.−1351. 00 s. 00 d.
Cash(Cassa)
Cr
To(A)CaPital
先掲の“atwofold double entry”ては,
Cash (ready money)is debtor to
Dr
Capital.
Capital ls¢reditor by cash.
Capital(Cauedal)
By(Per)Cash
となるから,Slmon Stevinのような定型,
Cassa(Cash)debet par(by)capital.
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Slmon StevmとRlchard Dafforne(久野)
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ところが,前掲のように,パチオリのrズ
のハイライトは,何といっても,1600年1
ムマ』(《計算記録詳論》第15章「元帳転記」)に
月1日(彼は1月0日としている。この点に関し
典型的にみられる元帳面の定型では,「与ウ
ては,別に補注でのべる)から同年12月31日に
ベシ」(借方),「得べし」(貸方)の表記により,
至る一暦年を会計の期間として認識している
いずれの場合でも,前置詞の“per”を用い
点である。ただし,彼が定期的期間損益計算
たのである。Slmon Stevmの場合では,こ
さらには定期的決算制について明確な認識を
の系統を踏襲している。
もっていたと考えることには,筆者(久野)
(3)元帳:Grand Llvre en Livre de Co・
としては,やや躊躇せざるを得ない。いずれ
mpte de Marchandise selon la Maniere
次の機会に詳論したい。あくまで,商品勘定
D’ltalle., Schvltbovck in Bovckhovdmg
の期間を前提とする整理,これによる販売益
van Coomschap op de Italiaensche wyse。
の測定という意向が中核であると思う。現に
ここでは,まつ,実名四商品勘定(Clous,
彼は,第10章の《元帳の締切と新元帳の開
Nolx, Poivre, Gimgembre;Naghelen,
始》ては,(イ)元帳に余白がなくなったとき,
Noten, Peper, Glmber)のうち,12月31日
㈲廃業のとき,および㊨資本主の死亡のとき,
までにすでに完売となっている丁字(Clous,
に締切手続をとるとしており,これは,そっ
Naghelen)勘定と,12月31日現在て在庫の
くり,Richard DofforneのThe Merchants
ある胡桃(Noix, Noten)勘定と胡椒(Poivre,
Mlrrour:etc.の第216項(p 46)の元帳の
Peper)勘定をとりあげる。胡桃勘定には
1731b.50nc,胡椒勘定には1201b.のそ
れぞれ在庫がある。Slmon Stevmの簿記書
期間損益計算上極めて重要な意味をもつ在庫
general balanceに引きつがれている。なお,
(棚卸)商品の評価問題については,後に解析
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丁字 借方.1600.lb l。nc
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3
5頁
一
Slmon StevlnとRlchard Dafforne(久野)
語Clousは釘であるが, Clous de girotie
する。
となるとこれは,「丁字の蕾」91rofleのこと
丁字勘定の実況は,前頁のとおりである。
で,正確には,「丁字の蕾を干した香料の原
なお,蛇足ながら,Clous(仏), Naghelen
料」のことである。
(蘭)に関して付言する。1650年再版ては
丁字勘定につき,注目すべき諸点を列挙す
Nagelenとある。仏語のClou(s),蘭語の
Nagel,独語のNagelは,いずれも,釘,鋲,
る。
留針である。蘭語のNagelboomは「丁字の
(イ) 左右頁の最左端のFol.(丁数てはなく
樹」,Nagelolleは「丁字の油」であり,独語
正確には頁数である。左右を見開いて1丁とする
のGewury(香ばしい)nagelchenは丁字(香)
様式ではない)の欄には,仕訳帳の頁数を記入
である。仏語の丁字は91rofllerであり,
している。ベニス式簿記書の例えばマンゾー
girofleは「丁字の干した蕾」である。
二(Dominico Manzoni, Quaderno dopPio
Clous, Naghelenとある実名商品勘定は,
etc,1540.)の場合ては,仕訳帳に1から
釘勘定なのか丁字(香)勘定なのか。
300まで整理番号をふってある取引(番号)に
リトルトン(A.C. Littleton, Accountmg
ついて,元帳の左端にこの番号を記入してい
Evo1ution tQ 1900, P.133.但し,原訳者は
るから,ここらあたりがSimen Stevmの
P.Kats)は, Cloves(丁字,丁字の干した
ヒントであろうが,仕訳帳の頁数を元帳に記
蕾)と英訳しており,グリーン(W.L.
入して両帳簿の結びつきを明確にしている点
Green, Hlstory and Survey of Account・
は,この簿記書の一段と優れているゆえんで
ancy, pp.120∼121)も, clovesと英訳し
ある。なお,元帳の摘要欄には,相手勘定の
た。前者の原典は蘭語版てあり,後者の原典
元帳における開設口座丁数が示されている。
は仏語版であり,ともにclovesである。従
(ロ) 借方,貸方という符号で,元帳の左
って,まつ,「丁字」で間違いなかろう。仏
右を区別している。元帳は一段とテクニカル
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Slmon StevlnとRichard Dafforne(久野)
な形式をととのえるようになった。
弓
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(ハ) 金額欄の左に,商品勘定の場合ては,
重量ポンドlb.とオンスonc.の数量(重量)
o
りてある。
この両実名商品勘定について,最も注目す
べき点は,期末(あえて期末という用語による)
の在庫につき,それを資本勘定に振替えてい
T)aeロ600
2嚇欝霊惣「幽碗灰剛”&照’偲翻滞
P騨ユ勘ε’嚇。38P卿りψ加t ct.s M .vsbek
ら ロ ロ コ . ロ
醤編膿離螂轡吻壱岬弾蹴争ザ
。
﹁列5
゜
,1
i馨
ー﹃
﹂2
﹂
﹂°・一
ll桟劉﹂
胡桃・胡椒の両勘定の実況は,前頁のとお
州lI﹁・。
を記入している。
1900年8月4日,胡椒勘定は胡桃勘定によ
る点と,この在庫品の評価方法とである。
り借方。アンドリュー・ニコラと次のような
在庫品の評価額から検討してみよう。胡椒
物々交換をしたことによる。・ 20 £0・0
の場合は,金額欄の左にある数量欄の記録か
(省略)
らみると,期首(あえて期首という用語による)
在高7581b.のすべてを7月4日にオマル・
物々交換(troqu6)で1201b.(20£.)を入
ルノァールに113£.14s.で売却し,次
いで,8月4日に胡桃(661b.110nc.)と
手しており,この分がそっくり期末に残って
いるのてある。この物々交換の取引は,仕訳
胡桃Noix
日
月
要
摘
入
lb.
0
期首在高
3
28
仕入;Dロエル
238
5
30
売却;P.ルブラン
5
30
7
4
7
28
仕 入,現 金
8
4
交 換;胡椒
12
31
仕売
1
320
庫
出 庫 在
onc。
lb
171
0
0
558
0
0
0
171
0
0
0
240
0
173
5
0
0
171
0
0
9691 0
帳(5頁)に.右上のように記帳されている。
onc
320
却,O.ルノアール
240
1b.
0
558
入;A.ジヤック
onC
庫
66
11
795
11
7・s・×・73(1b・)+7・・×音(lb・)
問題は,胡桃勘定の場合である。胡桃の入
=60£. 13s. 2 d.
出庫の実況を整理してみると上のようになる。
ところで,胡桃の期末在庫量は1731b.5
0nc.であり,これは,7月28日に即金て仕
となる。すなわち,この金額が前頁の胡桃
勘定貸方の資本勘定への振替額である。
入れた分240 lb.のうちの残品である。仕入
つまり,期末在庫品の評価額は,取得原価
単価は11b.あたり7s.(84£.−240)であ
(7月28目分)にcよったものであり,最終仕入
る。
分の仕入単価が適用されている。また,上掲
期末在庫分にこの仕入単価を適用すると,
の入出庫一覧表からも明らかなように,
15
を示したのか。その意図は不明である。
Simon Stevinは,一応は,先入先出法的な
形をとっているが,その実は,出庫の都度,
何れにしても,期末(あるいは或時点)で,
在庫を空にするような取引事例を採用してお
一部売残りのある商品勘定を設例として解説
り(おそらく意図的に),この点からは,結果的
に個別法的な取扱いとなっており,期末在庫
しているところが,この簿記書の一段と優れ
品の評価にかかわる煩雑な課題を,さけてい
ている点てある。損益計算における棚卸の意
るようだ。他の便法には時価の適用がある。
義を鮮明に.印象づけている。パチオリの『ズ
いささか飛躍した推論ではあるが,あえて
ムマ』・《計算記録詳論》の第27項「損益勘
私見をのべる。往時から(近年に至ってもなお),
定」なぞは,商品完売の状態での解説であ
商品の棚卸高の評価につき,売価を適用する
り,また,第16項「商品勘定の記入手続」で
ケースがしばしばみられた。文字どおり「完
は,その生姜勘定の解説をみると,第15項
売したものとみなして」いるわけである。現
「元帳転記」の説明をなぞったような記述で
代風にいう「未実現利益」が計上されること
あり,肝心な点が悉くぬけている。
もあり,次期繰越商品は時価で表示されてい
また,その巻末に掲示した元帳勘定ロ座の
る。「未実現利益不計上(の原則)」というモ
雛形は,現金勘定と三人名勘定からなり,商
ダンな視点を度外視してあえていえば,かか
品勘定は示されていないような始末である。
るケースは,むしろ,在庫品の評価にかかわ
その実況は,次のとおりである。
る上述のような課題に直面してのその有力な
対応策であったと考えられるのてある。
期末の在庫品が,仕入時点を異にする異な
った単価の入庫品から多層的に構成されてい
繍翻認 ㎜咳・㈱。。re…e2・6轟
るような事例であれば,当然,個別法(本来
岡po伽batiqlfO轍曾18,II66・teN mt漁。 bt、flmone
の口別法)を採用するのか,それとも先入先
出法(広義の口別法)によるのか,あるいは,
騨m鳩a仏あ蓼 885n 8義
各種の平均法によるのかを論及するに至った
蹴麗艦鑛論 纐躍甑膿
かも知れないし,そして,もしかしたら,例
灘隙践帽、畿灘灘
の後入先出法(とくに先入手持法,期別後入先出
㈱Sbb,6trtiglE6劇‘38 tsf髄66
難i難_講羅幽.
法)をも構想するに至ったかも知れない。
Simon Stevinほどの頭脳をもってすれば。
しかし残念乍ら,彼は,かかる方途を,その
可能性を,おそらく,むしろ意識的に自ら回
現代風に書きなおすと,次頁のようになる。
避した(と考えられる)。
関連した取引日付のくいちがいなぞは,ま
なお,胡椒と交換に提供した胡桃の評価額
あ,御愛嬌としても,本文の記述内容とまっ
は,661b.110nc.で20£.となっており,
たく没交渉なこの元帳雛形は,一体何なの
この金額は,明らかに,取得原価(23£.7s.)
か。かかる雛形を掲示した意図が那辺にある
以下である。彼がアンドリュー・aコラとの
のか。まったく理解に苦しむ。
物々交換取引(troqu6 contre Andrieu
商品(諸)勘定を,悉く私的(秘密)元帳に
Nlcola)て,交換提供の商品の金額を,何故
移したというのなら,まだ話しはわかるのだ
に簿価(取得原価)以下の20£.とする事例
が。あるいは,かかる分割元帳制を採用して
16
Slmon StevlnとRlchard Dafforne(久野)
Lodovico Forestani
(借方)
14日
18日
現
}44
1
8
10
11
6
Martmo
11
22日
現
(借方)
Francesco
4
金
62
Fra且ceSCQ
13
6
11月
14日
1
p・㎞・
Martino Forabosch1
(貸方)
1
・493年1摘 要 i金 額11・493年 摘 要
1
現 金 118
11
6
11月
86
金 額}1・493年}摘 刻1金 額
摘 要
(借方)
20日
2
(貸方)
Q2日
11月
額
金
111
14日
要
m・M・・Un・ 118 1
1493年
3年
11月
・493年1摘
額
月
金
11月
i金
i、。1旨1
要
・・93年1摘
(貸方)
Lodovlco
18日
1金 額
18
6
11
P
Francesco Cavalcanti
(借方)
1493年
11月
12日
摘 刺金 額
Lodovico
20
4
2
(貸方)
1・493年隔
要
現
金
11月
14日
金 額
62
13
6
F
のである,とするBesta説には強くひかれ
いたという実情(あるいは,そのような帳制が
普及していた地方の実務)をとり入れたもの
る。パチオリは,ベニスに流布していた簿記
か。今となっては知るよしもない。これらと
書(手写本)と,トスカナに流布していた簿記
関連して,興味ある説があるので,紹介して
書(手写本)とで《計算記録詳論》をてっち上
おく。
げたことになるのだが。果してどうか。
B.S. Yamey, Fifteenth and Sixteenth
Century Manuscripts on the Art of Book・
次に,現金勘定の実況を次頁(上段)に示す。
keeping, Journal of Accounting Research,
邦訳は,便宜省略するが,とくに,貸方側
Vo1.5, No.1, Spring,1967.は,この元帳
(Casse credit.)の, 2月28日(28. Fevrier,
の勘定口座雛形についてのBesta説やPen・
dorf説を紹介している。トスカナ地方の簿
28.Februa.),3月31日(31. Mars,31.
Maerte.),4月30日(30. Avril,30. April.),
記ては商品勘定と営業費(小ロ経費)勘定を一
5月31日(31.May,31.Meye.)あるいは6
般元帳に収容せず,また,ForestaniやCava・
月30日(30.Iuing,30. Iunius.)の記帳にみ
lcantiといった人名はトスカナ人に個有のも
えているdespens de marchandise, oncosten
17
鴛綴鮎威,∴∵:二:
eσ‘adiRrmsde融伽雌μ16
伽岬餌♂駅ξμη ・ ・ ・ …
?ntdewfer?trtm . ・ ・ ● ・ ●
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一
4廊・333↑
榊棚84μ3 ・ ・ ・ ・ …
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P〃伽西鱒酬舜μ16
Caffrcdcbeし 1600.
P〃唖郷th脚ψ顧f” :6・
肋姻34廓pmjN tS
扇・
P〃顔酬幽酬卿μユ6
Par4teedit陶suJ“tじ4
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P”dyth欝ψ謬1翫6
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璽
P‘7伽魂繍縛1騨:6
P〃μ嫌鮒w?κ∂ψ館劇刺儒徽’!乙’竃3
勧
L
van coomschap(営業費)およびdespens de
」岬錐鵠μ、6㍗・塾
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勲・伽噸儒鱒僻解16
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P欄扁儒㎝噂伽棚ユ6
伽傭寵朗脚㈲向弾36
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矧3a3333333334‘尋46
艦。2。。。T
表・333弓
l C血d山eし Tjaer:6。o・
o伽鱈rP”璽御♂1w3 ・
Se簿励り
ている。前出のように,期末に,この両勘定
から損益勘定に振替える。この振替記帳では,
rnalson, oncosten vanden huyse(家事費)
仕訳帳を経由していない。
に注目されたい。いずれも,これらの費目
すなわち営業費(小ロ経費)および家事費につ
いては(別に補助簿を設けているのであるが),
資本(Capital, Capltael)勘定の実況は,
月末に月次合計(支出)額を一括して仕訳し
て(monthly Journalizing),元帳に転記し
項で詳述する。
h麟躍綴轟灘驚r」’輿“ぞ
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3
次のとおりである。その機能については,次
”・伽爾勘v・egkS蜘晩。爵伽蟹厘6。。幽◎.
嗣「伽卿dr岬ψμ濫鵡 ・ ・ .一
7
隔
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
3
劇
定
1
514 6
31 12
7丁
60
7丁
20
−1
31 12
31 12
オマル・ルノアール 9丁
513 12
31 12
アドリアン・
11丁
イへ一ル
150
6
31 12
ビエール・ルブラソ 11丁
448
0
31
1
30
0
::1認’レステ
19丁
1
2667
諸 ロ
31 12
アルノルト・
14丁
ジヤック
31 12
損益勘定 18丁
計
51
987
…61・
1944
7h 5
、n
計
0
田 18
6
13丁
31
sld、
資本勘定 貸方.1㎜.
借方.1600.
1: 盤
日
月
柚口桃椒
資諸胡胡
2頁
P 31 1
37°6
n
期首(1月1日,Slmon SteVln流に書くと1
具体的な内容は,仕訳帳面の開始仕訳によo
HO日)の開始記帳にみえている「諸口」
て明らかであり,次のとおりてある。
〈diverses parties, verscheyden Partien)の
0
丁字 4梱重量
175
0
胡桃 4梱重量
144
0
シヤ曽ク・レステ
計
(内訳 省略)
噺
6
・語謡満ゴの資本は
(内訳・省略)
●
6
胡椒 3梱重量
94 1 0
生姜 5梱重量
172 1 8
(内訳 省略)
8
(内訳 省略)
﹃
勘定 1
8
オマル・ルノアール
イオ・ノワロ
1
上記の財産以外の受取
珈
0[8
4
0
ピエール・ルブラン
㎜
馬
60
アドリアン・イベール
のに
一d
ら ズ
d
﹁
S
ロ8
ク9
リ70
ノ
ロ本り金
4
艀鰐
1
諸資よ現
0
1600年
ら
月
元丁日
0
19
L
5
ダビット・ロエル
アルノルト・ジヤック
1 計
0
0
2641 0
5・416i・
。鮎徽し L亀細歯。・鶯 塾“
ぐ
8 R
●φ
襯海甜脚i・
::
償嬢如q蘭嘘い ら・… .8$◎
4勧∼胸
Q
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き∬勘・ら・3・
僻4勧∼卿
●
と
雛難、..嚇鳩
◎
鱒雪鯉∫・◎。
榔s楠鯛
ひ350廊鉾3。
o偽369妙,凄舎
駐謝幽藁幅鋼・
o
竃幽一
eG薬w‘。tS
轍5楠蜘
「ら。
ら●266離乙.
5・160t亀プ、
6・轟5蜘3・榔13聾備33魯伺触期脚・
7・e6尋ake}、
騨
8
塾・z∼6妙≧、
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訟’.
順●
ll三
いいo。
ゆ
導蕃
Le鮪蹴{bnt D6も…teVtrs tirez h3rs d“慰
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槻ゐ獅ψ幽ゐ6ゐu陶・伽・・、.
勲幽膨仙細掘㎎箕伽・一.,
糊蝕ぬ唾瀬ゐ蓋。細㎎ユ伽・・..
聯♂駅ψ緬戯森聯鵡・ユ6。。・。..
3t繭鯉
もQV ゆo
{溺:
こ9◎腎
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0
1三;隷鐵繊、、∴モ撰碁1
讃
1
湾aen6qo・
°脚゜
1弓
Slmon StevinとRichard Dafforne(久野)
駐Z轟膿臨雛翻瑠鴬
4.4・
9磁2綱勧脚謬&畝)dW・e”呵εゐ漁猶こ」勲瑠
o
G初8e i3gbereeden 9あ劇螂8 38
塊乃伽46珈℃㎎δ凶
50
355’4び4・8.
伽噂6珈塊あ融
雛ミi§一一・榊罐
3z5欝5。o・
Poper 3 b・如鞠緬ゐ
a°9・250卿3・oへ
・。・・6。襯・。・樺醒が伽3。騨・・ら傭t・
11・2∫4簿ふoり
3
烈﹁0コα﹂
・●●。
コ℃●−
● 一
■ 馳
価
agO
・ ●
1667!
「
−欝羅韓灘 羅繊1.
凶
魅鴨・
麟麟綴灘灘撫
コ◎o
ユjO
認㈱曜なω6期膨卿勲露ユ。)?・ぬ伽・
2◎毒
5伽凋‘
一
e”‘ψP残
21
5ユ尋
6 0
一一 N■..一一一■
1
ミ
恥灘ニニ・欝二糊
←86去e量ポ・・
ト・・1重量ポ・・
£.
正味350重量ポント,単価
風袋1ポンド2オソス
175
S、
5
d.
0
10シリング
1
風袋1ポンド
355重量ポソド 風袋4重量ボンド8オンス
なお,細かいことであるが,この仕訳帳面
だとすれば(・の値鵬量・・}重t…ドから
の開始仕訳の邦訳をしていて気がついたこと
推定すれば,おそらく正しいだろうが),正味重
があるので,付記する。商品四勘定の重量の
量の350重量ポソドという原典の記事は正し
い。ところが金額面では,175金額ポンドと
内訳の訳出を省略してあるが,丁宇について
だけ参考のために示すと,上掲のようになる。
なってしまって原典の175. 5.O.と合わない。
総重量355ポンドで,その風袋が4重量ポ
ソド8オンスなら,正味は350重量ポンド8
オソスとなる筈であり,350ポンドでは計算
が合わぬ。また正味350重量ボンドで単価10
風袋の重量(その合計)が正しいとすると,原
シリシソグなら,その金額は175金額ポソ
ドになる筈であり,仕訳帳面の金額欄の
額と合うことになるが,これでは風袋の重量
典の350重量ポンドは誤りで,350重量ポソド
8オンスとなる。その金額は175金額ポソド
5シリングとなって原典の仕訳帳金額欄の金
の釣合いがとれぬ。
175.5.O.と金額が合わぬ。仕訳帳面金額欄の
数値は,単価10シリングを350重量ポンド8
仕訳帳面にみられる期首の開始記帳は,資
オソスに適用したものである。とすれば正味
本勘定を相手科目として,資産を借方に負債
350重量ポソドとあるのは350重量ポソド8オ
を貸方に仕訳している。開始残高勘定は採用
ソスの誤りである。ところが,風袋を互に比
していない。元帳面への転記では,資本勘定
較してみると,最櫨・・N…の暢齪
の記録は,諸口として,借方に514£.6s.,
ポソドの風袋が1重量ポソドなのrc, No.5の
貸方に2667£.9s.8 d.のおのおの8⑦tnme
・・押鮮ンドeM袋が・齪ポンド・
(合計)を示している。差額がNet Capita1
オソスであり,また90重1ボソド以下のNo.
3(87ボンド)・M(86毒ポンド)の風袋・・
(貸方残)となる。
期末の資産・負債諸勘定口座の締切記入
1重量ボソドを超えているのも甚だ妙な話で
(正確にいえば010Smg e飢ryではなくてbalan・
ある.N…”tの吋齪ポソド瓠撚・
cing entry)では,閉鎖残高勘定を開設せず,
ボソドではなく,1重量ポンド8オンスかも
かつ,仕訳帳を経由せず,次項の「状態(資本)」
知れない。推定値としてはこのくらいであ
を用い直接口座間振替のによって,資本勘定
る。もしもそうだとすると,風袋の合計は8
に振替えている。損益勘定の貸借差額(この
オソス増えて4ポンド16オンスすなわち5重
事例では,当期利益e87S・5s・5 d・)を,同様
量ポンドとなり,正味は原典のように350重
に,資本勘定の貸方に振替えている。
量ポソドとなる。どうも,これらの点で2重
損益勘定(Compte de proutht&perte;
の誤りをしているように思える。
これを要するに,風袋の重量につきNo.7
Rekening vau wiast ea verlユes)の実況は,
を1重量ポソドでなく1重量ポソド8オンス
次のとおりである。
22
Slrnon StevmとRichard Dafforne(久野)
rapredepreutEヒapettS6ebet 16◎傷
5㌧3
Pt tO ・ ● ♂ 鴨 . ● ・
3
●
3
噸贈ゐ瀞鱒μ董7 。 ・ …
o
3
a
噸傭轟鱒幽μコ7 ・・ … ●
a“e”J6ts.繭蹴蝉鹸幽●●備卿・・“
9
蜘
一
亀o
◎
一
一
o
自
3
一
◎
嗣 喜
◎
3
17丁
1071
計
31 12 資本勘定
3丁
計
276T7
、鞭
9
1
アドリアン・
イペール
現 金
丁字の利益
胡桃の利益
胡椒の利益
生姜の利益
£。
sd
4
3i4
15
00
1000
75
109
18
41
剛
07304
57
貸方。1600.
ジヤック・レステ
912121212
17丁
18
損益勘定
▲下
11
1●
2
3
3
313
12
−
15丁
19頁
町跡町打訂訂訂計
100
月9
19丁
鞠
日10
£.
−・﹂ー﹂OII劉1﹂U
12
31
1600.
3
吐
oooo
S 電
い
ルク
5に1二
金ノッ費費
ルヤ業事
現アジ営家
5
損益勘定借方.
軸mg噂脳n農●臨臓駈“眠dm‘。。
◎
聖鳩
一
18頁
土
3雪ワqワ
●
謹
●
仕頁日亀
、8ぼ
膿
5
愚
ぬ
皿魎
2魯
◎
禰陶贈鈎3 ・ . ・ 鴨 .
5
12月31日の損益勘定への振替えは,すべ
1▽L等,History of Book−Keeping(−Conttnned),
て,この日付での資本勘定への振替記帳と同
by J. R. FogOは, Simon Stevinの誤りで
様に,仕訳帳を経由していない。次項の「状
あり,Manzoniの場合は正しく資本勘定に
態(資本)の証明」を用いた直接口座間振替
貸記しているとのべているが,果して「誤り」
えである。期中に(8月18日.8月21日,9月10
(mistake)といえるかどうか。
日,9月18日,9月24日)損益勘定に仕訳帳を経
前掲の資本勘定口座の機能を鮮明にするた
由して振替えている取引の内容は,現金勘定
めに,その構造を説明してみる。こうてあ
と人名勘定が相手科目となっているが,前者
る。資本勘定口座での期首の開始記帳では、
は,女中カトリーヌへの贈与金(8月18日)
負債を借方に、資産を貸方に示すようになo
と伯父の遺産相続分(9月24日)であり,後
ている。ただし,Simon Stev㎞の場合は,
者は,受(払)の利息分てある。なお,この
いずれも「諸口」として合計額が示されてお
遺産相続分1000ポソドを損益勘定に貸記した
り,1tem鵬d capital aecountに、はなってい
点につき,R. Brown ed., A History Of
ない。このあたりはユニークである。
Accounting and Aocountants(p 138):Chap.
08泌▲鳥o聴ANDも 3∫
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24
Simon StevinとRichard Daffome(久野)
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25
資本勘定
(借方)
式である。これはどうしたことか。
(貸方)
い・糊首諸・㈹
(1)期首 諸口(資産)
(4)「私D.R.の状態(資本)」・「状態(資本)
期末 資産項目
(2》
何何何何
1
の証明」
々
② 期末 負債項目
︶
ESTAT DE MOY DIRIC ROSE:ST。
AET VAN MY DIERICK Roeseおよび
PREVVE D,ESTAT.:STAET PROEF。
何 々
何 々
々
(3)期末 損益勘定
(当期利益)
々
を示すと,前頁および次掲のとおりである。
巳
◎b
漁
墨
畿
㌧縣
(1600年12月末日作製)として掲示してあるもの
坤副傭繭
d7邑■4
謙酬
STAET VAN MY DIERICK Roose
幅軸獣
MOY DIRIC ROSE(160Q蔭F12月末日作製):
綴
亀 479亀
£おり轟“
式となる筈である。ところが,ESTAT DE
曲継鵠藍
器
に関する報告書を作るとすれば,まさしく,
世間でいう大陸式(一般式)貸借対照表の様
即鮮
鰐
謹誰
J
q
臓胸鷺
U”
髄耐傭
資本」(Estat ou capital:Staet of capitael)
蜘6
この資本勘定にそくして,「状態あるいは
3
㎜
難讐
A=P十K十k
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朧
×××
2緊黛,」
@轍
駒
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臓
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何
何 々
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舳臨篇
譜瓢
何
何
何
膵脚脚脚脚脚脚
㎞幽
負債(P)
資産(A)
㎜㎜
樋8。 98
漁
(借方) 資本勘定 (貸方)
瓢 澱 晶圃
樫,弾
資本勘定の構造は,次のようになる。
血
㎜⋮
期首の資本在高をnetで示したとすれば,
の様式は,資産と負債の左右の位置が逆にな
(A. C、 Littleton, A㏄ounti㎎Evo!ution to 1900, PP.
っている。世間でいう英国式貸借対照表の様
βoo薩轟¢ePers’Jb麓r緯¢1. Londan.1D㏄,1927.)
133∼1蹴.Trenslation by P。 K亀ts, TAe 恥顔幽ほe o」f
﹁
[
1
1
「私DIRIC ROSEの状態(資本)」(1600年12月末日作製)
状態あるいは資本 借方.
状態あるいは資本 貸方.
アルノルト・ジヤック14丁…51.8.O.
胡 桃 7丁 173.5.… 60.13.2.
この勘定の差引高として
胡椒 7丁 ここに示される借方残高…3140.9.1.
120.……20.O. O.
オマル・ルノアール 9丁…513. 12. 0.
アドリアン・イベール 11丁…150。6。 0.
計3191. 17。 1.
ピs一ル・ルブラソ 11丁…448.O.O.
ジヤック・レステ 13丁…54. 18. 6.
現金 19丁…1944. 7. 5.
嫡ミし
計3191.17。1.
@ @皿
26
Slmon StevinとRichard Dafforne(久野)
1600年12月末日における資本価値
(valeur du capital sur le dernier de Decembre 1900)・・・・・・・・・… 3140。 9. 1。
1599年12月末日もしくは1600年はじめの資本価値は,貸方
2667. 9.8.マイナス借方514。 6.であり,その差額は,……一…一…・2153. 3。 8.
そこで本年度の増加高は,………・……・・………………・…………………・・987. 5. 5.
「状態(資本)の証明」(PREVVE D’ESTAT.:STAET PROEF.)
上掲の「私D.R.の状態(資本)」が正確であることを証明するために,資本の増減を
示す残りのすべての諸勘定,つまり,資本の実体を示す諸勘定でなはなく1600年1月0
日以降に発生した利益と損失とを示す諸勘定であるという理由で上掲の「私D.R.の
状態(資本)」からは除外された残りのすべての諸勘定をここに集めた。
損益 借方.
損益 貸方.
営業費 16丁……57.7.0.
丁字の利益
5丁……75.4.7。
家事費 16丁…107. 10. 0.
胡桃の利益
7:「・鴨 109. 7.2.
計 IM. 17. 0.
胡椒の利益
7丁… い・18、19.0、
生姜の利益
9丁一一・・軸41.8。4.
上記の勘定と等しい
損益勘定(期中にこの
利益として,ここに
勘定に振替えた分。
残高を記入する。
借方側は100.と12.,
貸方側は4. 3. 4.と
剰余貸方
987. 5.5.
15.と1000.)……… ・・…ら・亀いい・
X07.3.4勉
計 1152.2.5.
計1152.2. 5.
この方法によって確認された利益は,上掲の「私D・R・の状態(資本)」の方法で測定さ
れた額すなわち987.5.5.と等しいゆえに,この作業の証明として役に立っ(cela peut
servir pour preuve de 1’operation)。
英訳では,次掲の問題があるほか,元帳面
of Capitalとある箇所がまつ問題である。
の各勘定の丁数が省略されている。この省略
前掲のO. ten Have }t,“Staet” or “Staet
はこの両計表の本質を見失わせる危険があ
Proef”(the term“Staet”can be translated
る。実名商品勘定の棚卸量は,便宜上,邦訳
as“sheet”or“list”)とのべている。もし
でも省略しておいた。
そのとおりなら,「資本の表」と「証明の表」
まつはじめに,B. S. Yamey, Closing the
と訳すことも考えられ,まことにすっきりす
Ledger(Accounting and Business Resea「ch・
る。
No l Winter 1970,)の皿.で一部指摘されて
Fernand G. Renierの『蘭英・英蘭辞典』
いるが,前掲の邦訳に、関連した問題点を詳細
をみても,Staat(staet), n. Iist, statement;
に指摘しておこう。
State, state, condition等とある,仏語の
蘭語でStaet of capitae1,仏語でEstat
Estat(Etat),6tatに.も「表」とV・う意1朱は
ou(ov)capita1, P. Katsの英訳でEstate
ある。r蘭和大辞典』(創造社刊)でも,状態や
27
国家等の訳のほかに,「目録」とある。従っ
とある箇所について,「資本の状態」でなく,
て,0.ten Haveのようにsheet or hstと
っまり,of(の)でなくor(あるいは)と解
英訳できないこともないが,その場合では,
釈した上で,Estateを身代(財産)と訳し,
仏語のou(ov)と蘭語のofがひoかかる。
「身代(財産)あるいは資本」としてもよいかも
ともに,英語のor(あるいは)に当る等位接
知れぬ。これでも筋はとおる。しかしStaet
続詞であるから,「資本の表」。「証明の衷」
(Staat), Estat(Etat)を身代(財産)と訳
とは訳せぬことになる。「衷(目録)あるいは
せるかどうかは一箇の問題である。
資本」となる筈であるが,どうもこれでは意
あるいは,この第9章のタイトルである
味内容が今ひとつ判然としない。
発達史』に引用されている)は,¢‘Estate of
DE LA COMPOSITION D,ESTAT, OV
BALANCE.(仏語版):VAN DE STAET
MAKING OF BALANCE.(蘭語版)にそ
Capital”としている点で誤訳である。“Estate
くし,そのOV(U), OF,の次のBALAN−
or Capital”である。蘭語のofと英語のof
CEに注目して, ESTATおよびEstat ou
とをとりちがえている。蘭語のofが英語の
capital:STAETおよびStaet of capitael
orに当ることは,蘭語版(p.14)の「要旨」
を、「貸借の均衡」および「貸借の均衡ある
に出てくる目次と相当する本文のタイトルと
いは資本」と訳すことである。しかし,この
の比較からも自明である。巻頭の「要旨」の
タイトルの場合では,Balanceの意味内容が,
前掲のP.Katsの英訳(リトルトン・r会計
目次には゜6Ten neghenden van de Balance
単にEstat, Staetと同格ではなくて, La
of Staetmaking.”とあり,相当する本文の
Composition d’Estat:Staetmahingと同格
タイトルでet 9 HOOFTSTICK. VAN DE
ということになるから,単なる「均衡ないし
STAETMAK】[NG OF BALANCE.とあ
残高」という意味合よりも,むしろ,general
る。 Ten neghendenはTen negende(in
balanceg general balanCing(わが国の古典的
the nindh place)であるから,第9項とでも
用語でいう「惣勘定」つまり決算)というnユア
訳せるし,9 HOOFTSTICK.は9hoofd・
ンスのものとなる。しかしここまでいえるか
stUkで,第9章の意である。 Balance of
どうかが問題である。近現代的な感覚にすぎ
Staetrnaking とStaetmaking of Balance
るかも知れない。
とで同じ意味内容となるのは,蘭語のOfが
(補注)原典に忠実に.1600年1月0目という妙な日付
を示してきたが.ここで付言する。勿論,これは1月
英語のor(あるいは)に当る等位接続詞だか
1日の慧である。Slrnon StevmがとくCt l月O日とし
ているのは.おそらく●次のような理屈(?)であろ
らである。AあるいはBでも, Bあるいは
Aでも同じことである。英語の前置詞ofと
う。暦年を一会計期閥とする場合、1月1日とは,同
日の午前0時にはじまり夜半の12時までの聞であるか
ら.正確なこの会計期間のはじ霊1りほ,1月1日でな
くて》1月0日であると◎この徽法でいくと,12月31
混同してBのAと、AのBとでは同じ
意!朱にはならぬ。
日というのも考えようではおかしいことになる。前掲
の「状態(資本)」の日付ほ,1600年12月末日(k derni’eち
d6n‘のetSte鍵)とある◎12月3ユ日でほない。
このようなわけで,「資本の表」・「証明の
裏」と訳したいところではあるが,本稿では,
前掲の期宋時点の資本勘定と、「私D.R.の
「状態あるいは資本」・「状態(資本)」・「状態
状態(資本)」(Estat, Staet)とを,ティー・
(資本)の証明」と訳すことにした。
フt一ムを用いて対比して次頁に示す。
なお,考えられる別訳としては,おそらく,
この資本勘定の機能について,J. B.
こうであろう。
Geijsbeek, AnCient Double=Entry Bo。k・
そのは,P. Katsの英訳を尊重して, Estate
keeping,1914.(p.117)は,次のようにのべ
28
Simon StevinとRichard Dafforne(久野)
資本勘定
諸 口
514
6
0
諸 口
胡桃
胡椒
60
13
2
アルノルト・ジヤツク
20
513
0
0
損益勘定
12
0
0
オマル・ルノアール
アドリアン・イベール
ビエール・ルブラソ
ジヤック・レステ
150
6
448
54
0
0
18
6
1944
7
5
3706
3
1
2667
9
8
51
8
0
987
5
5
(当期利益)
ゆ
現金
計
f
3706
3
60
20
13
2
0
0
オマル・ルノアール
513
12
Aドリアソ・イベール
P50
ピエール・ルブラン
備
U
0
18
0
7
5
17
1
計
私D.R.の状態(資本)
アルノルト・ジヤツク
3140
m9
0
胡桃
胡椒
1
1
トここに示される借方
残高
ジヤック・レステ
弘
1944
現金
、 計
3191
17
1
計
3191
00
この勘定の差引高とし
8
51
6
1600年12月末日の資本価値……3140.9・1・
1600年1月0日の資本価値……2153、3.8。
差引増加高………………………g87. 5 5
資本勘定
ている。
期末(12月31日)現在の資産と負債の差額
1諸・
514、6.0.
諸口 2667. 9、 &
尊
っまりその時点の資本主持分(net proprie・
(net) 2153. 3. &
torship)}ま,期首(1月0日)現在の資本プ
残高勘定
ラス(マイナス)利益(損失)に等しいから,
期末の資産と負債とを資本勘定に振替えるこ
とは,不必要な重複をもたらす。にもかかわ
らず,何故にこのような手続をとるのかとい
えば,元帳諸勘定の総括手続のためで,この
目的で資本勘定を一種のa alearing acoount
として利用しているのであると (using the
eapital account for dhis purpose as a
Clearing ac◎◎unt.)0
(3191、17・1、)
61earing ac◎ountは,清算勘定・中間勘
損益勘定
定なぞと邦訳されているが,わかり易くいえ
(net)
ば,残高勘定や損益勘定に典型的にみられる
29
987. 5 5
ような「一件落着」の勘定である。Simon
Stevinの資本勘定は,まさしくかかる性質
機能は果せるとしても,このままでは,資本
主への会計報告の手段としては,救い難い欠
のものである。資本勘定を三つの部分(残高
陥を有する。この資本勘定の貸借均衡額
勘定を開設したと仮定して)に分解すると,前
3706. 3. 1.には,ほとんど何の意味もない。
頁のようになる。
そこで,Simon Stevinは,資本主であ
元帳面の総勘定につきClosing and bala・
るDiric Rose(Dierick Roose)を主格とす
ncing entryの検証をしようとする場合,
る(資本主の人格を強調した)勘定書(報告書)
clearing(「一件落着」)の方法は,
を,この資本勘定とは別個に作成するのであ
〈t)損益勘定の貸借差額(987. 5. 5.)を資本
る。
勘定に振替え(2153・3・&+987・ 5・ 5. =
なお,参考のために,次の事実をとくに付
3140. 9.1.)り資本勘定の貸方差額(3140。
記する。別論文(r経済論集』第18巻・第1号《米
9. 1.)を残高勘定の貸方に振えて(51. 8. 0.
国古典簿記書の研究》)や別著r研究』でも紹介
+3140. 9.1.冨3191.1乞1.),元帳面の総勘
したが,前世紀の米書,とくにわが国に最も
定の総括を残高勘定面の貸借均衡で完了す
影響力の大きかったBryant aロd Stratton’s
るか,それとも,
Common Schoo1 Book・Keeping,1871年版:
@ 損益勘定の貸借差額(987.5.5.)を資本勘
福沢論吉訳r帳合之法』,明治6・7年刊で
定に振替え(2153.3. 8.十987。 5. 5. =3140.
は,Second Trial Balance:第二平均之改
9.1.),残高勘定の貸借差額(3140. 9、 1.)
を採用している。訳書の二編の四の第三十
を資本勘定に振替えて,元帳面の総勘定の
丁の雛形を紹介し,併せて前掲のSimon
総括を資本勘定面の貸借均衡で完了するか,
Stevinの場合の資本勘定とその数宇を入れ
である。Simon Stevinの方法は,残高勘
た同形式のものとを対比して示すと,こうな
定を貸借両建で資本勘定に振替えたものに
る。Simon Stevinの資本勘定の機能は,こ
等しい。
B&S.,(福沢訳) Simon Stevin
(1871年)
(16α2∼8年)
残高勘定が代表的なa61earing’account
一 一
平損元1
であるのと,まさしく同じ理由で,Simon
Stevinの資本勘定は,元帳面の総勘定の総
塞平損元
蝕益入
マ益入
括のためのaclearing accountである。
)
ac◎ountとしての機能のほかに,資産とこれ
︷
を対照して表示している。従って,a clearing
薰W8i と対照して表示する負債・資本とを,一勘定
六六圭九
九八七五
30
二、
建となっいる。aClearing accountとしての
五唱八
capitalを示さず,期末において再び貸借両
一二、七〇六一二
となって諸口で合計額が示されており,net
モ墾。五
︵第三お
資本勘定は,期首において,すでに貸借両建
五、二〇五一二五㎜
とともに得難い存在である。ところが先掲の
均
貸
i−
1ー↓1鞠
もつ。会計情報としては,損益(集合)勘定
甚・四曝
蓋薩 、
口座に悉く網羅して一覧しうるという利便を
i
五副﹁謝
九 蓋、 、五二五
産を,その貸方側に諸負債とnetの資本と
一二、七〇六
ワ三呈
二1
三、︸九唱
残高勘定(閉鎖)の場合は,借方側に諸資
1こ:」聾ム
Slrnon SteVlnとRichard Dafforne(久野)
れをもってしても一目瞭然である。
仏語のmoyはmoiて「私,私に」であり,
蘭語のmyはMIJてIk(私)の目的格てあ
このSeQond Tr al Balance(第2試算表)
を作製するケースでは,この簿記書と限らず
るから,同様に「私に,私を」である。蘭語
他の米書の場合もすべて,損益・残高の両集
のvan mlJ(mJin)は英語のmmeに当る
合勘定(典型的なclearmg acc。unts)への振替
に際しては,仕訳帳を経由せず,直接口座間
もので「私のもの」の意味であり,仏語の
de moiも同じてある。そこで,「私の状態
振替の方式を採用している。この点からも,
(資本)」・「私ディリック・ロースの状態(資
Slmon Stevinの場合に損益・資本の両dea・
本)」という意味になり,資本主としての主
rmg acoountsへの振替の手続で仕訳帳を経
格(人格)を強調した衷現になっている。こ
由しないのとまったく同様である。
の主格の強調が,この「資本に関する報告書」
の貸借の構成様式を決定つけているように思
さて,大部まわり道をしてきたが,前掲の
う。すなわち資本主のディリック・ローズを
r私DIRIC ROSEの状態(資本)」(1600年12月
主格としたこの資本主勘定(報告)書は、テ
末日)および「状態(資本)の証明」(PREV・
ィリック・ローズが諸資産により(Par, By)
貸主(方)であり,負債(この船ては,債権
VE D’ESTAT)(注)とは,一体何であるか。
港アルノルト・ジヤック)に対して(A,To)借
(住)PREVVEとあるのは,原典の本文にも出
主(方)である関係を明示している。このよ
てくるpreuve(証拠、証明,検算)のことてあ
る。蘭語のPROEFも同様に,試み,証脇立
うに,資本主勘定(報告)書の構成内容は.
証等の意味であるo
lteml鴎dしたものとなっており, netて示さ
まつ,ESTAT;Estate ou capaltal debet.
れてもいないし.「諸口」て示されてもいな
のReste debet Mls icl POur solde de ce
い。net capitalは借方(debet)側に,「こ
compteとある点を注目したい。
の勘定の差引高としてここに示される借方残
リトルトソ(A.C. Littleton, Accounting
高(剰余)」として報告されている。
Evolution to 1900, pp.133∼4)の場合
「資本の剰余」すなわち「利潤」は,期首
は,“Balance debit, put here in order to
・期末の正味(net)資本の比較によって
Close this statement”と書かれている。英
987. 5. 5.と計算されている。現代風にいえ
ば,「財産法にもとつく利潤の測定」であ
訳者は前述したとおりP.Katsであり,個
る。
有名詞から推定すると原典は蘭語版のようで
ある。
これとの関連で,注目されるのは,「状態
mis(mettre)iciであるから,確かre put
(資本)の証明」(PREVVE D’ESTAT,
here「ここにおかれて(示されて)いる」でよ
STAET PROEF.)である。その説明にい
う。
い。しかしその他は,文宇通り邦文で書けば,
「状態(資本)」が正確てあることを証明す
「この勘定の差引高として」(pour sold de
ce oompte)となる。
るために(検算するkめに,試算するために),
「このステートメントを締切るためにここ
上記の「状態」(資本)からは除外された期首
におかれている借方残高」と訳すよりは,も
っと簡明に,「この勘定の差引高としてここ
以来の利益と損失を示す諸勘定,すなわち資
本の増減を示すその他の総ての諸勘定「いわ
に示される借方残高」でよいと思う。
ゆる名目諸勘定)を集めて作る。
次は,Estat de moy Diric R◎se;Staet
「損益法にもとつく利潤の測定」てある。
van my Dierick Rooseとある箇所てある。
一時点(1600年12月末日)の正味(純)財産
31
額(3140. 9.1.)と一時点(1600年1月0日)
Balanee Sheet)と同じである点に関達して,
のそれ(2153. 3.8、)とを比較して増加した額
種々な論議があり,リトルトソ(r前掲書」,p・
(987. 5. 5.)を純利益とする方法を,「財産法」
134)なぞも,次のようにのべている。
といい,一期間中(自1600年1月0日至1600年
】【tis interestlng also to note that Ste・
12月末日)に発生した利益(収益,1152. 2. 5)
Vin,s balance噛sheet is in t急e form now
と損失(費用,164.170.)の諸項目を集計して
foUowed m England and to speculate on
純利益(987.5.5.)を測定する方法を,「損益
the questlon af whether or not this Dutch
法」という。
author was the inSPiration for the British
Simon Stevmの場合,「資本の剰余」す
practice.
なわち「利潤」の計算における「財産法」と
この命題にはここでは深く立ち入らないが,
「損益法」とのエッセンスが実にたくみに説
一言だけつけ加える。
明されており、この2つの方法による結果の
Simon Stevinの「私D. R.の状態(資本)」
一致によって,計算の正確性を「証明」(検
にみられるこの構成様式を,ことさら特異な
算)するという明確な認識が確立している。
ただこの場合に,「損益法を本体とし,財
ものとみる必要はないし,この様式が英国
におけるEnglish・Fom(British Balan◎e
産法の計算は単に損益法による結果の正確性
Sheet)の源流と考えることもない。先述した
を証明(検算)する手段である」とみるのか,
ように,資本主を主格とした(資本主の人格を
それとも,逆に,「財産法を本体とし,損益
強調しk)「資本の報告書」としては,当然の
法の計算は単に財産法による状態(在高)の
あるいはむしろ必然の構成様式であるのみな
正確性を証明(検算)する手段(PREVVE
D’ESTAT, STAET PROEF.)である」と
らず,とくに開始記帳の場合に,資本(主)
勘定を相手として,諸資産を借方に,諸負債
みるのか,という根本的な命題がのこる。
を貸方に仕訳して元帳に転記する手続は,ご
Simon Stevinの立場については,いまさら
く一般化していたとみてよい。この場合の資
ここにいうまでもない。
本(主)勘定口座}馬netではなくitemized
capltal accountとなり,その借方側(左側)
Simon Steuinの簿記書の第10章は,
には諸負債が,その貸方側(右側)には譜資
「私D.R.の状態債本)」・「状態(資本)の証
産が示されている。ただし,Sl㎞on Stevin
明」の両計衷につき,集合勘定償本・損益)へ
の場合では,先掲のように,資本勘定口座面
の振替によるCloSing and balanclng entry
でのこの開始記帳が,貸借の両側ともに「諸
に際して先行的に作成される手続を記述して
口」として示されているのである。
いる。この点に鑑み,渡辺教授は『前掲書』
(53∼55頁)で,この両計表は精算表の機能を
果すとのべておられる。説得力にとむ学説で
Richard Dafforne
あり,Richard Dafforneの“Survey”(次項
参照)との関連ではとくに注目される。ただ,
「私D.R.の状態(資本)」にみられる借方・貸
(1)彼の簿紀書
方の構成様式をどう考えるかが問題となろう。
Rlchard Dafforneには,次掲の3種の簿
記書がある。
この「私D.R.の状態(資本)」の構成様式が,
The MerChants Murour:etc.,1635,1651
いわゆる英国式(English・Form;British
(第2版),1660(第3版)、1700(第4版).
32
Slrnon StevmとRichard Dafforne(久野)
Teh Apprentices Time・Entertainer Acco・
Dafforn(the son Of Richard)が, drops
mptantly:etc,1640.(the third ed。.
the“e”from the end Of the surname.と
1670.)
ある。Dafforneから“e”をとってDafforn
The Young Accountants Compasse;etc,
ともなると,これはもうダフtルネとは表記
1669.
しようにも出来かねるわけてある。もっとも
これは息子のJohnの代のことだから,
ブラウン編r会計史』(1905,前掲)の書目その
Richardの代にダフォルネてなくダフォーソ
他の書目等では,“the first popUlar Eロghsh
だとする確信はない。さらに,Richard }t 3
work”といおれたThe Mer磁ants Mlrrour:
種の簿記書を書いているが,その第2のもの
etc.の刊行年次を1636年としている。これは
には,息子のJohnの序文がある。手許に
あるこの簿記書の第3版(1670mLondon)
のタイトル・ベージでみる限り,John
おそらく,この簿記書が,1636年に新版が刊行
されたConsuetudo, vel, lex mercatona, by
Malynes(初版は1622年)と合本の形で公刊さ
DaffornではなくJohn Dafforneとあり,
れたためである。The Merchants Mirrour:
GG
etc.の長文のタイトルの最後のところには,
rayの説も少々あやしくなる。
奄
落してはいない。こうなると先のMur−
Printed by R. Young, for NtC⑦las Bourne,
at the South・entranee of the Roya1レExc・
ここではまつ,Richard Dafforneの簿記
hanges,1635。とある。また, The Young
書とくにThe Merchants Mirrour:etc,
Accountants Compasse;etc.は・第2の簿
1635.に関する同国人の評価をみてみよう。
書記の第3部になっている。
Patrick Kelly, The Elements Of Book・
これらの簿記書の詳細にっいては,別著
Keepi㎎,1801 : A short History of Book・
r英米(加)古典簿記書の発展史的研究』およ
Keepingでは, H.0!dcastle(1543), J.
ひ別論文《英米古典簿記書研究拾遺》(r経済
Mellis(1588), James Peele(1569)に言
論集」第16巻・第1号)も併せて参照されたい。
及し,ついでJ.Collms(1653), J。 Mair
Dafforneの片仮名の表記について一言す
いo
(1736)を論じており,Dafforneの名はな
る。わが国の会計学辞典類にみえているこの
EW。 Cronhelm, Double Entry By
人物の片仮名の表記には,ダフォルネとする
Single etc., 1818:Sketch of the Progress
ケースがある(むしろ多いといo ttい)。ダフ
of Book・Keepingては, Pacroli(1494), J.
tルネならばDafforn6とすべきところでは
Gottlieb(1531), H. Oldcastle(1543), S.
ないか,なぞと思ったりしたが,別著『英米
Stevm(1602),を論じ,ついでJ. Mair
(加)古典簿記書の発展史的研究』や別論文で
(1736),B. Booth(1789)に言及しており,
は,自己流でダフt一ンとしてきた。確信は
Dafforneの名はない。
ない。最新のr会計学辞典』(昭和57年10月刊,
B.]F.Foster, The Orig ln and Progress
東洋経済新報祉)では,筆者(久野)が執筆し
of Book・Keeping,1852.ては,9頁以下に
たので,ダブtルネ(ダフt.P・ン)としてお
若干言及するところがあるが,大部分は原典
いた。
からの引用でみるべきものがない。
DaVid Murray, Chapters m the History
Brown編r会計史』(1905,前掲)は,152頁で
of Book・keeping, Accountancy&Cornm・
Rlchard Dafforneに言及し,とくに,締切
erctal Aritlimetic,1930. p.245に, John
記入が秩序正しく行なわれていること(注,
33
仕訳帳を経由していることを指すのてはないかと
先掲のThe Merchants Mirrour:etc.に
思われる)にふれており,“Amuch higher
しても,アムステルダムで執筆したくらいで
standard of bOok−keeping ls found m
あるから,全般的に同国(人)の影響力はみ
Dafforne,s“Merchants, Mirrour(1636)”,
すごせない。
とのべ,また,“Dafforne produced qurte
彼が巻頭のThe Epistle Dedicatoryの2
a complete work Of bOok・keePing”ともの
頁てあげている簿記諸家を列挙して紹介する
べている。まあ,評価は高いといえよう。
と,次のとおりである。但し,綴りは原典の
A.H. Wolf, A Short History of Acoo・
ままにして示す。Forestain, John Impen,
untants and Accountancy,1912., Chap
Cloot, Mennher, Savonne, Nicolas Piet・
XII, English Works o駆Bookkeepi㎎で
erson, Rentergern, Marten van dea Dyck,
は,Richard Dafforneの2種の簿記書を簡
H。。rbeck, van Damme, Wencelaus, C。・
単に紹介しているだけで,とくに評価らしい
utereels, Sim。a Stevm, J。hn Willemson,
見解は示していない。
Waninghen, Passchier Goossenこのほか
前掲のD. Murrayも若干は論じているが,
に,Johannes BU inghaの名もみえている。
とくにみるべきものはない。
Richard Da鉦omeがThe Epistle Dedie・
Slmon SteVlnとの関連にふれ,相当手き
除く)に関して,その簿記書名等を参考のた
atoryがで列挙している人物(SIM。n Stevmを
ひしい評価をしているのは,J. B。 GeiJsbeek,
めに示そう。ブラウン編『会計史』(190臥前
Ancrent Double=Entry Bookkeeping,19
掲)等の諸書目による。
14.である。137頁て次のようにいう。
Forestain…調べがついてV・ない。不詳。
John Irnpen…有名なJan Ympyn。フラ
Slmon Stevln.110wever, was a great
ソドル語,仏語および英訳の簿記書(1543・
scholar, whereas Dafforne evideutly・was
1547)があることは周知のところである。
あut a shanow teacber, for w1踊1e he quotes
Bartholomeus Cloot Corte maniere ende
freely from Stevln on the most irnportant
sti]10m boeCk te houden,1582, Antwerp.
points, yet he om真tes to bring home the
Valentin Menher de Kempten, kactic・
force of the questlo鳥 as Stevin does.
que brifue pour cyfrer etc.,1550, Antw・
Thus through Da登ome,s faulty transfer
erp・
of the bookkeeping ideas of the Dutch
Pierre Savonne、 Instruction et manlere
authors into the Eagllsh language, we
de tenir 1乳vres etc、,1567, Antwerp.
have lost the very essence and foundation
Nl◎olas Meterson(Ni◎01aus Petri Dan。
of the theory of booltkeePing。 Any one
entrlenses), Practieque omte Leeren Rek・
readmg Stevin first and then Da狂ome,
enen Cyphereu etc.,1588, Amsterdam.
wUl have no trouble ln arrlving at tbls
Barthd㎝y de Rentergh㎝, lnstruction
c。n61岨on. lt is hke theτeadi㎎of a
nouvelle POur temrr le livre de◎ompte
letter from an experienced old man, foll●
etc ,1592, Antwerp.
owed by the treatlnent of the same
Marten van den Dyck(Martin Van Den
sub3ect by a h㎎h school student.
Dycke), Demonstration 61aire etc.,1598,
Antwerp.?
Richard Dafforneはオラソダ滞留が永く,
Zacharie de Hoorbecke, ][ノart de tenlr
鎚
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
1ivre de comtes etc.,1599、 Middelburg.
van Dammeの簿記書(仏)と, Hamburg
Michell van Damme, Maniere la plus
(ハンブルグ)で出版されたPasschier Goes・
industrieuse suptille etc,1606, Rouen.
sensの簿記書(独)等を除くと,大部分がオ
Martmus Wenceslaus, Boeckhoudens
ランダのものである。
lnstruction. 1595. ∼
Jan Coutereels, Den vasten styl van’t
(2)仕訳帳:Journ811と元帳:Leager
本項ては,Simon Stevinからの影響が最
Itallaens boelthouden,1603, Middleburg.
John Wコ11emson(Jan Willems2 von
も大きいとされているRichard Dafforne,
Lowen), De Gulden Schoo1 ofte lnstructie
The MerChants Mirrour:etc.,にっいて,
マant Itahaens Boeck・Louden.1616, Ams・
とくにその仕訳帳と元帳の面に限定して,対
terdam.
比して検討しておこう。
Hendri(匙Waninghen, Tresoor van’t
まつ,RIChard Dafforneの元帳面の資本
Itahaens Boeck・houden, etc.,1615, Am・
勘定(Stocke)からをみてみよう。次(上段)
sterdam。
のとおりである。
Passc】hler−Goessens, Buchhalten fein
摘要欄に相当のスベースの冒頭に、左・右
kurtz 2usaihen gefasst und begriffen etc.,
頁(1丁)とも勘定科目(Sto6ke)と借方
1594, Hamburg。
(Debitor)・貸方(Credltor)がみえている。
Johannes (loannes) Buingha, Oprecht
“StoCke is Debitor To何々”および“Stocke
fondament ende principalen inhout van
is Creditor By何々”という裏記は, Simon
het italiaens Boeck]houden, etc亀, 1627,
Stevinの場合の借方側・貸方側ともに“Par
Amsterdam.
(Per)”(英語でならBy)とは対照的てある。
Rouen(ルーアン)で出版されたMichel
両者ともに元帳の勘定口座の形式が,一段と
左頁
右頁
ユ‘3争塗,
、;
;こ僻穏戯謙儲臨==
$噂 為
ま
Se●6轟e§$o戯ヒ燃
重‘33a
.“s:]r,
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資
1
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1
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ヤコブ・
S
(貸方)
元
年次
額
金
£。
摘 要
1
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150
1633
馳
嘱ノモンソ1ン
w
⋮元三
1633
……
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1
ロ 膏皿星
目
− 日1 1 魑 陶 幽
︶畦町頁﹁
㈲轍一
本
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NMMeSA’td−Nvv
35
1
金
£.
1
1
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額
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一 寧
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蕨諜諜㍊ジ㎞憾 _ _
テクニカルなもの簡略なものになっているこ
口座の様式は前頁(下段)のようになる。
とは,いうまてもない。なお,他の勘定口座
金額欄の左の欄に,相手科目の元帳面の勘
の場合て,動詞の“ls”や“are”を省略し,
定ロ座の丁数を記入するというこの方式は,
また貸方側をContraとして,“Contra,
後世に永く継承されている。英米の簿記書で
Creditor”.とする様式のものがある。勘定
みる限り,現在みるようにこの欄に仕訳帳の
口座の数からいえば。このように一段と簡略
頁数が記入されるようになるのは,ごく新
化したものの方が,圧倒的に多い。
しく,ほぼ前世紀に入ってからのことてあ
最左端が年次,その次は仕訳帳の頁数てあ
る。詳細は,別論文《英米古典簿記書研究拾
る。縦の線がないので少々みにくいが。1633
遺》(『経済論集』第16巻・策3号)を参照され
・1とあるのは,1633年,仕訳帳の頁数が1
という意味である。次にみえている欄は日付
たい。Slmon Stevmの場合には,摘要欄の
右手に元帳の丁数を書いていたことを想起さ
である。月の表示は摘要欄の左端にみえてい
れたい。
る。金額欄の左の欄は,元帳面の相手勘定口
次に,この資本勘定の1月1日(あえてい
座の丁数の欄てある。整理して示すと,勘定
えば期首)の記帳を注目されたい。開始記帳
36
S亘mon StevmとRichard Dafforne(久野)
左
’i;塗1
…1竺
董3
ll
牲;き
轟
s㎝鵬一
ヨ
薪
磐
嚇耀n曙り”一噂
1:
講遣砲霊,コ
1;
舞
llコ
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1:
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壕
;;l l;;
;;
さ
i亀
1撫
頁
一
韻
3111
一亀,5﹄鱒
ロ
η護η“コ
右
頁
腿亀一
734亀匙茎8な聴,准3己辱蓬7一凶掬
左
脚一,8 奪
te7s
鱒ゆ触η鵠鱒ηη塾38約h鳩論騎鴻輪
一
頁
画 鵬 幽 鰹購⋮講瑠紬鵬。・
翻
謬
聖 象 3 塗
聖‘3←η
7 0 ◎ ◎
竃633・4
右
頁
略褐
1634年7月20日に,損益勘定の貸借差額
£1046810.が資本勘定の貸方に振替えら
は,開始残高勘定によらず資本勘定を相手科
目としてなされていることがわかる。
Slmon Stevmの場合ては,この開始記帳
れ,資本勘定の貸借差額£2902.127.(1633
は,同様に資本勘定を相手科目としてなされ
年1月1日の正味資本ブラス利益)が残高勘定
るのであるが,「諸口」となる。Richard
の貸方に振替えられている。かくして,残高
Dafforneの場合ては,この「諸口」(Sund・
勘定は,貸借が£ 4794. 3」.をもって均衡す
rles)という発想はない。資本勘定口座の開
る。
始記帳は,“1temized entry”になってい
る。仕訳帳面の開始記帳を前頁に紹介してお
この振替記帳は,すべて,仕訳帳を経由し
て行なっている。つまり,1634年7月20日付
のclosing and balancing entryは,すべ
こう。
を開設せず,資本勘定をaclearing account
て,仕訳・転記を経て行なうのてある。
Smon Stevmの場合とは,まさに対照的で
とするのであるが,Richard Dafforneの場
ある。仕訳帳面の実況を,次頁に紹介しておこ
Slmon Stevinの場合では,残高(閉鎖)勘定
う。なお,この両集合勘定口座てはhofit
合ては,上掲のような,損益・残高の両集合
勘定を開設している。B. S。 Yamey, Closing
aad Loss, Debitor :Contra, Creditor、およ
the】Ledger(Accounting and Busmess Research,
びBallance, Debltor.:Ballance, Credltor.
No 1. Wmter 1970)のいう「彼は, Stevmの
とあって,動詞の部分は省略されている。
独特な,そしてやや特異な元帳総括のアイデ
4アを広めなかった」ということになるので
なお,Sumon Stevmの場合ては,前述し
ある。
たように,期末における商品在庫ないし商品
37
7
ボ
簸灘難灘1糞
鵡
η3.勘9●t◎P漁a団輪蝕町P派μ一一
瀧隅綴認讐讐
鴨8の劇僧&t●ehtS㎜
恥9亀¢‘6、蝕恥頴鵬h
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→ 麟旛i懇躍聾蹴
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鴨
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魯3弓
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轟儲7雛臨蓋膿呵蝉聯゜巴
論線綴織畿畿漕墜
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の畠
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調講自調綴識譜騨r竺
綴謡職瓢鵠騨晒轡と
,,
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亀
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N
η8酬肋3厳鳳畷●u網㎞&剛㎞鮎,●』い■衡亭rも
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剛塗
‘。
thmo r63昏・ the i。ザ7ψ伽乙轍献(喧9
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棚卸(stock・taking)の問題を真正面から取
および第5雛形「元帳」(この雛形ては,1頁
り上げているが,Richard Dafforneの場合
に勘定口座を開設しており,1丁の左右頁にまたが
ては,取引内容が主として取次店としての手
る伝統的な勘定ロ座形式ではない。また,記帳の
数料業務とな・っているため,この重要な課題
内容は,仕頁.月日および金額のみである)につ
は,ごく付帯的にしか取り上げられていな
づいて,最も注目すべき,次の記述と,
い(注)。
“Survey of the Generall Ballance, or
(注)Richerd Brown ed、 A Histery。f Aeceunting
end Aocountants,1905 p 154も併せて参照。
Estate・reekoning ”がみえている。なお,初1
版てSurvayとあるのを第3版てSurveyと
訂正している。
(3) GGSurvey of the Generall Ballance,
Science・Lovers,
or Estatひrecko馳inゴ
第1雛形「当座帳」The Waste・Bo。ke,
Survey, or Ballance of your Bookes, then
第2雛形「仕訳帳」The Journall,第3雛形
sheweth the first place of these three
「元帳」The Leager,第4雛形「仕訳帳B」
Mo町・plaees, how you may fitly keep
When yOu intend generally to make a
38
Slmon StevmとRichard Dafforne(久野)
your Great additlons throughout your
たのてあろう。近時にgeneral balance,
balancingというと,「決算」の意に用いる
whole Leager, by Rulmg and Drawmg
them upon a Paper, as the ensuring ins・
ことが多い。次頁以下に実況を紹介する。
tances present unto your Eyes・vlew:from
ただし,Richard Dafforneが“Trlall−
the which you may easly, and instantly
Ballance”とよんでいるものは,彼がThe
proceed unto your Second and Thlrd
Merchants Mirrour:etc.の本文46頁で用
Ballance.
いている術語を使えば,“un−equall・open−
そもそもこの“the Generall Ballance, or
standing accounts”を集合したBallance
Estate・reckoning”なる概念は,明らかに,
「均衡」であり,“True・Ballance”「真の均
Slmon Stevinのr前掲書』第9章の‘℃om・
衡」に至る“Triall”「予備的な」・「試みの」
posltion D’Estat, ov Balance”(仏語版),
“Ballance”「均衡」なのである。彼は,この
‘‘
aalance of Staetmaking. (Staetmaking
ような意図で,“Triall・Ballance”という術
of Balance.)”(蘭語版)に由来するものと思
語を用いている。あくまでも,“True・Balla−
われる。「状態(資本)の組立あるいは貸借の
nce”
均衡」・「貸借の均衡あるいは状態の確定」で
The Third Ballance r第三の均衡」,これこ
ある。
そが,彼のいう“True・Ballance”であり,
最終的には,彼のいう「真の均衡」True・
まさしく,true「真の」・「本質的な」・「本来
ノ到達するためのtrialなのである。
Ballance・「第三の均衡」Third Ballanceす
の」,balance r均衡」なのである。
なわち,新帳簿に繰越すべき資産・負債・資
新帳簿への(次期へのといいたいところではあ
本の均衡に至る一一連のプロセスとして,彼は,
るが)繰越項目である当該時点における資産
「第一の均衡」First Ballance,および「第二
とこれに対応する負債・資本との均衡が,なぜ.
の均衡」Second Ballanceを作成し,“Second
「真の均衡」なのか。それは,彼が,“Survey
Ballance”のことを“Triall・Ballance”とも
of the Generall Ballance, or Estate・reck−
よんでいる。前掲の引用文にもみえているよ
oning.”「すべて出揃った均衡(近現代風にいえ
うに,「第二の均衡,第三の均衡へと進んで
ば「決算」)の一覧(衷)あるいは状態(財産在
ゆく (proceed unto your Second and
高)の確定(Estate・reckoning)の一覧(表)」
Third Ballance)」ことによって,「真の均
というタイトルをつけていることからも,自
衡」を求めようとするのである。
明である。“Estate・reckoning”(Slmon Stevln
「第一の均衡」は,今日いう「決算前試算
のいうStaetmaking)の観点から,「第一の均
表」(pre.Closing Trial Balance)に相当し,
衡」および「第二の均衡」(Trlall・Ballance:
「第二の均衡」(Second Ballance or Triall・
予備的な試みの均衡)は,くりかえしのべた
Ballance)は,今日いう「決算整理後試算
ように「第三の均衡」すなわち「真の均衡」
表」(Adjusted Trial Balance)に相当し,
(True・Ballance)に至る一連のプロセスなの
「第三の均衡」(Third Ballance or True・
てある。
Ballance)は,今日いう「決算後(繰越)試算
表」(post・Closing Trial Balance)に相当
前掲のJ.B. GeiJsbeekは,この3組の
Ballanceを前述のように“entire trla「
する。そこで,この“Survey”「一覧」あ
balance”とよび(r前掲書』, P 137),また
るいは「総括」は,三種のBallance r均衡」
“Estate・reckoning”を“balancing”という
がすべて出揃ったものという意味合て,
意味に理解し,Richard Dafforneがbalan−
“General Ballance”の“Survey”と名づけ
cingという用語によらなかったのは, Simon.
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同上,ライ麦
同上,Couchaneille
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同上,BraSil
10888
同上,利息
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同上,損益
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同上,保険料
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同上,ダンチソヒ向船積
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5555
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1533
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同上,ロン}ン向船積
55551、L
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5573
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同上,Susanna Peeters
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13688117
同上,House Kmg Davld
「
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or
True・Ballance
(損失)
同上,銀行
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or
Trlall・Ballance
First Ballance
借 方
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アムステルダム
42124
10
8
41904168
1
Stevinの影響であるとした(p 138)。たしか
表」に相当するものてあるから,「決算」の
に,Slmon Stevmの簿記書の第9章ては,
前後に位置する「組になったものが全部出揃
‘℃omposltlon D’Estat, ov Balance.”(仏語
った」“entire”,「試算表」“trial balance”
版):“Staetmaking of Balance.”(蘭語版)
であるには違いない。しかし,この理解は,
とある。‘’Estate−reckoning”を“balancing”
“Estate・reckoning”を“balancmg”と理解
と理解すれば,“Survey of the Generall
する立場と表裏一体になって,あまりにも近
Ballance, or Balancing”ということになる
現代的な感覚ないし解釈である。勿論,こ
のだから,general balanceないしgeneral
の解釈でピッタリと辻棲は合う。しかし,
balancmgのためのSurveyという意味に
Richard Dafforne自身の意図とは,必ずしも
なる。 general balanceないしgeneral
全面的には合致しないように思える。彼自身
balanCingとは,明冶期のわが国の簿記書な
も,帳簿の締切について言及していないとい
どは,「総勘定」・「惣勘定」と訳した。要す
うわけではなく,事実,彼は,The Merchants
るに「決算」・「結算」のことである。また3
Mirrour:etc.,46頁の第216項て,元帳の
組のBallanceの内容は,「決算前試算表」・
general balanceにっいてのべ,その手続を
「決算整理後試算表」・「決算後(繰越)試算
要する場合として,前出のSimon Stevmの
42
Slmon StevlnとRichard Dafforne(久野)
1633年10月23日
アムステルダム
日
Second Ballance
Survey of the Generall
付
Ballance, or Estate・reckonmg ;
Third Ballance
or
Tna F塞lance
First Ballance
T,。,蕊H。。,e
1
貸方 1
23
同上,銀行 i
:
同上,House Klng Davld
8133
同上,Susanna Peeters
4860
同上,Fack Puddmg
9145
6960
7538
15欄8
15 −
2 −
1
− 1一
L
同上,ブラソデー
、i55i、2
同上,ライ麦 ・
同上,Couchanellle l
8
13950
1
1325−
465 −
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444 i 128
394
8350
7 8
1418
同上,ハンブルグ向船積
同上,ダンチッヒ向船積 1
3816
6 一
1463
8
1838
同上,保険料
1同瑚金 1
3576
同上,麻布 1、
1
8105
同上,船舶
1432
同上,Hans v Essen l
3720
同上,Peeter Brasseur
3752
2,一
同上,Fack Pudding l
同上,資 本
3294
竺1:i
同上,損 益 1
計
3805
2408
113
545
8
24592
130544
74
5
8:1
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同上,ロンドン向船積
5812
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・1・1
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簿記書の第10章からそっくり引用して,(1)仕
Ballanceが存在するとしたのてある。Second
訳帳・元帳に余白がなくなったとき,(ロ)廃業
Ballanceを“Triall−Ballance”と呼ぶゆえ
のとき,および㊨資本主の死亡のとき,に締
んは,“True・Ballance”を「見出すための
切手続をとるとのべている。しかし,近現代
trial」,あるいは,「明確な結論(果)を出すた
的な「期間損益計算」および「決算」ないし
めのtrial」だからてあって,後世の簿記用
「決算制度」を明確に意識していなことは明
語の「試算表」trial balanceと完全に符合
らかてある。
するという性質のものてはない。
“Estate・reckoning”は,やはり文字通り
Richard Daffomeの先の“Survey of the
の意味に解して,「状態(財産在高)の確定」
Generall Ballance, or Estate・reckonmg”壱ま,
とする方がよいと思う。そして,この「新帳
その機能ないし形式からみて,むしろ,今日
簿」へ繰越すべき「状態(財産在高)の均衡」
の「精算表」への発展の可能性を充分にひめ
が,「本来の」・「真の」“True”「均衡」(艮オ産
たものとも考えられる。
在高の均衡)“Ballance”てあるとし,この
Third Ballanceへと“proceed”(進む)する
(4)「仕訳」(journalizing)のRules
ことを前提として,First Ballance, Second
簿記の最もテクニカルな側面はといえば,
43
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化した形ての「仕訳のルール」(らしきもの)
。猿燃織灘盤職
を記述するにとどまった。例えば,オールド
ヒ
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駅い一噛一一一一一⑰幽病
カッスル・メリス簿記書(1543 ・ 1588年)の場
講簾臨墨総
講羅羅鰯
謡鷲隷隅濃
合ていえば,「仕訳記帳には二つの類別(two
denominatlons)があり,一を借主(the
いうまてもなく,「仕訳」(Jeurnahzmg)で
Debitor)といい,他を貸主(the Creditor)
あろう。周知のように,ベニス式簿記ないし
という。借主はthe receiver, the borrower
パチオリのrズムマ』以来の古典簿記書は,
のthe nameであり,貸主はthe dellverer,
仕訳ないし仕訳帳に関する限り,当初から,
the lenderのthe nameである」,「学習者
高度に専門技術的であった。ベニス式簿記の
たるものは,すべからく,このRulesを暗
忠実な継承の時代すなわち16世紀末頃まての
涌し(by rote)会得せよ」とするパチオリ
簿記書は,いずれの国のものでも,「懇切な
の踏襲てあり,ピール等の簿記書にしても,
解説書」というよりは,むしろ教条主義的な
大同小異である。
色彩の濃厚なものて,おおむね,極めて単純
Slmon Stevmの場合では, J. B.GeiJsbeek
44
Slmon StevlnとRichard Dafforne(久野)
(r前掲書』,p114)も指摘しているように,「仕
ら,Rules(その著者がそう名づけようとも)で
訳のルール」らしいものは,何も示してはい
ない。この点hl Richard Dafforneとは,ま
はなくて,むしろ,tyPical mstances『例題』
さしく,対照的である。
別論文《英米古典簿記書研究拾遺(承前)》
となる。
17世紀に出版されたRlchard Dafforneの
(r経済論集』第16巻・第3号)て紹介したスネル
The Merchants Mirrour’etc,1635.と
(Charles Snell,1670−1733)の簿記書The
The Apprentices Time−Entertainer Acco・
Merchant Countmg・House:etc.1718で
mptantly・etc,1670.とは,それまての簿
は,Rule 1∼Rule 69を示したが,これも,
記書に類例をみない極めて詳細かつ彪大な
ルールではなく,むしろtyplcal instances
「仕訳のルール」(“agreat mass of rules
r例題』の解説である。かかる形でのRules
for Journahzing”)を示した。前者にあって
の拡大には際限がない。
15対(30),後者にあっては実に30対(60)に
このように,Rulesを多岐・複雑化してい
のぼっている。
くくらいなら,より徹底して,r例題』と,
The Apprentlces Tlme−Entertainer Ac・
記帳の全体を仕訳帳,元帳および補助簿のす
comptantly:etc.の巻頭にあるJohn Daff・
べてに亘って雛形て具体的に示したr例題解
ome(Richardの息子)の序文“To rny loving
式』とを示し,他はすべて省略してしまう方
Friends, et‘”.の中で, The Merchants
がましてある。
Mirrour:etc.で示された「仕訳のルール」
“Rules of∠Atd”に言及しており, Dafforne
いずれにしても,DafforneやSnellに典
型的にみられたいわゆるRulesの拡大,多
のこのRulesが当時かなり有名てあったこ
岐・複雑化は,際限がない(endless)。また,
とがうかがえる。
学習者の立場からすると,暗諦せよ(by rote)
The Merchants Mlrrour:etc.の場合て
といわれてみても,困難を極め,かつ,馬鹿
は, “Rulesげazde, verPt reqUtSεte tn
気ている。Dafforneなとは,左右30対で60
Trades conttnuances, to be learned Wtthout
のRulesを示してはみたものの,いささか
booke.”として示されており, The Appren・
気がさしたのか,The Apprentices Tlme・
tlces Time・Entertainer Accomptantly:
Entertalner Accomptantly:etc.のThe
etc.の場合ては,“The Rules of Aid.1>bw
Rules of Ald.の末尾ては,やや簡略化した
follow the 60 Rules of Atd, dePendεng
前者の実況および後者の冒頭と末尾の個所を
Rulesとして,他の著者達の例を示してい
る。その一はJohannes(loannes)Bumgha
の簿記書(1627)てあり,他はJacob van
参考のために前頁に掲示しておこう。
der Scheure(Schuere)の簿記書(1634)で
この両者の対比からすぐわかるように15対
ある。Dafforneはそれぞれ英訳して次頁の
uPon the Premtses”として示されている。
のRulesは,一般化した仕訳のルールとし
ように紹介している。
ての性格が明確であるが,その反面,抽象的
Ioannes Buinghaの簿記書とは, Oprecht
て理解し難い面をもっている。30対のいわゆ
fondament ende prlnclpalen inhout van het
るRulesは,厳密にいえばルールとはいい
Itallaens Boeckhouden, etc., Amsterdam,
難く,むしろ,開始(開業)から総括balan・
1627.であり,Jacob van den Schuereの
cingに至る全取引,その典型的な事例をえ
簿記書とは,Kort onder・rlcht over het
らんだ仕訳の具体的な説明である。そこて,
Italiaens Boeckhouden,1634.てある。
このような傾向が進めば,当然のことなが
「仕訳」は,簿記の技術の中核てあり,永
45
く簿記教育の主眼目となってきた。資本等式
(“agreat mass of rules”)。そして,これら
説とくにそのいわゆる「代数学的な解説」が
のルールを暗説させることに終始するように
登場する以前は,一般的な傾向としては,初
なる。これては,ルールの数の増大に比例し
期の極く単純化された「仕訳のルール」から
て,学習者の苦痛も甚しくなり,たまったも
出発して,次第にルールの数が増大していく
のてはない。そこて口諦し易いような工夫と
1膿騰蟹β吻加inhisb°°kpdntedin翻627h1Sw°1d$
The cllie照D’Sit・・’andσγ8♂’ω痂aU B。。k・keep量ng
are・conta葦ned in there Rules,
〃ke t乃e Debitor i .erのジρ’乃. 〃%o t乃t Creditor is, er tpyV7 124v’.
t.“.翻畿e蝿融こ:ゴ
3.What we buy−・一一一一剛
3・Ofwh・mwe buy−一・
4.Unto whom we fell
li鰍欝雛≡i騰撚撚纏≡卜1
9・ 】i「rom Whom we in∫fu re I”fhrance−reckon…ng
10・WLat we驚11d aWay
l3:撫鵯謡1豊晶雛叢1
塞1・Thaヒby which is 10氏・
12,1’rofit and Lere._顧繭_」
12,Ptofit and ]Lofs,
7”oム脚〃’er S‘乃8∬r8 in hls book printed in/6’,.1634Wliしe匡h thefヒwords3
謡朧齢匙盈齪f惚織謡糠撫黙L鵠,lle“
fl。 Whaにwe have−− r置・W1竃ence iにarifeth−
1:融潔讐麗veth 2・影}臨認織舗こ’’”ny
4。W11ユじwe obごain 一_.一._ Of whOm wc obごain
・h醜灘細臨離灘謂鑑纒灘b雛
46
Slmon StevmとRlchard Dafforne(久野)
して,verse r韻文詩」の形式が流行するよ
を示している。
うになる。
In Brtefe,
前世紀に入ってからは,ケリー(P.Kelly)
The Ower, or the Owεng thtng,
の簿記書(Elements of Book・keeping,1801,
Or what・so。ever‘omes to th ge:
P・7)に,次のような記述と,なかなかもo
u♪on thεLeft・hand see thou brtng;
てスマートなverseがみられる。
For there the same mecst Pla‘ed bee.
“Journalizing is however, found the
But
most di伍cult part of Book・Keeping, and
thePt unto wゐom thou doest伽θ,
di伍culty ls probably encreased by the
UPon the Rtght let them bee 5θ彦;
multiplicity of Rules generally given on
Or what・50・ere doth!Yom thee goe,
the sub」ect.”
To Pla‘e them there doe not forget.
“These I have here compriced in a Kind
of Verse, to assist the Memory of the
(5) Bal18nce Booke
Learner.”
Richard Dafforneは, The Merchants
By Journal Laws−what I receive,
Mirrour:etc.の本文51頁のNOTA(庄記)
Is Debtor rnade, to what I gwe;
で,次のような注目すべき記述をしている。
Stock for my Debts must Debtor be
“Or if you will not make a Ballance
And Creditor by Property;
account m your Leager, you may let
Profit and Loss Accounts are plain,
your Ballance・booke bee your prlvate
Idebit Loss, and credit Gain.
contentement;and transport each Ballance
ディーガン(P。Deighan, A Complete
New:avoiding your Ballance・writing into
Treatise on Book・Keeping, etc.,1807. p.
the Journall, both at the End of the Old
v)は,主語を1からWeにかえ,そっくり
Leager, or Begming of the New;etc.”
準用している。
ここては,旧元帳の締切と新元帳への繰越
parcell out of the Old Leager lnto the
米人のメーヒュー(1.Mayhew, Mayhew’s
をのべているわけであるが,これを期末と次
Practical Book−Keeping etc.,1851. Art.
期々首におきかえて,近現代風な 一一般的な課
273∼80)は,主語を1からYouにかえて,
題として考察すると次の手順が考えられる。
そっくり準用している。もっとも,メーヒュ
(その1)
ーの場合では,ケリーのまねか,ディーガン
④ 期末に残高(閉鎖)勘定を開設する。
のまねか,今となってはさだかではない
@ 仕訳帳面で,この残高勘定を相手科目
として,資産諸勘定を貸方に,負債・資本諸
が。
Richard Dafforneは,彼の2種の簿記書
勘定を借方に,それぞれ仕訳する。
によって,多岐・複雑な「仕訳のルール」を
㊨ 仕訳帳から元帳に転記して,資産・負
示し,また,Buingha, Schuereの両簿記書
債および資本の諸勘定を締切る(正確にいえば,
から引用して簡明化した「仕訳のルール」を
CIOSmg entryてなくbalanCmg&rullng entry)。
紹介するとともに,The Merchants Mirro・
⇔残高勘定の貸借は均衡する。
ur:etc.の“Of The Leager”の本文の解
(*)次期々首の開始記帳は,仕訳帳面で,
説文中に,元帳の1丁(左右頁)に開設の各勘
資本勘定を相手科目として,資産諸勘定を借
定口座への記入に関して,次のようなverse
方に,負債・資本諸勘定を貸方に,それぞれ
47
仕訳する。
‘‘upon a Paper, or in a Booke thereto
㈹ 仕訳帳から元帳に転記して,資産・負
prepared”
債および資本の諸勘定を繰越す。但し,この
場合,資本勘定の貸借の記帳は,諸ロとして
つまり,各勘定のBal1anceを一表(a
Paper)に集めてもよいし(彼はBallance
それぞれ合計額て示すこともある。
Sheetという用語は採用していない),一帳(a
(ト)残高(開始)勘定を開設するという方式
Booke)に集めてBallance Bookeを作って
は,英書でみる限り,極めて初期のもの以外
もよいわけである。
はみられない。
第240項ては,元帳の締切に言及して,銀
(その2)
行勘定の残高,現金勘定の残高等をBallance
(イ)期末に残高(閉鎖)勘定を開設する。
Bookeに送記し,損益勘定の貸借差額を資
(ロ)資産・負債およひ資本の諸勘定からこ
本勘定に振替えて締切り,さらに,資本勘定
の残高勘定への振替は,直接ロ座間振替の方
の貸借差額(正味財産在高・Summe。f your
式による。ただし,この場合,事前に各勘定
Estate)をBallance Bookeに送記する手続
の残高を集めて一表(aSheet)を作り,検
を解説している。
算をして確認をしておく。この表を「残高
Da{fome の場合は, Ballance Paper
(Balance)表(Sheet)」とよぶ。あるいは,
(Sheet)とBallance Booke(の機能)を同
Balance Proof(検算)Sheetともいう。
一視しているわけてあるが,似かよった他の
㊨ 次期々首の開始記帳は(その1)に準
例でいえば,Inventory SheetとBook of
ずる。
Inventoryがある。この楊合も, Sheetと
以上の手順を,世間では,一般に「大陸式
いいBookといっても同じもので,いずれも,
決算法」という。わが国の簿記テキストては,
日本語でなら「財産圓録」である。後者につ
これと対比して,いわゆる「英米式決算法」
き,わざわざ「財産目録帳」といわなくとも
が解説されている。この両方法の史的展開過
よい。明治(初期)にそうよんだ例はあるが。
程と問題点については,別に再三にわたって
前掲のRlchard DafforneのNOTAの記
論じているので省略する。
述にもどって考えてみると,“your prlvate
先掲のRlchard DafforneのNOTAの
contentement”とある箇所がどうも判然と
小文は,多少とも文意に曖昧なところもある
しないが(JBGeiJsbeekは, prlvate lnform
が,世間ていう「英米式決算法」への方向を
atlonと解した。『前掲書』139頁), Ballance
相当程度示唆する見解のようにも思える。そ
Booke,つまりBallance Paper(Sheet),
のゆえんにつき敷彷してのべる。
さらに一般的にいえば「繰越試算表」,を用
彼のいうBallance Bookeにつき,彼自
いることによって記帳の継続性を確保した上
身の説明をきこう。r前掲書』第218項から第
で,旧元帳の締切と新元帳への繰越,一般的
221項てBallance(Triall or True)を解説
にいえば期末の締切と次期々首への繰越を,
しているのであるが,その中で,Ballance
直接各勘定口座面で行なおうとするわけであ
Paper or Ballance Bookeの記述が,次の
る。ここまでくれば,まさしく,世間ていう
ような形で出てくる。
「英米式決算法」である。
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