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1 ベトナム 発明と実用新案に関する産業財産細則 発明と実用新案

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1 ベトナム 発明と実用新案に関する産業財産細則 発明と実用新案
ベトナム
発明と実用新案に関する産業財産細則
発明と実用新案に関する産業財産権の確立手続の実行について定める 2003 年 11 月 5 日省
令 No.30/2003/TT-BKHCN
2003 年 11 月 27 日施行
目次
第 I 章 一般規定
第 1 条 用語の定義
第 2 条 書類の証明
第 3 条 主体の名で発明/実用新案登録手続を行うことのできる者
第 4 条 発明/実用新案登録手続の実行の委任
第 II 章 出願及び出願の処理
第 1 節 出願
第 5 条 出願の方式要件
第 6 条 出願の実質的要件
第 2 節 出願書類の提出と受領
第 7 条 出願書類の提出
第 8 条 出願書類の受領
第 3 節 出願の方式審査
第 9 条 方式審査の目的と内容
第 10 条 公式に受理される出願
第 11 条 方式審査期間中の出願書類の欠陥の処理
第 12 条 出願日の決定
第 13 条 優先日の決定
第 14 条 出願の公式受理通知
第 15 条 出願の公式受理の拒絶
第 16 条 方式審査の期限
第 4 節 出願の公開
第 17 条 公式に受理された出願の公開
第 18 条 出願公開の期限
第 19 条 公開する事項
第 20 条 公式に受理された出願についての詳細情報の入手
第 5 節 出願の実体審査
第 21 条 発明,実用新案についての実体審査の請求
1
第 22 条 実体審査の目的
第 23 条 実体審査の過程における調査結果の使用
第 24 条 第三者の提出した意見の考慮
第 25 条 方式上の欠陥の補正及び/又は出願内容の説明の要求
第 26 条 実体審査の停止
第 27 条 実体審査の停止についての審判請求;実体審査の再開
第 28 条 特許保護基準によるクレーム対象の特許可能性評価の内容及び手続
第 29 条 実体審査の結果の通知
第 30 条 実体審査の期限
第 6 節 出願の補正
第 31 条 出願の補正,補充,分割,譲渡及び変更
第 III 章 保護基準に基づくクレーム対象の評価
第 32 条 クレーム対象の発明/実用新案特許付与に必須の基準への適合性の評価
第 33 条 クレームされた技術的解決の利用可能性の評価
第 34 条 クレームされた技術的解決の新規性の評価
第 35 条 クレームされた技術的解決の進歩性の評価
第 36 条 技術的解決の特許可能性についての結論;保護範囲の決定
第 IV 章 保護証書の付与,登録,不服,停止及び無効
第1節 保護証書及びその副本の付与及び再発行
第 37 条 保護証書の付与
第 38 条 保護証書副本の発行及び再発行又は保護証書の再発行を請求する権利
第 39 条 保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求に係る一件書
類
第 40 条 保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求に係る一件書
類の処理
第 2 節 国家登録及び保護証書付与決定の公告
第 41 条 発明/実用新案の国家登録簿
第 42 条 保護証書の付与決定の公告
第 3 節 保護証書付与手続における審判請求
第 43 条 審判請求の権利を有する者,審判請求の対象及び期間
第 44 条 審判請求の一件書類
第 45 条 審判請求人の責任
第 46 条 審判請求の取下
第 47 条 審判請求の一件書類の処理
第 48 条 利害関係人
2
第 49 条 審判請求についての決定
第 50 条 審判請求に対する決定の効力
第 4 節 保護証書の効力停止,無効
第 51 条 保護証書の効力停止若しくは無効の請求権
第 52 条 保護証書の効力停止又は無効の請求の一件書類
第 53 条 保護証書の効力停止又は無効の請求における一件書類の処理
第 V 章 発明/実用新案特許の国際出願
第 54 条 知的財産権庁における手続
第 55 条 受理官庁
第 56 条 言語
第 57 条 国際調査機関と国際予備審査機関
第 58 条 ベトナムを指定国とする国際出願
第 59 条 ベトナムを選択国とする国際出願
第 60 条 優先権の主張
第 61 条 国内手続における書類の補正及び補充
第 62 条 国際出願の処理開始時点
第 63 条 国際出願の審査
第 64 条 国際出願のみなし取下
第 65 条 手数料
第 VI 章 保護証書の補正,効力の維持
第 1 節 保護証書の補正
第 66 条 保護証書の補正を求める権利
第 67 条 保護証書補正の請求
第 68 条 一連の保護証書の補正請求
第 69 条 保護証書補正請求に係る一件書類の処理
第 2 節 保護証書の効力維持
第 70 条 効力維持の手数料
第 71 条 有効年度計算方法
第 72 条 保護証書の効力維持の記録
第 73 条 保護証書の効力の回復,効力停止の法的効果
第 VII 章 手数料の徴収と返還;所定期間の延長と短縮
第 74 条 手数料の徴収
第 75 条 手数料の返還
第 76 条 手数料返還の方法
第 77 条 期間の延長
3
第 78 条 期間の短縮
第 VIII 章 雑則
第 79 条 産業財産権に関する公的義務を履行する者の責任
第 80 条 不服申立
第 81 条 産業財産権登録手続を実行する規則
第 82 条 施行
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第 I 章 一般規定
第 1 条 用語の定義
1.1 本省令(以下「本細則」という。)で使用する用語は,次の通り解釈するものとする。
(a) 「政令」とは,産業財産権に関する 2001 年 2 月 1 日の政令 No.06/2001/ND-CP によっ
て改正された産業財産権の規則について詳細に定める 1996 年 10 月 24 日の政令 No.63-CP
をいう。
(b) 「発明特許出願」とは,発明について特許付与を求める出願をいう。
(c) 「実用新案特許出願」とは,実用新案について特許付与を求める出願をいう。
(d) 「出願」とは,発明特許出願又は実用新案特許出願の何れかをいう。
(e) 「国際出願」とは,1970 年にワシントンで結ばれ 1984 年に改正された特許協力条約(以
下「PCT」という。)に従ってされる発明又は実用新案の国際登録を求める出願をいう。
(f) 「出願人」とは,出願の名義人である団体又は個人(以下「主体」ということもある。)
をいう。
(g) 「発明/実用新案登録手続」とは,発明及び実用新案についての産業財産権の確立のた
めの手続その他の関係手続をいう。
1.2 その他の用語は政令における定義に従って解釈されるものとする。
第 2 条 書類の証明
2.1 書類の原本の証明
発明/実用新案登録手続の過程において,手続書類の原本は,作成名義人たる主体により次
の規定に従って証明されるものとする。
(a) 書類の作成名義人たる主体が個人である場合は,当該個人又はその権限ある代理人の署
名及び完全名称が当該書類に付されること,又は
(b) 書類の作成名義人たる主体が証明のために登録済み印鑑を使用することが義務付けられ
ている団体の場合は,その押捺とともに当該団体の法律上の代表者の署名が当該書類に付さ
れること
2.2 複写書類の証明
(a) 何らかの複写手段によって作成された複写書類は,発明/実用新案登録手続の実行の過
程で公式の書類として使用することができるためには,本細則 2.2(b)に従って原本の正謄本
として,これを証明しなければならない。
(b) 複写書類は,それが次の何人かによる証明を含むときは,原本の認証謄本と認められる。
公証人,人民委員会,その他所轄当局,原本の作成名義人である関係取引の主体(該当する
者全員)又はその権限ある代理人。複写書類が複数頁から成り,かつ,その証明のために登
録印鑑の押捺を要する場合は,証明は各頁に又は連続する頁に跨って登録印鑑を押捺するこ
とによって行うことができる。
2.3 翻訳文の証明
(a) 書類のベトナム語翻訳文は,発明/実用新案登録手続の実行の過程において公式の書類
として使用することができるためには,本細則 2.3(b)に従って原本の逐語翻訳文であること
を証明しなければならない。
(b) 書類の翻訳文であることは,次の何れかの方法で証明することができる。
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- 公証人の証明
- 書類の作成名義人(該当する者は全員)たる主体による証明
- 関係の手続遂行において当該翻訳文を検査する責任を負う当局による認定
第 3 条 主体の名で発明/実用新案登録手続を行うことのできる者
3.1 本細則 3.2 及び 3.3 の規定により資格を有する者のみが,知的財産権庁及びその他の所
轄当局において主体の名で発明及び実用新案登録の手続を行うことができる。
知的財産権庁及びその他の所轄当局は,前記の有資格者との間でのみ取引を進めることがで
き,このような者との手続のみが関係主体との正式な取引とみなされる。
3.2 主体が政令第 15 条(2)及び(3)(a)に基づいて出願し,かつ,関係手続を進める権利を有
する場合は,次に掲げる者が当該主体の名において知的財産権庁又はその他の所轄当局にお
いて発明又は実用新案の登録手続を行うことができる。
(a) (主体が個人である場合)関係主体である個人又はその代理人
(b) (出願人が法人又はその他の団体である場合)主体の法律上の代表者,主体の法律上の代
表者によって委任された主体の個々の構成員,又は主体の法律上の代表者によって委任され
た主体の代理店若しくはその支店の長
(c) 主体が外国人の場合は,主体を代理する権限を付与されたベトナム代理店の長,又は主
体が外国人の場合は,主体を代理する権限を付与された主体のベトナムにおける 100%出資
子会社の法律上の代表者
(d) 主体が個人,法人又はその他の団体による組織体である場合は,本細則の 3.2(a),3.2(b)
又は 3.2(c)により手続実行の資格を認められた者であって,個人で構成する集団については
その構成員,法人その他の団体であって共に主体の名の下に存在するものの集団については
かかる集団の構成要素である団体に属する者。ただし,当該の者が,主体を代表することを
他の構成員全員から委任されることを条件とする。
3.3 政令第 15 条(3)(b)の下に主体が産業財産権代理人機関により手続を進める必要がある場
合を含め,ある者が出願及び関係手続の実行を産業財産権代理人機関に委任する場合は,委
任状において出願人が指定する当該産業財産権代理人機関の法律上の代表者又は授権された
代理人のみが本細則 3.1 に定める手続を実行することができる。
第 4 条 発明/実用新案登録手続の実行の委任
4.1 発明/実用新案登録手続の実行の委任及び委任された行為の実行は,民事契約及び委任
契約についての民法の規定並びに本細則の規定に従ってされるものとする。
4.2 発明/実用新案登録手続の実行の委任は書面(委任状の様式)でされるものとし,それに
は少なくとも次に掲げる情報を含めなければならない。
(a) 委任者の完全名称及び完全住所
(b) 受任者の完全名称及び完全住所
(c) 委任の範囲(受任者が委任者の名で行うことのできる受任行為)
(d) 委任状の発行日
(e) 委任状発行者の署名及び/又は印影(印鑑を有する場合)
(f) 委任の期限
委任状に委任期限が明示されていない場合,委任は,委任者が委任の終了を宣言するまで効
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力を持続するものとする。
4.3 受任者は,本細則 3.2 により発明/実用新案登録手続を実行する資格を認められる者又
は産業財産権代理人機関でなければならない。
4.4 委任に基づき発明/実用新案登録手続を行うに際し,受任者は委任状の原本を提出しな
ければならない。委任の範囲に変更があった場合,又は委任期限の満了前に委任が終了した
場合は,その旨を書面により知的財産権庁又はその他の所轄当局に通知しなければならない。
当該委任範囲の変更又は委任の終了は,所轄庁が前記の通知を受け取った日から効力を生じ
る。
4.5 複数の手続に関連して各種の行為を委任する委任状の原本が知的財産権庁に提出された
場合において,後続の受任行為を行うときは,受任者は,当該委任状原本を含む一件書類の
連続番号及び提出日を明確に表示しなければならない。
第 II 章 出願及び出願の処理
第 1 節 出願
第 5 条 出願の方式要件
5.1 出願は,次の方式要件に従ってしなければならない。
(a) 本細則 5.2 及び 5.3 の規定により他の言語による出願が許される場合を除いて,すべて
の出願書類はベトナム語で作成する。
(b) 出願書類は,A4(210mm×297mm)の用紙の片面に各辺 20mm の余白を設けて縦向きに
作成する。(ただし,設計図その他の図面,チャート及び表は横向きに作成することができ
る。)この規則は,本来出願書類として作成されたものでない補助資料には適用されない。
本細則 6.2(b)に規定される発明若しくは実用新案の明細書(以下「明細書」という。)の各頁
は最大 450 の単語を含むことができる。
(c) 書類が所定の様式に従う必要がある場合は,書類は所定の様式の各欄に記入する方法で
作成する。
(d) 書類が複数の頁で構成される場合は,各頁にアラビア数字で頁番号を付す。
(e) 出願書類はすべて,抹消及び訂正なく明瞭にタイプ書するか,又は色褪せし難い印刷に
より作成する。
(f) 出願書類において使用する用語は,慣用語とする。出願書類において表示するすべての
記号,測定単位及び文字電子フォントはベトナムの標準に適合するものでなければならない。
(g) 出願書類には,出願書類の全部若しくは一部に対応する電子データを含む媒体の形での
補助資料を添付することができる。かかる補助資料の様式は,知的財産権庁が発行する書類
の様式に関する規則に従わなければならない。
5.2 次の書類は,ベトナム語以外の言語でも作成することができる。ただし,ベトナム語翻
訳文を添付しなければならない。
(a) 委任状
(b) 出願人が他人から出願の権利を得た場合は,当該権利の正当性を証明する書類(例えば,
相続証明書,既にされた出願の権利の譲渡を含め,出願する権利の譲渡証若しくは譲渡契約
書,雇用契約書,又は労働契約書等)
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(c) 優先権を証明する書類(例えば,先の出願の出願書類の写しであることを証明する受理官
庁による証明書,物品展示証明書,優先権が他人から譲渡された場合における優先権譲渡証
等)
5.3 次に掲げる書類はベトナム語以外の言語でも作成することができる。ただし,知的財産
権庁が要求する場合はベトナム語翻訳文を添付しなければならない。
(a) 優先権の享受を証明する先の出願の書類の写し
(b) 出願の正当性を支えるその他の補助資料
第 6 条 出願の実質的要件
6.1 出願は,政令第 11 条(2)に定める単一性の要件を満たさなければならない。出願は,次
に該当する場合,単一性の要件を満たすとみなされる。
(a) 1 の対象をクレームする場合,又は
(b) 技術的な相互関連性を有していて単一の創造的理念を表現する一群の対象をクレームす
る場合。例えば,
- 1 の対象が他の対象の作成,製造,創造又は調製のために使用される関係にある場合(例
えば,ある物品若しくは物質が,当該物の全体若しくは一部を製造若しくは調製するために
用いられる方法と一群をなしている場合)
- 1 の対象が他の対象を実行するために使用される関係にある場合(例えば,ある方法が,
当該方法を全面的に又は部分的に実行するために用いられる物品と一群をなしている場合)
- 1 の対象が他の対象を構成する要素として用いられる関係にある場合(例えば,ある方法
が,当該方法の実行に必要な物質と一群をなしている場合,ある方法又は物品が,全体的構
成の 1 要素と一群をなしている場合,又は新機能を備えた物品若しくは物質の使用が,新
機能を備えた物品若しくは物質の使用方法と一群をなしている場合)
- 同一の内容を有し同一の機能を備えた異なる対象が,共通の目的を達成するために一群
をなしている場合(1 の技術的解決を実現する複数の発明/実用新案)
6.2 出願書類は次のものを含まなければならない。
(a) 発明/実用新案特許を求める願書。これは,本細則の別添の様式で作成しなければなら
ない。
(b) 説明書,クレーム,図面,ダイヤグラム,計算等(これらは,説明書において開示され
ている技術的解決の内容を更に明確にするために要求される。)を含め,特許を求める発明
/実用新案の明細書
(c) クレームされた発明/実用新案の要約書(以下「要約書」という。)
(d) 委任状(産業財産権代理人機関を通じて出願する場合)
(e) 出願が国際条約に基づく優先権を主張してされる場合は,最初の出願書類の写し又はク
レームされた発明/実用新案の展示を証明する書類の写し
(f) 出願手数料,出願公開手数料,優先権主張手数料(優先権が主張される場合),実体審査
の手数料(出願人が実体審査を請求する場合)及び発明/実用新案の分類手数料(出願人が,出
願に際して,クレームされた発明/実用新案の分類を完成させていない場合)の納付証
6.3 本細則 6.2 に列挙された書類は,同時に提出しなければならない。ただし,次に掲げる
書類は,出願日から 3 月以内に提出することができる。
(a) 6.2(b)及び 6.2(c)に定める書類のベトナム語翻訳文。ただし,それらの英語版が出願書類
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に含まれていることを条件とする。
(b) ベトナム語翻訳文も含め,本細則 6.2(d)に定める書類の原本。ただし,当該原本の写し
が出願に際して提出されていることを条件とする。
(c) 本細則 6.2(e)に定める書類,及び知的財産権庁が要求する場合は,そのベトナム語翻訳
文
6.4 出願書類において提供されている情報の真実性について疑い(情報,証拠)がある場合は,
知的財産権庁は,疑わしい情報の真実性を確認する書類,特に出願人が他人から出願権を取
得した場合において出願権を証明する書類(例えば,相続証明書,出願する権利の譲渡証若
しくは譲渡契約書,雇用契約書,又は労働契約書等)及び明細書において述べられている医
薬品発明に関して人,動物又は植物に対してされた実験の結果を示す書類(クレームされた
対象が人,動物又は植物に用いる医薬品である場合)を要求日から 1 月以内に提出するよう
出願人に対して要求することができる。
6.5 願書において,出願人は,クレームされた技術的解決についての発明の国際分類による
分類インデックスを表示するものとする。(ストラスブール協定に従う。)出願人が発明の分
類インデックスを表示しないか又は誤って表示した場合は,知的財産権庁は,職権により発
明の分類を行うものとし,出願人はこれに対して所定の手数料を納付する義務を負う。
6.6 明細書中の説明書においては,クレームされた技術的解決の内容を十分に開示しなけれ
ばならない。説明書においては,関係する技術分野において平均的熟練度を有する者が表示
された技術的解決を実施するのに十分な程度に関連する情報を提供しなければならない。ま
た,説明書においては,クレームされた技術的解決の新規性,進歩性(クレームの対象が発
明である場合)及び利用可能性を明らかにしなければならない。
説明書は,次の情報を含むものとする。
(a) クレームされた対象又はクレームされた主たる対象(以下「クレーム対象」という。)の
名称
(b) クレーム対象が利用され又は関係する分野
(c) もしあれば,出願時における関係分野の技術水準(知られている類似対象)
(d) クレーム対象の内容。特に,当該クレーム対象の表示(特徴)及び既に知られている類似
の技術的解決と比較しての新規性(特徴)を明示しなければならない。
(e) 付属図面(あれば)の簡単な説明
(f) クレーム対象を実行するための諸態様についての詳細な説明
(g) 必要であれば,クレーム対象の実施例
(h) 必要であれば,クレーム対象の適用によって得られる利益(効果)
6.7 クレームは,当該発明又は実用新案についての保護の範囲を決めるために用いられる。
クレームは,説明書及び図面と一致して,かつ,次に述べる要件を満たして,簡潔明瞭に記
載しなければならない。
(a) クレームは説明書に従って十分に明らかにしなければならない。すなわち,説明書で開
示されている表示は,クレーム対象を特定し,表示された目的を達成し,またクレーム対象
を既に知られている類似の技術的解決から区別するのに必要かつ十分な程度にクレームにお
いて列記しなければならない。
(b) クレームは,ヌクレオチド,アミノ酸配列,干渉図及び状態ダイヤグラム等,言葉で正
確に説明することができない部分に必要な場合を除いて,説明書や図面への言及に頼っては
9
ならない。
(c) クレームは 1 個の完全な文章で記述され,かつ,(選択的に)「限定」と「独自性」の 2
部分で構成されるべきである。すなわち,
- 「限定」部分には,クレーム対象の名称,及び知られている最新の対象の表示と同一の
表示を記載し,「によって区別される」,「によって特徴付けられる」等の言葉によって「独
自性」部分につなげられるものとする。
- 「独自性」部分には,知られている最新の技術的解決の特徴と比較してのクレーム対象
の独自の表示を記載し,
「限定」部分の表示と併せ,クレーム対象を構成する。
(d) クレームは単一クレーム又は多重クレームとすることができる。
多重クレームは,次の何れかを表すのに使用することができる。
- 最初のクレームから成る単一のクレーム対象(「独立クレーム」という。)及びこの独立
クレームを補充し,明確化し,また展開する 1 又は複数のクレーム(「従属クレーム」とい
う。),又は
- 各々が 1 のクレーム対象を表す複数の独立クレームから成る一群のクレーム対象。これ
らの各々について 1 又は複数の従属クレームを伴うことができる。
(e) 各クレームにはアラビア数字による連続番号が付され,番号の直後にピリオドを付すも
のとする。
(f) 一群のクレーム対象を表すのに使用する多重クレームは,次の要件に従って提示するも
のとする。
- それぞれが別々のクレーム対象を表す各独立クレームは,他のクレームの内容の繰り返
しを避けるために必要な場合を除いて,他のクレームに言及してはならない。
- 従属クレームは,それらが従属する独立クレームに続けて記載しなければならない。
(g) 出願書類に図面が含まれる場合,クレームにおいて図面に言及するには,参照用番号を
角括弧付きで示すことができる。
6.8 要約書(150 語以内)は,発明又は実用新案の内容を簡潔に公表するために使用される。
要約書は,かかる目的のために,クレームされた技術的解決の主要な内容を開示するもので
ある。要約書には代表的な図面及び/又は公式を含めることができる。
6.9 説明書,図面,クレーム,要約書及びその他の出願書類は,科学技術省の発出する出願
及び発明/実用新案登録手続についての規則に定める出願の様式及び内容に関する詳細要件
に従わなければならない。
6.10 生物工学に係る出願の要件
(a) 本細則 6.6 に定める説明書において遺伝子配列又はその一部を提示する方法に関する一
般的要件とは別に,説明書は,WIPO 基準 ST25 第 2 条(ii)(特許出願におけるヌクレオチド
及びアミノ酸配列表の表示に関する基準)に従った遺伝子配列表を含まなければならない。
(b) 知的財産権庁は,出願人に対して,説明書に記載の配列表と同一のヌクレオチド又はア
ミノ酸配列を含む通常の電子手段で読取り可能な電子データ収納媒体(例えば,フロッピー
ディスク,光ディスク等)を提出するよう出願人に要求することができる。
(c) 説明不可能であるか又は生物工学分野における平均的熟練者が実施可能な程度に説明す
ることができない生物材料についての発明若しくは実用新案は,次に掲げる要件を満たすと
きは,十分に開示されたとみなされる。
- 当該生物材料のサンプルが,出願日以前に本細則 6.11 に規定される寄託機関に寄託され
10
ること
- 説明書において,出願人が,当該生物材料の特徴に関する必要情報であって出願人が入
手することができる限りのものを開示していること,及び
- 願書において,出願人が,当該生物材料が寄託されている寄託機関の名称及び当該寄託
機関が交付した当該生物材料の寄託番号を明確に表示していると共に,当該情報の証明書を
優先日から 16 月以内,又は出願の早期公開請求(あれば)の日以前に知的財産権庁に提出し
ていること
(d) 出願人が生物材料の寄託者以外の者である場合は,寄託者の名称及び住所を願書に明確
に表示すると共に,当該生物材料の合法的な使用の証明書を優先日から 16 月以内,又は出
願の早期公開請求(あれば)の日以前に知的財産権庁に提出しなければならない。
6.11 生物材料の寄託
(a) 生物材料の試料の寄託は,生物材料に係る出願の実体審査に役立てられる。
(b) 生物材料の試料の寄託は,当該生物材料に係る出願の出願日以前に行う必要がある。
(c) 寄託機関(科学技術省が指定する。)は,科学技術省が発出する生物材料の寄託に関する
規則に従って寄託者から提出される生物材料を受領し,かつ,保管する。
第 2 節 出願書類の提出と受領
第 7 条 出願書類の提出
出願書類は,知的財産権庁又は知的財産権庁が設置する他の受領機関に対して提出すること
ができる。出願書類は,前記の機関へ書留郵便で送付することもできる。
第 8 条 出願書類の受領
8.1 出願書類を受領したときは,知的財産権庁は,次の行為を行う。
(a) 願書に記載の提出書類の一覧に不備がないかを調べること
(b) 願書に記載の提出書類の一覧と実際に提出された書類に相違がないかを調べること
(c) 本細則 8.2 に従い出願を受理するか否かを判定するために出願の予備審査を行い,受理
要件が満たされている場合は,願書に出願日を含む受理スタンプを押捺すること
(d) 出願書類の受領証を出願人に交付すること。受領証には,出願日と出願番号を証明する
スタンプ,書類のチェックリスト,当該出願を受領した係官の完全名称及び署名が付される
ものとする。
8.2 知的財産権庁は,次に掲げる必要書類の要件の何れかが不備な出願を受理してはならな
い。
(a) 出願人の名称及び住所が記載されている願書
(b) クレームが含まれている明細書
(c) 出願手数料の納付証
8.3 提出日から 15 日以内に出願書類が受理されない場合,知的財産権庁は拒絶通知書を出
願人に発行するものとする。拒絶通知書には,拒絶の理由,及び出願人が出願書類の欠陥を
補正するための 2 月の期間(通知日から起算する。)を明記しなければならない。
出願人が,指定された期間内に本細則 8.2 に定めるところに従い完全に補正された書類の提
出を完了した場合は,かかる補正書類提出の完了日が出願書類の受領日となる。
11
出願が拒絶された場合,知的財産権庁は出願書類を出願人に返却しない。ただし,納付済み
の手数料は本細則の手数料返還手続に従って返還されるものとする。
第 3 節 出願の方式審査
第 9 条 方式審査の目的と内容
出願の方式審査とは,出願を公式に受理することができるか否かの結論を導くための基礎と
して,当該出願が出願の方式要件を充足しているかを審査することである。
公式に受理された出願は更なる手続に進む。受理することができないと公式に判定された出
願は拒絶される。(その後の手続はされない。)
第 10 条 公式に受理される出願
10.1 出願は,次の何れにも該当しない場合,公式に受理されたとみなされる。
(a) 本細則 5.2 及び 5.3 に定めるものを除いて,出願書類がベトナム語以外の言語で作成さ
れている場合
(b) 願書に,発明者若しくは考案者,出願人及び/又はその代理人若しくは代表者について
要求される完全情報,及び出願人及び/又はその代理人若しくは代表者の署名及び/又は印
影の何れかが欠けている場合
(c) 出願人に出願する法的権利が欠けていると認めるに足る理由が存在する場合
(d) 出願が政令第 15 条の規定に従ってされていない場合
(e) 明細書又は要約書が英語で作成された場合において,出願人が本細則 6.3 に定める期限
内にベトナム語翻訳文を提出していない場合
(f) 委任状が本細則 6.3 に定める期限内に提出されていない場合
(g) 出願書類に本細則第 11 条に規定する出願の有効性に影響する欠陥が存在する場合にお
いて,知的財産権庁からの補正要求があったにも拘らず,出願人が補正を行わなかったか又
は要求に応じる十分な補正を行わなかったとき
(h) 出願書類に記載のクレーム対象が民法第 787 条及び政令第 4 条(4)による特許可能対象
の範疇に含まれないことを速やかに確認する理由が存在する場合
10.2 多重クレームを含む出願が本細則 10.1(h),11(a)及び 11(d)の規定に該当する場合にお
いて,当該欠陥が出願書類に記載のクレーム対象の一部にのみ係る場合,当該出願は部分的
に拒絶されたとみなされる。(すなわち,欠陥の存在する対象に係る出願部分のみが拒絶さ
れたとみなされ,欠陥の存在しない対象に係る出願部分は公式に受理されたとみなされる。)
第 11 条 方式審査期間中の出願書類の欠陥の処理
11.1 出願書類における次の欠陥は方式審査期間中に補正することができる。
(a) 出願が単一性要件を満たさないこと
(b) 出願が様式上の提出方式の要件を満たさないこと
(c) 出願人の情報につき,提出書類間で不一致が存在すること及び/又は抹消の跡が存在す
ること及び/又は関係規則によって要求される証明書を伴っていないこと
(d) 出願手数料,出願公開手数料及び発明/実用新案分類手数料(知的財産権庁がこの作業
を行う場合)が完全に納付されていないこと
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11.2 知的財産権庁は,11.1 に定める出願書類の欠陥について出願人に通知し,出願人は当
該欠陥を通知日から 2 月以内に補正するものとする。
第 12 条 出願日の決定
12.1 出願書類が知的財産権庁に到達して,願書に押された受領印において記録される日が
出願日となる。
12.2 ベトナムを指定国及び/又は選択国とする国際出願であって,本細則第 58 条又は第 59
条に定める要件を満たすものについては,国際出願の出願日がベトナムでの出願日となる。
第 13 条 優先日の決定
13.1 出願に優先権の主張が含まれない場合,又は優先権の主張が含まれるがそれが知的財
産権庁によって受け入れられない場合は,出願日が優先日となる。
13.2 出願に優先権の主張が含まれそれが知的財産権庁によって受け入れられた場合は,そ
こで主張された日が優先日となる。
第 14 条 出願の公式受理通知
出願が公式に受理されたとみなされる場合,知的財産権庁は出願人に対し出願公式受理通知
を発し,それには出願人の名称と住所,産業財産権代理人機関の名称(産業財産権代理人機
関を通じて出願する場合),出願書類に記載のクレーム対象の名称,出願日,連続番号及び
優先日が記載されるものとする。優先権の主張が却下された場合は,その理由が通知書に明
記されるものとする。
第 15 条 出願の公式受理の拒絶
出願が公式に受理することができないと判断される場合は,知的財産権庁は,出願人に対し
て出願拒絶通知書を発し,それに出願不受理の理由となった欠陥を明記すると共に,出願人
が出願拒絶に対して意見を述べる期間として拒絶通知日から 2 月の期間を指定するものと
する。
出願人が出願拒絶についての意見を提示しないか又は提示した意見が適切でないと認められ
る場合は,知的財産権庁は,出願拒絶決定書を発行し,かつ,出願人の要請に基づき出願方
式審査後の手続とサービスに関して徴収された手数料(あれば)を払い戻すものとする。
第 16 条 方式審査の期限
16.1 出願の方式審査の期限は,出願日から起算して 1 月とする。本細則 6.3 に定めるとこ
ろに従い補充書類が遅れて提出される場合は,方式審査の期限は,必要書類の提出が完了し
た日から起算して 1 月とする。
16.2 出願の方式審査の過程において,出願人が自発的に又は知的財産権庁の求めに応じて
出願書類の補正及び/又は補充を行った場合は,出願の方式審査の期限は,15 日間延期す
ることができる。出願の補正及び/又は補充が知的財産権庁の求めに応じてされた場合は,
当該補正及び/又は補充のために出願人に与えられた期間は,出願の方式審査の期限には算
入されないものとする。
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第 4 節 出願の公開
第 17 条 公式に受理された出願の公開
公式に受理された出願及び国際出願は,知的財産権庁により産業財産権公報によって公開さ
れる。出願人は出願公開料を納付しなければならない。
第 18 条 出願公開の期限
18.1 本細則 18.2,18.3 及び 18.4 に定める場合を除いて,出願は優先日から起算して 19 月
目に公開されるものとする。
18.2 早期公開の請求がされた出願は,かかる請求を知的財産権庁が受領した日又は出願が
公式に受理された日の何れか遅い方の日から起算して 2 月目に公開されるものとする。
18.3 出願の実体審査の請求が出願の公式受理日より前にされた場合,出願はその公式受理
日から起算して 2 月目に公開されるものとする。
18.4 出願の実体審査の請求が出願の公式受理日より後で優先日から 18 月が経過する前にさ
れた場合は,出願は,知的財産権庁が当該実体審査請求を受領した日から起算して 2 月目
に公開されるものとする。
18.5 国際出願は,それが公式に受理された日から起算して 2 月目に公開されるものとする。
第 19 条 公開する事項
公式に受理された出願に関し知的財産権公報で公開する情報は次のものを含む。すなわち,
出願受理決定通知書に記載の当該出願に関する一切の情報,出願の譲渡及び出願の分割等に
関する情報,要約書,1 又は複数の図面(あれば)
第 20 条 公式に受理された出願についての詳細情報の入手
何人も,公式に受理された出願の出願書類に記載のクレーム対象の内容に関する情報を自ら
縦覧することができ,又は所定の手数料を納付して知的財産権庁にかかる情報の提供を求め
ることができる。
第 5 節 出願の実体審査
第 21 条 発明,実用新案についての実体審査の請求
21.1 発明特許については出願の優先日から起算して 42 月以内,又は実用新案特許について
は出願の優先日から起算して 36 月以内に,出願人又は第三者は,知的財産権庁に対して,
当該発明又は実用新案特許についての実体審査を請求することができる。正当な理由がある
場合は,かかる実体審査請求の期限は,6 月を超えない期間延期することができる。
発明又は実用新案についての実体審査を請求する者は,関係規則に定める調査及び実体審査
についての手数料を納付しなければならない。実体審査の請求が所定の期限を経過した後に
認められる場合は,期限延長手数料(すなわち,所定期限より遅れた実体審査請求について
の手数料)を納付しなければならない。調査及び実体審査の手数料が関係規則に従って納付
されない場合は,知的財産権庁にされた実体審査請求は,無効とみなされる。
21.2 発明/実用新案の実体審査の請求が関係出願の公開日より後にされた場合は,当該請
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求は,その請求書が受領された日から起算して 2 月目に知的財産権公報で公告され,その
公告について出願人に通知される。
実体審査の請求が関係出願の公開日より前にされた場合は,
当該請求は本細則 18.3 及び 18.4
による公開と併せ知的財産権公報において公告される。
21.3 出願人が願書において宣言していない限り,発明/実用新案についての実体審査の請
求は,本細則の別表所定の様式による書面でするものとし,かつ,調査及び実体審査の手数
料の納付証を添付しなければならない。
21.4 出願について本細則 21.1 に定める期限内に実体審査の請求が書面でされない場合は,
当該出願は,当該期限の満了と共に取り下げられたとみなされる。
第 22 条 実体審査の目的
実体審査は,出願書類に記載のクレーム対象の特許可能性を特許基準に従って評価し,保護
の範囲を決定することである。
第 23 条 実体審査の過程における調査結果の使用
23.1 実体審査を行うに際して,知的財産権庁は,出願書類に記載のクレーム対象の比較及
び評価を保護基準に基づいて行うためには,本細則 34.2 に定める必要最小限の調査対象の
情報を調査しなければならない。
23.2 優先権の主張を含む出願の実体審査においては,知的財産権庁は,他国でされた対応
する出願についての情報調査と審査の結果を利用することができる。出願人は,自己の出願
についての実体審査の補助資料として次に掲げる書類を知的財産権庁に提出することができ
る。
(a) 出願書類に記載のクレーム対象に関して他国でされた出願についての情報調査及び/又
は審査の結果
(b) 出願書類に記載のクレーム対象に関して他国でされた対応する出願に基づき付与された
特許証及び/又はその他の保護証書の写し
(c) 出願書類に記載のクレーム対象に関して出願人が他国の特許庁から提供された技術水準
についての書類
第 24 条 第三者の提出した意見の考慮
出願に関する実体審査の過程において,知的財産権庁は,関連する発明/実用新案への保護
証書の付与について提出された賛否両様の第三者の意見(あれば)を考慮に入れるものとする。
知的財産権庁は,当該意見を提出した第三者に対して意見が受け入れられるか否かを通知し,
意見を受け入れない場合はその理由を明記しなければならない。
第 25 条 方式上の欠陥の補正及び/又は出願内容の説明の要求
25.1 実体審査の過程で,知的財産権庁は,出願人に対して,出願書類の内容の説明及び/
又は出願書類における方式上の欠陥の補正を求めることができる。出願人が当該要求に応じ
ない場合は,当該出願は取り下げられたとみなされ,更なる審査は行われない。
25.2 知的財産権庁は,出願人に対して,出願書類に記載のクレーム対象の内容の範囲を超
えた説明を求めることはできず,また特に,出願人が秘密に保つことを望む情報を提供する
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よう要求してはならない。
25.3 出願書類の補正及び補充は,すべて出願人自身によってされるものとする。知的財産
権庁が直接に出願書類の補正又は補充を行うことは認められない。
第 26 条 実体審査の停止
26.1 次に掲げる場合,実体審査は停止されるものとする。
(a) 出願書類においてクレーム対象の内容が明確に開示されていない場合。すなわち,説明
書及びクレーム等のクレーム対象の内容に係る書類がクレーム対象の内容の理解を不可能と
する程に必要情報を欠いているか,又はクレーム対象の同定を不可能とする程にクレーム対
象の内容についての不明確,非実際的,不特定及び/又は一貫性のない情報を含んでいる場
合
(b) クレーム対象が発明特許又は実用新案特許を求める対象として不適当であるか又は民法
第 787 条及び政令第 4 条(4)に定められているベトナムでの特許対象範疇の何れにも該当し
ない場合
(c) 出願人が実体審査の停止を要求するか又は自己の出願の取下若しくは放棄を表明した場
合
26.2 知的財産権庁は,実体審査の停止及びその理由を実体審査結果の通知手続に従って出
願人に通知しなければならない。(出願人自身の申立による停止の場合は除く。)
第 27 条 実体審査の停止についての審判請求;実体審査の再開
27.1 出願人は,実体審査の停止について知的財産権庁に審判請求することができる。知的
財産権庁は,かかる審判請求を本細則第 4 章第 3 節に定める手続に従って処理するものと
する。
27.2 審判請求についての審理の結果,出願人の審判請求が認容された場合,知的財産権庁
は,当該実体審査を再開する。この場合,知的財産権庁は,実体審査についての所定の期限
を延期することは認められない。
第 28 条 特許保護基準によるクレーム対象の特許可能性評価の内容及び手続
28.1 特許保護基準によるクレーム対象の評価とは,出願書類に記載のクレーム対象が発明
特許又は実用新案特許の出願の対象としての適格性を有するか否かを決定し,かつ,その適
格性が肯定された場合に,各特許基準によりクレーム対象の特許可能性を評価することであ
る。
28.2 特許基準によるクレーム対象の評価は,各対象別にされる(出願が単一性の要件を満た
した複数のクレーム対象を含む場合)ものとし,かつ,それぞれのクレーム対象は,本細則
第 3 章の規定による個別の特許基準に従って評価されるものとする。
クレームの評価は,クレームに記載の各クレーム対象別にされるものとする。
28.3 各クレーム対象の評価は,次の何れかによって完了する。
(a) クレーム対象が何れの特許基準も満たさないと結論付ける理由の認定
(b) クレーム対象が何れの特許基準も満たさないと結論付ける理由はないとの認定
前記(a)の場合,実体審査は,クレーム対象が特許基準を満たさないとの結論をもって完了
する。
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前記(b)の場合,クレーム対象は特許基準を満たすとの結論をもって完了する。
第 29 条 実体審査の結果の通知
29.1 知的財産権庁は,出願人及び実体審査の請求人(別にあれば)に,クレーム対象が特許
基準を満たしているか否かの結論を明記した実体審査結果を通知する。
29.2 出願書類に記載のクレーム対象が発明特許又は実用新案特許の対象として不適当であ
るか,又は不適当でないとしても,それが特許保護基準を満たさない場合は,保護証書が付
与されない旨の仮拒絶決定及びその理由,並びに出願人に対しそれについての意見を述べる
ために指定する通知日から 2 月の期間が,実体審査結果通知書に明記されるものとする。
求める保護の範囲が広過ぎると判断された場合は,その旨の指摘が保護範囲を狭める仮提案
と共に,実体審査結果通知書に明記されるものとする。
29.3 クレーム対象は特許保護基準を満たしているが関連出願に欠陥がある場合は,かかる
出願の欠陥,出願人が意見を述べ又は欠陥を訂正するために与えられる通知日から 2 月の
期間,出願人が当該欠陥を十分に訂正せず又は正当でない反対の意見書を提出したときは,
保護証書付与の仮拒絶がされる旨の予告が,実体審査結果通知書に明記されるものとする。
29.4 クレーム対象が特許保護基準を満たす場合,又は本細則 29.2 及び 29.3 に定める知的
財産権庁の要求に基づき,出願人がクレームされた保護の範囲を狭めてクレーム対象を保護
基準を満たすように改め及び/又は出願の欠陥を十分に訂正し及び/又は正当な反対の意見
書を提出した場合は,保護証書公開手数料,国家登録簿への登録料,保護証書発行手数料及
び初年度分年金を納付するために出願人に与えられる期間が,実体審査通知書(又は第二次
実体審査結果通知書)に記載されるものとする。前記の納付期間は通知日から起算して 2 月
とする。
29.5 指定された期間内に出願人が出願の欠陥を訂正しないか又はされた訂正が不十分であ
り及び/又は反対の意見書を提出しないか又は正当でない反対の意見書を提出した場合は,
知的財産権庁は,当該出願について保護証書の付与を公式に拒絶する。
出願人が本細則 29.4 に定める保護証書公開手数料,国家登録簿への登録料及び保護証書発
行手数料を,実体審査結果通知書に指定された期間内に納付しない場合は,知的財産権庁は,
当該出願について保護証書の付与を公式に拒絶する。出願人が実体審査結果通知書に指定さ
れた期間内に保護証書公開手数料,国家登録簿への登録料及び保護証書発行手数料を納付し
たが初年度分年金を納付しない場合は,保護証書は付与されるが,その有効性が政令 28.2(b)
により停止される。
29.6 複数のクレーム対象を含む出願に関して一部のクレーム対象のみが本細則 29.5 に該当
する場合は,保護証書付与の拒絶は,かかる一部のクレーム対象についてのみ適用されるも
のとする。(すなわち,残りのクレーム対象については保護証書が付与される。)ただし,残
りのクレーム対象について保護証書の付与を受けるためには,出願人は残りのクレーム対象
に係る明細書を本細則第 6 条に述べる要件に適合するよう補正しなければならない。
第 30 条 実体審査の期限
30.1 出願についての実体審査の期限は,実体審査についての請求が受領された日から起算
して(実体審査の請求が出願の公開日より後にされた場合),又は出願の公開日から起算して
(実体審査の請求が出願の公開日より前にされた場合)12 月とする。
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30.2 実体審査の過程において,出願人が自発的に又は知的財産権庁の求めに応じて出願書
類の補正及び/又は補充を行った場合,実体審査の期間は 1 月間延期することができる。
知的財産権庁の要求により出願書類の補正及び/又は補充がされた場合,出願人に付与され
た補正及び/又は補充のための期間は実体審査実行のための期間に算入されないものとする。
30.3 実体審査の期限が満了する前に,知的財産権庁は,本細則第 29 条の規定に従って出願
人及び実体審査の請求人(あれば)に実体審査結果通知書を送付する。
第 6 節 出願の補正
第 31 条 出願の補正,補充,分割,譲渡及び変更
31.1 知的財産権庁が出願拒絶通知書,保護証書付与拒絶通知書又は保護証書付与決定書の
何れかを発行するまでは,出願人は,自発的に又は知的財産権庁の求めに応じて,出願の分
割(すなわち,現在の出願から 1 又は複数の技術的解決についてのクレームを分離して新た
な 1 又は複数の出願とするもので,分割出願と呼ばれる。)を含め出願書類の補正及び/又
は補充を行うことができる。
出願の補正を行う場合,出願人は,(当初提出された対応する出願書類の代替としての)適切
な補正書類を,補正前の既存の内容と比較して補正後の内容を説明する陳述書と共に提出し,
かつ,所定の手数料を納付しなければならない。
31.2 出願の補正及び/又は補充は,説明書に示された内容を超えて保護の範囲を拡張する
ものであったり又はクレーム対象の内容を変更するものであってはならず,かつ,出願の単
一性の要件を満たさなければならない。補正又は補充の結果として求める保護の範囲が拡張
され又はクレーム対象の内容が変更される場合は,出願人は,かかる拡張及び/又は変更に
対応した新たな出願書類を提出し,所定の手続を当初からすべて行わなければならない。
31.3 分割出願については,原出願の出願日と優先日が維持される。原出願について納付さ
れた手数料に含まれない各分割出願関連の出願手数料その他一切の手数料は,原出願と独立
してされる手続及びサービスについての手数料と共に,別に納付しなければならない。分割
出願は新規出願についての手続により処理されるが,分割が原出願の公開後にされたときは,
分割出願の公開はされないものとする。出願の分割の請求日は,原出願の審査の期限を定め
る目的では,出願の補正日とみなされるものとする。(分割後の)原出願の処理は正規の手続
に従ってされるものとする。ただし,出願人は出願補正についての所定の手数料を納付しな
ければならない。
31.4 出願人は,(出願を譲渡した場合,又は出願に基づく権利を相続により又は裁判所の判
決に係る法人合併若しくは分割等により継承した場合)自己の名称及び/又は住所の変更又
は出願人の地位の交代について登録を求めることができる。かかる変更登録の請求は書面で
されるものとし,請求人は規則に従い所定の手数料を納付しなければならない。出願人は,
同一内容の変更登録を自己の複数の出願について請求することができる。ただし,出願人は
関係する出願の数に応じて合算された手数料を一括して納付することを条件とする。
31.5 政令第 13 条に従い発明特許出願が実用新案特許出願に変更された場合又はその反対の
場合は,原出願の処理に関して完了されていない手続は,変更後の出願の処理において継続
されるものとする。出願変更日は,変更後の出願の審査期限の計算の目的では,出願の補正
日とみなされるものとする。
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政令第 13 条(2)に基づく発明特許出願の実用新案特許出願への変更の請求は,クレームされ
た対象である技術的解決が進歩性を欠くという理由により前者への特許付与が拒絶される場
合にのみ認められる。
第 III 章 保護基準に基づくクレーム対象の評価
第 32 条 クレーム対象の発明/実用新案特許付与に必須の基準への適合性の評価
32.1 クレーム対象は,それが技術的解決でなくまた技術的解決の使用方法でもない場合は,
発明特許及び実用新案特許の付与要件を満たさないとみなされる。
32.2 発明又は実用新案として保護されるべき対象となる技術的解決
(a) 発明/実用新案の名称の下に保護されるべき対象となる技術的解決は,特定の問題を解
決する技術的方法及び/又は技術的手段についての必要かつ十分な情報の集合として定義さ
れる。
(b) 技術的解決は,次の何れかの形で存在する場合に,かつ,その場合にのみ保護対象であ
る技術的解決とみなされる。
- 物理的な形態(道具,機械,装置,付属品,電気回路等)で存在する場合であって,それ
を構成する表示(特徴)によって特徴付けられ,人々の一定の需要を満たす手段として機能す
る(有用性)人工の製品を同定する情報の集合として表されるもの
- 物質の形態(材料,物質,食品,医薬品等)で存在する場合であって,その構成要素の外
観及び/又は比率及び/又は状態についての表示(特徴)によって特徴付けられ,人々の一定
の需要を満たす手段として機能する(有用性)人工の製品を同定する情報の集合として表され
るもの
- 生物材料の形態(遺伝子,遺伝子的に改良された植物や動物等)で存在する場合であって,
人の介入によって改質され,かつ,複製が可能な遺伝子情報を含む製品についての情報の集
合として表されるもの
- 方法の形態(工学的方法,診断方法,予測方法,試験方法,処理方法等)で存在する場合
であって,特定の目的を達成することを目指す活動における段階,条件,程度又は手段に係
る表示(特徴)によって特徴付けられる,特定の工程や特定の作業を行う方法を同定する情報
の集合として表されるもの
(c) 機能(有用性)又は目的によってのみ互いに区別される技術的解決もまた,それぞれが独
立のものと考えられる。
(d) 次の場合においては,クレーム対象は技術的解決とはみなされない。
- 出願書類に記載のクレーム対象が単なる想念,意図又は問題提起であって「如何にして」
及び/又は「如何なる手段によって」という問題に対する解答を提供しておらず,問題に対
する技術的解決と言えない場合
- 解決されるべき対象として出願書類において示されている問題が技術的解決の主題であ
る性質のものでなく(例えば,規則,ゲーム,数学的又は物理的法則;組織,経営,訓練の
方法やシステム;言語システム;情報編集の方法;地域区画制に関するプラン;美的価値の
みを有する製品の外観等),技術的方法で解決することのできない場合
- クレーム対象が自然界によって創造され支配される物であって人工のものでない場合
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第 33 条 クレームされた技術的解決の利用可能性の評価
33.1 政令第 4 条(3)の下で,技術的解決は,明細書に述べられた技術的解決の内容を開示す
る情報に基づき,当該技術的解決を実行し,かつ,明細書に記載の結果を得ることが可能な
場合は,利用可能性を有すると認められる。
33.2 出願書類に記載の技術的解決は,次の要件を満たす場合,実行可能であるとみなされ
る。
(a) 当該技術的解決の内容を開示する情報及び必要な技術的条件についての関連の説明が,
対応する技術分野における平均的熟練度を有する者が当該技術的解決を実施することのでき
る態様で明確かつ十分に記載されていること,及び
(b) そのような実施が繰り返し可能であると共に,明細書に記載の結果が常に得られるもの
であること
33.3 クレーム対象は,次の各場合は利用可能性を有さないとみなされる。
(a) クレーム対象の内容又は当該クレーム対象の実行についての指示が,基本的な科学原理
に反する場合(例えば,エネルギー保存の原理に反する場合等)
(b) クレーム対象が,技術的に相互関連性を有していないか又は相互接続(連結,結合,相
互依存形態等)が不可能な要素を含む場合
(c) クレーム対象自身が内部矛盾を含む場合
(d) クレーム対象の実行についての指示を制限的にのみ実行することができる場合(すなわ
ち,反復実行が不可能な場合)
(e) 当該技術的解決を実行するためには,実行者が他人に教え又は伝達することのできない
実行のための特別の技術を要求される場合
(f) 実際の実行から得られる結果に統一性が欠ける場合
(g) 実行から得られる結果が出願書類に記載のものと異なる場合
(h) クレームされた技術的解決の実行に必要不可欠な指示が存在しないか又は不十分な場合
(i) その他正当な理由が存在する場合
第 34 条 クレームされた技術的解決の新規性の評価
34.1 クレームされた技術的解決は,それが政令第 4 条(1)に定める基準を満たす場合は,新
規性を有するとみなされる。
34.2 必要最小限の調査対象
(a) 出願書類に記載のクレームされた技術的解決の新規性を評価するために,少なくとも次
の調査対象について調査が行われるものとする。(ただし,調査対象はこれらに限定される
ものではない。)
- 知的財産権庁が当該出願までに出願を受けたものでサブクラスのインデックス(すなわち,
第三分類インデックス)まで考慮して当該出願と同一の分類に属し,かつ,当該出願の優先
日より早い優先日を有する一切の出願。ただし,決定により公開されなかったもの及び公開
しないとの決定を受けたものを除く。
-当該出願の優先日の前 25 年間に所轄当局又は他の国によって公開及び/又は付与された
発明特許出願及び/又は発明特許で,知的財産権庁の利用可能なデータベースに保存され前
記段落に定める範囲内の調査の対象となるもの
(b) 必要かつ可能な場合は,調査は,国家科学技術情報資料センターが公表し保存している
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同一技術分野における科学報告書,研究計画報告書,特定研究報告書等についても行うこと
ができる。
34.3 調査の目的;調査報告
(a) 情報調査の目的は,出願書類に記載のクレームされた技術的解決と同一若しくは類似の
技術的解決を発見することである。ここで,
- 2 の技術的解決は,それらの基本的表示(特徴)のすべてが同一若しくは同等(相互交換可
能)である場合,同一とみなされ,
- 2 の技術的解決は,それらの基本的表示(特徴)の殆どが同一若しくは同等(相互交換可能)
である場合は,類似しているとみなされ,
- 「同等の技術的解決」とは,出願書類に記載のクレームされた技術的解決と同一又は極
めて類似する技術的解決を意味する。
(b) 情報調査の結果は調査報告書に記載されるものとし,そこでは調査分野,調査範囲,調
査によって発見された事実(発見されたすべての同等の技術的解決を挙げ,同一の表示,調
査対象及び関係の情報の公表日を明確に表示すること)及び調査報告書の作成者(調査者)の名
称が表示されるものとする。
34.4 クレームされた技術的解決の新規性についての結論
(a) 出願書類に記載のクレーム対象である技術的解決を評価するために,その技術的解決の
基本的表示(特徴)と情報調査の過程で収集された同等の技術的解決のそれらとの比較を行う
ものとする。ここで,
- 技術的解決の基本的表示とは,当該技術的解決の機能,用途,接続構造,構成等におけ
る各特徴を意味し,他の基本的表示と併せてクレーム対象の内容(機能及び有用性を含む。)
を明らかにするのに必要かつ十分である情報の集合を構成する。
- 評価に必要な基本的表示は,出願書類に記載のクレームされた技術的解決のもの,特許
に記載の技術的解決のもの,説明的書類又はクレームされた技術的解決の実際的表現におい
て開示され又は発見される他の文献における関連技術的解決のものを含む。
(b) クレームに掲げられている各クレームに関し,出願書類において説明されている技術的
解決は,次の何れかの場合は,世界中の技術水準と比較して新規であるとみなされる。
- 情報調査の過程で同等の技術的解決が発見されない場合,又は
- 同等の技術的解決は発見されたが,出願書類に記載のクレームされた技術的解決が当該
同等の技術的解決の基本的表示の一覧に現れていない少なくとも 1 の基本的表示を含んで
いること(従って,かかる表示がクレームされた技術的解決の独自の基本的表示とみなされ
ること)
第 35 条 クレームされた技術的解決の進歩性の評価
35.1 出願書類に記載のクレームされた技術的解決は,それが政令第 4 条(2)に定める基準を
満たす場合は,進歩性を有するものと認められる。クレームされた技術的解決の進歩性の評
価は,本条の規定に従う。
35.2 必要最小限の情報調査対象
クレームされた技術的解決の進歩性の評価については,少なくとも本細則 34.2 に述べる必
要最小限の調査対象(当該出願の優先日までに公開されていない出願は除く。)の調査(これら
に限られない。)を行うものとする。
21
35.3 進歩性の評価
(a) 出願書類に記載のクレームされた技術的解決の進歩性の評価は,クレームにおいて開示
されている独自の基本的表示を評価して次に掲げる事項を判断することによって行う。
- そのような独自の基本的表示が,必要最小限の調査対象において既に開示されていると
認められるか否か,及び
- 一群の独自の基本的表示が,自明であると認められるか否か
(b) クレームに記載の各クレームにつき,そこでクレームされた技術的解決は,その技術的
解決に係る一群の基本的表示への,独自の基本的表示の組込みが創造的活動の成果であって,
関係技術分野の共通知識から明らかに帰結されるものでない場合は,進歩性を有するとみな
される。
(c) 次に掲げる各場合においては(ただし,これらの場合に限られない。),各クレームで主
張されている技術的解決は進歩性を有さないとみなされる。
- 一群の独自の基本的表示が自明なものと認められる場合(すなわち,関係分野の平均的熟
練者であれば,所与の機能を実行し又は所与の目的を達成するためにはそのような一群の表
示の利用が不可欠であること,及び逆に所与の目的又は機能は当該一群の表示を利用するこ
とによって必然的に達成されることを知ることができる場合)
- 一群の基本的表示及び/又は独自の基本的表示が,必要最小限の調査対象から知られる
1 又は複数の技術的解決についての同一若しくは同等の実施態様において開示されている場
合
- クレームされた技術的解決が既に知られている技術的解決の単なる組合せであり,その
機能,目的及び効果もまた,既に知られている技術的解決の機能,目的及び効果の単なる組
合せである場合
(d) 本項において,
- 2 の表示は,それらが同じ内容であるときは,同一とみなされ,
- 2 の表示は,それらが類似の内容,同一の目的,及び本質的に類似した目的達成方法を
有するときは,同等とみなされる。
第 36 条 技術的解決の特許可能性についての結論;保護範囲の決定
出願書類に記載のクレームされた技術的解決が保護基準の少なくとも 1 を満たしていない
と判断する理由が存在する場合は,クレームされた技術的解決は特許を受けることができな
いとみなされ,知的財産権庁は当該技術的解決について発明/実用新案特許の付与を拒絶す
る。これと反対の場合は,クレーム対象である技術的解決は特許を受けることができるとみ
なされ,知的財産権庁は,クレームの記載に基づく保護範囲において発明/実用新案特許付
与の決定を行う。
第 IV 章 保護証書の付与,登録,不服,停止及び無効
第1節 保護証書及びその副本の付与及び再発行
第 37 条 保護証書の付与
37.1 出願人が本細則 29.4 に定める手数料を適時に全額納付した日から 10 日以内に,知的
22
財産権庁は,政令第 23 条及び第 26 条の規定に従って,保護証書付与の手続を実施する。
保護証書付与後にそれに何らかの誤りが発見された場合は,保護証書の所有者は,知的財産
権庁に対して,付与された保護証書の記載の誤りを訂正するよう求めることができる。誤り
の原因が出願人に帰す場合は,保護証書の所有者は,保護証書の内容の補正及び/又は補充
についての手数料を納付する義務を負う。誤りの原因が知的財産権庁に帰す場合は,保護証
書の所有者は,誤りの訂正についての手数料を納付する義務を負わない。前記の訂正は,保
護の内容及び/又は対象及び/又は範囲を変更するものではない。
37.2 知的財産権庁が保護証書付与の決定を発した日から後は,出願人は,自己の出願を他
人に譲渡する権利を有さない。出願人と他人との間で出願を譲渡する契約が結ばれたが,そ
の契約の登録手続が知的財産権庁においてされる前に保護証書が付与された場合は,当該契
約は発明/実用新案特許の譲渡契約に変わるものとする。
第 38 条 保護証書副本の発行及び再発行又は保護証書の再発行を請求する権利
38.1 発明/実用新案についての知的財産権が共有される場合において,政令第 26 条(3)に
従って知的財産権庁から発行される保護証書の原本を受け取けとることができない共有者は,
知的財産権庁に対して,保護証書の副本の発行を請求することができる。ただし,副本の発
行を受けるに当たっては所定の手数料を納付しなければならない。
38.2 次に述べる場合においては,保護証書の付与を受けた産業財産権の所有者(その副本を
保有する共有者を含む。)は,知的財産権庁に対し保護証書及び/又は副本の再発行を請求
することができる。ただし,その者が,保護証書の副本の発行に係る手数料を納付すること
を条件とする。
(a) 保護証書又はその副本を紛失した場合。ただし,再発行を認めるに足る理由が示される
ことを条件とする。
(b) 保護証書又はその副本が損傷した(例えば,使用に耐えない程度に毀損し,汚れ又は文
字が薄れた)場合。ただし,損傷した保護証書又は副本を提出することを条件とする。
第 39 条 保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求に係る一件書
類
保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求のための一件書類は,次
に掲げる書類を含まなければならない。
(a) 保護証書の副本の発行若しくは再発行,又は保護証書の再発行の請求書(請求書は本細
則の別表の様式によらなければならない。)
(b) 保護証書又はその副本の紛失又は損傷の理由を記載した書面(保護証書又はその副本の
再発行請求の場合)
(c) 委任状(産業財産権代理人機関を通じて請求する場合)
(d) 保護証書及び/又はその副本の発行についての手数料の納付証
第 40 条 保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求に係る一件書
類の処理
40.1 知的財産権庁は,保護証書の副本の発行若しくは再発行又は保護証書の再発行の請求
を受けた場合,受付日から 1 月以内に,一件書類の審査を行うものとする。一件書類が本
23
細則第 39 条の要件を満たしている場合,知的財産権庁は,保護証書の副本の発行若しくは
再発行又は保護証書の再発行の決定をし,当該発行について国家登録簿の該当する国内保護
証書登録表に記録する。
40.2 保護証書の副本には,その原本に含まれるすべての情報が記載されるものとする。再
発行された保護証書又はその副本には,関係の保護証書原本に含まれるすべての情報が記載
される他,適切に「副本」又は「再発行版」の表示が付されるものとする。
40.3 一件書類が本細則第 39 条に定める要件を満たしていない場合,知的財産権庁は保護証
書の副本の発行又は保護証書の再発行を拒絶する通知を与え,そこに拒絶理由を明記する。
第 2 節 国家登録及び保護証書付与決定の公告
第 41 条 発明/実用新案の国家登録簿
41.1 発明/実用新案特許の国家登録簿(「登録簿」)は,特許を付与された発明/実用新案
についてベトナムにおいて確立され,かつ,認められている産業財産権の法的状態について
の十分な情報を含む正式な公的データベースである。
41.2 発明登録簿及び実用新案登録簿には,保護証書に記載の情報に対応して,それぞれ次
の情報が記載される。
(a) 保護証書についての情報(連続番号,付与日,保護対象の名称,保護の範囲,有効期間,
所有者の名称と住所,発明者若しくは考案者の名称を含む。)
(b) 関連する保護証書付与の出願についての情報(連続番号,出願日,優先日,産業財産権
代理人機関(あれば)の名称)
(c) 関連する保護証書に対してされた補正についての完全な情報,保護証書の効力に関する
情報(効力保全,停止,無効及び効力回復),特許が付与された発明/実用新案の所有権又は
実施の権利の譲渡,保護証書の副本又は副本の再発行版の連続番号,付与日,所有者の名称,
保護証書の原本又はその再発行版の所有者の名称
41.3 登録簿は,知的財産権庁によって,紙,電子媒体又はその他の手段で作成され保有さ
れる。何人も,電子媒体による登録簿についての調査(可能な場合)を行い,又は知的財産権
庁に登録簿の一部の写し(すなわち,登録簿の記載中の希望する部分の抄本)を提供するよう
請求することができる。登録簿の記載の抄本を請求する者はその複写業務についての手数料
を納付しなければならない。
第 42 条 保護証書の付与決定の公告
知的財産権庁は,付与された各保護証書について,付与決定日から 2 月以内に産業財産権
公報において公告する。出願人は,公告手数料を納付しなければならない。
公告される情報は,関係の決定の内容,要約書,及び 1 若しくは複数の写真又は図面(あれ
ば)を含む。
第 3 節 保護証書付与手続における審判請求
第 43 条 審判請求の権利を有する者,審判請求の対象及び期間
43.1 政令第 27 条(1)により審判請求の権利を有する者は,知的財産権庁によって発せられ
24
た発明/実用新案登録についての最終的な拒絶通知及び/又は関連決定に対する審判請求の
手続を,政令第 27 条(3)に定める審判請求の提起期間内に開始することができる。
43.2 政令第 27 条(3)に定める第 1 審の審判請求の提起期間は,告訴告発法第 31 条に基づき,
審判請求をする権利を有する者が知的財産権庁による出願拒絶,保護証書付与又は保護証書
付与拒絶の通知若しくは決定を受け取り又は知った日から起算して 90 日とする。
第 44 条 審判請求の一件書類
44.1 一般要件
審判請求の一件書類は,本細則 5.1(a)から 5.1(e)までに定める方式要件に従って作成しなけ
ればならない。審判請求の各一件書類は,審判請求の対象となる 1 の決定又は通知につい
て作成することができる。複数の決定又は通知が審判請求についての同一の内容及び反論の
対象となる場合は,それら複数の決定又は通知について 1 の一件書類を作成することもで
きる。ただし,審判請求人は,審判請求の対象である決定又は通知のそれぞれについての審
判請求手数料を納付しなければならない。
44.2 審判請求の一件書類は,次に掲げる書類を含まなければならない。
(a) 本細則の別表の様式で作成された審判請求書
(b) 審判請求の対象である決定書又は通知書の写し
(c) 第 1 審の審判請求に対する決定書の写し(第 2 審の審判請求の場合)
(d) 審判請求における反論を裏付ける証拠(必要な場合)
(e) 委任状(産業財産権代理人機関を通じて審判請求する場合)
(f) 審判請求手数料の納付証
44.3 審判請求における反論を証明し又は明確化するために使用することができる一切の書
類(書証)又はその他の物(物証)は,証拠となる。
証拠は,次に掲げる要件に従って提出しなければならない。
(a) 外国語で作成された書類も証拠とすることができる。ただし,所轄当局の要求を受けた
場合は,ベトナム語翻訳文を提出しなければならない。
(b) 証拠が個人若しくは組織によって作成された捺印のない書類であるか又は外国の個人若
しくは組織の名称で作成された書類である場合は,当該書類には,公証人又は権限ある機関
の署名入り証明がなければならない。
(c) 証拠が情報媒体である場合(出版物,ビデオテープ等)は,それらの情報源及び発行若し
くは出版の日が証明されるか,又は情報源及び出版日が表示されていなければならない。
(d) 物証の場合は,審判請求の内容に直接関係するその特徴について明確な説明が伴ってい
なければならない。
第 45 条 審判請求人の責任
審判請求人は真実の証拠を提出しなければならず,不実の証拠を提出した場合は,その結果
について責任を負う。
第 46 条 審判請求の取下
46.1 審判請求人は,審判請求手続中いつでも書面により審判請求を取り下げることができ
る。審判請求の取下が産業財産権代理人機関によってされる場合は,取下の授権を委任状に
25
明記しなければならない。
46.2 審判請求が取り下げられた場合は,その請求はされなかったとみなされる。取り下げ
られた審判請求の一件書類は請求人に返還されず,また納付された手数料も返還されない。
第 47 条 審判請求の一件書類の処理
47.1 審判請求の一件書類の受領後 10 日以内に,当該審判請求の所轄当局は,所定の方式要
件に基づいて一件書類を審査し,それらを審判のために受理するか否かを書面で通知する。
特に,受理する場合は受付日を通知し,受理しない場合は受理を拒絶する理由を明記する。
47.2 審判請求の一件書類は,次の場合は受理されない。
(a) 請求人が審判請求をする権利を有さない場合
(b) 審判請求の一件書類が所定の審判請求提起期間後に提出された場合
(c) 審判請求の一件書類が本細則第 46 条に定める要件を満たさない場合
第 48 条 利害関係人
48.1 審判請求の一件書類が審理のために受理された場合は,所轄当局は審判請求の対象事
項に直接利害関係を有する者(「利害関係人」)に審判請求の内容を書面で通知し,所定期間
内に意見を述べるよう求めるものとする。この期間は,通知が発された日から 2 月とする。
48.2 利害関係人は,自己の反論を立証するための情報及び/又は証拠を提出することがで
きる。
48.3 利害関係人が所定期間内に意見を述べない場合,審判請求の審理は,審判請求人の反
論に基づいてのみなされるものとする。
第 49 条 審判請求についての決定
審判請求人及び利害関係人によって提出された反論及び証拠(あれば)に基づいて,所轄当局
は,政令第 27 条(4)に定める審判請求処理期間内に,審判請求について審理し決定を下す。
決定を下す前に,所轄当局は,審判請求人及び利害関係人に対して,他方当事者によって提
出された抗弁及び反証で決定の基礎とするもの及び所轄当局が意図する決定内容を通知し,
その通知日から 2 月以内に意見を述べる機会を与えなければならない。
所轄当局の要求に応じて意見及び証拠を提出するために審判請求人及び利害関係人に与えら
れた期間は,審判請求人による一件書類の補正及び補充のための期間とみなされ,審判請求
の審理のための期間には算入されない。
第 50 条 審判請求に対する決定の効力
審判請求処理の結果に伴うその後の手続は,次に基づいて行われなければならない。
(a) 審判請求人が決定に対して第 2 審判請求をせず又は行政訴訟を提起しない場合は,第 1
審判請求に対する行政決定,又は
(b) 第 1 審判の決定に対して第 2 審判を請求し又は行政訴訟を提起する場合は,第 2 審判請
求に対する行政決定又は本案についての裁判所の有効な決定
26
第 4 節 保護証書の効力停止,無効
第 51 条 保護証書の効力停止若しくは無効の請求権
保護証書の有効期間中,第三者は,政令第 28 条及び第 29 条の規定に基づき,かつ,本節
の規定に従って保護証書の効力停止又は無効を請求することができる。
第 52 条 保護証書の効力停止又は無効の請求の一件書類
52.1 保護証書の効力停止又は無効の請求の一件書類は,本細則 5.1(a)から 5.1(e)までに定め
る方式要件に従わなければならない。
52.2 1 の一件書類の提出によって,同一の理由と反論に基づく複数の保護証書の効力停止
/無効の請求を行うことができる。ただし,請求人は,効力停止若しくは無効の請求を行う
保護証書の数に応じた手数料を納付しなければならない。
52.3 保護証書の効力停止又は無効の請求における一件書類は,次のもので構成される。
(a) 本細則の別表の様式で作成された,保護証書の効力停止又は無効を求める申立書
(b) 証拠(必要な場合)
(c) 委任状(産業財産権代理人機関を通じて請求する場合)
(d) 所定手数料の納付証
第 53 条 保護証書の効力停止又は無効の請求における一件書類の処理
53.1 保護証書の効力停止又は無効の請求における一件書類は,審判請求の処理手続に関す
る本細則第 47 条,第 48 条,第 49 条及び第 50 条の規定に従って処理されるものとする。
53.2 保護証書の効力停止又は無効の請求に対してされた知的財産権庁の認定に不服がある
場合は,請求人及び/又は利害関係人は,本細則第 47 条,第 48 条,第 49 条及び第 50 条
に定める手続に従って関係する決定又は通知に対する審判請求をすることができる。
53.3 保護証書の効力停止又は無効の決定内容は,知的財産権庁公報において公告され,か
つ,発明/実用新案の国家登録簿に記録される。
53.4 保護証書の効力停止を求める者が当該保護証書の所有者である場合は,本細則 53.1 及
び 53.2 に定める一件書類処理手続は適用されず,知的財産権庁は請求に基づく効力停止が
第三者の利益を害する虞があるか否か(すなわち,関係する対象につき有効なライセンス契
約が存在しているか否か)のみを考慮するものとする。
第 V 章 発明/実用新案特許の国際出願
第 54 条 知的財産権庁における手続
知的財産権庁における出願その他の手続を定める政令第 15 条(2),(3)及び本細則第 3 条の
規定は,発明/実用新案特許についての国際出願に係る知的財産権庁での手続にも適用する。
第 55 条 受理官庁
ベトナムにおける国際出願の受理官庁は,知的財産権庁とする。
知的財産権庁は,次に掲げる事項について責任を負う。
(a) ベトナムでされる国際出願を受理すること
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(b) 特許協力条約の規定に従った手数料を徴収し,かつ,関係金額を国際事務局及び国際調
査機関へ送金すること
(c) 所定の手数料が期限内に納付されたか否かを調査すること
(d) 特許協力条約の規定に則りベトナムでの国際出願を審査し,かつ,処理すること
(e) クレーム対象を特定すること。ベトナムでの国際出願におけるクレーム対象が国の安全
に係る範疇に属する場合は,当該国際出願について以後の手続は進められず,納付済みの手
数料は出願人に払い戻される。
(f) ベトナムでの国際出願の出願書類の 1 の写し(一件書類写し)を国際事務局に送付し,か
つ,もう 1 の写し(調査用写し)を国際調査機関に送付すること
(g) 国際機関と出願人との間の連絡文書を受領し,かつ,送付すること
第 56 条 言語
ベトナムでの国際出願は,英語又はベトナム語による出願書類を知的財産権庁に提出して行
うものとする。
第 57 条 国際調査機関と国際予備審査機関
ベトナムでの国際出願については,オーストラリア,オーストリア,ロシア連邦,スウェー
デン,韓国の各特許庁(国により,特許庁,産業財産権庁,知的財産権庁等と呼ばれる。)及
び欧州特許庁を,管轄権を有する国際調査機関及び国際予備審査機関とする。
第 58 条 ベトナムを指定国とする国際出願
国際出願がベトナムを指定国とする場合,知的財産権庁が指定官庁となる。この場合,国内
手続に入るためには,出願人は優先日から 31 月以内に次に掲げるものを知的財産権庁に提
出しなければならない。
(a) 本細則別表の様式に従って作成された発明/実用新案特許の付与を求める願書
(b) 国際出願の出願書類の写し(出願人が国際公開日より前に国内手続に入ることを希望す
る場合)
(c) 国際出願書類のベトナム語翻訳文,すなわち説明書,クレーム,図面の注釈を含む明細
書及び要約書(公開版,又は未だ公開がされていない国際出願については最初の出願書類の
原本,及び特許協力条約第 19 条に基づく補正のされた PCT 出願については説明を伴った
補正版)
(d) 補正明細書及び補正要約書(本細則第 58 条(c)に定める補正版がある場合)
(e) 国内手続手数料
第 59 条 ベトナムを選択国とする国際出願
国際予備審査の申請がベトナムを選択する場合,知的財産権庁が選択官庁となる。この場合
において,ベトナムの選択が優先日から 19 月以内にされたときは,出願人は,国内手続に
入るために優先日から 31 月以内に次に掲げるものを知的財産権庁に提出しなければならな
い。
(a) 本細則別表の様式に従って作成された発明/実用新案特許の付与を求める願書
(b) 国際出願書類のベトナム語翻訳文,すなわち説明書,クレーム,図面の注釈を含む明細
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書及び要約書(公開版,又は未だ公開がされていない国際出願については最初の出願書類の
原本,及び特許協力条約第 19 条及び/又は第 34 条(2)(b)に基づく補正のされた PCT 出願
については説明を伴った補正版)
(c) 補正明細書及び補正要約書(本細則第 59 条(b)に定める補正版がある場合)
(d) 国際予備審査報告の付属書のベトナム語翻訳文(出願について実体審査の請求がされた
場合)
(e) 国内手続手数料
第 60 条 優先権の主張
優先権を認められるためには,出願人は,願書において優先権を主張すると共に優先権主張
料を納付し,かつ,知的財産権庁の求めに応じ,特許協力条約に基づく規則第 17 規則(1)(a)
に従って,国際事務局に提出された書類のベトナム語翻訳文を提出しなければならない。
第 61 条 国内手続における書類の補正及び補充
特許協力条約に基づく規則第 51 規則の 2 に従って,出願人は,委任状及び/又は国際手続
での出願権の譲渡証があれば,これらを優先日から起算して 34 月以内に提出しなければな
らない。
特許協力条約第 28 条と第 41 条及び特許協力条約に基づく規則第 52 規則(1)(b)及び第 78 規
則(1)(b)に従って,出願人は,国内手続において本細則第 31 条に基づき出願書類の補正及
び/又は補充を行うことができる。国内手続に入る時点においても,出願人は,本細則第 31
条に従って明細書の補正及び/又は補充を行うことができる。
知的財産権庁に提出する補正/補充書類はベトナム語で作成しなければならない。
第 62 条 国際出願の処理開始時点
国内手続においてベトナムを指定国又は選択国とする国際出願の処理開始時点は,より早い
処理開始を求める申請書が提出されない限り,優先日から 32 月目の初日とする。
第 63 条 国際出願の審査
国際出願は,(国内出願の)出願審査手続に従った方式審査及び実体審査の対象となる。
第 64 条 国際出願のみなし取下
国際出願が特許協力条約及び特許協力条約に基づく規則の規定により取り下げられたとみな
される場合の他に,出願人が本細則第 58 条及び第 59 条に定める期間の満了までに国内手
続手数料を納付せず又はベトナム語翻訳文を知的財産権庁に提出しない場合は,ベトナムを
指定国若しくは選択国とした国際出願は取り下げられたとみなされる。
第 65 条 手数料
ベトナムでの国際出願の出願人は,特許協力条約に基づく規則及び財務省の関係規則に従っ
て,所定の金額を所定の手続により納付しなければならない。
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第 VI 章 保護証書の補正,効力の維持
第 1 節 保護証書の補正
第 66 条 保護証書の補正を求める権利
保護証書の所有者は,自己の名称と住所及び/又は保護証書の所有者の変更(相続,合併,
会社の分割若しくは分離,事業の法的形態の転換,裁判所の決定等による。)の登録を知的
財産権庁に請求することができる。
保護証書の所有者の変更登録は,保護証書の所有権の受益者もこれを請求することができる。
上記の保護証書に関する変更登録を請求する者は,保護証書の補正に関する手数料を納付し
なければならない。
第 67 条 保護証書補正の請求
前記の保護証書の補正を求めるためには,保護証書の所有者は次に掲げる書類を知的財産権
庁に提出しなければならない。
(a) 本細則の別表に定める様式で作成した保護証書の補正を求める請求書
(b) 補正を求める保護証書の原本
(c) 保護証書の所有者の変更を証明する書類(例えば,相続証明書,法人の合併,分割若しく
は分離の証明書,裁判所の決定書等)(保護証書の所有者の変更登録請求の場合)
(d) 保護証書補正手数料の納付証
(e) 委任状(産業財産権代理人機関を通じて請求する場合)
第 68 条 一連の保護証書の補正請求
一連の保護証書についての補正を 1 の請求によって行うことができ,当該請求は,同一の
変更/訂正/補正に関して本細則 31.1,31.2 及び 31.4 に定める出願書類の補正請求に組み
込むこともできる。ただし,請求人は,各保護証書及び/又は出願の数に応じた補正手数料
を納付する義務を負う。
第 69 条 保護証書補正請求に係る一件書類の処理
知的財産権庁は,請求書類を受領した日から起算して 1 月以内に保護証書補正請求の一件
書類を審理する。その結果,請求が正当なものであると認められた場合は,知的財産権庁は
請求された保護証書の補正を行って,それを関係の国家登録簿に記録し,かつ,産業財産権
公報で公告する。反対に,請求が正当でないと判断する場合は,知的財産権庁は,請求人に
補正を拒絶する意思を通知し,その通知書の中で,拒絶の理由及び請求人が欠陥(もしあれ
ば)を訂正し又は反論をする期間としての通知日から 2 月の期間を明記するものとする。当
該通知を受けた請求人が指定された期間内に欠陥の訂正を十分に行わず及び/又は反論をし
ないか又は正当でない反論をした場合は,知的財産権庁は,補正請求を拒絶する公式の通知
を発する。
30
第 2 節 保護証書の効力維持
第 70 条 効力維持の手数料
発明又は実用新案の保護証書の効力を維持するために,その所有者は,有効期間満了の少な
くとも 6 月前に効力維持手数料を納付しなければならない。効力維持手数料は,上記期限
経過後でも有効期間満了から 6 月が経過するまでは納付することができる。ただし,遅延
納付については,遅延 1 月毎に所定手数料の金額の 10%に相当する割増料金が課せられる
ことを条件とする。
第 71 条 有効年度計算方法
保護証書の有効期間の各年度は,前年度の最終日から開始し当年度の対応する暦日に終了す
るものとする。有効期間の初年度は保護証書付与日から起算される。ただし,1981 年の技
術革新と発明に関する法令の下に付与された保護証書については,最初の有効期間は関係の
出願についての優先日から開始する。有効期間の最終年度が 12 月に満たない場合は,効力
維持手数料は手数料の月額を基準として計算される。(すなわち,年間手数料金額に最終年
度の月数の 12 月に対する割合を掛けて算出する。)
第 72 条 保護証書の効力維持の記録
知的財産権庁は保護証書の効力維持を関係の国家登録簿に記録し,保護証書の所有者が請求
する場合は,関係の保護証書にも記載する。
第 73 条 保護証書の効力の回復,効力停止の法的効果
保護証書の所有者が有効期間満了から 6 月経過後で,12 月経過する前に本細則第 70 条に従
い効力維持手数料を納付しない場合において,保護証書の効力が本細則第 52 条及び第 53
条に定める手続に従い第三者の請求によって停止されないときは,当該保護証書は効力を回
復することができる。ただし,当該保護証書の所有者は,保護証書の効力の回復維持手数料
を納付しなければならない。効力回復までの期間中に当該保護証書の対象である発明又は実
用新案を実施している者は,その実施を継続することができる。ただし,実施の範囲を拡張
することはできない。
第 VII 章 手数料の徴収と返還;所定期間の延長と短縮
第 74 条 手数料の徴収
一件書類/出願書類,又は知的財産権庁での手続における何らかの請求を受領した場合は,
知的財産権庁は,所定手数料の納付証を確認する。
関係の規則によって定められている手数料が全額納付されていない場合は,知的財産権庁は,
納付すべき各手数料の種類及び金額を明記した納付請求書を作成し,関係の出願人若しくは
請求人に送付する。手数料の納付が完了したときは,納付者には納付された手数料の種類及
び金額を明記した 2 通の領収書が提供され,その 1 通は所定手数料の納付証として関係の
一件書類/出願書類に含められるものとする。
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第 75 条 手数料の返還
納付された手数料は,次に掲げる場合は,納付者の請求により,全額又は一部を返還される
ものとする。
(a) 納付された金額が所定の金額を超えている場合,又は
(b) 政令第 32 条(2)第 2 段落に該当する場合
第 76 条 手数料返還の方法
76.1 納付した手数料の返還を希望する者は,次の何れかの返還方法を選択することができ
る。
(a) 知的財産権庁において直接返還を受けるか又は支払代行機関(例えば,郵便局,銀行等)
から返還を受けること,又は
(b) 返還されるべき金額を他のサービス/手続に関して納付すべき金額に充当すること。手
数料の返還を支払代行機関から受ける場合は,返還金受領者は関係の送金費用を負担しなけ
ればならない。手数料の返還を希望する者は,知的財産権庁が定める様式で作成し,返還を
受ける方法を明確に表示した手数料返還請求書を提出するものとする。
76.2 手数料返還請求書を受け取った場合は,知的財産権庁は,返還金額と返還方法を明記
した返還通知書を作成し,返還請求人に送付する。手数料の返還を受けた者は,知的財産権
庁が作成した領収書に署名するものとする。
手数料返還請求が認められない場合は,知的財産権庁は,返還を拒絶する旨を請求人に通知
する。この通知においては拒絶理由を明記しなければならない。
第 77 条 期間の延長
関係の手続を行う者の請求により,書類の補正及び/又は補充についての所定期間,並びに
知的財産権庁の結論及び/又は意図に対する反対の意見書を提出するための期間は,1 回に
限り延長が認められる。延長期間は所与の期間と同じ長さとする。ただし,期間の延長を請
求する者は,(所定期間経過後に関係の一件書類の審理を行う手数料として)延長手数料を納
付しなければならない。
第 78 条 期間の短縮
知的財産権庁及びその他の所轄当局において産業財産権に関する手続を行う者は,かかる機
関に対して所定の期限より前に手続を実行するよう請求することができる。ただし,請求人
は,所定の期限前の一件書類/出願書類の審査についての手数料を納付しなければならない。
知的財産権庁及びその他の所轄当局は,その能力と状況に応じて,所定の期限より前に手続
を実行することを受け入れ又は拒絶することができる。
第 VIII 章 雑則
第 79 条 産業財産権に関する公的義務を履行する者の責任
79.1 知的財産権庁及びその他の所轄当局に属する公務員並びにそれら各機関との労働契約
の下に職務を行う者を含め,本細則に定める手続の遂行に任ずるすべての職員(以下「産業
財産権公務遂行者」という。)は,各自の遂行する職務に関する法規定を厳格に遵守しなけ
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ればならない。
79.2 産業財産権公務遂行者が違法な行為を行った場合,当該の者は,公務員の規律及び重
大な補償責任に関する 1998 年 11 月 17 日の政令 No.97/1998/ND-CP 及び労働法の規定に
従い懲戒処分を課せられるものとする。
79.3 産業財産権公務遂行者が違法な行為を行い他人に損害を与えた場合,当該の者は,国
家公務員及び手続機関の職員による損害の補償に関する 1997 年 5 月 3 日の政令 No.47/CP
の規定に従い損害賠償責任を負うものとする。
第 80 条 不服申立
権利確定の手続に係る決定及び通知に対する審判請求とは別に,本細則に定める産業財産権
手続を遂行する者は,知的財産権庁及びその他の所轄当局によって発せられる決定又は通知
に対して不服,告発及び行政手続に関する法規定に従い不服を申し立てまた訴訟を提起する
ことができる。
政令第 27 条及び本細則第 47 条,第 48 条,第 49 条及び第 50 条に定める審判請求及びそれ
に対する解決の順序と手続は,前記の決定及び/又は通知についての不服申立に準用する。
第 81 条 産業財産権登録手続を実行する規則
科学技術省は別途,出願及びその処理に関して政令及び本細則の規定に則った発明/実用新
案登録手続の実行に関する規則を定める。
第 82 条 施行
本細則は,科学技術環境省による 1996 年 12 月 31 日の細則 No.3055/TT-SHCN に定める
産業財産権の確立に関する手続細則に代わるものである。
本細則は,官報での交布日から 15 日後に施行する。
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