Comments
Description
Transcript
(配付資料)(PDF:2559KB)
栃酪における 後継者、新規就農推進の 取り組みについて 栃木県酪農業協同組合 1 酪(楽)農のすすめ 栃木県酪農業協同組合 酪農課 渡邉剛夫 栃酪における後継者、新規就農推進の取り組み 1.当組合における酪農生産基盤の現状課題とその背景 2.栃酪生産基盤対策クラスター事業の概要 3.大笹牧場を活用した後継者、新規就農の取り組み 4.後継者、新規就農者の研修会の取り組み 2 当酪農協の現状課題とその背景 現状:戸数減少に歯止めがかからない ○ ○ ○ ○ ○ ○ 平成26年:214戸(後継者いない・未定で75%) 毎年10戸程度が離農 新規就農はほぼなし 家族経営が中心 繋ぎ牛舎がほとんど 県北以外の中山間地の半数が点在 現状のイメージ 諸要因 戸数減少 管内飼養頭数減少 (土地制約が強く、規模拡 大が行われないまま) 乳量減少 戸数減少の原因を掘り下げると ○ 既存農家の離農 ⇒ 経営不振と高齢化 ○ 継承が行われない ⇒ 子が継ぎたいと思わない+親が子に継がせない ○ 新規就農者がいない ⇒ 「酪農家のなり方」が分からない 3 4 5 6 目標:戸数維持の考え方 戸数維持 = 既存農家支援+後継者支援+酪農希望者支援 離農の抑制 戸数 (戸) 3.就農 若い世代の取り込み (+他産業から転職) 2.継承 平成26年 210戸 1.継続 既存農家のバックアップ <現状> 毎年10戸ペースで 離農 後継者+候補者のバックアップ 新規就農 戸数維持の取り組みイメージ 戸数維持 = 既存農家支援+後継者支援+酪農希望者支援 ステップ 酪農をやってみた い!楽しそう!牛が好 き!地域にいたい! 1.継続 酪農を継ぎたい! 親の酪農を超えた い! 2.継承 3.就農 若い世代の取り込み (+他産業から転職) 後継者+候補者のバックアップ 既存農家のバックアップ 生産基盤維持にむけ た取り組み 所得向上 労働負荷軽減 その他(モチベーション向上、新規就農) 8 取り組みのマスタープラン(①所得向上) 所得向上 事業実施による農家資金確保 総合乳代の維持向上 粗収益増加 副産物収入等の増加 生産性の向上 飼料費の低減 経営費の 削減 減価償却費削減 6次産業化(商品開発・製造・乳製品PR・研修実施) 和牛受精卵活用による和子牛販売 乳製品加工機械等の導入 たい肥の有効活用 赤肉生産などの需要創出 生産技術に関する指導体制の構築 ○指導者の雇用と育成、指導事業所の設置 ○乳牛1頭を長く飼うための指導(ヒヅメ・角の管理、乳房炎・分娩前後の事故低減) ○農場研修会(バーンミーティング)、現場指導の実践 ○搾乳機器の定期点検(乳房炎低減) 夏場暑熱ストレス軽減のための対策 繁殖成績の改善 (定期健診、繁殖牛群管理ソフト活用) ○受精卵生産・移植体制の整備 ○飼養管理 ○定期検診の実施、繁殖管理ソフトの活用 自給飼料生産力の向上に必要な機械導入 家畜防疫対策の推進 機械の安全利用推進 (免許取得・研修会) 自身の経営上の課題把握(上記取り組みの実践・課題解決につなげるために) 輸入乾牧草への依存度を下げる(飼料イネなどの生産と利用) 離農した農家の田畑や耕作放棄地の利用をあっせん エコフィード(食品残さ)と自給粗飼料を組み合わせた飼料生産・利用の推進 野生鳥獣(イノシシ、シカ等)による自給飼料被害の防止 放牧草地の活用(蛋白含量の高い牧草生産、適切な電気牧柵設置による草地管理) 生産に必要な乳牛価格の高騰に対応した取り組み ○酪農家が自ら乳牛を生産・育成するための牧場 ○乳牛1頭を長く飼うための指導(乳房炎低減など) 9 取り組みのマスタープラン(②労働負荷軽減) 労働負荷軽減 搾乳作業の軽減 搾乳作業の軽減(ミルカーレール装置、搾乳ロボット、自動離脱機等の導入) 飼料給与作業の 軽減 TMR※への切り替え、TMR生産に必要な機械、飼料保管施設等の導入 ※牛の必要とする濃厚飼料、粗飼料などをすべて混合した飼料 酪農家の負担となる自給飼料生産作業を生産組織へ委託 その他 ICT機器の活用(搾乳牛の発情見逃し防止、分娩時の事故低減のため) 酪農家が生産した子牛育成にかかる作業負担軽減(酪農家の子牛を預かり、育てるための牧場整備) 10 取り組みのマスタープラン (③その他モチベーション向上、新規就農) その他 (モチベーション向上、新規就農) 研修プログラムを大笹牧場に設置(経営継承・新規就農希望者の技術習得のために) ○住込み研修施設の設置 (1~3年、住込みで研修し先進技術・経営を習得) ○大型機械・人工授精師免許取得 ○将来、農場運営し収益を上げるための支援(搾乳・飼養管理・自給飼料・経営技術の向上) ○技術・経営研修会を実施(講師の招聘、先進事例の視察) ○ヘルパー組織強化(大笹牧場から酪農家に派遣し、多様な酪農経営を実践) ○離農農家の牛舎・圃場を貸付 経営継承 ○酪農家と消費者の結びつき強化(イベント開催) ○酪農家同士のコミュニケーション促進(女性のエンパワメント・経営参画・後継者教育) ○婚活イベント開催 11 ― 地域の農協を中心とし畜産関係者が連携した畜産クラスター事業 栃木県 ― 栃酪生産基盤対策クラスター協議会 後継者や新規就農者の技術習得研修等の取組による就農促進と耕畜連携・地域資源の活用による自給率向上 並びに飼料コスト低減により収益力の向上を実現 構成員と役割 オブザーバー ・県関係機関 ・関係指導部署 ・研究センター 栃木県酪農業協同組合 ● 生産基盤対策の推進・事務局として計画 作成・会計 栃木県畜産協会 ● 経営・技術指導等 事業全般を支援 ● 経営・技術研修会の開催・ 先進地調査支援 栃酪生産基盤対策 クラスター協議会 全酪連東京支所 ● 経営・飼養管理技術・ 飼料設計指導 中心的な経営体、酪農家と共に、 生産基盤対策と収益力向上の実証を行う 栃酪大笹牧場 酪農家 210戸 ● 研修会実施会場 ● サイレージ化試験支援・給与 試験・飼料コスト削減実証 食品メーカー ● 県内食品メーカーの 食品粕の提供とサイレージ化試験に協力 ※構成員以外の地域のサポート、協力組織 実証内容 ① 後継者・新規就農者の育成のための研修を実施、就 農により生産基盤と収益向上につなげるシステムの構築 ② WCS等自給飼料の需給調整と離農農家・耕種農家 等の圃場の利用促進のための体制整備、地域の圃場に 適した生産性の高い飼料作物の選定 ③ 地域の食品メーカーの食品粕とWCS等を有効利用し た飼料コストの低減 東日本くみあい飼料 北関東支店 ● 経営・飼養管理技術・飼料設計指導 大学・学校・研究機関 WCS等 生産組織 ● 技術情報の提供 ● 飼料成分分析 ● サイレージ化に有効な乳酸菌検索活用 ● 耕種連携による高品質なWCS等の提供と 自給飼料の効率的な利用促進 目標 ①後継者・新規就農者の増加 後継者 1戸→3戸、新規就農者 0戸→1戸 ②現在利用されていない離農農家、耕種農家の圃場を利 用、新たな飼料作付面積を拡大 飼料作付け面積拡大 0ha→12ha ③食品粕サイレージ及びWCSの有効利用により飼料コス トの低減 生乳1kg当たり生産費 138円→124円 生乳生産量 230t×14円→322万円収益向上 酪農家の魅力向上 モチベーションの向上 将来不安の払拭 地域全体で、319百万円 の収益増 就農推進・飼料作付面積拡大 で生産乳量69,000t確保 × 生乳生産費(飼料費10%削減 )4.6円/kg=319百万円 バーンミーティング 後継者・新規就農者 対策として バーンミーティングを 開催 13 バーンミーティングの様子 14 婚活パーティー 後継者対策として 婚活パーティーを 開催 15 婚活パーティーの様子 16 大笹牧場の概要 • 牧場面積 約360ha(内300haの草地) • 実施事業 ①周年預託事業 ●栃木県内酪農家よりホルスタイン育成牛400頭を受託(計画) ②ブラウンスイス事業 ●ブラウンスイス種100頭を飼養し、牛乳・乳製品を生産、観光部門の ㈱大笹牧場で販売 • 牧場を研修所とした後継者、新規就農推進の取り組み 17 大笹牧場 18 19