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「通販110番」2002年度の相談受付概要

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「通販110番」2002年度の相談受付概要
資料2
「通販110番」2002年度の相談受付概要
1.相談受付件数と相談内容
2002年度1年間に通販 110 番に寄せられた「通信販売に関する相談」の総数は3,942件、
前年度比0.7%増でほぼ横ばいとなった。
通信販売まがい商法(海外宝くじに当選したというDM、利用した覚えのない情報料の請求等)
に関する苦情が急増し、これを含めた相談の総数は6,269件、前年度比16.9%増となった。
(図表 1)
〔 会
員
社 〕
「会員社」の相談件数は、前年度の903件から1,132件と229件(前年度比25.4%増)
の増加となった。全体に占める割合は28.7%と前年度に比べ5.6ポイント増加した。そのうち
「苦情」は690件で前年度に比べ39.1%増となり、
「問い合わせ」も442件で9.1%増加
した。会員社に関する相談全体では、
「苦情」が61.0%を占め、前年度に比べ6.1ポイント増
加した。
(図表 2・3)
*苦情を内容別に見ると、前年度同様1位は「顧客対応」への不満であった。このほとんどは2位
以下にあげる本来の苦情対応から波及したものである。
*2位の「返品・交換」はTV通販の商品が半数を占めていた。実際に商品が届き使用すると、
「T
V広告のような性能・効果がない」との理由で返品を希望する声が多かった。また公正取引委員
会より、
「ゴキブリ・ネズミ駆除器」の効果を標榜する広告表示に対して、排除命令が出された
ため、相談が一時集中した影響もある。
*3位は「品質・性能」だった。例年7位前後であったが、これもTV通販のヒット商品が影響し、
前年度比48.8%増となった。初期不良で作動しない、交換品も不良だったなど、生産・検品
体制が販売増加に追いついていない状況もうかがえた。
(図表 4)
問い合わせの内容は、前年度4位の「信頼性・情報」が、前年度比83.1%増と急増し、1位と
なった。昨年3月末に以前から問題のあった宛名書き内職商法の会社に、経済産業省が特定商取引法
違反で業務停止命令を発した。この会社は、長年協会会員社の別称と同じ社名を使っていたため、混
乱した消費者からの問い合わせが集中した。また同年10月にも別のテープ起こしの内職会社が経済
産業省から同様の処分を受けると、今度は協会会員社の中に同様の通信教育講座を設けている会社に
問い合わせが集中した。
(図表 5)
1
〔 非
会
員
社 〕
「非会員社」は前年度の1,916件から1,574件と342件減少(同17.8%減)した。
39.9%と全体の4割近くを占めたが、前年度に比べ9ポイント減少となった。
「苦情」は896
件で前年度比8.4%減、
「問い合わせ」も678件で27.7%減と大幅に減少した。割合では「苦
情」が5.9ポイント増加し、56.9%となった。これは、今年度より通信販売まがい商法の相
談を、一律「非会員社」から「通販以外」として分類することにしたことが影響を与えたと考えられ
る。
(図表 2・3)
*内容では、1位が「返品・交換」で181件、前年度5位(158件)から順位を上げた。公正
取引委員会が「視力回復」
、
「痩身」の広告表示に対し、警告・排除命令を立て続けに発したこと
も影響している。
*2位は「顧客対応」で前年度に比べ微増、3位は「商品の未着・延着」で微減となった。4位は「返
金」
、5位は「電話がつながらない」だった。前年度から2年越しとなった返金保証をうたってダイ
エット茶を販売する特定の2社への件数(計72件)が目立った。
(図表 4)
問い合わせの内容は、非会員社では「信頼性・情報」が前年度同様に1位となったが、件数では前
年度の479件から278件と201件の大幅減となった。会員社への「問い合わせ」同様、行政処
分の報道の影響で、これから申し込もうとしている、もしくはすでに受講中の通信教育の会社に関す
る信頼性を確認したいという相談が多く寄せられた。
以下「返品・交換」
、
「会員社か否か」
、
「代金支払・代金回収」
、
「企業の連絡先」と続くが、いずれも
前年度に比べ減少している。
(図表 5)
〔 通 販 一 般 〕
「通販一般」は前年度の1,096件から1,236件と140件増加(同12.8%増)した。
全体に占める割合は31.4% と3.4ポイント増加した。通販一般では「苦情」が238件で前
年度比80.3%の急増。
「問い合わせ」は998件で前年度比3.7%増加。割合では苦情が前年
度に比べ7.3ポイント増加したものの、
「問い合わせ」が依然として80%近くを占めている。
「通販一般」の中にはいたずら注文の被害者からの相談や、相手方のはっきりしないネットオーク
ション、出会い系サイトに関する不当請求などの苦情、相談も含まれている。
(図表 2・3・4・5)
2.広告媒体別相談件数と相談内容
広告媒体が判明している中では、
「テレビ」が前年度の294件から今年度は424件と、44.
2%の大幅増となった。今年度はマスコミでも大きく取り上げられ話題となったヒット商品が出現し
たことや、チャンネル数や商品アイテムが増加し、利用者が増えたことが要因と考えられる。消費者
が活字媒体よりもインパクトの強い映像媒体の方へ流れているのではないだろうか。
2
この傾向は会員社への相談で特に顕著だが、これは先にも述べたとおり、公正取引委員会より排除
命令を受けた会社、および目立ったヒット商品を数点続けて販売した会社の2社に、集中して相談が
寄せられたことが原因となっている。
「雑誌」は382件で、前年度比5.5%増で、前年度は「問い合わせ」が「苦情」を上回っていた
が、今年度は「苦情」が約6割と逆転した。
「効果がなければ返金する」と広告に書かれた開運商品
を買った人からの相談が目立った。
「インターネット」は684件で、広告媒体別の中で最も件数は多かったが、前年度比3.8%減と
沈静化している。
「新聞」は129件で、前年度比26.3%減となっており、
「苦情」
、
「問い合わせ」ともに減少し、
特に「問い合わせ」は前年度比30.8%減となった。
(図表 6・7)
3.商品別相談件数と相談内容
〔 会
員
社 〕
*「冷暖房・家庭電気製品」が「苦情」の1位、
「問い合わせ」でも2位となった。
「苦情」では前年度から目立っていたクリーナー、暖房機、冷房機が今年度も相談件数を増加させ
た。さらに、新タイプのクリーナーやアイロン、ヘアードライヤー等が加わった。いずれもTV
通販の商品であった。
*「家具・収納用品等」が「苦情」の1位から2位へ後退した。
しかし、後退したものの、相談件数は前年度の55件から9件増加している。苦情の内容は、組
み立て説明書がわかりづらい、返品・交換の手間、配送料の負担・日程等に関するものが相変わ
らず多い。
*「通信教育講座」が「問い合わせ」の1位に浮上した。
会員社が行っている「通信教育講座」でも信頼性や情報を求める問い合わせが多かった。中でも
特に講座終了後の仕事紹介についての問い合わせが目立った。
*「スポーツ・トレーニング機器」が「問い合わせ」の3位になった。
これもTV通販でブームを起こした筋肉運動(EMS)器具が件数を押し上げた。
「会社の連絡
先を教えてほしい」
、
「効果を期待できるか」といった購入前の問い合わせから、
「週刊誌で安全
性の問題が取り上げられていたが、使用を続けても大丈夫か」
、
「通電後の返品は受けてもらえな
いのか」といった購入後の問い合わせまで様々な相談が寄せられた。
〔 非
会
員
(図表 8)
社 〕
*「ダイエット関連商品」が「苦情」
、
「問い合わせ」とも1位となった。
「ダイエット関連商品」は「苦情」が133件、
「問い合わせ」は66件でともに1位となった。
中国製ダイエット食品で多数の健康被害が発生する事件があり、相談室にも購入者から重い症状
を訴える深刻な相談が寄せられた。この件とは全く関係の無い返金保証をうたってダイエット茶
3
を販売する会社に対する相談も多数寄せられた。
*「パソコン類・周辺機器」は「苦情」2位であった。
特定の会社に苦情が集中するようなことはなかった。相談内容は「初期不良なのに新品と交換で
はなく、修理対応とは納得がいかない」
、
「まだ商品は届いていないのに、注文後の変更は一切受
けない」
、
「納品がかなり遅れている」などが多かった。
*「家具・収納用品等」が「苦情」3位となった。
49件中、40件を特定の2社で占めていた。相談内容は「商品の配達が遅れている」
、
「電話が
話し中でつながらない」
、
「商品が不良。交換や返金の対応が遅い」などだった。
*「開運・招福商品」は「苦情」の4位。
「苦情」では48件で4位と前年度3位から後退したが、件数は増加している。媒体別の「雑誌」
のところでも述べたが、返金保証制度を設けて、開運グッズを販売している会社に関する相談が
ほとんどだった。
「問い合わせ」も25件で微増であった。
*「美容・医療器具」が「問い合わせ」の2位になった。
公正取引委員会から警告を受けた「視力回復器」に関する相談で件数が増加した。相談内容は「警
告を受けた商品を持っている。どうすればよいか」
、
「5年前に購入した。返品したい」などだっ
た。
(図表 9)
4
4.今年度の相談の特徴
◆テレビ通販に関する相談件数が急増
今年度の特徴として、テレビ通販に関する相談が集中したことがあげられる。会員社で、広告媒体
が判明している「苦情」に関する相談のうち、38.3%と4割近くが「テレビ」媒体だった。
「問
い合わせ」に関する相談でも、29.9%と 3 割近くを占めていた。今年度は、初めてカタログ、折
り込み、雑誌の相談件数を抜き、インターネット通販に次ぐ2番目に多い結果となった。
(注)テレビ通販に関しては、公正取引委員会からの指摘を受けたこともあり、協会の自主基準の
遵守徹底を図ることとしている。
◆「通販以外の相談」が急増、特に苦情が倍増
雑誌の広告に「パチンコ攻略法」と掲載しながら、実際にはコピー紙3枚程で、高額な情報料を請
求するという苦情が集中した。この相談に関しては、詐欺や脅しといったケースになっていることも
考えられたので、警察を紹介するなどの対応をとった。他にも「海外の宝くじに当選したというDM
が、オーストラリアや香港から届いたが、申し込んだ覚えがないので気持ちが悪い」との相談や「電
話で断ったはずのブロードバンド接続器が送られてきた」など、一般の消費者には通信販売との区別
がつきにくい多種多様な相談が寄せられた。
◆行政処分に関連した相談が増加
公正取引委員会による景品表示法違反での警告・排除命令や、経済産業省による特定商取引法違反
での業務停止命令が、あいついでマスコミにて報じられた。その結果処分を受けた会社のみならず、
同様の商品やサービスを扱っている会社に対しても相談が多く寄せられた。
◆「通販一般」の相談が増加
相手方が特定しにくいために「通販一般」と分類しているネットオークション、出会い系サイトに関す
る不当請求に関する苦情、相談が急増した。
その他、通信販売にはクーリングオフのような制度はないのかというような一般的な相談が増加した。
返品条件を確認せずに申し込んだ消費者が、返品を申し出た際に断わられてしまい、通信販売全体に対す
る不満として寄せられる傾向もあった。また不要なDMやいたずら注文も含めた個人情報に関する相談が
増加した。法律制定に伴って個人情報保護についての意識の高まりが感じられる。
5
図表1.相談受付件数の推移
(件)
7000
通販に関する相談件数
6,269
6000
通販以外を含む件数
5,361
5,088
5000
4,393
4000
3,864
3000
3,175
3,277
2,966
2,982
2,951
3,942
3,915
3,069
2,745
2000
3,737
3,424
2,003
1,931
1,827
1,763
1000
0
93
94
95
96
97
98
99
00
(年度)
01
02
3,915
3,942
図表2.会員社・非会員社・通販一般別、相談件数の推移
(件)
4500
通販一般
非会員社
会員社
4000
3500
3,737
3,424
2,996
2,745
3000
1500
1000
1,096
1,236
1,645
1,916
1,574
1,083
1,028
846
2500
2000
3,069
2,982
838
845
688
1,763
231
1,827
386
949
801
583
640
93
94
500
1,158
1,156
899
994
95
96
1,501
1,309
1,386
828
845
895
1,009
903
97
98
99
00
01
1,132
0
6
02
(年度)
図表3.会員・非会員社、内容別件数
通販一般
1236件
苦情
690件
問合せ
998件
会員社
1132件
問合せ
442件
総相談件数
3,942件
苦情
238件
苦情
896件
問合せ
678件
苦
情
非会員社
1574件
7
図表4.苦情の内訳(複数回答)
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
苦情内容
顧客対応
返品・交換
商品の未着・延着
品質・性能
返金
代金支払・代金回収
電話がつながらない
商品の汚れ・不良品など
広告内容
販売方法
個人情報など
契約・解約
商品・色・サイズ違い
安全性
配送関連
アフターサービス
品切れ
エコロジー
その他
計
計(件)構成比(%) 会員向け
387
14.7%
189
379
14.4%
147
245
9.3%
55
211
8.0%
125
202
7.7%
21
196
7.4%
93
183
6.9%
60
172
6.5%
72
166
6.3%
80
127
4.8%
47
100
3.8%
54
70
2.7%
7
55
2.1%
19
41
1.6%
25
29
1.1%
15
21
0.8%
11
9
0.3%
6
1
0.0%
1
40
1.5%
20
2634
100.0%
1047
順位 非会員向け 順位 通販一般
①
175 ②
23
②
181 ①
51
170 ③
20
③
60
26
167 ④
14
④
81
22
116 ⑤
7
69
31
⑤
67
19
66
14
21
25
44
19
26
10
15
1
7
7
10
0
3
0
0
0
12
8
1290
297
計(件)構成比(%) 会員向け
465
20.1%
108
428
18.5%
71
373
16.1%
55
201
8.7%
63
173
7.5%
95
141
6.1%
3
99
4.3%
10
97
4.2%
25
77
3.3%
24
59
2.5%
14
45
1.9%
8
21
0.9%
6
11
0.5%
1
8
0.3%
2
1
0
0
0
119
5.1%
20
2318
100.0%
505
順位 非会員向け 順位 通販一般
①
278 ①
79
③
157 ②
200
⑤
33
285
④
62 ④
76
②
50 ⑤
28
1
137
48
41
70 ③
2
21
32
16
29
27
10
8
7
0
10
0
6
0
1
0
0
14
85
785
1028
図表5.問合せの内訳(複数回答)
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
問合せ内容
信頼性・情報
返品・交換
個人情報など
代金支払・代金回収
企業の連絡先
商品の取扱い会社
契約・解約
会員社か否か
商品内容
広告内容
返金など
未着・延着
110番
カタログ請求など
品切れ
エコロジー
その他
計
8
図表6.会員社、媒体別相談件数の推移
(件)
300
285
252
250
192
200
199
167
150
130
100
42
45
50
23 33
59
53
64
44
21
10 11
24
18
17
29
12 9 15
8 7 9
0
カ
DM
グ
タロ
折
り込
み
新
聞
雑
誌
ビ
テレ
タ
イン
ー
ネ
ット
電
話
そ
の
(媒体名)
他
図表7.媒体別相談件数の推移
(件)
800
711
700
684
613
600
500
382
400
343
357
342
314
300
346
345
294
276
260
215
200
424
362
175
134
153
133
129
60
100
30
31
36
41 34
0
カ
グ
タロ
DM
折
り込
み
新
聞
雑
誌
ビ
テレ
イ
2000年度
2001年度
9
ー
ンタ
ネ
ット
電
話
2002年度
そ
の
(媒体名)
他
図表8.会員社向け商品別苦情・問い合わせ内訳
苦 情
順位
問い合わせ
件数
件数
1
冷暖房・家庭電気製品
87 通信教育講座
43
2
家具・収容用品等
64 冷暖房・家庭電気製品
24
3
家庭用品(含洗剤)
43 スポーツ・トレーニング機器
19
4
婦人衣料品
31 家具・収容用品等
16
5
子供・ベビー衣料品
23 婦人衣料品
12
図表9.非会員社向け商品別苦情・問い合わせ内訳
苦 情
順位
問い合わせ
件数
件数
1
ダイエット関連商品
133 ダイエット関連商品
66
2
パソコン類・周辺機器
69 美容・医療用品
39
3
家具・収容用品等
49 健康食品
38
4
開運・招福商品
48 化粧品
33
5
化粧品
40 通信教育講座
30
10
Fly UP