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日経 BP社 4 川崎人工島に向けて海上を運搬中のシールド機 。 クレ ン船で吊り下ろせる重量に分割してある 掘削開始を待つ木更津人工島のシ ルド機。 この円板部 分 ( 面板 ) を回転させて地盤を削り取る 。 表面に見える 数多くの突起は「カ y タ ビ ッ ト」と呼ばれる刃 。 削り 取 っ た土は、円板の細長いすき聞からシールド機の内部 に取り込み 、 ポンプで地上の処理設備まで圧送する シールド機の全景 。 茶筒のような円筒 形の機械で地盤を掘り進む 。 直径 14.14m 。 東京湾アクアラインの工事 では 、 合計 8 台のシ ルド機が使われ た 。 前 ペ ージは 、 トンネルを掘り終え、 解体中のシ ルド機 5 シ ルド機を発進させるために、川崎人工島の鉄筋コンクリー卜製の壁を壊しているところ 。 壁の 外の海底地盤を凍らせであるので、水が流入することはない 6 建設中のトンネル内部 。 海面下約 60m に築いたトンネルであるにもかかわら ず、水漏れはほとんど見られな い 「セグメン卜 J と日干ばれるコンクリ ー 卜製のブロ ッ クをトンネル内に運び込 む 。 このフロックをシールド機の内部 で円形に組み立ててトンネルをつく る 。 ブロ ッ ク 1 個の重さは約 10 t 海底地盤を掘り進んできた 2 台のシ ルド機が 接合 。 シールド機を解体して貫通したトンネル 8 現場の朝 。 午前 6 時 55 分、川崎市東扇島の 現場事務所の前で朝礼が始まる 。 建設工事 は元請けと呼ばれる建設会社だけでなく、 下請けと呼ばれる数多くの専門工事会社の 協力があ って はじめて成り立つ セグメン卜の内側に防水シー トを張る技能工 。 この内側に コンクリートを巻き立てる 9 作業前には班ごとに打ち合わせを行 い、その日の作業内容を確認する シ ー ルド機の解体作業 。 トンネル先端部で は元請け建設会社の職員がつき っ きりで、 専門工事会社の職人たちの作業を見守る •• 1 0 川崎人工島の作業足場となる銅 製ジャケ ッ トの据え付け作業 川崎人工島の全景 。 8台のシールド機のうち 4台 がここを発進基地として海底地盤を掘り進んだ 11 建設途中の川崎人工島の内部 。 直径約 100m の鉄筋 コンクリー卜製の壁 ( 地中連続壁 ) が海水を遮断 している 。 ここから 、 あと 40m も地盤を掘り下げる 1 2 護岸が完成した木更津人工島 木更津人工島の護岸の建設風景 13 橋桁の設置作業 。 2 隻の大型クレー ン船で長さ約 238m 、重さ約 4700 t の桁のブ口 y クを 気に据え付けた 浅瀬部では鋼管矢板で海水の進入を 防ぎ、内側に鉄筋コンクリート製の 橋脚を築いた 14 川崎人 工 島に立ち 上 が っ た換気培 1 5 「海ほたる j と命名された木更津人工島 1 6 「なめらかで連続性のあるバランスのと れた景観」を基本方針に設計された橋 完成間近のトンネル内部 1 7 はじめに 。 それほど画期的なことを行、つんです 」 。 一九八九年春、東京湾横断道路株式会社の当時の社長、岡昭氏は、 「この事業は『土木のアポロ計画 』 といわれている よ うに語った 起工式を目前に控えた この った人々は、このたとえが決して大げさではない どの仕事にも、予想を上回る困難が待ち受けていた 。 本 書 は、これに新たな取材を 一九九七年五月から 。 一一月 一 にかけて「東 。二 つの巨大な人工島、海底トンネル、そして海を渡 東京湾アクアラインの建設 事 業に携わ ||。 ことを、身をもって知ることになる る橋 建設専門誌「日経コンストラクション」では、 。 京湾をつないだ男たち」と題したシリーズ記事を掲載した 加えて再編集したものである 。 。 二一 月 困難に直面しながらも、その都度、決断を下してプロジェク 一O年、調査開始から数えると 三 O 年の歳月を費やしたビッグプロジェク ついに完成に至った 事業着手から 'ト adb 、 トを完成に導いた技術者たちの仕事ぶりを紹介する 一九九七年 日経コンストラクション編集 文中敬称略。 肩書と名称は当時のままとした 。 二 第 年章 0 2 の 積転 み換 重 ね を 捨 47 て 、 ユ/ 1し ド ^ ' 時第 f~ 1 の章 は じ め つ ね浮 2 上 翻 弄 さ れ た 巨 大 事 業 25 17 目次 水第 面 9 下章 _ _ . _ . F、 0 貫 メ通 ト )L〆 の 185 フ アフン 急第 勾 8 配章 で の支 安援 悪第 天 7 候章 超軟破 突 さ 弱 れ た た 資 167 材 搬 送 車 の 発 開 な章 る 悩ま 天 変 全 守 つ 未第 知 6 護 151 岸 工 事 層 を 掘 131 抜 り く 漏第 水 5 な章 き ト攻 ン防 ネ Jレ の だ わ り 109 川第 崎 3 人章 工 立 島 危 を機 襲 ボ ロ た 予 み地 て ~ こ 完第 全 4 自章 動 組意 、ソ ト の 誕 生 て〉 89 期 67 せ ぬ 湧 水 20 東京湾アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結 、 将来構想六車線 ) の有料道 ぶ延長 一五・ 一キロメートル 四車操 ( 、 。 ト 、 略長さ九・五キロメートルのトンネルと 長さ四・四キロメート 、 ルの橋で構成されており トンネルのほぼ中間点に川崎人工 島が 、 橘の長さは 4385m 。 なめらかに連続 海ほたる )が位 置 する ンネルと橋との接続部分に木更津人 工島 ( 一体となって東京都市閣の環状道路の一部を構 。 構 この道路は、東京湾岸道路、首都圏中央連絡自動車道、東京外か っ た車は、ここで海底トンネル ぐる 。 建設中は川崎人工島に向 て掘り進む 2台のシールド機の発 也にな っ た 。 ・ ・ 調査区間 ある 。 。 造設がある 。 木更津方面から橋 ・・・・ 事業 中 区間 る 。 橋を渡 っ た木更津使!に料金所が く環状道路などと 人工島 。 帆船をモチーフにした 一一一 供用区間 する橋桁を Y 字型の橋脚が支えてい て浜地区と 房 総地区と 成する 東京湾アクアラインの完成によっ京 章着岸部から 4.4kmの沖合に建設 の聞の所要時聞が大幅に短縮される 輝人工島(海ほたる} 2 1 浮島 川崎人工島 ピラミッド型の換気塔が目印 。 東京 川崎港の沖合約5kmの地点に建設した 湾アクアラインはここで東京湾岸道 直径195m の人工島 。 竹を斜めに切り 路、川崎縦貫道路に連結する 。 建設 落としたような形の二つの換気塔が 中は川崎人工島に向かつて掘り進む 2 シンボルだ 。 建設中は浮島と木更津 台のシールド機の発進基地になった 。 人工島に向かつて掘り進む 4台のシー ルド機の発進基地になった 。 15.1km 海上部 14.3km 4.6km 川崎側 、\ O.1km r . . 4.8km 一 ~ミ" l LI トンネル 上り線と下り線の2本のトンネルがあ る。 トンネル内部は上下2層に分かれ ており、上の空間が自動車走行路、 下の空聞が管理用通路だ 。 火災など の非常事態が発生したときは下の空 聞を避難路として利用する 。 合計8台 のシールド機でトンネルを掘った 。 A 戸~ I 2 2 八五年丸月 六六年四月 八六年度政府予算案で事業化が認められる トンネルの構造を沈埋トンネルからシールドトンネルに変更 建設省が東京湾横断道路の調査を開始 易第 -V 篇 1章「浮上」 調査開始から完成までの主な動き 八五年一二月 東京湾横断道路株式会社を設立 Jレ セ -マ第7章「天変」 2章「転換」 八六年一O 月 環境アセスメント手続きが終了 日本道路公団が建設大臣から事業許可を受ける 。 八七年七月 日本道路公団と東京湾横断道路株式会社との聞で建設協定を締結 着 手 日本道路公団が漁業補償交渉を終了 事 八八年一二月 の 東京湾横断道路起工式 工 八九年五月 護 岸 浮島の工事が始まる 式 川崎人工島の工事が始まる 島 八九年六月 鋼 矢 板 木更津人工島の工事が始まる で 橋の工事が始まる 工 八九年一O 月 丸一年五月 木 更 津 人 2 3 丸一年一O 月 六月 トンネルの仕様がまとまる トンネル工事を発注 橋桁の工事が始まる S 丸三年丸月 川崎人工島で鵠水発生 丸二年二月 丸三年一一月 このころ、 セグメントの完全自動組み立てロボットの開発完了 浮島から 二台のシールド機が発進 九六年三月 丸五年六月 丸五年四月 シールド機が最初のドッキング 浮島から発進した 二台のシールド機が掘進を完了 浮島から発進したシールド機が超軟弱層を按ける 川崎人工島から四台のシールド機が発進 -V 第 5章「攻防」 4章「意地」 -V 第 3牽「危機」 易第 四組八台のシールド機が地中でドッキングする -マ篇9章「貫通」 -V 第 6章「突破」 このころ、 トンネル資材運搬用の新型バッテリー機関車の開発完了 -マ第8 章「支援」 丸四年八月 丸六年五月 最後のシールド機が掘進を完了 木更津人工島から 二台のシールド機が発進 橋桁がつながる 一一月 九四年一O 月 5 丸六年八月 道路の名称が「東京湾アクアライン」に決定 丸四年一 O 月 九七年二月 トンネル貫通式 。 九七年四月 丸七隼一二月 ヌ巳 成