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米國における株価論争

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米國における株価論争
米國−、に捗けろ株伽論争
佳ノ 江佐
米国上院銀行通貨委員会に拾ける株式市場調査に関する覚書
ま え が き
盾
良
こユい小鯖は撚式価絡の構成と変動に関する研究にたいする一っの資料としてまとめたもので、その
資料は、亭oミ巴−◎ogo9﹄;;﹄一亭oオoミく◎寿ヨ昌9二訂Oo昌昌撃9竺p箏︷皇自竃9芭Oざ◎邑o−9
ントなどか、﹄ノ得たものであ乙。そして、とくに眺記しない引月文は、すべて茅o考きoo言og﹄g婁∼−
一ぎ一一一冒9亭o宙易一罵。日乙。ミo県二ヶo︸8昌昌ぎ一および邦文では、日木経.巾新閉、証券、インベストメ
からのものである◎
一九五〇年いらいo数年間、こ・、しに、昨一九、五岬年十一月からの米国の株式市場は、、ぺつた!\﹁牡牛○突進﹂
︵¢昌メ、のもの\ような、旺んな様相を足してき〃﹂。これをダウ・ジ、、、iンズ平均株価によってあとづけてみる
・,し、六十五稜総含・、し三十種.工業とにわいてつゴ、ピのようになつている、
米国におけプむ株価論争 一九五︵六三︸︶
1
一一一黙灘一繕一搬一
寸命館経済学︵錐四巻、策四岩︶
業
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1 1 1 1 1
一i−一山
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一介六︵六三二︶
よた・二れをス々ンダード・アンド・フーイ・スの株価指数にっいてみると、.一九三五年から一九三九年までの
平均を一〇〇ピすると、普通株四八○種総含と四二〇種工業とにおいて、つぎのような敏字をしめしている。
工一
業面厳罰叢叢鴛藪刎叢鴛一
一678950530216942598一
総一
合一H171818192020別22四23232324乃262627一
一 12345678910H1212一
一 一一二二二一一二二一
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一9595959595 19 一
一11111 ■⋮::■一
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\
︵この統計において二月までを掲げたのは、本稿において必要な範囲にとどめたからである︶
こからの数字んこ図表にするむらば、さらに明確に、ユ、の傾向を。認めることかできるのであ乃うが、この二つ○
統計のみによつてもわかるように、 一九五〇年いらいの数カ年にわ壮﹂る期間にわいて、ほとんど一本調子といつ
てもい\ほどの騰貴傾向をしめしてきた米国の株式市場は、一九五四年に入つて、さらに、その傾向は急速調と
なり、十一月には、米国株式市場における歴史的最商値と称せられる一九二九年九月三日︵株式大恐悦直前︶の
ダウ・ジ一二−ンズエ業株三〇種平均株価三八一ドル一七セントを一気に突破して、っいに、新最高値を示現する
にいたっ如﹂のである、しかもなわ、本年に入っても、そ、の傾向を変へず、高騰の一途をっゾけてきているのであ
乙。こ○ことは、重要な資料となつているcc8果く彗ぎけoo9らざ犀︷◎鼻亀手oO◎昌昌奉9c目炭讐−匡目晩$−己
Q;H92撃臣.O◎冒窄9。。気.cc9。。︷§において弦い調子で指摘されている。このようなかなりの長い期間にわ
たる株価の高騰徴向は漸次人気化しで、きて、 ﹁大衆○関心を市場に向けさ廿一、比較的に無関心であつた一般市氏
↓
も、何年ぶりかで株伽を食卓の話趣とするようにまでなった﹂といわれ、 ﹁一般投資家も、敢引所会員も・、しもに
づ
︵
い支\で以上に投機的になつている﹂と報せられるにいたつだ、
註H嘗 巨本経絡薪蝸 帽和三十年二月十三日号
二
二のように人気化、したがつて投機化してきた米国株式市場は、本年の初め、米国上院議会によつて注目され
米湧、に抽ける株価論箏 一 一九七︵穴三三ノ
■
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立−命館経済学︵銀四巻・第四薯︶ 一九八︵六三四︶
るところとなり、ついには、一月六日、民主常J・ウイリアム・フルブライト︵﹄・ミ自討旨乏亭暑軍︶L−廃
議員によって、ニューヨーク株式市場にたいする調査が提案サられ、同議員が委員長となっている上院銀行涌貨
委員会︵弓汗oo雪黒o寅p箏竃目oq四冒︷O毒篶暮×O◎昌昌弐9︶すなわち、 一般には、金融委員会とか、寅p■雲b胴
O◎8旨奉雰とか、あるいは掌−亭ユoqまO◎冒冒奉8とか呼ばれている委員会によって、この調査が行われること
\なり、フルブライト委員長は、一月十三日、この調査のための委員を構成し、これらの新委員によつて、この
株式市場調査にかんして必硬な諦記録の蒐集がはじめられ、十四日、フルブラィト委員長は、この株式市場調査
にかんする公融会を開催する予定について発表するとともに、この株式市場刈奄o同的にっいて、っソ、あように
述べている。
﹁本委曇は、公聴会という墓にしばくっきまとい窒な意味集ける株式市場の調査は秦計画してい
ない。わたくしは、株式市場特有の詐歎行為、市場操作、わよび不正行為について全然知らないし、“ノ一たそれに
ついてなんらの疑いも拘いていない。しかし、こ\二三カ月余にわたる株価の奔騰は、確かに委員会の関心を惹
くものであり、慢重な検討を必婁とするようにわもわれる。委員会は、株式市場の動きに立入るべきでないと考
えている者もいるようであるが、そのような考え方は、政府が事業に千渉すべきでないという前提、もしくは委
員会の行動が市場に悪影響をあたえるかもしれないという流提のどちらかにもとづくいているのである。しかし
株式市場は、他の経済界から遊離すべきものではない、とくに株価の激変している今日のような場含にはそうで
ある。わたくしは、本委員会が市場に悪影響をあたえる如何なる行為をも最大隈に避けるという二とを明確にし
■
’
■
てわき”﹂い。 委員会は、 二ういう一人場o微妙さを十分に知つていろから、 二、○什堺をきわめて泳魚深く進める
であ・?−。二〇公、悩会キ人っさつ二っつ﹁的 す一、わち、委昌.会二託六界nニキスヘート、−託言彩.聞かせるとい
うこと、そしてまた市場活動に関する一般大衆の教育を普及徹底せしめるだめ○湊れ片﹂方法を案出、一9るという二
と をもつている。﹂﹁二の﹁調査﹂の主なる目的は、現在の株伽騰貴と、それを生んだ過去十六ヵ月の俸上
げに関し如何なる原因があるかを見出す二とにある。木委員会は、悪行をあば二うなど\いう考えは毛頭もっ
ていない。﹂
二のような、フルブラィト委員長の慣重な、嗅心深い声明のうちに、っぎ○ようれ、主々る一、点亭.汲みとろ・、
、二ができる。その一つは、一九三三年に行われた、一九二九年秋○米国株式市場○大激落にっいてのフェルディ
ナンド・、︵コラ調査︵軍己ぎ彗︷﹁g◎§−;o。。ユ習庄昌︶が、株式市場にわける焦悪亭暴露し、二とに、﹁従来
↓
︵
保守的であった投汽銀行家のスキヤンダル﹂を捌挟し、痛烈に批判したため、株式市場は萎擁沈滞し、深刻々彩
響をうけたという経験に省みて、いわば、株式市場にかんする調査において、第二同目とも考えられる、今回の
フルブラィト調査を開始するにあたつて、 ﹁調査の対象が米国経済の中枢神経ともいうべき株式市場であるだけ
に卵の上を歩くよう灯、愼重さを必災とする﹂とし、決して、かって○、ヘコう委員会ゾ行っにト︷うれ、 ﹁悪亭、あば
き不正を追及すろための調査﹂ではなく、 ﹁調査︵H量富けポ津︸旨︶というよりは、わ、し一・。友好的︵ヨ8竺×︶な
立場から○研完であろ﹂という音江弟、独調して、株式市堺に不必躯れ刺載をあたえ汀いように、きわめて、慎.重
な態度でのぞんでいるということであり、他の一つは、それとともに、大衆の利潤遣及が”﹂んなる株式投資から
米国に拍ける株価論箏 一九九︵六三五︶
,
立命館経済学︵第囚巻・鋒四芳︶ 二〇〇︵六三六︶
逸脱して、必要以上の投機活動に走ることから、一九二九年にわける崩落とおなじような破局的な株式恐慨を招
来することを極力固避しようとする貰図をもっているということである。
註H 三木純吉著、米国有価証券法の研究、四頁。
三
けれども、この二つの点のうち、﹁友好的﹂と言明された態度は、公穂会による調査が開始せられるまでは、
株式市場においても、今回の調査は﹁建設的である﹂として好感をもたれ、むしろ調査にたいして協力であった
のであるが、調査が開始されると、﹁日の経つにつれて、一分毎に、いわゆる﹁友浮的な立場からの研究﹂から、
しだいにはなれ、仮面はぬぎすてられて、フルブラィト委員会の質間の調子は激しきをましてきている﹂と批評
され、 ﹁研究﹂から﹁調査﹂へ比重をかけかえてきた、と観察されている。
また、一九二九年秋の株式大恐硫とおなじような恐慨が株式市場に惹起されるかどうかの危慎についての見解
は、この調査のための公穂会が開催せられる前、すでに、 二つの対立したポのとしてあらわれていたようであ
る0
一つは、現政府側の、つまり共和党の。基盤となつているウオール・ストリートにわける見解であつて、この株
式市価の高騰原因は、景気の後退か一応隈界に達し、今後はむしろ、景気回復が見透されるという一般的な観測
と、一九二九年から一九五四年までのあいだの米国国氏総生産における増加卒が約九五%に柏よんで・いるにもか
\わらす、株伽○騰貴率は二一二%前後にすぎ汀い○てあるから、比較の上から考えて、いまもなわ、株価は安性
にあるという観察とである。この見解にたいして、いま一つの見解は、一般的にいつて、民主党系の見解とみら
れるもので、現在の株価と一株当りの牧益高とo比卒があ壮﹂かも、一九二九年の初期におけるそれと一致してわ
り、十四借となつているし、配当利回についてみてもまた、一九二八年の初期にわけるそれとおなじ四%である
から、今後の企業枚稔巾一般景気○動向が悪化すると、当然、行きすぎの感ある株柵は、俄然、崩落せざるを得
ないであろうという警戒的な見解である。
二の二っの見解、今固の一九五〇年いらい数カ年にわたる株価高騰傾向が、かっての一九二九年十月に惹起さ
れた、ような株式恐慌し一わなじような恐慌発生の先行的な様相であるかどうかについで、の、いわば、純景気観測と
して○見解が、奇妙にも、共和党と民主覚とo対立的れ見絆となってわり、その背景に政治的な対立o臭味がう
シい一われるo二〇二とは、公融会にわける委員会の欄査が逃行すゐにつれて、漸次、政治的な色彩が濃厚に、つ
てきて、ついには、委員会の委員のあいだに対立抗争があらわれるという、いわぱ共和、氏主両党の泥仕含とも
いわれうる情勢を露呈するにいたった基因であり、必らずしも偶然に招来されわ﹂二とではなかったのである。
二〇一︵六三七︶
こ\で、本題に入るま元に、一九二九年十月に発生した米同における株式大恐慌に一瞥をあたえる二とは、今
後の理解のために必硬打二とであろう。
米国に拍ける株価論争
立命館経済学︵第四巻・第四廿︶ 二〇二︵六三八︶
﹃アノリカ資木主義の指導者の間では、少くともアメリカ経済の前途に関しては、依然として楽襯的な見解が
支配的であつた.﹄が、﹁その代表的な意兇としてゼネラル・モーターズ杜長の声明﹄がある。
とづいているo﹂
﹁一九二机年に関しての私の立場は、わが国の縫済状態わよび産業状態は徹頭徹尾健全であるという確信にも
↑
二〇ような意見が声明として堂々とのべられるほど、 ﹁第一次世界大戦後○産業含硯化を基礎とした工業の発
巽による一九二つ年代の繁栄は、アメリカにわける﹁永遠の繁栄﹂と調われたのであるが、一九二九年一〇月に
斥、一ノ一きこんだ大恐悦の発端となった﹂けである。 ﹁この株式恐慌は、直接的にぱ、一九二八年頃から漸く顕宥と
いだつてニュ,,ヨーク株式市場の大崩落が超き、それは全産業部門に波及して爾後五年近くにわたつて世界経済
つ
︵
ヨ
なり、一九二九年秋までに未曾有の規模にまで発展した過当投機の緕果であ&、。﹂
﹁米国では一九二七年︵瑠和二年︶の末頃から株式市場の投機勲が潮く盛となり、一、八年になって全く熱狂的
になつた。三十種工業株平均相場は、 一九二七年初には百五六十弗であつたものが、二八年初には二百弗とな
り、二九年初には三百弗、更に二九年の八月には三百八十弗と、急激な昂騰を続けに。之に伴つて紐育の仲買人
貸付高は一九二七年初には三十億弗以下なりしものが、二十九年九月末には六十七億弗に激増し、而して此の貸付
に対する金利は、一九二七年の四%前後から、二九年には九完前後を普通とするに至り、最も高い時には二十%
にも及ぶと云うような狂態を演じた。斯様な勲狂状態臥後には必ず一大反動の来るべき二とは容易に想像された
所であるが、一九二九年九月に至つて漸く勢は極まり、遂に株式相場の大反落を来した、二年有余に亙る米国株
式の昂騰は僅かな牧入で暮して屠る一般市氏や農民の間にまで株式勲を浸潤せしめて居たので、一且瓦落に会う
←
∼
︶
とそれ等い民衆は甜も弦く打撃打一られ、一般尚^に対すろ購買力の激減を来さしめグ﹂﹂ ﹁九月を凪上ししすゐ大
.ぺ鋤ヅ起りて以後米閃○株、武は十一月迄急激なド落を続け^﹂。そして三卜碓工業株の平均梢場は、十一月の最低
刮
︵
二百弗に落ちレ﹂。九月の最高三百八十弗に比すれぼ殆ど半分に近いも○である。L一凡二九年の株式大恐慌とし
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. て、有名れ日の十月二十八日の大暴落は工業株価平均にわいて三八弗三
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できれかった。汽木・王義晩﹂上株価のか、る低落は未だ嘗て汀かったほど
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二〇三︵六三九︶
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アメリカ含衆同の一九二九年の恐慨わよびそれ以前の耕恐慌にわける
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−
註H 神野歎一郎著、批箏とアメリカ資木主義、八頁
オ 塩野谷九十九著、アメリヵ経済の発展、二七八頁
目 公正坂引協会著、証券市場にわける金激資本の交剛と壊中、四五頁
陶 東洋経済新報社編、日本経洛年報第一糧、三六頁
回 右同書、四三頁
内 ヴアルガ著、永佳道雄訳、泄界経済恐慌史第一巻、第一部、八九頁
枚国に拍ける昧伽論争
立命館経済学︵第四巻・箪四号︶
二〇四︵六四〇︶
フルブラィト委員長の任命によって、委員の構成する株式市場調査委員会は、株式市場調査にたいする方法を
三段にわけて行つた。第一段の方法は、株式市場調査にかんする常任委員会の委員長に就任した 声◎げo暮>.
考きo。,常任委員が・王として、株式市場調査委員会のスタツフをつかつて、他に、特定のエコノミストおよび統
制管理機関、とくに、S・E・C︵証券敢引委員会︶の人々の補助をうけて、 ooS串夷︷◎暮としての調査を行
つたびこの調査における対象となつた事項はつぎのとおりであるが、この調査の結果をまとめて、後に、株式市
場調査委員会の名をもつて公表されたのが、星9◎易声黒O弐轟手O◎080庁竃弩汀戸◎O$申申︷冒二◎け牙O◎昌−
昌奉8昌宙彗竃湯彗︷O;篶篶ざ声勺邑C◎◎し89である。︵その内容は、HO080庁勺まO昌◎寛昌9誌一目
oo8o庁勺ユogp虐︷需目o§−げ易ぎ2。・饒9;斗︷◎婁UH目 O篶争↑p目o亭o。。8o庁旨弩庁o戸Hく弓∼メで◎︸99
。目∼手。。。け。o斤昌、、斤o戸く宇争<崖目竺四冒︷︷舅津E一︸◎目竺ぎ<o津冒o暮ぎ 。。8oぎ一くHoo8o斤向き−峯箏oq2一く目
¢︹︶<c;旨52き︸目匹隼−oo。け◎o斤昌臼H庁o戸<−HH一﹃,oo<oH−隼−oべ◎冒箏一〇﹃員5﹃斤oけつ各北早か・b、つている。︶
一九一百年から現在にいたるまでの各地株式取引所の業種別週間株価動向、および同期間中の業種別の売買高
の記録。︵U◎ミ︷◎箏員O03冒$己四箏︷勺◎◎易一く8︷壱二訂オO冬く◎寿弓︷昌員手Oト。。。。◎9黒&串O呈90.自.
o・等の株価平均わよび株価指数をふくむ。︶
株式坂引所の歴史とその経済に占める地位、 ︵これには、攻引所の機能、ニユーヨ⋮ク株式坂引所、アメリカ
●
ン株式敢引所わよび地方○各班引町い相対的地仇、班引所が会員わ仁ぺび公員会杜にだいし一、、晦求、一、一わ汽本金、信
頼性わよび訓練など、上場株式にたいする取引所o規則、取引所が徴牧している手数料、蚊引所の立会場にわけ
る値段決定の技術的方法、一般大衆と直接に売買するブローカーの活動、わよびそれとの比較にわけるス.ヘシャ
リスト、フローアー.トレiダー、端株業者などの活動等もふくまれているのである。︶
規則の変遷・それらの規則のもつ弊害にたいして如何なる措置がとられだかS.E.Cの設澄にいたろふ、ひで
、∴陸ヤな調査S・E・Cは現花一証券汝競を如何に運用していろか。投資儘託、年金基金、保険会杜、値人、
外胴人、会杜○役員による阿有株式n分析。 ︵二れには、攻引所○会員わレ小び非会員︵り株式売買、証拠金”の一りい
は現金敢引、攻引単位または端株単位による取引、空売、三たは室責、実物売買等の梢対的重婁性についての分
析もふくよれるとおもわれる。︶
市場にわける信用、顧客ならびにブローカーにたいする信用の供与、株式信用とその他の銀行信用の比較、通
貨の需給に関すゐ統計、政府○財政政策、およびそ○政策が資金の需給に如何なる影響をあたえているか等の分
析。一九一五年、ルら今日までの重要な業種別株式の株価と一株当りの牧益、配当利回、ならびに一株当りの帳簿
価格と○比較分析。法人の買付ける株式、また、法人が株式を買付ける現由、株式市場における買け、○比重、一
九二九年以降にわける個人買付から渋人買付への推移等への推移−等の.調在。
第二段の調査方法として、企米のブローカー、ディーラー、投資、研究者、 信託会杜、わよび金融学者など五干
二〇五︵六四一︶
五百名と、経済評論家百十三名とにたいして調査質間を行つたのであるが、 その調査質間の内容はつぎの九項目
米国に拍ける株価論争
■
文命飾経済学 ︵ 錐 四 巻 ・ 第 四 苦 ︶
一九五四年十二月にわける株価急騰の主婆原因は何か。
二〇六︵六四二︶
一九五三年の秋以降から始まり、約一年半にわたつている株価高騰の主要原因は何か。
にわたるものであつた。
H
H
昌 現在の市況は、一九二八、九年の市況との間に重要な類似性をもつているか。
一九五四年十二月一日と、五五年一月一日の株価を比べ、その高騰傾向がなわ、ひきつぷき一年にわよん
あい、国民経済に悪影響をおよぼすか。
一九五三年九月一日と、五五年一月一日の株価を比較し、その株価の高騰率が今後なお一カ年っざいたば
功 現布の株価水準、市場の活動、信用取引にたいする融資残高からみて﹁経済にたいする危険﹂があるか。
︵
丑
、’
一、’
.内
だばあい、国民経済に危険をあたえるか。
度に株式市場の動きを左右しているか。
株式市場の株価変動は、如何なる程度に一般の景気動向に影響しているか。また、景気動向が如何なる程一
二、の是正策はどうか。
現行の敢引所わよび場外市場にだいする政府の瀞規則にっいて、不適当とおもわれる点があるか。あれば
う もしか\る悪影響ないし危険があると考えられ石とき、如伺にすればそれを固避しうゐか。
忙
内
レ↓
これらの調査質問は二月二十六日までに回答すろよう要求せられたのであるが、 委員会は、この調査質間にた
いして阿答せられたものを基礎的な鈴料として、前述のg.s申声︷◎算とともに、公聴会にわける質間の資料と
したものであポ。しかも、oog申宍毛◎暮○ように公表壮、られていないoであるが、ユ、、い二とにたいして、批雛
されている。
箪二〇調査手段は、公総会○開催である。二の株式市場湖査委員会は、当初、二月二十三日から公聡会を開傑
して調査をす・める計画であつたと伝えられたが、その予定が遅延して、公聴会は三月三日から開始され、二十
ご百までつぷけられた。そして、この公聴会に託人として出席する人々は、株式取引所、店頭坂引専門の証券業
者、経済学考わよび経済評論家、投資銀行、金融機関、投資会杜、企業家、市場研究考、政府諾機関等の代表的
な人物から、二十一名が選ばれた。
︵︷︶ニユー−ヨーク株式攻引所理箏長○・穴〇一亭勺厚婁け旨︵しア、リカン株式欺引町班小長−︷考、、︷一一・竃oO◎、旦
昌一〇斤︵しミツドウエスト株式蚊引所理小長言8蟹申o20サンフランシスコ株式収引析理ウド一其宍;津匡声
穴s巨20全同証券業協会会長葭弩o5軍≠8︷○ハーバ一一−ド大学教授﹄争箏穴・○p5;岸プ○メリル.リ
ンチ・ピアース・フエナー・アンド・ビーン杜マネiジンゲ・バー−卜−ナー老ぎ︸﹃毛声oり昌︸手○連邦準備制
度前現事会議長峯彗︸−9oo.︸8一20チエース・ナシ、,ナル銀行取締役会長言プ箏﹄・峯o9◎<○シアーズ.
ローバック・アンド・カムパニー粥車兼財務委員会委員長o彗胃竺宋◎烹算戸考◎巳○ゲレーアム.二、一ーマ
ン会杜会長兼杜長黒旦町昌ぎO・○;ぎ冒○連邦準備制度理専会議長考昌討昌く・く四、けぎ○財務長官Q8,oqo
く.︸s冒勺写20フィラデルフfア・ブリテン主筆Q・>・皇<ぎoq・。8冒o︶レiマン会杜刮杜長、全国投資会杜
米国における株価論争 二〇七︵六囚三︶
立命館経済学︵第囚巻・第囚号︶ 二〇八︵六四四︶
協会会長−︶◎易︷ 震oプ弩芽旨○フ、一ルディナンド・エバースタッヅ・アンド・カムパニー理事会長兼杜長
﹃2皇§ま冒牙易S隼○C・1・O書記長﹄.O竺20ゼネラル・モーターズ会杜杜長目弩−◎ミ︸.O膏まo
OU・Sスチール会杜取締役会長黒旦p旨ぎ司・司四己易。。○証券敢引委員長■p号︸目一Uo旨旨−弩○黒﹃量己
く. HwP﹃竈Oテ
弓ぎo◎昌昌雲o邑§︷皇墨g邑o写g己oや︸oミらoo言og旨⋮量−によつて報ぜられたところによ
ると、ゼネ号ノル・モーターズの︸弩−◎考声o冒まoとならんで、同杜の副杜長である≧牙き射§昌2が聾言
する予定であつたが、変更されて、﹄.戸巨くぎoq。。8箏と﹄.O巴2とが証人に立つたのである。
二〇証人○変更についてば、公聴会が開かれて五日目9二月七日、ミツドウヱスト株式敢引所のデイ理事長か
訣言を了っト﹂あと、委員会の委員によつて﹁証人の追加は、現庇予宗.されている証人の出頭の期間中に行われる
であ乃う。われわれの意図するところは、各実業界、労働者ならびに農業界の代表者からいろいろな意見を穂敢
するにある﹂・、し述べられている。 ●
これらの証人のうち、その公穂会にわいて注目すべき発言を行ったのは、司弓寡a員くoO冒昌庁ポ◎o冒︷けF○竺−
一︶;岸7く§︷p︸目旨勺プHoざoo昌旨−gであり、ことに、弓p寡8pQ当﹃§宇Fわよび曽目旨勺サ︷の証言は
内容的にも、また、政治的背景にわいても璽要視せられた。
二九ら三つの調査手段のうち、もとより 、入目を惹い〃﹂のは、公穂会形式による調査であるが、公堀会開催の
︶
↑
胃的はもちろん、調査〇一環としてぐあるけれども、それ・二ともにエコノミストが書いているように、 ﹁フルブ
ライト委員長が公聴会を閉始する目的は二っあるということが、公穂会において早くも明“となつてきレ、今冬
の株式市場にわける黙狂度を明かにすること・、一般公衆に、株式市場というものは、やすやす金をつくらせる
ような場所ではないということを警告することで﹂あったO
p︶亭o目898ぎト勺フo.;8一
六
フルブラィト株式市場調査委員会の公穂会は、一九五五年三月三日、陸軍対マッカーシーの論争で世界的に有
名になつた部星で開かれたといわれる。まず、壁頭に、ニューヨーク株式坂引所細事長、Q・内筆プ弓竃婁8ヨ○
暫冒が行われたoフアンストン理墳長は、二十数頁にわよぶステiトメントを朗読した。 ︵このステiトメント
は、 ooS箒昌o箏け◎、Q・穴oざプ弓;箏。。8員勺、2己o目ポオo考く◎﹃斤oo8o斤向■oプp箏oq9げo♂5亭oO◎旨旨#箒o
◎冒宙Pづ医目岬津冒︷O膏﹃90ざO目岸&OO$一2008等9竃弩07CO”;︸9と題して出版されている︶その大婁はつ
ぎのとわりである。
﹁我々は、市場が、今日まで、秩序正しくその機能を果たして来たということ、わよび今日の市況が、現在
○楽業状態ならびに将来の昆とおしに対する大衆の評価を正確に反映しているという二とを、信じている。最
近の株価騰貴傾向は、株式にたいする需要の激増と、株式供給の限定という、二つの緕果によつてもたらされ
米国に拍け、心株価論争 二〇九︵六四五︶
立命飾経済学︵舞四巻・館四晋︶ 二一〇︵六四六︶
たものであるO ・
株式の需要が急激に増加した理由としては、通貨と信用の安定、超過利得税の撤廃、経済繁栄に・たいする国
異の確信等をあげることができる。一方、株式の供給が隈定されているというのは、戦後における事業会杜の
方策が、株式を発行するよりも、むしろ借入金によつて新規の資金調達を行わうとする傾向が強いからであ
る。この動向をかえるためには、まず、税法の改正をなすことである。ことに、資本牧益税 ︵譲渡所得税︶
○毛ぎ一〇q乱婁sメ を是正し、配当金に対する二重課税を軽減ないし緩和をなすことが必要である。﹂
二︵〃ステートメントの朗読が終ると、フルブラィト委員長はファンスートーン理事長にたいして質問を開始し、﹁い
ま、ニユ・ーヨーク株式取引所で行つている株式投資宣伝活動は株式需吸を璃加しようとするためか。あるいは、
株式敢引所が株式の売買をしてもい\とおもうのか。取引所の機能は、もししもと証券取引に必婁な市場設備をする
ことではないか﹂とたずねたが、この質間にたいして、﹁株式敢引所はもとより証券敢引をなす市場として機能す
るものであるが、多くo人々に、取引所市場というものはどんなものであるかを知らせ、市場にたいする信頼を
深めるため、一般的な致育をなすこともしてよいとわもう﹂と応答している。 ﹁大衆に1株式を買わせようとする
意図のもとにしているのではないか﹂ ﹁取引所会員が顧客のために株式を売實できるような惰勢をつくり出そう
としているにすぎない﹂フでの株式所有の宜伝活動はインフレーション政策といえないか﹂というこの質間にたい
しては、ファンストン理事長は、強く否定し、大衆の証券投資は、結局は、経済繁栄にたいする大衆の確信にも
とずくものである、と強調した。フルブラィト委員長のあとにっぷいて、モンロー−ネー委員︵民主党︶が﹁株式需
致を勧奨してい一んとき、どうして株式O■供給をも汲励し行い○かLと瓦閉し篶﹂一二﹂いして、 ﹁蚊引所には、ザ〆、、り
÷つ穴勧告をれす権限は汀いc株式の需給にわける不均衡に関連して、市サ業会杜の株式発行1い一積極作と託券投汽
家か所有株式を谷易に一、皿金できるように措畳する二とがそれを解決する手掛りであろししわ・もう。したがつで,、、現
行の資、木牧益税わよび配当二重課税を改正すべきである﹂と同答し、かっ婁望し払﹂。叉望の双点は、@純粋の長
期盗、本牧益にト﹂いする三五%○税卒を半減すろ二と、◎長期と短期○資木牧溢を区別しで、いる、いわゆ、り盗一杢所
有期間を現行六カ月から三カ月に短縮すること、 資木損欠にっいて経童町得からの控除額を現行;丁ドルから
五千ドルに拡げること、わよび@A飾柄を売却して、同一価格のB錦柄を買付けるときは、資本牧益税を課税一
しむいこと等であつたo
二のモンローネー委員についぺ、﹂、ケ⋮プハート︵共和党︶モーズ︵氏・王党︶ロバi−ドソン︵民主党︶フレアi
︵共和党︶ブッシュ︵共和党︶ダグラス︵毘主党︶わよびアイブス︵共和党︶合委員が間質の矢を放ったが、フ
ルブラィト委員藁は、二の■二年間に、取引所理事長わよび役員が所有した株式にっいて、詳細な報肯をもとめ、
それら6役員が所有する株式は、.敢引所全体の所有する株式に比べて非常に僅かである二−一しを認めたのち、◎梢
場予想屋の坂締りれいし、その動きを拘束する二と、@株式を公開している会杜の役員一ノ一たは大株・王による内部
俗報にしたがつて行われろ株式売買にか・ろ一般取締り、 ニユーヨi々敢引所が行つている少額投資家を市場
に誘導するような諦活動に制限を該けること、@店頭市場で取引される株式について、または工、の敢引価格につ
いて、さらに完全な惟報をなすこと、◎短城投海、わよび証拠金敢引規則の敢締倣化等に大きな関心をもつている
と述べて、この公融会を閉じたのである。
米国に抽ける株価論争 二一一︵六四七ソ
⋮
⋮
⋮
ム
⋮
⋮
立命館経済学︵鋒酉巻・第四吾︶ 二二一︵六四八︶
この公聴会で諾委員からの質閲をあげると、まず、フルブラィト委員長の株式投資宜伝活動に関する質間を筆
頭に、新発行株式の量︵モンローネー︶株価騰貴の原因︵ケープハート︶減税︵モーズ︶証拠金卒︵ダグラス︶
などに関するものが代表的の質疑であったが、エコノミストにも報ぜられているように、ファンストン理事長の
聾育のうちで、坂引所にわける敢引を分析すると、大体、個人売買の五二%が証拠金取引であるという二とが明
↓
︵
にされ、それがフルブラィト委員長から突かれた点として注目を喚すろ。
註H 向8コ◎ヨ︷員&.一>君一9;3
共和党が、その地盤として自他ともに認めているウォール・ストリートの有力な代表者ともいうべきこのフア
ンストンニ一ユーヨーク株式坂引所理事長の延言は、当然、現政府の政策を肯定する立場にたっものであり、緒
論としてもまた、か\る立場からの要望に行きついている。このファンストン証言とともに、否むしろ、対蹄的
な琶冒としても、大きな注目をひいたのは、ハーバート大学のジョン・K・ガルブレイス教授の延冒である。同
教授の証言は八日の公聴会で行われた。それまで、三日間に、業者側と考えられる米国四大株式敢引所の理事長
が証人に立つたのであるが、ガルブレース教授は各界の代表者としてはじめて証人となつたのである。教授は現
在の株式市場の状態が一九二九年当時のそれに比して、かなり似かよつた填因がある二とを指摘し、二の株式市
場調査委員の公聴会にはじめて暗影を投じた。
教授のス子1−ドメントを要約するし一、株式市場の現在の状徳は、多くの投機的な婁素が存在しているようで、
ブ己ーカーの信用伏与が最近、非常に璃加してきており、一九二八年の情勢に類似しているから、現状では、キ
ヤヒタル・ゲーンズ・タックスを緩和する二とは賢明でなく、むしろ、反対に、税卒を引上げるべきであるこ
と、わよび、ニューヨーク株式敢引所が行っている株式投資宣伝活動は危険であることなどにっいて、きわめて
学術的な表現をもつて○べている。そして、過当投機の危険について、繰返し力説した。
﹁一且、ブームがはじまると、も早や、それを喰いとめるこ・、しはできない。たぷ徒らに、その消滅を待っしか
ないのである。連邦準備制度ば、一九二九年にブームを阻止する緊急措置を誤ったので、あのような大惨落を招
来したのであるが、総じて、緊急を奨する措置をわくらせる動機は、多くの人々が十分に健全に推移していると
焦じているときにあらわれるものである。一九二九年においては、一大破局が来るという警告をほとんど聞なか
↓
かっむ。現在もまた、.肖時とわなじように楽襯的な傾向が見受けられるのであるが、実はこのこと自体が、こO
委賞会の一つの課魑を提起しているのであつて、そのことは、いまさら繰返えす必翼はなかろう。﹂ ﹁投機師o
職業痛ははげしい不安である。人々は、配当牧入か、もしくは株価の値上りかの、いずれかを期待して株式市場
に関係してく乙のであろが、配当牧入のみを目的として株式投資をなすあいだは、市場には、大きな投機はあ,hノ
われないけれども、株価の億上りを胃的として株式買付けが行われるようになると、市場は投機化してくるもの
二ニニ︵六四允︶
である。一現在の株式市場の情勢は株式投資の市場から漸次、株価の値上りを待つ株式買付けが行われる市場にな
りっ\ある﹂と述べている。
米国一﹂拍、 り る 株 価 論 争
一
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立命館経済学︵禦酉巻・錦四号︶ 二一匹︵六五〇︶
このようなステートメントを読みあげたガルブレース教授にたいして、フルブラィト委員長は、大体、意見の
一致をみてわり、アィヴ委員︵民主党︶は﹁株価の値上りを利得しようとするために株式投資をする人々はほと
んどいないのではないか﹂と質間しているが、教授は﹁現在の状態がアィブ上院議員の意見よりも蓬かに進行し
たところにあるとい\たい﹂と語つている。また、モンローネー委員の質間にたいして、 ﹁警戒すべきことは、
市場の投機的要因が爆発しないだろうかということであり、﹂ ﹁これにたいして統制のような措置をとる前に、
その予防槽澄として、現金敢引のみに眼定すべきであるとわもう。 金利引上げなどでは抑制できるとはおもわれ
ず、二の引上げのために、中小企業、商業人、農氏等が影響される面の方が大きい﹂と応答している。
かように、ガルブレイス、ハーバード大学教授の見解は、 ﹁株式市場の機構や椿勢についてよりも、むしろ投
資家の在り方ということについて強く言及している。株価の足敢りが、鋭角的な動き方をしめし、そこに過当の
投機がみられるというのである。株式投資家の心理を解剖して、それが一九二九年当時の状態に類似していると
結論している。経済史を専攻する教授の見解に、いま少し教字的な裏づけが必衷であるようにわもわれる﹂が、
反動的な暴落が起らないように愼重な対策をたてることを勧告した同教授の証言そのものによつて、株式市場の
人気に衝撃をあたえ、三月八日の株式市場は、工業株三十種平均で約八ポィントの暴落を招来したのは皮肉な効
果であるo
﹁ニューヨーク株式市場は今週の動きが示したようにフルブラィト委員会での証言口述、質疑応答を通ずる委
員会の動きに神経質になつている。同時に金融、証券界は同。委員会が最初公約した﹁友好的事実調査﹂から、潮
\
○
次﹁奴締り立法の強化をねらう﹂ように移りつ︶のると感じられで、、 ト小うやく委呉会、い進め方に批判が強めら
れ、遡後半の公聴会では金融、証券界の代表者は初日のフアンストン・ニューヨiク株式取引所理事長ほど明瞭
にものをいわなくなった。公聴会はすでに開会二、三目後から、 ﹁事実調査−一という公約にノ、が、ーわらべ一づ、株高
の究明をめぐつて、氏主、共和両党の政争の片鱗があらわれている。
H 事2−20. 竃ぎ矛自ぱ予言しており、しかもそれが適中している。
八
二のハーバiド大学のガルブレイス教授の晴い酋青にたいして、東向から︹一対立的々託言を行ったのは、現共
和覚政府○ジョージ・M・ハンフリー財務長官であつだ。ハンフリー財稚長官○フルブライト委貝会の公鞭会に
わけるステ⋮トメントは、政府○現下の株式市場にたいする見解を代表するも.いとして、大いに関心牟.ひくタ、一〇
であつた。
﹁株式市場が健全であるという二とは、国家が強力庄つ成長しているという証んである。へ白、個人投盗家、
わよび大学、病院、宗教、慈善団床等の基金、年金基金、投資信託その他法人投資などを通じて、四十五億株に
上る全米証券炊引所上場株式が保有されているが、これは米国の産業または窟の所有が広く分散されていること
を意味する。産業の所有形態を広くすることは喜ぶべきことで、この弾力性ある経済機構を維持するためには、
米国に拍ける株価論争 二一五︵六五一︶
立命館経済学︵錐四巻・錐四督︶ 二ニハ︵六五二︶
証券資本による企業の資金調達こそその基礎となるものである。健全なる株式市場は、か\る要講を満すために
必要なOであることを強調したい。
本委員会の調査は、株式市場の機能にっいて、一般大衆の理解を増す機会をっくったものである。と同時に、
株式市場にたいする政府の見解を表明するためにも、良き機会をあたえられたものとおもう。政府は金融機構に
わける市場機能の圓滑な運営を図ることに証券政策のすべてを集約しているのであるが、具体的には、◎証券坂
引委員会の管轄する諾規刈によつて、@連邦準備局の証拠金卒の規制によつて、政府は株式市場の健全化を意図
している。
健全な市場とは、@株式利回りが杜債利回と比較して適当な較差をもち、 証拠金敢引が過度とならず、 取
引所の出来高が投機過剰をみることなく、市場の活況を絆持するに充分なものであることを前提として、株価が、
企業牧益および資産価値に見含うばあいに具体的な意味をもっものとなる。最近の株高は、米国経済に対する明
るい見通し、一般大衆による株式投資の積極化、年金基金わよび法人投資の急速な増加によるところが大きい。
この株高には深い関心をもって注視している。一月の証拠金卒の引上げは、時宜をえたものであるとわもって
いる。
証拠金による買付けは、かつてそうであつた程に重要性をもつものではほとんどない。しかし、株式市場をふ
くめ、各種の信用政策には費金需給の均衡維持につとめるつもりである。■
ところが、ここで、二言委員諾氏に忠皆したいことがある。経済の見とおし 経済の安定および就業の維持
に、個人、企業を間わず、確信をもっようになれば、経済的発展は期せずして盛り上るもので.あるい確信こそ
安定興素となるものであるか、二れは徐々に1確立されるにもか・わらず、一挙に崩れる可能性をもつている。委
員会の調査は、友梓的に多くの知識をうるためのも○であるにか\わらず、政府にたいする批判い、〃よび市場の規
繍を行うべきであると勧皆したり、また、政府もそ○よ工な措置にでるかも知れない−、しいう論議まで行われてい
る。しかし、これは、いまいうとこ一。︶の確信を国氏にもたせることの重要性に反することであると考えられる。
経済的繁栄にたいするわれノ\の確言は、きわめて強いものであることを附言してわきたいo﹂
ハンフリー財務長官が証人としてこのステートメントを読み了ると、フルブライト委員長が、ハンフリー長官
の委員会にたいする助言的な態度にたいし一矢を報いるような発言をしたのち、﹁委員会の調査が健全な意図の
もとに行われ、知性的に進行されるならば、市場が正しい方向にむかっで、いるかぎり、何ら調査によって悪影響
をあ^﹂えられるも○・レしはわもわない﹂という質閉をれしたにたいして、長官は﹁発展的なもいであるかぎり、調
査に反対すろものではない、しかし、委員会か〃こうすれぼよい”−二か”こうしてはならない〃とかいうような
ことを論ずるのは、大衆に何石かO晴示をあた元るようになる。しかも、委員講兄は、大衆がどのように動くか
をよく釦らないのである﹂と答えた。このとき、このハンフリー証言の行われる前日に、委員長と対立的な菱言
二一七︵六五三︶
マーチン総裁は、 二十代で
を穴したケープハート委員が発言をした。ケーブハート委員の前日の発言というのは、この公聴会にわける重要
な意味をのこすこと\なつたので、触れてわく価値があろう。
前日の公穂会にわける証人は連邦準備局総裁考旨討昌くoO・く弩手 氏であろo
米園における株価論争
立命館経済学︵第四巻・第四号︶ 二一八︵六五匹︶
連邦準備局の検査官をつとめ、紐育株式凧引所会員となり、一九三一年、三十一才の若さをもつて、ニューヨ⋮
ク株式坂引所理事長に競任、そして、五一年以来、現地位にある、米国財界のボーブともいわれる人物である。マ、,
チン総裁の出席した公聴会は、傍聴者百名を越え、テレビ放途も行われたという盛況であつたと伝えられている。
二のマーチン総裁が証挺金を現行の六〇%から一〇〇%に引上げよという説︵ガルブレィス教授︶わよび七五
%に引上げる説︵エックルス前連邦準備局総裁︶に反対し、議論がしだいに、株価水準に関する問題に移行した
のであるが、マーチン総裁の株価水準にかんする見解は、ファンストン・ニューヨーク株式敢引所理事長および
マコーミック・アメリカン株式敢引所理事長の意見とひとしい二とをめぐつて、フルブライト委員長︵氏主党︶
とケープハート議員︵共和党︶との閉に穣やかな口調ではあるが、口論がはじ烹つたのである。
まず、マーチン氏にたいするヶープハート議員の質間は、 ﹁現在の株価は、他の指数と比較して商水準にある
とおもわれるか﹂というのであつたが、これにたいして、マーチン氏はつ茅のように答えた〇
二九二九年九月と比較して、本年二月現在は、卸売物価指数が七七%、消費者物価指数が五六%高騰してい
るのにたいし、株価は一七%騰貴しているにすぎない。っまり、若千の瀞指数と対比して株価が左程に高騰しす
ぎているとは思わない。また、一九二九年当時、敢引所出来高は一日平均四六〇万株であつたが、本年二月は三
二〇万株で三〇%減、ニユーヨーク敢引所上場株式数は二九年は十六億株であつたが、本年二月は、三十二億株
で一〇〇%増という状態である。﹂
こ\で、突然、フルブラィト委員長が、﹁公穂会の目的は、株価が高過ぎるとか安過ぎるとかいうことを究明
すべきものではないということを明確にしておきたい。﹂と発言し、 ﹁委員会の調査はあくまで教育的なもので
あ心二・二を忘れては汽らない﹂、こ述べたCこれにト﹂いして、ケーゾ︵1−ド議員は﹁株高を呪明す、、一、、しがH的で
あろとわもっていだ〃であ4が.﹁ソゾかりヅ.、笛実を記録にとめておく二とは虜宴れ二とである・一一わもう。﹂と
反駁したが、フルブラィト委員長は﹁株高究明という貴下の意見には不賛成である。そういうことをいつた覚え
はない。ヶ−ブハート議員は、二の調査を支持する賛成投票をした○では々いか。もしそ○時思違いで投翼し壮﹂
二‘﹂ても、二︵れは姉/りない﹂−二押し返えし仁。二れに一﹂いして亥ル︸;∴、−−ト委員はフ、∴いでは目的し、さし一.∴
ケろご三詰めよっだが、フルブラィト委員長は﹁今はそれを説明すろ時ではない﹂・二炎ぱねてい”幻c
かくて、この二人、フルブライト委員長へ氏主党︶とケー、フハー−、委員︵共和覚︶とぱ・﹂、い株式市場調査の公
穂会の申に政治的対立をもち込んだかのように印象づけられ仁いであ”勺。
二のような、対立的な小競含を前日にみせたフルブラィト委員長と、ケープハート委員との叱・りいだに、、、一にし
ても、二の円のハンフリー長官の公聴会で対立があらわれた。テーブハート妻員がハンフリー長官にだいして、
﹁この委員会でいままで採り上げれかったことや、経済が安定しているという攻実を弦調しなかった二,こについ
て、聾冨が行われたものとわもう﹂と語り、フルブラィト委員長にたいして、 ﹁本公穂会は、一九二九年当時の
状態と、今日とは異っている二とが明かにされたことは何人も否定する二とはできないとわもう﹂と述べたが、
委員長は﹁貴下は発言時間をもっていない﹂とヶ∼ブハート委員を絨口しょうとしたにか\わらず、なおも株価
水準が上りすぎていないこと、大衆が経済繁栄にたいして、強い確信を抱いていることなどにっいて、悠々と喋
米国に拍ける株価論争 二H九︵六五五︶
、
立命館経涛学︵第四巻・箪囚苦︶ ニニO︵六五穴︶
べりつドけたと報ぜられている◎
このフルブライト委員長とケープハート委員との対立的論争は、一方において、ハンフリー長官とケープハー
ト委員との馴れ合の質疑応答とともに、この公穂会の様相に政治的懸引の色彩を濃厚にしたようで、 ﹁政界の泥
仕含﹂と評せられるにいたつたo
このハンフリー長官の公穂会にわけるステートメントや証言は、その開催いらい、ともすればこの公穂会が株
式市場を圧追しがちであつたことにたいし、政府として考慮した結果、政府の意志を明確にしようとしたもので
ある。しかも、ハンフリー長官の聾言後、アイゼンハワア大統領もまた、この公聴会について声明を発表して
いるo
羊、の声明の要約は.つぎのようである。
﹁本委員会は、株価に骸響するよう行動する意図はない。しかし、われわれは惜勢を検討し、且つ委員会自身
に報皆すべき義務をもつものである。もし本調査が市場に影響するものであるならば、それは、委員会が調査し
ているためであるか、または現在究明しつ\ある市場のもつ性格によるものであるか、そのどちかであるoもし
そうであるとすれば、市場の性格そのものが原因していると恩う。 そして大衆はこれを知る権利があるはずで
あるo
われわれの調査を非難する者は、われわれは調査する資格がない、または大衆は調査の結果を知る権利がない
というその両者の立場にたつてものをいつているのである。﹂
このように、ハンフリー財務長官から、さらに、アィゼンハワー大統領までを捲込んでしまつてからの株式市
場調査委員会は、政治的にきわめて複雑た様棉々、帯びてきたので一川り”り、
九
公聴会にわけろ、一般o関心をひいた代表的な莚言として、これらの三証人o証言私、あげる二とがで、、いリりoで
・∴勺が、ぺれは、内存的にみても代表的であるといえるとともに、ブ!.の証八の杜会的、職業的地位が代夫的価値
予こ・∴、しかも、楡述のように、 ■一推移がきわめて政治的に、濃い色彩を帯びてノ、一ハ︸にしたかっ一.、、そ六ら
■い聾言がさらに代表的なものとして注目されるにい打﹂ったのであろ。しかしれがら、二れらの対立が、←、一に、腕
い十八名○証人の聾言を、その意図の有無にかかわら寸、対立するいずれかの政治的立場に分類せられ、幻こ、、﹂、
れつてき〃﹂のである。この公聴会に証人として出席した二の三名の他の十八名の証言について、兵、れタ川\、要点
のみを摘出し、その証人の立つている政治的立場を明らかにすると?少、あようになる。
フアンストン理事長が聾言を行つた翌日の公穂会には、アメリカン株式取引所○エドローいド.T.マツコ三,、
ツク理事長が証人として出席したが、現在の株価にっいてはファンス、−ン蝦噂長し一わ汽レように安当であるとし、
インサイゲー︵会杜事脩通︶問題のにめに、現行詑券関係法規を改正する必班はないと論じ、早耳︵竃p、斤g
ユ?言轟︶にかんする討論にわいても、﹁簡単に違法であると片づけるわけにはいかない﹂と語つている。そして
次のミッドウェスト株式敢引肝のデイ理壌長は、キヤピタル・ゲーン、ス・タックスの廃止に反対意見を表明して、
フアンストン理事長と否定的に対立し、ニユーヨiク株式坂引所の株式投資宣伝活動には肯定的態度をとり、し
がも、 ﹁投資家に株式投資を勧誘する人達は、損害にかんしては無頓坐。萬である﹂という二とを認めている。、ノ一た、
氷国に拍ける株価論争 ニニ一︵六五七︶
立命館経済学︵錐四巻・筆四サ︶ 一二二一︵六五八︶
店頭敢引にかんする質間にっいては、 ﹁現在、正規の市場に適用されている規則と同一の規則を適用することは
賢明である、﹂と述べ、モンローネー委員の現在の株価にかんする質疑に答えて、 ﹁私は経済学者でも評論家で
もないが、事業の将来に希望を持つていたい。た、、この梢場は下らないとおもわれる時に、下落し、時には暴
落することがあるということをっけ加えてわきたい﹂と語った。現在の手数料にたいする、フルブラィト委員長
の質間には﹁すべてo人は現花の手数料に満足している﹂と答えている。
このデイ理事長の喚問しし同日に、公聴会に出席した、サンフランシスコ株式取引所のケラー理事長は、終姶、
フルブラィト委員長から質間を受け、ニューヨーク株式敢引所の株式投資宣伝活動には、 ﹁なんら反対するもの
でない﹂と答え、店頭坂引にかんしては﹁より厳重な規則を定めることを支持する﹂と語つている。
二れら、三日間に公穂会に出席した四人の証人は、米国における株式取引所の代表として聾言したのであるが、
二れについて、各界代表として、ガルブレイス、ハーバード大学教授と全国証券業協会会長のハロルド・E・ウ
ツド氏が証人として立った、ガルブレィス教授の証言は前述のようであるが、ウツド会長にたいしては、フルブ
ラィゾ、委員長から最近、いウラニューム株をめぐる投機にっいて質閉されたが、問趣の肯定だけで、その措置にっ
二、けべん、り、り煎見彩、も述、二、い汽い。﹁投機が行われウ﹂こ。、しは認めるが、投機については頭を悩ましている。﹂
といナのであつた〇
三月九日は、米国最大の証券業者として有名な、メリル・リンチのウィンスロツプ・H・スミス杜長が公穂会
証人と心て出席した。ガルブレィス・ハーバード大学教授の証言によつて、株式市場が反落したことについて質
問されたが、 ﹁たと、ん何等かの原因があるとしても、その原因が何であろか不明である﹂と答元ている。現在o
■
株価と一九二九午いそれとい比較にわいて、 ﹁幸にも、一九二九年○状態が再現されている−一一は考え汽い﹂と語
つていろ。キャピ々ル・ゲiンズ・々ツクスにっいては企廃を説き、ビオ!ル委員︵共和党︶いヘチ株︵潟−旨<
。。8o家︶の亮付にっいての質閉にたいしては﹁メリル・リンチ会杜では顧客に高度の投機株の敢引をさせないよう
む処置を採つて来た﹂と語つた。また、証拠金卒の引上については、 ﹁非常な誤りだ﹂と答えている。
十日は、チェース・ナショナル銀行のジョン・J・マツクロイ会長と銀行家○マリーナi.s.エツクルス氏
○莚言であつた。両氏ともに最近の株式相場は警戒を要すろとし、担保条件に寛大であるからという理由を説い
ている。エックルス氏は証拠金を七五%に引上げる二とを吏望し、キヤピタル・ゲiンズ・ク一ツクスについ一、、は、
株式所有1り側間を延長す功わように論い︶た一
十一nはシァーズ・ロー.バック会杜のロバート・E・ウツド蚊締役とゲレーアム・ニューマン会杜○ベンジヤ
ミン・ヴレーアム杜長の両氏であった。現介○梢場水卒についての明確な判断は両訂人から裕られなかつたししい
われていろ。ウツド証人にたいしてはシァーズの年金兼金の﹂株式投資について○質閉がなされ、グレ、、アム礼長
にたいしては、G・M杜O販売価格について質疑応答をなしたあと、証拠金率に移つたが、“クレーアム杜長は投
機抑制○ために、証拠金を一〇〇%に早急引上げるべきであるしし論じた。
十片同はマーチン連邦準備制度理事余議長であった。マーチン議長にム﹂いする質閉は、前述したとニフハでも一
寸ふれム﹂が、ケープハート委員○ 昌冒一ぎ二一惇巨、。。.レーマン委員○法人株式投資、フルブ、フィト委員○二一ユー
ヨーク株式坂引所の株式所有宜伝活動などにたいする質閉○あと、ブソシュ委員にたいしで、﹁達邦準備制度は、
託券ならびに株式市場に関する諮法規○﹂大改正を検討巾であろ﹂という重大な報遺を洩した。
米国に抽ける株価論争 二二三︵六五寸︶
■
立命館経済学︵策四巻.第四号︶ ニニ四︵六六〇︶
十五日にハンフリi財務長官が暫冒を行ったのであるが、その翌日の十六日には、フィラデルフィァ・ブリテ
イン主筆のJ.リビングス、・ン氏およびレーマン会杜のD・リチヤードソン副杜長が証人として出席した。前者
の証言のうちでは、キヤピタル・ゲiンズ・タツクスについて、三年間保有という条件をつけたことが注目され
たのみであった。後者にたいしては、投資信託にたいする質問が多くなされ、原則論的な回答が述べられたにと
どまったようである〇
十七日の公穂会は、ニューヨーク投資銀行のF・エバースタツト敢締役とC・1・OのJ・カレー書記長が証
人に出席した。エバースタツト氏は、委員会の調査は政治的背景をもつことなく、中立性を保持すべきことを勧省
し、株価水準にっいては、複雑な要因があるから簡単に緒論を下すことは雛しノ\漸進的な上昇傾向が拝ましい
、こ述べ、予報については、予想の彰響は大きいが、これは大衆が予想の背後のものを分析する能力をもつていな
いからであると語つた◎
C.1.Oのカレー書記長は、ハンフリー財務長官の証言を攻撃したあと、キヤピタル・ゲーンズ・タツクス
にたいする批難は誤りであると論じ、証斑金の引上げをもとめ、S・E・Cの市場規制の厳格化を要望し、株高
、の.要目は経済の不均衡にもとずくものとし、配鴬課税の緩和および減価償却税の優遇措置を難じ、企業の牧益増
、一傾向を批判した。
十八日は、ゼネラル.モ・、んノーズ会杜のH・カーチス杜長が証人となつた。カーチス杜長にたいして、フルブ
ラィト委員長が、昨年、G.M会杜が高牧溢をあげながら、販売価格を引下げなかったのは独占的でないか、と
質−間したにたいして、 ﹁そうではない。、m質の向上で芙質的価格は引下げたことになるしと答えている。ま火、
株価工作の質疑についても全面的に否定し払﹂。二のカーチス証言のとき、ケープハート委員は委員長の質間にーつ
いて﹁この種の質間が株式市場調査とどういう関係があるのか。委員長の貫図が諒解できない﹂と語つたが、フ
ルブうノ一ト委員長は﹁貴下から質間される覚えはない﹂とすかしている。
越えて、二十一日の公穂会はU・S・スチール会杜のB・フニァレス会長が莚言したか、株式による企業資金
の調達は杜償発行○利子負担の五倍もの費用を要するため非常に困難であるのは、会杜枚益と配鴬への二重課税
と滅価償却にたいする課税のためで、現行税法の改正を主張し、年金基金の投資にっいての質間には所有株別の
比卒から会杜支配の懸念はないと応答した〇
二十二日は、多大の期待をもたれた、デムラーS・E・C委員長であつた。デムラー委員長はS・E・C○
存在意義を強調してから、ニューヨーク株式敢引所の株式投資宣伝活動についてのフルブラィト委員長の質問に
たいして﹁投資家に損害をあたえないという責任が必要である﹂と答え、弐唱苛轟にかんする質間には、 ﹁全面
的に禁止することには反対である﹂と述べ、ウラニューム株などの登録冤除にっいては、今日のところでは、規
定を改正する意図はないと語り、インサィダーにたいする敢締規則は修正を要すると論じたo
公聴会最終日の二十三日には、ウオール・ストリートにおける投機師として有名な、バーナード・M・バルー
ク氏が出席し、八十四歳の老鯖のうちに秘められた体験によつて、二れまでの公穂会にわける諾問題について明
解に、そのステートメントの中で述べている。株価の高騰傾向にっいては、o近年、多数の産業が急激に発展し
たこと、の経済の見通しにたいする国民の強い確信、側過去十五年間にわたるインフレーション政策などがそ
.の主要因になつていると述べ、予報は統制できないとし、ガルブレィス教授の見解については、学者のいう二と
米国に拍ける株価論争 二二五︵六六一︶
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、一
立命館経済学︵策四巻・築四晋︶
一にはそれほどの価値を見出さない、
十
と語つた。
二二六︵六六二︶
かように、これらの二十一名の証言をもつて、株式市場調査委員会の第三の調査方法である公穂会は終つたの
であるが、証人の公聴会にわける証言の内容を詳細に吟味してみると、株式市場にわける借勢pサ倍,∴い一、、
委員達に説明しているという印象を強くうける。というのは、委員のうちにはウオール街出身者もあって、株式
市場については熟知しているものもあるが、大多数の委員は、株式市場について、ことに市場機構の技術的な面
については、よく知らない緒果、プリミティーブな質疑が多くなされている。たとえば、ダウ・ジョーンズ株価
平均とは何か、フィッシヤー株価指数とは何か、スペシヤリストの職能とは何かなど\いう説明が公聴会で行わ
れたのである。そして、この委員会の本来の調査目標である株価水準にかんする公聴会における各証人の見解は、
集約的にみて、ビジネス・ウィiクが述べているように二っの部類に分けることができる。
一つは、冨8涼目9;8︵弓ア◎昌婁Q.Op昌勺烹巨︶という立場にたつ証言であつて、G・K・ファンスト
ン理事長わよびE・T・マコーミック理事長を代表的とする、 株式市場に直接関係の深い仕事にたずさわって
いる人々の見解で、﹁現在の株価は企業の牧益、配富、および将来への期待との関連において、最も現実に即し
た株価であつて、投機的な要素はない。そして、一九二九年と比較するのは當を得たものではなく、崩落は来な
いであろう、﹂とするのである。これを裏側からいえば、現共和党政府の政策が適切であるから、か\る株価水
準の高騰を示現したのであつて、したがつて、この見透しには何らの危倶も要しないというのである。
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二れに払﹂いして、他の見解は、J・K・ガルブレィス教授を代表とする、研究的、学者的な態度をもっもの・
見解で、 ﹁最近の株高はきわめて投機的な要素が多く、一九二九年の先駆的な、一九二七年ないし一九二八年○
株式市況によく似で、いる。したがつて、二れが対策として、証拠金を一〇〇%支で引上げて、投機の介在を許さ
ないようにし、税制を強化すべきである﹂とするのである。いわば、現在の政策に改変を加える必瑛を説く立場、
すなわち、民主党○側に立つ見解である。
公融会にわいて、出席した二十一名の証人が莚言をなしているあいバ﹂に、共和覚のケープハート上院議員など
の動きによって、全く民主、共和両政党間の泥仕合ともいうべき状態を露皇し、フルブラィト委員長自らが公穂
会開始當時の惰熟序、久い、調査の結果にたいしても一多く○効果亭、期待することが疑われるにいたつた。
公聴会が第二週目に入った二ろまでの市況は、公聴会で○莚言を反映していたが、委員会にたいするハンフリ
ー財務長官の聾言いらい、ホール共和党全国委員長は調査委員会外の活動にわいて、この株式市場調査委員会の
調査方法は米国経済にたいする大衆の確信を動揺せしめるものであるとして、調査委員会にたいして批難を浴び
せ、調査委員会内においては、例のケープハート委員のフルブラィト委員長にたいする攻撃やガルブレィス・ハ
ーバード大学教授にたいする個人批判などをなすにいたり、公掘会は、たんなる政争の場のような一般的印象を
あたえるこ・、しとなり、それと・戸しもに、エコノミストにも評されているように、 ﹁要するに、市場そのものは、い
くつか○証言によつて描き出されたように、緊実でない仕組︵ぎ寡O亀O弩穿︶ではなくてもっと健全なもので
あることを証明した﹂のであつて、ハンフリー証言、 ﹁証拠金の引上げは必婁でない﹂というマーチン証言、お
よび﹁現在の敢締規則で市場の監理は十分できるし、業者の違反もない﹂というデムラー証言によって、市場に
米国に拍ける株価論争 ニニ七︵六六三︶
立命館経済学︵錦四巻・策四晋︶ 二二八︵六六四︶
おけろ不安は一掃され、公聴会後半はもはや市場を動かすほどの影響力はなくなってしレよっにのであ乃。
もとく天として農した二士名についてみ一りと、そ二に多少の蕎なきをえないのである。というのは、
出席証人のうち、十二名が。。80斤事◎ぎ易か婁8鼻才2で、一名が司竃斤員三名が射寡ぎ9。。冒O貝三名が
Q◎秦;昌8↓◎雷o討ダ一名が亮ミ考毛暮ミ奉胃一それに一名の目89冒奉であつたが、どうして、ガルブレイ
ス教授のみを︸89冒ぎとして、証人に選んだか、ということに一つの問題があるようにおもわれるからであ
る。しかも、サルブレイス教授の近著一九二九年の崩落についての、四ま津◎︷◎﹃手o;8望。。富3﹃は、それに
引用され兀統計についても相當の批判がなきれているのであるから、それにもかかわらず、同教授のみが証人と
して換問せられるということは、理解に苦しむ・、﹂二ろである、というのである。
二の二とはJ・w・フルブラィト委員長をもふくんで、十五名の調査委員会委員のうち、僅か四名の委員、ケ
iプハート、ブリッカー︵睾庁庁弩︶ベンネツト︵黒;葦︶ビiル︵黒住︶の小数委員がその報告等に記述し
ているところである。多数委員は勺毒勺富O◎:ぎOO暮与一旦Pづ◎﹃OO;︷ざ窄ぎO盲巴望一害嘉。。篶8暮。。け。津
雫︸OO訂ぎま冒彗︷亭O。。↑き婁︷◎﹃︸O08昌昌メ四部門から成る報告を提出している。
しかし、前述のように、フルブラィト委員会の政治的臭味をもつた調査態度もしだいに、一般的に認められて
莱てわり、したがつて、株高についての公正な調査を期待することは薄くなつている。むしろ、いまでは、調査
委員会そのもの\今後の動きに関心がよせられているといわれ、言毫量−◎︷8昌冒實8によると、﹁委員会は現
在の株価が高過ぎるかどうか。二いう二とよりも、むしろいま・での株高の理由と噌景とを研究すべ主、、ではなかつ
●
たか﹂ ﹁フルブラィト委員会は譲会○株価調査はなにをなすべからぎるかを教えた﹂と批評きれているひ
フルブライト萎員長がその轍を踏まないようにと慎重な態度をとつた、かつてのペコラ判事による株式市場調
査委員会は証券界から猛烈な非難をうけたにもか\わらず、調査研究を敢行して、今目の米国における証券敢引
の基本法となつている・一九三三年の有価証券法・一九三四年の有価証券敢引法・わよび一九三五年の公土パ事業
二二九︵六六逓︶
持株会杜法︵︸6勺亭−庁dけ窒︷︸◎巨︷目岬O◎旨勺彗<>Oけ︶の制定、ならびに改正をなしとげたことは、いまこ
\で大いに反省されるべきことであるかもしれない。︵三〇い一〇、一〇︶
米国に抽け名株価論争
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