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練習問題解答:第 10 章 GDP に関連した概念
練習問題解答:第 10 章 GDP に関連した概念 10-1 (a) 学生 A 君が自分の家で使うためにパソコン(新品)を購入した:この場合は家計に よる財の購入ですから消費 C に含まれます (消費の中でも耐久財消費に分類されます) 。 家計による(新たに生産された)財の購入は住宅を除いては消費に分類されます。 (b) 企業 B がオフィスで使うためにパソコン(新品)を購入した:この場合には企業の 設備投資に分類されますので,投資 I に含まれます。 (c) 学生 A 君がインターネットで企業 B の株式 100 万円分を購入した:この取引は新た に生産された財・サービスに関するものではないので,GDP 統計には含まれません。 (d) 企業 C が新製品を売り出したが,売れ残った 1000 万円分を倉庫にしまった:企業の 在庫が増加していますので,正の在庫投資として計上されます。したがって投資 I に含 まれます。 (e) 政府が 2 兆円かけて各地に高速道路を造った:公的投資に含まれますので,政府購 入 G に分類されます。 (f) 政府がこども手当 2 兆円をばらまいた:これは移転支出であって政府による財・サ ービスの購入ではありませんので,G には含まれません。新たな財・サービスの生産を 伴っていないのでこの支出は GDP 統計には現れてきません。 10-2 (a) 穴埋め 総生産 総支出 消費 固定 投資 在庫 投資 政府 購入 輸出 輸入 400 400 240 100 0 100 40 80 まず三面等価の原則より総生産=総支出です。総生産が 400 なので総支出も 400 にな ります。次に,総支出の項目をすべて足し合わせたら 400 になるはずです。よって 消費+固定投資+在庫投資+政府購入+輸出-輸入=400 になっていなくてはなりません。政府購入を G とおいてそれ以外の値を代入していく と, 240 + 100 + 0 + 𝐺 + 40 − 80 = 400 が得られます。これを 𝐺 について解くと,𝐺 = 100 が得られます。 (b) 固定投資=設備投資+住宅投資です。固定投資が 100,住宅投資が 40 なので,設備 投資は 60 と求められます。 (c) 政府購入=政府消費+公的投資です。政府購入が(a)より 100,政府消費が 60 ですか ら,公的投資は 40 と求められます。 28 (d) 純輸出=輸出-輸入であり,輸出=40,輸入=80 ですから,純輸出は-40 になりま す。 (e) 総貯蓄=総生産-消費-政府消費です。総生産=400,消費=240,政府消費=60 で すから,引き算をすると総貯蓄=100 が求められます。 10-3 まず名目 GDP を,その年の価格と生産量をかけて足し合わせて求めます。 2010 年は 200×100+200×100=40,000 2011 年は 400×150+120×200=84,000 実質 GDP は基準年(この場合は 2010 年)の価格と各年の生産量をかけて足し合わせて求 めます。 2010 年は 200×100+200×100=40,000(名目 GDP と同じ) 2011 年は 200×150+200×200=70,000 GDP デフレーターを求めるにはまず名目 GDP を実質 GDP で割ります。 2010 年は 40,000÷40,000=1 です。通常は GDP デフレーターはこのようにして得られ た値に 100 をかけて表示されるので,ここでもそれに従うことにしましょう。1 を 100 倍して 100 を得ます(この種の指数は基準年における値が 100 になります) 。 2011 年は 84,000÷70,000=42÷35=1.2,これを 100 倍して 120 を得ます。 29