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「電子書籍の現状と課題」
情報診断研究会発表資料 「電子書籍の現状と課題」 2013.7.25 岡 隆太 アジェンダ • 電子書籍の現状 • 電子書籍普及 ユーザーの不満 • 電子書籍普及 制作者側の課題 1 日本の電子書籍コンテンツ市場 1400 1200 1000 800 600 400 PC 37億円 携帯 480億円 新プラ 112億円 合計 629億円 PC 10億円 携帯 270億円 新プラ 970億円 合計 1250億円 新たなプラットフォーム 携帯 PC 200 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013予測 2014予測 新プラットフォームとは、電子書籍端末、スマートフォン、タブレット型端末 出典:インターネットメディア総合研究所2013 『電子書籍ビジネス調査報告書2013』 インプレスR&D より編集加工 2 電子書籍市場の内訳 出典:インターネットメディア総合研究所2012 『電子書籍ビジネス調査報告書2012』 インプレスR&D 3 電子書籍市場の構造 Product distribution 既存書籍の流通 著者 出版社 印刷所 取次 書店 編プロ 読者 電子書籍の流通 著者 出版社 ソフト ハウス 取次 配信 サービス iPad iPhone App kindle Android 4 一般書籍コスト構造比較 内訳 印刷・流通 米国一般書籍 日本一般書籍 13% 33% 編集・デザイン 3% 3% マーケティング 4% (出版社粗利に含む) 著者印税 15% 10% 書店手数料 50% 22% 出版社粗利 16% 32% 5 書籍コスト構造(米国) 6 配信サービス 事業者 サービス名 蔵書数(12年7月) 蔵書数(13年7月) amazon Kindle store 約110万点(世界) 12万7950点(国内) ソニー Reader store 5万7481点 10万4535点(国内) 楽天 koboイーブックス トア 1万9789点(日本語書 15万0133点(国内) 籍) 東芝、凸版印刷 BookLive 8万6969点 不明 シャープ GALAPAGOS STORE 4万3990点(書籍) 2万1332点(コミック) 11万9138点 TSUTAYA TSUTAYA.com eBOOKs 753点 (オープン時公称1万 5000) 3万6141点 紀伊国屋書店 紀伊國屋書店 BookWeb 約4万7000点 8万5075点 大日本印刷、丸 善 HONTO 非公開(4万点ぐら い) 不明 7 電子書籍ストアの利用動向 電子書籍ストアの利用動向調査アンケート 調査期間:2013年4月22日から4月26日 解答母数646件 出典:インプレスR&D OnDeck weekly 2013年5月2日号 8 電子書籍端末の特徴 小説、一般書籍向き 雑誌・写真集向き 9 モバイル端末保有率の推移 出典:株式会社D2C モバイル利用動向調査(2012年11月調査) 10 スマートフォン所有率の推移 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) (%) 2011年 70 2012年 60 50 40 30 20 10 10代 20代 30代 40代 50代 60代 0 男性 19 34.3 28.8 27 16.8 8.5 女性 11.5 23.8 16.8 10.5 9 5 10代 20代 30代 40代 50代 60代 男性 51.7 58.9 53.7 44.3 33.8 16.8 女性 47.6 58.5 46.3 33.1 23.6 12.4 出典:(左)インプレスR&D『スマートフォン/ケータイ利用動向調査2013』 (右)日経BPコンサルティング『携帯電話・スマートフォン”個人利用”実態調査2011』より筆者作成 11 タブレットの所有台数 出典:インプレスR&D タブレット利用動向調査報告書2013 12 タブレット利用OS 出典:インプレスR&D タブレット利用動向調査報告書2013 13 電子書籍の特徴と現状 業界ヒアリングより • 売れ行きはまだまだ。製作費の元が取れないものも多い • コンテンツサイズは、流通の制約がないため自由 • リリース後でもコンテンツ内容の追加や更新が可能 • コンテンツは紙の書籍と差別化が必要 • 今後有望と言われているジャンルは、教育やゲーム • 端末はスマートフォンおよびカラー汎用端末が主流になる • 出しただけでは売れず、マーケティング戦略が重要 14 電子書籍普及 ユーザーの不満 • • • • 探しにくい 価格が高い 所有権 サービスの継続性 15 探しにくい • • • • 使い勝手の悪いUI 中身が確認できない 書籍名がわからないと検索できない レビューがない(kindle以外) 16 BookLive!カメラ(仮) • 書籍をカメラで撮ると電子書籍が購入できる • ランドマークなどに関連付け • 位置情報を取得して書店に手数料バック 出典:ITmedia eBook USER http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1307/03/news115.html 17 中吊アプリ • 中吊りにカメラを向けるとアプリ内に中吊りを 表示 • クリックすると書籍が購入できる • GPSや加速度センサーでどの電車の何両目に 乗っているか分かる 18 価格が高い これまで • 再販価格維持制度による書籍価格の固定化 • 売れないので安くできない • 書籍売上への影響があると思われていた • 権利関係の未整備 結局、売れない作られない 自炊の横行 19 価格の低下圧力 近年の動き ・端末の普及で流通量の増加 ・個人出版環境の整備 ・根強い低価格志向 ・プラットフォーム間の競争激化 ・価格低減策の例 – kindle 30%ポイント還元 – Au ブックパス – 講談社 「吉川英治 三国志全一冊合本」 20 高くても売れる?1 • 達人出版会(http://tatsu-zine.com/) – – – – – ITを中心とした専門技術書特化 本になるまで待てない ネットの検索はノイズが多すぎる 価格はほぼ1000円以上 β版でも発売 21 高価格でも売れる?2 • 週刊少年ジャンプ45周年記念号 – 紙より50円高い定価300円 – 150ページ増加 – 電子版特典の付与 22 所有権 • DRM(Digital Rights Management) – – – – 他人に貸せない DL期間があるものもある 相続出来ない 所有権ではなく利用権が付与されているだけ • Kindle電子書籍削除事件 23 所有権に関する解決策 • Amazon – eブックの所有権を無効にし、Amazonの マーケットプレースに出す方法で特許取得 – http://news.livedoor.com/article/detail/7395089/ • apple – Appleも電子書籍などの中古売買に関する特 許申請中 – http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1303/11/news069.html 24 サービスの継続性 • 電子書店の利用規約に準ずる – ほぼすべてのサイトでサービスの中止は自社 の判断で自由に行う • 実際にあったサービス停止の配信サービス – 楽天電子書籍サービス「Raboo」 – JMANGA 25 電子書籍普及 制作者側の課題 • • • • 制作販売コスト レギュレーションの変更 著作権 電子ストアの乱立 26 制作販売コスト • • • • • 著者印税 約10~20% 配信ストアマージン 約30% 取次マージン 10~20% 販売価格 85円~ その他コンテンツ製作費が別途かかる 電子化してもコストはそれなりにかかる 既存書籍の印刷・流通コストが14%であることを考えれば、 市場が小さいためコンテンツ価格が下がらないのは当然 27 レギュレーションの変更 Apple Storeの場合 アプリケーション審査ガイドライン 「2.20 似通ったアプリをスパム的に大量に公開し た場合」 規約変更で、ビジネスが大きく変わる 出典:Create iPhone Ebook 「最新iPhone電子書籍アプリの審査傾向 2013/2/28更新」 http://nozomienta.com/iphoneebook2/sinsa.html 28 電子書籍の著作権 • 電子化を想定していない契約 • 著作権延長問題 • 出版隣接権の要求 29 電子ストアの乱立 • 1ストアあたりの販売数が少ない • 複数のストアに出す必要がある • 管理コストの増加 – – – – 申請(登録) マーケティング 国内・海外売上 入金・支払帳票 30 個人向けサービスの紹介 • 書籍作成サービス 『bccks』 http://bccks.jp/ – – – – 書籍を無料で作成(紙、豆本、epub) 専用エディタ 自社サイトで販売、送本 配本サービス 配信先 著者印税率 Kindleストア 35% iBookstore 40% 楽天〈kobo〉イーブックストア 50% 31 ご清聴ありがとうございました。 32