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小規模更新の事例集
平成25年度秋田県中小企業等省エネ診断事業 省エネ提案事例集 小規模更新(設備投資の回収期間3年以内) 目次 No. 事例の内容 事業所の種類 ページ 飲食店 2 ① 冷凍庫の冷却ユニット周辺の通風性改善 ② デマンド監視装置の導入 工場 4 ③ 集塵機のインバーター制御 工場 5 ④ 浄化槽のブロアーのタイマー制御 工場 7 ⑤ 変圧器の間引き 工場 8 ⑥ 蒸気配管の保温 工場 9 ⑦ エアコン室外機への散水 工場 11 ⑧ 照明の電源回路の改善 作業場 13 ⑨ サーキュレーターによる冷暖房効率の向上 事務所 14 ⑩ 冷蔵ショーケースの断熱対策 店舗 15 ⑪ 給湯ポンプのインバーター制御 ホテル 16 ⑫ 温水配管の保温 ホテル 17 ⑬ LED 照明への更新(ダウンライト) ホテル 18 -1- 小規模更新-① 冷凍庫の冷却ユニット周辺の通風性改善 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: ●CO2 排出量: ●エネルギー経費: 57 kL/年 125 t-CO2/年 宿泊業、飲食サービス業 (飲食店) 4,714 千円/年 【現状】 ガスヒートポンプエアコンの高温排熱が冷凍庫の冷却ユニット部分に吹き込み、冷凍庫の 効率が低下していることが想定される。 【改善提案】 現 状 ガスヒートポンプエアコンの排熱ダクトの吹 き出し方向の改善並びに不要物の撤去等に より通気改善することで、冷凍機の効率が向 上することが見込まれます。 GHP の排熱 ダクト 通気障害物 冷凍庫 の撤去 冷却ユニット 通気改善により凝縮器の吸い込み温度を40℃⇒32℃に改善すると 冷却能力は 約1.05→1.35となり 28%程度改善が見込まれる -2- 【効果試算】 想定冷凍冷蔵電力量: 14,100 kWh/年 (冷房期のみ) 凝縮器改善対象比率 :70% 想定改善率 : 28%(凝縮器吸い込み温度 40℃ ⇒ 32℃ 改善率28%) 電気料金単価:12.82円/kWh(従量料金単価) ●エネルギー削減量(電力) (削減電力量)= (冷蔵電力量)×(対象比率)×(削減率) = 37,000kWh/年×70%×28% =2,764kWh/年 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 0.7kL/年 2,764kWh /年×9.97GJ/千 kWh×0.0258kL/GJ= ●CO2 削減量: 1.5t-CO2/年 2,764kWh /年×0.547t-CO2/千 kWh= (削減率 1.2%) ●エネルギー経費削減金額: 35 千円/年 2,764kWh/年×18.89 円/kWh= ●投資金額: (削減率 1.2%) (機器) + (工事費) (削減率 0.7%) = 概算金額 ●投資回収期間: 50 千円÷26 千円/年= 100 千円 2.9 年 -3- 小規模更新-② デマンド監視装置の導入 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 77 kL/年 ●CO2 排出量: 166 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 5,599 千円/年 製造業 (工場) 【現状】 H24 年度の最大電力 124kW に対し、1 年間の使用電力量の平均は 32KW である。この平均 電力を最大電力 124kW で割った「年負荷率」が 26%と低い。 電気料金を左右する契約電力の抑制が見込めます。 【改善提案】 日常的に電力使用状況を把握し最大電力の抑 電力量計 制を図るため、デマンド監視装置を導入する。 設定した目標値を超えそうな時に警報を発す るので、予め決めておいた照明やエアコン、支障 のない範囲の生産機械を一時的に停止するなど で抑制が可能となる。 また、1日の時刻別データ(日負荷曲線)などを記録する機能があるため、対策検討に有効 なツールとなる。 【効果試算】 目標抑制電力:12kW(装置の導入で10%程度を抑制している実績例が多い) 基本料金単価:1,260円/kW(高圧電力S) 電力使用量削減効果:1%(想定) 力率:100%(基本料金割引率15%) 電力使用量料金単価:13.5円/kWh(従量料金分) ●エネルギー削減量(電力) 電力使用量削減効果:年間電力使用量283,594kWh/年×0.01=2,836kWh/年 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 2,836kWh/ 年 × 9.97GJ/ 千 kWh × 0.0258kL/GJ= 0.7kL/年 (削減率 0.9%) ●CO2 削減量: 2,836kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= 1.6t-CO2/年 (削減率 0.9%) ●エネルギー経費削減金額: 基本料金分:1,260 円/kW×12kW×(1-0.15)×12 ヶ月=154 千円/年 従量料金分:2,836kWh/年×13.5 円=38 千円/年 ●投資金額: デマンド監視装置本体 150 千円+工事費 100 千円= ●投資回収期間: 250 千円÷192 千円/年= -4- 192 千円/年 (削減率 3.5%) 250 千円 1.3 年 小規模更新-③ 集塵機のインバーター制御 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 70 kL/年 ●CO2 排出量: 製造業 152 t-CO2/年 ●エネルギー経費: (工場) 5,251 千円/年 【現状】 工場内の集塵機が常に商用周波数で稼働しており、不要な動力並びに空調負荷の増加 要因となっている状況である。加工機械の稼働状況に応じた集塵機ファンの回転数制御を 導入することにより、改善が見込まれる。 【改善提案】 集塵機にインバータを設置し回転数調整を実施するとともに、加工機の直近にダンパ ーを設置し不要な室内空気の排気抑制によりエネルギーの削減につなげる。 インバータ制御を実施する ダンパー ダンパー ダンパー ダンパー ダンパー 加工機 集塵機 加工機 加工機 加工機 台数 1 容量(kw) 2.2 集塵機 合計容量 2.2 加工機 100 ・ 風量は回転数に比例(Q∝N) タ ゙ンパ等 絞 り 制 御 消 費 電 力 量 % 2 ・ 風圧は回転数の2乗に比例(H∝N ) 80 省 電 力 60 量 % 40 3 ・ 軸動力は回転数の3乗に比例(P∝N ) インバータ 制 御 回転数をN1から N2へ変化させた場合 次の関係があります。 Q2 Q1 20 0 40 50 60 70 80 90 風量・回転数(%) (軸動力が回転数の 3 乗に比例) -5- H2 N1 H1 = 省 電力 量 30 N2 100 N2 2 P2 = N2 = N1 P1 N1 3 【効果試算】 現状ファン動力(負荷率) 2.2kw 稼働時間:1,820h/年(10h/日×260 日稼働×稼働率 70%) 排気風量改善量: 20 m3/min ( 冷房:エアコン(COP2.96) 50%と想定 3/5 箇所ダンパー閉止 暖房:ストーブ(効率 ) 86%) 電気料金単価:18.89 円/kWh 灯油単価 92.5 円/L 周波数 商用 50Hz インバータ設置 40Hz ●エネルギー削減量(電力、灯油) ◎ 回転数制御電力量改善 現状の電力使用量: 2.2kW×1,820h/年=4,004kWh/年 3 改善後電力使用量: 2.2kw×(40Hz/50Hz) ×1,820h/年 =2,050kWh/年 電動機電力削減量: 4,004kWh/年-2,050kWh/年 = 1,954kWh/年 ◎ 空調負荷改善 排気風量削減量 : 20 m3/min×60min/h×1,820h/年=2,184,000 m3/年 改善空調負荷 : 冷房電力改善量 1,552 kwh(下表1) : 暖房灯油改善量 (表-1) 外気温度 6月 7月 8月 9月 合計 (表-2) 11月 12月 1月 2月 3月 4月 合計 18.6 22.6 25.4 22.5 661 L (下表2) 改善冷房排気負荷 (kcal) (kwh) 584,640 1,035,648 1,337,712 991,800 負荷相当空調 電力量(kwh) 2.96 2.96 2.96 2.96 12 230 407 525 390 1,552 680 1,204 1,555 1,153 外気温度 改善暖房排気 負荷(kcal) 負荷相当 灯油量(L) 6.4 -0.7 -2.9 -2.1 1.6 7.9 -482,328 -1,034,569 -1,200,704 -1,029,941 -860,882 -372,708 64 137 159 137 114 49 661 ◎ 合計電力量改善量: 1,954kWh/年 + 換算COP 1,552kWh/年 = 3,506kWh/年 ◎ 灯油改善量: 661 L/年 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 3,506kWh/ 年 × 9.97GJ/ 千 kWh × 0.0258kL/GJ+661L/年×36.7GJ/kL×0.0258kL/GJ= ●CO2削減量: 3,506kWh/年×0.547t-CO2/千kWh +661L/年×36.7GJ/kL×0.0185t-CO2/GJ×(44/12)= ●エネルギー経費削減金額: (機器) + (工事費) (削減率 2.1%) 3.6t-CO2/年 (削減率 2.4%) 127 千円/年 3,506kWh/年×18.89 円/kWh +661L/年×92.5 円/L= ●投資金額: 1.5 kL/年 = 概算金額 ●投資回収期間: 200 千円÷127 千円/年= -6- (削減率 2.4%) 200 千円 1.6 年 小規模更新-④ 浄化槽のブロアーのタイマー制御 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 29 kL/年 ●CO2 排出量: 63 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 2,315 千円/年 製造業 (工場) 【現状】 浄化槽の曝気ブロアーが連続稼働している。 曝気ブロアー 【改善提案】 曝気ブロアーにカレンダータイマー等を設置して間欠運転とする。 当該事業所の操業時間は 8:30~16:30 の 8h であり、夜間や休日は連続で運転する必要は ないと思われるので、水質状況をみながら間欠運転(例:2h 運転、2h 休止の繰り返しなど)を 行う。 【効果試算】 曝気ブロアーの容量:400W 運転停止時間:操業時間(8h/日×260 日/年=2,080h/年)は連続運転、それ以外の時間 (24h/日×365 日/年-2,080h/年=6,680h/年)は 50%の間欠運転として、6,680h/年×0.5= 3,340h/年 電気料金単価:19.97 円/kWh(H24 年度実績値) ●エネルギー削減量(電力) 0.4kW×3,340h/年=1,336kWh/年 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 1,336kWh/ 年 × 9.97GJ/ 千 kWh × 0.0258kL/GJ= 0.3kL/年 (削減率 1.0%) ●CO2 削減量: 1,336kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= 0.7t-CO2/年 (削減率 1.2%) ●エネルギー経費削減金額: 1,336kWh/年×19.97 円/kWh= 27 千円/年 (削減率 1.2%) ●投資金額: カレンダータイマー代+取付工事費= ●投資回収期間: 20 千円÷27 千円/年= 20 千円 0.7 年 -7- 小規模更新-⑤ 変圧器の間引き 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 90 kL/年 ●CO2 排出量: 194 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 7,178 千円/年 製造業 (工場) 【現状】 工場内受変電設備の負荷率が 22%と低く、変圧器容量が過大となっている。 (最大電力 150kW 、変圧器総容量 680KVA) 電力 デマンド 50,000 250 40,000 200 30,000 150 20,000 100 10,000 50 デマンド(kw) 電力量(kwh) 電力量推移 0 0 【改善提案】 変圧器の間引きを実施することで、変圧器の損失である鉄損を削減できる。 【効果試算】 変圧器間引き容量: 100 削減電力: 0.25kw 対象時間: 8,760 KVA 1台 (総変圧器容量 (=100KVA 680KVA 負荷率 22%) ×0.25%(設置当時の鉄損相当率)) h/年(24h/日×365日) 電気料金単価: 19.77円/kWh ●エネルギー削減量(電力) エネルギー使用量の削減量 0.25 kW × 8,760 h/年=2,190 kWh/年 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 0.6kL/年 2,190kWh/年×9.97GJ/千 kWh×0.0258kL/GJ= ●CO2 削減量: 1.2t-CO2/年 2,190kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= (削減率 0.6%) ●エネルギー経費削減金額: 52 千円/年 2,190kWh/年×19.77 円/kWh= ●投資金額: (削減率 0.7%) (機器) + (工事費) (削減率 0.7%) = 概算金額 ●投資回収期間: 300 千円÷87.5 千円/年= -8- 150 千円 2.9 年 小規模更新-⑥ 蒸気配管の保温 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 80 kL/年 ●CO2 排出量: 191 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 6,563 千円/年 製造業 (工場) 【現状】 ボイラ(灯油燃料)室の、蒸気配管ヘッダおよびフランジなどに保温施工がされていない部 分があるため、未保温部分から熱が放散し、燃料ロスが発生している。 【改善提案】 未保温部分を保温して熱放散を防止する。 現 状 【効果試算】 蒸気圧力:0.55Mpa-G → 蒸気温度:162℃(蒸気表:at 0.65Mpa-abs) 周囲温度:20℃(標準温度) 放散熱量:11.6MJ/h(内訳下記「表1」:「省エネルギーセンター」データによる) 保温材保温効率:0.89(保温厚さ40mm:「省エネルギーセンター」データによる) ボイラ効率:0.85(一般的な値) 年間稼働時間:2,835h/年(10.5h/日×270日:ヒアリング) 灯油低位発熱量:34.3GJ/kL,, 灯油高位発熱量:36.7GJ/kL 灯油単価:88.5円/L 表1 未保温部分の放散熱量 名称 サイズ 数量 配管相当長さ 1m当たり放散熱量 放散熱量 m/個 W/m MJ/m・h MJ/h 減圧弁 20A 1個 1.71 219 0.79 1.35 フランジ 20A 6個 0.46 219 0.79 2.18 フランジ 40A 3個 0.47 362 1.30 1.84 ヘッダ 125A 1m 1.00 915 3.29 3.29 フランジ 125A 2個 0.44 915 3.29 2.90 合計 11.6 ●エネルギー削減量(灯油) (11.6MJ/h×0.89×2,835h/年)÷34.3GJ/KL÷0.85=1,004L/年 -9- 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 1,004L/年×36.7GJ/kL×0.0258kL/GJ= 1.0kL/年 (削減率 1.3%) ●CO2 削減量: 1,004L/年×36.7GJ/kL×0.0185t-C/GJ×(44/12)= 2.5t-CO2/年 (削減率 1.3%) ●エネルギー経費削減金額: 1,004L/年×88.5 円/L= 89 千円/年 (削減率 1.4%) ●投資金額: 保温材 150 千円+工事費 50 千円= ●投資回収期間: 200 千円÷89 千円/年= - 10 - 200 千円 2.2 年 小規模更新-⑦ エアコン室外機への散水 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 70 kL/年 ●CO2 排出量: 152 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 製造業 (工場) 5,251 千円/年 【現状】 180 160 電力量(kwh) 30,000 140 120 100 20,000 80 60 10,000 40 20 0 0 【改善提案】 空調設備室外機に散水を実施し空調動力を抑制する。 現 状 散水装置の導入例 【効果試算】 冷房用想定電力量: 37,000 kwh/年 適用比率 : 25%(対象台数 電気料金単価 : 18.89円/kWh 想定削減率 : 15%(他事業所での実測例から想定、下グラフ参照) 3台/12台) ●エネルギー削減量(電力) (削減電力量)= (冷房電力量)×(削減率)×(期待効果) = 37,000kWh/年×25%×15% - 11 - =1,388kWh/年 デマンド(kw) 冷房空調動力低減に向けた る。 デマンド 200 40,000 ピークが夏季に表れており、 取り組みが必要と考えられ 電力 電力量推移他 当該工場における、電力量 PAC水噴霧効果 18.0 16.0 水噴霧開始 14.0 電力(kw) 12.0 10.0 8.0 終了後上昇 6.0 4.0 通常運転 噴霧中 2.0 0.0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 0.4kL/年 1,388kWh /年×9.97GJ/千 kWh×0.0258kL/GJ= ●CO2 削減量: 0.8t-CO2/年 1,388kWh /年×0.547t-CO2/千 kWh= (削減率 0.5%) ●エネルギー経費削減金額: 26 千円/年 1,388kWh/年×18.89 円/kWh= ●投資金額: (削減率 0.6%) (機器) + (工事費) (削減率 0.5%) = 概算金額 ●投資回収期間: 50 千円÷26 千円/年= - 12 - 50 千円 1.9 年 小規模更新-⑧ 照明の電源回路の改善 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 1.4 kL/年 ●CO2 排出量: 3.1 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 207 千円/年 サービス業 (作業場) 【現状】 整備工場内には、5台の水銀灯照明設備が2回路で構成されている状況である。 【改善提案】 用途区分で整備エリアと倉庫エリアに分かれていますので、個別に点灯可能となるように回 路の構成を見直し実施する。 倉庫エリア 整備エリア 水銀灯 【効果試算】 対象台数:5台 消費電力: 点灯率: 点灯時間 1,040h/年(4h/日×260日) 230W/台(9,900 現状: 100% lm/台、43 ⇒ lm/w) 50% 電気料金単価:20.13円/kWh (従量料金単価) ●エネルギー削減量(電力) 削減電力量:230W/1000×5×1,040h/年×(100%-50%)=598kWh/年 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 0.15kL/年 598kWh/年×9.97GJ/千 kWh×0.0258kL/GJ= ●CO2 削減量: 0.33t-CO2/年 598kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= (削減率 10.6%) ●エネルギー経費削減金額: 12 千円/年 598kWh/年×20.13 円/kWh= ●投資金額: (削減率 10.7%) (機器) + (工事費) (削減率 5.8%) = 概算金額 ●投資回収期間: 25 千円÷12 千円/年= - 13 - 25 千円 2.1 年 小規模更新-⑨ サーキュレーターによる冷暖房効率の向上 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 27 kL/年 ●CO2 排出量: 55 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 2,305 千円/年 卸売業、小売業 (事務所) 【現状】 ガスヒートポンプエアコンにより冷暖房を行い、設定温度は原則各 28℃、25℃としているが 盛夏、厳冬期には 27℃以下、26℃以上にする場合もある。 事務室にはエアスイングファンがあり使用されているが、効果の及ぶ範囲が限定されてい る。 【改善提案】 床置きタイプのサーキュレーター10 台程度を 配置し、室内の空気循環を促進し、冷暖房設定 エアスイングファン 温度を 28℃、25℃にキープするようにする。 サーキュレーター エアコン室内機 事務室天井 【効果試算】 設定温度 1℃緩和による省エネ率:10%(省エネルギーセンター資料より) 冷房期のガス消費量:1,319m3/年 暖房期のガス消費量:1,542m3/年 都市ガス料金単価:116.6円/m3 ●エネルギー削減量(都市ガス) (1,319+1,542)m3/年×10%=286.1m3/年 注)サーキュレーターの消費電力増加分は微少のため試算から除外する。 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 286.1m3/ 年 × 45.0GJ/ 千 m3 × 0.0258kL/GJ= 0.3kL/年 (削減率 1.2%) ●CO2 削減量:286.1m3/年×45.0GJ/千 m3×0.0136t-C/GJ×(44/12) = 0.6t-CO2/年 (削減率 1.2%) ●エネルギー経費削減金額: 286.1m3/年×116.6 円/m3= 33 千円/年 (削減率 1.4%) ●投資金額: サーキュレーター5 千円/台×10 台= ●投資回収期間: 50 千円÷33 千円/年= - 14 - 50 千円 1.5 年 小規模更新-⑩ 冷蔵ショーケースの断熱対策 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 14 kL/年 ●CO2 排出量: 31 t-CO2/年 ●エネルギー経費: 1,286 千円/年 卸売業、小売業 (店舗) 【現状】 店内のショ―ケースガラスが単板ガラスであり夜間においても冷気が漏れている。 【改善提案】 営業時間外は保温性の高い断熱材を掛け、冷気の漏れを抑制する。 材質:特殊エラストマースポンジ 色:黒 気泡構造:独立気泡 比重:0.048~0.096g/cm3 熱伝導率 K値 -20℃:0.032W/m・K 夜間は断 熱材を掛 断熱材の例 ける 【効果試算】 想定改善電力: 200W 適用時間 3600h : 電気料金単価: (10時間/日×360日) 24.14円/kWh(従量料金単価) ●エネルギー削減量(電力) 削減電力量=(想定改善電力)×(適用時間) エネルギー使用量の削減電力量: 200Wh/年×3,600h=720kWh/年 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 0.19kL/年 720kWh/年×9.97GJ/千 kWh×0.0258kL/GJ= ●CO2 削減量: (削減率 1.3%) 0.39t-CO2/年 720kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= (削減率 1.3%) ●エネルギー経費削減金額: 17 千円/年 720kWh/年×24.14 円/kWh= (削減率 1.3%) ●投資金額: 50 千円 断熱材購入 ●投資回収期間: 50 千円÷17 千円/年= - 15 - 2.9 年 小規模更新-⑪ 給湯ポンプのインバーター制御 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: 67 kL/年 ●CO2 排出量: ●エネルギー経費: 152 t-CO2/年 5,204 千円/年 宿泊業、飲食サービス業 (ホテル) 【現状】 給湯ポンプ(2台)は、お湯の使用状況と関係なく 24 時間連続運転されている。 【改善提案】 給湯ポンプにインバーターを設置し、お湯の 使用状況に応じて流量を制御する。 さらに、ポンプの吐出側に圧力センサーを設 けて圧力に応じて流量を制御する。 ただし、流量がゼロになると湯に赤錆が出 る、蛇口をひねったときすぐに湯が出ない等 の問題が生じる場合があるので、最低限の流 量は確保する必要がある。 給湯ポンプ 【効果試算】 ポンプの消費電力:それぞれ 1.5kW、2.2kW(機器銘板より) 運転時間:8,760h/年(24h/日、365 日/年運転) 制御後の平均流量:現状の 85%(需要に応じて 70~100%流量とした場合の仮定値) インバーター効率:95%(一般的な値) 電気料金単価:17.27 円/kWh(直近 1 年間の実績値) ●エネルギー削減量(電力) 現状の消費電力量:(1.5kW+2.2kW)×8,760h/年=32,412kWh/年 制御後の消費電力量:(1.5kW+2.2kW)×0.85³÷0.95×8,760h/年=20,953kWh/年 消費電力削減量:32,412kWh/年-20,953kWh/年=11,459kWh/年 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 11,459kWh/ 年 × 9.97GJ/ 千 kWh × 0.0258kL/GJ= 2.95kL/年 (削減率 4.4%) ●CO2 削減量: 11,459kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= 6.3t-CO2/年 (削減率 4.1%) ●エネルギー経費削減金額: 11,459kWh/年×17.27 円/kWh= 198 千円/年 (削減率 3.8%) ●投資金額:インバーター2 台+圧力センサー制御装置 2 式+設置工事費 ●投資回収期間: 500 千円÷198 千円/年= - 16 - 500 千円 2.5 年 小規模更新-⑫ 温水配管の保温 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: ●CO2 排出量: ●エネルギー経費: 63 kL/年 148 t-CO2/年 5,181 千円/年 宿泊業、飲食サービス業 (ホテル) 【現状】 ボイラー室の配管やフランジに、保温材で覆われていない部分があった。非保温部分から 熱が放散され、ボイラーの燃料消費量を増加させる一因となる。 【改善提案】 保温材で覆う。 改善前 改善後 【効果試算】 保温する箇所:50A 配管 7m、32A 配管 10m、50A フランジ 1 箇所 配管表面の温度:60℃(ボイラーの設定温度と同じ) 放散熱量:50A 配管は 94W/m、32A 配管は 70W/m、50A フランジは 41W/箇所(省エネルギ ーセンター資料より)となるため、合計放熱量は 5.0MJ/h 保温材施工後の保温効率:厚さ 35mm のもので 0.87(省エネルギーセンター資料より) 稼働時間:8,664h/年(24h/日×361 日:ボイラー稼働時間) A 重油発熱量:39.1MJ/L A 重油単価:96.88 円/L(直近 1 年間の実績値) ●エネルギー削減量(A 重油) (5.0MJ/h×0.87×8,664h/年)÷39.1MJ/L÷0.8=1,205L/年 【効果】 ●原油換算エネルギー削減量: 1,205L/年×39.1GJ/kL×0.0258kL/GJ= 1.2kL/年 (削減率 1.9%) ●CO2 削減量: 1,205L/年×39.1GJ/kL×0.0189t-CO2/GJ×(44/12)= 3.3t-CO2/年 (削減率 2.2%) ●エネルギー経費削減金額: 1,205L/年×96.88 円/L=41 千円/年 117 千円/年 (削減率 2.3%) ●投資金額:保温材は工事費込で配管用は 8 千円/m、フランジ用は 10 千 円/箇所(平均的な値)。8 千円/m×(7+10)m+10 千円= ●投資回収期間: 146 千円÷117 千円/年= - 17 - 146 千円 1.3 年 小規模更新-⑬ LED 照明への更新(ダウンライト) 【事業所概要】 ●原油換算エネルギー使用量: ●CO2 排出量: ●エネルギー経費: 63 kL/年 148 t-CO2/年 5,181 千円/年 宿泊業、飲食サービス業 (ホテル) 【現状】 ロビーの埋め込み型ダウンライトは蛍光灯タイプのものが使用されている。 【改善提案】 LED 器具へ更新する。 点灯時間が長い照明なので 省エネ効果が大きい。 改善前 改善後 【効果試算】 現状器具の消費電力:150W(36W4 灯タイプ。安定器損失を含む) LED 器具の消費電力:53W(例:P 社□450XL など) 対象台数:3 台 点灯時間:7,942h/年(3 台中 2 台は 24h/日、1 台は 18h/日、加重平均 22h/日×361 日/年) 電気料金単価:17.72 円/kWh(直近 1 年間の実績値) ●エネルギー削減量(電力) (0.150-0.053)kW×3 台×7,942h/年=2,311kWh/年 【効果】 ● 原 油 換 算 エ ネ ル ギ ー 削 減 量 : 2,311kWh/ 年 × 9.97GJ/ 千 kWh × 0.0258kL/GJ= 0.6kL/年 (削減率 1.0%) ●CO2 削減量: 2,311kWh/年×0.547t-CO2/千 kWh= 1.3t-CO2/年 (削減率 0.9%) ●エネルギー経費削減金額: 2,311kWh/年×17.27 円/kWh= 41 千円/年 (削減率 0.8%) ●投資金額:工事費込で 40 千円/台(推定)×3 台= ●投資回収期間: 120 千円÷41 千円/年= - 18 - 120 千円 2.9 年