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つくば市農業基本計画策定委員会
会 議 録 会議の名称 第1回つくば市農業基本計画策定委員会 開催日時 平成26年7月1日(火曜日) 開会13:30 開催場所 つくば市役所6階全員協議会室2 閉会15:10 事務局(担当課) 経済部農業課 出 委員 堀江委員(委員長),須藤委員(副委員長)根本委員, 席 大和田委員,塚田委員,大曽根委員,中島委員,稲葉委員, 者 木村委員,小辻委員,市川委員,塙委員,栗山委員,松下委員, 渡辺委員,岡本委員,横田委員,髙谷委員,石濱委員 その他 直江農業委員会事務局長,福田土地改良課長 事務局 寺田農業課長,稲川農業課長補佐,松浦農業課長補佐, 農業課職員3名 公開・非公開の別 ■公開 □非公開 □一部公開 傍聴者数 3人 非公開の場合はそ の理由 議題 (1)計画策定の趣旨について (2)つくば市農業の問題点及び課題について (3)今後の進め方について (4)その他 会議録署名人 1 2 議 3 次 4 第 5 会 6 確定年月日 平成 開会 あいさつ 委員紹介 委員長及び副委員長の選出 議 題 (1)計画策定の趣旨について (2)つくば市農業の問題点及び課題について (3)今後の進め方について (4)その他 閉 会 年 月 日 <審議内容> (1)計画策定の趣旨について 事務局:配布資料をもとに説明 意見なし (2)つくば市農業の問題点及び課題について 事務局:配布資料をもとに説明 以下,主な意見 委員:30 年前の大手スーパーがない時代には,土浦の公設市場が地産地消の役 割を果たしており,地域の中で循環していた。兼業農家でも,農産物を 市場に持っていけば利益が出た。しかし,大手の流通が主体となるにつ れ,消費行動もそればかりになり,地産地消がなくなってしまった。 なので,形を変えて,地産地消の流通システムを作っていくと,兼業農 家も利益が得られるようになるのではないかと思う。つくばでは,大規 模な流通に乗せられるものはネギくらいで,非常に小規模の流通展開と しては直売所があるが,中規模の流通展開ができない。そのあたりを作 ってもらえると,いくつもの販売チャネルが持て,多様な農家形態がで きるのではないかと思う。 委員:つくば市農業の主な問題点と課題の中で,「農業の魅力が乏しい」とある が,企業的な農業を営む方や農業の癒し効果などを考えると,農業に対し ての魅力が乏しいということはないと思うので,表現を見直してほしい。 また,「企業参入等視野に入れ」とあるが,様々な農業改革の中で,企業 の持つ体質を農業に入れようといった意見もあるが,主体は農業者である と思うので,この辺は少し慎重に,表現を精査してほしい。 委員:農地を借りても境界が分からない場合があるが,最終的に境界の位置を出 すのは借り手側で,かなりの経費がかかってしまう。貸し手・借り手が出 てきたら,境界を確認した上で貸借を行わないと,借り手としてはやりづ らい。 委員:後継者になりうる人がいるが,この先,農業がどうなっていくのかを考え ると,農家をやれと強く言えない。農業を辞めた後,今の年金だけではや っていけない。農業者年金は国庫補助もあるが,年齢制限もあり,厚生年 金と同額もらおうと思うと,かなりの金額を積み立てるしかなく,今の経 営だと厳しい。だから後継者にしたくないという気持ちになる。自分たち が働けなくなった後の将来設計ができない。農家には切実な問題である。 委員:食生活改善推進員として健康のための料理を提供する中で,アンケート調 査を行った。その中で,食生活で工夫している点について尋ねたところ, 回答者 1,500 人のうち 600 人程度が「地産地消を心がける」,また 330 人 が「農産物直売所を利用する」と回答しているので,ぜひ,地産地消やつ くばのメニューを大事にしてほしいと思う。 (3)今後の進め方について 事務局:配布資料をもとに説明 意見なし (4)その他 以下,主な意見 委員:つくばは日本一の芝の産地である。芝を燃やしているということによる警 察への煙やにおいに関する通報件数は,つくば市の住民 22 万人のうち, 年間で 44 件。生産者からすれば,高齢になると刈った芝をまとめてクリ ーンセンターへ持ちこむという対応が体力的にできない。芝があるからこ そ,地球の温暖化にも対応している。芝がなくなったら,広大な面積に何 を作付けするのか。刈った芝を肥料化するにもコストがかかり,現状では 難しい。生産者としては,迷惑をかけないように夜間に燃やさず,できる 限り乾燥した上で昼間,短時間で燃やすなど努力している。 委員:つくば市独自の計画を作るということなので,現状に対する問題を解決す るという視点だけでなく,5年後10年後,つくば市の農業がどうあるべ きか,というぜひ前向きな議論をしてはどうかと思う。 委員長:ロボットを活用した農業なども,つくば市ならではの農業だと思うので, 盛り込んでいきたいと考えている。 高齢化の進行や耕作放棄地の増加などの現状があるが,現状を手直しし ていけば何とかなるものなのか,ここで将来を見据えたつくばの農業の 姿,夢を与えられるようなものを作れるのか,恐らく,当委員会の大事 なことは,夢にあたる部分をもう少し議論していく必要があるのではな いかと思う。かといって,現状を無視しても夢はないので,現状を踏ま えた上でどういうことを考えるか,次回以降,ご議論をいただきたい。 それが今後のつくばの農業の進むべき方向だという,そういうものを示 していくべきではないかと思う。 以 上 会 議 録 会議の名称 第2回つくば市農業基本計画策定委員会 開催日時 平成26年7月22日(火曜日) 開会13:30 開催場所 つくば市役所2階203会議室 閉会15:35 事務局(担当課) 経済部農業課 出 委員 堀江委員(委員長),須藤委員(副委員長),根本委員, 席 大和田委員,塚田委員,大曽根委員,中島委員,稲葉委員, 者 木村委員,小辻委員,市川委員,塙委員,栗山委員,鈴木委員, 松下委員,渡辺委員,岡本委員,横田委員,髙谷委員, 石濱委員 その他 直江農業委員会事務局長,岡野経済部次長,福田土地改良課長 事務局 寺田農業課長,稲川農業課長補佐,農業課職員3名 公開・非公開の別 ■公開 □非公開 □一部公開 傍聴者数 3人 非公開の場合はそ の理由 議題 (1)基本方針の検討について (2)その他 会議録署名人 1 2 議 3 次 会 第 4 確定年月日 平成 開会 委員長あいさつ 議 題 (1)基本方針の検討について (2)その他 閉 会 -1- 年 月 日 <審議内容> (1)基本方針の検討について 事務局:配布資料をもとに説明 以下,主な意見 委員:ICT 技術の導入促進とは? 事務局:ICT 技術とは「通信情報技術」である。通信等の先端技術を活用した生産 や栽培管理の効率化など,今,開発・研究が行われているものがあると思 うが,そういった情報技術が ICT というものである。 委員:ソーラーシェアリングの導入推進とは? 事務局:農地に太陽光発電設備による発電を行いながら,その下の農地ではきちん と作物を作る,といった形態のものである。下の土地は農地として使用す ることが前提である。 委員:どのようなところを「農村」という言葉でくくっているのか。「農村」とい うイメージを「つくば市」にくっつけておいていいのかという思いがある。 事務局:中心地域ではかなり都市化が進み,周辺地域では田園が広がり,自然環境 が豊かであるというようなところから,農村については,まだ都市化をせ ずに自然豊かなまま残っている周辺地域の集落,というイメージだと思っ ている。 委員:基本方針①の③販売力の強化促進の中の「多様な消費者ニーズ」とは?それ をしっかり捉えておかないと,その後の「地産地消」という話につながらな い。ただ,1番重要だと思うのは,後継者がしっかりしていれば,農業は持 続できるのだろうというところ。収益を上げる,所得を上げるという前に, 消費者のみなさんが望んでいることは何かということをまず捉えておかな いとだめかなと思う。信頼の構築とはどんなことをすればいいのか。 委員長:農業・農村・食料は農政がさかんに使っている言葉。農業は産業のことで あり,住んでいる人が見えてこないので,「農村」という言葉を付けて使 っている。その言葉についていろいろ言ってしまうと,みんな困るのでは ないかと思う。 委員:地産地消の言葉を聞いたのは20年前。農家の方々も自分の生産に自信を持 -2- って取り組んでいただければ,TPP などに対抗できるのではないか。 女性農業者に対する支援とあるが,どの程度あるのか。女性だけで農業はで きないと思う。 委員:基本方針①の「市民・消費者との信頼構築」は,どちらかというと基本方針 ③の地域の活性化に位置づけたほうがよいのではないか。基本方針①につい ては,もう少し,ひとの育成・確保に従った,つくば市独自の方針を入れる べきではないかと思う。 担い手については,地域全体で育成したり確保したりするべきものではない かと思う。農業の産地が自ら,将来の担い手を育成するという考えがあって もいいのではないか。 委員:地産地消については,私も地域の活性化に入れるべきではないかと思う。 委員:ひとの育成・確保は農業に魅力あるものがないとできない。こういうものが あるからつくばで農業をがんばっていこう,というような文言を付け加えた ほうがよいのではないか。 委員:高品質なものの生産を目指す農業者もいれば,より消費者に近いところで農 業の窓口となって,農のある暮らしの魅力を伝えることを目指す農業者もお り,「ひと」といった部分でも,思いはみんな様々である。それぞれに価値 はあると思うので,たとえば基本方針③の地域活性化の部分では,農のあ る暮らしをつくば市民の方へ伝えていくような活動,また,②農地の確保・ 保全や④新技術の導入の部分は,産業として農業の地盤を支えていくような 人をよりサポートするような視点で固めていったらよいのではないかと思 う。 農業のベースには,新技術で効率よく高品質なものを多く生産するというこ とがあり,それを伝えるということがあると思うが,小規模な農家としては, ベースになる部分は得意な人に担ってもらい,私自身は技術を活用して,よ り消費者に近いところで農のある暮らしの魅力を伝えられればと考えてい る。農業者の中でも役割分担があるのではないかと思う。 委員:この計画にはつくばらしさが出ていない。他の自治体でも当てはまってしま う。つくばでなぜ農業なのか。つくばだから,ここで農業をして活性化して 人が育って,という「つくばらしさ」をもう少し,みなさんと掘り下げて議 -3- 論したほうがよいと感じる。 つくばは首都圏のマーケットに非常に近いといった面で,他の地域と比べて 競争力がある。また,学園都市なので,様々な技術をすぐ試せる環境であっ たり,大規模農業で高品質なものを大量にマーケットに供給していくといっ た部分でも,強みを出せると思うので,「つくばらしい」というものは何な んだろうというところを,もう1度,みなさんと議論させていただいて,4 つのキーワードをもう少し深堀りしたほうが,つくばで農業を行う意味や意 義,消費者のニーズなどもより明確に伝えられるのではないかと思う。 委員:事務局としては「つくばらしさ」を入れるという意味で,基本方針④に「新 技術の導入」を入れている。 委員: 「スマートガーデンシティ」の横文字よりは, 「田園都市つくば」というイメ ージが強くある。言葉のイメージとして,そちらのほうがよいのではないか。 委員:総合計画(つくば未来構想)でも理解しづらいのが「スマートガーデンシテ ィ」。 この表現もつくば未来構想と一致させなければいけないのか。農業基本計画 では外すことも可能なのか。 委員:未来構想と農業基本計画の検討が同時に進行しているところ。未来構想とあ まりかけ離れたものであってもしょうがない。 事務局:未来構想では,人と自然と科学が育む街というイメージをスマートガーデ ンシティという横文字のキャッチフレーズで表している。現在,パブリッ クコメントを実施中だが,このキャッチフレーズはこのままいくのではな いかと思う。農業基本計画では,未来構想の日本語で分かりやすい表現の 部分だけ盛り込むという方法も可能だと思う。 委員:生産者が消費者の目になって生産し,消費者はそれを理解して購入する,そ ういった関係がある。生産者は,所得がないと農業そのものをやっていけな い。今は,安いもののほうがよいのか,安心安全なものがよいのか,二極化 している。つくば市の農家はどういう選択をしているのか。そういったこと も含めて,流通の流れを持っていかなければならないのではないか。 農地の保全・確保については,特に水稲については,20町30町やってい る人ができないので土地を返すといったときに,地権者はどうするのか,そ -4- の土地は誰が耕作するのか,我々は考えなければならない。また,農地を今 後,どのように集約していくのか。集約できないと,生産者も大きく作って, コストをできるだけ下げ,安いものを供給していくということができなくな る可能性がある。なので,きちんと基盤整備をしたうえで,担い手をしっか り確保するということが大事なところだと思う。販売力の強化促進も分かる が,販売力をどのようにしていくのかまでを具体的に出した方がよいかと思 う。また,農地の保全・確保はしっかりやっていただきたいと思う。 委員長:全体として,おっしゃったことは書いてあるかと思うが,欠けている部分 はあるか。 委員:もう少し具体的にしていただければと思う。大規模区画のための再生支援と いうのはどこまで支援していただけるのか。また,農道の改良・整備の支援 というのは行政として,どこまで支援できるのかということがあれば。 事務局:今回は方針ということで,具体的な施策の例までを挙げるまでに留めてお り,個別の政策までまだ本格検討していない。 市としてもグリーンバンク制度等により耕作放棄地の問題に取り組んで いるところだが,根本的な解決策とまではいかず,なかなか難しい状況で ある。今年度より,国の施策で農地中間管理事業が開始されるが,それら を見ながら,みなさまよりお知恵を拝借しながら,市として進めていかな ければならないと思っている。 委員:農業農村という2つの言葉が大切なのかなと思う。一般に,行政や研究の場 面でいうと,農村というのは2つの意味があり,ハードな意味では基盤, そして地域という意味を持つ。今回の基本方針でいうと,②「農地の保全・ 確保」や③「地域の活性化」というのはまさに農村であり,一方,農業と いうと生産力や販売力の話になるので,①「ひとの育成・確保」に入ると 思う。以上を踏まえて,もう1度基本施策を見ると,地産地消は地域に入 るので,基本方針③「地域の活性化」に入るといいのかなという印象を持 つ。 農業の中の生産力や販売力ということでは,つくば市の独創で生かされて いないのは何かというと,都市近郊であるが,都市に向かってアピールす るような産物,つくば市の名物,有力な作物を扱っている農協がないとい -5- うことだろう。それはなぜかというと,これまでつくば市内の農業者の組 織力が弱かったのか,あるいは,そもそも土地としていいものが作れるよ うな状況になかったのか,私には分からないが,地産地消だけではない, 都市近郊という特徴を生かしたマーケットへのPRや,生産技術なり販売 力なりをつけるようなことが今後の目標として非常に大事であると思うの で,それを①「ひとの育成・確保」の中で, 「産地化」という言葉で強調で きればいいかと思う。 整理すると,地産地消は地域の問題なので,農村のソフト的な解釈として ③「地域の活性化」のほうに入ると思う。また,都市近郊というメリット を生かした販売力の強化や, “産地化”というような俯瞰を①「ひとの育成・ 確保」にぜひ入れていただくと,つくば市という立地が明確化されるので はないかと思う。 委員:他の委員から出た「つくばらしい」 ・ 「田園都市」 ・ 「農のある暮らし」という 考え方に立ち,パリと比較すると,パリはつくばとはまた別の魅力を持った 都市であるが,パリは都市の周りをぐるっと田園都市が囲んでおり,その中 心部にはマルシェがあるという部分では,つくばはパリと似ているなと思う。 そういう意味でパリに注目するのがいいのかなと自分では思っている。パリ はマルシェが有名だが,農業国としても非常に優等生で,しっかりとした農 業があったり,大家族の農業があったり,様々な面があるので,それを参考 に,つくばも方向性を持っていくとおもしろいのかなと思う。パリの地域の 形をひとつのヒントとしたいなと思う。 委員:私は食生活改善推進委員をしており,直売所では,イーアスの中の土浦の JA の直売所や桜の JA の直売所を利用している。私としては,道の駅のような, 食生活改善推進委員も,そこに行けばすべてつくばのものを買えるような, もう少し大規模に地産地消ができるところを JA などで計画してもらえると いいなと思う。 委員:大規模基盤整備をぜひお願いしたい。誰にお願いするかという話はまた別に して,今やっていることには様々な問題点がある。まず面積が正しいかどう か。杭なり図面なりがきちんとしていれば貸借もしやすくなると思うので, 基盤整備は,ぜひ行政としても国なり県なりに要望していただいて,農業者 -6- がさらに耕作してもいいと言ってもらえるような状況にするようお願いした い。 また,地産地消ということでは,農業者のみなさんには,直売所で「俺が作 ったんだから食べてみてくれ」とがんばってもらって,消費者にはそれを理 解してもらいたいと思う。また,消費者に畑に入ってもらって,作物ができ るにはどれだけ農家が苦労しているのかということを,行政としても市民農 園を拡大してもらって,どれだけ農業が大変かということの PR をお願いし たい。 委員:消費者は,スーパーのイメージで直売所に来るので,野菜だけだとお客さん が来ない。そのあたりを,消費者にも考え方を変えてもらうような施策が必 要なのではないかなと思う。 農業体験のグループを作っているが,原発の風評被害からも回復しつつあり, 昨年からは,インドネシアからの学生や先生の農業体験も受け入れているよ うな状況。また,つくばで民泊の計画を立てている段階だが,計画を立てる にも我々素人では難しい。きっかけを行政サイドで作ってもらいたいと思う。 市長・副市長からも早めにあげてくれと言われているので,部長にもよろし くお願いしたいがどうか。まず,市内のいろいろな協議会を集めてほしい。 もし市役所が難しいようなら,観光コンベンション協会へお願いに行こうと 思っている。農業関係なので,コンベンション協会だとちょっと違うが。 委員:時間をください。 委員:早めにしたいのだが。県のほうでも全面的にバックアップするということで 話はついている。 委員:最終的には農家の所得を上げないと,後継者は来ないと思う。現状を見ると, 農家の所得が高い人に後継者が張りついている。厳しい農家の場合はそれで は生活できないので,他産業にいくほかない。もう少し所得をレベルアップ することを考えないと,後継者・担い手が少なくなるだろう。実際に新規就 農者で始まっても,2∼3年は楽しくやれるかもしれないが,子供が産まれ, 保育園・小学校と通わせる中で,家計の状況を見て子供の将来の設計を描け るのかなと考えると,農業は厳しい。 谷田部の産直部会は6∼7割くらい後継者がいるが,ある程度のレベルまで達 -7- していないと,このように農業をやるというところまでいかない。流通ルート を確立している人はその先に進めると思うが,行政でそういった部分でのバッ クアップを行ってもらえるのが理想かなと思う。 委員:旧岩井のねぎ部会は後継者がかなり多い。岩井の場合は,子供が小学校に入 るまでは他産業に就き,小学校に上がる段階で家に帰って来て,奥さんは配 送専門,旦那さんは農作業専門で行うという状況のようである。 委員:自社のホームページに「農業を魅力ある産業に」と書いている。おっしゃる とおり,所得がないと始まらないというのが実際で,販売というのは,開拓 したり,競争に打ち勝っていかなければならない。 つくばにいて,何が農業者にとってメリットかというと,まず何より,「首 都圏に近い」という点,次に「つくば」が全国・世界的に知られている名前 であるという点がある。そして,今後については「市民」という点になって くるかと思う。つくばは研究機関が近くにあり,私も実際,研究機関との取 り組みを行っているが,今後,考えている例として,夏場に作りづらいほう れん草の栽培について,実際に確立されている栽培システムを研究機関と一 緒に実証し,その技術を生産者が生かして有利な販売につなげていくという ことを行っていきたいと考えている。また,もう1つはコストダウンという 面が非常に大きいと思うので,基盤整備でも散水設備まで入れてもらうとか, 水はけの悪いところは水はけをよくしてもらうとか,そういう場面で行政の 力を借りられればと思う。現状では水害の影響が大きく,私のところでも6 月の2度の大雨により,1町歩の規模のハウスが水没した。これは排水設備 があれば防げたかと思うので,そういう部分の支援があれば,大きなコスト ダウンにつながると思う。また,消費者に向けては,「有機農業」がキーワ ードになると思うので,つくばでも多くの方が有機農業を行っているが,有 機農業を支援するような仕組み,一番大事なのは土作りのための堆肥作りで あるが,これを実現するための設備等がつくば市にあるということが必要な のではないかと思う。都市的な機能と,堆肥作りから野菜づくりまでを行う 機能を持ち合わせた地域であり,その中で,つくば市の野菜の残渣を堆肥セ ンターに集めるとか,循環型農業というものを考えてみてもよいかもしれな い。筑西市に「セブンファームつくば」という施設があるが,そういったも -8- のもつくば市でもやれたらいいなと思うので,そういう様々な側面から総合 的に見て,基本計画を作っていければと思う。 委員:我が家は常陸牛を育てており堆肥は近隣で有機農業を行っている方との間で すべて捌けてしまうが,つくば市全体の畜産を考えて,籾殻や街路樹の剪定 後の枝葉,また刈取芝など,運搬など大変かもしれないが,堆肥センターな どを作って,うまく耕畜連携が進めばいいかなと考えている。 事務局:剪定くずは剪定業者が処分を行っているようだが,処分の仕方としては基 本的に産業廃棄物であるので,リサイクルセンターに持ち込んでいるのだ ろうと思う。焼却する場合にはそれなりの施設でないと焼却できないので。 また,一部,チップ化しているとも聞いている。 委員長:芝も非常にいい資源なので,循環型農業というのは重要なキーワードだと 思う。 委員:資料 P.12 の基本方針①の中の①意欲ある農業者の育成・確保の中の具体的 施策の中で, 「農業者OBの活用」とあるが,今は 60∼70 代の人が農業を行 っており,そのOBだとどうなのかなという気がしている。私も定年退職し た方に手伝ってもらっているが,別の分野の方が農業に関わるとまた見方が 違うと思うので,もう少し表現を変えてもらえるとよいと思う。 委員:先ほど,委員より,自信を持って生産してほしい,という発言があったが, 農業者はみんな,自信を持って生産をしている。農業者が安心安全じゃなけ れば農産物も安心安全なものはできない。そのあたりを消費者もよく理解し てもらいたい。 私は米を50町程度作っており,できるだけ自社で販売している。会社とし ては,地域の30代の若者が社員として入り,また,子供たちが3人,働い てくれている。それは会社の収益と経営理念がはっきりしているからではな いかと思う。今年から,子供たちと従業員に退職金を払えるように,積み立 てを始めた。 国では,今年度より中間管理機構という制度が始まっているように,国の政 策は急に出てくるが,私のところでは,ある程度,情報を早く察知できたり 理解できたりするので,会社として対応できるが,一般の農家ではそれがな かなか難しい。農業基盤強化促進法による区画拡大に対する補助金というこ とで,国が急に予算をつけて事業の募集がかかるということがあったが,そ -9- の際は去年の12月20日ごろに事業募集の通知があり,締切が1月10日 であった。この短期間では,情報の先取りができないと,ほとんどの農家が 対応できない。私のところでは幸い,対応ができたので,去年と一昨年と, 自分たちで工事を行い,区画拡大をするということで補助金をいただいた。 これは補助金目当てではなくて,自分たちの生産基盤をより充実させたくて 行っているが,国の政策が急に出てきたところで,農家は時間的な対応がで きなくて,うまくすり合わせできていないのが現状。それはどの農家も実感 としてあると思うが,そうは言っても,自分自身が経営者であるならば,や はりいろいろな販路にしても自分たちの技術にしても,より多くの方に安心 して食べてもらえるものを生産していかなければならないというのが私の会 社の方針である。私のところでは,担い手は子供たち3人,また,近くの全 然農業をやったことのない若者1人,本当によくやってくれている。将来を 考えた場合,農業も他産業の会社と同じように,退職金くらいは出せるよう な経営はしたいと思って,少しずつだが取り組んでいるのが現実。 農業で毎月給料払うというのは本当に大変。毎月の収入がないと給料が払え ないので,生産ばかりでなく,経営というのを農家が苦労しているところで ある。それを消費者にも理解してほしいと思う。 (2)その他 特になし 以 - 10 - 上 会 議 録 会議の名称 第3回つくば市農業基本計画策定委員会 開催日時 平成26年8月19日(火曜日)開会13:30 開催場所 つくば市役所2階防災会議室(2) 閉会15:50 事務局(担当課) 経済部農業課 出 委員 堀江委員(委員長),須藤委員(副委員長),塚田委員, 席 大曽根委員,中島委員,稲葉委員,木村委員,小辻委員, 者 市川委員,塙委員,栗山委員,鈴木委員,松下委員,渡辺委員, 髙谷委員,石濱委員 その他 直江農業委員会事務局長,福田土地改良課長 事務局 寺田農業課長,稲川農業課長補佐,農業課職員4名 公開・非公開の別 ■公開 □非公開 □一部公開 傍聴者数 3人 非公開の場合はそ の理由 議題 (1)基本方針の検討について (2)その他 会議録署名人 1 2 議 3 次 会 第 4 確定年月日 平成 開会 委員長あいさつ 議 題 (1)計画素案の検討について (2)その他 閉 会 -1- 年 月 日 <審議内容> (1)計画素案の討について 事務局:配布資料をもとに説明 以下,主な意見 委員:環境保全型農業についてだが,鯉の養殖がさかんになる前に,霞ヶ浦の汚染 の委員を務めた際,大雑把に言うと,霞ヶ浦の汚染の半分程度が生活雑排水 によるものであり,残りの多くは農業(畜産,農地)及び漁業(鯉の養殖) によるものであった。それを改善するために様々なことを行ったが,霞ヶ浦 のそばは土浦地区が主で,養豚農家が非常に多く,改善ができなかった。つ くば市は,畜産は10億円程度の販売額で養豚業が一番多く,次に肥育牛, 乳牛が少々という状況であった。 畜産の廃棄物である糞尿を畑に戻すことができれば,田畑を行う者は海外か らの肥料の購入量を減らすことができ,一方の畜産業者も,堆肥化により汚 染を減らすことができる。現状を見ると,堆肥化せずに置いてしまっている ところもあるので,畜産の糞尿を 100%に近い状態で堆肥化して農地に戻し, 海外からの肥料の輸入量を減らすことができれば,両方の汚染の原因が取り 除くことができるのではないかと思う。ドイツでは,畜産の糞尿を生で入れ るのは,牛・豚・鶏ごとに 10a あたり 20kg 程度と法的に制限されている。 日本の場合には,法的に制限されるようなことはない。トレーサビリティも 農薬に重点が置かれており,肥料には規制がない。それも考えていかなけれ ばならないと思う。 委員:つくば市畜産協会に所属しているが,現在,養豚業は5軒程度,酪農は2∼ 3軒,養鶏は4軒,また 16∼17 軒が肥育牛である。今は家畜排せつ物法によ り,生で流通させることができない。また,他の方の土地に堆肥を運搬する ためには,県の特殊肥料製造者及び特殊肥料販売業の許可を取得する必要が ある。 今は養豚の方も,尿と糞を浄化して,きれいな水にしてから流していると思 う。肥育牛の場合は,敷物を敷いて,籾殻を敷き,被覆をしながらそれを堆 肥場に置いて,何度か切り返しを行った上できちんと発酵したものを流通さ -2- せている。私の場合には,幸い,地域の方との耕畜連携がうまくできており, 堆肥が残るということはない。私も堆肥を販売しているので,きちんと県に も登録を行っている。 委員:私は堆肥を使用する側であるが,つくば市内では堆肥が足りないと感じる。 堆肥の散布は人力ではなかなか難しいため,「マニアスプレッダ」という堆 肥の散布車を使用する方が多いが,堆肥の需要は高く,1年中,間に合わな い程度である。つくば市の南側では堆肥が足りず,撒くとにおいの出る半熟 のままの堆肥を販売する人もいる。それは生産者の意識の問題だと思う。私 たちも,堆肥が足りないときは緑肥として,そのまますきこんでいる。 委員長:このような現状を踏まえて,どういった取り組みが必要だと思われるか。 委員:高齢化が進んでおり,堆肥を自力で散布することが難しいので,できれば, トラックにマニアスプレッダが付いているものの導入のための補助をお願 いできればと思う。 委員:実際に平成 19 年度に,県の補助を使って車のマニアスプレッダを導入した が,機械があるのとないのとでは全然違う。以前は,トラクタに取り付け, 牽引する方式のマニアスプレッダを使用していたが,交通量も多くなり怖い ので,トラックのマニアスプレッダにした。 堆肥を散布していると,隣の人からこっちにも撒いてほしいな,というよう な話になるので,PR しなくても自然と堆肥は捌けていく状態である。 委員:堆肥も経営の資源になる(=売れる)が,畜産農家も忙しいときは無料で配 ってしまい,処理するのに自腹を切ってしまう状況なので,商品として堆肥 を撒くところまで行うと,高齢化もしているので,買いたい人はたくさんい るはずである。 委員長:循環型農業・有機農業が,ひとつの柱としてつくばの計画に入っていくと いうことで,これらの議論をもう少し汲み取って,文章化していただけた らと思う。また,気になったのは,研究機関との連携ということで,すぐ ロボットや ICT ということが出てくるが,研究機関では例えば堆肥化の研 究や,堆肥化の過程で発生するアンモニアの回収,豚の尿からリンを回収 するなど,様々な研究や技術開発が行われている。そういった面でも,コ ンピュータだとかそういったことだけでなく,さらに研究機関との交流機 -3- 会を持つなど,もっと地道な方法があるのではないかと思う。1つの例と して,南九州は畜産地帯であるが,地域では堆肥が捌けきれず,かなり遠 くへ運搬しているが,その際に堆肥の容量をコンパクトにする,といった 技術がある。そういった技術をつくばでも実践し,もう少しこうしたほう がよい,というような意見を言ってもらえれば,双方に通じていくのでは ないかと思う。研究機関との連携というのは,ロボットや新品種,といっ た面に限ったことではなく,もっと広く捉えていただければと思う。 委員:P.32 計画の達成目標について,目標値が低すぎるのではないか。例えば, 市民ファーマー制度の契約件数が 13 件(H25)→20 件(H26),また,農 業体験年間参加者数が 371 人(H25)→400 人(H26)は,6年後に 29 人 しか増えていないのであれば,人数が増えればいいというものではないと思 うが,やっている価値があまりないのではないかと思う。委員長からもあっ たように,ICT やコンピュータ関係だけでなく,様々な技術を学ぶというこ とを考えれば,研究機関との年間交流回数も1回というのもいかがなものか なと思う。変な話であるが,1回であればやらないほうがいいのではないか という気がする。情報交換会になると懇親会になってしまうので,技術の交 流という形で,例えば年間4回くらい行うとか,もう少し回数を多くしても よいのではないか。グリーンバンク制度も,6年後に 30ha と言わないで, 60 とか 100 という話でもいいのではないか。6年後であれば,農業ができ ない人もかなり出てくるだろう。目標設定については,あまり飛び抜けた数 字を出すのもどうかと思うが,農業体験であれば人数がもっと増えてもよい のだろうし,研究機関との交流回数については,そういった事例があるので あれば,もっとやりとりをしてもいいのだろうと思う。目標数値が全体的に 低すぎるのではないかなと感じる。 委員:私も目標数値を見て低いと感じた。恐らく,行政の方々が担当になったとし て,あまり高い数値を掲げると達成が難しい,と考えたような気がする。 基本方針のひとの育成・確保のところに,「意欲ある農業者の育成・確保」 とあるが,これを行うためには,こういった方々をサポートする人も必要だ と思う。つくば市は知識労働の方が多く存在し,今後,リタイヤする人も多 く出てくると考えられる。そういう方々をサポーターとしてつくば市が認定 -4- し,工学系の博士や民間企業の研究員の OB の方など,先ほど話にあったよ うな,肥料散布の機械の操作の指導員などで活躍できるような形で一般市民 も巻きこみ,また,農業を行う人も全国から集まってきて,というような市 になれば,他の地域との差別化もできると思う。つくば市を挙げて,農業を サポートする側もされる側も育成していく,というように取り組めば,数値 目標ももっと高く掲げられるし,市民が行政にもっと関わっていけるのでは ないか。よって, 「ひとの育成・確保」のところに, 「農業をサポートする人 の育成」ということも盛り込んでいけるといいのかなと感じた。また,「女 性農業者の支援」とあるが,女性農業者だけでなく,高齢者や障害のある方 など,機械のサポートがあれば作業ができる場合も考えられると思うので, 言葉の表現を変えてもらえると,さらに多くの方が農業に参画する可能性が 広がるのではないかと思う。 委員:目標数値の設定について,事務局から説明をお願いしたい。 事務局:数値目標の設定については難しいところがあり,これらの数値をもって本 計画を達成できたかどうかを検証できるのかというと,大変難しいところ であるが,ここでは数値的に挙げられそうなものを挙げさせていただいた。 委員:つくば市は宅地化が進んでいるが,農地は十分あるのか。 事務局:市内には,研究学園都市が 2,700ha,つくばエクスプレスの沿線開発地域 が 1,000ha 以上で,両地域は主に都市的な住宅地であるが,その周辺地域 については,基本的に市街化調整区域,あるいは,先ほどの農業振興整備 計画に基づいた「農用地」という規制がかかる地域であるため,筑波山か ら西,東と,相当の農地が残っている。 ご質問のあった計画の目標について,茨城県は農業算出額が北海道に次ぎ 2位になったということだが,5年ほど前から国の調査で市町村毎のデー タがなくなり,つくば市でも現在の食料自給率や農業算出額などの統計的 な数字がなくなったため,そういった数字による目標立てが難しい。ここ に挙げた目標数値が,目標として立てられるものを無理やり引っ張り出し てきたような印象を持たれると思うが,そのような理由によるものである。 5年間あるのに目標数値が低い,とのご意見があったが,新技術の導入の 中では,市内の研究所で作られた「ユメシホウ」が1つの事例としてある -5- が,これまで農業分野と研究機関・大学との連携ということがほとんどな かった。企画部門において,市内のほとんどの研究機関と連携協定(包括 協定)を結んでおり,市長からも市内の研究機関と積極的に交流して事業 を進めるように,といった指示も出ている。ここでは,今後,計画を機に, という意気込みもあるが,最低限として確実にやりたいな,という数値目 標を入れさせていただいた。もう少し高いハードルでやっていこうよ,と いう数字とはかけ離れた数字にはなっていると思う。今回,みなさまより 様々なご意見をいただいたので,再度検討させていただければと思う。 委員:P.20 地産地消の推進についてであるが,確かに品物はあり,一時的に集荷 することはできるが,常時,つくばの野菜を各レストランや消費者の方に届 けるということがなかなかできない。それが確実にできるようであれば, 我々の農産物もつくば市内でさらに販売できると思う。 JA 関係の直売所は基本的にトレーサビリティを徹底しており,栽培履歴や 農薬の使用量などの書類を各農家に提出させて,確認して販売している。一 方で,例えば,全農のポケットファームなどは栽培履歴だけで,その他は必 要ないということを行っている。よって,つくば市で食の安全・安心を推進 していくということであれば,市内のすべての直売所でそれを徹底させる, という方法を取っていくということが求められるのではないか。つくば市に は,JA 関係や個人の直売所が多くあるが,個人の直売所ではトレーサビリ ティをほとんど行っていないので,同じレベルに引き上げ,市内のレストラ ンやホテルで取り扱ってもらえるような形になれば最高かなと思う。 また,最近は市場でも仲買人が夜のうちにいいものを先に買い占めてしまい, どちらかというと B 級品を地域に回す,といったような流れになっているの で,できるだけ地産地消を進めていただきたい。 委員:つくばの目に見える安心な食材を,そこで全部手に入るような体制があると よいと思う。私たち食生活改善推進委員も,そのような場の一角を借りて, つくばの食材を使用した健康食の試食の提供をしながら,農業から食生活ま で,トータルで市民の健康づくりを支援できるのではないかと思う。 委員:各消費者の方の市内の農産物は手に渡っているが,学校給食やレストラン, ホテルなどで使用してもらうためには,ほしい品物をすぐに届けられる仕組 -6- みが必要。特にホテルは常にお客さんがいるので,どうしても手に入りやす い市場や業者から購入してしまうと思うので,行政からはかけ離れてしまう と思うが,販売体制を整備していただければと思う。 委員長:ご意見があった中で,具体的にはトレーサビリティのシステムをもっと徹 底するということでよろしいか。 委員:同じ土俵に上った品物を消費者のみなさまへ納めるようにする,ということ である。ある直売所では,市場で仕入れたものを農家の方の名前で販売して いるということもある。これは産地偽装であるが,そういうのが分からず, 消費者のみなさんは購入してしまうので,地産地消を進める上では直接,消 費者のみなさまと農業者が触れ合うことのできる直売所を,どこも同じレベ ルまで引き上げてほしいということである。 委員長:それは教育とか人材育成とか,そういう話になるのか。あるいは,制度的 にそういうものを作っていくということか。 委員:それを上手く検討してほしいと思う。 委員長:そこを考えるのが市役所ということでお願いしたい。 委員:誘客促進ということだが,我々は「つくば・いなか体験応援隊」という農業 体験の受け入れ組織を作っている。その中で今,各旅行会社に求められてい るのは,民泊の受け入れである。県内では,県北で約 40 戸が実施している が,それが1つの高校や中学校の受け入れを行える最低限の戸数とのことで ある。旅行会社の要請は,1家庭最低3名程度,1学年で 150 名程度を1度 に受け入れられる体制をつくばで作ってほしいとのことである。県の方もか なり乗り気であるが,我々がそれをまとめるのに,1度,農業課かどこかで 1度,市内の様々な協議会を集めてほしいと思う。民泊ができれば,もっと つくばに人を呼べると思う。 委員:P.19 農地の有効活用の中の,具体的施策③再生可能エネルギーを活用した 農地利用についてであるが,私個人の情報として,再生エネルギーの発生と 農業生産が有効に結びついている事例を知らない。まさに新しい分野なのか もしれないが,世界の研究が集積している地であるので,事務局として具体 的にイメージを持っているのか。 事務局:法律の趣旨が,ソーラーパネルを始めとする再生可能エネルギーからの売 -7- 電による利益が,農業経営や耕作放棄地の抑止・解消に使用されることが 1番望ましいということであるので,こちらに広義で表記させていただい たということを理解していただければと思う。 事務局:今の説明の補足であるが,現在,2つの制度があり,1つ目として,基本 的には農地以外には使用してはいけないとされる「農振農用地」でも,耕 作放棄地となっている農地については転用することで,太陽光発電をして もよいというものである。ただし,そのためには周辺地域の農業の活性化 と必ずつながること,という条件がある。こちらについては現在,市内で 動いているところはない。2つ目として,農用地のまま農業を行いながら, ソーラーパネルを設置してもよいというものである。こちらは農地の一時 転用ということで,例えば柱を立てて行う場合には,柱の部分のみ一時的 に太陽パネルのために転用許可をするということになっている。ただし, その下で農業を行う必要があり,条件として通常の場合の 20%以上減収 にならないようにすることとあり,3年ごとに更新することとなっている。 通常の農地でも設置が可能なため,具体的には,米や野菜を作りながら付 けるといった事例で,市内でも申請が上がってきていることを確認してい る。そういう面で,ソーラーパネルをハウスの一部分に設置するなど,電 気代などコストの面等で農業との共存ができればということで,書かせて いただいている。 委員:様々な人の知識・技術を生かした,というと新技術の導入に焦点を当てがち であるが,多様な知識,最近ではナレッジ・マネージメントという言葉があ るように,農業で言えば土地の勘は農業をやめてしまったら,また後継者が いなければその知識や技術が死んでしまうので,いかにそのナレッジ(知識) を継承していくかが非常に大切であると思う。そういう意味では,つくば市 内のいろんな方の知識を生かした農業振興,新技術プラス知識ということに なれば,つくば市として個性のある取り組みになるのではないかと思う。ま た,つくば市のツイッター・フェイスブックにはあまり農業のことに触れら れていないように思うので,農業振興のためにも,農業サポーターや農業体 験等を積極的に PR していくべきだと思う。 委員:82 になる父が野菜づくりを行っているが,肥料をやるのもバケツ1杯など -8- 大雑把。若い子がいるので,父が行うことをメモだけしておくように言っ ているが,父は今までの経験を頼りに行っているので,数字にしたり言葉 にしたりというのが苦手である。だが,父もそうだが,年配の人は野菜な ど何を作ってもおいしく,まさに「名人」と呼べる人が地域には多くいる。 その人たちがいなくなればその知識がなくなってしまうので,1軒にひと り,若い人やパソコンが得意な人が,その場で数字なりを入力するサポー トをできるような体制があればよいと思う。同じ土地で同じものを作って も,おいしいところとそうでないところがあるので,そういった知識や肥 料量などをデータ化して残すことができたら,若い人がその土地を受け継 いだ時に役立ち,また,おいしい野菜もなくならずに済むのではないかと 思う。 委員:ユメシホウはブランド化されているのか。 事務局:ユメシホウは農林水産省の産地品種登録を受けており,麦を作った場合の 補助金にも該当するような品種である。また,もうひとつ,種の確保とい う点で,種子法に基づく奨励品種というものであるが,こちらについては 県の認定を受けていない。今はパン用小麦として,茨城県が推奨している 別の品種が登録されている状況で,ユメシホウの種については,独自で確 保している状況。奨励品種登録を受けられれば,県が責任を持って種を調 達できることになっている。 委員:ボランティアといった社会貢献をする場合に,医療・教育・農業というのは 3つの大きな力を発揮できる分野だと思う。今は介護施設が非常に多くある が,介護施設や障害者の施設の方々も農業に貢献できることを是非入れてほ しい。娘がイギリスでボランティアをした際に,牧師にも役割があり,障害 者や障害者の親,地域が一体で行うようなシステムができていたようなので, つくばでもぜひそういったことを目指してもらいたい。 事務局:P.23 の⑦農と福祉の連携促進の中で,生産者と障害者施設の交流,という ことを入れている。 委員:その中にぜひ,介護施設も入れてほしい。 委員:私も介護施設へそば打ちの提供に行くことがあるが,認知症があっても昔の ことは覚えているので,とても上手に捏ねてくれる。農作業も,稲刈りなど -9- 少しずつでも行えば,認知症を遅らせることができるのではないかと思うの で,高齢者施設・介護施設との連携はとてもよいと思う。今はそば打ちを提 供しているだけだが,ぜひ今度畑に来てくださいね,ということは言ってい る。市全体としてそういうことができれば,農業の活性化にもつながるし, お年寄りの方の楽しみにもつながると思うので,連携できるような仕組みが できたらいいなと思う。 委員:近くに筑波大学医学部等もあるので,もっと巻き込んで行っていければ,ユ ニークな取り組みができるかもしれないので,ぜひ検討していただきたい。 委員:この計画は,委員のみなさまの個々の意見を反映されているなと私は思う。 委員長:最後の達成目標については,全部書かずにもう少し重点的に書けばよいの ではないかと思う。本当に目標を書くようであれば,例えば農地の保全と いうのは, 「耕作放棄地を半減させます」,とかそういうことが必要だと思 う。交流会が何回ということよりも,もう少し大胆なことが書けないかと 思う。「ほら」はだめだが,大胆な目標を掲げて進んでいくということが 重要なのではないかと思う。例えば,国の食料自給率 50%という目標も, 何年も達成されていないことを考えれば,最初からできないと思って低い 設定をするよりも,ある程度チャレンジする姿勢が見えればいいのではな いかと思う。この委員会で議論して,この程度ではという気がしている。 農地基盤整備を進めます,とあり,93%→94%というのは,大きな柱を掲 げた割には成り行きにまかせた印象を受ける。あまり全部を目標として挙 げないで,これに向かって進んでいくという大事なところを,もう少しメ リハリのある形で目標設定をお願いしたい。 委員:農林水産省で「グリーンツーリズム」という言葉を使っていると思うが,農 林水産省が施策として推しているようであれば,その言葉をどこかに入れて もよいのかなと思う。 委員長:今回,委員から得られた意見を事務局で整理・再検討していただき,次回, それを踏まえて検討していきたいと思う。 (2)その他 委員:今,つくば市で農産加工品のお土産が少ない。ブルーベリー協議会の方とも - 10 - 話をするが,ブルーベリーも生食だとなかなか販路が伸びないとのこと。各 個人で加工を行っているが,個人だとなかなか品物が揃わない。千葉県の長 柄町で加工施設を第三セクター方式で建てたように,つくば市でも加工施設 を作ってもらえれば,いろいろな方々がジャムやアイスなどの加工をできる と思う。現状ではどうしてもロットが少なく,イベント等での販売しかでき ないので,そのあたりも行政で考慮してもらえるといいのかなと思う。上郷 高校や給食センターなども回してもらえないかということを聞いてみたが, いずれも利用が難しいとのことであった。我々個人で大きい施設を作ること はなかなかできないので,検討してもらえればと思う。 以 - 11 - 上 会 議 録 会議の名称 第4回つくば市農業基本計画策定委員会 開催日時 平成26年9月26日(金曜日)開会13:30 開催場所 つくば市役所2階203会議室 閉会15:35 事務局(担当課) 経済部農業課 出 委員 堀江委員(委員長),須藤委員(副委員長),大和田委員, 席 大曽根委員,中島委員,稲葉委員,木村委員,小辻委員, 者 市川委員,塙委員,鈴木委員,渡辺委員,横田委員,髙谷委員, 石濱委員 その他 直江農業委員会事務局長 事務局 寺田農業課長,稲川農業課長補佐,松浦農業課長補佐, 農業課職員4名 公開・非公開の別 ■公開 □非公開 □一部公開 傍聴者数 1人 非公開の場合はそ の理由 議題 (1)計画の素案について (2)その他 会議録署名人 1 2 議 3 次 会 第 4 確定年月日 平成 開会 委員長あいさつ 議 題 (1)計画の素案について (2)その他 閉 会 -1- 年 月 日 <審議内容> (1)計画の素案について 事務局:配布資料をもとに説明 以下,主な意見 委員:P.32 の計画の達成目標について,この数値は今こういうことを行っていて, この先5年間で増やしていくということだと思うが,具体的にこの数値の裏 にあるものはあるのか。 事務局:目標①の担い手については,認定農業者及び新規就農者を想定しており, 現状では認定農業者が 219 名,新規就農者が 35 名で合計 254 名。 目標②の直売所の売り上げについては,市内には多くの直売所があるが, なかなか全ての直売所のデータはなく,私共の知りうる範囲での直近のデ ータで申し上げると,約 13 億円という数字になっている。 目標③の耕作放棄地については,これまで市や農業委員会で耕作放棄地の 解消へ向けて取り組んだ,グリーンバンクや農地再生チャレンジといった 事業や,耕作放棄地を解消した場合に国から受ける再生交付金などの事業 を活用してこれまで解消したものをすべて併せて,約 33ha である。 目標④の都市農村交流体験者については,市内につくば・いなか体験応援 隊という,委員の中に会長がいらっしゃるが,農業体験の受け入れを行っ ている農家の方の組織があり,その団体の受け入れ人数に加えて,市主催 の農業体験イベントの参加人数を合わせた数字として,平成 25 年度の状 況が約1万 500 人である。 委員:目標④についてだが,委員の中にもつくば・いなか体験応援隊の会員がいる が,今年,普及センターの協力を得て受け入れ状況を調べたところ,昨年度, 我々応援隊では特に小辻委員のところで8千人近くの方を受け入れており, 会全体で約1万人,その他に,筑波地区にいろいろな団体があり,特に小田 地区の宝きょう山の自然を守る会とか何かそういう団体も,年間,かなりの 人数を集めている。我々としては,目標④を倍以上に増やしてほしいような 気もする。震災前で約7千名近く受け入れており,やっと今年あたりから団 体の数も戻ってきたので,今後,さらに増えるという確信があるため,人数 -2- を大幅に増やしていただければと思う。 また,私からのお願いとして,P.28 の重点プログラム③の(3)都市農村交 流事業の中で,①∼③とあるが,④として,「農家民泊」の推進を提案して ほしいと思う。現在,県北では年間 500∼600 人程度受け入れを行っており, 大手旅行業者の話によると,関西圏の中学生・高校生が農業体験とつくばで 民泊という計画を立てたいが,受け入れ農家が少ないとのことで,ぜひ進め てほしいということであった。大手旅行業者及び茨城県の担当課から話があ ってから丸1年が経つが,今後,本格的にこの話を進めていきたいと思うの で,ぜひ「農家民泊制度」という言葉を入れてもらえればと思う。 委員:目標②直売所の売上げを50%以上増やすというのは,具体的にどのように 増やすのか。売上げを50%増やすとなると,消費者の方にかかってくる。 消費者はそこまで増えないと思うが…。道の駅をよく利用するが,そこで販 売されている農産物は新鮮で新しいという印象を受ける。一方で,直売所で もよく買うが,白菜がちぎれていたり,きれいじゃなかったり,あまり新鮮 さを感じられないものが多い。これは栃木県の方に行ったときのことである が,朝,大根が100本程度並んでいたが,その後,出かける予定があった ため,帰りに買おうということで帰りに立ち寄ると,大根は10本程度しか 残っていなかったが,それが今,畑から収穫したばかりというくらいきれい な状態で販売されており,みんなで購入した。やはり売ろうという気持ちが 感じられないと,買う方も買いたくない。葉っぱが散らかっていたりすると 売れ残りという感じがする。よって,消費者としてはそういうことも考慮し ながら販売すると,売上げの増加につながるのではないかと感じる。 また,有機や無農薬,あるいは農薬をあまり使用せずに栽培されていても, それが農産物に表示されていない。小さなところにちょこっと買いてあるの かもしれないが,やはり大きく表示した方がいいと思う。それでないと消費 者は分からない。きちんと売ろうという気持ちがないと,50%以上に 売 上げを伸ばすということは無理かと思う。つくば市の中で有機栽培や減農薬 で行っている農家は何%程度いるのか。消費者としては,農薬を使用してほ しくないというのが実情。だからといって,虫の食ったものばかり食べると いうわけにもいかないので,そこの兼ね合いが難しいのではないかと思う。 -3- 従って,直売所の売上げを50%以上増やすというのは,相当,無理がある と思う。 事務局:目標②の直売所の売上げ50%以上増加ということであるが,農家の方に は,新鮮で安心・安全なものを生産していただくという点においては P.20 のところでご説明させていただいたように,GAP やトレーサビリティと いった取り組みを促進したり,現在,6次産業化の取り組みもさかんに行 われてきているので,付加価値を高めた商品をさらに取り入れていただく など,そういった面から売上げの増加につなげられればと考えている。有 機農業についての割合については,データが手元にないため,申し訳ない が,今は回答できない。 委員:私たちは農薬を使用してないものを食べたいというのが実情。お菓子でも何 でも,今は外国から入ってきた原料は全部,遺伝子組み換えのもの。そうい うものを子供たちに食べさせたくないというのが親の気持ちであるが,それ しかないというのが現状である。 委員:農薬に関してだが,小学校の給食に虫が入っているとすごく苦情が出る。確 かに有害な虫もいるかもしれないが,青虫は我が家でもほとんど農薬を使用 しないので,ブロッコリーを茹でたときについていることもあり,子供は驚 くが,取れば平気だと教えている。でも,学校ではそうはいかないという。 だからといって減農薬で行い,キャベツの裏表を1枚1枚見たりということ はとてもできないので,どうしても農薬や殺虫剤を使用して,きゅうりなど も虫に食われていない,きれいで傷んでいないまっすぐなものを作るという ことになってしまう。そういう点では,消費者も曲がったきゅうりを購入し なかったり,虫がいると苦情を言うなどということがあるので,虫がついて いるからよいというわけではないが,やはり消費者の意識も変えてほしいな とと思う。 また,直売所の売上げを50%増加させるという点に関してだが,直売所の 会員の平均年齢がかなり高いので,農産物を朝持ってきて,また午後もとい うと,収穫も朝が早くて大変なので,あるのだが持っていけないという状況 がある。だが,これは目標①の担い手,新規就農者を30%以上増やすとい うことになれば,その若い方々が農産物を生産するようになり,直売所の会 -4- 員の平均年齢が下がれば,直売所等に出荷する量も増え,売上げも上がるの ではないかと思う。また,事務局からもあったように,今は付加価値を高め るための様々な加工を考えているので,若い人たちの発想によって,直売所 の売上げを高めていくこともできるのではないか。 委員:無農薬・減農薬などの表示をしっかりしてほしい。 委員:無農薬というのがどこからどこまでなのか。昨年度,4成分使用していたも のを,今年3成分にしたら減農薬になるのか,10成分を5成分に減らした から減農薬になるのかといった基準は何なのか。我が家は減農薬で米ぬかな どを使用して行っているが,それは我が家の基準である。使用する農薬数に ついても減らしてはいるが,10成分を4成分にしても“4成分も使ってい るの?”という風に捉えられることもあるので,慣行栽培だとどれくらい, ということを表示するのも生産者の役割だろうと思う。 事務局:有機農業には認証制度があり,「JAS 有機農業」として認証されて有機農 業を行っている農業者は一握りである。減農薬については,県の「特別栽 培」という制度があり,計画の中にも「エコファーマー」という言葉があ るが,これは慣行栽培より化学肥料を半分以下,また化学農薬を半分以下 で栽培したものに対し,特別栽培として認証され,シールを貼ることがで きるというものである。お米でも「特別栽培米」というものがあるが,県 の認証シールと併せて市のシールも出している。市では,有機肥料への補 助なども行っている。そういったものも今後,安全安心という意味でさら に広げていければと思う。 委員:農薬もさることながら,除草剤というのも大量に使用している。田んぼのへ りなどでは,草を刈らずにすべて除草剤で枯らしてしまうというような状況 が時々見受けられる。使用するなとは言わないが,正しい使い方をしてほし い。余談であるが,私の家の近所で犬を飼っている人がおり,散歩で田んぼ のへりをずっと歩いたと聞いたが,恐らく除草剤が撒かれていたのだろうが, 奥様がパートから帰ってきたら,犬が死んでいたということであった。犬な ので解剖をするということもなかったが,獣医に聞いたところ,犬は素足で 寄せ足で歩くが,胸のところに肝臓があり,肝臓がやられてしまうとすぐに 死んでしまうとのことだった。 -5- そういうショッキングな事件もあったので,除草剤については皆,敏感であ る。除草剤の規制や規約などをつくば市で作っていると思うが,除草剤を大 量に撒かれるというのはすごく恐ろしい気がする。 委員:特別栽培とエコファーマーでかぼちゃを生産している。茨城県の基準で,成 分でいくつ以下に抑えなさいというのがある。これは慣行栽培よりかなり抑 えた数字である。除草剤については,年に1回使えばいい方で,水田につい ては使用数で8成分である。しかも,残効性が極端に弱い除草剤である。除 草剤については,水田に撒くだけで畦畔には使用できない。使用して,後で 何かの病気が出た場合,病気に対する農薬が使用できなくなるため,我々は 使用を極力抑えている。種もみも消毒薬を使用せずに,今は農協でも農薬を 使用しない消毒をしており,成分も5くらいに抑えている。我々の作るお米 は安心して食べられるお米である。みなさんが思うほど農薬は使用していな いと思う。その点については,渡辺委員が一番よく分かると思う。 委員:口にするものであるので,安心安全なものを提供したいという気持ちで生産 者は栽培している。消費者の中には,農薬を全く使用しないでほしいという 人もいるので,有機栽培や無農薬栽培ということを行う生産者もいるが,消 費者全員にそういったものを提供するのは現実的に不可能である。消費者の 方がどういった選択をするのか,どういうものを口に入れたいのかという選 択肢もあるし,生産者としても,能力的な部分で家族経営の中でどういった 農業を取り組めるのかということもあるので,一概にこれしか農業ではない, 安心安全な農産物ではないという風にしてしまうのはいかがなものかなと 個人的には思っている。 委員長:これらの数値は達成目標であり,そのために様々な施策を展開していくと いうことだと思うので,この数値で本当に大丈夫かというご意見もあった が,市がやるという熱意を示しているということなので,目標は高ければ 高いほどいいのだと私は思う。都市農村交流体験者の目標数値である1万 5千人は少なく,2倍くらいの2万人でもいいのではないかというご意見 があったがどうか。また,民泊という言葉を入れてほしいということであ ったがどうか。 委員一同:異議なし -6- 委員:目標④都市農村交流体験者数は,現実的に今,どんどん受け入れを進めてお り,実績があるので,目標は民泊関係を含めて2万人でよいと思う。また, 目標①,②及び③については,これらの数値でよいのではないかと思う。 委員:私も目標値については,委員長がおっしゃったように,これに向かってどう 行っていくのかという姿勢が大事だと思うので,いいと思う。都市農村交流 体験者数の数値目標についても,実際に行っている方がもう少し増やしても いいのではないかとおっしゃっているのであれば,それは現場でやっている 方の意見を尊重すべきだと思う。また,直売所の売上げを50%以上増やす というのは大変ではないかというご意見であるが,数字ではなく,この目標 に向かってどういう方法をとっていくかが重要なのだと思う。また,これは 確認であるが,P.32 の4の目標の検証はどこが行うのか。行政が行うのか。 委員:目標に伴う施策は市で展開するので,進捗状況及び結果についても市で検証 する。 委員:P.2 に国の情勢が書いてあるが,国でも活力創造プランが決まり,農業も大 変革をしており,総理大臣も農業の所得を倍増させると言っている。よって, P.1 の1の策定の趣旨のところにもその旨を入れていただき,この5年間を 象徴してもらいたい。 また,P.2 に国と茨城県の動向が書かれており,P.31 に計画の推進体制が書 かれているが,わが地域には大学と研究機関がしっかり前にあり,それが中 心になってきている。こうなると,例えば農研機構では,私共との関係もあ るが,カレー米や寿司米,ピラフ米などを研究している。茨城県ではふくま るを売ろうとしているので,この辺のところの形,つくば市から見て茨城県 もよろしくね,というような形が全体的にどうなのかというように思う。普 及センター長も言いづらいだろうと思うので私が言うが,もう少し研究につ いても,つくば市から見たら大事な行政であると思うので,P.2 の国と県の 動向のところに少し入れてはどうかと思う。 次に,文言の話になるが,アスタリスクが付いている言葉については,後ろ に用語解説が載っているが,農地の「集積・集約」という言葉についても, 整理して入れてほしいと思う。 また,P.13 の⑦営農サポート人材の確保についてであるが,農業者の話を聞 -7- くと,農作業を手伝ってくれるサポーターが急に休むと,どうしても作業が 間に合わないという。農協としても考えなければならないことであるが,そ のような場合に備えて,酪農のヘルパーのような方法は何とかないのか。酪 農には,急に休んでしまったところに手伝いに行くというような制度がある。 最後に,P.14 の⑤多様な農産物の生産振興についてだが,我々(農協)と生 産者と行政が一体となって,農産物共励会とか展示会のような形で作った作 物を競うものがない。今は残念ながら農業祭に出店するだけになってきてい る。よって,競争しながらみんなに見てもらうというようなものを取り入れ てもらい,広く地産をしてもらいたいので,そのあたりを入れていただけれ ばと思う。 行政と関係機関が一体となって,それらの課題に取り組んでいく,そして, 農業者の所得向上を目指すというのが最終目標である。 委員:数値目標及び検証についてだが,普通の会社で担い手を30%以上増やしま すといった場合,それを増やすための具体的な行動計画を立て,それを実際 に達成できたかどうかを検証していくと思うが,この計画では,具体的なア クションプランについては計画策定後に役所の方で考えてもらい,役所で検 証していくということになるのか。それとも,これからこの会議の中で議論 していくのか。 次に,P.28 のグリーンツーリズムの推進というところで,民泊を入れてほし いという意見があったが,私も大賛成である。私も都内から友人が来たり, こちらから手土産を持っていく際に,つくばのお土産がない。また,友人が 来たときに, “どこのレストランでユメシホウを食べられるの?”,とか“ぽ ろたんはどこで食べられるの?”ということをよく聞かれるが,市の観光マ ップにもユメシホウを使ったパンを食べられるお店やレストランというの が全然載っていない。施策の中で直売所マップを作るという話があったと思 うが,例えばそこに,「つくば市認定レストラン」ということで国の研究機 関で育成した品種のおいしいぽろたんを使った料理を食べられるレストラ ンやお土産を買えるお店の情報をマップ化しておけば,ふれあい交流人口も すごく増えると思う。また,そういったお店のお菓子を買った人たちが都内 や別の地域に持ち帰ることで,その人たちが PR することにもつながると思 -8- う。また,ぽろたんやユメシホウをつくば市の学校給食の献立の中で書いて, シェフや農研機構の研究者が学校に出向いて,開発の背景などを説明するよ うな機会を作れば,子供たちの中にもつくばへの愛着が醸成されていくと思 う。そうなれば,子供たちもいとこや友達に,つくば市にはぽろたんがある んだよ,という形で市民が一丸となって口コミで広げていくきっかけにもな るのではないか。また,ツイッターやフェイスブックなどでも情報発信がで きると思うので,すべての市民を巻き込めるような活動を行政がバックアッ プしてもらえるといいのかなと思うので,ぜひ5番目に,「つくば市認定レ ストラン制度の普及・促進」というものを入れてもらえればと思う。 事務局:この先の具体的なアクションプログラムについては,基本方針及び具体的 施策までは本計画にあるので,これを実現するために,毎年,当初予算で 例えば PR 経費を増やして直売所の売上げを向上させようとか,都市農村 交流の促進のために TX の中吊り広告を増やそうとかいうように,年度毎 に予算を組みながら,年次計画で具体的な施策を進めていき,5年後に検 証を行う形となる。従って,この先の具体的な計画であるアクションプラ ンの作成については,私共でがんばっていくということになる。 委員:補足であるが,4章の重点プログラムが目標を達成するためのメインのアク ションプランという位置づけとなり,予算要求をしながら事業を展開してい くとお考えいただいてよいかと思う。 委員:4つの達成目標というのが重点プログラムの①から③に当たる部分だと思う が,1回目の会議でもあったように,「つくばらしさ」ということを考えた 場合,重点プログラムの①か③はどこの地域で行われてもいいものであるが, ④についてはつくばらしさを象徴する部分だと思う。④については数値目標 が立てづらかったので,具体的に目標として出てこなかったのだと思うが, 科学との融合という部分はつくばにとってユニークな一面になると思うの で,例えば,つくばに農業分野に対して新技術を提供できるような研究機関 がどれだけあるのかとか,どういった技術が農業に使われているのかとか, 情報収集だけでも具体的に何かできるといいなと思う。そして,できれば何 らかの形で達成目標として組み込めればいいのではないかと思う。 直売所の売上げの達成目標については,具体的に何をやるのかという部分で -9- 難しいところがあると思うが,例えば私の場合,直売の割合が非常に大きい が,大きくなればなるほどタイトになってくると思う。理由としては,量が 増えてきたときに,個人の農家でいろいろなスーパーを回って出荷してとい うコストを負担するというのは現実的ではないためである。あくまで生産者 主体で考えるとするならば,直売を行ってもよいというインセンティブが働 くような,例えば卸がメインの人でも,直売の方が地域貢献になり PR もで きるので,結果的に経営にプラスになるという何かそういうものがないと目 標として難しいのかなと思う。 都市農村交流体験者数の達成目標については,現在,1万人のうち8千人 が 私のところだと思うとプレッシャーがかかるが,おっしゃるように倍くらい に増やしてもいいと思う。また,私のような人がさらに増えて八郷の観光地 のようにもう少し活性化するとか,そういった新しい働きかけが私自身でも できればいいと思っている。 事務局:本日ご欠席の松下委員より,事前にご意見をいただいているので,お手元 に配布したペーパーを元に,事務局より説明させていただきたいと思う。 松下委員からも達成目標についてご意見をいただいている。 ※資料を元に説明 委員長:小辻委員も近いことをおっしゃっていたと思うが,松下委員からも新技術 に関する目標に掲げられないか,とのご意見があり,非常に難しいテーマ ではあるが,これに関連して目標を何か考えてもらえないか。前回もあっ たように,もう少し実質的な,生産者の方と農業団体の方,研究機関の行 っていることがつながるような場の設定というようなところで,もう少し 考えてみていただければと思う。つくばで新品種ができても,九州の方で 産地ができているように,意外と遠くの方が興味を持ち,地元の人が知ら ないということがあるので,もっといろいろなところで交流して,つくば でまず広げて,全国に広げていくのが理想的なような気がする。前回,オ ランダの話が出たが,オランダでは研究機関と生産者が加工・流通業とは つながりが強く,国全体が株式会社のようになって,一体となって行って いる。つくばではそれに近いことができると思うので,ぜひ生かしていた だければと思う。 - 10 - 委員:松下委員からフード・バレーの構築というご意見があったが,大学と研究機 関がこれだけ集積している場所は日本全国を見ても他にはないと思うので, こういうことを行うにはつくば市が最適だなと思う。ぽろたんは他の地域で 本気で行われているが,なぜつくば市が先駆けて行わなかったのかというこ とをすごく感じるので,そういったことをつくば市が率先して行っていくべ きだと思う。私もオランダに視察に行ってきたが,地域の農家が大学のカリ キュラムを考えるなど,地域と大学がものすごく連携していた。よって,つ くば市でもそういうことができればと思う。農研機構でも,民間の方向けに 技術を発表するような研究発表会も行われ始めているので,つくば市として 農業祭のような形で大学の農学部の学生や農家,一般の消費者や大学・研究 機関の先生が一同に集まって,みんなでディスカッションしたり会食をした りというような,人が集まり農業や食について議論できる場を全国に先駆け て発信できればいいのではないか。それがいわゆる日本のフードバレーとし て,食べるものがあり,お土産があり,民泊もできて…というものを,つく ば市を挙げて行うことができれば,大きなインパクトにつながると思うので, そういうことに取り組んでいただけるとありがたいと思う。 委員長:農業者と研究機関,加工技術などの連携をリードしていくような会の立ち 上げについて,できれば目標に掲げられればいいというご意見だと思うが, 私も大変大事だと思う。 他にも様々なご意見があったかと思う。農地の集積と集約化の言葉の使い 方についてや,国が所得倍増と言っているのに対して,市は温度が低い のではないかといったご意見だったかと思うがよいか。 委員:策定の趣旨の中でTPPまでは触れているが,今後の規制改革等含めて,国 が法律化している農地中間管理機構などには触れられていないので,この趣 旨の中に一言入ってもいいのではないかということである。 委員長:国の動きを捉えた表現を入れるべきだというご意見ということで,よろし くお願いしたいと思う。 委員:福祉の方では,施設がバリアフリー化されていないと,交流もなかなか難し いだろうと思う。今は直売所を見ても介護者が入れるトイレがないので,連 携を進めるにしても,まずはバリアフリー化を目標設定して行う必要がある - 11 - と思う。直売所はもちろん,市民農園もバリアフリー化してもらいたいし, 雇用する場合も同様である。P.23 に農と福祉の連携推進とあるが,施設のバ リアフリー化とかそういうところから始めないと,数値目標はできないのか なと思う。もし市の方で行っていれば聞きたい。 事務局:福祉と農業の連携という意味では,今年,農業者及び福祉事業者へアンケ ート調査を行い,意向の一致した両者で11月に試験的に農作業体験事業 を行うことを企画しているところである。今年から始めるところなので, 現段階では事例はない。 委員:施設のバリアフリー化に伴う国の補助金の中には,市を通るものもあるかと 思うので,庁内でも福祉部門と連携をして,農業分野でこういう相談がある のだが何か補助はないか,ということなどを相互に相談できるような体制に していくことも,今後の課題として検討していきたい。 委員:どちらの課に行っても,そういうことが分かるようにしてもらえればと思う。 また,是非とも直売所を5つバリアフリー化してみるとか,市民農園を5つ, 5つに限らなくてもよいのだが,そこをバリアフリー化して利用してもらう ようにするとか,受け入れる経営体がバリアフリー化すれば,福祉サイドの 方も体験しやすくなると思う。 委員:市のお金だけだと予算的にもなかなか難しいが,せっかく施設の整備をする のであれば,国の補助等の活用も検討し,協議しながら進めていくというこ とで,計画に入れたいと思う。 委員長:具体的に進めるとなると,その前提となるバリアフリー化などについても, この計画に盛り込むか盛り込まないかは別として,配慮して進めていただ ければと思う。 委員:先程,横田委員から P.31 の計画の推進体制についてのご意見があったよう に,つくば市の農業は様々な関係機関が関わって積み上げていくものだと思 う。その中で,県にも様々な試験研究機関があるので,その活用をというご 意見があり,大変ありがたく思っている。例によって,近年,茨城県でも水 稲だと「ふくまる」や「一番星」,いちごであれば「いばらキッス」,メロン であれば「イバラキング」と名称についてはいろいろな意見があるようだが, 茨城県独自で育成した品種のブランド化という視点での研究も進んでいる。 - 12 - しかし,茨城県は試験研究方法がミスマッチを犯してきたという経緯がある。 というのは,私は普通作くらいしか分からないが,例えば小麦や大豆の育 種・育成を行っていたが,実需者というのか,需要というのか,買ってくれ る人の意向をあまり考えずに,新品種を開発してきた過去がある。その結果, 小麦は大手の製粉業者も茨城の小麦の61号には手を出してくれない。また, 大豆についても「タチナガハ」など大々的に普及させた過去があるが,実需 者は他の県の「ふくゆたか」などを買い,茨城県のものを買ってくれなかっ た。それはなぜかというと,生産者の人には聞きがたいことかもしれないが, 作るサイドだけの視点で品種を育成していたためである。例えば大豆であれ ば,病害虫に強い,成虫の被害を受けにくいものであるとか,また収量性の 高いものであるとか,機械の収穫適用性が高いだとか,そういう視点で品質 選定を行ってきている。挙句の果てに,茨城の農産物を実需者が敬遠したと いう経緯がある。それをやはり,買ってもらえる,使ってもらえる,消費者 が望んでいるような品質のものをということで,視点を変えて育種の研究を 進めてきたところ,いくらかそういう方法での目玉というものが出来てきた。 今回,P.25 に,新品種の導入や導入に向けた連携ということがあるが,生産 性が高い,品質がよい,といった新しい品種の需要があるかというと,必ず しもそうとは言えない状況があると思う。前回の会議の際には意見として出 さなかったが,せっかくいいものであったとしても,その先が全然活用され ないとか,誰も引き合いに来てくれないとかいう状況になると思うので,こ のあたりのところは「需要が見込まれる」とか「需要を踏まえた」というよ うに,言葉でなくてもいいが,そういう意識を持たないと残念な結果になる と思う。 委員:先端技術についてであるが,農研機構にお世話になり,肥料の局所施肥とい って,少量の肥料で栽培を行うような技術の試験を行ったが,国の研究機関 なので,岩手や群馬など,割と遠くでも行っている。そうなると,地元でも 新技術を利用する機会はあまりなく,国の機関と地元がいくら近くても,見 に行くこともあまりないので,つくば市で情報を集約して農家へ発信しても らえるような形にしてもらえると,農家も新技術などを使いやすくなるので はないかと思う。 - 13 - また,直売所に関連して,直売所の生産者は皆,一生懸命行っている。今, 直売所では大体,メールで農産物の販売状況の連絡が来るようになっている。 そういう部分では,直売所でも新技術を導入して,大根が足りなくなったら すぐに持って行くということにつなげていると思うので,前回の議事録を見 たところ,直売所のレベルアップが必要だというお話があったが,それは必 要だと思う。 委員:余談だが,ここ2∼3年,米価がかなり下がっている。農地を集積して大規 模に行っている農家の方が多くいるが,つくば市でも稲作地帯と畑作地帯が あるが,米価がこれ以上下がった場合,農家を辞めるという声がかなり出て いる。これから先,こういった状況も頭に含めて政策を考えていただかない と,厳しい状況になるのではないかと危惧される。 委員:私共も今年は1万円,昨年は1万2,800円なので,3割近く下がった。 1万円だと原価計算すると赤字になる。この影響が現実に出ており,肥料の 注文を取りに行っても,来年の春の注文をもらえない。やっとこの1週間く らいで燃料の値段が下がり始めたが,それでも166円。国民の食料は国が 守る,とはっきり農水省に言われたが,食料自給率は39%である。こんな 馬鹿な話はない。余談だが,国民の食事の半分から7割くらいは国が作った ものを,と思っているので,行政でも力添えをお願いしたい。 委員:新潟あたりで学校給食をすべてお米にしたという話があるが,つくば市はま だパンや麺類を使っている。ユメシホウなどのつくば市産の小麦粉や米粉を 使用していればいいが,輸入している小麦粉を使うのであれば,つくば市に は美味しいお米があるので,つくば市の学校給食をすべてつくば市産のお米 で賄うことにすれば,つくば市産のお米の需要が上がるのではないかと思う。 今は子供も高校生以上になり,メニュー表を見ることもなくなったが,今は だいぶお米も増えてきたようだが,長男の頃はお米が週に2回,あとはパン と麺類だった。なぜおいしいお米ができるのに,全部お米にしないのかなと いう気持ちがあった。そのあたりのところをつくば市で考えていただければ, お米の需要が上がるのではないかと思う。 農大に通う次男が,今年の夏休みに研修生をふたり連れて帰ってきており, 来年からはつくばに戻ってきてお米作りをやりたいと言っているが,農水大 - 14 - 臣が所得倍増と言っている一方で,米価が1万円弱という状況である。1袋 作るのに大体7千円,1俵だと1万4千円かかるのに,なぜ米価は1万円に ならないのか。夢のある農業,未来のある農業と言うが,子供と一緒にニュ ースを見ていて,かける言葉がなかった。最初は最低限の生活でも,農業に 魅力があれば来年から就農したいと言っているので,つくば市からだけでも, お米の利用を増やすような取り組みをしていただけたらと思う。 委員:昨日,知事と会う機会があり,米の需要は学校給食だという話も出た。今 1番,学校給食に米粉パンを使っているのは埼玉県だそうであるが,茨城県 で作る米粉パンと埼玉県で作る米粉パンではおいしさが全然違うとのこと だった。そのあたりは担当者もよく勉強してこい,などと言われていたが, 県のサイドでもこのままの米価では大変ということで,何らかの形でもう少 し使う量を増やさないと,という話をしていた。 委員:私も学校給食というのはすごく大切だと思う。今の40代の方はパン食が多 いが,それは自分が育った時にパン食だったからである。その影響で子供も あまりごはんを食べない。だから,お米の需要もうまくいかないという結果 が出ているらしい。そういう面からも学校給食は大切なので,小さいころか らきちんとお米を食べさせた方がよいのではないか。 委員:TXが開通し,外食産業が多く参入してきたが,私も外食の時はご飯を頼む が,その産地を聞くとほぼつくばではない。本社の決めたところから入って くるため,茨城県産米は使用していないという。外食産業がつくばに参入す る際に,つくば市産米や野菜を使用するなどの条件を付すことを考えてはど うか。 委員:お米のおいしさは炊き方にあると思う。お水に浸す時間によっておいしさが 異なるとのこと。研究もされているそうだが,お米の種類によっても違うそ うなので,主婦も知恵を絞って,どのように炊いたらおいしく食べられるの かを考えなければならないと思う。 委員長:この資本主義社会で,参入する外食産業に条件を付けることができるのか どうかは分からないが,そういった働きかけがあってもいいだろうと思う。 農業は依然として厳しい現実にある中で,生産者・市民あるいは消費者が 一緒になって支えていきながら進めていくというこで,それ以外の件につ - 15 - いては,かなり盛り込まれていると思う。 (2)その他 委員:松下委員から提案があった「フード・バレー」についてはどうなるのか。ア ドバルーンとしての文章表現にしても,確かにそれもそうだなと思う。フー ド・バレー構想で50年後の日本の食はつくばが担います,ということでも いいのかなと思う。皆さんからもあったように,産官学の連携はつくばでし かできないという話もあったので,こういったものを基本計画に入れていた だくというのも非常に意義のあることなのではないかと考える 委員長:ここでは差し当たり5年間の道筋をどうするかということを議論してきた が,それをもっと超えて,つくばが産学官連携で新しい農業を作っていく 先進地になるという決意のようなものを入れるとつくばらしいと思うの で,ご検討いただければと思う。 以 - 16 - 上 会 議 録 会議の名称 第5回つくば市農業基本計画策定委員会 開催日時 平成26年10月22日(水曜日)開会13:30 開催場所 つくば市役所2階203会議室 閉会15:05 事務局(担当課) 経済部農業課 出 委員 堀江委員(委員長),須藤委員(副委員長),大和田委員, 席 大曽根委員,中島委員,稲葉委員,木村委員,塚田委員, 者 小辻委員,市川委員,塙委員,栗山委員,鈴木委員,松下委員, 渡辺委員,岡本委員,横田委員,髙谷委員,石濱委員 その他 直江農業委員会事務局長,岡野経済部次長,福田土地改良課長 事務局 寺田農業課長,稲川農業課長補佐,農業課職員3名 公開・非公開の別 ■公開 □非公開 □一部公開 傍聴者数 2人 非公開の場合はそ の理由 議題 (1)計画の素案について (2)その他 会議録署名人 1 2 議 3 次 会 第 4 確定年月日 平成 開会 委員長あいさつ 議 題 (1)計画(案)について (2)その他 閉 会 -1- 年 月 日 <審議内容> (1)計画(案)について 事務局:配布資料をもとに説明 以下,主な意見 委員:まず1点目に,市長が書いたので問題はないと思うが,市長のあいさつの中 で,「消費者層をターゲットとした」の「ターゲット」という表現が,農業 サイドからすれば問題ないと思うが,消費者のみなさんはどんな思いで見る のかと思う。 2点目に,P.12 のリストの中で黒丸のあるところとないところがあるので, 黒丸はどうして黒丸が付けられているのか,またそれはどこに表記されてい るのか,どこかに書いたほうがよいのではないか。 3点目に,P.17 の⑤多様な農産物の生産振興の中に,「儲かる農業」という 表現があるが,表記をし直したほうがよいのかなという思いで読ませていた だいた。「儲かる」というイメージが,農業サイドから見れば収益・所得と いう部分であり,表現を変えれば「儲かる」であるが果たしてこのような表 現がよいのかなと思ったため,あらためてよろしくお願いしたい。 委員長:ターゲットは,「若者をターゲットにした」などの表現でよく使われてい ると思うが…。 委員:これは決して,私がこうしたらいいでしょうということではなくて,私はそ う感じたということである。これは市長と事務局の問題なので,そちらで検 討していただければと思う。 委員:恐らく今までの施策の流れで,「儲かる農業」という言葉が多く出てきてい る。私の娘も農業を始めたが,若者はそういうフレーズを見てきているので, そのような言葉が出てくる流れは知っていると思うが,言葉のイメージとし ては商売っ気が多すぎるのかなという気もする。しかし,若い農業者も様々 な情報に触れており,その表現に対しての理解はあると思う。 委員:他の業界だと,例えば「儲かる工業」とか「儲かる商業」とは元々ビジネス なので言ってこなかったと思うが,「儲かる農業」ということは,今までビ ジネスとして,産業として捉えられていなかったということをここで再確認 -2- されてしまうような気がする。それよりも「収益性の高い農業を目指す」と いうような表現にしたらどうかと思う。 委員:茨城県でも,平成 18 年からの第2期茨城農業改革の中で, 「儲かる農業」と いう表現を使用している。それを策定する際にも,県の中でもその表現に対 して様々な意見があったことは事実である。農業だけが「儲かる」という捉 え方になると受け取られないか,とか,農業を所得を得て生活できる産業に するためにも,「儲かる」という姿勢は必要だろうとか,いろいろな意見が あったが,結局,農業を一つの産業として見るという観点から,茨城県とし てもこういう表現で突っ走ったと聞いている。 委員:若い農業者は多くの情報に触れる中で,「儲かる農業」というフレーズが入 ってきている。ただそれが他の年代の方には違うように受け取られるだろう し,そのあたりの感覚は何とも…。これまで,「儲かる農業」という言葉が 出てくる頻度が高かった。 委員:農水省でも,インターネット上で白色申告ではなくて青色申告にすることに より利益を数値で捉えて,農業経営を進めていこう,という意味合いの際に 使用しているので,今回がそういうことに当てはまっているかどうかだと思 う。 委員:我々も農業に携わっていて,「収益性のある」という表現は確かに格好いい が,現実的に儲かる農業をやらなければしょうがないというのもあるので, 儲かる農業をやろう,という話でもいいのではないかなと思う。 委員長:いろいろなご意見が出た。ある程度の年代だと,もう少し上品な表現を使 ったほうがいいのではないかというご意見もあれば,一方で,他の年代で は使われているし,農水省でもこのフレーズを使用しているということが あった。農業が衰退していき,後継者がいない,耕作放棄地が増える,と いうことの1番の理由は「儲からない」という面が大きいということを踏 まえれば,この表現でよいのではないか。これでいきましょうか。 委員:思い切っていきましょう。事務局ではどう考えているのか。 事務局:茨城県でもこの言葉を使っていること,現状としては儲からない農業とい うことで,若者もなかなか農業に興味を示さない,農業従事者が減少して いるという状況があるので,そういったことも参考にしながら,「儲かる -3- 農業」と表現したところである。 委員長:いろいろ受けとめ方があると思うが,こういう表現もアリかなと思う。 委員:この件については,ひとこと付け加えて了解している。私は「買ってもらえ る米作り」という表現についても違和感を持っている。「買ってもらえる」 というのを,「特別な栽培の仕方をした米を作り,販売して消費者の信頼を 得る」という言葉になぜ変えられず,「買ってもらえる」という言葉でくく ってしまうのかと思う。「儲かる」というのも同様で,この表現に違和感を 持つ組合長もいるということで申し上げておきたい。 委員:P.16 の③特産物の生産振興の中で,米・芝・ねぎ・ブルーベリーとあるが, 生産日本一の芝のPRをもう少ししてもよいのではないか。米・ねぎ・ブル ーベリーの写真はあるが,芝の写真はない。スペースの問題があるのかもし れないが…。 事務局:芝の写真も入れたい。 委員長:写真の説明に「つくばの米」 「ねぎ」 「ブルーベリー」とあるが,この表現 についても検討をお願いしたい。 委員:P.26 のハラールの理解促進の部分のところであるが,もっと具体的に書くべ きではないか。 委員:農家にハラールと言っても分からない。用語解説でも漠然としたことしか書 かれていないので,分かりやすく表現してほしい。 委員長:最近はハラールの学生も増えていると聞くので,ハラール関連の勉強会を 開催してもよいかもしれない。この部分については,「ハラールなどの多 様な海外の食文化の理解促進」といった表現にしてはどうか。 委員:昨年度,つくば市農業振興協議会主催でハラールセミナーを開催したが,食 に対する認証を受けて提供できる場が必要であると感じた。海外の食文化へ の理解促進・啓蒙が課題になってくるのではないか。 表現方法については,事務局と議長にお願いしたい。 委員:東京オリンピックの開催へ向けて,都内飲食店も勉強を始めたようである。 委員:海外の多様な食文化に対する理解は,ハラールに限らず必要であると思う。 ここの表現は,「海外の多様な食文化の啓蒙を進めてまいります」というよ うな形でよいのではないか。 -4- 委員:私はしいたけの生産者とも一緒に行っているが,しいたけは市としてどのよ うな扱いをしているのか。しいたけの原木栽培は原発の風評のダメージを受 けている。振興策はあるのか。 事務局:P.17 の⑤多様な農産物の生産振興の後段において,「本市で展開される野 菜,花き,果樹,麦類,林産物及び畜産」の中の林産物の中にきのこ類が 含まれている。 委員長:しいたけを特出しすべきということか。 委員:そういうわけではない。谷田部のしいたけは有名だと思うので,どうなのか と思ったところである。 委員:P.35 の(6)市の役割の部分であるが,「農業・農村の実現を目指していく 役割を担います」とあるが, 「実現を目指していく」ではなく, 「実現のため にがんばる」くらいの表現の方がよいのではないか。 委員:もう少し積極的な表現にすべきというところだと思うが…。市としては,本 計画に基づき,これらの施策を推進していくという思いである。 本計画については,策定されれば茨城県内でも初めての計画である。 委員長:私も知らなかったが,これは県内で初めての計画ということになるのか。 委員:そうである。農業についてはこれまで,国・県の政策があって市の政策とい う流れであったが,前部長が国・県の政策に関わらず,市が独自の方針を持 って進めていこうということで,昨年度より計画の策定を始めたものであり, 県内でも初めての計画である。 委員:今,始めに話のあった市長のあいさつの中の「ターゲット」という表現につ いて,いい意味か悪い意味か考えていたが,私はあまりいい思いがしなかっ た。ここの表現は,「消費者層の求める」などでよいのではないか。 委員:有機農業については期待をしているが,どこまで生産者に浸透していくかが 問題だと思う。ただ,母親たちはそういう農産物を求めているので,直売所 にそういうコーナーがあれば活性化するのではないか。 委員:「有機農業」を消費者にも分かるような形で用語解説に入れてほしい。無農 薬・無化学肥料と,減農薬・減化学肥料は異なる。 農協でJAS認証を取得している田んぼのお米については,無農薬・無化学 肥料で栽培しており,価格も2万円している。 -5- 事務局:P.3 の3行目にも「消費者層をターゲットとした」という表現があるが, どうか。 委員:「消費者の理解や信頼を得るための」という表現でよいのではないか。 委員長:ターゲットという表現を「信頼や理解の促進」という表現に変更するとい う提案があったがどうか。 委員:これらの表現方法については,委員長と事務局にお願いしたい。 委員:P.16 と P.26 の写真が同じであるので,他の写真があれば変更したほうがよ いのではないか。 委員:写真の説明についてであるが,P.24 は分かりやすいが,P.16 の写真につい ての説明は物足りないので,付け加えてほしい。例えば,県内で唯一,周年 出荷できるねぎ,県内有数の栽培面積を誇るブルーベリー,など。 (2)その他 委員:人物の顔が判別できるような写真の使用については,慎重に行ったほうがよ いと思う。シェフの写真については使用してもらって構わない。 事務局:イベントの際の写真については,広報用に使用させていただくということ で,参加者にあらかじめ承諾を得ている。 委員:本計画の議会への報告はどうなるのか。 事務局:議会への報告については,策定完了後,3月議会になると思うが,成果物 として配布する予定である。 以 -6- 上