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新技術などの導入に向けた検討 資 料 1 1p

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新技術などの導入に向けた検討 資 料 1 1p
新技術などの導入に向けた検討
資 料 1
●新技術導入に向けた評価項目ごとの整理(コスト及び技術面) 1/2
評価項目
検討内容
◆動力源である蓄電池及び
燃料電池の性能向上を踏
まえた価格の検討
車両費
蓄電池を用いたシステム
燃料電池を用いたシステム
・従来の架線方式のシステムと比較し、車両に蓄電池及び電力変換器等の搭載 ・従来の架線方式のシステムと比較し、車両に燃料電池、電力変換器、電力回生
用蓄電池及び水素貯蔵容器等の搭載が必要であり、車両費は増加する。
が必要であり、車両費は増加する。
・普通及び小型地下鉄共に、現状性能での車両価格は 2 倍程度、2020 年頃の性 ・普通及び小型地下鉄共に、現状性能での車両価格は 3 倍程度、2020∼2030 年頃
の性能では、1.06 倍程度と想定した。
能では 1.2 倍程度と想定した。
○現状の車両価格を 1 とした場合の蓄電池車両価格の比率
通常車両
蓄電池車両
蓄電池車両
(現状) (現状性能)
(2020 年頃)
普通及び小型地下鉄
1
⇒
2
⇒ 1.2(20%程度増加)
○現状の車両価格を 1 とした場合の燃料電池車両価格の比率
通常車両
燃料電池車両
燃料電池車両
(現状)
(現状性能) (2020∼2030 年頃)
普通及び小型地下鉄
1
⇒
3
⇒ 1.06(6%程度増加)
※車両価格は、蓄電池及び電力変換器等の費用を含む。
※車両価格は、燃料電池、水素貯蔵容器、蓄電池及び電力変換器等の費用を含む。
イニシャルコスト︵事業費︶
・蓄電池及び燃料電池の車両への搭載については、将来的には床下あるいは屋根上に艤装可能であることを前提とする。その場合、車両の乗車定員は、普通及び小
型地下鉄共に現状の普通及び小型地下鉄と同程度と想定した。
変電所費等
◆変電所等の規模及び設置 ・充電に必要な変電所の設置箇所数は、運行計画及び充電時間の関係から、現 ・車両への電力供給が不要なため、現計画と比較して変電所の設備容量が大幅に
削減できる。
箇所数を検討
計画と同じ 3 箇所となった。
・車両への電力供給が充電設備のみとなるため、現計画と比較し変電所の瞬間 ・燃料である水素の供給設備として水素ステーションが必要となる。
⇒ <その他工事費>
負荷が平準化されることから、設備容量が普通及び小型地下鉄で 2/3 程度に
削減できる。
停車場費
◆1編成あたりの車両延長 ・普通地下鉄については、蓄電池及び燃料電池を導入した場合の乗車定員が小型化等の将来の開発動向を見込み同程度と考えられることから、ホーム延長の変更
と連動する必要ホーム延
は不要とした。
長を検討
・小型地下鉄については、現計画の普通地下鉄と比較し乗車定員が少ない(普通:852 人/6 両 1 編成 ⇒ 小型:572 人/6 両 1 編成)ため、輸送力確保の観点から
1 編成あたりの車両数を 6 両から 7 両に増やすが、1 両あたりの延長が短い(普通:20m/両、小型:16.5m/両)ため、必要ホーム延長が現計画と同程度となる
ことから、ホーム延長の変更は不要とした。(852 人、120m/6 両 1 編成 ⇒ 672 人、115.5m/7 両 1 編成)
ずい道費
◆動力用架線が不要となる ・普通地下鉄に蓄電池及び燃料電池を導入することにより、単線トンネルで 0.3m 程度径が縮小(外径 6.5m ⇒ 6.2m)できる。
こと及び車両を小型化す ・小型地下鉄を導入することにより、単線トンネルで 1.2m 程度径が縮小(外径 6.5m ⇒ 5.3m)できる。
ることによる必要トンネ ・径が縮小された小型地下鉄に蓄電池及び燃料電池を導入することにより、単線トンネルで 0.1m 程度径が縮小(外径 5.3m ⇒ 5.2m)できる。
ル径を検討
電力線路費
その他工事費
◆動力用架線設置費の縮減 ・原則として動力用架線が不要となる。
及び削減を検討
・動力用架線が不要となる。
◆既存車両基地活用の可能 ・蓄電池及び燃料電池を導入した普通地下鉄と小田急多摩線との相互直通運転は、車両限界が同一であれば技術的に可能と考えられるため、既存車両基地を活用
性を検討
できる。
・小型地下鉄と小田急多摩線との相互直通運転は技術的な課題があり、場合によっては、車両基地の新設が必要となる。
◆新たに必要となる設備等 ・充電設備設置箇所では、充電用の架線が必要となる。
を検討
・車両への水素供給設備として、車両基地に水素ステーションの設置が必要であ
る。
※新技術などの性能や価格は、NEDO ロードマップ等をもとに算定(NEDO ロードマップ:二次電池技術開発ロードマップ(Battery RM2010)、燃料電池・水素技術開発ロードマップ)
1p
新技術などの導入に向けた検討
●新技術導入に向けた評価項目ごとの整理(コスト及び技術面) 2/2
評価項目
電路保存費
検討内容
蓄電池を用いたシステム
燃料電池を用いたシステム
◆動力用架線の保守・管理 ・動力用架線が原則として不要であるため、動力用架線の保守・管理コストは ・動力用架線が不要であるため、動力用架線の保守・管理コストはすべて削減可能
コストの削減を検討
すべて削減可能である。 ⇒ 50 年間で 70 億円程度
である。 ⇒ 50 年間で 70 億円程度
ランニングコスト︵運営費︶
◆蓄電池・燃料電池の性能 ・従来の架線方式のシステムと比較し、一定期間(8 年程度)毎に蓄電池の交 ・従来の架線方式のシステムと比較し、一定期間(燃料電池は 5,000 時間程度、
蓄電池は 8 年程度)毎に燃料電池及び蓄電池の交換が必要であるため、車両保存
を踏まえた保存費の検討
換が必要であるため、車両保存費は増加する。
費は増加する。
・車両保存費の増加額は、普通及び小型地下鉄とも、2020 年頃の性能向上や価 ・車両保存費の増加額は、普通及び小型地下鉄とも、2020∼2030 年頃の性能向上
や価格低下を見込んだ場合、現状性能での車両保存費を基準にすると、2%程度
格低下を見込んだ場合、現状性能での車両保存費を基準にすると、13%程度
にまで縮減できると想定される。
にまで縮減できると想定される。
車両保存費
○蓄電池車両の車両保存費:現状性能での車両保存費を 1 とした場合の将来性能
での車両保存費(50 年間)の比率
(現状性能)
(2020 年頃)
普通及び小型地下鉄
1
⇒
0.13
○燃料電池車両の車両保存費:現状性能での車両保存費を 1 とした場合の将来性能
での車両保存費(50 年間)の比率
(現状性能)
(2020∼2030 年頃)
普通及び小型地下鉄
1
⇒
0.02
※車両保存費には、蓄電池を考慮
※車両保存費には、燃料電池、蓄電池を考慮
◆回生電力の蓄電による消 ・現計画に蓄電池または燃料電池を導入した場合、蓄電池に回生電力を蓄電できるため、電力の有効利用が図られ、電力回生が全くできない場合に比べ、6%程度
費電力量削減に伴う動力
(急行下り)∼25%程度(各停上り)の消費電力量の削減が可能である。
費の削減を検討
・ただし、従来の電車システムにおいても一定の電力回生が期待できるため、蓄電池または燃料電池の導入による一般的な消費電力削減効果は 5∼10%程度と考え
られる。
動力費
・今回の検討では、蓄電池導入に伴い、普通及び小型地下鉄ともに、50 年間で ・車両への供給電力は、購入電力を必要としない。
現計画の動力費の 5%程度の削減が可能である。
・副生水素の活用ができない場合は、架線方式に比べ、水素費用として年間 8∼9
億円程度(2030 年の水素の想定価格を 50 円/Nm3 と仮定)の費用増加が見込ま
れる。
・本市においては、鉄鋼業や石油化学工業で発生する副生水素の活用が期待でき
るため、将来においては水素価格の低減が見込まれ、大幅なコストの削減が可能
である。
※新技術などの性能や価格は、NEDO ロードマップ等をもとに算定(NEDO ロードマップ:二次電池技術開発ロードマップ(Battery RM2010)、燃料電池・水素技術開発ロードマップ)
・蓄電池及び燃料電池を用いたシステム共通の効果として、トンネル断面の縮小によるずい道費の削減、動力用架線が不要になることによる電力線路費及び電路保存費の
削減、回生電力の有効利用による動力費の削減等があげられる。
・蓄電池を用いたシステムの効果として、変電所の設備容量削減による変電所費の削減等があげられる。
・燃料電池を用いたシステムの効果として、車両への電力供給が不要になるため、変電所費の大幅な削減等があげられる。一方で、燃料である水素の供給設備(水素ステ
ーション)が必要となる。
2p
新技術などの導入に向けた検討
●新技術を導入した場合の費用比較
1∼2pに示した新技術導入に向けたコスト面での評価結果を踏まえ、「普通地下鉄に蓄電池または燃料電池を導入する」ケース及び「小型地下鉄に蓄電池または燃料電池を導入する」ケースの主な
費用項目について算出した現計画を基準とした場合の増減額は下表のとおりである。
(単位:億円)
※現計画以外の増減額に
ついては、現計画との差
額を示し、10 億単位で
四捨五入している。
・事業費における条件設定
事業費
・車両費
・変電所費
・ずい道費
・その他工事費
現計画
・単線トンネルの外径は
6.5m
・変電所の設置箇所数は、
長沢、宮前平、等々力緑
地の 3 箇所
・相互直通運転を前提に既
存車両基地を活用
・1 編成あたりの車両数は
6 両、編成数は 15 編成、
必要車両数は 90 両
小型地下鉄(リニア)
・トンネル径の削減効果 1.2m
(単線トンネルの外径 6.5m→5.3m)
・変電所の設置箇所数は、現計画同様、長
沢、宮前平、等々力緑地の 3 箇所
・相互直通運転が不可能な場合は、車両基
地及び新百合ヶ丘駅の新設が必要
・輸送力確保のため、1 編成あたり車両数
は 7 両、編成数は 15 編成、車両数は 105
両の設定であるが、定着率の関係から、
開業時においては 1 編成あたり 6 両を想
定し、車両数は 90 両
蓄電池及び燃料電池
・トンネル径の削減効果 普通地下鉄:0.3m、小型地下鉄:0.1m
(単線トンネルの外径、普通地下鉄 6.5m→6.2m、小型地下鉄 5.3m→5.2m)
・普通地下鉄の 1 編成あたりの車両数は現計画同様 6 両、編成数は 15 編成、必要車両数は 90 両
・蓄電池や燃料電池等の車両への搭載は、将来的に床下や屋根上に艤装可能とし、車両の乗車定員については、現状の普通及び小型地下鉄と同等
蓄電池
・車両への電力供給は充電設備のみで行うため、変電所の瞬間負荷が
平準化し、変電所出力(受電設備容量)が削減
・新百合ヶ丘、宮前平、武蔵小杉の 3 箇所に急速充電設備を設置
・車両には、蓄電池や電力変換設備等が必要
燃料電池
・車両への電力供給は燃料電池で行うため、変電所出力(受電設備容量)
が削減
・燃料である水素の供給設備として、水素ステーションが必要
・車両には、燃料電池、水素貯蔵容器、蓄電池、電力変換器等が必要
蓄電池
・新百合ヶ丘、宮前平、武蔵小杉の 3 箇所に急速充電設備の一部とし
て架線を設置
・機器交換に必要な蓄電池の寿命は 8 年を想定
・動力費は架線から供給される電力の価格であり、電池搭載に伴う重
量増分として 5%を加算、電力回生率の向上に伴い消費電力を 10%
控除して算出
燃料電池
・動力用架線が不要なことから、電路保存費も不要
・機器交換に必要な燃料電池の寿命は 5,000 時間(9 ヶ月)、回生電力用蓄
電池の寿命は 8 年を想定
・動力費は燃料である水素の価格であり、本市においては、鉄鋼業や石油
化学工業等、市内で発生する副生水素の活用が期待できるため、水素の
価格について、将来における運搬費(3 円/N ㎥)を計上
・運営費における条件設定
運営費
・電路保存費
・車両保存費
・動力費
現計画
・車両の走行に伴い電路保存費
が必要
・動力費は架線からの供給電力
料
小型地下鉄(リニア)
・車両サイズの違いによる必要車両
数や走行距離が現計画より増加す
ることから、電路保存費も増加
・動力費は架線からの供給電力料
3p
新技術などの導入に向けた検討
●これまでの検討を踏まえた効果、課題の整理
従来(架線)方式
普通地下鉄(現計画)
小型地下鉄
蓄電池を導入したシステム
普通地下鉄
小型地下鉄
燃料電池を導入したシステム
普通地下鉄
小型地下鉄
効果︵長所︶
・相互直通運転を前提
・直通運転等を前提として、既
・直通運転等を前提として、既存
として、既存ホーム及
存ホーム及び車両基地の活用
ホーム及び車両基地の活用によ
び 車 両 基 地 の 活 用 に ・単線トンネル径が小
により、コストを削減
・単線トンネル径が小型地下鉄の
り、コストを削減
・単線トンネル径が小型地下鉄を導
より、コストを削減
型地下鉄の導入によ ・単線トンネル径が蓄電池の導
導入により 1.2m 程度、蓄電池の ・単線トンネル径が蓄電池の導入
入により 1.2m 程度、蓄電池の導入
り 1.2m 程度縮小し、
入により 0.1m 程度縮小し、ず
導入により 0.1m 程度縮小し、ず
により 0.1m 程度縮小し、ずい道
により 0.1m 程度縮小し、ずい道費
ずい道費を削減
い道費を削減
い道費を削減
費を削減
を削減
・車両への電力供給が充電設備のみとなり、変電所費、電力線路費、 ・車両への電力供給が不要となり、変電所費、電力線路費、電路保存費を
電路保存費を削減
削減
・蓄電池の活用により、回生電力の有効利用が可能となるとともに、 ・燃料電池は、環境負荷の低減や省エネルギー効果とともに、将来的には
停電時に最寄駅まで程度の走行が可能である等、非常用電源として
化石燃料を使用しない究極のクリーンエネルギー
有効
・燃料電池の鉄道車両への搭載は、動力用架線を必要としない、新たな自
・ニッケル水素電池を搭載した一部の路面電車は、既に販売を開始
立分散型の動力源
・本市では、燃料電池に必要な水素が副生ガスとして発生しており、この
有効活用に期待
・停電時の走行が不可能
課題︵短所︶
・前提としている相互
・車両サイズ等に相違
・給電方式等に相違がある
・車両サイズや給電方式等に違いが
・給電方式等に相違があるため、
・車両サイズや給電方式等に違いが
直通運転の実現には、
があるため、直通運転
ため、直通運転等について
あるため、直通運転等については、
直通運転等については、運用上の
あるため、直通運転等については、
関係機関との合意形
等については、技術上
は、運用上の調整が必要
技術上の調整が必要
調整が必要
技術上の調整が必要
成が不可欠
の調整が必要
・場合によっては、駅や車両基地の新
・場合によっては、駅や車両基地の新
・場合によっては、駅
設が必要
設が必要
・現計画の事業性は、
や車両基地の新設が
・蓄電池の導入については、システム性能の向上やコストの低減に ・燃料電池の導入については、現状の研究開発が初期段階で基礎的な技術
一定程度確認できて
必要
ついて、実用化に向けた目標を達成するための研究開発とそれに伴
評価を行っているところであり、システムの小型軽量化、大出力化、長
いるが、事業費 4,336
う一定の時間が必要
寿命化や水素貯蔵容器の開発等、実用化に向けた課題を解決するための
億円は依然として高
更なる研究開発とそれに伴う一定の時間が必要
額であり、財政事情や
・副生水素の有効(無償)活用ができない場合は、従来方式に比べ、水素
不確定要素を踏まえ
費用として年間数億程度の運営コストが増加
た場合、更なるコスト
・蓄電池及び燃料電池などの新しい技術を導入する場合、実証試験が必要であり、そのための費用や時間がかかるほか、大量の蓄電池や高圧水素
の削減が必要
ガス等の使用に関して、環境や安全に対する法整備が必要
・現在研究開発中の蓄電池及び燃料電池には、リチウム、コバルト、マンガン、プラチナ等の希少資源が使用されており、代替品の開発等、使用
量の削減が課題
第 8 回以降の検討委員会で、安全面や環境面などのさまざまな視点に対して新技術を導入した場合の効果や課題を整理
4p
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