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独立開業編 - FPS-net
ISBN978-4-86254-170-3 9784862541703 定価 : 本体1,500円 +税 FP知識シリーズ C2033 ¥1500E FP知識シリーズ 1922033015006 プランニング必須の知識を学ぶ 独 プランニング必須の知識を学ぶ 独立開業編 立開業編 セ ールス 手 帖 社 保 険 FPS 研 究 所 141219_FP知識独開_-D-_h14.indd 1 セールス手帖社保険FPS研究所 14/05/19 14:57 も く じ はじめに 第 第 章 章 FPの関連法令と コンプライアンス ···················25 第1部 FP事務所の開業 1 FPの業際と関連業法 ·······························25 第 第 (1)士業との業際 ···································25 起業のための諸手続き ··············3 章 章 (2)投資助言業との業際 ························28 2 FPと消費者契約法 ··································30 (1)消費者契約の申込みまたは 1 個人事業の開業手続き ·······························3 (1)開業後に必須の手続き ·······················3 その承諾の意思表示の取消し ········30 (2)税務上の諸手続き ······························4 (2)取消権の行使期間 ···························31 (3)社会保険関係の手続き ·······················5 (3)消費者契約の条項の無効 ················31 (4)確定申告 ··············································5 3 FPと個人情報保護法 ·······························31 2 株式会社の設立手続き ·······························6 (1)個人情報とは ···································31 (1)会社法による規制緩和 ·······················6 (2)個人情報取扱事業者の義務 ············32 (2)株式会社の設立手順 ···························6 (3)FPの対応 ·········································32 (3)定款の作成 ··········································7 (4)定款認証 ··············································9 第2部 FP事務所の展開 (5)出資金の払い込み ···························10 (6)会社代表印の作成 ···························10 第 第 (7)設立登記申請 ···································10 章 章 FPの事業展開 ·························35 (8)会社の成立 ·······································11 (9)会社の設立費用 ·······························11 1 事業計画 ···················································35 (1)FPのビジネスモデル ······················35 3 その他の事業形態 ····································11 (1)持分会社 ···········································11 (2)事業リスクへの対応 ························37 (2)LLP ···················································12 2 FP業務とコミッション ···························37 (1)業務提携の意義 ·······························37 4 会社設立後の手続き ································12 (2)金融商品の取扱い ···························39 (1)会社設立後に必須の手続き ············12 (3)業法の規制 ·······································39 (2)税務上の諸手続き ···························13 (4)業務提携先と紹介業務 ····················40 (3)社会保険関係の手続き ····················13 5 個人事業と会社のメリット・デメリット···14 第 第 第 第 章 章 宅地建物取引業 ·······················41 開業資金と事務所 ···················17 章 章 1 開業資金 ···················································17 2 創業者のための公的融資と助成金 ·········18 1 宅地建物取引業免許 ································41 2 免許を受けるための要件 ························41 (1)専任の宅地建物取引主任者の設置···41 (2)事務所の独立性 ·······························42 (1)日本政策金融公庫の (3)法人の目的 ·······································42 新規開業ローン ·······························18 (2)自治体の制度融資 ···························21 (4)欠格事由に該当しないこと ············42 3 事務所 ·······················································22 3 免許申請の手続き ····································43 (1)免許申請の手順 ·······························43 (1)事務所の要否 ···································22 (2)免許申請に必要な書類 ····················44 (2)事務所の選択肢 ·······························22 (3)営業保証金の供託 ···························45 (4)保証協会への加入 ···························45 4 FPと宅地建物取引業 ·······························47 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 1 (1) 14/05/15 11:15 第 第 投資助言・代理業 ···················49 章 章 7 金融商品販売法 ········································72 (1)金融商品販売業者等の説明義務 ····72 (2)断定的判断の提供等の禁止 ············74 1 投資助言・代理業登録の要件 ·················49 2 投資助言・代理業の登録手続き ·············50 (3)金融商品販売業者等の 損害賠償責任 ···································74 (1)手続きの流れ ···································50 (4)損害の額の推定 ·······························74 (2)申請書類 ···········································50 (5)勧誘の適正の確保 ···························74 (3)その他の添付書類 ···························53 (6)勧誘方針の策定等 ···························74 3 投資助言・代理業者の義務 ·····················54 4 FPと投資助言・代理業 ···························55 第 第 金融商品の販売 ·······················57 章 章 第 第 (2)金融商品取引法上の「業」の区分···58 (2)保険募集人 ·······································75 2 保険募集の形態と代理店 ························77 (1)保険募集の形態 ·······························77 (3)金融商品販売の形態 ························58 2 外務員 ·······················································59 (1)外務員資格 ·······································59 保険の販売 ······························75 1 保険の募集と募集人 ································75 (1)保険募集 ···········································75 1 金融商品販売に対する法規制 ·················57 (1)ファンドの種類と販売規制 ············57 章 章 (2)代理店 ···············································78 3 生命保険募集人となるための方法 ·········78 (1)個人で生命保険募集人の登録をする (2)外務員資格試験の概要 ····················59 (個人募集代理店) ···························78 (3)外務員資格試験の学習方法 ············61 (2)生保業界の試験体系 ························81 (4)外務員登録 ·······································61 (3)法人で保険募集人の登録をする (5)外務員資格の更新 ···························62 (法人募集代理店) ···························82 (6)外務員に対する監督上の処分 ········62 (4)乗合と代理店の法人化 ····················83 3 IFA ····························································63 (5)既存の法人代理店の使用人となる···84 (1)契約外務員 ·······································63 (2)金融商品仲介業者 ···························64 4 保険仲立人(保険ブローカー) ···············91 (1)保険仲立人とは ·······························91 (3)報酬 ···················································64 (4)コスト ···············································65 (5)所属証券会社の選択 ························65 (6)IFAと投資助言業 ·····························65 (2)保険仲立人となるための方法 ········92 5 紹介代理店 ················································92 6 小額短期保険業 ········································92 7 生命保険代理店の業務と 4 契約外務員となるための手続き ·············66 コンプライアンス ····································93 (1)手続きの流れ ···································66 (1)生命保険代理店の業務内容 ············93 (2)外務員登録の必要書類 ····················66 (2)生命保険代理店の 5 金融商品仲介業者の登録手続き ·············66 (1)登録の要件 ·······································66 (2)登録手続きの流れ ···························67 コンプライアンス ···························93 8 損害保険募集人 ········································94 (1)募集人となるための方法 ················94 (3)必要書類 ···········································68 6 金融商品仲介業務に関する規定 ·············69 (1)金融商品仲介業者の義務 ················69 (2)損害保険代理店の業務内容 ············94 9 保険業の業界団体 ····································95 (2)日本証券業協会の自主規制 ············71 (3)所属金融商品取引業者の 損害賠償責任 ···································72 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 2 (2) (1)社団法人生命保険協会 ····················95 (2)社団法人日本損害保険協会 ············95 (3)社団法人日本損害保険代理業協会···95 14/05/15 11:15 第1部 FP事務所の開業 章 章 第 第 起業のための諸手続き 第1部 第 味します。FP(ファイナンシャルプランニング)業は、業種としては、弁護士 や税理士などのいわゆる士業や経営コンサルタントなどと同じ「専門サービス 業」 (日本標準産業分類−中分類)に分類されます。 他の多くの専門サービス業がそうであるように、FPの仕事は、自宅を事務所 にして、机と電話とパソコンだけでも始めることができます。しかし、起業とい 起業のための諸手続き FPとして独立・開業するということは、すなわちFPとして起業することを意 1章 うことを考えた場合には、まず事業の形態として、個人事業で行くのか、会社を 作るのかを決定し、それぞれ所定の手続きを踏まなければなりません。 起業にあたっては、そうしたさまざまな手続きの概要を押さえておくことが必 要です。 1 個人事業の開業手続き いわゆる独立系FPの大半は、士業の事務所と同様に、個人事務所(個人事業) の形態で事業を行っています。個人事業は、簡単な税関係の届出だけで開始する ことができます。FP業の場合には、ほかに営業の許可や届出などは要しません。 個人事業としてFP業を開業した場合に必要となる手続きは、以下のとおりです。 (1)開業後に必須の手続き 個人事業を開業したすべての人に必要となる手続きは、次の3種類の届出(い ずれも事後届出)です。 提出書類 提出先 提出期限 ①個人事業の開廃業届出書 所轄税務署 事業の開始から1カ月以内 ②青色申告承認申請書 所轄税務署 開業の日から2カ月以内 (開業日等が1月1日から15日 までの場合は3月15日まで) ③事業開始等申告書 都道府県税事務所 および市町村役場※ 各自治体により異なる ※東京23区など一部の地域においては、事業開始等申告書の市町村役場への届出は不要となっています。 3 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 3 14/05/15 11:16 前記のうち、必ず必要な手続きは、①と③の2つだけです。②の青色申告承認 申請書は、確定申告の方法として青色申告を選択したい場合にのみ提出するもの ですが、FPたる者、起業するからには青色申告を選択するのがあたりまえです から、開廃業届出書を提出する際に、こちらの申請書も一緒に提出した方がよい 第1部 第 1章 でしょう。 起業のための諸手続き 【参考資料】個人事業の開廃業届出書 (2)税務上の諸手続き 従業員を雇用して給与を支払う場合など、一定のケースに該当するときは、所 轄税務署に対して、以下の届出を行う必要があります。 届出を要する場合 提出書類 提出期限 青色申告の選択と併せて、同 一生計の家族を事業の専従者 とし、その給与を必要経費に 算入したいとき 青色事業専従者給与に 関する届出書 専従者を置いた日から2カ 月以内(開業日等が1月1 日から15日までの場合は 3月15日まで) 減価償却資産の償却方法とし て定率法を選択したいとき 減価償却資産の償却方 法の届出書 開業の翌年の3月15日まで 従業員を雇用して給与を支払 うようになったとき 給与支払い事務所の開 設届出書 従業員雇用の日から1カ月 以内 給与の支給人員が常時10人 未満の場合で、源泉所得税の 納期を年2回としたいとき 源泉所得税の納期の特 例の承認に関する申請 書 随時(原則として、提出し た月の翌月以後に支払う給 与等から適用) 4 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 4 14/05/15 11:16 (3)社会保険関係の手続き 個人事業であっても、個人事業主の同居親族以外の従業員を1人でも雇用すれ ば、労働保険(労災保険・雇用保険)の適用事業所となり、下記の加入手続きが 必要となります。ただし、雇用保険については、所定労働時間が週20時間未満の パートタイム労働者や雇用見込期間が31日未満の臨時雇用的なアルバイトは加入 対象となりません。 所轄の労働基準監督署 所轄の公共職業安定所 提出書類 提出期限 労働保険の保険関係成立届 従業員雇用の日から10日以内 労働保険の概算保険料申告 従業員雇用の日から50日以内 雇用保険適用事業所設置届 従業員雇用の日から10日以内 雇用保険被保険者資格取得届 資格取得の事実があった日の 翌月10日まで 1章 起業のための諸手続き 提出先 第1部 第 なお、個人事業で常時5人以上の従業員を雇用したときは、業種によっては、 健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所となりますが、FP業の場合はそうし た業種(法定業種)に該当しないため、5人以上の従業員を雇用しても、健康保 険・厚生年金保険への加入義務は生じません。 (4)確定申告 個人事業による所得は、給与所得ではなく事業所得として確定申告の対象とな ります。毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた各種の所得金額の合計 額から基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額に基づいて計算した税額 から配当控除額等を差し引いて残額がある場合には、翌年の2月16日から3月15 日までに、所轄税務署に対して確定申告を行う必要があります。 5 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 5 14/05/15 11:16 2 株式会社の設立手続き 起業にあたっては、事業の形態として、 「個人事業」のほか、 「会社」という選 択肢もあります。平成15年に創設された最低資本金規制特例制度(平成18年5月 第1部 第 1章 1日に廃止)や、平成18年5月1日からの会社法の施行(商法の改正)によっ て、会社を設立するためのハードルは格段に低くなりました。そのため、近年で 起業のための諸手続き は会社を設立するFPの数もかなり増加しています。 (1)会社法による規制緩和 会社法の施行以前は、会社を設立するために有限会社で300万円、株式会社で は1,000万円の資本金が必要とされており、会社設立時にこの多額の資本金を準 備しなければならないことが、会社設立の大きなハードルとなっていました。 会社法では、有限会社が廃止されて株式会社に一本化される(既存の有限会社 は「特例有限会社」として存続)とともに、最低資本金制度が撤廃され、資本金 は0円でも株式会社を設立することが可能となりました。 また、従前の株式会社では、3名以上の取締役と1名以上の監査役が必要とさ れましたが、会社法施行後は、従来の有限会社と同じく、取締役は1名以上、監 査役はなしでもよいことになりました。 会社法では、そのほか、類似商号規制の廃止、会社の目的の柔軟化、払込金保 管証明制度の一部廃止など、会社設立手続きを簡素化するためのさまざまな改正 が行われています。 (2)株式会社の設立手順 株式会社を設立するための手続きは、次のような流れになります。 定款の作成 公証役場 定款認証 出資金の払い込み 会社代表印の作成 登記関係書類の作成 設立登記申請 登記所 会社成立 6 99337-FP知識独開_-D-_[本文].indb 6 14/05/15 11:16