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平成 22 年度 全学 FD 活動実績報告書

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平成 22 年度 全学 FD 活動実績報告書
平成 22 年度
全学 FD 活動実績報告書
広島大学
人材育成推進室(FD 部会)
はじめに
グローバル化や知識基盤社会の到来という大きな社会変動に対して,大学は社会の中でどのような役
割を分担すべきであるのか,その意味合いが問われています。さらに,高等教育を求める人々の数は増
し,大学に求められている役割はますます重要かつ多岐にわたりつつあります。かつては政府から手厚
い庇護を受けつつ孤高を保つことができた大学も,これらの状況に対応するために,大学としての本質
を意識しつつも,自身の目的・目標を社会に提示し,その目的・目標を意識して教育研究していくこと
が必要になっています。
確かに,教育活動の成果は長期に見守ることも重要ですが,減少の一途をたどる学生が,大学教育に
何を求め,提供された学習機会にどの程度満足し,その学習によってよい結果を示しているか,を短期
間で確認することは,大学,教育プログラム,大学教員にとっての死活問題ともなっております。
本学は,全国の大学に先駆けて教育改革を行ってきた歴史を持つ教育熱心な大学です。そのため,そ
の改革によってどのような成果があり,なにが問題点であったのかを確認することなく,改革を進めて
きた経験も少なくはないと思われます。この冊子は,熱心ではあるが,やりっ放しの感のあった全学及
び部局で実施している FD 活動(教育・授業改善活動)を,今年度からこのような形でまとめ,各部局
が FD 活動を振り返り,開発・実施していく際の参考にしていただければと思っております。
各部局には,部局で行った FD 活動の報告を求めることは初めてのお願いで,戸惑ったと思います。
本学の FD 活動は,全学レベルと部局レベルの FD 活動が相互に影響し合って,進化していくことを目指
しております。そのため,今後とも,本学の教育成果が上がっていくよう,FD 活動の実施及び報告にご
協力をお願いしたいと思います。
大膳 司
(人材育成推進室 FD 部会長,
高等教育開発センター教授)
目次
1. 全学 FD 研修会
1.1. 新採用者基礎研修 .............................................................................................. 1
1.2. TA 制度活用研修会............................................................................................. 4
1.3. 学生支援教職員研修会 ..................................................................................... 11
1.4. TA 研修会......................................................................................................... 17
1.5. 教育実質化研修会 ............................................................................................ 25
1.5.1. 教養教育 FD 研修会 .................................................................................. 25
1.5.2. 学士課程教育 FD 研修会 ........................................................................... 26
1.5.3. 大学院課程教育 FD 研修会 ........................................................................ 31
1.6. 授業方法研修会................................................................................................ 41
1.7. チューター研修会 ............................................................................................ 46
2. 各部局における FD 活動
2.1. 総合科学部・総合科学研究科の FD 活動 .......................................................
....................................................... 52
2.2. 文学部・文学研究科の FD 活動 ................................................................
.....................................................................
..................................... 57
2.3. 教育学部・教育学研究科の FD 活動 ..............................................................
.............................................................. 61
2.4. 法学部の FD 活動 ................................................................
.........................................................................................
......................................................... 66
2.5. 経済学部の FD 活動 ................................................................
......................................................................................
...................................................... 67
2.6. 社会科学研究科の FD 活動 ................................................................
............................................................................
............................................ 68
2.7. 理学部・理学研究科の FD 活動 ................................................................
.....................................................................
..................................... 69
2.8. 先端物質科学研究科の FD 活動 ................................................................
.....................................................................
..................................... 75
2.9. 医学部の FD 活動 ................................................................
.........................................................................................
......................................................... 76
2.10. 歯学部の FD 活動 ................................................................
.......................................................................................
....................................................... 79
2.11. 薬学部の FD 活動 ................................................................
.......................................................................................
....................................................... 81
2.12. 医歯薬学総合研究科の FD 活動 ................................................................
...................................................................
................................... 82
2.13. 保健学研究科の FD 活動 ................................................................
.............................................................................
............................................. 93
2.14. 工学部・工学研究科の FD 活動 ................................................................
...................................................................
................................... 95
2.15. 生物生産学部・生物圏科学研究科の FD 活動 .............................................
............................................. 142
2.16. 国際協力研究科の FD 活動 ................................................................
........................................................................
........................................ 155
2.17. 法務研究科の FD 活動................................................................
...............................................................................
............................................... 156
2.18 高等教育研究開発センターの FD 活動 ........................................................
........................................................ 160
3. その他の FD 活動
3.1. ハーモナイゼーション PBL ワークショップ ................................................. 167
3.2. 教育著作権セミナー ...................................................................................... 171
3.3. 学生生活担当教職員研修会 ............................................................................ 172
3.4. 広島大学教育 GP 国際シンポジウム
173
3.5. クリッカー勉強会
179
4. 教育・学習行動の実態分析
4.1. 国立大学法人広島大学
第二期中期目標・中期計画及び年度計画 ................ 180
4.2. プログラム改善計画書に見る教育プログラム制実施上の課題 ....................... 181
4.3. 到達目標型教育プログラムに関する学生の意識調査 ..................................... 184
4.4. 本学学生の学習実態について ................................................................
......................................................................
...................................... 193
4.5. 平成 23 年度へ向けて................................................................
..................................................................................
.................................................. 202
5. 資料
5.1. 平成 22 年度人材育成推進室(FD 部会)広島大学全学 FD 活動実施計画..... 204
5.2. 平成 22 年度 FD 活動実施一覧 ...................................................................... 206
5.3. 平成 22 年度人材育成推進室(FD 部会)部会員名簿 .................................... 209
1.全学 FD 研修会
人材育成推進室
1.1. 新採用者基礎研修
人材育成推進室では本年度新採用者基礎研修から,第 1 日目を『広島大学における体系的なFD実施
要綱』に定めた「①新採用教職員研修」として,教員・職員合同の研修を実施した(実施要綱,日程別
添)。
Ⅰ.概要
特任教授, 1
日時:2010 年 4 月 2 日 8 時 45 分~17 時
特任准教授, 1
特任助教, 3
場所:中央図書館 ライブラリーホール
助教, 19
研究員, 4
参加者: 職員 27 名 教員 53 名
講師, 4
参加教員の内訳は,助教が 19 名と最も多く,次に
教授 , 9
准教授 12 名が続く。
准教授, 12
図 1.参加者(教員)の職名内訳(人)
Ⅱ.参加者(教員)アンケート(回答者:37
.参加者(教員)アンケート(回答者:37 名)
以下に結果を報告するアンケートは教員対象としたが,配布・回収時の確認が難しく,一部職員の回答
も含む可能性がある。
1. 新採用者基礎研修の受講に当たって,
新採用者基礎研修の受講に当たって,どのような心構えや期待感を持って臨まれましたか。
回答からは,本研修が新採用教員にとって重要な情報収集の場として期待されていた事が捉えられる。
(例)
・
大学のビジョン,方向性が一番知りたかった。学長をはじめトップの方々が何を思い何を考えているのか,直接
話を聞けるチャンスはそうないので,大きな期待をもって臨みました。
・
広島大学に着任したばかりで,その組織,運営,教育と研究体制から実勢の就業に関する規則全般について,ま
ったく事前知識が内ので,研修前は不安に感じていた,しかし,着任 2 日目でこのような研修会を受講でき,不
安感を解消することができた。広島大学の教員の一人として,その責任を果たすための要件が何か,その情報を
どこから入手すればよいかを受講することによって理解できることを期待していた。実際に受講して有意義だっ
た。
(抜粋)
-1-
短い, 2
2. 研修について
適当, 9
a. 実施期間(1
実施期間(1 日間)について
回答者 36 人中 25 人が「長い」と答えた。
他の質問項目の自由記述の中でも,内容をコンパクトにす
る工夫が求められた。
長い, 25
図 2.「実施期間について」回答内訳(人)
b. 内容について
1) 学長講話について(8:45
学長講話について(8:45)
8:45)
回答者 34 人中 28 人が「非常に有意義」
「有意義」と答
どちらとも言え
ない, 6
参考にならな
い, 0
非常に有意義,
10
えた。その理由としては,「日頃,学長の話を聞く機会が
ないため」,
「学長の組織ビジョン,社会のあり方まで非常
に深いものがあり,経営者としての考え方を聞くことがで
有意義, 18
き,有意義であった」等が挙げられた。
図 3.「学長講話について」回答内訳(人)
2)不正経理
2)不正経理,
不正経理,ハラスメント及び情報漏洩防止について
ハラスメント及び情報漏洩防止について
参考にならな
い, 1
(10:00)
回答者 34 人中 31 人が「非常に有意義」
「有意義」と答
どちらとも言
えない, 2
非常に有意
義, 13
えた。理由として,業務上の重要性が挙げられている一方
で,「少し密度があげられるように思われました」と時間
的な工夫が求められている。
有意義, 18
図 4.
「不正経理,ハラスメント及び情報漏洩防止について」回答内訳(人)
3)広島大学の歴史と教育等について
3)広島大学の歴史と教育等について(13:00)
広島大学の歴史と教育等について(13:00)
回答者 34 人中 30 人が「非常に有意義」
「有意義」と答え
た。理由として,
「ユニークな教育体制を理解し,教育の重
参考にならな
い, 3
どちらとも言
えない, 1
非常に有意
義, 7
要性を確認できた」等が挙げられる一方で,不満だった点
として,時間不足で消化不良であったことが挙げられた。
有意義, 23
図5.「広島大学の歴史と教育について」回答内訳(人)
-2-
4)広島大学の組織と運営について(14:30)
4)広島大学の組織と運営について(14:30)
回答者 35 人中 11 人が「非常に有意義」
「有意義」と
答えた。「どちらともいえない」の占有率が最大となっ
参考にならな
い, 8
非常に有意
義, 1
有意義, 10
たがその理由として以前の講義との重複についての指
摘が幾つかある。
どちらとも言
えない, 16
図6.「広島大学の組織と運営について」回答内訳(人)
5)就業規則
5) 就業規則,
就業規則 , 労働時間・休暇制度及び兼業について
(15:45)
15:45)
参考にならな
い, 1
回答者 35 人中 31 人が「非常に有意義」
「有意義」と
どちらとも言え
ない, 3
答えた。その理由として,ワークライフバランスに関す
非常に有意義,
10
る内容への評価が複数挙げられた。
有意義, 21
図7.「就業規則,労働時間・休暇制度及び兼業について」回答内訳(人)
6)競争的資金獲得戦略について(
6)競争的資金獲得戦略について(16:30
競争的資金獲得戦略について(16:30)
16:30)
回答者 34 人中 33 人が「非常に有意義」
「有意義」と
どちらとも言え
ない, 1
参考にならな
い, 0
答えた。理由としては,情報の有用性と簡潔さの評価が
複数見られる。
有意義, 15
非常に有意義,
18
図 8.
「競争的資金獲得戦略について」回答内訳(人)
【コメント】~人材育成推進室(FD 部会)より~
参加者へのアンケート調査結果から,広島大学に着任したばかりで不安を感じている先生方にとっ
て,第1歩を踏み出すことを後押しする有意義な研修会であったことを読みとることができる。
「半年
に1回このような機会を設けてほしい」との意見もいただいている。
なお,①回答者の7割は研修会が「長い」と感じていたこと,②研修会の開催通知が開催の間近に
なって(3/30 17:00)届いたこと,③外国人教員の出席を考慮していない点,など指摘された改善点
をふまえて,次回の研修会の運営を行っていきたい。
-3-
人材育成推進室(FD 部会)
1.2. TA 制度活用研修会~発展的な
制度活用研修会~発展的な TA 制度の活用に向けて~
人材育成推進室では本年度『広島大学における体系的な FD 実施要綱』に定めた「②授業改善・学生
支援のための研修会」として,教育担当副研究科長,各部局教務委員会等委員長,TA に関する事務担当
者,その他希望する教職員を対象に「TA 制度活用研修会」を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 7 月 30 日(金)13:30~16:40
場
所: 中央図書館 ライブラリーホール,医学部基礎・社会医学棟セミナー室2,
東千田校舎第 8 演習室(3 元 TV 会議システム)
プログラム:
開
会 13:30~13:35 総合司会:森川 敏昭(教育室教育企画グループ)
挨拶:坂越
正樹 教授(副学長(学生支援・附属学校担当)
第一部 13:35~14:00 「ティーチング・アシスタント制度運用ガイドラインについて」
講師:濱沖 俊三(教育室教育企画グループリーダー)
第二部 14:00~16:35 パネルディスカッション
モデレーター:大膳 司 教授
(人材育成推進室(FD 部会)部会長,高等教育研究開発センター)
パ ネ リ ス ト:「若手大学教員の養成に関する日米比較~PFF 制度の現状と課題~」
北野
秋男 教授(日本大学
文理学部)
「イギリスの大学における新任教員教育」
加藤
かおり 准教授
(新潟大学 教育・学生支援機構大学教育機能開発センター)
「何のためのTA任用か:
「広島大学教職課程担当教員養成プログラム」の取り組み
から」
丸山
閉
恭司 准教授(広島大学 教育学研究科)
コメンテーター:江坂
宗春 教授(広島大学
生物圏科学研究科)
松田
正彦 教授(広島大学
社会科学研究科)
会 16:35~16:40 挨拶:山口 良文
(人材育成推進室室長,副理事(総務企画担当)
)
-4-
参加者: 教員 27 名,職員 38 名
部局名
教員(人) 職員(人) 計(人)
総合科学研究科
2(1)
2
文学研究科
2
2
4
教育学研究科
8(1)
6
14
社会科学研究科
1
2
3
理学研究科
4
1
5
先端物質科学研究科
1
1
2
保健学研究科
3
3
工学研究科
1
1
2
生物圏科学研究科
1(1)
1
2
医歯薬学総合研究科
1(1)
2
3
国際協力研究科
2
2
法務研究科
情報メディア教育研究センター
1(1)
1
高等教育研究開発センター
2(2)
2
教育室
17
17
財務・総務室
3
3
計
27(6)
38
65
()内はFD部会員数
図 1.参加者の所属内訳
-5-
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:26
.参加者アンケート(回答者:26 名)
Q1.第一部 「ティーチング・アシスタント制度運用ガイドラインについて」について
1.今回の FD 研修会のテーマに即していましたか。
回答者のうち 92%の方がテーマに「即していた」「おおよそ即し
ていた」と回答した。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 81%の方が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」
と回答した。理由として,「広大及び大学の問題点がよく分かった」
や「情報が整理されていて良かった」などが挙げられる一方で,「内
容が現場とかなり異なっている」などの意見もあった。
Q2.第二部 パネルディスカッションについて
①「若手大学教員の養成に関する日米比較~PFF
「若手大学教員の養成に関する日米比較~PFF 制度の現状と課題~」について
1.今回のテーマに即していましたか。
回答者のうち 96%の方がテーマに「即していた」
「おおよそ即して
いた」と答えた。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 61%の方が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」
と回答した。理由として,アメリカの制度に対する理解や日本とアメ
リカの相違点に対する理解等が挙げられる一方で,「もっと長く聞き
たかった」や「日本における TA・RA・PD に対する一貫した研究者・
教育者養成制度の構築についてもう少し言及してほしかった」などの
意見もあった。
-6-
②「イギリスの大学における新任教員教育」について
1.今回のテーマに即していましたか。
回答者のうち 96%の方がテーマに「即していた」
「おおよそ即してい
た」と回答した。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 88%の方が「大変満足できた」「だいたい満足できた」
と回答した。理由として,
「わかりやすく,面白かった」や「イギリス
の教育システムの報告として興味深い」などが挙げられる一方で,「制
度上の隔たりが多く過ぎるため,理解が難しかった」や「PGCHE と
TA との関連が分からなかった」などの意見もあった。
③「何のためのTA任用か:「広島大学教職課程担当教員養成プログラム」の取り組みから
「広島大学教職課程担当教員養成プログラム」の取り組みから」について
り組みから」について
1.今回のテーマに即していましたか。
回答者のうち 92%の方が「即していた」
「おおよそ即していた」と回
答した。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 89%の方が「大変満足できた」「だいたい満足できた」
と回答した。理由として,
「広大 Ed.D.型プログラムの目的と全体像が
よく理解できた」や「興味深かった」などが挙げられる一方で,他研究
科ではどうか?」という疑問も挙げかけられた。
-7-
④質疑応答・討論の時間は十分でしたか。
回答者のうち 69%の方が「十分だった」
「ほぼ十分だった」と回答し
た。
Q3.全体的に満足いただけましたか。
回答者のうち 81%の方が「満足できた」
「だいたい満足できた」と回
答した。その理由として,「いずれの報告も重要かつ本質的な内容でし
た。ディスカッションで出てきたサブゼミなどの自発的な取り組みをど
う向上していくかが大切だと思いました。」や「TA に関する様々な情報
が得られ,業務を行う上で直接すぐ役立つものではなかったが,TA に
対する認識が変わった。」などが挙げられる一方で,
「まず学生の経済支
援のためなのか,教員・指導者の養成プログラムなのかをはっきりさせ
た方が良いのではないか。両方をおうのは無理があるような気がします。
」などの意見もあった。
Q4.TA
4.TA に期待する能力・技能について
TA に期待する能力・技能については,次のような意見があった。
・リーダーシップ
・ICT 活用能力
・学部生の専門領域の技術習得をサポートするための能力
・担当する授業科目の狙いを理解した上で果たすべき役割を自覚すること
・授業を受講する学生を理解しようとする姿勢
・雇用されている,職歴になるという意識
そのほかに,「「雑用」をきちんとこなすということは大学教員,社会人としてのトレーニングの第一
歩として必要」や,
「TA が担当している授業の学生にアンケートをした方が TA に期待すべき能力や技
能が見えてくるのではないか」などの意見もあった。
Q5.その他
「TA を対象にした TA 研修会を定期的に開催することが,TA の適切な活用に繋がる」や,
「本研修会
を FD や TA の発展に繋げるためには,問題点の集約と解決策の提示を継続的に行うための参加者を含め
た幅広い構成員との双方向の協議が必要」,
「TA に対する研修,大学教員としての準備プログラム,上級
TA(またはティーチングフェロー)
,初任者研修といった段階ごとに論点を整理していくことが重要」な
どの意見があった。
-8-
Ⅲ.研修会を終えて~人材育成推進室(FD
.研修会を終えて~人材育成推進室(FD 部会)より~
TA制度活用研修会の目的と明らかとなった課題
丸山恭司(教育学研究科准教授・FD部会員(TA研修会担当)
)
本研修会の二つの目的
本研修会は二部構成で行われた。第一部は「ティーチング・アシスタント制度運用ガイドラインにつ
いて」と題した説明であった。これは本年 7 月に「広島大学ティーチング・アシスタント制度運用ガイ
ドライン」が策定されたことを承け,各部局のTA運用責任者等にガイドラインの趣旨と内容を理解し
ていただけるよう企画されたものであった。
第二部はTA制度の目的の一つである「大学教員の養成」に光を当てたパネルディスカッションであ
った。米国と英国の先進事例とともに広島大学での試みが紹介され,TA制度の拡充が求められる背景
が最近の高等教育の動向として確認された。
以上の本研修会の目的を次の二点にまとめることができる。①TAガイドラインをTA運用責任者等
に理解してもらうこと,②体系的なFD活動の一環として,高等教育の動向をTA運用責任者等に理解
してもらうこと,である。参加者アンケートから判断して,上記の目的はほぼ達成されたと言える。し
かし,一方で,いくつかの課題が明確になった。
明らかとなった三つの課題
本研修会を終えて改めて明確となった課題のうち,以下では三点ほど挙げて今後につなげたい。
○部局・ディシプリンごとの独自性を顧慮すべきである:本研修会第二部では,TA制度のもつ大学教
員養成の意義に光が当てられた。しかし,専門職者ないし研究者の養成を主目的とし,大学教員となる
ことを考えていない院生をTAとして雇用する機会の多い部局の場合,今回の話題はあまり有意義なも
のではなかったようである。また,ディシプリンによって授業の進め方も異なり,これに応じてTAの
役割も異なってくるであろう。TA制度の着実な運用を進めるに当たり,そうした差異を無視すべきで
はない。
○諸外国の制度・実践は自己改善に資する比較項として活用すべきである:諸外国の優れた実践が必ず
しも日本に適切な実践であるとは限らない。高等教育システムにおける「成績」や「授業料」などさま
ざまな項目の位置機能は国によって大きく異なっており,部分的な直輸入はシステムに不具合を生じさ
せることになろう。諸外国の,また,日本の他大学の優れた実践を知ることの意味は,それらが比較項
となって自己改善に資することにある。関連して,教育学研究科の「ティーチング・アシスタント実績
報告書」が先駆的な事例であることを北野氏の報告により初めて知った。研究科内にいては「当然」に
しか思っていなかったことが,他者との比較によって,改めてその意義を知ることができた。
○Development は内発的になされるべきである:本研修会に限ったことではないが,FD研修への参
加を強要された不満が参加態度やアンケートのコメントに現れることがある。研修は専門職者の義務と
されるが(大学教授は古典的専門職の一つである)
,その進め方は自律的であるべきである。他国への開
発援助の進め方に対し,それが近代主義による資源の乱開発と同型であるとの批判が向けられて久しい。
強制によらない「内発的な発展 endogenous development」をいかに実現するかは開発援助に留まらず,
FDにおいても大きな課題である。
-9-
TA 制度運用の現状と可能性を探る
大膳 司(高等教育研究開発センター教授・FD 部会長)
『TA 制度活用研修会』は,新たに策定された「ティーチング・アシスタント制度運用ガイドライン」
に基づき,「大学教育の充実や,大学院学生に対する指導者としてのトレーニングの機会の提供を図り,
これに対する給与支給により,大学院学生の処遇の改善に資する」という目的に沿った TA 制度活用のあ
り方を検討する,ことを目的としている。
この度の『TA 制度活用研修会』は,全体で 3 時間弱の研修会であった。最初の 30 分間は,本学教育
室教育企画グループリーダーの濱沖俊三から,新たに策定された「ティーチング・アシスタント制度運
用ガイドライン」の説明がなされた。
TA 制度の目的には,大学院生の経済的支援の面と大学院生への教育的な面の両面があり,FD 部会と
しては,大学院生の教育的な面について関心がある。将来の社会的リーダーとして,大学院生には,人
を導くことが期待されている。その訓練の機会として TA を活用してほしい,との思いでガイドラインは
作成された。この度は,大学院生を TA として活用する教員やその管理者を対象に,TA 制度について説
明した。
後半の 2 時間強は,日本大学文理学部教授の北野秋男先生,新潟大学教育・学生支援機構大学教育機
能開発センター准教授の加藤かおり先生,広島大学教育学研究科准教授の丸山恭司先生をパネリストに
迎えて,発展的な TA 制度活用の可能性について協議した。
北野秋男先生からは米国のPFF(Preparing Future Faculty)活動を映し鏡に日本の若手大学教員の養
成について話をいただいた。加藤先生からは,イギリスにおける新任教員教育制度である英国高等教育
資格課程(PGCHE)について話をいただいた。最後に,丸山恭司先生から大学院GPを受けた「Ed.D.型
大学院プログラムの開発と実践」について報告を受けた。欧米と日本で,大学教員の教育・研究活動に対
する志向が異なっており,そのことがTAのあり方を規定している。すなわち,欧米の大学教員は日本の
大学教員に比べて,教育志向であり,英国などでは,PGCHEが採用要件にもなり始めていたり,米国な
どでは,PFFの活動を通して,専任教員になる前の大学院生に教育能力の向上が図られている。日本で
の大学教員の教育能力向上に関心が持たれ始めているが,現在各大学でその工夫がなされ始めたところ
ではないだろうか。
どの報告も80~90%の参加者が満足した,と回答しており,この度の研修会は参加者にとって有意義
なものであったことが伺える。
大学教員は,大学の諸活動(教育,研究,社会サービス)に責任をもつ専門職業人(Academic Profession)
として自覚し,それらの活動の質を高める責任をもっている。もし自分たちで大学の管理・運営に責任が
持てないなら,代わりに外部社会から大学人でない人が入ってきて大学世界の論理ではない仕方で管理
してしまうであろう。そうならないよう,大学の教育をどのように管理・運営したらよいのか大学人同士
で知恵を出し合って考えてみたい。TA 制度のあり方もその検討課題の一つである。今後も継続してこの
問題を検討していきたい。
- 10 -
人材育成推進室(FD 部会)
1.3. 学生支援教職員研修会~広島大学型の学習支援を目指して~
学生支援教職員研修会~広島大学型の学習支援を目指して~
人材育成推進室では本年度『広島大学における体系的な FD 実施要綱』に定めた「②-3 学生支援研
修会」として,学生支援に関係する教職員(教育担当副研究科長,学生支援担当職員等)
,学生支援
を行う学生(ピア・サポーター等)
,その他希望する教職員を対象に「学生支援教職員研修会」を実施
した。
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 8 月 5 日(木)13:15~16:45
場
所: 本部棟4F会議室
プログラム:
第一部 13:15~13:20 開会
司会:岩永 誠 教授(広島大学 総合科学研究科)
挨拶:上 真一 教授(理事・副学長(教育担当))
13:20~14:05【基調講演】
「協働型の学習支援」
講師:池田 輝政 教授(名城大学 副学長)
14:05~14:20 質疑応答
14:20~14:30 休憩
第二部 14:30~14:40 グループワーク説明(岩永先生)
14:40~15:50 グループワーク
15:50~16:30 全体発表
16:30~16:40 コメント(池田先生)
16:40~16:45 閉会
挨拶:山口 良文
(人材育成推進室室長,副理事(総務企画担当))
- 11 -
参加者: 教員 25 名,職員 33 名,学生 11 名
部局名
教員(人) 職員(人) 学生(人) 計(人)
総合科学研究科
2(1)
2
1
5
文学研究科
1
1
2
教育学研究科
2(1)
2
1
5
社会科学研究科
2
2
2
6
理学研究科
5
1
3
9
先端物質科学研究科
1
1
1
3
保健学研究科
1
1
工学研究科
3
1
4
生物圏科学研究科
2(1)
2
4
医歯薬学総合研究科
1(1)
2
3
国際協力研究科
1
1
1
3
法務研究科
1
1
高等教育研究開発センター
3(3)
3
保健管理センター
1
1
国際センター
1
1
教育室
1
14
15
財務・総務室
2
2
学外
1
1
計
25(7)
33
11
69
()内はFD部会員数
表1.参加者の所属内訳
- 12 -
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:48
.参加者アンケート(回答者:48 名)
Q1.第一部 基調講演「協働型の学習支援」について
1.今回の FD 研修会のテーマに即していましたか。
回答者のうち 94%の方がテーマに「即していた」
「おおよそ即して
いた」と回答した。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 88%の方が「大変満足できた」「だいたい満足できた」
と回答した。その理由として,
「学生支援のそもそもの考え方を再認識
することができ,定型業務化してしまいがちなことにも考え・意欲を
持って対応できる考え方を修得できた」や「サポートとサービスの違
い,学生支援として何ができるかイメージできた」などが挙げられる
一方で,「協働の意味づけをもっと知りたかった」
「もう少し具体的対
応が示されると良かった」などの意見もあった。
(詳しくは別紙参照の
こと)
Q2.第二部 グループワークについて
1.今回の FD 研修会のテーマに即していましたか。
回答者のうち 94%の方がテーマに「即していた」
「おおよそ即してい
た」と回答した。
2.内容はいかがでしたか。
回答者のうち 86%の方が「大変満足できた」「だいたい満足できた」
と回答した。その理由として,教員,職員,学生の 3 者の立場で議論で
きたことに対する満足が非常に多かった。その一方で,作業時間の短さ
や,意見交換よりシートの作成に集中してしまったという指摘もあった。
(詳しくは別紙参照のこと)
- 13 -
Q3.全体的に満足いただけましたか。
回答者のうち 90%の方が「満足できた」
「だいたい満足できた」と回
答した。その理由として,
「問題点があっても気づかないふりをする人
が多い中,
「問題点の抽出→改善策の考案→実行→解決」の事例をいく
つか紹介していただき,興味深く感じた。」や「楽しんで作業をするこ
とができた」などが挙げられる一方で,グループワークの進め方の難し
さやグループワークの時間について指摘があった。
そのほか,「多くの問題点は認識できたが,その具体策の対応の実現
化にどのように取り組むのかが課題。」という意見もあり,今後の FD 部会への大きな宿題となった。
(詳
しくは別紙参照のこと)
Q4.今後 FD 研修会で取り上げてほしいテーマについて
研修会で取り上げてほしいテーマについて
自由記述のため,省略
Q5.その他
自由記述のため,省略
- 14 -
学習支援教職員研修会を終えて
岩永 誠(総合科学研究科教授・FD 部会員(学生支援教職員研修会担当)
)
広島大学全学 FD「学生支援教職員研修会~広島大学型の学習支援をめざして~」では,名城大学副学
長である池田先生による講演に加え,グループワークを中心とした参加型の FD を実施した。グループ
ワークでは,教員・職員・学生を 1 つのグループにして討論させたことは,これまでにない試みであっ
た。それ故,今回の試みでは,評価すべき点と検討すべき課題が残った。以下,各班から提出された報
告書を含め,今回の FD についてのコメントと反省を述べる。
(1)池田先生の講演について
教員・職員・学生の協働のあり方についての視点を提供していただき参考になった。大学として成果
を上げるためのリーダーシップ,人的・経済的支援,教員・職員の協力体制など,広島大学としても考
えなければならない課題は多いといえる。
(2)各班から提出された報告書について
グループワークについての報告書を 1 枚程度にまとめて提出してもらった。各班がたてたテーマのも
と,整理された問題点の指摘や改善策の検討がなされていたと思う。教員・職員・学生による混成グル
ープであったことからも,多角的な視点から意見が述べられていたといえる。いずれの斑も,内容をコ
ンパクトにまとめており,報告者が問題をきちんと認識し,整理できていたことがわかる。グループワ
ークが終了した後に宿題として課したにもかかわらず,しっかりした報告書を提出していただいた方に
感謝したい。
(3)グループワークの利点
アンケートをみると,グループワークをすることでの利点をメンバーが実感できていたことがわかっ
た。特に,①教員・職員・学生の 3 者の立場で意見を出し合ったこと,②自分の立場では考えもしなか
った問題意識を知ることができたこと,③課題に自ら関わることで,自分の問題として自分なりに考え
ること,④皆で協力する体制を作ること,においてグループワークの利点があったといえる。
(4)今回のグループワークの反省点
アンケートから,今回実施したグループワークの問題も明らかになった。特に,①1 時間のグループワ
ークでは短かったのではないか,②グループワークの進行が不慣れであった,③具体的で現実的な解決
策に至らなかった,点は反省事項である。
実行委員の準備の問題もあり,グループワークのイメージがうまく伝えられなかったのではないかと
思われる。また,グループによっては指示された手順で進めていないところもあり,ファシリテーター
の事前研修会が必要であることも課題として残された。今回の FD から,教員・職員・学生によるグル
ープワークは,広島大学の抱える問題を明らかにし,その解決策を模索する上で有用な手法であること
がわかった。こうした活動を継続し,よりよい広島大学をみんなの手で作り上げていくことが望まれる。
- 15 -
今後とも参加者の意見を参考にして研修会を企画・運営します
今後とも参加者の意見を参考にして研修会を企画・運営します
大膳 司(高等教育研究開発センター教授・FD 部会長)
全学 FD における「学生支援教職員研修会」の目的は,本研修会を通して,教職員が学生を支援する
に際して必要な情報や技術を習得し,そのことによって,本学学生への支援を促進していくことにある。
この度の「学生支援教職員研修会」は,全体で 3 時間強の研修会であった。最初の 1 時間は,名城大
学副学長の池田輝政先生から講演をいただいた。学生支援の概念や先進的な実践例などの話を伺うこと
を通して,本学における学生支援のあり方について考える良い機会となった。
後半の 2 時間は,参加者から事前に集めた学生支援をめぐって各自が遭遇した悩みや問題点に沿って参
加者を7グループに分け(A「留学生支援・対応について」,B「学生の学習意欲について」,C「学生の
抱える問題について」,D「学生の学習上の問題について」,E「学生支援における教職員及び学生の協働
について」,F「学生の授業態度について」,G「学生の授業態度について」)
,その問題内容と改善策につ
いてグループ内で約 1 時間話し合い,その後,話し合われた内容の発表を通してグループ間で情報共有
をはかった。
研修会の最後に実施した参加者からの評価結果をみると,この度の研修会に対してほとんどの参加者は
満足していることがうかがえる。さらに,自由記述の中に,
「グループワークの時間が短く内容を深める
ことができなかった」というような意見に象徴される通り,参加者が研修会に積極的に参加している様
子を感じることができた。
大学を取り巻く社会状況の変化(高度化,情報化,生涯学習化等)によって,学生を主体とする教育の
在り方が模索されている。
「教員・職員・学生の3者の立場から様々な意見が出され,活発な議論ができ
た」とのアンケートの意見にもあったとおり,今後とも3者の意見を反映できるような研修会を実施し
ていきたい。
さらに,「長時間であり,内容に意義が少ない」との意見もあった。FD 活動は,教職員の教育活動を改
善し学生の学習が促進することが目的であることを認識して,その目的にあった内容の研修会を効率的
に実施することを絶えず心がけておく必要がある。
この度の研修会で得られた貴重な知見を次回の研修会の開催に生かしていきたい。
- 16 -
人材育成推進室(FD 部会)
1.4. TA 研修会~
研修会~TA として活躍していくために~
人材育成推進室では本年度『広島大学における体系的な FD 実施要綱』に定めた「②-2 授業方法研
修会」として,学士課程教育及び大学院課程教育を担当するティーチング・アシスタント(採用予定者
も含む)全員を対象に「TA 研修会」を実施した。
Ⅰ.概要
日時: 2010 年 9 月 29-30 日(水-木)13:15~17:15
場所: 29 日)第一部 総合科学部 L 棟 201 講義室&東千田校舎 501 講義室
(双方向システムによる配信)
第二部 分科会① 情報メディア教育研究センター西分室西図書館内 3 階
情報化グループ学習室
分科会② 総合科学部 K 棟 202 講義室
分科会③ 総合科学部 L 棟 201 講義室
30 日)第一部 保健学科棟 203 講義室
第二部 分科会① 情報メディア教育研究センター霞分室
医学部基礎・社会医学棟 1 階第 1 情報端末室
分科会② 保健学科棟 301 講義室
プログラム:
第一部
13:15 開会
司会:
29 日)香川 和信 副理事(教育支援担当)
30 日)森川 敏昭 (教育室教育企画グループ)
挨拶:
29 日)上 真一 理事・副学長(教育担当)
30 日)大膳 司 教授
(人材育成推進室(FD 部会)部会長,高等教育研究開発センター)
13:25 【講演】「TA になる前に知っておいてもらいたいこと」
講師
丸山
恭司
准教授
(広島大学 教育学研究科)
13:50 【講演】「業務を行うにあたって」
① TA の業務内容について/教育室教育企画グループリーダー
② 個人情報の保護について/財務・総務室総務グループ
③ TA に関するハラスメントについて
/財務・総務室服務グループ
④ アクセシビリティ対応について/アクセシビリティセンター
⑤ 広島大学における安全衛生取り組みについて
/財務・総務室リスクマネジメントグループ
挨拶 : 29 日)山口 良文
30 日)大膳
副理事(総務企画担当)(人材育成推進室室長)
司 教授
- 17 -
15:05 休憩
第二部
15:20
分科会
① WebCT 活用
17:15
/担当:コンテンツ作成支援室
② ファシリテーター養成
/担当:岩永
誠 教授
③ 第一部概要(in English)
/担当:丸山
恭司 准教授
閉会
参加者: 学生 50 名,教職員 7 名(講師・スタッフは除く)
第一部参加者数
東広島
東千田
総合科学研究科
文学研究科
教育学研究科
社会科学研究科
理学研究科
先端物質科学研究科
保健学研究科
工学研究科
生物圏科学研究科
医歯薬学総合研究科
国際協力研究科
法務研究科
高等教育研究開発センター
教育室
1
1
10
4
2
2(2)
0
1
10
0
6(1)
0
1(1)
3(3)
計
41(7)
※()内はうち教職員数(講師・スタッフは除く)
霞
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
計
0
0
0
0
0
0
2
0
0
14
0
0
0
0
16
第二部参加者数
東広島
分科会①WebCT活用
7
分科会②ファシリテーター養成
3(1)
分科会③第一部概要(in English)
4(1)
※()内はうち教職員数(講師・スタッフは除く)
表 1: 参加者の内訳
- 18 -
霞
計
4
3
0
11
6(1)
4(1)
1
1
10
4
2
2(2)
2
1
10
14
6(1)
0
1(1)
3(3)
57(7)
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:41
.参加者アンケート(回答者:41 名)
Q1.所属研究科を教えてください。
Q1.所属研究科を教えてください。
Q2.第一部「
Q2.第一部「TA
.第一部「TA になる前に知っておいてもらいたいこと」について,内容は
いかがでしたか。
回答者のうち 73%が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」と回答した。そ
の理由として「(TA は)教育をより良く
するための一つの業務であるという認識
ができた」「TA を行うということがどの
ようなことなのか自覚を持つことができ
た」などが挙げられる一方,
「実際の「就
業規則」などを使ってもらいたかった」
などが挙げられた。
Q3.第一部「業務を行うにあたって」について
Q3.第一部「業務を行うにあたって」について
① 「TA の業務内容について」の内容は
いかがでしたか。
回答者のうち 83%が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」と回答した。その
理由として「今まで知らなかった TA の業
務内容を詳しく知ることができた」「業務
内容は曖昧なところがあるので,今後もっ
と詳しく紹介してほしい」などが挙げられ
る一方,「この内容が本当に教員にも周知
されているのか疑問」なども挙げられた。
- 19 -
② 「個人情報の保護について」の内容はいかがでしたか。
「個人情報の保護について」の内容はいかがでしたか。
回答者のうち 88%が「大変満足でき
た」「だいたい満足できた」と回答した。
その理由として「大学教育だけでなく,
他企業で業務を行う上でも大切なことだ
と分かった」
「自分には関係ないように思
っていたが,自分が加害者になる可能性
もあることを知り,気をつけようと感じ
た」などが挙げられた。
③ 「TA に関するハラスメントについて」の内容はいかがでしたか。
回答者のうち 83%が「大変満足でき
た」「だいたい満足できた」と回答した。
その理由として「TA 業務以外の日常会話
においても当てはまることが分かった」
「先生の何気ない発言でも「どうかな…」
を思うことがあるので,自分も十分に気
をつけなければいけない」などが挙げら
れる一方,
「心当たりのある例が多すぎて,
何がハラスメントか分からなくなった」
なども挙げられた。
④ 「アクセシビリティ対応について」の内容はいかがでしたか。
回答者のうち 93%が「大変満足でき
た」「だいたい満足できた」と回答した。
その理由として「自分が思いつくよりも
はるかに多くの可能性が考えられること
が分かった。どういった状況にも適切な
対応ができるように心がけたい」などが
挙げられる一方,
「自分が関わった授業に
おいて例があまりなかったため,実感が
少し低かった」なども挙げられた。
- 20 -
⑤ 「広島大学における安全衛生取り組みについて」の内容はいかがでしたか。
回答者のうち 78%が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」と回答した。その
理由として「実際の事例を多くみることが
できたので,危機感を持つことができた」
「学内の安全衛生は担当の部署だけでな
く,普段から学生を含む全員が気をつけな
ければいけないと思う。現実のこととして
とらえることができた」などが挙げられた。
Q4.全体的に満足いただけました
Q4.全体的に満足いただけましたか。
.全体的に満足いただけましたか。
回答者のうち 83%が「大変満足できた」
「だいたい満足できた」と回答した。そ
の理由として「こういう説明会はとても
画期的だったと思う」「大学の仕組みや
TA の仕事についてイメージが湧いたの
で,わかりやすくてためになると思った」
などが挙げられる一方,
「採用時(4 月)
に事前に実施すべき」「TA の技術・能力
の部分がなかった」
「セッションがあって
も良い」なども挙げられた。
Q5.第二部
Q5.第二部 分科会について
① 参加した分科会は次のいずれですか。
回答者のうち 19%が WebCT 活用へ参加し,15%がファシリ
テーター養成に参加している。
- 21 -
② 内容はいかがでしたか。
分科会①
分科会①WebCT 活用について
回答者のうち 74%が「大変満足できた」「だいたい満足でき
た」と回答した。その理由として「基本的なことがわかり,有
意義な時間だった」
「内容が多かったため,再度 WebCT の講習
を聞きます」などが挙げられた。
分科会②
分科会②ファシリテーター養成について
回答者のうち 83%が「大変満足できた」,17%が「だいたい満
足できた」と回答した。その理由として「具体的にファシリテー
ターの像が描けた」「KJ 方を実際にやれたのがよかった」など
が挙げられた。
Q6.
Q6.TA 研修会の改善点,今後取り上げるべき内容等について
(TA として身につけたい能力・技能,参加者の募集方法,実施時期,時間配分,構成 等)
自由記述のため,省略
Q7.その他
Q7.その他
自由記述のため,省略
- 22 -
TA研修会の意義と課題と可能性
丸 山
恭 司
教育学研究科准教授
FD部会TA研修会担当
TA研修会の意義
全学TA研修会が広島大学主催のものとしては初めて開催された。報告者はFD部会TA研修会
担当として企画全般に関わるとともに,TAの心得に関する講話と研修会全体へのイントロダクシ
ョンを兼ねた「TAになる前に知っておいてもらいたいこと」という題目のお話をさせていただい
た。
本研修会では,東広島キャンパスと霞キャンパスにおいてそれぞれ日を変えて同内容のセッショ
ンが提供され,東千田キャンパスにおいてはテレビ会議システムによる参加が保障された。また,
日本語を理解しないTAもいることから,英語によるセッションも用意された。
単なる学生ではなく,非常勤職員として,つまりサービス提供側の者としてTAが知っておくべ
き決まりや情報を提供できたこと,このことは広島大学にとって,大学の説明責任の観点からもま
た教育の質の改善という意味でも意義あるものであった。
TA研修会の課題
本研修会の意義に鑑みて,参加者が非常に少なかったことは懸念される。研修会情報の周知方法
等に問題がなかったかどうか解明すべきである。本研修会の位置づけの明確化(参加義務があるか
どうか)
,参加募集の方法と時期,セッションの構成と内容などが検討課題として挙げられる。そし
て,最大の課題はFDの強制に対する嫌悪感であり,TA研修に関する,教員・事務担当者・学生
の無関心・無理解ではないだろうか。
TA研修会の可能性
TA研修会の可能性
部局によって,また,教員・事務担当者・学生各人によって,TA研修会に対する期待度が異な
るのは当然かもしれない——これまでこの件について議論が重ねられてきたわけではなく,各人の
経験と考え方に依存せざるをえなかったのだから。こうした状況から出発しつつ,今後,さまざま
な改善策が打ち出されるべきである。
たとえば,今回参加してくれたTAを中心に情報が発信され,同心円を描くように「関心」が広
がっていくことが望まれよう。そのための方法として,今回参加してくれたTAを緩やかに組織化
し,メーリングリストを通して随時,有用情報を発信することは比較的容易であろう。また,何ら
かのインセンティヴを考慮した企画案などが出されてもよいだろう。各部局から一人ずつRAとし
て雇用し,教育改善に関わる企画運営をお願いすることも可能かもしれない。研修会においてはT
A経験者との談話セッションをもつのもよい考えであろう。
- 23 -
全学 FD『
FD『TA 研修会』を実施して
大膳 司 教授
(人材育成推進室(FD 部会)部会長,
高等教育研究開発センター)
9 月 29・30 日の 2 日間にわたって,西条キャンパスと霞キャンパスで,本学の TA (ティーチング・ア
シスタント)に対する研修会を実施した。
研修会の内容は,両日ともほぼ同じで,2 部構成となっており,第一部では,講師の丸山恭司先生から
「TA になる前に知っておいてもらいたいこと」と題した講演があり,続いて,「業務を行うにあた
って」との表題の下に,数名の関係者から,①TA の業務内容について,②個人情報の保護について,
③ハラスメントについて,④アクセシビリティ対応について,⑤広島大学における安全衛生取り組
みについて,の内容で説明があった。続いて,第二部では,希望者が,①WebCT 活用,②ファシリ
テーター養成,③第一部概要(in English)
,に参加した。
聴講後の評価アンケートの結果,上記の各講演や講習会に対して各 7 割から 9 割弱の参加者が満
足しており,この度の研修会は両日とも成功ではなかったかと思う。このことは,「当初面倒くさい
と思ったが,意外に知らないことが多くて勉強になった。」との意見に象徴されている。
とはいえ,以下のような問題も指摘されているので,部会長として,回答を提示しておきたい。
まず,
「採用時(4 月)に事前に実施すべきである。」との指摘には,その通りと思う。今後は,4 月頃
と 10 月頃に実施することを考えている。
「私は前期の研修会に参加したのですが,そのときの内容がほとんど同じでした。もう一度こな
いといけないのかわからない。」との意見もあった。今後は,この度のような研修会は,各部局にお
いてではなく,FD 部会の方で担当するのがよいのではないかと思う。(各部局にはその部局独自の
内容で実施していただきたい。)
「ガイドラインの説明はわかりやすかったが,この内容が本当に教員にも周知されているか疑問
だなと思った。」との意見には,今後の研修会には TA 担当教員にも同席してもらってはどうかと思
っている。なぜなら,特に,研修会第一部の内容は,TA 担当教員に限らず,一般教員でも聴講する
に値する内容だと思われるからである。
さらに,「実際に TA を行った人の意見を聞く場を設けるとよいと思う。」「TA をしながら,参照でき
るように,できるだけ冊子体にしていただけるとありがたい。」「毎年行うのであれば,全員(TA,RA)
参加にした方が,広島大学としても良いじゃないでしょうか?もしくは単位制とかにして,将来の進路
等に役立てるようにするとか,どうでしょうか?」などの意見もあり,FD 部会で検討させていただきた
い。
- 24 -
1.5. 教育実質化研修会
教育実質化研修会
1.5.1. 教養教育 FD 研修会
教養教育本部
広島大学全学 FD 講演講演-21 世紀の教養と教養教育世紀の教養と教養教育Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 22 日(金)13:30~15:00
場
所: 本部棟 4F 会議室
内
容: 講演「21 世紀の教養と教養教育」
講演者:立教大学 藤田 英典 教授
(日本学術会議 日本の展望委員会 知の創造分科会 委員長)
参加者: 教員 40 名,職員 39 名,大学院生 3 名
- 25 -
1.5.2. 学士課程教育 FD 研修会
学士課程会議
平成 22 年度学士課程教育FD実施報告書
今年度は,
「大学教育の質保証の現状と課題」をテーマに,社会からの目線で,教育の質保証や学士力
に つ い て 講 演 し て い ただ き , 学 士 課 程 教 育 構築 の 現 状 と 課 題 に 関 する 理 解 を 深 め る と と もに ,
HiPROSPECTS(R)で学修してきた学生を交えたパネルディスカッションから,今後のプログラム改善及び
学士課程教育の充実のための糸口を探ることを目的として開催した。
また本FDは,大学をとりまく環境の変化や社会が求める人材像を知るとともに,HiPROSPECTS(R)へ
の理解を深めて欲しいことから,教職員だけでなく,学生も対象とした。
Ⅰ.概要
日時: 平成 22 年 12 月 15 日(水)14:25~16:00
場所: 中央図書館ライブラリーホール,大学病院中会議室(テレビ会議システム)
プログラム:
14:25~14:30 開会
司会:香川 和信 副理事(教育支援担当)
挨拶:上
真一 理事・副学長(教育担当)
14:30~15:25 シンポジウム
講演Ⅰ「広島大学の教育の質保証を目指して―自主的な質保証の仕組みの強化―」
講師「小澤孝一郎 教授(学士課程会議議長)
」
講演Ⅱ「企業が求める人材像」
講師「伊藤清彦 氏(経済同友会常務理事)
」
講演Ⅲ「社会で活躍できる力を大学でいかに身に付けさせるか」
講師「山下仁司 氏(ベネッセ教育研究開発センター主席研究員)」
15:25~16:00 パネルディスカッション
モデレーター:大膳
司
教授(学士課程会議委員)
パ ネ リ ス ト:小澤孝一郎 教授(学士課程会議議長)
伊藤 清彦 氏 (経済同友会常務理事)
山下 仁司 氏 (ベネッセ教育研究開発センター主席研究員)
加茂川侑享 さん(総合科学研究科博士課程前期 1 年)
小田 良介 さん(総合科学部4年)
16:00
閉会
- 26 -
参加者数: 153 名 (内訳)教員 50 名,職員 30 名,学部生 68 名,大学院生 5 名
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:103
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:103 名)
アンケートは,それぞれの講演及びパネルディスカッショ
ンの内容について,
「1.大変参考になった」,
「2.参考にな
った」,「3.参考にならなかった」の3段階での評価及びコ
メント,並びに本FDに対しての意見・感想を回答してもら
った。
設問1.
(小澤孝一郎 教
設問1.講演「広島大学の教育の質保証を目指して―自主的な質保証の仕組みの強化―」
授)について
授)について。
について。
【「
(非常に)参考になった」主なコメント】
●(教員)授業評価アンケートに対するコメント等,まだ使用法が
よくわかっていないので,その FD があるとよい。教員に対す
る教育が必要だと思う。
●(職員)目標への到達度についての学生のリフレクションが大切
と感じた。その上での自己評価が重要だと思う。
●(学生)ハイプロをどう実行されているのか,実情,成果,やる
気は引き出されているのかがわからなかった。やる気がある人
しか利用しないのでは。
●(学生)プログラム評価アンケートの実施期間や内容な
ど,もっと学生に知らせてもらいたい。
●(学生)目標に到達するためにはどういった授業をすれ
ばいいのかと,考えてもらえるハイプロは有り難いと思
った。
●(学生)アンケート情報の信ぴょう性というか,学生が
どういう気持ちでアンケートに答えているかの分析が
甘い気がした。確かにすばらしい仕組みだが,学生の目線(特にだらけている人)の現状把握をもっと踏
み込めばさらに良くなると思う。
●(学生)世界初の試みであるハイプロを,もっと学生に意識させるべきだと感じた。一部ではなく,全員に
根付いてほしい。知っているだけでは行動できなかった。
●(学生)ハイプロの中身の改善より,まずは広報・周知が重要と感じた。
【「参考にならなかった」主なコメント】
●(学生)裏を返してみると,学生,大学の質が下がり,維持できなくなったからハイプロを始めたように聞
こえたし,ハイプロは甘えのようにしか聞こえない。
●(学生)希望的観測にしか聞こえない。
- 27 -
設問2.
設問2.講演「企業が求める人材像」
2.講演「企業が求める人材像」(伊藤清彦氏)について
伊藤清彦氏)について。
について。
【「(非常に)参考になった」主なコメント】
●(教員)国内大学間の留学というのはおもしろい発想で,人材交
流や人間関係の構築ができてよいと思う。
●(職員)院卒では「専門知識・研究内容」が上位にあるが,学部
卒では順位が低いのが興味深い。
●(学生)コミュニケーション能力は,今の学生に不足していると
いうのは,その通りだと思う。
●(学生)企業が重視する能力の1位が熱意・意欲だったが,企業
側は数分の面接で,どういう風にそれを評価するのかと思った。
【「参考にならなかった」主なコメント】
●(学生)当たり前の話だと思っていたが,それを知らな
い学生がたくさんいることにびっくりした。
「就職が厳
しい」のではなく,「使える人材がいない」のだと。
●(学生)大学のカリキュラム内で,何ができるのかを考
える必要がある。結論が安直すぎると感じた。
設問3.講演「社会で活躍できる力を大学でいかに身に付けさせるか」
(山下仁司氏)
設問3.講演「社会で活躍できる力を大学でいかに身に付けさせるか」
山下仁司氏)について。
について。
【「(非常に)参考になった」主なコメント】
●(教員)企業が求める人材像と大学の教育の関係が非常に興味深
かったです。就職時期の学生に聞かせたい話でした。
●(教員)
「大学は国力を上げる義務がある」とのご意見に賛成。
今まで考えることがなかったので,肝に銘じて教育しなければ
と思う。
●(教員)卒研,ゼミの重要性を強調して頂けたのは有り難い,一
方で現状での就職活動での卒研,ゼミへの影響も考え,大学,
企業側への意見が欲しかった。
●(職員)企業の求めるスキルと大学の教育は,ギャップがあると
いうことだったが,
「リーダーシップ」が身につくような教育と
いうのはなかなか難しいと感じた。
●(学生)コンピテンシーインタビューと大学の教育のサ
イクルの対比が大変興味深かった。大学は,現行の教
育がこのサイクルを日常的にまわせていると考える必
要があると感じた。
●(学生)面接が採用に重要であることと,注目される点
の「課題発見」は研究室で,頭に入れて行動して磨く
べきだということがわかった。
●(学生)就職を大学に結びつけるという考え方ではなく,大学を就職に結びつけるという考えに共感できた。
しかし,大学を就職に結びつけるというのは,あくまで,学生であって,大学は就職のためにあるのでは
ないと思う。
●(学生)大学は,「能力の使い方」を学ぶ場ではないでしょうか。小中高で脳は,ある程度育っていると思
う。その能力は使えるか,使い方を知っているかだと思う。それプラス,伊藤さんが言っていた「チーム
ワーク」を育む存在として大学はあるべきだと思った。
- 28 -
設問4.パネルディスカッション(質疑応答含む)について参考になったか。
【「(非常に)参考になった」主なコメント】
●(教員)学生及び教員に対する,ハイプロのオリエンテーション
が必要だと思う。
●(学生)ハイプロの使い方が,加茂川さんの話を聞いて分かった。
もし,オリエンテーションで広く知らせるなら,使い方を在学
生に説明して,どういうメリットがあるのかも付け加えれば親
身になって聞けると思った。
【「参考にならなかった」主なコメント】
●(学生)大学は,
「真理追求」の場であり続けてほしいので,就
職などは,学生だけの主体性にまかせるべきなのでは
ないだろうか。
設問5.本FDに対してご意見・ご感想について
【主なコメント】
●(教員)一般の学生さんにとっては難解だったのではないか?学生さんにとっては,参加のメリットがあっ
たとは思わない。教職員のみを対象にした方がよかったと思われる。立場が違う対象に向けて FD を実施
しても,漠然とした結果しか得られない。対象を限定した FD の方が分かりやすいし,明確な結果が得ら
れると思う。
●(教員)学生参加型でハイプロを推進していくことが,大切なのだと感じた。
●(教員)半年~1年近く就職活動のためにふりまわされるという現状は,やはり容認しがたい。大学と企業
は方策を考えていくべきだと思う。
●(職員)学生の参加率が高く驚いた。意欲の高い学生が多いことを再確認できたので,ハイプロ等を学生が
より活用できるよう周知に寄与していきたい。学生の意見を聞くことのできる数少ない場であったので,
もう少しフランクな話,意見が聞ければよかったかもしれない。
●(職員)ハイプロの周知については,支援室職員も考える必要があると感じた。
●(学生)大学が外部からどう評価されているのか,自分にとって最適な運営(プログラム体制?)をしてく
れているのかを知りたかったので,外部の人が講演してくれるのはとても良かった。特にベネッセさんの
お話しが参考になった。広島大学以外の学生と交流することは少ないし,まして社会人の人の話を伺うこ
とがあまりないので,田舎の立地ということを考えても,大学側がこのような機会を増やして,アピール
して頂けると学生にとっても良いのではと考えた。
●(学生)広島大学が取り組んでいるシステム等の質は高く,とても参考になった。しかし,その取り組みに
ついての説明や意識づけが,まだまだ不足していると強く感じる。説明が分かりにくいことと,それを知
る機会を大学が提供していないことが問題ではないかと思う。
●(学生)アンケートの内容を「満足」→「自信」と変えるだけで,違う側面や改善点が出そうということに
非常に共感でき,他の項目も変更するとどうなるのか考える点が,今後ハイプロの課題点だと思った。ア
ンケート項目を増やすだけでは,傾向をつかみとれないのが,統計の難しいところだが,傾向把握の方法
を議論すべきと思う。1つの項目の内容から答えを導いているように見受けられたので。
●(学生)電子化(アンケート),就職との関係性,教員の質保証など疑問を感じる点が多い。特にアンケー
- 29 -
トに関しては,以前のようにペーパーで実施した方が回収率も上がるので,単純に手間を省いただけのよ
うに思う。また,ハイプロは全く学生には浸透していないと思う。
Ⅲ.研修会を終えて
今後の「
今後の「HiPROSPECTS®
HiPROSPECTS®」改善について
改善について
小澤孝一郎(医歯薬学総合研究科教授・学士課程会議議長)
広島大学の到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS®(ハイプロスペクツ)」は,毎年PDCAサイク
ルを実施し,「教育の質の向上」及び「卒業生の質の確保を裏付けるカリキュラムの構築」を目指して,
平成18年度から導入されました。
しかしながら,
「平成22年度 卒業生・修了生に対するアンケート」結果によると,約6割の学生が
到達度評価を「活用しなかった」と回答し,
「HiPROSPECTS®」が学生に浸透していない状況であることが
浮き彫りになりました。
このような状況を踏まえ,教職員・学生に対して「HiPROSPECTS®」の理解を深めてもらうことを目的
として,経済同友会とベネッセ教育研究開発センターから講師をお招きし,大学を取り巻く環境の変化
や社会が求める人材像について,御講演いただきました。その際,
「HiPROSPECTS®」対しての期待や改善
のポイントについても述べていただき,社会からの目線での発言は刺激的なものとなりました。
さらに,引き続き行われたパネルディスカッションでは,大学は学生に必要な学力を身に付けさせ,
社会に送り出すことが求められていることから,教育現場の教職員及び学生が,社会の動きやニーズを
知り,学生をいかに育てるかについて意見交換を行いました。
なお,本FDは,学生も参加可能なシンポジウムと位置付けて開催し,全参加者153名に対して,
学生73名の参加がありました。そのため,意見交換やアンケート結果からは,学生の「HiPROSPECTS®」
に対する率直な意見を聞くことができ,
「HiPROSPECTS®」の改善向けて,大いに効果があるものと期待し
ています。
また,
「HiPROSPECTS®」で学修した第1期生が平成22年3月に卒業したところであり,社会が求める
確かな実力を持った人材の輩出に努めていくため,社会からの「HiPROSPECTS®」に対する評価が重要で
あると考えています。そのために,広島大学の教育内容等が分かるよう,主専攻プログラムの詳述書を,
広島大学公式HP上で公開することを開始しました。
今後は,
「HiPROSPECTS®」の妥当性や卒業生の能力と社会から求められている能力とのギャップ等につ
いての社会からの評価を,改善に生かしていくとともに,学生は「HiPROSPECTS®」をどのように活用す
れば良いのかという視点も加えて検討していきたいと考えております。
- 30 -
1.5.3. 大学院課程教育 FD 研修会
大学院課程会議
平成22年度大学院課程教育
平成22年度大学院課程教育 FD
Ⅰ.概要
テーマ:広島大学大学院課程FD「大学院生のためのキャリア教育」
趣
旨:社会から求められる人材像を学び,キャリア形成・能力開発について産業界,教職員及び学
生が意見交換を行い,学生のキャリアデザインと社会人基礎力の育成を目指す。
日
時:平成22年12月16日(木)14時30分から17時10分
場
所:中央図書館ライブラリーホール,医学部基礎・社会学棟セミナー室2(TV 会議システム)
プログラム:
◇開会挨拶
浅原 利正(広島大学学長)
◇特別講演
・「企業が大学院課程教育に期待すること」~グローバルで変革をリードする人財をいかに育成するか~
講師 大歳 卓麻(経営協議会委員・日本アイ・ビー・エム株式会社会長)
・「企業が大学に求める人材像について」~企業人として生きるためには~
講師 髙橋
正(株式会社広島銀行取締役会長)
◇パネルディスカッション
「就業力育成に向けたキャリア形成支援への取り組み」
パネリスト
大歳 卓麻 (経営協議会委員・日本アイ・ビー・エム株式会社会長)
髙橋
正 (株式会社広島銀行取締役会長)
日高
洋 (理学研究科教授)
伊藤 亮平 (文学研究科博士課程後期)
宮本 秀範 (理学研究科博士課程後期)
原田
淳 (キャリアセンター准教授)
コメンテーター 三枝 省三 (産学・地域連携センター教授)
今里 智晃 (キャリアセンター長・総合科学研究科教授)
モデレーター
江坂 宗春 (大学院課程会議議長・生物圏科学研究科教授)
◇事例紹介
理学研究科におけるキャリア形成教育の実例(日高
洋)
留学経験に基づく自身のキャリア形成への取組について(伊藤 亮平)
若手人材養成センターのプログラムの仕組みと受講した事による効果について(宮本 秀範)
大学院生のキャリア形成支援に関する取組と今後の課題(原田 淳)
◇コメンテーターによる総評(三枝 省三,今里 智晃)
◇質疑・討論
◇閉会挨拶
江坂 宗春(大学院課程会議議長・生物圏科学研究科教授)
- 31 -
参加者数:148名
(内訳)教員42名,職員33名,大学院M生49名,大学院D生18名,学部生6名
Ⅱ.参加者アンケート
回答者 72名 (教職員35名,学生35名,不明2名)
Q1.特別講演
1.特別講演「「企業が大学院課程教育に期待すること」~グローバルで変革をリードする人財をいかに
特別講演「「企業が大学院課程教育に期待すること」~グローバルで変革をリードする人財をいかに
育成するか~」(大歳
育成するか~」(大歳 卓麻氏)について
卓麻氏)について
【教職員の意見等】
◇「非常に参考になった」主なコメント
「非常に参考になった」主なコメント
日本の現状を再認識した。
日本の企業・社会に起こっている変化,日本の閉塞感の理由
がよく分かった。
理工系以外の業種についても言及して欲しかった。
世界をリードするIBMのリーダーらしく,多角的で具体的
な示唆に富んだ話で,大変聞きに来た甲斐があったと思いま
した。
グローバルな企業のトップの人の話が聞けてよかった。
楽しくお話を聞くことができた。現状が分かった。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
グローバル化は学界においても重要な課題であり,学生にも
どういう方向に進むにしろその重要性を伝えたい。
「企業が求める能力」が具体的ではなかったのが残念。特に
IBMが求める能力が不明であった。
体系だった話で,広島大学に対する有意義な意見・提言を述
べていただけたと思う。
大学教育の専門性へ対する評価を聞きたかった。
よく知られている調査結果を用いていたのが残念であった。
「広大への提言」は,貴重な意見として,対応策を講じてい
く必要があると感じた。
◇「無回答」主なコメント
◇「無回答」主なコメント
遅れたため,聞けなかった
- 32 -
【学生の意見等】
◇「非常に参考になった」主なコメント
◇「非常に参考になった」主なコメント
時間を忘れてご講演に耳を傾けました。それほどまでに内
容が興味深く,今後の自分のキャリアを築くうえで参考に
なる点が多かった。もっと早く(大学入学時)に聞いてお
けば良かったと思った。
大学は,4年間を基準に教養教育及び専門教育を受けるこ
とができますが,学部や目的によっては,4年間では足り
ないように感じます。
資料の中で,データの提出だけではなく,原因とか紹介し
ていただければよかった。
企業人としての意見が心に響いた。
日本と世界の違い,日本企業の求める人材というものが,豊富なデータと共に紹介されており
非常に参考になった。
社会に出た後も,グローバル化に備えて,勉強し続ける必要があると感じた。
「今の学生は~。」
「学生には~が必要。」という単調な論調ではなく,日本企業,世界の情勢の
具体的なデータを基にして,学生に対するアドバイスを頂けた。
今年,日本人が何人もノーベル賞を受賞したので,日本は世界をリードしていると思っていた。
しかし,大歳先生の講演により,逆に世界にリードされていることを知り,愕然とし,危機感
を持ちました。日本の現状を教えていただきありがとうございました。
プレゼンの見せ方,Verbal,Nonverbal 共に,素晴らしい講演でした。
日本の環境を革新させるについて,様々な課題を話されましたが,今の日本の良い点という話
もしていただければ,最後に話していた良い所に伸ばすにつながったと思います。
データが出させており説得力があった。
グローバルな視点から,イノベーションをリードする人財には何が求められるのかを学ぶこと
ができた。
自分の立ち位置の理解ができた。また,自分のやってきたことが社会に貢献できる自身がわい
た。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
大企業の必要とする人材について理解ができた。
現状の課題がよく分かりました。個人が持つべきスキルは,よく聞く話のとおりで,重要性を
再認識しました。
仕方ないと思うが,内容が理系よりだった気がする。
数値データは興味深かった。
日本の現状の多視点からの資料を提供していただき学ぶことが多かった。
- 33 -
Q2.特別講演「企業が大学に求める人材像について」~企業人として生きるためには~
特別講演「企業が大学に求める人材像について」~企業人として生きるためには~(
「企業が大学に求める人材像について」~企業人として生きるためには~(髙橋 正氏) に
ついて
【教職員の意見等】
◇「非常に参考になった」
◇「非常に参考になった」主なコメント
になった」主なコメント
就職する心構えを聞くことができ,学生に対し話をする時
の参考となる内容であった。
ためにはなったが,よく聞く話だとも感じた。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
お話は大変よくわかり,共感しましたが,せっかくなので,
もう少し,現場の例などを交えた髙橋様ならではのお話を
聞いてみたかったです。
共感できる部分が多かったが,一方で,そのようなお話を
しなければ,学生が認識していないとすれば,そこが問題
である。
もっと大学院段階に焦点をあてた話が聞きたかった。
大学院教育というくくりではなかったし,FD としての話
でもなかったが,企業で働く先輩としてのアドバイスを力
強く話していただけたと思う。
◇「参考にならなかった」主なコメント
◇「参考にならなかった」主なコメント
精神論,訓話のようだった。若い院生には,
「活」を入れて
くださり,組織の一員になる心構えとなっただろう。
対象を考えた上で,話すテーマを決めて欲しい。
自己の経験のみに基づいていて,ほとんど参考にならなか
った。
◇「無回答」主なコメント
◇「無回答」主なコメント
遅れたため,聞けなかった
- 34 -
【学生の意見等】
◇「非常に参考になった」主なコメント
◇「非常に参考になった」主なコメント
特に「我慢」,
「創造」,
「向上心」,
「情熱」はより良く生きる
ためには必要である点は印象的でした。
好奇心を持ち,一歩深く考えること,調べることの大切さを
再認識した。自己管理ができていないこと,足らざるを知る
ことができた。
普段ほとんど意識していなかったことの大切さに気がつか
せて頂いた。これからはもっと色々なことに興味と関心を持
つように心がけます。また,「なぜ」と思うことを大切にし
ようと思いました。
金融業界から内定を貰っている身としては大変参考になっ
たと思う。
自身のモチベーションが大変あがった。
「うつむいて道路をみながら歩いているひとがいる」という
ご意見,はっとさせられた。
ごく一般的な社会人として必要な事を学んだ。ただ自分が問
題意識を持って学んだことが,社会人として必要な事と一致
していたので,免罪符を貰った気がした。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
持つべき明確な目標がよくわかりました。「そのためには」
は,自分で見いだすべきだと自覚しました。
雰囲気があり,言葉がとても生き生きしている印象を受け
た。一部参考になった。
精神論として参考になった。
具体的な企業が大学に求める人材像は一体何かと疑問が残
しております。
社会に出る前の心構えについて考えさせられた。
日本人的なイメージの講義でした。
「『食べ物をたべて幸せ』は,おかしい」との発言に共感で
きた。
◇「参考にならなかった」主なコメント
◇「参考にならなかった」主なコメント
「~しなければならない」のはわかるし,普段からも意識し
ている内容だったので,具体的にどう行動を起こすべきかの
ヒントを得たかった。
ご本人のおっしゃったとおり当たり前の事の発言しかなか
った。
- 35 -
Q3.パネルディスカッション(質疑応答含む)について
パネルディスカッション(質疑応答含む)について
【教職員の意見等】
◇「非常に参考になった」主なコメント
◇「非常に参考になった」主なコメント
学生の積極的な意見が聞けてよかった。おもしろかった
です。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
院生の意見がおもしろかった。
時間不足。コメンテーターの質問の仕方が悪い。
事例紹介は半分でよい。事例紹介を実施する目的がわか
らない。
◇「参考にならなかった」主なコメント
◇「参考にならなかった」主なコメント
時間が足りなかったですね。パネリストが多いので時間
の割り振りが難しかったと思います。
事例紹介に関する話題があまりでなかったので,バラン
スを欠いたと感じた。
時間のわりには,パネリストが多すぎる。学生の意見を
もっと聞きたかった。
◇「無回答」主なコメント
◇「無回答」主なコメント
進め方が疑問。質問が長かった。
コメンテーターの発言が長い。もう少し短くまとめるべ
き。会場からの意見を聞く時間を取ることが必要。
- 36 -
【学生の意見等】
◇「非常に参考になった」主なコメント
◇「非常に参考になった」主なコメント
人づくりには,環境づくりが大切だと感じました。
貴重な経験を聞かせていただきありがとうございまし
た。
髙橋先生の組織の底辺の底上げおよび価値観の共有が大
事だとの考えに共感できた。
◇「参考になった」主なコメント
◇「参考になった」主なコメント
大歳先生,髙橋先生に組織を強くするにはどうすればよ
いか教えて頂き大変参考になりました。
個人的すぎる質問をすべきだったのだろうかと考えまし
た。
コメントが長かった。
理学インターンシップに関して知見が広まった。
いろいろな活動をしていることを実感しました。
◇「参考にならなかった」主なコメント
◇「参考にならなかった」主なコメント
時間が無い。ディスカッションと呼べるものではない。
コメンテーターの話が長い。議論をもっとすべき。
大学院生の質問の質があまりよくなかった気がします。
時間があれば質問したかったです。
◇「無回答」主なコメント
◇「無回答」主なコメント
ディスカッションパートのはずだが,コメントに割かれ
た時間が多すぎるように感じた。
Q4.本 FD に対してご意見・ご感想等あれば
に対してご意見・ご感想等あれば,
あれば, ご記入ください。
ご記入ください。
◇教職員
特別講演者の意見をより多く引き出せるようにすべきである。
フリーディスカッションの時間を長く取れるようにする必要がある。
講演内容それぞれについて興味深かったが,結論はすべて何度も聞いている内容である。具体
的な action plan がほしい。
大学の FD は,教育が多いが,本来は研究に関する FD も必要ではないか。
- 37 -
FD の次の Step が必要。キャリア教育の前に,基本の教育を充実させるのが,結論だと思う。い
くら MOT,キャリア教育,共通授業を行っても何の解決にもならない。小手先である。広大の強
みは,教育力である。到達度教育で教育力は充実したのか?大学院教育の充実が必要である。
学部,大学院での推進&検証が必要であろう。
各研究科専攻の教職員に参加人数を強制することに値する講演を用意するべきである。学生教
職員が不勉強であると考えてもらっては,時間をドブに捨てることになって,大学の損失であ
る。
実際のプログラムが事前に発表されていたものと違っていたので戸惑いました。予定があって
途中までしか出席できなかったので。
大学院教育に焦点化したスペシフィックな内容になると,もっとよかったと思います。
今里先生のコメントは大学側の本音の部分をストレートに述べておられていて,好感を持った。
特別講演と事例紹介の関係やつながりがもう一つ伝わってこなかった。はたしてこれは「FD」
になっていたのだろうか。意見交換という点では,意味はあったと思うが。
キャリアデザインを専門にする企業等に企画・運営を委託し,教員が関与しないようにした方
が,効果的だったと思う。教員と院生では分けて実施した方が,効果的だったと思う。社会系
と理工系では分けて実施した方が効果的だったと思う。
演者の人数をもう少し絞って,議論・質問の時間を多くとった方がよいと思いました留学とい
う視点で人文系の院生の声があったが,人文社会系の大学院生のキャリアパスについて,考え
ることが重要という感想をもちました。
就職率などの具体的な数値目標を広大が提示すべき。
企業の会長の話を聞くことができてよかった。教員の話より分かり易かった。
グローバル化の最前線の IBM 会長のお話はとても新鮮であり,広大生の就職活動にも役立つと
感じた。
2時間半は,長く感じます。業務に影響がでるので,90分で行うか,夏休みや春休みに実施
することを希望します。
院生の資料は詳しいが,院生の等身大の姿はもっと精神的に弱いのではないか。院生の変化,
成長した姿を1年に2回位,このようなシンポジウムで紹介していただきたい。社会性のない
院生の教育,セミナーも期待したい。
少し,時間が長かった。特別講演を3件ぐらいでパネルディスカッションだけでもよかった。
特別講演の後,質問の時間をとる方がよかった。特別講演とパネルディスカッションのつなが
りがわからなかった。会場が寒かった。話がまったく一方的で,会場との話会いがなかった。
今後も継続してこのような FD を開催してほしい。パネルディスカッションの頃には,参加学生
が少なくなってきたので,時間配分を考えていただけるとよい。
大歳氏と髙橋氏にせっかく講演いただいたのに,霞地区の聴衆が少なくて残念だった。企画は
良いが,うまくかみ合っておらず,空回りしているように思う。
- 38 -
◇学生
貴重な情報を聞かせていただきありがとうございました。
学生も参加して議論できる場はぜひ継続していただきたい。
質問が悪くともすばらしい回答をする講師の方々は流石だと思った。
外部の方やキャリアセンターなど,普段お話を聞くことができない内容が知れたのはよかった。
ただ,パネルディスカッションの時間が少ないように感じた。
来年度から就職する身として,とても身の引き締まるためになる話でした。
留学生についての若手研究生の要請(海外派遣など)に関して,もう少しあったらいいなと思
います。
私は学生なので,伊藤さん宮本さんのような事例の報告をもっと知りたかった。時間の制約の
ために多くの事例が報告できないのであれば,パンフレットの中にだけでも事例をたくさん入
れて欲しかった。
もっと,大学院生向けのイベントを開いて欲しい。
企業が欲しい人財は,大学院の教育で育てるのは難しいと思った。留学を必須の大学院を作る
システムとか。
コメントが長かった。質疑応答の時に今回のテーマとはずれた話が多かったので,ピントを合
わせた議論が出来るように工夫してほしい。
若手人材養成センターにお世話になっております。進路指導を丁寧にしていただいております
が,皆さん違うことを仰るので,困惑する部分もありますが,良い成長の機会となっておりま
す。
大変意味のある御講演だと思います。就職活動をしているみなさんにとっても役に立つと思う。
他分野の様々な人の話を聞きたい。
予定より終了時間が長くなっていて困る。
入学生を対象としたこういう講演があるとおもしろいし,学業へのモチベーションが上がるの
ではないかと思う。私自身,何度もモチベーションが低下したり,一つのことだけについて勉
強することが逆に将来の選択肢をせばめてしまうのではないかと焦った時期もありました。本
講演のように,もっと大きな先の目標は,現状を知ったうえで立てることを教えてくれるよう
な機会があればと思いました。
文系大学院生に対する示唆も得たかったです。キャリアセンターをもっと日常的に利用したい
と思いました。
大学院は就職のためのものなのでしょうか。大学院は就職のためのものなのでしょうか?状況
が厳しい中で大変だと思いますが,もう少しキャリア開発を含んだ議題がよい。
大歳氏と髙橋氏がとても対照的な方だったので,大学側が何を目指してやっているのかますま
す分からなくなった。色々なバックグランドの人の話が聞けた方がいいとでも本当に思ってい
るのだろうか。
- 39 -
Ⅲ.研修会を終えて
平成22年度大学院課程会議FDを終えて
江坂 宗春(生物圏科学研究科教授・大学委課程会議議長)
現在の厳しい雇用情勢において,学生の資質能力に対する社会からの要請や学生の多様化に伴う卒業
後の職業生活等への支援の必要性が高まっている。
このようなことを踏まえ,大学は,生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し,教育課程の内外を
通じて,社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むこと,また,そのための体制を整えることが必
要とされ,平成23年度から大学設置基準の改正(平成23年4月施行予定)により,大学は組織とし
て「キャリアガイダンス」に取り組むことが求められることになった。
また,教育の質保証の充実を図るために,多様な社会の要望や期待を踏まえたキャリア教育の構築が
望まれている。
そこで,今回のFDでは,広島大学において,大学院における社会的・職業的自立のための意識と能
力の育成を具体的に考えるとき,全学に共有されるキャリア教育や就業力育成をどのように位置づけ,
どのように取り組むか,さらに,大学院教育におけるキャリア教育の意義と大学が果たすべき役割につ
いて,産業界の方々,学生,教職員で他面的に考えるために開催した。
企業のトップとして活躍されているお二人の特別講演については,約 90%の回答者が「非常に参考に
なった」もしくは「参考になった」と回答しており,参加者にとって有意義なものであったことが伺え
る。
パネルディスカッションについては,
「時間が短かった」との意見が多く,そのため,
「参考になった」
との回答者は60%程度であった。
パネルディスカッションでは,学内の事例を紹介したが,
「これを機に,学内の就学支援活動を知った」
との意見もあった。この度のFDで終わらず,既存のキャリアプログラムの周知,充実をはかるととも
に,新たなキャリアプログラムを構築する等,社会が求める人材を育成するキャリア教育を推進するこ
とが必要である。
また,今回の FD は,「大学院生のためのキャリア教育」をテーマとしたので,大学院生に参加を呼び
かけ,大学院M生49名,大学院D生18名,計67名の学生の参加があった。
全般的に学生からの満足度は高く,また,質疑応答では,学生から,様々な視点での意見があった。
学生のアンケートには,
「時間が短く,質問ができなかった」等の意見もあり,積極的に参加しようとす
る姿勢が見られた。
FD に限らず,学生が参加できるような企画を提供していくことは,学生視点を取り入れ,大学教育の
改善に繋がるのではないかと思う。
社会から求められる人材像を学び,キャリア形成・能力開発について産業界,教職員及び学生が意見交
換を行い,学生のキャリアデザインと社会人基礎力の育成を目指す。
- 40 -
1.6. 授業方法研修会~教育効果の上がる授業をめざして~
教育効果の上がる授業をめざして~
人材育成推進室では本年度『広島大学における体系的な FD 実施要綱』に定めた「②-2 授業方法研
修会」として,各部局教育担当責任者,授業方法に関心がある教員,授業方法に悩みがある教員,非常
勤講師を経験している大学院博士課程学生等を対象に,学生の学習活動を促進するために有効な授業方
法を研究し,教育の効果を向上させる目的で「授業方法研修会」を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 12 月 22 日(水)13:30~16:45
場
所: 本部棟 4F 会議室
プログラム:
13:30 開会
司会: 香川 和信 副理事(教育支援担当)
挨拶: 上
真一
理事・副学長(教育担当)
本日の研修について事前説明&FD 部会の活動紹介:
福留
東土
准教授
(高等教育研究開発センター)
13:50 グループワーク
<テーマ>
A, B 大人数講義の活性化
C, D 学生間議論の活発化
E, F 授業外学習を促進する
G
学生の積極的な授業参加
15:00 発表
各グループ
10~15 分(発表準備,質疑応答含む)
16:30 まとめ
コメンテーター:
吉田 成章 講師(大学院教育学研究科)
16:40 閉会
挨拶: 大膳 司
教授
(人材育成推進室(FD 部会)部会長・高等教育研究開発センター)
参加者: 教員 41 名,職員 1 名,大学院生 4 名
- 41 -
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:33
.参加者アンケート(回答者:33 名)
Q0. アンケート回答者の年齢
Q1. 本研修会への参加についてお聞きします。
1. 今回の FD 研修会をどこで知りましたか。
研修会の開催情報はメールや人か
ら聞いて知ることが多いように見受
けられる。もっと「いろは」の「FD
ポータル」の存在について周知を図
る必要があると思われる。
2. 今回の FD 研修会への参加した背景は次のいずれですか。
本研修会への参加について,主体
的な参加(※1)と受動的な参加(※
2)に分けると,参加背景はおよそ
半々であることが見受けられる。
「その他」としては「担当の先生
の代理」「主催者」の回答があった。
(※1)授業方法に悩みがあったから,
グループテーマに興味があったから,
グループワークに興味があったから
(※2)役職柄,誘われたから,参加
するよう促されたから
- 42 -
Q2. グループワークについてお聞きします。
1. 内容はいかがでしたか。
回答者のうち 30%が「期待以上だ
った」
,64%が「期待通りだった」と
回答した。その理由として「他の教
員の工夫している点,悩みなどを共
有することができたから」
「授業方法
にかたよった話ばかりでなかったか
ら」などが挙げられた。
主体的参加者と受動的参加に分け
て内容に対する評価を見ると,受動
的参加者のうち 36%が「期待以
上だった」と答えており,主体的
参加者よりも評価が高いことが
わかる。一方,主体的参加者の中
に「期待はずれだった」という回
答もあり,見直しが必要と思われ
る。
2. グループワーク形式の研修会はいかがでしたか。
回答者のうち 61%が「また参加し
てみたい」と回答した。その理由と
して「広大内だけでも授業スキルを
高め合えることがわかったため 」
「退屈せず,自分の課題が見つかっ
たから」などが挙げられた。一方,
「プ
ロダクトが不完全であり,もう少し
高い議論を行う必要がある」「ファ
シリテーターの能力次第で,参加し
てみたいかどうかが決まる」などの
意見もあった。
Q3. 今後の FD 研修会で取り上げてほしいテーマについて教えてください。
省略
Q4. その他
省略
- 43 -
全学 FD「授業方法研修会」の意義と課題
FD「授業方法研修会」の意義と課題
福留 東土(FD 部会委員・高等教育研究開発センター准教授)
今回の研修会の企画者として,研修会を実施した感想と今後の課題をまとめておく。研修会の目的は,
少人数グループでのディスカッションを通して,参加者各位が自己の授業に対する何らかのヒントを得
てもらうことに置いた。その意味では,研修会全体として何らかの到達点をあらかじめ明確に設定して
いたわけではなかった。そこには,現状の FD は参加者数の確保が課題であるから,できるだけ多くの
人が参加してもらえるように対象を広く設定しておく必要があったという事情も関係している。こうし
て,いわば「機会の提供」を目指した FD を実施することになった。
アンケート結果を見れば,参加者が概ね今回の企画内容に満足していたことが伝わってくる。今回の
FD は,いわゆる講演会型の受身の FD を避け,参加者の授業実践に意識的に根差すことで,教育の日常
的文脈に即した議論を展開することを目指していた。予想した以上に自主的参加者が多かったことは,
こうした研修会に対する潜在的ニーズが学内に少なからず存在していることを示している。こういた意
味で,今後もこの種の企画を定期的に実施していく必要性は確認されたといえるだろう。
今回のような少人数での議論を行う型の FD の意義を 3 点にわたりまとめておく。まず,事前準備と
グループ内での自己の授業に関する説明を通して,自己の授業実践の意味を確認することである。その
上で次に,グループ内の複数の他者の実践と自己の実践とを対比させることで,特定の課題に即して自
己の実践を相対化し,また当該の課題に関する知見を獲得することである。最後に,グループ発表を通
した知見の交換を通して,グループ内部での議論を広く共有することである。なお,事前に予測された
ことだが,アンケート結果を見れば,参加者の多くにとって特に意味があったのは前二点であり,最後
の点についてはその具体的手法を含めてまだ課題があるというべきだろう。
今後の課題を大きく 2 点にわたって指摘しておく。一点目は,今回のような「機会提供型」の FD の
意義が確認できたとはいえ,今後同種の FD を進めていく中で,機会の提供を超える何らかの具体的な
到達目標を設定するのかどうかである。現在のところ,まだ FD 参加者の蓄積が少ないこともあって,
当面は同じスタイルの FD を継続的に実施し,FD 経験者を増やしていくことが重要だろう。しかし,そ
れと並行して,ある程度 FD 経験者の数が増えるに伴って,単に機会を提供するだけでなく,すでに FD
に参加した経験を前提とするような企画も必要となってくるかもしれない。そうした時におそらく単に
議論の機会を提供すると次元にとどまらず,何らかの具体的な目標や到達点をあらかじめ措定した高次
の企画が必要となるであろう。その具体像はまだ見えていないし,おそらく実施レベルの当面の課題は
今回のような機会を継続的に確保していくことに置かれるべきだろう。だがそれと同時に,近い将来の
方向性を見据えておくことも重要であろう。
もう一つは,上記とも重なる課題だが,今回のような企画の経験を,FD を実施する側がどのように蓄
積させていくのかである。今回の研修の中で,特定のテーマに関する授業実践上の具体的工夫が多数提
示された。こうした工夫は次回同種の企画を行えば,今回とは異なる参加者からおそらく今回と重なる
ような内容が改めて提示されることになるだろう。議論すること自体に意味があると考えれば,そのこ
とが問題であるわけではない。一方で,一つ一つの企画を単発で終わらせず,経験を蓄積させてそこか
ら学ぶことによって,企画の中身を高度化させることが必要だろう。あるいは,そうした蓄積をベース
44
にすれば,異なる視点から企画を提起することも可能なのかもしれない。
以上を総じれば,個別の実践を地道に積み重ねていくことが重要であるとともに,個別の実践をつな
いでいけるような中長期的な視野を FD 実践の背後に確保しておくことが必要であるといえるだろう。
全学 FD「授業方法研修会」を開催して
FD「授業方法研修会」を開催して
大膳 司
(全学 FD 部会長/
高等教育研究開発センター・教授)
46 名の参加者をえて,昨年度に引き続いて 2 回目の「授業方法研修会」を実施した。
研修会では,参加者への事前の希望調査を参考にして,
「大人数講義の活性化」
「学生間議論の活性化」
「授業外学習を促進する」
「学生の積極的な授業参加」の 4 つのテーマに参加者を 7 グループに割り振り,
事前に提出してもらった参加者各自の授業科目シラバスとその授業科目一回分の授業案を資料として,
割り振られたテーマに沿ってグループ内で議論してもらい,その内容を模造紙にまとめてもらった内容
を各グループ間で情報交換を行った。最後に,教育学研究科教育方法講座の吉田成章先生から全体の内
容に専門家としてのコメントをいただいた。
参加者へのアンケート結果によれば,ほとんどの参加者が,研修内容が期待に添っていたと回答して
いた。その理由として,
「テーマをもって率直に話し合う場があることが重要であることに気づかされた」
「異なる学部の先生のお話が聞けて良かった」
「他の教員の工夫している点,悩みなどを共有することが
できた」「実際,先生方が課題としてとらえていることや工夫している点を多く聞くことができた」「自
分とは異なる意見,授学方法の工夫などを聞くことができて役に立った」などが指摘されていた。専門
分野を超えて,大学教員個々人が工夫し実施している教育方法の情報を共有することによって,教育改
善が促される可能性を実感することができた。今後も授業改善を促すためには,この度のような研修会
を続けていくことが有効であると思われる。
とはいえ,
「参加しても良いが忙しい」
「多忙の中でこの FD は長すぎる」
「プロダクトが不完全であり,
もう少し高い議論を行う必要がある」などの意見にもあったように,効率的で,有効な研修会を工夫し
ていくつもりである。
そのためにも,この度,吉田先生に参加していただいたように,研修会の内容ごとにその専門家にも
協力していただくことで,有効な研修会を構築していくことが可能となるのではないかと思っている。
さらに,教育目標に有効な授業方法は,学問共通なものもあろうが,専門分野で独特な方法もあると
思われる。全学 FD に参加された先生を中心として,各部局においても授業方法に関する研修会を実施
していただくことを期待している。
45
1.7. チューター研修会~円滑な修学と学生生活を支援するために~
円滑な修学と学生生活を支援するために~
人材育成推進室では本年度『広島大学における体系的な FD 実施要綱』に定めた「②-2 授業方法研
修会」として,平成 23 年度入学生担当チューター,各学部の学生担当教員,各学部等の学生対応業
務を担当する事務職員等を対象に「チューター研修会」を実施した。
Ⅰ.概要
日時: 2011 年 3 月 25 日(金)13:30~16:30
場所: 中央図書館ライブラリーホール,医学部基礎・社会医学棟セミナー室 2,
東千田社会研 1F 会議室(テレビ会議システムによる同時開催)
プログラム:
第三部
13:30 開会
司会: 香川
挨拶:
和信
副理事(教育支援担当)
上 真一 理事・副学長(教育担当)
13:35 【講演】「広島大学における到達目標型教育プログラムの取り組みとチューターの役割」
講師
小澤
孝一郎 教授
(広島大学 医歯薬学総合研究科)
14:05 【講演】「アクセシビリティ対応について」
講師
山本
幹雄
准教授
(広島大学 アクセシビリティセンター)
14:20 【講演】「キャリア支援について」
講師
森 玲子 教授 (広島大学
キャリアセンター)
14:35 【講演】「こころの問題をかかえた学生への対応について」
講師
岡本
15:05
質疑応答
15:10
休憩
百合
准教授
(広島大学 保健管理センター)
15:20 【講演】「学生をとりまく危険について」
講師
内野
悌司
准教授
(広島大学 保健管理センター)
15:50 【講演】「規範教育の啓発について」
講師
坂越
16:10
質疑応答
16:30
閉会
正樹
副学長(学生支援・附属学校担当)
-46-
参加者: 教員 107 名,職員 13 名
部局名
出席チューター数 対象者数
出席率
総合科学部
31
70
44.3%
文学部
7
16
43.8%
教育学部
13
24
54.2%
法学部
2
7
28.6%
法学夜間
0
2
0.0%
経済学部
2
9
22.2%
経済夜間
1
4
25.0%
理学部
6
14
42.9%
医学部
8
20
40.0%
歯学部
5
10
50.0%
薬学部
5
8
62.5%
工学部
1
16
6.3%
生物生産学部
4
5
80.0%
計
85
205
41.5%
表 1: 参加者の内訳
Ⅱ.参加者アンケート(回答者: 84 名)
-47-
Q1.
Q1.講演についてお聞きします。
講演についてお聞きします。
① 「広島大学における到達目標型教育プログラム
の取り組みとチューターの役割」の内容はいか
がでしたか?
がでしたか?
回答者のうち 70%が「大変満足できた」「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「取り
組みの意義とチューターとしての評価結果を生かす
ことの大切さが理解できた」
「大学の方針に対するチ
ューターの動きが理解できた」などが上げられる一
方,
「ハイプロの概略説明ではなく,新入生が授業選
択等で陥りやすい問題点など具体的に起こりえる問
題について聞きたかった」という意見もあった。
② 「アクセシビリティ対応について」の内容はい
かがでしたか?
かがでしたか?
回答者のうち 88%が「大変満足できた」
「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「チュ
ーターとしての対応についてイメージできた」
「セン
ターの機能についてはじめて理解した」などが上げ
られる一方,
「もう少し具体的なチューターの役割に
ついて解説が欲しかった」という意見もあった。
③ 「キャリア支援について」の内容はいかがでし
たか?
たか?
回答者のうち 81%が「大変満足できた」
「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「学生
の状況と大学の対応の仕方が理解できた」
「よく知ら
なかったキャリア支援プログラムについて知ること
が出来た」などが上げられる一方,
「広大の中途者数
を示し,分析した方が切実に考えられる。一般論だ
けでなく具体例を示してほしかった」
「医・歯学科の
場合にはあまりそぐわないのでは…?」という意見も
あった。
-48-
④ 「心の問題をかかえた学生への対応について」
の内容はいかがでしたか?
の内容はいかがでしたか?
回答者のうち 91%が「大変満足できた」
「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「学生
への具体的対応の事例がわかりやすかった」
「チュー
ターとして一番重要な関わりだと思う」などが上げ
られる一方,
「対応は大変難しい」という意見もあっ
た。
⑤ 「学生をとりまく危険について」の内容はいか
がでしたか?
がでしたか?
回答者のうち 87%が「大変満足できた」
「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「非常
に興味深い話だった」
「新入生の指導に役立つと考え
られました」などが上げられる一方,
「チューターと
しての関わりに関して知りたかった」という意見も
あった。
⑥ 「規範意識の啓発について」の内容はいかがで
「規範意識の啓発について」の内容はいかがで
したか?
したか?
回答者のうち 80%が「大変満足できた」
「だいた
い満足できた」と回答した。その理由として「学生
のマナーについてはチューターとして説明しなけれ
ばいけないことを痛感した」
「具体例を用いて説明さ
れたのでわかりやすかった」などが上げられる一方,
「時代に対応する必要性はあると思いますが,どこ
まで対応しきれるのかについての不安は残ります」
という意見もあった。
-49-
Q2.
Q2.質疑応答・討論の時間は十分でしたか?
質疑応答・討論の時間は十分でしたか?
回答者のうち 66%が「十分だった」「ほぼ十分だっ
た」と回答した。
Q3.
Q3.全体的に満足いただけましたか?
全体的に満足いただけましたか?
回答者のうち 70%が「満足できた」
「だいたい満足で
きた」と回答した。その理由として「必要な情報がき
ちんと与えられた。チューターとしての心構えが出来
た」
「いろいろな情報収集ができた」などが上げられる
一方,
「各学部,特有の状況に応じて講義をしていただ
きたい」という意見もあった。
Q4.
Q4.学生支援(修学面,
学生支援(修学面,生活面等すべてを含む)を行う際に不安に思うこと,
生活面等すべてを含む)を行う際に不安に思うこと,実際に困ったことな
どがありましたら教えてください。
省略
Q5.
Q5.その他
省略
-50-
Ⅲ.研修会を終えて
Ⅲ.研修会を終えて
『チューター研修会』を開催して
『チューター研修会』を開催して
大膳 司
(全学 FD 部会長/
高等教育研究開発センター・教授)
来年度入学生のチューターを予定されている 205 名の教員の内,85 名(41.5%)の教員が参加し,
6 名の講師を迎えて,3 時間の研修会を開催した。
この度の研修会は,新入生担当チューターであれば知っておいてもらいたい必要最小限の内容に絞
っての開催ではあったが,全体の 7 割の参加者に満足していただいた。
「大変勉強になった」
「チュー
ターとしての対応についてもイメージできた」「本学における支援体制についてよく理解できた」「必
要な情報がきちんと与えられた。チューターとしての心構えが出来た。
」などの意見もあり,本研修会
が参加者から高く評価されたことが理解される。
とはいえ,
「1 年生チューター向けにもう少し内容を絞った方が良いと思う」
「事例,ケースをいろ
いろと紹介してもらった方が役立つ」「各 FD は東千田や霞でも行ってほしい」「足下が寒くて話を集
中して聞けない」
「TV 会議のため,講師の姿が見えなかったり,言葉がわかりにくかったりした」な
どの意見も出されており,次回の開催時には改善していきたい。
さらに,3 点,今後の課題を示しておきたい。
まず第 1 に,この度の研修会は,全学共通に必要と思われる内容に絞って開催された。各部局では,
その部局特有の内容を補って研修会を開催していただくよう要望したい。
第 2 に,平成 18 年度に導入され 5 年が過ぎようとしている本学における到達目標型教育プログラム
の取組について,
「知らないことがたくさんあった」
「ハイプロについて知る必要があると感じた」
「チ
ューターになるまできちんと説明されていなかった」などの意見が出されていることにはびっくりで
あった。教員として,本学の教育目標や教育方針を知らないで学生を教育しているということは看過
できない事態ではないかと思われる。なぜこのようなことになっているのかを検討し,改善していき
たい。
最後に,
「事例,ケースをいろいろと紹介してもらった方が役立つ」の意見にもある通り,本研修会
で要望のあった内容については,
「学生支援教職員研修会」などで再度取り上げて,集中的に研修して
いきたいと考えている。
-51-
2. 各部局における FD 活動
2.1
総合科学部・総合科学研究科の FD 活動
総合科学研究科
平成 22 年度第 1 回総合科学研究科・総合科学部
回総合科学研究科・総合科学部 FD 研修会
総合科学研究科・総合科学部では教員の教育実践の振り返りに資することを目的として教育プログ
ラムの現状と課題を紹介しあう FD を続けてきた。本年度はスポーツ科学プログラムと総合物理プロ
グラムに話題提供を依頼し FD 研修会を実施した。また,大学院教育の充実を図ることを目的に,21
年度に実施されたコア科目アンケートの分析結果についての報告会も併せて行った。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 6 月 23 日(水)15:00~16:35
場
所: 総合科学研究科第 1 会議室
内
容: 学部教育
(1)スポーツ科学プログラム「健康スポーツ科目について」 磨井 祥夫
先生
(2)総合物理プログラム「総合物理プログラムの現状」
先生
乾 雅祝
大学院教育
(3)「平成 21 年度コア科目アンケート結果とその分析 ―今後の課題―」
吉田 光演
先生
参加者: 76 名
Ⅱ.研修会を終えて
まず(1)スポーツ科学プログラムからの話題提供として,磨井 祥夫准教授より「健康スポーツ科目
について」のお話しをいただいた。健康スポーツ科目の受講生に対するアンケートの集計結果に基づ
いた現状の分析,ならびにそれを踏まえた今後の方向性について詳細な検討がなされた。
次いで(2) 総合物理プログラムからの「総合物理プログラムの現状」として乾 雅祝教授より「総
合物理プログラムの現状」のお話しをいただいた。総合科学部全体の理念の中での総合物理プログラ
ム位置づけについて明快な説明がなされ,それに基づいて優れている点と改善すべき点について丁寧
な考察がなされた。
これら 2 つの話題提供はいずれも他のプログラムの教員にとっても自らの実践を振り返るヒントと
なるものであり,有意義なものとなった。
最後に大学院総合科学研究科のコア科目である「リサーチマネジャー養成プログラム」について,
大学院教務委員会委員長の吉田後援教授とリサーチマネジャー養成プログラム担当の河崎千枝助教か
ら話題提供がなされた。平成 21 年度の受講生に対して行われたアンケートの結果が報告された。ア
ンケートは受講生と TA それぞれに対して行われており,その分析結果はコア科目の実施の成果と問
題点を立体的に浮かび上がらせ,今後のコア科目のさらなる充実のための指針を与えるものとなった。
-52-
総合科学部・教育室
総合科学部超域研究授業(PBL)公開
総合科学部超域研究授業(PBL)公開
総合科学部では,専攻を決定する以前の 1 年次の学生を対象として,文理の領域を横断して学習を
進める「超域研究」の授業を,PBL として展開している。この授業を,第 1 回および第 2 回「ハーモ
ナイゼーション PBL ワープショップ」参加者を対象として公開した。
Ⅰ.概要
日時:2010 年 11 月 22 日(月)
,11 月 29 日(月)両日とも 10:30~12:00(3・4時限)
場所:東広島キャンパス 総合科学部 L101講義室(成果発表会)
参加者:見学者4名(文学部,教育学部,生物生産学部)
Ⅱ. 研修会を終えて
6月の歯学部の教養ゼミ公開に続き,小規模な授業公開を実施した。小規模であるため,授業の邪
魔になることもなく,授業を見学する目的も明確なところが授業公開のよい点である。公開する前に
は,教育室のスタッフが数回にわたって見学し,内容を確認し,公開をお願いするという手順を取っ
ている。見学していただいた先生方のうち2名は,PBL ワークショップ参加後に PBL の方法を授業
に導入されており,ご自身の方法と比較しながら見学していただくことができた。次年度もワークシ
ョップ参加者を対象とした授業公開を実施し,授業開発に役立てていただきたい。
-53-
総合科学研究科
広島大学総合科学研究科 FD 講演会(
講演会(第2回総合科学研究科・総合科学部 FD 研修会)
研修会)
総合科学研究科・総合科学部では,優れた教育実践を学ぶことを通じて構成員の教授能力を高める
ことを目的として,学外講師を招いて FD 講演会を開催した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 12 月 1 日(水)16:00~17:30
場
所: 総合科学部 3 階
内
容: 講演「我が身とそれに連なるものを守るためのシラバス:
第一会議室
あるときは専守防衛の理論武装,あるときはメーカー公式ゲーム攻略本,
またあるときは長い旅路のマイルストーン」
講演者 増田 匡裕 准教授(高知大学人文学部)
参加者: 76 名
Ⅱ.研修会を終えて
講演者の増田匡裕准教授は,詳細なシラバスを有効に活用した教育実践によって顕著な教育効果を
上げておられる方である。
この研修会では増田准教授の実践の背後にある理念,ならびに実践の効用,
問題点ならびに問題の解決法について詳細にご講演いただいた。これらのうち効用については受講者
である学生にとっての効用ではなく教員にとっての効用の観点から話題をご提供いただいた。特に詳
細なシラバスを作成しそれに忠実な授業を行うことに教員のキャリア形成に大きく寄与するという指
摘は,教員の教授能力の開発に対して極めて大きな示唆を与えるものであった。
-54-
総合科学研究科
平成 22 年度第3
年度第3回総合科学研究科・総合科学部 FD 研修会
第 3 回 FD 研修会では,21 世紀科学プロジェクト群の成果について各プロジェクトの代表者からご
報告いただいた。このプロジェクトは平成 18 年度からの 5 カ年計画で,複数の部門/領域/分野の教
員と学生が共同して総合科学の構築を目指すものである。また,この活動には研究成果の教育への還
元が組み込まれている。そのため,本活動の成果を教員が共有することは,本研究科・学部の教育の
あり方を振り返り将来を展望することに大きな貢献をなすものと考えられる。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 3 月 2 日(水)16:00~17:40
場
所: 総合科学部 3 階
内
容: 21世紀科学プロジェクト群成果報告
第一会議室
○教養教育研究開発プロジェクト
平手 友彦 先生
○総合科学研究プロジェクト
・言語と情報研究
山田 純
先生
・文明と自然環境
佐竹 昭
先生
・リスク研究
岩永 誠
先生
・資源エネルギー研究
於保 幸正 先生
○平和科学研究プロジェクト
・ヒロシマの復興
布川 弘
先生
参加者: 56 名
Ⅱ.研修会を終えて
いずれの研究プロジェクトにおいても,興味深い成果が得られていることが報告された。
「教養教育研究開発プロジェクト」においては,本研究科が広島大学全体の教養教育の主たる担い
手であることを踏まえた上で,教材・教科書の開発・編集・出版の推進が図られ,また,着実な成果
が示されていることが報告された。
「言語と情報研究プロジェクト」においては(A)言語と情報の科学のための総合研究と(B)言語
と情報技術の総合的応用研究が進められており,国際レベルでのセミナーの開催,多くの研究論文・
著作の公表,それら成果の教養教育への還元等,活発な活動が行われていることが報告された。
「文明と自然環境プロジェクト」においては,教員と学生がともに現地に赴き,見学会を開催する
ことを通じて,研究と教育の交流が図られていることが報告された。その成果は教員の研究論文とし
て結実するのみならず,学生の修士論文としてもまとめられており,研究と教育の交流という本プロ
ジェクトの目的が十分に達成されていることが明らかとなった。
「リスク研究プロジェクト」においては(A)環境リスク,(B)国際紛争リスク,(C)生活リス
クという 3 つのサブテーマの下に積極的な実践が行われてきたことが報告された。その成果は大学院
におけるコア科目「現代リスク論」と教養教育科目の「現代社会とリスク」として教育に還元されて
-55-
いる。また学生が主体となった独自プロジェクトも行われるなど,研究と教育の融合という理念が高
い水準で実現していることが明らかにされた。
「資源エネルギー研究プロジェクト」においては,(A)石油等のエネルギー資源,(B)水資源,
(C)遺伝子資源の 3 つのテーマに焦点を当て多くの研究を推進してきたことが報告された。研究会
の開催,施設見学,野外巡検,他大学・他機関との共同によるシンポジウム開催等,多くの実践が行
われていること,またそれらに大学院生が主体的に関わることで教育への還元も着実になされている
ことが明らかとなった。
「平和科学研究プロジェクト」においては「ヒロシマの復興」をメイン・テーマとし,(A)核の
拡散とヒロシマの意味,(B)復興過程への注目,(C)ヒロシマならではの平和研究の3つのサブテ
ーマの下で多くの研究が行われてきたことが報告された。世界の最貧国のひとつであるバングラデシ
ュでの研修ともっとも豊かな国であるアメリカ合衆国での研修を行い,教員と学生がともにそこで多
くのことを学んだことが示された。
以上のプロジェクトの成果報告によって,研究成果の教育への還元,あるいは研究と教育の融合の
あり方が具体的な形で示された。このことは今回の研修に参加していた教員の今後の教育実践にとっ
て大きな意義を持つのであると評価できる。
-56-
2.2. 文学部・文学研究科の FD 活動
文学研究科
平成 22 年度第 1 回文学研究科 FD
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 7 月 12 日(月)13:00~14:00
場
所: 文学研究科大会議室
内
容: 講演「広島県公立高等学校の現状と課題」
講師:大下 隆司
(広島県広島国泰寺高等学校長・広島県公立高等学校長協会会長)
参加者: 教員 49 名 職員 5 名
Ⅱ.研修会を終えて
平成22年度第1回文学研究科FD研修会が開催された。講師,大下隆司氏(広島県広島国泰寺高等学校
長・広島県公立高等学校長協会会長)に,「広島県公立高等学校の現状と課題」について講演していた
だいた。前半は広島県公立高等学校の現状について説明があった。後半は広島大学文学部に期待するこ
と等について述べられた(内容は以下のとおり)。
1.平成21年度広島大学入試における県内出身者の割合,文学部進学の割合,主な学部別進学状況とし
ては,文学部はそれほど高い割合ではない。
2.高校生の文学部に対する印象は以下のとおりであった。文学部志望生徒は,興味ある分野の知識を
深めることができるという印象をもつ。志望者以外には,専攻が十分理解されていない。他の学部に
比べて,社会の動きや発展との関わりが薄いととらえている場合が多い。将来の進路について,研究
者や教員に限られると思っている場合が多い。一括募集の場合,希望する専攻に行くことができるか
不安である生徒がいる。
3.広島大学文学部に期待することは以下のとおりであった。西日本における人文学研究の中核として
研究を推進し,その成果を広く発信してほしい。文学部の扱う領域や卒業後の進路先,研究のために
必要な能力,文学部の研究と社会との関わりを,わかりやすく説明して欲しい。高校生に,広島大学
文学部の特徴をわかりやすく説明して欲しい。
以上,将来大学に入学してくる高校生の実態の一端について,教育現場の方から貴重な情報を提供し
ていただいた。広島大学文学部への期待が大きいことを改めて認識することとなった。今日軽視されが
ちな虚学や無用の用を論じる人文学研究の重要性を今の学生に理解してもらう必要性を感じる。教育的
な見地から,文学研究科教員の資質及び意識の向上に繋がったFDであったと言える。
-57-
文学研究科
平成 22 年度第 2 回文学研究科 FD
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 18 日(月)13:00~14:00
場
所: 文学研究科B104講義室
内
容: 講演「職場のハラスメント-ハラスメントは防止できるのか-」
講師:鍋本 文子
(広島大学文学研究科就学相談室相談員)
参加者: 教員 48 名 職員 9 名
Ⅱ.研修会を終えて
企業の人事部で長らくセクハラ防止や男女共同参画推進施策の策定・推進に力を注がれ,地方自治
体やNPOでも同様の課題に深く関与されてきただけに,鍋本講師のお話は具体性に富み,ハラスメ
ントを犯しやすい人物の性格づけなどは聴くものを粛然とさせるに十分であった。個人のレベルに留
まらず,組織としてどういう環境を整えればよいかという点でも示唆に満ちており,まことに有意義
な内容で,FDの効果は大きいと思われる。
-58-
文学研究科
平成 22 年度第 3 回文学研究科 FD
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 12 月 13 日(月)13:00~14:00
場
所: 文学研究科大会議室
内
容: 講演「広島大学文学部に期待すること-メディアの激変と新聞経営-」
講師:川本 一之
(中国新聞社社長)
参加者: 教員 50 名 職員 6 名
Ⅱ.研修会を終えて
平成 22 年度第 3 回文学研究科 FD 研修会が開催された。講師,川本一之氏(中国新聞社社長)に,
最近のメディアを取り巻く現状や課題における視点より,「広島大学文学部に期待すること-メディ
アの激変と新聞経営-」について講演していただいた。その内容を箇条書きであげる。
1.2010 年 2 月 20 日発行『週刊東洋経済』に「再生か破滅か新聞・テレビ断末魔」という特集が組
まれた。
2.新聞の危機を伝える書籍群が目白押しである。
3.日本の新聞部数推移 50 年(1960~2009)では,1997 年を頂点にして今日まで減少傾向を示す。
4.新聞発行部数と世帯数の推移については,
発行部数は世帯数の増加と反比例して減少傾向を示す。
5.日本の広告費の推移において,新聞の広告費がインターネットメディアに追い抜かれる。
ケータイ契約数が増加するが,反比例するかのように新聞広告費が減少する。日本の広告費(2010
年 3 月 2 日付新聞協会報)が 1947 年以来過去最大の減少幅を示す。
6.18 歳人口は減少傾向を示すが,センター試験の受験者数が増加している。私大の定員割れに歯止
めがかかったような大学側にとっては好ましい情報もある。(中国新聞 2010 年 8 月 1 日朝刊)
7.新聞界を襲う激震の理由として,少子高齢化,人口減,デフレスパイラル不況,格差社会,ネッ
ト・ケータイ・デジタルサイネージ・タブレット(iPad やキンドル)などの新メディアなどの登場
をあげることができる。
8.ジャーナリズム史からすると,今年 2010 年は電子新聞元年になるのか。ネット広告収入を拡大
することを狙いとしているが,電子化を利用して人員を削減することで人件費を減らすことを考え
ている。しかし,記事の質低下に繋がるという危険性もはらんでいる。
9.新聞社の PC,iPad,キンドル向けの電子新聞の登場。ネットの新聞情報の無料化。低落する新
聞部数。新聞低迷の真因(記者の独り舞台,作る側にとって重要度の高いテーマを優先,自己満足
の記事など)。次世代新聞(電子新聞)に積極投資。
10.コピペ学生の増大。偏った深みのない情報を受動的に受け取る危険性がある。65の国地域 15
歳 47 万人学力調査で日本の学力アップのニュースが流れているが,得点下位層が高割合・記述式
問題に無回答であるものが多いという。白か黒か二者択一で解答を迫るようなことをメディアはし
ていないか。
-59-
11.中国新聞社では,従来の情報の流れは,新聞から他媒体(テレビ・ラジオ・CATV・電光掲示・
Web など)へ進んでいたが,他媒体は新聞と同列に置かれ,新聞と他媒体群に二分される。さらに,
新聞もツールの一つになり,新聞,テレビ,ラジオ,CATV,電光掲示,Web などが横一線に並列
される。このような意識改革が必要になってくる。
12.大学に要望したい必要な人材は,専門性の高い人とゼネラリストであるが,どちらも社会性・
人間性が要求される。社会の流れの中で今何が求められているかを的確に理解しないと,専門分野
の成果も評価されない。従来の発想・やり方では時代の流れに取り残される可能性がある。
13.社会が求める有用な人材は,原点や原典,生の資料・現場を求め,自らの力で咀嚼・解釈・理
解する人間である。不確実な要素が多い中あらかじめある1つの正解に至るのではなく,多様な解
のある課題にどう対処すべきかを探る思考力を大学で身につけさせて欲しい-という要望があった。
以上のことから,これからの文学部では,各専門分野の研究を極めるだけではなくて,今日の社会
の中で何を求められているかを,先取りすることが出来るような学生を育てる努力をする必要性を感
じた。同時に,文学部本来の原典主義の重要性を再認識することになった。原典である生の資料をい
かに正確に速く読み込むことが出来るかという能力を涵養することは,すべての原点になると言うこ
とである。人材育成などについて大学が期待されていることに絶えず応えていかなければならない。
-60-
2.3. 教育学部・教育学研究科の FD 活動
教育学研究科(研究・評価部会)
平成 22 年度教育学部・教育学研究科
年度教育学部・教育学研究科 FD『公開授業研究会』報告書
FD『公開授業研究会』報告書
教育学研究科では,
「よい授業」
とは何なのかを考え各教員の担当する授業の質を高める目的のため,
本年度 2 回の学部授業の公開および,これに引き続く研究会を各々実施した。
Ⅰ.概要
〔第 1 回公開授業研究会〕
日時:2010 年 6 月 8 日(火)14:35~17:00
場所:
[公開授業] 西体育館柔道場
[研 究 会] 西体育館ミーティングルーム
プログラム:14:35~16:05 公開授業
<対象授業>「武道 AⅠ・Ⅱ(柔道)
」教科の指導法(保健体育)3・5 セメ
<参加学生>学部 2 年生 37 名,学部 3 年生 10 名,4 年生 5 名,大学院 1 年
生 2 名,TA2 名
<授 業 者>出口 達也 准教授
<授業テーマ>「柔道の基礎的・応用的技術の習得」
<授業内容>本授業は,健康スポーツ系コースの 2・3 年次生を対象とする
教育プログラム専門基礎科目である。柔道の基本・応用技術の
習得をベースに,柔道本来の面白さ,難しさ,さらには柔道の
持つ武道的・競技スポーツ的・教育的側面を,実習を通して学
習する。
16:05~16:15 休憩・移動
16:15~17:00 研究会(司会:内田 雅三 教育学研究科)
参加者:[公開授業] 教員 25 名,大学院生 20 名,職員 14 名
[研 究 会] 教員 25 名,職員 3 名
〔第2回公開授業研究会〕
日時:2011 年 2 月 1 日(火)10:30~12:00 16:20~17:00
場所:
[公開授業] 教育学研究科 K116
[研 究 会] 教育学研究科第 3・4 会議室
プログラム:10:30~12:00 公開授業
<対象授業>「地理教育方法・評価演習(地理歴史科)
」教科の指導法(社
会科・地理歴史科)6 セメ
<参加学生>学部 3 年生 16 名,TA2 名
<授 業 者>草原 和博 准教授
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<授業テーマ>「社会科授業の評価・改善の方法論」
<授業内容>(1)本演習は,
「教材」の視点から社会科(地理歴史科)教育
の方法と評価の理論を探求させるとともに,それを実践
に活かす方法論を習得させることを目的としている。
(2)本演習の終結に位置づく本授業は,以下 2 点を直接の目
標とする。
・これまでに学習した理論と方法を駆使して実践記録を分
析し,社会科授業をめぐる論点争点,ならびに実践の特
質と課題を指摘できる。
・上の事例分析を通して,授業改善の目的と方法を複数の
段階・類型に分けて説明できる。
16:20~17:00 研究会(司会:内田 雅三 教育学研究科)
参加者:[公開授業] 教員 26 名,大学院生 13 名,職員 8 名
[研 究 会] 教員 16 名,職員 4 名
Ⅱ.参加者アンケート
〔第 1 回公開授業研究会〕(回答者:21 名)
Q1.本授業について,思ったこと,感じたこと(授業者に向けて)
・日常的に行き届いた指導をしていることが分かる。
・柔道の楽しさをうまく伝えられるよう苦心しておられるのが分かった。
・体系立った指導のもと,柔道への興味・関心を引き出す指導と工夫が素晴らしい。
・講義形式とは異なった授業を通して,教育方法について考える良い機会だった。
・教え方が端的で分かりやすく,声も非常に聞き取りやすかった。また安全面にも十
分配慮されていた。
・柔道の技術と学校教育での指導のポイントが明確に解説されている点が素晴らしか
った。
・説明を最小限に抑えているように思えたことが,学生の集中力にも繋がっているよ
うに感じた。
・教員の思いが学生に伝わる優れた授業だと思った。
・TAや熟練者を効率的に配置し,安全性の確保とともに,技能習得の効果を高めて
いた点が高く評価できる。
・柔道部の学生の使い方がよかった。
・受講者の発達に応じた指導が展開されていた。
・指導者への畏敬,柔道・武道そのものへの畏敬が,学ぶこと,実技を実際に行うこ
とを通して,学生の中に湧き出ているように見受けられた。
Q2.本授業から,自分の授業に生かしたいこと(ご自身の授業改善に向けて)
・礼を重視し,安全面に配慮した進め方。
・授業全体を通して,学生が興味を失わない様な授業を工夫する大切さを感じた。
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・体系的な学問をいきなり教えるのではなく,楽しさを感じさせながら学ばせていく
という重要さを感じた。
・前時,休んだ者への個別指導が適切に押えられ,指導体制が整っていた。
・大切なポイントを,はっきりと分かりやすく伝えられている点。
・先生の教授法は分野が異なっても学びたいと思った。教材研究の重要性を再認識し
た。
・感性を高めるための授業は,どの授業にも必要だと思った。
・理論を導入して,実際に分析させる。分析の見本を見せて,実際にやらせる。それ
を如何に手順を踏んで,確実に皆ができるようにするか,その工夫の重要さ。
・授業全体の目標に沿って,本時と次時とのつながりが持てるような形にしていく(学
習者につながりが分かるようにする事)が,積極的な学習姿勢につながっていくよ
うに感じた。
Q3.公開授業研究会のあり方について(研究・評価部会への要望)
・公開授業のカリキュラム上の位置づけについて,より詳しい資料があるとよい。
・プログラムの目標や,授業の評価項目などを示して頂けるとよい。
・授業を見る視点を考えていかないといけないかと思ったが,今の体制では難しく,
現状としては,授業者の視点を重視して研究会を行っていくことが重要かと思った。
・異分野の授業展開から気付かされる視点が多く,有意義であった。
・学生の意見を知った上で話し合う工夫も必要か。
〔第 2 回公開授業研究会〕(回答者:17 名)
Q1.本授業について,思ったこと,感じたこと(授業者に向けて)
・TAを効果的に活用し,受講者の参加意識が高められていた。
・TA(院生)と,事前にしっかりとした打ち合わせが行われていることが窺われた。
・事前課題,GW課題への受講生の取り組み内容が授業でよく活用されており,受講
生の意識の向上も窺われた。
・課題と授業をうまく関連付ける方法について,示唆をいただいた。
・情熱型の授業指導に,先生の工夫を感じた。
・郷土学習において社会認識能力,一般法則を学ばせることも重要と考えるが,小学
生段階ではスキル学習も重要ではないか?
・教師に教えたい,伝えたいという明確な熱意が感じられた。またこれらを具体的に
示し考えることのできる教材がよく準備されており,本当に感動させられた。
・授業の初めに本時の目標(指導案には記載されている)を学生に伝えておくと,本
時の学習の到達点が明確になり,更によかったのではないかと思った。
・WebCT を利用しての事前課題や PPT をホームページに公開することは,時間外学習の
促進につながり,重要だと感じた。
・学生の「分かる」をいかに保障するか,がよく考えられた授業だった。複数の資料
を行き来するため,途中,混乱をきたす可能性もあるかと思われたが,最後にはす
-63-
っきりと整理され,またその整理に至るために全ての教材(資料)が有機的に機能
していることを,学生自身が感じられる授業であったと思う。またTAの役割も単
なるアシスタントではなく,将来,教育者となる(可能性の大きい)学生にとって
学びの多いものとなっていた。
・先生のハッキリした口調が授業を切れのあるものにしていた。一方で,学生の声の
小さい点が気になった。
・授業のリズム感がよかった。また最後に,この授業を今後どのように生かしてほし
いかのまとめがあり完結されていて,全体的にも満足感を得た。
Q2.本授業から,自分の授業に生かしたいこと(ご自身の授業改善に向けて)
・少人数の授業なら,学生に“刺激”を与えられることが分かったので,機会があれ
ば対話形式の授業を行ってみたい。
・いろいろな小道具の適切な使用は参考になったが,授業構造は分野が違いすぎて参
考にはなり難いと感じた。
・理論と実践の往復をもっと意識して,学生に対応したい。
・TAとの共同の仕方と授業の中でのTAの活用の仕方。
・構造化された授業。適切な説明と問題設定。
・課題と授業をうまく関連付ける方法について,示唆をいただいた。
・学生に様々な活動をさせ,学生の集中力を保つ工夫は大切だと思った。
・学生を活動させる場を充分講義の中に組み込むこと。
Q3.公開授業研究会のあり方について(研究・評価部会への要望)
・教育方法・評価演習を公開授業にすることは,学生にとっては教員採用試験対策と
なり,また教職員にとっては大学の授業改善となる。
・教科教育の授業で,教育学部らしさのある内容だった。
・様々な教科,形式(大人数も含め)の授業もFDとして行ってほしい。
・できれば研究会は,公開授業に引き続き行ってほしい。
・全学規模の参加が得られないのが残念。
Ⅲ.公開授業研究会を終えて
公開授業研究会の意義と課題について
本年度の公開授業研究会は,2回の公開授業の授業参観と事後の研究会にて実施した。
公開授業は,第1回を健康スポーツ教育学講座から柔道に関する実習(指導法)
,第2回は社会認識教
育学講座から地理歴史科の教育方法・評価演習の授業を対象として実施した。また研究会は,最初に
授業者より授業に関する目標,内容,方法等についての説明を受け,参加者から授業者への質疑応答,
さらに自由な意見・情報交換の場として各々行った。
第1回の公開授業は実習ということでもあり,TAの活用や学生の個々の能力に応じた指導方法に
教員の授業全体に対する細かい配慮が随所に見られ,基本や応用の技術の習得の中にも,特に学生の
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身体の安全性に関する適切な指導が各々の技に応じて重点的に行われていた。また武道や競技スポー
ツにおける柔道の指導者としての教育的側面だけではなく,多くの学生が柔道を未経験であるという
ことや全ての学生が教員や指導者を希望しているのではないという実情から,柔道に親しむというこ
とにも本質的な主眼がおかれていた。
一方これに引き続く研究会においては,公開授業について参加者から活発な質疑応答や意見交換が
なされたが,さらに質問が授業を取り巻くさまざまな点へと広く及んだ。
本来ピア・レビューは教科の特性を踏まえた上で,より共通性の高いものの方が効果的に思われる
が,本研究科のような広範囲にわたる専門分野によって構成される組織においては,必ずしもそのよ
うなFDのみを行うことは困難である。今回の授業は特に健康スポーツの実習(実技)ということで,
多くの参加者にとってはその意味でも異分野の内容であり,自身の授業との共通課題を見出し難い面
もあったと思われる。
ただ一方で,新たな視点や考え方を提示してくれる場ともなったようであった。
第2回の公開授業は,地理歴史科の教育方法・評価演習(教科の指導法)ということで,各領域か
らの参加者の関心も高いものがあった。また授業者により準備された授業時の配布資料も,シラバス,
指導案,検討資料,前時の配布資料(個人課題),個人課題に対する学生の回答,PPT のスライド,等
が具体的かつ詳細にまとめられており,授業を理解する上で非常に有効であった。
授業展開は主にアサインメント方式によるもので,そのため学生の授業への取り組みにも積極性が
窺われ,また授業者による授業構造,TAの役割なども関連してよく考えられており,全体的にテン
ポよく学生の集中力も途切れることなく進められていた。
その後の研究会においては,参加者から授業に関する多角的,具体的な質問があり,さらに他の講
義科目や大人数の授業での展開など,より参加者自身の課題に結びつくものへと質問や関心が向けら
れていた。
今年度は2回の公開授業,研究会,共に多くの参加者があったが,更により多くの参加者が見込め
るよう,充実した公開授業研究会を目指していきたい。
-65-
2.4. 法学部の FD 活動
法学部
法学部 FD 研修会
Ⅰ.概要
日
時:平成 22 年 6 月 2 日(水)10:00~11:35
場
所:法学部・経済学部
内
容:「学生のメンタルヘルスについて」
大会議室
講師 内野悌司 准教授(保健管理センターカウンセラー)
参加者:教員 25 名
Ⅱ.研修会を終えて
本研修会は,近年,うつなどの精神疾患に悩む学生が増加する傾向にあり,その対策や対処法につ
いて教員が共通認識を持つために実施した。
講演の中では,「広大は自殺が多いのか?」,「広大生の自殺に何か特徴があるのか?」,「どう
すれば気になる学生を早く発見することができるのか?」,「早期対応」,「不幸にして自殺が起き
た時の対応」,「危機対応体制の整備」などの項目についてお話いただいた。
内容が具体的事例を基にした話でわかりやすく,とても参考になった。
講演後には,教員が日頃から感じていることに関して多くの質問もあり,内野先生には懇切丁寧に
ご回答いただき,今後の学生又は父母等との関わり方を考える上で大いに役立つと思われた。
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2.5 経済学部の FD 活動
経済学部経営・情報学科目会議
平成 22 年度経済学部経営・情報学科目会議 FD 報告書
経済学部経営・情報学科目会議では,経済学部夜間主コースの入試と専門教育の概況に関する情報
共有を目的として,教員を対象とした FD 研修会を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 2 月 14 日(月)14:45~15:30
場
所: 東千田キャンパス第4演習室
内
容: 経済学部夜間主コースの入試の実施状況と専門教育の概況に関する情報共有と意見交換
・
入学試験実施状況(H18~H22)
・
AO 選抜の改革について
・
専門教育の開講状況と受講者数の推移
・
入学年度別累積 GPA の分布
・
授業科目別成績評価の分布状況
などについて,学科目主任(兼,夜間主コース主任)による資料説明と,意見交換を行った。
参加者: 13 名(教員 12 名,職員 1 名)
Ⅱ.研修会を終えて
経営・情報学科目所属教員は主として経済学部夜間主コースの専門教育を担当していることから,
夜間主コースの入試と専門教育の状況を把握する目的で実施した。入試については,情報共有を踏ま
えて,夜間主コースで実施している特別選抜(AO,社会人)と編入学制度を対象に,問題点と改善策
について意見交換を行った。その結果,学生の質の向上と大学院進学希望の喚起につながると思われ
る提案を,経済学部の入試委員会に行うこととした。
累積 GPA の分布状況から,学生に対する指導のポイントを確認した。平成 19 年度~21 年度の基
礎専門科目の科目別成績評価の分布については,初めて目にするものであり,同じ教員が担当する同
一の科目であっても年度によりかなり異なる,同じ科目でも担当者ごとに大きく異なるなど,興味深
い事例が見られたが,緊急に改善を必要とするような問題事例は見られなかった。今後,対象科目を
専門教育全体に拡大するとともに,評価方法や TA の有無と成績との関係等について分析することと
した。
以上,今回の FD は,教育プログラムの点検に資するとともに,学生の質の向上に関する新たな提
案がなされるなど,経済学部にとって意義あるものであった。
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2.6 社会科学研究科の FD 活動
社会経済システム専攻
アカデミックハラスメントをなくすために
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 21 日(木)15:00~16:30
場
所: 法学部・経済学部大会議室
東千田会議室(TV 会議システムによる同時開催)
内
容: アカデミックハラスメントに関する最近の動向を踏まえた講演
講師 横山 美栄子 教授
参加者: 社会経済システム選考教員 20 名
II.研修会を終えて
II.研修会を終えて
広島大学社会科学研究科社会経済システム専攻教員を対象に,ハラスメント相談室横山美栄子教授
に「アカデミックハラスメントをなくすために」というテーマでご講演を行っていただいた。
ご講演の内容は二部構成で,一部はハラスメント問題一般に関する最近の動向のご説明の後に,セ
クハラ対策,パワハラ対策の最近の動向についてもご説明をいただいた。
二部はアカデミックハラスメントを中心にしたもので,まずアカデミックハラスメントに関わる基
本的な論点整理の後に,最近のアカデミックハラスメントの動向をご説明いただいた。最後に近年の
ハラスメント訴訟,報道のいくつかの象徴的なケースをご説明いただいた。
講演終了後には質疑応答の時間をとっていただいた。社会経済システム専攻においては留学生比率
が近年急上昇しておりそれに伴う学習指導上の問題も発生してきている。それを反映し,質疑応答は
留学生に対する学習指導が中心的な論点となった。
ご講演は極めて有益なものであり,その後のデスカッションも充実したものとなり,意義ぶかい FD
となった。
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2.7 理学部・理学研究科の FD 活動
理学研究科
理学研究科連絡会
理学研究科教職員を対象として,研究科長が全学会議や理学研究科運営会議等で審議された内容,
理学研究科の行事など情報提供をして,共通理解を深めることを目的とする。
Ⅰ.概要
日
時:年 6 回程度
1 時間程度
場
所:理学部E棟 002 講義室 (内容:報告事項,研究科長報告,その他)
(参考)第 40 回理学研究科連絡会 平成 22 年 12 月 1 日(水)開催 14:30~15:40
(報告事項)
1 新構成員等について
2 研究科長報告
(1)教育研究評議会等について
(2)平成 22 年度決算について
(3)第 4 回広島大学ホームカミングデーについて
(4)第 12 回 広島大学大学院理学研究科・理学部教育シンポジウムについて
(5)第 4 回中四国地区 6 大学理学系大学教育にカンする研究フォーラムについて
3 研究科長候補者選挙について
4 ファイル共有ソフトウェアの利用禁止・自粛の徹底について
5 平成 22 年度大学院課程教育FDの実施について
6 平成 22 年度学士課程教育FDの実施について
7 平成 22 年度理学部・理学研究科キャリア(就職活動)セミナーについて
8 理数学生応援プロジェクトFDについて
9 平成 22 年度理学部・大学院理学研究科公開について
10 平成 22 年度理学研究科火災総合訓練について
11 平成 22 年度冬季の省エネルギー対策について
Ⅱ.研修会を終えて
定期的に開催することにより,理学研究科教職員は,共通認識がもてる。
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理数学生応援プロジェクト
理数系の人材育成 ~OpenOpen-end な学びとその効果~
な学びとその効果~
Ⅰ.概要
次世代の理数系人材を育成するために,Open-end な学びとその教育効果について検討する。特に,
理数系教育の現状と近未来について,魅力ある理数教育(大学院教育を含む)と情報発信のあり方,
国際交流の効果,高校・大学・地域社会の連携などについて議論し,理数系人材育成の発展を図るた
めの方策を探ることを目的とする。
日
時:平成 22 年 11 月 5 日(金)13:30~16:30
場
所:理学部 E 棟 203・大会議室
プログラム:
13:30-13:35 はじめに 出口 博則(理学研究科長)
13:35-14:15 基調講演「理数教育で日本を元気に!」 (40 分)
渡邉 賢一・代表理事(一般社団法人元気ジャパン)
内閣官房 認定 地域活性化伝道師
文部科学省 理数学生応援プロジェクト評価委員
リサーチフェスタ2010 審査委員
事例発表
14:15-14:35 (1) 広島県科学オリンピックと高大連携 (20 分)
河田 敦之・課長(広島県教育委員会・指導第二課)
14:35-14:55 (2) 理数学生応援プロジェクトのねらいと取組み (20 分)
圓山 裕・教授(理学研究科・物理科学専攻)
14:55-15:15 (3) 学習意欲と科学リテラシーで育む発表力 (20 分)
泉 俊輔・教授(理学研究科・数理分子生命理学専攻)
15:15-15:30 休憩 (15 分)
15:30-16:30 総合討論 (60 分)
参加者: 計 40 名(教員 16 名,職員 13 名,学生 5 名,学外 6 名)
Ⅱ.参加者アンケート
・教育についての多くの先生方の視点を知ることが出来まして有意義でした(理学部教職員)
・とても興味深い内容であっという間に時間が過ぎてしまいました。渡邉さんにはもっと話していた
だきたく思いました。(大学院理学研究科生)
・高校の教員ですが,広島大学理学部へ入学したらどんな教育を受けることができるのか説明で
きますので,大変よかったです。3 年次の課題研究で海外とのやりとりできる可能性があると
いう話は興味深かったです。(高等学校の学校関係者)
・普段関わることの無い方々の話を聴くことができてとても刺激的だった。理学部以外にも
もっと宣伝して次回はもっと盛大にやって欲しい。(大学院理学研究科生)
-70-
・普段関わることの無い方々の話を聴くことができてとても刺激的だった。理学部以外にも
もっと宣伝して次回はもっと盛大にやって欲しい。(大学院理学研究科生)
・元気ジャパンの代表の方から広い視野を持つ必要を感じた。又,行動力と粘り強い姿勢が良い。
(理学部教職員)
・素晴らしい FD だったと思います。理学部研究科内にとどめておくのはもったいないと思いました。
学内に理学部,理数学生応援プロジェクトの取り組みを知ってもらい,広めるためにももっと全学の
方を対象に講演する機会を持てたらと思います。
(広島大学教職員(理学部以外))
・ありがとうございました。理数教育がどんどん重視されている現状がひしひしと伝わってきました。
様々な観点から話を聞くことができよかったです。また機会があれば様々な情報を聞かせて頂けたら
と思います。(その他)
・
「審査=エンカレッジメント」社会は科学技術に支えられているにかかわらず,ブラックボックス化
され,あまり関心が持たれず評価されない。その中で科学に取り組むことを審査しエンカレッジ
していくことがこれからも継続して求められると思います。ボトムアップは学生だけでなく,
教員や保護者も大切だと感じました。(大学院理学研究科生)
・渡邉代表は,元気な発表で内容も充実していた。講演を聴いているだけで元気が出てくる。若い
人を引っ張っていくには強い熱意が重要であることがわかった。(広島大学教職員(理学部以外))
Ⅲ.研修会を終えて
文部科学省の委託事業「理数学生応援プロジェクト」に関する全学 FD を初めて開催した。理数系
の人材育成には「高校・大学・地域社会」の三者の連携が必要との考えから,元気ジャパンの渡邉賢
一・代表理事の基調講演と広島県教育委員会の河田敦之・課長から事例発表の講演を頂いた。参加者
から概ね良好の評価が得られたので,三者の連携に関する試みの趣旨は理解されたと思われる。一方,
Open-end な学びをどの様に教育に採り入れるのか,具体的な活動の提案までには至らなかった。
Open-end な学びの教育効果を計る観点から,学生の積極的な学習観と国際交流における発信力に注
目すべき点が多いと考える。
-71-
理学部生物科学科
生物科学科内 FD「広島大学理学部生物学プログラムと他大学教育プログラムとの比較」
FD「広島大学理学部生物学プログラムと他大学教育プログラムとの比較」
生物科学科ではより良い学士課程教育をめざして,現行の生物学プログラムと他大学の教育システ
ムを比較し改善点について議論するため,生物科学科教員全員を対象に研修会を実施した。
I. 概要
日時:2011 年 1 月 6 日(木) 11:00-12:00
場所:理学部 A307 生物専攻大会議室
プログラム:
11:00-11:05 はじめに 高橋陽介 (生物科学科長)
11:05-11:20 東京大学農学部との比較 (草場信教授)
11:20-11:35 名古屋大学理学部との比較
(菊池裕教授)
11:35-11:40 東京工業大学理工学部との比較 (島田裕士准教授)
11:40-12:00 総合討論
参加者 22 名
Ⅱ.研修会を終えて
他大学との比較により,広島大学理学部生物学プログラムがバランス面で優れた教育システムであ
ることが確認された。また本 FD により,幾つかの課題がほぼ全員の教員間で共有され,さらにその
対策について議論されたことは大いに有意義であった。
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理学部教務委員会
第 3 回 理学部チューター勉強会(FD)
理学部チューター勉強会(FD)
近年増加している学生の生活面におけるトラブルの内容とその対応方法について,様々な議論をと
おして理学部内各教員の共通理解を深めることを目的とする。
また,チューターに知っておいていただきたい平成 23 年度の教務上の変更点(各種規則の説明を
含む),英語能力の向上策及び学部教育の課題についても周知し,4 月以降の教員による学生への対
応を円滑にするための支援としたい。
なお,本勉強会は学部開催の FD として位置づける。
Ⅰ.概要
日
時:平成 23 年 2 月 21 日(月)10:03~12:11
場
所:理学研究科E棟 203 会議室(大会議室)
プログラム:
10:00-10:03 開会挨拶(出口博則 理学研究科長・理学部長)
《第 1 部》「広島大学における最近の学生指導の課題及びその対応について」
10:03-10:23 講演 1「学生の規範教育について」
講師:坂越正樹 副学長(学生支援・附属学校担当)
10:23-10:43 講演 2「学生へのフォローの方法について」
講師:
(磯部典子 保健管理センター准教授)
10:43-11:00 講演 1・2 に関する質疑応答
《第 2 部》「平成 23 年度における教務上の留意点及び課題について」
11:00-11:20 説明 1「平成 23 年度の教務上の変更点等について」
担当:楯 真一 教務委員会委員長
11:20-11:35 説明 2「英語の運用能力向上策について」
担当:圓山 裕 副学部長
VERA RICHTER 理学部非常勤講師
11:35-11:50 説明 3「学部教育における課題について
特に,教養・専門教育と Open-end な学びの関係について」
担当:圓山 裕 副学部長
11:50-11:59 質疑応答・意見交換
11:59-12:00 閉会挨拶(楯
真一 教務委員会委員長)
参加者: 理学部チューター,理学研究科・理学部関係教職員 31 人(参考:前年度 38 人)
(内訳,数 5,物 8,化 6,生 3,地 2,職員 5,理数学生応援プロジェクト 2)
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Ⅱ.第一部 質疑応答部分メモ
理学部参加者から以下のような活発な発言があった。
規範教育について
・高校のように内申書作成等の対応を行えば抑止力になるのでは。
・大学教員は教員免許を有しておらず,規範教育を教えにくい面がある。
・法律を破った場合のペナルティを学生に説明する必要があるのでは。
・テレビを見るのと同じ感覚で授業を受けている「消費世代(授業料を納付し,サービスを受ける)
」
について,広島大学の規範教育は今後どのように対応していくのか。
学生へのフォローの方法について
・紹介のあったデート DV の事例については,警察が関与すべき事例だったのでは。
また,被害者が警察への通報を拒否しても,大学から通報するべきではなかったか。
・事件となった場合は,大学の責任を問われるのでは。
・不登校で連絡が取れない学生への対応方法について相談したい。
これらの発言を受け,各講師から以下のような発言があった。
・学生の不利益情報は学外に出さないことが原則である。
・昔と異なり,教員の研究内容を示すだけでは学生への規範とならない状況である。
・広島大学としては,消費対応(学生へのサービス)を行う必要もあるが,教員との相互作用がも
たらす教育効果も必要と考えている。
・学生相談の対応はケースバイケースになる。警察に通報することによって被害が拡大する場合も
あり,1 件 1 件,関係者と一緒になって状況を検討する必要がある。
・学生対応について,保護者への連絡が必要な場合に,直接ではなく保健管理センタースタッフ等
の専門家を介した方が良い場合もあるので,相談していただきたい。
Ⅲ.研修会を終えて
Ⅲ.研修会を終えて
学生への規範教育については,昨今,占有離脱物横領などが大学周辺で頻繁に起こっており,世
論からの眼も厳しいだけに,ここまでやらねばならない高等教育機関のやるせない悲哀でもある。
また,メンタルヘルス,カルト教壇対策,ドメステックバイオレンス等,毎回テーマを替えて実施
しているので,連続して参加してもらっても新しい発見があった。
いずれにしても,全体を通して,かなり充実した盛りたくさんの内容であり,当初の目的を達成
した。
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2.8 先端物質科学研究科の FD 活動
先端物質科学研究科
平成 22 年度第 1 回先端物質科学研究科 FD 研修会報告書
先端物質科学研究科では,全国的な問題となっている学生の薬物乱用防止の啓発・指導の一環とし
てFD「学生の薬物乱用問題」を本研究科の教職員及び学生を対象に実施した。
このFDの実施については,文部科学省からの平成22年3月26日付け「薬物乱用防止に関する
啓発・指導の推進について(通知)」
(教育室から同年4月21日付けでメール送信)を受け同年5月
21日開催の運営企画会議において決定した。その後も実施日までの間に同省等から啓発等の充実取
組についての通知等を複数回受けた。
Ⅰ.概要
日時:平成 22 年 6 月 18 日(金)14:00~15:00
場所:先端物質科学研究科 401N 講義室(先端物質科学研究科総合研究棟 4 階)
プログラム:【講演】
「学生の薬物乱用問題」
講師 岡本 百合 准教授
(広島大学保健管理センター)
参加者:教職員及び学生 計約 50 名
Ⅱ.研修会を終えて
本FDの講師には,この内容に造詣の深い岡本百合・保健管理センター准教授をお願いした。
本FDでは,パワーポイントにより,薬物乱用がなぜ有害であるのかということについ
て事例等を踏まえてわかりやすく解説いただいた。また質疑応答も行った。
広島県内でも学生が逮捕されたこともあり,参加した学生,指導教員,職員の全員が内
容について改めて認識するきっかけにもなり,意義あるものであった。
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2.9 医学部の FD 活動
医学部
広島大学医学部 FD 「地域医療から国際医療へ:Think
「地域医療から国際医療へ:Think globally, act locally」
locally」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 12 月 22 日(水)16:30~18:00
場
所: 医学部第 5 講義室
内
容: 広島大学ふるさと枠学生には,地域医療の義務を果たしながらも,一方では世界を視野に
入れて活躍できるような夢を持ってもらいたいと考えています。自治医科大学を卒業し,義務年限終
了後 WHO 西太平洋地域事務局長を務められた尾身先生はまさにそういった夢を伝え元気づけていた
だくには最適任の方と考え,地域医療の事からポリオの根絶,SARS の制圧,新型インフルエンザの
事まで幅広く語っていただきました。
参加者: 約56人
Ⅱ.参加者アンケート
実施なし
Ⅲ.研修会を終えて
地域枠学生の立場が学内外に理解してもらえ,今後彼らが海外へ目を向けた時にも海外見学等の支
援が受けられ易くなった。
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医学部
広島大学医学部 FD「優れた指導的人材育成論
FD「優れた指導的人材育成論「優れた指導的人材育成論- CompetencyCompetency-based Education の模索」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 1 月 22 日(土)17:45~18:45
場
所: 医学部第 5 講義室
内
容: 第 39 回医学教育セミナーとワークショップと共催で行いました。
[WS テーマ]
WS-1
模擬患者大交流勉強会:OSCE での演技の標準化を考える
WS-2
医学教育専門家養成のためのパイロットコース
WS-3
女性医師支援 -医学教育ができること-
WS-4
魅力アップのための卒前地域医療教育
WS-5
Inter Professional Education
WS-6
プロフェッショナリズム教育を形づくり,そして動かすためには
セミナー 優れた指導的人材育成論- Competency-based Education の模索
講師:二宮 皓
(放送大学広島学習センター所長,前広島大学理事・副学長,広島大学名誉教授)
参加者: 約150人
Ⅱ.参加者アンケート
実施なし
Ⅲ.研修会を終えて
他の分野,とくに教育学の分野での人材育成の考え方を知ることができた。
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医学部
広島大学医学部 FD 「より良い地域医療実習をめざして」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 3 月 26 日(土)16:00~
場
所: 医学部基礎・社会医学棟セミナー室 2
内
容: 広島大学では,5 年生全員を対象とした地域医療実習を臨床実習(ポリクリ)の一環とし
て平成 22 年度より開始いたしました。準備期間が十分では無かったにも関わらず,各協力病院のお
かげで大変充実した実習を実施することができました。今回は協力頂いた 3 病院および来年度参入い
ただける病院の担当者等をお招きして,さらに充実した地域医療実習とするための方略を話し合いま
した。
まず,各病院を担当したスタッフが今年度の実施状況,反省点等を報告した後,アンケート結果等を
交えて今後の課題を全体で討議しました。同時に学生が提出したレポートの優秀賞も選定しました。
参加者: 約30人
Ⅱ.参加者アンケート
実施なし
Ⅲ.研修会を終えて
実習協力機関の現地教員の方々と有意義な情報交換ができた。
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2.10 歯学部の FD 活動
歯学部
歯学部教員 FD
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 6 月 10 日(木) 17:30~
場
所: 医学部第 4 講義室
内
容: 講師:森尾 郁子先生
(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 教授)
演題「歯科医学,口腔健康科学教育におけるグローバル化への対応」
参加者: 111 名
Ⅱ.研修会を終えて
東京医科歯科大学国際交流センター長を兼任されている森尾教授に,我が国の歯科医学,口腔健
康科学におけるグローバル化の現状と今後の展望について講演いただき,グローバル化対応を目
指す広島大学歯学部の教職員にとって大きな方向性を示唆いただきました。ご講演の内容を参考
にして,グローバル化対応のための取組をいっそう強化したいと思います。
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歯学部・教育室
歯学部教養ゼミ(
歯学部教養ゼミ(PBL)
PBL)公開
GP「新世代到達目標型教育プログラムの構築」の一環として推進している教養ゼミにおける超領域
型 PBL 導入の検討材料として,既に PBL を実施している学部の授業を公開していただいた。
Ⅰ.概要
日時:2010 年 6 月 30 日(水)12:00~14:40
場所:歯学部
プログラム:
12:00
授業説明(教育室職員)
12:30
チューター打ち合わせ見学
12:50
PBL チュートリアル見学
14:20
質疑応答
参加者:歯学部(授業者)
教員 17 名
生物生産学部(見学者) 教員 4 名 職員 1 名 教育室 職員 2 名
Ⅱ. 研修会を終えて
授業後の質疑応答の中で,拡散型の PBL では,討議のおもしろさや発表を終えての充実感に関し
て学生から肯定的な反応を得るものの,一方で何のためにやっているのかという疑問も示されるとい
う問題が提起された。学習者主導型の PBL では,知識注入型に比べて目標への到達が図り難く,実
感し難いという問題が介在するようである。この問題に対しては,今後,目標設定,授業デザイン,
評価のあり方を詳細に検討できるような FD を実施して対応したい。
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2.11 薬学部の FD 活動
薬学部
広島大学薬学部 FD
薬学部では,薬学業界の現状と将来について理解を深め,教職員の資質の向上を図ることを目的と
して,薬学部教職員を対象に「薬学部FD」を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 20 日(土)13:00~14:25
場
所: 広仁会館 2 階 大会議室
プログラム:
13:00-13:10 「挨拶」
広島大学薬学部長 大塚英昭
13:10-13:45 「病院薬剤師の現状と将来」
国家公務員共済組合連合会
広島記念病院薬局長 古元俊徳
13:45-14:05 「薬局薬剤師の業務」
南海老園豊見薬局 豊見敦
14:05-14:25 「薬局薬剤師の現状と将来」
広島県薬剤師会常務理事 青野拓郎
参加者: 教員 25 名 職員 2 名
Ⅱ.研修会を終えて
国家公務員共済組合連合会広島記念病院薬局長 古元俊徳氏から「病院薬剤師の現状と将来」,南
海老園豊見薬局 豊見敦氏から「薬局薬剤師の業務」,広島県薬剤師会常務理事 青野拓郎氏から「薬
局薬剤師の現状と将来」について講演していただき,薬学部教職員の資質向上のためにも大変有意義
なものであった。
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2.12 医歯薬学総合研究科の FD 活動
霞地区合同
平成 22 年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(4月期)
年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(4月期)
本学の教育目標を共有し,本学の改革状況,大学教育一般や大学人としての規範などを理解するこ
とを目的として,新たに霞地区の部局に任用された職員を対象に研修会を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 4 月 28 日(水)13:10~17:00
場
所: 基礎・社会医学棟2階 セミナー室2
プログラム:
時
間
13:10~13:45
研
修 内 容
オリエンテーション
講
労働安全衛生について
14:15~14:45
ハラスメントについて
14:45~15:00
休
15:45~16:25
16:25~16:55
16:55~17:00
原爆放射線医科学研究所長
話
13:45~14:15
15:00~15:45
担当者又は担当部署
神 谷 研 二
霞地区専任衛生管理者
石 垣 治 彦 助手
広島大学ハラスメント相談室
北 仲 千 里 准教授
憩
個人情報保護法・
財務・総務室総務グループ
情報セキュリテーについて
社会連携・情報政策室情報化推進グループ
病院総務グループ
服務・労働時間について
河村主査
会計支援・旅費・謝金システム等に
ついて
医歯薬学総合研究科等
運営支援グループ・寺田主査
その他
質疑応答
参加者: 教員 23 名,職員 7 名
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Ⅱ.参加者アンケート
Ⅲ.研修会を終えて
霞キャンパスにおいて,新たに霞地区の部局に任用された職員を対象に研修会を実施し,共通認識
を図ることができた。
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医歯薬学総合研究科
平成 22 年度第1回医歯薬学総合研究科 FD
医歯薬学総合研究科では,「研究活動における倫理」をテーマに,遺伝子組換え及び動物実験にかか
る本研究科FDを実施した。これらの実験をする場合は,事前に講習会を義務づけられているが,今回,
講習の内容以外のこれまでの事例等を元にお話いただくことにより,再度認識を深めてもらうことを趣
旨に実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 7 月 13 日(火)17:00~
場
所: 医学部第 4 講義室
プログラム:
16:45~17:00
受付
17:00~17:05
開会挨拶・小林研究科長
◎司会 高野 幹久 副研究科長
17:05~17:55
「遺伝子組換え生物等の使用における研究倫理と安全管理」
杉山 政則 教授(医歯薬学総合研究科・創生医科学専攻)
(広島大学組換え DNA 実験安全委員会委員長)
18:00~18:50
「動物実験における研究倫理について」
菅野 雅元 教授(医歯薬学総合研究科・創生医科学専攻)
(広島大学動物実験委員会委員長)
18:50~19:00
質疑応答
19:00
閉会挨拶・永田
靖研究科長補佐
参加者: 教員 74 名,職員 8 名,大学院生 4 名
Ⅱ.研修会を終えて
霞キャンパスにおいても,研究活動において,多数の先生が,遺伝子組換え実験,動物実験を行
っているが,実験を行う上で倫理的に遵守すべきことを,これまでの事例を含めて再認識できる機
会であり,医歯薬学総合研究科のみならず,霞地区の多数の先生,大学院生に聞いてもらうことが
でき,研究活動をしていく上で有意義なものとなった。
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霞地区合同
平成 22 年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(
年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(10
広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(10 月期)
本学の教育目標を共有し,本学の改革状況,大学教育一般や大学人としての規範などを理解するこ
とを目的として,新たに霞地区の部局に任用された職員を対象に研修会を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 25 日(月)13:10~17:00
場
所: 基礎・社会医学棟2階 セミナー室2
プログラム:
時
間
13:10~13:45
研
修 内 容
担当者又は担当部署
オリエンテーション
講
主席副病院長
話
鎌 田 伸 之 教授
霞地区専任衛生管理者
13:45~14:15
労働安全衛生について
財務・総務室リスクマネジメントグループ
石 垣 治 彦 助手
14:15~14:45
ハラスメントについて
14:45~15:00
休
15:00~15:45
15:45~16:25
16:25~16:55
16:55~17:00
ハラスメント相談室
横 山 美栄子 教授
憩
財務・総務室総務グループ・岡田主査
個人情報保護法・
社会連携・情報政策室情報化推進グループ
情報セキュリティーについて
・高橋グループ員
医歯薬学総合研究科等
服務・労働時間について
運営支援グループ・湊主査
会計支援・旅費・謝金システム等に
ついて
その他
病院財務グループ・角田主査
質疑応答
参加者: 教員 5 名,職員 7 名
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Ⅱ.参加者アンケート
Ⅲ.研修会を終えて
霞キャンパスにおいて,新たに霞地区の部局に任用された職員を対象に研修会を実施し,共通認識
を図ることができた。
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医歯薬学総合研究科
若手研究者等海外派遣プログラム報告会(医歯薬学総合研究科第2回FD)
平成21年度に霞キャンパスで採択された「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」の事業名:
「アジア・環太平洋ネットワークを通した若手研究者・医療人による学際的研究の展開」は,平成2
「アジア・環太平洋ネットワークを通した若手研究者・医療人による学際的研究の展開」
1年度から平成24年度の間に,医療系分野において,基本的な研究能力を備えた若手研究者を先進
的な海外協力機関を中心に,特に近隣のアジア・環太平洋地域へ軸足として派遣し,研究能力のステ
ップアップと国際的視野を涵養することを目的として今年3月よりスタートし,順調に海外に若手研
究者等を派遣しる。プログラム開始後半年経過したので,
本プログラムの支援による渡航者を対象に,
今年度前半の総括として,また,FDの一環として,報告会を実施した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 29 日(月)16:30~18:25
場
所: 広仁会館大会議室
プログラム:
16:15~16:30
受付
16:30~16:35
開会挨拶・小林研究科長
◎司会 安井
弥 副研究科長
●長期派遣者枠(2 ヶ月以上の海外渡航者で若手研究者)(4 名)
16:35~16:50 「ヘルシンキ大学・呼吸器内科長期派遣を終えて」
石川 暢久 助教
(医歯薬学総合研究科(医)・展開医科学専攻・病態制御医科学講座・分子内科学
研究室)
16:50~17:05 「マイアミ大学・移植外科長期派遣を終えて」
大下 彰彦 助教
(大学病院(医)・消化器診療科)
17:05~17:20 「University of British Columbia への海外派遣を終えて」
藤田
剛 助教
(大学病院(歯)・口腔維持修復歯科)
17:20~17:35 「ドイツ・エアランゲン大学・口腔顎顔面外科における臨床研修」」
小泉 浩一 助教
(医歯薬学総合研究科(歯)・創生医科学専攻・先進医療開発科学講座・分子口腔
医学・顎顔面外科学)
●短期派遣者枠(2 ヶ月未満の海外渡航者で学部生,大学院生,若手研究者)
(学部生 1 名,大学院生 2 名,若手研究者 2 名の合計 5 名)
17:35~17:45 「ハノーファー医科大学への夏期短期留学を終えて」
丸山 聡子 学部生(医学部 医学科 5 年次生)
17:45~17:55 「カンボジアにおける歯科医療の現状調査と歯科支援活動」
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岩本 優子 大学院生(医歯薬学総合研究科 博士課程 1 年次生)
(展開医科学専攻・顎口腔頚部医科学講座・小児歯科学研究室)
17:55~18:05 「サウスカロライナ大学生理学教室への短期派遣について」
門脇 章人 大学院生(保健学研究科 博士課程前期 2 年次生)
(保健学専攻・心身機能生活制御科学講座・生理機能情報科学研究室)
18:05~18:15 「スウェーデン・カロリンスカ大学短期派遣について」
谷本 圭司 助教
(原爆放射線医科学研究所・放射線災害医療研究センター・放射線医療開発研究分
野)
18:15~18:25 「英国・バース大学との小型魚類を用いた疾患モデル作製」
宮本 達雄 助教
(原爆放射線医科学研究所 ・ゲノム障害医学研究センター・放射線ゲノム疾患研究
分野)
18:25
閉会挨拶・菅井 基行 副研究科長
参加者: 教員 58 名,職員 15 名,学生 6 名
Ⅱ.研修会を終えて
霞キャンパスにおいて採択された若手研究者等海外派遣プログラムは,医療系分野が一体となっ
て採択されたもので,採択後の派遣者の選考や運営も共通認識が図れる場となっている。
派遣対象者は,若手教員,大学院生及び学部生で,採択された派遣者には,医歯薬学総合研究科
FD での発表を義務づけている。
派遣者にとっては,海外における研究活動をプレゼンテーションする場となり,聴講する側にと
っては,本プログラムへの関心を持ってもらう場であり,医療系分野の各研究活動の内容を知って
もらう場となったと思われる。近年,若手の内向き志向により,海外に出向かないと言われる中,
霞地区の多数の先生,学生に聞いてもらうことができ,今後の研究活動をしていく上で有意義なも
のとなった。
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医歯薬学総合研究科
平成22年度第3回医歯薬学総合研究科FD
Ⅰ.概要
日時: 平成23年 3月 7日(月)16:30~
場所: 医学部第4講義室
プログラム:
16:15~16:30
受付
16:30~16:35
開会挨拶・小林研究科長
◎司会 高野 幹久 副研究科長
●第Ⅰ部
大学院 GP「バイオデンティスト育成プログラム」
16:35~17:15 「大学院 GP「バイオデンティスト育成プログラム」報告と今後の課題」
菅井 基行(医歯薬学総合研究科・副研究科長・教授)
17:15~17:20
●第Ⅱ部
質疑応答
「大学院生の国際学会参加報告」
17:20~17:35 「IAOP2010 に参加して
-Transcription factor RUNX3 has an oncogenic role in head and neck cancer-」
常松 貴明
(博士課程・創生医科学専攻・先進医療開発科学講座・口腔顎顔面病理病態学)
17:35~17:50 「AACR 101st Annual Meeting 2010(ワシントン)に参加して」
林 哲太郎(博士課程・創生医科学専攻・放射線ゲノム医科学講座・分子病理学)
17:50~18:05 「14th ESSKA(European Society of Sports Traumatology, Knee Surgery and
Arthroscopy) Congress に参加して」
大川 新吾(博士課程・展開医科学専攻・病態制御医科学講座・整形外科学)
18:05~18:20
「北米神経科学会(Society for Neuroscience) に参加して」
梶谷 直人(博士課程前期・薬科学専攻・医療薬学講座・薬効解析科学)
18:20
閉会挨拶・大段 秀樹 創生医科学専攻長
参加者: 教員 26 名,職員 10 名,学生 18 名
Ⅱ.研修会を終えて
大学院 GP は,事業最終年度ではあるが,次年度から引き続き,医歯薬学総合研究科全体のコー
スワークとして実施することになり,その基礎となった事業で,とても充実したプログラムとなっ
ており,これまでの成果報告と今後として,学生と教職員の共通理解を図る良い機会となったと思
われる。
大学院生の国際学会参加報告は,例年 FD として義務づけているものの一環であり,大学院生の
発表の場を設ける良い機会となったと思われる。
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大学院医歯薬学総合研究科
バイオデンティスト育成プログラム推進室
バイオデンティスト育成プログラム社会貢献推進プログラム
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 7 月 7 日(水)16:20~17:50
場
所: 医学部第 5 講義室
内
容: 講演「医者の僕にハンセン病が教えてくれたこと」
講師:和泉眞蔵 先生
参加者: 16 名
-90-
大学院医歯薬学総合研究科
バイオデンティスト育成プログラム推進室
第3回バイオデンティスト育成プ
第3回バイオデンティスト育成プログラム
バイオデンティスト育成プログラム国際ワークショップ
ログラム国際ワークショップ
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 1 月 28 日(金)~30 日(日)10:00~18:00
場
所: 広島アステールプラザ
内
容: 教育シンポジウムⅠ
・Innovation of Dental Program in Hiroshima University for Establishing Dental
Education in 21st Century
Dr. Takashi Takata (Hiroshima University)
・Upgrading Dental education at the Faculty of Odonto-Stomatology, Ho Chi Minh,
University of Medicine and Pharmacy, Vietnam.
Dr. Le Duc Lanh (Ho Chi Minh City University of Medicine and Pharmacy)
・Study Dentistry In Indonesia
Prof. Coen Pramono, drg., SU, Sp. BM. (Airlangga University)
・Dental Education System of Faculty of Odonto-stomatology ,
University of Health Sciences, Cambodia.
Dr. Im Puthavy (University of Health Science)
教育シンポジウムⅡ
・The three-year trial of BioDental education
Dr. Motoyuki Sugai (Hiroshima University)
・My visiting and teaching experience at the program for Bio-dental education and
research in Hiroshima University
Dr. Wei-Chung Vivian Yang (Taipei Medical University)
・Graduate Education in Dental Sciences: the Future Starts Now
Dr. Oranart Matangkasombut (Chulalongkorn University)
参加者: 60 名
-91-
文部科学省事業
平成21年度「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」
「医療・情報・工学連携による学部・大学院連結型情報医工学プログラム
「医療・情報・工学連携による学部・大学院連結型 情報医工学プログラム構築と人材育成」
情報医工学プログラム 構築と人材育成」
平成 22 年度第 1 回
情報医工学プログラムFD・SD研修会
前期授業の評価,学生の到達目標に対する評価,後期授業への課題について討論を行い,後期授業
への目標を設定する目的で,連携 3 大学(広島大学,広島市立大学,広島工業大)の教職員・学生を
対象に実施した。併せて,同様の取組を行っている他大学の現状と課題,本学と共同研究を進めてい
る企業の担当者からの発表も行った。
Ⅰ.概要
テーマ : ① 前期授業の評価,後期への課題 ,② 研究発表会
日
時 : 平成 22 年 9 月 17 日(金)15:00~19:30
場
所
:
広仁会館大会議室
対
象
:
広島大学,広島市立大学,広島工業大学
司
会
:
情報医工学連携支援事業運営センター
○研修会の内容
14:00~15:00 「受
教職員・学生
副センター長
安井
弥
付」
15:00~15:10 「開会挨拶」
情報医工学連携支援事業運営センター センター長
広島大学大学院医歯薬学総合研究科長
15:10~15:50 『
「医工薬連環科学」教育システムの構築と社会還元
小林 正夫
~分子から社会までの
人間理解~』の取組状況
三大学医工薬連環科学教育研究機構 教育開発部門長
関西大学システム理工学部准教授
倉田 純一
15:50~16:00 「質疑応答」
16:00~17:00 「前期授業の評価,後期への課題」 ― 受講学生の声 ―
① 広島大学大学院医歯薬学総合研究科博士課程前期
② 広島市立大学情報科学部
坂本
③ 広島工業大学情報学部健康情報学科
17:00~17:40
信一,三倉
木原
琢也
将太,森光
亮介
村上 篤志,半明 和樹,瀧口 洋壽
研究発表
「関節機能のFEM解析による診断・治療最適化システムの開発」
デジタルソリューション株式会社
川岡 拓司,西村
智,腰本 尚武
18:00~19:30
「情報交換会・懇親会」
(広仁会館中会議室)
19:30~
「閉会挨拶」
参加者: 教員 30 名,職員 13 名,学生 14 名,外部講師 4 名
Ⅱ.研修会を終えて
前期授業の評価を行い,課題の提示と解決策を検討することから,さらなる授業内容の進歩と充
実を図ることが可能になり,学部生の到達目標を達成するにあたっての効果が期待される。
-92-
2.13. 保健学研究科の FD 活動
保健学研究科
保健学研究科FD研修会(
保健学研究科FD研修会(第2回)
第2回)
Ⅰ.概要
日
時: 平成22年9月24日(金)16時10分~17時50分
場
所: 保健学科会議室
内
容: 少子高齢化,医療技術の進歩等に伴い,時代の変化や社会の要請に対応した高度な実践能
力をもつ保健医療専門職の育成が大学に求められている。看護実践能力の形成には講義と実践的
でリアリティの高い演習,実習が効果的であるといわれている。そこで,看護実践能力の育成に
有用な方法としての模擬患者の活用について講義を行う。
講演:看護教育における模擬患者(SP)活用とその効果
講師:北里大学看護学部基礎看護学 教授 城戸滋里
参加者: 保健学研究科教員 学生
-93-
保健学研究科
保健学研究科FD研修会(
保健学研究科FD研修会(第3回)
第3回)
Ⅰ.概要
日
時: 平成22年11月4日(木)16時00分~17時00分
場
所: 保健学科会議室
内
容:
平成22年度 ハラスメント研修会 スケジュール
1.期 日
平成22年11月4日(木)
2.会 場
広島大学医学部保健学科 203講義室(保健学科棟2階)
3.日 程
15:00~
開場
15:30~16:00 受付
16:00~16:50 講演 「アカハラ・パワハラを避けるために」
講師「御輿久美子(おごし
くみこ)氏」
所属 NPOアカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク
16:50~
感謝状授与・質疑・応答
17:00
解散
4.司 会
看護開発科学講座 教授 横尾 京子
5.感謝状
プレゼンター 川真田研究科長
参加者: 保健学研究科教員 学生
-94-
2.14 工学部・工学研究院
工学部・工学研究院の FD 活動
工学研究科(全体)
平成22年度中国・四国工学教育協会講演会
平成22年度中国・四国工学教育協会講演会
中国・四国工学教育協会は昭和 57 年発足以来,大学教育部会,高専教育部会,産業教育部会の3
つの部会組織からなり,それぞれ独自に活発な活動を続けている。本講演会は,年に一度,3部会合
同での開催となり,産・学の連携に向けての協議の場として活用され,次の時代の科学技術,産業社
会を担う人材の育成と,中国・四国地区の地場産業の強化を目的として実施されるものである。本研
究科では,本講演会を FD と位置付け積極的に参加している。
Ⅰ.概要
日
時:平成22年7月6日(火)15:00~17:30
場
所:広島ガーデンパレス
内
容:
1.「高専における工学教育プログラムと地域におけるものづくり教室の実践」
講師
松江工業高等専門学校
准教授
箕田 充志 氏
2.「工学教育を支える『数学力』養成プログラムの実践と評価」
講師
広島大学大学院工学研究院 准教授
本研究科参加者:教員 28 名
Ⅱ.参加者アンケート
伊藤 浩行 氏
職員 6 名
なし
Ⅲ.研修会を終えて
高専及び大学における効率的・効果的な教育方法等についての講演をもとに,産・学の連携を密
にして,中国・四国地区における工学教育の振興を図るための活発な意見交換が行われた。
-95-
工学研究院(全体)
「ハラスメント研修」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 18 日(木)15:00~15:30
場
所: 工学研究科大会議室
内
容:
ハラスメントの定義など基本的な知識のほかに,今回はさらに知っておいていただきたい情報をお話
しします。
・アカデミック・ハラスメント,パワー・ハラスメントの関係での事件の新傾向
・セクシュアル・ハラスメントとの関係でセクシュアル・マイノリティ(LGBTI)についての予備知識
演 題)「先生方に知っておいていただきたいハラスメント防止のための予備知識 特にセクシュア
ル・マイノリティについて」
講 師) 広島大学ハラスメント相談室 准教授 北仲 千里
参加者: 教員 82 名 職員 15 名
上記の「ハラスメント研修」に関連するDVDの上映会
日
時 : 平成22年12月 6日(月)13時10分~14:40 DVD1
平成22年12月 7日(火)13時10分~14:10 DVD2
平成22年12月 8日(水)12時00分~13:30 DVD1
平成22年12月 9日(木)12時00分~13:00 DVD2
平成22年12月10日(金)12時00分~14:30 DVD1,DVD2
場
所 : 工学研究科大会議室(管理棟2階)
内
容 :
DVD1(テレビ放送の録画)
(約90分)
タイトル1 朝日放送 テレメンタリー98 男でも女でもなく ~半陰陽に生まれて~
タイトル2 NHK 福祉ネットワーク こころの相談室 性同一性障害
タイトル3 NHK 福祉ネットワーク こころの相談室 性同一性障害
その2
DVD2(約60分)
タイトル
セクシュアル・マイノリティ理解のために~子どもたちの学校生活とこころを守る~
”共生社会をつくる” セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク制作
参加者: 教員 19 名(のべ 28 名) 職員 19 名(のべ 29 名)
Ⅱ.研修会を終えて
今回のハラスメント研修は,日頃あまりなじみのない(知識に乏しい)セクシュアル・マイノリテ
ィにスポットを当てたものであった。話を聴いて,このことが,そんなに稀な事ではなく,我々の集
団の中でもごく身近に存在するという事を知った。また,DVD では当事者の生の声も聴け,この方達
やその家族の苦しみ,悲しみが強く伝わってきた。正しい知識がないと,知らぬ間にハラスメントの
加害者になっていたかもしれません。今回の研修はたいへん勉強になりました。
-96-
工学部(全体)
「学士課程教育について」
学士課程の教育に関して,教養教育は次年度から改革が進められカリキュラムが大幅に変更されま
す。その具体的内容や今後の方向性について現状を説明いただきます。
また,工学部は到達目標型教育プログラム(HiPROSPECTS)を実施するとともに類によっては JABEE
により教育評価がされています。しかしながら,到達目標型教育プログラムの趣旨ならびにその運用
実態については教員に周知されていない面がありますので,それらについての説明会を実施します。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 12 月 2 日(木)15:00~16:00
場
所: 工学研究科大会議室
内
容: 15:00~15:30 教養教育改革について
大学院総合科学研究科 教授 於 保 幸 正
15:30~15:50 工学部の到達目標型教育プログラムについて
大学院工学研究院 教授
迫 原 修 治
15:50~16:00 質疑応答
参加者: 教員 55 名 職員 11 名
Ⅱ.研修会を終えて
教養教育については平成 23 年度からの変更が進められているが,その詳細についての情報は必ず
しも教員には届いていないのが現状である。そこで,本 FD では,教養教育本部副本部長の於保幸正
教授に教養教育のねらい,ならびに改革の現状と将来計画についてのお話をお願いした。内容は教養
ゼミにおける PBL(Problem Based Learning)型教育の課題,平和科目,英語教育の充実,パッケージ
別科目の再編,ならびに今後の作業計画など多岐にわたっていた。それぞれの趣旨については理解が
深まったと思われる。しかしながら,PBL 教育のための学部教員の負担の問題,パッケージ科目の「視
角」意義やその選択についての問題点,平和科目の意義などについての質問が出た。また,今後の作
業の説明として,各教員が授業担当ができる系への登録があるとの説明があり,教育負担増への懸念
も考えられ,今後も教養教育改革に対して情報収集と,工学部からの働きかけも必要であると認識さ
れた。教養教育改革の現状について共通認識ができたことで,本 FD を開催した意義はあったものと思
われる。
工学部は一部の教育プログラムが JABEE による教育評価を受けているため,全学で実施されている
到達目標型教育プログラムに基づく評価と異なる点があるが,これまで十分認識されてこなかった。
この反省にたち,到達目標型教育プログラム発足にあたりご尽力いただいた迫原修治工学部教授に到
達目標型教育プログラムについての説明ならびに課題の講演をお願いした。JABEE と到達目標型教育
プログラムに基づく自己点検書と教育プログラムの詳述書の相違点について丁寧に説明があり,また,
達成度評価方法の違いについて化学工学プログラムを例にして説明いただき,理解が大変深まった。
最後に工学部の類・課程制度と教育プログラム制の問題点についてもご指摘頂き今後検討する必要性
があることが認識された。
-97-
工学研究院(全体)
「教育 GP シンポジウム~大学における理工系数学教育~」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 2 月 22 日(火)13:00~16:30
場
所: 工学研究科大会議室
主
旨: 広島大学工学部応用数学グループが中心となって行ってきた教育 GP「工学教育を支える『数
学力』養成プログラム」は今年度で 3 年目を迎えました。本シンポジウムはこれまでの取組を振り返
るとともに,工学系数学教育からさらに一歩踏み込んで理工系数学教育に関してそれがどのようにあ
るべきか,幅広い立場からの報告により将来へ向けた議論の礎とするものであります。
内
容:(1)教育 GP「工学教育を支える『数学力』養成プログラム」取組最終報告
広島大学大学院工学研究院
准教授
伊藤
浩行 氏
(2)「理工系におけるあるべき数学教育-数学と数学教育の専門家の立場から」
東北大学教養教育院 総長特命教授
森田
康夫 氏
(3)「ファイナンス・金融業に於ける数理解析」
野村證券株式会社金融工学研究センター シニア・クオンツ
大本
隆 氏
(4)「数学研究の科学技術政策~なぜ,数学は重要なのか~」
文部科学省科学技術政策研究所 主任研究官 伊藤
裕子 氏
参加者: 教員等36名 職員15名
Ⅱ.研修会を終えて
教育 GP「工学教育を支える「数学力」養成プログラム」の最終年度の締めくくりとして「大学教育
における理工系数学教育」シンポジウムが開催された。教育 GP の取り組みについての最終報告が代表
者の伊藤浩行准教授からなされた。講義と演習を効率的に組み合わせた数学教育の授業制度改革,講
義内容に応じた単元クレジット制の試行結果についての説明がなされた。学生の授業満足度も 90%程
度あり非常に有効であることが報告されるとともに,今後の展開に向けて,TA 人材の確保や移行時期
の時間割調整などの問題点も指摘された。さらに,今後は工学系数学基礎学力の客観的評価手法の確
立,大学院数学教育の体系化が望まれることが指摘された。東北大学教養教育院総長特命教授森田康
夫先生からは「理工系におけるあるべき数学教育」の題目で講演いただいた。高校教育の問題点,高
校とのスムーズな接続のための学生サポートについて,暗記型教育から理解型教育への転換について,
優秀な学生の個別能力アップのためのサポート体制の確立の必要性ついて説明いただいた。野村證券
株式会社金融工学研究センター大本隆殿に「ファイナンス・金融業に於ける数理解析」の演題で,金
融分野における数学の必要性,応用についての説明がなされた。文部科学省科学技術政策研究所伊藤
裕子主任研究官より「数学研究の科学技術施策―なぜ,数学は重要なのか」の演題で,米国との比較
データを基に日本における数学研究体制の問題点が指摘され,今後の展開についての説明があった。
数学はすべての科学分野の基礎的学問体系であり,異分野の融合におけるさらなる科学技術の発展の
ためには数学分野の研究機関設立を含めて重点的な投資が必要であることが指摘された。4 件のいず
れの講演も今後の数学教育,数学力のアップによる日本の科学技術力の底上げをねらう施策について
のものであり今後の展開が望まれる。
-98-
工学部(第一類)
平成22年度年度
平成22年度年度 第一類 第1回教員相互の講義参観実施報告
第1回教員相互の講義参観実施報告
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 6 月 30 日 5, 6 時限
講義名: 生産システム
講義担当者: 大倉教授
場
所: 107 講義室
参観者: 佐伯教授,山田准教授,難波准教授
意見交換会:
: 2010 年 7 月 22 日 専攻・類教員会にて開催
Ⅱ.参加者アンケート (個別意見)
1.
スライド 1 項目に教員・TA のメールアドレス,電話番号等の連絡先が記してあり,学生からコ
ンタクトしやすい工夫である。
2.
スライドも理解しやすく作られており(文字数,フォントサイズ,背景とのコントラスト),板
書は行わなかった。
3.
単純な生産計画から複雑なケースへと発展するストーリーはわかりやすい。しかしながら,簡単
な問題は学生自身に解かせても良かったのでは?
4.
5.
居眠りしている学生が多い。
説明に使っている言葉は誤解されないよう,注意深く選択されていると感じた。しかしながら,
講義の中で重要なポイントを強調する,繰り返し話す,学生に向かって問いかける等,注意を引
く工夫があってもよかった。
6.
7.
8.
9.
パワーポイントを用いた説明のときに多くの学生がスクリーンをあまり見ていない。
講義の初めに,この日の講義目標と項目を述べると良いと思う。
アルゴリズムの説明は一部板書が理解を助けると思われる。
配付資料のみを見て,実際のスライドを見ている学生があまりいない。資料の配付は必ずしも教
育上いいとは限らないのでは?
10. マイクを使わない方が良く聞き取れるかもしれません。
11. パワーポイントは要点が整理されており見やすい。説明も分かりやすい。また,授業のスピード
も比較的ゆっくりとしており,学部生にとって良い。
12. 授業中に演習をさせたり,学生に質問したりする時間があればなお良い。
Ⅲ.研修会を終えて(改善計画)
.研修会を終えて(改善計画)
1.
翌週は,この回に解説した線形計画法の演習を控えていましたが,簡単な例題を解くデモンスト
レーションをするようにしたいと思います。
2.
居眠りしている学生が多い対策は現状特別していません。昼食後の講義なのである程度仕方ない
と考えていますが,気がついたときに注意を促すようしたいと思います。
3.
4.
要所で,学生に話しかけるようにしたいと思います。
講義の始めに,この講義の目標と項目を述べるようにしたいと思います。
-99-
5.
板書をして 120 名以上の受講者が遠くからも読めるように書くのは至難の業と思えるので,本講
義ではあえて板書を行っていませんが,板書した方が良さそうな図の説明などのときには,その
ようにしたいと思います。
6.
7.
大教室では,マイクとハンドアウトは必需品と思っております。
講義中に演習をさせたり,質問したりする時間を取り入れてみたいと思います。
-100-
工学部(第一類)
平成22年度年度
平成22年度年度 第一類 第2回教員相互の講義参観実施報告
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 7 月 2 日
1, 2, 3 時限
講義名: 設計製図
講義担当者: 澤教授,江口准教授,門井助教
場
所: B3-007 室
参観者: 篠崎教授,菅田教授,難波准教授
意見交換会:
: 2010 年 7 月 22 日 専攻・類教員会にて開催
Ⅱ.参加者アンケート (個別意見)
1. 全体を通じての感想
・製図教育が,かつて私が担当していたときより遙かに良くなっており感心しました.
・実習なので遅刻には厳しく対処すべきではないでしょうか.採点時の減点などされているのかもし
れませんが,大幅な遅刻者にはそれなりのペナルティをかすべきでは.
・TA をあと 2 人くらい増やしたらより効果的な指導が行えそうなので,検討してみてはどうか.
2. 講義内容は整理されていたか
・今回の課題はフランジ継手のであり,製図する部品の中で重要なポイントを,順番に丁寧に,OHP
の拡大図を使って説明されており,わかりやすい.特に,図面に関係する工具,部品の写真を取り
混ぜておられ,内容もよく整理されていた.
・講義の全体的な進め方はパワーポイントを利用して,説明も工夫されており良い.
・これまでの実績から学生がどこが分からないかを踏まえた授業で,説明も丁寧で,非常に良い.
3. 学生が十分に理解できる内容だったか
・すでに,レポート,講義などで説明されていたようなので,学生にも理解できる内容.
・学部一年生には少し難しすぎる内容かもしれない.
4. 情報機器の使い方は?
・2 人一組で,机の前にモニターがおいてあり,間近に OHP 画面を見ることはできるので良い.ただ,
OHP の画面のどこを見て話しているのかがわかりにくく,できれば画面の中を矢印を使って指す
とか,もしくは,やはり前にプロジェクターで映して説明した方が,わかりやすかったのではない
か.
・通常の講義と比べて充実した機材を用いており,使い方も良い.
5. 使用資料は?
・教科書,製図ノート,配付プリントを準備しており良い.
・できれば,CAD の教室に,作図する部品を持ち込み,まずそれを見て,さわらせてから説明される
と,より理解されやすいのではないか.
・今回の軸継手の説明において,キー溝の意味やはめあいなど実物を回覧したりして,実物をイメー
ジさせてあげた方がよいのではないか.
6. 学生の聴講の様子は?
-101-
・先生が前で説明しているが,ほとんどの学生はメモもとらず,ただ聞いているだけである.恐らく,
説明された OHP を後で見ることができるので,メモの必要が無いと判断しているのかもしれない
が,OHP に書いていないこともずいぶん説明されていたので,それらは学生達には残っていない.
たとえば,OHP 資料のコピーを配付して,重要事項を記入させることも考えられてはどうか.
・前回の課題提出を今回は新しい課題の説明の後にされていたので,説明中に前回の課題を行ってい
る学生がいた.授業前もしくは最初に提出させるなど工夫が必要ではないか.
・学生にとって興味がある授業のようで,真剣に聞いている学生が多いので良い.
7. 学生との対話を重視した雰囲気?
・授業の最初に図面を見て,疑問箇所を言わせておいて,説明に入るというやり方は,このような実
習科目においてまず考えさせるという点で,良い方法である.ただ,学生の質問の声が小さく,他
の学生に聞こえにくいようだったので,もう少し,学生全員が授業に参加しているという雰囲気を
作ることも工夫されてはどうか.
・一方的な説明に終わるのではなく,適宜学生に質問するスタイルも良い.
・適宜学生に質問される形式は良いが,一人の学生に聞くだけでなく,TA を徘徊させて,その場で学
生に答えさせて,説明する形式もあっても良いのではないか.今回の場合だと,はめあいの寸法許
容差の質問など.
・質問に対する学生の元気のなさが気になる.ただ,黙っているだけの学生には,もう少ししつこく
聞いてもよいのではないか.声が小さい学生が多いので,はっきりと受け答えをするように指導し
た方がよい.
Ⅲ.研修会を終えて(改善計画)
.研修会を終えて(改善計画)
参観者の意見を参考に,以下の点を改善する計画である.
1.全体を通じて
・遅刻者は,遅刻した時間を記録しておいて成績を減点することにしている.
・本授業における TA の貢献は極めて大きく,さらに増員したい.
3.学生が十分に理解できる内容だったか?
昨年度から 1 年生で授業することになり,設計計算の内容を一部削減した.投影法や製図規則
などの製図法に関しては 1 年生でも特に問題はなく,強度計算や加工法,材料の知識に関しては
授業の早い段階で詳細は後の講義で習うと説明しているので,1 年生でもそれほど無理を感じて
いないと思われます.また,設計製図の授業は本授業と 1 年後期 CAD の 1 年次だけしかないの
で,実習先行と割り切り,多少の無理はやむを得ないと考えます.
4.情報機器の使い方
部屋にプロジェクタは設置されておらず,補助モニタを利用した.画面上で矢印を動かす,説
明箇所が明確に伝わる説明にするなど工夫する.
5.使用資料
できれば教科書通りの実物を用意したい.
6.学生の聴講の様子
・分かりにくい内容については資料を配布するようにしている.また,パワーポイントファイル
は学生がいつでも閲覧できるように共有フォルダに入れている.さらに重要なものについては印
-102-
刷して配布するように改善し,メモをとるように指導する.
・課題の回収は,学生によって再提出課題の数が異なり,それなりに時間がかかるので,時間の
ロスを抑えるため通常は冒頭の説明後の実習中に TA が回収していた.説明時は課題をしないよ
うに指導しつつ,適宜適切な方法をとりたい.
7.学生との対話を重視した雰囲気
質問には大きな声ではっきり答えるよう指導する.学生に質問しながら説明をしているのは緊
張感を持たせる目的でそれ以上は想定してなかったが,さらに TA の活用などにより対話を重視
した雰囲気作りを考慮した方法も検討したい.なお,説明後の実習中や課題返却の際は,教員や
TA が随時個別に対応できていると考えている.
-103-
工学部(第二類)
「平成22
「平成22年度大学電気系教員協議会及び
22年度大学電気系教員協議会及び
大学電気工学教育研究集会参加報告会」
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 6 日(水)15:00~15:30
場
所: 工学部第二類会議室(C1-112)
内
容: 平成 22 年 7 月 29 日に八戸グランドホテルで開催された平成 22 年度大学電気系教員協議会
及び大学電気工学教育研究集会の参加報告会を行った。
講
師: 広島大学大学院先端物質科学研究科 准教授 天川 修平
参加者: 教員 52 名
Ⅱ.参加者アンケート
なし
Ⅲ.研修会を終えて
工学部第二類では電気系教育に取り組んでいるが,より質の高い教育を実現するためには同じ電気
系教育に取り組んでいる他大学と積極的に情報交換を行い,新たな教育への取り組み状況を調査する
必要がある。このため,平成 22 年度大学電気系教員協議会及び大学電気工学教育研究集会に参加され
た天川 修平先生を講師に招き,第二類の構成員にその内容をご紹介いただくことにした。今年度の研
究集会では3つの分科会が開催され,
「エネルギー環境教育の現状と課題」,
「高大連携による多様な大
学教育の在り方」,「産学官連携における大学の役割」に関する事例紹介とディスカッションが行われ
たとのことで,その概要を紹介していただいた。この 3 つのテーマについては第二類においても重視
しており,今回の報告会を通じて他大学の状況や取り組み方に対する理解が深まった。今後はこれら
の点を参考にしながら,第二類教育プログラム委員8名を中心に教育プログラムの改善について検討
していくとともに,第二類教員それぞれの担当科目の改善を継続していくこととした。
-104-
工学部(第二類)
平成22年度年度
平成22年度年度 第二類 第1回 講義参観および意見交換のまとめ
講義参観および意見交換のまとめ
Ⅰ.概要
講義日時:平成 22 年 5 月 17 日(月)14:35~16:05
講義科目:半導体デバイス基礎
担当教員:電子システムプログラム,天川修平
教室と出席学生数:218 講義室,数十名
意見交換会日時:平成 22 年 5 月 17 日(月)18:00~18:30
参加者(敬称略):東清一郎(電子システムプログラム)
,平嶋宗(情報工学プログラム),岡村寛之
(システム工学プログラム),山本透(授業担当)
,天川修平(授業担当)
Ⅱ.参加者アンケート
指摘事項
○授業資料について
・板書の字が大きく後ろからでもきちんと見えた。
・黒板も4分割にしており,整理された使い方になっていた。
・講義中のキーワード(フェルミ準位,電気化学ポテンシャル,など)は口頭の説明に加えて,板書
するようにした方がよい。
○対象学生について
・うしろの学生がゲーム機や携帯を使って騒いでいた(教務委員から注意喚起の掲示などで対応する
必要があるかもしれない)。
・教室の最後部の学生が一部私語をしていたが,大方熱心に聴いていた。
・授業中,ざわざわしている学生が見られた。
○講義について
*説明の仕方について
・説明が丁寧でわかりやすかった。
・板書,声で説明ともに分かりやすいものであった。
・目標や結論を事前に示しているので,各回で学生の学習目標も決めやすいと思われる。
・授業の初めに,今回の講義の目標について明示してから開始するのは大変よい進め方と思われる。
・化学ポテンシャルなど基礎の話しだったが,どう技術と絡んで行くかを説明していたのは良い。
・授業で学ぶことの目標やまとめを行っていたので,学生にとって何を学ぶのか,何を学んだのかが
分かりやすかった。
*内容について
・説明は分かりやすいと思ったが,2 年前期で熱統計力学を習い始めたばかり(電子物性基礎論)の
学生にとっては,今回の内容を理解するのは難しいのではないかと感じた。
・新設科目である「半導体デバイス基礎」は,様々なデバイス全般の動作原理,機能や応用に関する
概要を学ぶという導入的位置づけの科目なので,もう少し平易な内容にした方がよい。
-105-
*気になった点
・板書する時間,学生がノートを取る時間,説明をする(説明を聞く)時間のメリハリがあると良い。
・声は十分に聞こえていたが,私語をする学生がいたときのこと考えるとマイクを使うのも良いかも
しれない。
・40分あたりでぼちぼち集中力を切らせた学生が多くなってきた。集中力維持のためにも,どこか
のタイミングで演習やクイズのように考えるポイントがあると良いかもしれない(最後にクイズ向き
な話が出ていた)。
・基礎的な内容が,今後,半導体にどう関係してゆくかを折に触れて述べていたので,この授業で学
ぶことの必要性について伝えることができていたと思われるが,できれば,もう少しその関係を踏み
込んで説明できればよかった。
・若干,学生が考える時間が少なかったと思う。板書を写すだけで精一杯の学生もいたかもしれない。
時間の制約の中ですが,演習などの学生が考える時間をもう少し持たせることができればよい。
意見交換
・板書主体だと,学生は写すのに忙しく,例題を出しても考える余裕がなさそうで,もったいない。
・スライドと配布物中心にすると,学生の集中力が低下するので,バランスがむつかしい。
・ゲームや携帯で遊ぶなどして授業に集中していない学生の扱いをどうするかは課題である。授業の
妨害にならない限り放置していいかもしれないが,授業中の飲食などは微妙。
・
「半導体デバイス基礎」には,学生に早い段階で半導体関係分野の魅力を感じてもらうという役割が
あるので,その点も考慮して平易な導入となるようにしてほしい。
・山本教授の配布資料は書き込み用ノートも兼ねるよう工夫されており,配布資料と板書のバランス
を考える上で参考になった。
-106-
工学部(第二類)
平成22年度年度
平成22年度年度 第二類 第2回 講義参観および意見交換の
講義参観および意見交換のまとめ
および意見交換のまとめ
Ⅰ.概要
講義日時:平成 22 年 5 月 17 日(月)16:20~17:50
講義科目:自動制御工学
担当教員:電気電子工学課程,山本 透
教室と出席学生数:219 講義室,82 名
意見交換会日時:平成 22 年 5 月 17 日(月)18:00~18:40
参加者:東清一郎(電子システム課程)
,平嶋宗(情報工学課程)
,岡村寛之(情報工学課程)
,山本透
(授業担当)
Ⅱ.参加者アンケート
指摘事項
○授業資料について
・説明の部分と学生が記入する部分とがあらかじめしっかり準備されており,後から復習する際に
も使いやすい資料になっている。演習部分の答えを黒板から写しているだけになっている学生が
一部見られた。
・配布資料は講義ノートとして綴じることができるように工夫されていた。この工夫は見本として
広めてもいいように思う。また,記入できるように適切に空欄が設けられており,授業中の板書
と適切に連動していた。パワーポイントはうまく構造化されていた。
・スライド,講義ノート(印刷したプリント,穴あき),板書
○対象学生について
・授業開始時にざわついている学生がいたが,はじめにきっぱり注意することで,以降そのような
ことは一切なかった。
・概ね熱心に聴いていた。授業中の課題については,前半の単純な課題については全員熱心に取り
組んでいるように見受けられた。後半の難しめの課題の際には,教員の示唆に沿って相談してい
る姿も見られたが,取り組んでいない学生が少々見受けられた。
・寝ている学生,携帯をいじる学生が若干いたが,全体的に集中して聞いていた。
○講義について(感想を含める)
・重要な部分では学生の視線を集めるように注意喚起されており,学生にとっては授業のポイント
が分かりやすくよい方法であると感じた。
・解説と演習がよいバランスで取り入れられており,学生にとっては分かりやすく,また集中力を
持続させやすいようによく工夫された授業だと思う。現在学んでいることが実社会でどのように
応用されているのかにも触れられていて,実感が湧きやすいようによく配慮されていると思う。
・授業の進行にしたがって,学生が行うべき活動,前を向く,課題を解く,話を聞く,相談する,
などの指示を行っており,学生にとって参加しやすい授業であったように思う。
・各例題間の関係が説明されていたので,より包括的な理解を得ることが可能になっていたと思わ
-107-
れる。
・再度の授業のまとめは,有用であったと思う。
・課題を時間内に自力でできた人と,回答を写しただけになった人の差が大きかったように思う。
できる人とできない人のどちらに合わせるかという解決不可能な問題になるが,授業がうまく構
成されているだけに,その差が目立つような気がする。
・学生が書くタイミング,問題を解くタイミング,説明を聞くタイミングを指示していたので,学
生の集中力の高かったように思える。
・積分系,一次遅れ,一次遅れ+微分系,二次遅れの物理上での対応が明解に説明されて,学生の
理解が深まったと思う。
・左右にスライドのスクリーンがあって,真ん中の黒板で板書する形式は良いと思った。(真ん中
にスクリーンで左右の黒板が使いにくい講義室も多いため。)
・ラプラス変換の演習で答えが後で出るからと思って,手を動かしてない学生がいた。(「テスト
はこんな感じの問題」と言うのを聞いてからは手を動かしていた。)
・退室した学生と携帯をいじっている学生がいた。(携帯をいじっている学生はラプラス変換の演
習はすぐに解いていたので,集中力が切れていたわけではないと思う。)
意見交換
概ね上記記載の内容について意見交換を行った。これらをまとめると以下の通りである。
・講義ノートは学生が学習しやすいように配慮されている。
・スクリーンでの資料提示は学生の理解に繋がっている。
・途中退出する学生,携帯電話をさわる学生に対する対処を講じるべき。
・講義を集中して聞いている学生とそうでない学生の差が大きい。どのような工夫をすれば,その
差を解消できるよう工夫すべきである。
-108-
工学部(第二類)
平成22年度年度
平成22年度年度 第二類 第3回 講義参観および意見交換のまとめ
講義参観および意見交換のまとめ
Ⅰ.概要
講義日時:平成 22 年 6 月 30 日(水)12:50~15:10
講義科目:システム工学実験Ⅰ インダストリアル・エンジニアリング
担当教員:システム工学課程,広谷大助
教室と出席学生数:A1-142 院生講義室,23 名
(当初は A1-143 セミナー室使用予定だったが,プロジェクタスクリーンのトラブルにより変更)
意見交換会日時:平成 22 年 6 月 30 日(水)15:20~15:40
参加者:東清一郎(電子システム課程)
,平嶋宗(情報工学課程)
,岡村寛之(システム工学課程),
広谷大助(授業担当)
Ⅱ.参加者アンケート
指摘事項
○授業資料について
・使用資料:(1)テキスト(150円で販売) (2)パワーポイントスライド (3)黒板 (4)ビデオ
・授業の流れと資料がよく対応していて使いやすい授業資料になっている。
・「インダストリアルエンジニアリングとは何か」という説明にビデオを利用するのは分かりやす
い。
○対象学生について
・テキスト音読,演習の黒板での解答は良いと思います。
・ビデオを見る際も課題があったので学生は集中して見ていたように思います。
・ほとんどの学生が集中して授業を受けていたが,ごく少数居眠りしている学生が教室後方に見受
けられた。
・長時間にもかかわらず,学生は熱心に受講していた。
○講義について
良いと感じた点
・適度に学生に対して,刺激を与えていた(音読や演習解答)ので集中していたと思います。
・成績評価などを明確に示していたので良かったと思います。
・資料配布,グループ分け,出席確認などが効率的に進むようによく工夫されている。
・説明は声が十分大きく聞き取りやすい。
気になった点
・実験科目ですが(今回は)講義形式に近かったので学生の集中力を保つためにもどこかのタイミ
ングで休憩をとっても良いのではと思いました。
・部屋が狭く,また,プロジェクタを利用しているため,照明を落としている時間が長いが,照明
があったほうがよいと思われる黒板や資料の利用時間帯も長い。このことも今後の検討課題と思わ
れる。
-109-
・演習時はグループで相談しながらやっても良いのではと思いました。
・授業内容としては十分理解できる内容と思うが,体系化することの意義については実際の生産現
場を知らない学生にとっては現実感を持つのは難しいかもしれないと感じ。IE が現実的のどの程度
効果的かを定量的に説明する(例えば利益が大幅に伸びた実例など)
といいかもしれないと感じた。
・サーブリッグ記号を用いるとどういった利点があるのか?どういう風に役立つのか?について説
明を加えるとより分かりやすいと感じた。
・関連授業を受講済みと受講済みでないが学生がいることをどう授業に反映させるかが今後の課題
であると思われる。
・グループワークのためには,部屋のサイズがもう少し大きいほうがよいように思われる。この点
は,グループワークの際には二部屋利用により対応可能と思われる。
・プログラム設計に関わることですが下記の点が少し気になりました(講義参観そのものの趣旨と
はあまり関係ありません)。
他の講義と実験とのリンク・整合性がどのようになっているかが気になりました。
システム工学課程のなかでの実験の位置付けとも関連しますが,ブレーンストーミング,
KJ などのアイデアや発想をまとめるツールを使う練習も演習に入れても良いのではと
思いました。
意見交換
・システム工学課程の学生は講義で同時期に高橋教授の“インダストリアルエンジニアリング”を
履修し,ある程度本課題の内容を理解しているものと思われる。従って,該当講義を履修している
学生と履修していない学生両方に対してどのような対応(説明・班分けの仕方)をするべきかを考
える必要がある。なお,このように並行するようになったのは本年度からである。
・本実験ではプロジェクタを使用するためほとんど電灯をつけずに講義を行った。これは過去のレ
ポートの感想で“電灯をつけたり消したりする回数を減らして下さい”があったからである。しか
し,演習の時間や黒板で説明している時には電灯をつけるか,プロジェクタをもっといいものにし
て明るい場所でも見えるようにする必要がある。
・TA がほとんど働いていないためもう少し活用するようにすれば良いのではないか?
・実際のモノ(LEGO)を用いてする演習では作業スペースが狭すぎるため必要ならば2部屋同時に使
用すればよいのではないか?
・休憩時間を取った方がよいのではないか?
・ブレーンストーミングのやり方を教えて討議させたらどうか?実際,グループ課題は1年生でも
ある(プログラミング演習 I)が,討論する形式ではなく,他に教える授業は今現在ない。
Ⅲ.研修会を終えて
改善・今後の対応
・今回,同名の講義と始めて並行することになったため,受講している学生には分かりやすく関係
を説明するように心がけた。しかし,受講していない学生もほぼ半数いることから説明のバランス
を考えて行うことにしたい。
・電灯は臨機応変にし,プロジェクタ使用時は暗く,黒板使用時は明るくするようにする。なお,
-110-
頻繁に切り替えることのないように順番は工夫する。
・休憩は区切りのいい所で学生に聞き,必要ならば休憩を取らせるようにする。
・作業スペースの拡大については授業参観の次の週の実験で A1-142,143 の2部屋を使用し行った。
見る限り以前よりはやりやすいように見えた.
・TA の活用は別の週ではプレゼンテーションに対する質問をさせたり,採点をさせたりしているが,
講義参観の該当週についても今後検討していく。また,ブレーンストーミングのやり方も今後検討
していく。
・なお,良かった点で指摘された事項は今後とも続けていきたいと考えている。
-111-
工学部(第三類)
平成22年度第1回教員授業参観(化学工学プログラム)
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 7 月 15 日(木)1時限~2時限(8:45~10:15)
科目名: 環境科学基礎論
場 所: 工学部 116 講義室
参加教員: 木原,福井,矢吹,後藤,山本(敬称略)
Ⅱ.参加者アンケート
○本講義科目全般について(講義の方法,学生の受講態度など,お気づきの点をご記入下さい)
・ PowerPoint+書込み用学生配布資料での講義で,学生が資料に書込みを行うための時間を設けるな
どの配慮は好ましい反面,書込みのための待ち時間が長いように感じた。
・ 声も大きく,その大きさを変化させるなどメリハリが利いた説明の仕方であった。
・ 講義前半,学生の受講態度も良く講義に集中していたが,後半は居眠りや内職,携帯によるメール
などの内職が見られた。
・ 悪天候のためか,受講者が少なく,遅刻者が多くみられ,講義終了 10 分前にも遅刻者が来ていた。
・ 講義資料にキーワードを書込みながら進めて行く方法は,学生の注意を引きとめておく上で有効で
あると感じた。
・ テキストもノートもないので,指示された言葉を書き込むだけの学生もおり,講義する側がここま
で準備, 提供してあげないと,講義について来られない学生が大部分になっていることを意識する
必要があると感じた。
・ プロジェクターを利用した講義で,スライドは配布資料として準備されていた。
・ 声量, 説明いずれも的確であり,すぐれていると思われる。
・ 学生も真剣に聴講はしているものの,積極的な授業参加は余り感じられない。
・ 個人的には,板書の方が学生の頭に入りやすく,遅刻者も少なくなると思うので,レジメ配付
+PowerPoint よりも板書の方が良いと思う。
・ 学生が前の方に着席しないことが気になった。2 年生前期の講義なので難しいかもしれないが,前
の方に座るよう指示するのも良いかと感じた。
・ 学生はまじめであると感じた。
・ 双方性授業を心がけており,比較的ゆっくりとした講義進行であった。メモを取る時間を設け,メ
モの部分は囲み又は赤字となっていた。
・ 雨のため出席率が低かったが,出席している学生はよくメモを取っていた。ノートにまとめる事を
うながしても良いと感じた。
・ 授業の進み方をもう少し速くした方が良いと思う。中には合間に他講義の宿題をしている学生を見
かけた。
○講義内容,実習の説明など講義実施状況について
・ 資料に書き込ませるための待ち時間が長く,少しだれ気味な印象があった。
・ 既習内容の復習などを学生に回答させたりするなど,講義に集中させる工夫が見られた。
・ 環境基礎論に適した講義内容で 2 年前期には適切かもしれないが,幾分,教養教育的な印象を持っ
-112-
た。
・ 出席の把握が講義最後の小テストであるために,遅刻者がおおいのではと感じた。出席, 遅刻の厳
格化が必要かも。
・ 学生が資料に書込みをする間,空白の時間が生じてしまうが,学生が講義について行く上では有効
な時間配分となっていると思った。
・ 講義速度はほとんどの学生にとって適切であったが,一部の学生には少しゆっくりしているかもし
れない。
・ 全般にとても良い講義であり,1 コマ目で出席を取らないために,遅刻者が多いのが非常に勿体無
いと思う。
・ 要所で学生に問いかける場面があり,適度な緊張感がある授業であるが,学生のレスポンスは余り
良くないと感じた。
・ 授業の目的,なぜこの講義内容を学必要があるのかを学生に理解させる必要があると思われる。板
書も適度にある方が良いと思われる所があった。
・ 声が大きく,よく聞こえて良いと思った。
・ 声は後ろでも十分に聞き取れた。
・ レーザーポインターの方が良いと思った。
・ 教科書はないのですか?
・ もしテキストがあると授業はどうなるのでしょうか?
・ 人数が多いこともあり,スライドが印刷されノート代わりになっており,学生は授業を受けやすい
と思った。しかし,定着性が十分か気になった。
・ エネルギーについて収支をとらせてはどうでしょうか?
Ⅲ.研修会を終えて
○被参観者コメント
・ 演習等,居眠りや内職をさせぬ工夫を心がけます。
・ 小テスト解答用紙(問題非印字)を冒頭に配布するなど,遅刻を抑制する策を試みます。
・ ガイダンス時に,各講義について予習する内容は指示しております。予習を促すため,配布資料の
事前配布を検討します。
・ 参加するための工夫,例えば,途中での演習の導入を図ります。
・ 70 名ほど受講していますので,通常は前の方まで着席していますが,状況に応じて指示をします。
・ 書き込み内容のボリュームを再検討します。
・ 本講義は次回とのセットになっており,次回はより専門的な内容を扱います。
・ 目的は,ガイダンスの際に説明しております。
・ 板書の利用も図ります。
・ 本講義の内容を網羅したテキストはなく,配布資料を使用しています。但し,個々の内容を扱った
テキストは利用できますので,今後,参考となる資料を紹介することとします。
・ 本形式で講義を行って 2 年目となります。成績の推移をみながら,定着生の向上を図りたいと思い
ます。
・ 計算は,上述のコメントで申し上げた演習の一つになりますので,問題を検討いたします。
-113-
工学部(第三類)
平成22年度第2回教員授業参観(化学工学プログラム)
平成22年度第2回教員授業参観(化学工学プログラム)
Ⅰ.概要
日
時: 2011 年 1 月 13 日(木)1時限~2時限(8:45~10:15)
科目名: 物理化学Ⅱ
場 所: 工学部 114 講義室
参加教員: 矢吹,山本,後藤,飯澤,春木,福井,中井,吉岡,木原(敬称略)
Ⅱ.参加者アンケート
○本講義科目全般について(講義の方法,学生の受講態度など,お気づきの点をご記入下さい)
【全般】
・1 コマ目にもかかわらず遅刻や寝ている者が少ない。
・真冬の 1 コマ目で,欠席者が多目のように思えた。
・欠席者は固定されていないかどうか気になった。
・まじめにノートを取っている者が多く,概ね受講態度は良好である。
・テキストを持っていない学生(4,5 名)が散見された。
・板書した図を用いながら説明することは学生にとって理解しやすく,また黒板に集中しやすい(プ
リントや他の教材を使わなくても学生の気をそらさずに理解させることができる)。
・特にテキストがなくても必要なことは理解できるようになっている。
・イメージのつかみにくい自由度の説明について,図示することで学生に分かりやすく丁寧に説明さ
れている。
・数人の学生は集中力を欠いていた(4,5 名)が,ほぼすべての学生はノートをとっており,全体と
しては比較的良好な授業態度であった。
・中間試験後の結果について面談する実施方法は参考になった。
・板書の文字のサイズは適当と思われる。
【改善提案】
・出欠を取るとき,名簿を見ているので声が後に届きにくい。
・本格的な演習でなくとも講義中に問題を解く機会があるとよい。
・口頭で重要なことが説明されているにもかかわらずノートにそれを取っている学生は皆無のように
思えた。説明のポイントをノートに筆記させることをうながしてよい。
・ノートを全くとっていない学生もいたが,本人次第なのかもしれないが,ノートをとるように促し
てよいのでは。
・ノートを書くことがとても遅い学生がいるが,これも本人次第なのかもしれないが,素早く書くよ
うに促してもよいのでは。
・声量は十分であったが,もう少し抑揚をつけた方がわかりやすい。
・講義の話し方や間の取り方は良く聞きやすかったが,声が小さいかなと思われた。
・学生の理解度を試すと共に,能動的受講態度を維持できるように学生への質問が途中にあって良い。
・講義がやや単調に思われ,学生に回答させるなど,理解度を確認しながら進めてよいのではないか。
・学生が受け身授業にならないように,時々話題を変えてみて学生の注意を再度促すような工夫があ
-114-
ってよい。
○講義内容,実習の説明など講義実施状況について
【全般】
・講義内容は分かりやすい様に思われる。
・非常に丁寧に板書されており,説明もとても丁寧かつ論理的である。
・説明は分かりやすい(変数の説明が丁寧になされている)が,学生がそれをノートにとっていない
ことが気になった。説明されたことが受け流されているかもしれない。
・各種相図の関係,導出が分かりやすく解説されていた。
・図と数式をうまく組み合わせることで,内容の理解が深まっていると思われ,非常に効果的な授業
方法である。
・相図について各相図の関係を式を使って順に解説しているので,学生が式と図の関連を理解しなが
ら講義についていっている。
・ノートを取りやすい板書方法と速度であったので,その場で理解できなかったとしても後でノート
を中心に復習すれば理解できるようになっている。
・“この式は憶えなくてもよい”というのは大変良いと思う。
・“これから書く図は大きめに書く”という指示は良いと思う。
・中間試験後のレポート面談を実施する等,きめ細やかな指導がなされている。
【改善提案】
・板書されている図中の文字や変数はやや小さいかもしれない。色付チョークをもう少し多用した方
がより効果的である。
・重要な式はテキストの式番号を板書すると復習時に関連するテキストの箇所を明示することになり
学習しやすくなるのではないか。
・板書でテキストの対応(ページ番号や図番号)をつけられるようにしたらよいと思われた。
・気液,気固,液固,結晶,非晶の説明時には図を板書して説明した方がわかりやすかったのではな
いか。
【その他】
・説明にあったレポートの配点とシラバス上での配点が異なっていたが変更があったのでしょうか。
・面接の点数はカットされるのでしょうか。
Ⅲ.研修会を終えて
○被参観者コメント
改善案に対しましては可能な限り今後の授業に生かしたいと思います。なお,
「その他」にある「面談
のレポート点の取り扱い」に関しましては,今回の面談・レポート提出を30点満点のレポートとし,
その他のレポート(通常は10点満点)と併せて合計して,これを成績評価の全体の20%の得点と
する,という意味です。シラバスとは矛盾しませんのでご心配なく。
-115-
工学部(第三類)
平成22年度第1回学部相互授業参観意見交換会報告書
平成22年度第1回学部相互授業参観意見交換会報告書(応用化学プログラム)
報告書(応用化学プログラム)
工学部第三類応用化学プログラムでは毎年,学部授業の質改善を目的として所属教員による授業参
観を行い,その内容についての意見交換会を行っている。今年度第1回目の意見交換会は有機系科目
として瀧宮和男教授の『有機構造解析』
(3年前期開講科目)を取り上げた。
Ⅰ.概要
日 時: 2010 年 6 月 23 日(水) 17:00~17:20
場 所: 3類大会議室
出席者: 瀧宮,大下,定金,福岡,今栄
参観記録提出者: 大下,定金,福岡,今栄,播磨,佐野,犬丸,早川,吉田,中山,駒口,大山
参観実施日時:2010 年 6 月 23 日(水)1・2 限(1 コマ目)
場 所:114 講義室
科目名:有機構造解析(講義担当者:瀧宮和男教授)
参観者:大下,定金,福岡,今栄,播磨,佐野,犬丸,早川,吉田,中山,駒口,大山,他数名
Ⅱ.参加者の意見
1.講義内容について
・とてもわかりやすい説明で,黒板での説明・スライドの使い方が効果的だった。
・教員の声は聞き取りやすかった。また,学生の方を見て話しかけるように説明していたため,
話のテンポが良かった。
・板書の仕方(チョークの配色など)が良かった。
・板書とプロジェクタを併用し,投影したスペクトル図などを指し示しながら説明しており,
学生が説明内容をフォローしやすくしている点が良かった。
2.学生の態度,授業に対する取り組みについて
・学生が熱心に演習問題に取り組み,積極的に参加している様子がうかがえる。
演習問題を解いた学生には最高5点を獲得できる仕組みにしていることも積極性を高める
よい工夫点であることが考えられる。
・問題を解くときに学生間で相談することがあるため若干ざわついた感じがあるが演習問題を
解くための議論なので問題ないものと思われる。
3.改善点について
・説明が丁寧に行われていたため,授業進度が確保できているかの懸念があったが,この件に
ついては講義内容に重みづけをすることで最近では問題ないことがわかった。
4.その他
・114講義室は黒板が狭く,プロジェクタとの併用が難しいため,長期的には講義室の改善が
求められる。
Ⅲ.研修会を終えて
上にまとめた意見からもわかるように,授業参観に参加した教員の中には,自身の講義に取り入れ
てみようと思える授業方法を見出すことができており,本会の開催が教育の質改善という意味で意義
深いものとなったことは明らかである。
一方,教室の黒板が狭い,プロジェクタとの併用が困難といった教員では解決できないハード面で
の問題があり,これらについては大学側の積極的な対応を求めたい。
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工学部(第三類)
平成22年度第2回学部相互授業参観意見交換会
平成22年度第2回学部相互授業参観意見交換会報告書
2回学部相互授業参観意見交換会報告書(応用化学プログラム)
報告書(応用化学プログラム)
工学部第三類応用化学プログラムでは毎年,学部授業の質改善を目的として所属教員による授業参
観を行い,その内容についての意見交換会を行っている。今年度第2回目の意見交換会は無機・物化
系科目として早川慎二郎准教授の『分子分光学』
(3年後期開講科目)を取り上げた。
Ⅰ.概要
日 時: 2010 年 11 月 4 日(木) 17:00~17:15
場 所: 3類大会議室
出席者: 早川,大下,塩野,高木,中山,定金,米山,駒口,今栄
参観記録提出者: 大下,塩野,高木,犬丸,佐野,中山,定金,米山,駒口,井出,今栄
参観実施日時:2010 年 11 月 4 日(木)3・4 限(2 コマ目)
場 所:112 講義室
科目名:分子分光学(講義担当者:早川慎二郎准教授)
参観者:大下,塩野,高木,犬丸,佐野,中山,定金,米山,大山,駒口,井出,今栄
Ⅱ.参加者の意見
1.講義内容,授業に対する取り組みについて
・前回の復習から始まり,導入からわかりやすい授業である。
・学生にも質問するなど,学生の集中を促すことも効果的である。
・板書も順序良くわかりやすい。
・声の大きさも十分で,話す速度も適切である。
・黒板を区切って板書しているので非常に分かりやすい。
2.学生の態度について
・後部の学生の私語が目立っていた。
3.改善点について
・黒板の下方2/3の板書は後方の席からは見えにくい。
・色チョークを使ったほうがわかりやすい。
(本来は心掛けていたようだが,この日はたまたま
色チョークがなかったらしい)
4.その他
・講義室が小さく学生が窮屈そうにしていた。中間・期末試験もこの部屋で行われるらしく,隣
接する学生間での不正行為が不安視される。早川准教授自身も広い講義室を希望しており,次
年度以降の部屋割に考慮されることを期待する。
Ⅲ.研修会を終えて
Ⅲ.研修会を終えて
今回も授業参観に参加した教員が自身の講義に取り入れてみようと思える授業方法を見出せており,
本会の開催が教育の質改善という意味で意義深いものとなったことは明らかである。
一方,講義室が小さく階段状になっていないうえに黒板の位置が低いために,後方の学生には板書
が見づらいとの意見が出ており,今回も教員側では解決できないハード面の問題点がでている。この
点についても大学側の積極的な対応を求めたい。
-117-
工学部(第三類)
平成 22 年度第 1 回授業参観報告(生物工学プログラム)
回授業参観報告(生物工学プログラム)
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 12 月 1 日(水)5, 6 限(12:50-14:20)
場
所: 工 116 教室
授業科目: 生物資源利用学(3 年次後期:担当 柿薗 俊英)
出席者(敬称略): 柿薗,中島田,荒川,中の,河本(記録者)
意見交換会: 14:20-14:35
Ⅱ.参加者の意見
【良かった点】
・配付資料がわかりやすくまとめられており,良かった。
・バイオ燃料に関する基礎から時流を得た最新動向までを網羅した講義構成は魅力的であり,大変参
考になった。
【改善点コメント・アドバイス等】
・パワーポイント主体の講義の場合,適宜板書などを織り交ぜると学生を飽きさせないとともに彼ら
の理解も深まるのではないか。
【その他】
・本講義はカリキュラムの変更に伴い本年度にて廃止となるが,次年度以降の当該内容は基礎生命科
学(1 年次後期)やバイオテクノロジー概論(2 年次前期)において紹介する機会があること,また
専門各論については大学院講義において取り上げていることを確認した。
-118-
工学部(第三類)
平成 22 年度第 2 回授業参観報告(生物工学プログラム)
回授業参観報告(生物工学プログラム)
Ⅰ.概要
日
時: 2010 年 12 月 3 日(金)1, 2 限(8:45-10:15)
場
所: 工 112 教室
授業科目: 情報分子生物学(3 年次後期:担当 田島 誉久)
出席者(敬称略): 田島,中島田,荒川,河本(記録者)
意見交換会: 10:15-10:30
Ⅱ.参加者の意見
【良かった点】
・講義と演習をセットにした授業構成は大変わかりやすくて良かった。
・教科書から講義のポイントを厳選・明示し,かつゆっくりと丁寧に解説されている点は参考になっ
た。パワーポイントスライドも周到にわかりやすくまとめられていた。
・演習用の配付プリントに学生からの質問・コメント記入欄を設けて,リアルタイムな授業改善に役
立てられている点も良かった。
【改善点コメント・アドバイス等】
・板書を要所に挟んだ講義を実践されると更に良くなるのではないか。
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工学部(第四類)
2010年度第1回教員相互の講義参観 実施報告
社会基盤環境工学プログラム
盤環境工学プログラム)
(社会基
盤環境工学プログラム
)
Ⅰ.概要
日
時
2010 年 12 月 16 日 3,4 時限
場
所
学士会館
講義名
教養ゼミ
講義担当者
出席者
川西准教授(総括)
土田,大橋,塚井,尾崎,一井,石田,加納
意見交換会
2011 年 3 月 4 日 10:00~12:00 社会基盤環境工学プログラム科目別 WG にて開催
Ⅱ.参加者の意見
講義に加えて,施設見学を行い,最後にポスター発表会を実施した.
「学生による授業評価アンケート」の結果は良好で,特に施設見学は好評であった.改善点として
は,ポスター発表までの準備期間が短すぎることが挙げられていた.
○教員からの意見
・自主的に班を組んで何かやることには意義があったと思う.
・外部講師(広島市と JICA)による講義は学生にとって良い刺激になったと思う.
・班員が自主的に発表テーマ,提案内容などを議論して,ポスター発表会を実施できたことには,
意義があったと思う.
Ⅲ.研修会を終えて
Ⅲ.研修会を終えて
改善計画
・受講生の人数が 143 名に上ったため,班の人数が多すぎた(8~9 名)
.ポスター発表会を 2 回に
分けるなどして,班員の数を減らしたい.
・ポスター発表会および準備でのディスカッションの時間を多く取れなかった点を改善する.
・プレゼン方法の指導が十分ではなかったので,この点も改善したい.
-120-
工学部(第四類)
2010年度第2回教員相互の講義参観 実施報告
社会基盤環境工学プログラム
盤環境工学プログラム)
(社会基
盤環境工学プログラム
)
Ⅰ.概要
日
時
2011 年 2 月 7 日
場
所
110 講義室
講義名
社会基盤環境デザイン
講義担当者
出席者
3,4,5,6 時限
土田孝教授(総括)
土田,佐藤,日比野,河合,大橋,塚井,尾崎,加納,有尾,駒井,椿,石田
意見交換会
2011 年 3 月 4 日 10:00~12:00 社会基盤環境工学プログラム科目別 WG にて開催
Ⅱ.参加者アンケート
本科目について個別のアンケートを行った結果は以下の通りであった。なお,平均の括弧内の数字
は昨年の平均である。
1.内容は課題説明の時に想像していた内容と一致していたか。
平均 1.31(1.18)
(1=ほぼ一致,2=少し一致,3=違う, 4=かなり違う)
平均 1.21(1.09)
2.課題は興味深いものでしたか。
(1 =はい, 2=いいえ, 3=どちらでもない)
平均 1.41(1.49)
3.課題の難易度は適切で理解可能の範囲だったか。
(1=はい, 2=いいえ,
3=どちらでもない)
平均 1.00(1.13)
4.授業は有益でしたか。
(1=はい,2=いいえ, 3=どちらでもない)
5.
課題に意欲的に取り組みましたか。
平均 1.34(1.22)
(1 = 「はい」, 2 = 「いいえ」, 3 = 「どちらでもない」)
6.授業時間以外に平均で週何時間,課題に取り組みましたか。 平均 1.82(2.07)
(1 =2 時間以下/週, 2=2 時間〜4 時間/週, 3=4 時間以上)
7. グループ内でのあなたの貢献度は
平均 2.13(1.93)
(1 =高い, 2=平均,3=低い)
8. 他の課題に比較して取り組んだ時間は長いと思いますか。
平均 2.21(1.91)
(1=長い,2=同じ,3=短い, 4=わからない)
9.総合的に判断して,社会基盤環境デザイン科目に満足しましたか。
(1=満足, 2=やや満足, 3=どちらでもない,
平均 1.44(1.68)
4=少し不満, 5=不満)
学生の自由記述として具体的なものをあげると,以下の通りであった。
●よい点
(防波堤 G)
・港湾へ見学に行き,実際に目で見れたのが大きかった。建設会社の方のお話を聴けた。
・実験をすることでイメージが鮮明になり,まとめとして最適であった。
-121-
・企業の方が講義して下さったのも刺激になりよかった。
・外力の計算→設計→施工→積算→実験までの流れを通して見ることが出来た。
・積算のお話を企業の方から聞けたこと。自分で何かを設計するという作業ができた。
・他の授業では習わない知識を自分で調べる機会が得られたこと
・今まで学んできたことを使って実際の設計が出来たので,より理解が深まった。
・物を設計する工程を一通りやってみることで,土木技術者の仕事の大変さを思い知ることが出来
た。
・今まで履修してきた科目への理解がより深まった。
(RC 梁 G)
・自分たちで自由に設計できた
・自由度が大きくていろいろと自分たちで変えることができた
・好奇心に対して先生が否定せずいろいろとチャレンジさせて下さった
・実際に自分たちで設計し,打設することで,ただ配合設計を計算するより,より身に付いた。
・自分たちで考えたコンクリートができるのは初めてで班ごとに様々なコンセプトを考え評価値を
競うようにしたのは楽しみながらできた。また,自分たちのコンクリートに期待を持つし,他の班
の設計が気になるので意欲的に知識や関心が高くなると思う。
(廃棄物 G)
・それぞれの班で,班独自の案を出し,自由に設計できるという点が良かった。これまでに学んだ
知識を活かし,かつ,新しい発想をその知識と組み合わせていくことで,一人ひとりの創造力が磨
かれたと思う。
・実験をやった後でパソコンを使って計算をしていくうちに何をやっていたのか,目的とか具体的
にわかった。
・デザイン科目では,3 つの科目に分かれ,さらにその中でグループ分けをして行った為,少人数で
行うことで理解をしっかりと深めることができ良かった。また,グループ活動であったのでお互い
協力し合ってやることの大切さを学ぶことができました。
・自分のしたかったことなので,知識が深まって良かった。パワーポイントを使いこなせないこと
を痛感した。
・自分たちで考えて実験を行う点が良かった。また,1つのテーマに長時間取り組むことが出来た
ので,前期の学生実験よりもテーマに対する理解をとても深めることが出来た点が良かった。
・紙の上で学ぶだけでなく,実際に目で見て実感することができたので,とてもわかりやすかった。
生ゴミの入れ方や量など,すべて自分たちで決めたので,いい勉強になったと思う。実験を通じて
知識・理解が深まった
●また,改善点としては以下の意見があった。
・課題の達成感を感じるためにも,課題の設計通りに実験を行える場が必要であると思う。マウン
ドや消波ブロックの形状は 3 班でちがうので,3 班同時に実験をするのは本来よくないと思う。
・もっと自由な形や位置,大きさのケーソンを設計できるようにしても面白いと感じた
・最終発表の日程はテスト期間以外にしてほしい。
・基準ばりがベースであったためコストなどがそこまで上げることができなかったのでより強いコ
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ンクリートを作れないのが残念だった。スタラップを入れると必然的にコストが上がってしまうの
で曲げ耐力で壊れる設計ができなかった。
・生ゴミの選び方についてもう少し説明が欲しかった。
Ⅲ.研修会を終えて
●以上の結果を参考に教員の個別意見としては以下のものがあった。
・それぞれのグループにおいて学生自身が考えてまとめたことがわかる。満足度も高いので授業の
目的は達しているのではないか。
・改善点の指摘事項は昨年に比べレベルの高い内容が多かった。それだけ学生がしっかり取り組ん
でいたと思う。
・昨年 3 つのテーマにより学生の負荷に差があるような気がする,という意見があった。今年も学
生の意見の中に同様のものもあったが,同じという回答が増えているので問題はなかったと考える。
・内容的に通年の科目にしないと学生が十分に消化できないように思える。通年にすることも検討
してはどうか。
・3 年間同じテーマで実施したことで,内容は年ごとに充実してきた。その反面,当初予定してい
た新しい課題との入れ替えができていない。
・当初は2課題で実施し 2 年くらいで入れ替える,という構想であったが,実際には3課題での実
施となった。やってみると3課題が妥当で,これを2課題とすると各課題の学生数が多くなり負担
が大きいという問題がある。
・新しい課題については学生の要望もあり,今年度教員の欠員が多いことも考慮して負担が分散す
ることを考慮して検討する必要がある。
●改善計画
・全体として学生の満足度は高く,当初のねらいはほぼ達成されている。各課題の改善点につい
ては検討し改善を進めることとする。
・新しい課題については学生の要望もあり,検討する。具体的には,橋梁など土木構造分野,河
川工学分野の課題が考えられるが,今年度教員の欠員が多いことも考慮して負担が一部の教員に
集中せず,分担して取り組めるような課題を検討していく。
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工学部(第四類)
平成 22 年度 輸送機器環境工学プログラム
輸送機器環境工学プログラム FD 報告
平成 22 年度前期 輸送機器環境工学プログラムの授業参観を実施し,参観後,意見交換を行った。
Ⅰ.概要
日
時: 2010.7.26 14:35~15:45
場
所: 工学部 105 室
出席者: 土井,岩下,陸田,中島,平田,田中(義)
,作野
授業科目: 特別研究プロジェクトⅠ 担当:陸田(指導教員 岩下,作野)
内
容: 最終プレゼン発表会(1 人 10 分,質疑 3 分含む)を行った。卒論発表会と同形式でプレ
ゼン評価を行い,総合成績に反映させた。
Ⅱ.参加者の意見
・今回から設けた GPA による受講基準(制限)は妥当なものであり,容易な受講が出来ない処置と
しては適切であった。但し,対象学年によって基準値を変える必要があると考えられる。
・受講した学生は,全員まじめに取り組んでおり,単位数に見合った時間を割いている。
・受講者は,授業時間以外にも課題研究に取り組み,十分な研究時間を割いている。但し,単位数と
受講時間との関係から,指導する上で十分な配慮が必要。
・評価方法(指導教員+プレゼン評価教員)としては妥当なものである。
・プロジェクトⅠおよびⅡの両方を受講することに制限が必要であるかもしれない。
・プロジェクトテーマの内容として,ミニ卒論として位置付け以外のテーマを増やした方が良い。
・今後もプロジェクト科目として,積極的に推進した方が良い。
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工学部(第四類)
平成 22 年度 建築プログラム
建築プログラム教員相互の講義参観
プログラム教員相互の講義参観 実施報告
Ⅰ.概要
科
目: 建築構造力学 II,2 年生,専門基礎科目(必修)
日
時: 2011 年 1 月 25 日(火)3-4 時限 10:30-12:00
場
所: 108 号教室
講義担当者: 松本慎也
出席者: 杉本,大久保,西名,荒木,近藤,千代,藤本,水田,石垣,田中(計 10 名)
講義を参観して,講義参観記録を各自作成していただいた。講義終了後,それをもとに若干の意見
交換をし,参考資料として講義担当者にそのコピーを手渡した。また,それをもとに講義担当者に改
善計画を作成していただいた。講義参観記録の中の主なコメント(良かった点,参考にすべき点,考
慮すべき点,改善にすべき点)
,および,改善計画を以下に記す。
Ⅱ.参加者の意見
( 良かった点,参考にすべき点 )
・ よく通る声で,滑舌もよく,明快で分かりやすい。
・ 板書は大きくて,きれいで見やすい。板書が分かりやすい。
・ 丁寧に講義されている印象を受ける。
・ 板書,スクリーンだけでなく,実際に問題を解答させる点が良い。勉強になった。
・ 考え方を細かく,順を追って説明しておられたので,分かりやすいと感じました。
・ 講義の中で,問題を解いて,解説してもらえるのも,学生にとって教育効果が高いと思う。また,
教員も学生の理解度をはかることができるので良いと思う。
( 考慮すべき点,改善にすべき点 )
・ プロジェクターで表示している画像が小さい。文字が小さく後ろの席からは識別しづらい。図の
説明をするときに,拡大するなどの方法はどうか?
・ プリントを忘れている学生がいる。たぶん授業についていけていないだろう。
・ 講義が一方的に進んでゆくので,時々,学生が理解しているかを確認した方が良い。
・ 出席をとるのに時間がかかるが,良いのか?
・ 板書の際は,黒板の照明を点灯した方が良い。全般的に照明が暗い。
・ もし,最終的に板書するのであれば,説明の最初から書いた方が良い。
・ 対称,逆対称の表現は正確に。
Ⅲ.研修会を終えて
(改善計画)
参観者の意見を参考に,以下の点を改善する計画である。
・ 参観者からプロジェクターの画像が小さくて見えにくいとの意見を受け,資料内容を見えやすく
-125-
改善する。
・ プロジェクターと板書を併用する場合には,部屋の照明を調整する。
・ 事前配布した講義資料を忘れた学生が講義についていけるような工夫をする。具体的な方法とし
ては,その日に説明する重要な部分は,当日配布にする。また,予習や復習がきめ細かくできる
ように,講義資料や演習課題を閲覧できる講義用 web サイトを作成し,学生に利用させる。
・ 講義の最後5分間で「その日の話題のまとめ」を話す。
・ 講義の開始時に「その日の話題」を述べ,話の流れを理解させ,かつ,講義開始にメリハリをつ
ける。
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工学研究科(機械システム工学専攻・機械物理工学専攻)
2010年度 教員相互の講義参観 実施報告
Ⅰ.概要
講義名 プラズマ工学特論
講義担当者 難波愼一 准教授
日時・場所 2010 年 12 月 16 日(木)3,4 時限・108 講義室
評価者 遠藤教授,石塚教授,静間教授
Ⅱ.参加者の意見
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テーマは「プラズマ応用(の紹介)」であり,概論としては非常にわかりやすく,十分な準備がなされ
ていた。ただ,大学院の講義なので,要所々々で,専門的な議論を少し盛り込んだ方が良いように思
えた。例えば,
核融合反応を起こすにはなぜ数億度という高温にせねばならないのか(断面積のカーブだけでは
やや物足りない)?
ローソン条件・自己加熱条件の導出くらいはやって見せても良いのでは?
プラズマ閉じ込めをなぜ環状装置で行うのか(ロスコーンの説明に絡めて)?
電気推進はなぜ効率が良いのか(ロケット方程式を使って)?
など。
========================================
1) 講義内容は,非常に整理されており,分かりやすかった.
2) 資料として,授業で使用したパワーポイントスライドを6スライド/頁で印刷したものを配付してい
たが,字が小さいため読みづらかった.4スライド/頁が適当かと思われる.
3) プラズマの応用例の紹介ということで,難しい理論式もなく分かりやすい講義ではあっったが,
「6.2 で既に既に習っていると思いますが」といって説明を省略する箇所が何回かあった.復習す
る形で簡単に要点を説明した方がよいかと感じた.
4) 学生は 14 名,内 1 名は授業終了間際に入室したが,他の学生は終始,講義に聴き入っており,学
生への教育効果は十分あったと判断される.
5) 講義は,パワーポイントで行われ,一部のスライドは字が小さすぎる(最後列での判断)と思われ
るが,英語の解説付きの動画が数回上映され,効果的であった.
6) 話し方は,少し風邪声ではあったが,最後列に座した参観者にも聞き取れ,明瞭であった.
7) 板書はなかったが,パワーポイントスライドが完璧に準備されており,板書の必要性は認められな
かった.
8) 全体的に,プラズマ工学に関する最先端の応用例・話題がよくまとめられており,非常に興味ある
内容であった.
9) このような講義を 15 名程度という少数の学生に聴講させるのはもったいない気がした.聴講生の
多い前期に移動するなどカリキュラムを考えてはどうか.
========================================
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・講義資料はよく準備されていると思います。
・パワーポイント原稿 1 枚に情報が多すぎるように思います。そのため,個々の画像が小さくて見え
にくくなっています。2~3 枚に分けたほうがわかりやすいと思います。
・配布資料の図,文字が小さすぎて読みにくいと思います。上記でパワーポイントをいくつかにわけ
るか,配布試料を 1 ページ 2 枚程度にすれば読みやすくなるのではないでしょうか。
・学生に質問があるか時々聞かれてはいかがでしょうか。
・個人的には「広島原爆に匹敵する」というたとえはあまりふさわしくないと思います。もう少し平
和的な例にされたらいかがでしょうか。
Ⅲ.研修会を終えて
【講義改善計画】(2010 年 12 月 17 日)
講義参観者からの貴重な意見を参考に,授業を改善していきたいと思います.
以下に,具体的な改善点を記しておきます.
1.
「プラズマ応用」は今年度 15 回の講義のうち 1 回のみを割り当てていたが,来年度からは 3 回程
度の講義を設け,大学院生に見合ったより高度な内容,及び,式の導出等についても説明する.
2.
スライドの文字,絵をもう少し大きくする.また,学生への配付資料も見やすいようにページ当
たり4枚とする.また,1枚当たりの情報量が多すぎたため,次年度からは複数ページに分けて説
明を行うことにする.
3.
前回の講義で説明した内容もある程度は復習の意味で簡単に紹介し,学生の理解を助けるよう工
夫する.
4.
学生の理解度を確かめながら講義を進める.
以上の内容について,平成 23 年 1 月 27 日,機械システム工学専攻,機械物理工学専攻教員会にて
議論を行った。
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工学研究科(システムサイバネティクス専攻)
平成22年度システムサイバネティクス専攻授業参観
Ⅰ.概要
日
時: 平成23年1月11日(火)16:00-17:00
1月12日(水)15:00-17:00
1月13日(木)15:00-17:00
講義名: Modern Probability
場
所: 工学部 A3-841 号室
講義者: 米国カンサス大学数学科 Jin Feng 准教授
参加教員: 柴田徹太郎(広大工学研究院),市原直幸(広大工学研究院),三上敏夫(広大工学研究院)
,
岩田耕一郎(広大理学研究科)
,西川貴雄(日大)
,名和範人(阪大)
,永幡幸生(阪大),
桑田和正(お茶の水女子大)
,土田兼治(防衛大)
,河備浩司(岡山大)
,吉田伸生(京大)
,
福島竜輝(東工大)
,鈴木由紀(慶応大)
Ⅱ.参加者アンケート
なし
Ⅲ.研修会を終えて
Feng 先生は,確率論と PDE,特に,流体力学に関連した話題を解説された。新進気鋭の著名な研究
者である事もあり,上記のように,他大学からも多くの先生方が聴講に来られ,講義は,非常に盛り
上がった。
講義の形式は,初日が,全体のサーベイで,他の日が,詳しい講義となった。初日は,出来るだけ
数式等は使われず,この分野の重要性を説明されていた。Feng 先生ご自身が日本で行われた金属学
会で招待講演をされた事がある等,工学へ強い関心を持たれており,工学研究科の学生を意識された
よい講義であった。技術的な部分では,PC で,数式や図,シュミレイション等を見せながら,細か
い説明は,黒板も併用されており,対話形式のよい授業であった。実際,講義の途中で,質問時間を
設けたり,活発な議論を促す等,数学の授業でありながら,日本でよくありがちな黒板中心の授業と
はひと味違ったもので,参考になった。また,講義の終了時間を非常に気にされており,お聞きした
ところ,アメリカでは,講義時間を守る事は重視されているとの事であった。
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工学研究科(システムサイバネティクス専攻)
教員 FD 報告書
Ⅰ.概要
【対象講義】
講義名:電力系統工学特論 / Advanced Power Systems Engineering(日英同時開講)
講
師:餘利野直人教授 および 外国人非常勤講師
日
時:平成 22 年 9 月 7 日
9:00〜12:00(英語:外国人非常勤講師による集中講義)
平成 23 年 1 月 28 日 14:35〜17:50(日本語:餘利野教授による講義)
出席者:佐々木(豊),造賀《敬称略》
【対象学生】
工学研究科システムサイバネティクス専攻博士課程前期
【受講学生】
14 名(ほか,聴講者あり)
【授業資料】
プロジェクタによる投影,パワーポイントスライドファイルの印刷配布
教員 FD として,上記講義の参観を行った。講義の概要は以下のとおりである。
【講義概要】
・ 本講義は,今年度より新しく始まった英語講義に相当し,日本語講義との同時開講となってい
る。
・ 英語の講義は,外国人非常勤講師によって集中講義方式にて行われた。これは,外国人非常勤
講師が,長い時間来日・滞在することが不可能であることによる。上記「日時」は講義参観を
した時間帯であり,実際には 9 月 7 日〜9 日の 3 日間にわたって行われた。
・ 上記の集中講義は,プロジェクタを用いての講義であり,事前に印刷資料も配付されていた。
基本的には,プロジェクタに投影される PowerPoint ファイルを「資料形式」にして印刷したも
のであった。
・ 日本語の講義は,英語講義での理解度の確認,および補足説明のために改めて用意されたもの
である。事前に学生をグループ分けし,グループごとに外国人非常勤講師から配付された
PowerPoint ファイルの印刷物について割り当てをしたうえで,各担当分についてプレゼンテー
ション形式にて発表させていた。
Ⅱ.参加者の意見
参加者から出された意見を要約すると以下のとおりである。
【主な感想・指摘】
・ 内容としては,電力系統を安定的,経済的に運用するにあたり必要となる技術について,学部
程度の基礎事項の簡単な復習を含め,かなり高度で実践的な内容となっていた。
・ 講義資料はしっかりと準備されており,また投影資料・配付資料が丁寧に作成されているため,
授業時間だけでなく,復習にも役立てることが可能で,理解を助けるのによいと感じた。
・ 英語による集中講義は,留学生にはよいかも知れないが,日本人学生は若干苦労していたよう
-130-
である。特に,電力系統を専門としていない学生については,英語での基本的な専門用語の理
解から必要であり,その場での理解は少なからず難しかったようである。
・ 改めて設けられていた日本語による講義の意義が明確に感じられた。これにより,理解度の確
認も行われ,かつ,英語での理解が難しかった部分については,日本語にて具体的に補足説明
が加えられており,非常に有益であると感じた。
・ また,この日本語講義は,前もってグループごとに内容が振り分けられ,各グループが責任を
持って復習しつつ準備をし,自信の担当分を日本語にて発表(プレゼン)する形式となってお
り,学生もほとんどが真剣に参加していた。
・ 日程調整の関係で,英語の集中講義から日本語講義まで 3 か月強の間が空いているが,さらに
よいものとするためには,あまり時間が空けない方がよかったかも知れないという印象をもっ
た。
・ 電力系統工学を専門分野としている学生が多く,他分野の研究室から受講している学生は少数
であった。他分野でも共通な最適化手法等の話題もあったため,履修学生がもう少し多くても
よかったように感じた。
・ 9 月の英語講義は 3 日間開講されたが,他の集中講義と重複することがあったため,学生は履
修登録等の調整が難しかったようである(英語講義の初回は,他分野の研究室より 4 名出席し
ていた)。これが,履修学生が少なかった要因でもあると考えられる。外国人非常勤講師の予定
を優先する必要もあり難しい面もあるが,事前の日程調整に注意を払う必要があるかと感じた。
Ⅲ.研修会を終えて
今後,参考として所属教員間の情報共有に努め,それぞれの講義の改善に役立てていく予定で
ある。
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工学研究科(情報工学専攻)
平成22年度情報工学専攻相互授業参観
Ⅰ.概要
講義科目名:Formal Language Theory
講義担当教員名:岩本宙造 先生
授業参観日時:平成 22 年 11 月 16 日(火)1.2 時限
授業参観場所:工学部 104 号教室
対象学生 M1:7名,M2:1名
参加教員:藤田(専攻長)
,原田,久保,玉木,土肥(敬称略)
評価方法:講義終了後, 担当教員を交えて意見交換会をもった(15 分~20 分程度). 参観及び意見
交換に基づいて, 各評価教員から教務委員に匿名で評価結果(下記 1. 評価すべき点, 2. 指
摘事項, 3. 改善点, 4. その他) を送付し, 整理したものを講義担当教員に提示した.担当教
員からは各評価項目に対する説明・回答を受けた.
Ⅱ.参加者の意見
1.講義に関して評価すべき点
(1.1) 宿題を課すのはとてもよいアイデアだと思う.
回答:講義内容の理解を深めることを目的として,数週に1回の割合で宿題を出している.
宿題を出す週は,講義の開始時に「後で宿題がでる」ことを伝え,学生の集中力を高めてい
る.提出された宿題は,教員が一つずつ採点して,次週に学生に回覧している.点数が低い
宿題は,学生に再提出するように促している.
(1.2) 学生に課題を提示していると思われ, 学生が授業前に教員に提出すると同時に, 遅刻学生もなく,
授業が適度の緊張感を持って実施されている.
回答:第一回目の授業のガイダンスで,授業は時間丁度に開始することを,学生に知らせている.
開始時間丁度に座席表にて出席をとっているため,また,真面目な学生ばかりなので,遅刻者はほ
とんどいない.
(1.3)
英語の授業であるが, 板書に合わせて講義を行っているので, 学生の理解に合わせ, 過度のスピ
ードで話すことを避けている. 板書の合間に適当に間を置いて, 学生がノートをとるのが困難とな
らないように工夫している.
回答:学生の理解に合わせて,授業の進度を調整している.進度については,数年前に,学生の
アンケートに,「早すぎる」とのコメントがあった.そのため,学生の理解の様子を見ながら,授業を
進めるようにしている.
(1.4)
ほぼ全員が日本人と見えたが, 英語コースの趣旨を忠実に実現している.
-132-
回答:例年は,2~3名ほど,日本語が理解できない学生が聴講している.本年度は,たまたま,学
部からの進級生だけになった.英語で話すことを前提として,授業の準備をしているので,本年度
も英語で行っている.
(1.5)
板書は丁寧で, 可読性も高い.
回答:学部の授業評価アンケートで,「字を大きく書くべき」とのアドバイスがあり,板書をそのアドバ
イスに従って改善した.
(1.6)
英語に関しても, 主に数学用語が頻出するが, 分かりやすかったと思う. 予め講義で話す内容を
精査されており, 講義の準備がしっかりされていると感心した.
回答:「分かりやすい」「準備が良い」とのコメントは,今後の授業改善の励みになります.より分かり
やすい授業になるよう,今後も,準備を入念にしていきたい.
(1.7) 間の取り方が上手で, 話し方(英語)も自然に感じられた. 大変参考になった.
回答:初めて英語で講義をした年度は,間の取り方が難しく感じられた.このコメントから,
ようやく,ある程度,間がうまくとれるようになったと感じた.
2.講義に関する指摘事項
(2.1) $P_k(b)$の説明のところで, もう少し学生に考えさせる時間があってもよいのではないか?
アイデアはちゃんと理解できているようだが, せっかくの面白いところなので, 集中させて
気分を盛り上げる演出があってもよい.
回答:ご指摘のとおり,P_k(b)の計算が,本日の講義の山場でございます.
「除算」は,k(=logN)
回の「乗算」で計算できる点が,おもしろい部分です.今日の講義では,その部分を,あっ
さりと進めてしまいました.来年度は,授業の最初に,授業のアウトラインを述べて,その
中で,キーポイントが,P_k(b)の部分であることを強調したいと思います.
(2.2) どこまで厳密性を求めるかは, 判断に迷うところだと思う. 誤差に関する直観的な説明と k
の値が log n 程度で十分であることを, 直観的に理解できるような説明があるとよいと思う.
回答:この部分は,今回は,説明が不十分でした.P_k(b)には,(1+b^{2^k})という項があり,
k=logN とすると,N(=2logN)ビット分の正確さを,保証できます.この部分の証明は,宿題と
して,学生に確認させればよかったと思いました.(なお,宿題を出す場合は,学生の集中
度を上げるため「本日の授業のどのあたりの内容が,宿題になるのか」を,授業の最初に学
生に伝えるようにしております.)
参考:P_k(b)=(1+b)(1+b2)(1+b4)…(1+b^{2^k})
(2.3) 数学の授業にありがちな板書の多い講義であり, 拝見したところ 8 名の聴講者のうちの7名
は板書をノートに転記するのに忙しそうで, 講義の内容に深く立ち入ることが出来ないよう
に見えた. 必要な資料を事前に配布し, 板書は要点だけに留める方法もある.
-133-
回答:学生は,ノートをとるのに忙しすぎるとのコメントは,参考になりました.授業のア
ウトラインを,紙に印刷して配布し,学生の転記作業を減らすように改善したいと思います.
その分,得られた時間を使って,学生に考える時間を作りたいと思います.
(2.4) 学生からの反応を見ながら, 定理の応用例も取り混ぜて講義をしたほうが学生の理解が更に
高まると考えられる.
回答:過去3週間の講義では,加算・減算・乗算が,深さ logN の回路で計算できることを
証明しました.それに対し,本日の除算の回路は,深さが(logN)2 です.4週間前の講義に
て,実際の計算機においても,他の演算と比較して,除算が最もコストがかかるということ
を述べております.
本分野は,関数の集合を,計算複雑さに基づいてクラス分け(階級付け)するという理論
ですので,応用例を織り交ぜるのは,なかなか難しい状況です.しかし,本コメントを念頭
に,できるだけ,理解度が深まるような工夫をしたいと思います.
(2.5) (2.3) と同様であるが, 現在の講義水準を一歩進めて, 専門書等副教材に記載してある厳密
な証明は学生に自習させ, 基礎理論を「使う」立場から教員の独自性を主張する講義内容は
構築可能ではないだろうか?世界中で行われている標準的な内容や教授法に準拠しながら,
広島大でしか学べない内容について教授できればなお素晴らしいと考える.
回答:専門書などの副教材を,学生が自習するという形式は,素晴らしいと思います.ただ,
専門書を指示通りに自習するように,受講生に徹底できるかどうかは分かりません.一方,
講義中に出てくる簡単な数学的証明の部分は,宿題という形式で,学生に自ら証明させ,理
解を深めるようにしております.
基礎理論を使う立場からの講義に内容を変更することは,シラバスの見直しから始める必
要があると思います.来年度以降,独自の内容を盛り込んだ講義を数回取り入れるという方
法は,検討してみます.
(2.6) メモなどの配布物なしでの講義は, 現在の学生にはきついものかもしれない.
回答:学生は,板書を転記するのに忙しすぎるとのコメントもありましたので,配布物を作
成するように改善します.
3.講義の改善案について
(3.1) その日の授業のアウトラインだけでも, 毎回紙にして配布するとよいのではないか?
回答:ご提案通り,授業のアウトラインを紙で配布したいと思います.受講生が,
「証明が,
あとどれくらい続くのか」などを,把握できるようにしたいと思います.
(3.2) 証明で一時間以上もかかる難所での講義参観だったので, 今回だけが特別のようにも思える
が, 定理-証明形式の講義の進め方にあって証明の構造を事前に俯瞰する説明があった方が
良い. また, 証明の厳密性とロジックを担保しながら, 定理の面白さや有益性について随所
で言及することが望ましいと感じた.
-134-
回答:本日は,証明に1時間以上かかる部分でした.そのため,「証明全体の中で,いま,
どの部分をやっているのか」が,本日の講義方法では不明瞭でした.まず,アウトラインを
紙で配布し,全体の流れを説明してから,各部分の証明に入りたいと思います.また,部分
的な証明を終えるごとに,アウトラインに戻って,現時点でどこまで進んだのかを確認し,
全体のアイデアを理解できるようにしたいと思います.
4.その他
(4.1) バイナリシーケンスでは MSB が左端ですが, 入力のところでは MSB が右端にあるのはこの分
野の流儀なのか?(学生が混乱しないのであればどちらでもよい)
回答:ご指摘のとおり,Most Significant Bit が右端になっている点は,混乱を生じやすい
部分でございます.この点については,3週間前の加算回路の設計の際に,混乱が生じない
ように説明をしております.
N ビットの入力(自然数)は,x=(x1,x2,…,xN)で与えております.添え字の値が一番大き
い xN を MSB としております.参考にしている専門書でも,そのようになっています.
Ⅲ.研修会を終えて
このたびは,教務委員の土肥教授,専攻長の藤田先生を始め,5名の先生方に,授業参観に出席し
ていただきまして,誠にありがとうございました.今後の授業改善につながる良いコメントばかりで,
大変参考になりました.すぐに改善できる部分については,さっそく,次回の授業から,案を取り入
れてみます.また,シラバス作成時や,来年度の授業でも,再度,本紙を読んで,授業の改善を心掛
けたいと思います.
-135-
工学研究科(応用化学専攻)
2010年度 教員相互授業参観実施記録
Ⅰ.概要
講義名:応用無機化学論
講義担当者: 犬丸啓教授
日時: 2011 年 2 月 9 日(水) 1,2 限 113 講義室
参加者: 塩野毅,播磨裕,佐野庸治,早川慎二郎,中山祐正,今栄一郎,定金正洋,駒口健治,
大山陽介,米山公啓,井出裕介
Ⅱ.参加者の意見
・板書と配布資料ならびにプロジェクターを併用し効果的に講義を行っている。
・板書は縦3列に区切って丁寧に書かれており見やすい。
・配布資料があるので問題はないのかもしれないが,プロジェクターの投影資料はもう少し大きい方
が(あるいは拡大できれば)良い。
・少人数であることもあり学生の受講態度は良好であるが,もう少し積極的に授業参加する方策が望
まれる。
・前期開講の講義と比較して後期開講の講義ではどうしても受講者数が少なくなる傾向がある。多少
煩雑になるかもしれないが,大学院の講義に関しては,隔年で前後期を入れ替えることは可能かど
うか検討してみてもよいのではないか。
・丁寧な板書と滑舌のはっきりとした口頭説明,さらに液晶プロジェクタで周期表や配付資料を映し
ながら各要所で説明があり,学生にとってわかりやすいと感じた。
・窒化化合物や炭化化合物の特徴と化学的性質について,登場する化合物数が多いにもかかわらず,
良く整理された説明があるので,大変理解しやすいと感じた。
・受講生の数が少なかったことを残念に思う。
・今回は金属窒化物の構造や物性などについての講義であった。黒板とスクリーンを同時に使うため,
正面のスクリーンではなく黒板横のスクリーンを使用していたが,現状ではプロジェクターを自分
で用意しなければならず,設備の方で改善していただきたいところである。
・スクリーンが小さいように感じたが,配布したプリントを写されているので問題ない。
・ハンドブックにも間違いがあり,それを指摘して説明していたが,本に書いてあることを鵜呑みに
してはならないという教訓になると思う。
・Al や Si の窒化物は特異な構造や性質をもつとのことだが,それはなぜなのか少し触れられるとよ
い。
・講義内容は整理されていた。
・板書はわかりやすかった。
・スクリーンに映して使うものを学生にプリントとして配っているのでわかりやすかったと思う。
・専門的な内容でよかった。
・PPT と板書を併用していたが,PPT のみよりも良いと思う。
・無機化合物の性質の説名は退屈になりがちだが,体系的に理解させようという講義はよかった。
-136-
・板書は読みやすかった。話し方もわかりやすかった。
・卒論や修論で無機材料の最先端を学ぶ中,このような基礎的な講義を受けることは,研究への理解
を深め,新たな物性の発見につなげるために有意義であると感じた。
・話,板書のテンポもよく,学生にとって理解しやすい講義である。
・学生の数が少ないことが気になった。
・プロジェクターに写す図が小さいことが気になった。
・プリントとスライドを使用した,学生にとって分かりやすい授業であった。
・受講生が7名程度で,スライドに映し出されていたプリントが少し見えにくかったので,もっと前
の方の席で講義を受けさせた方が良いと思う。
・配布資料と同じ原稿のPDFを大きく引き伸ばしてスクリーンに投影し,対応させながら講義して
いた点が非常に有効なものと感じた。
・教室のサイドにあるスクリーンと黒板を併用されている点もよい。
・受講学生の数が少ないことが気になった。
Ⅲ.研修会を終えて
多数のコメントに感謝いたします。学生の積極的な授業参加の方策(質問をする等)は改善項目と
して承りました。スクリーンの文字の大きさについても,今後改善することにします。
受講者数が少ない点については,学生からの意見で無機系の学生でないと理解が難しいという指摘
があるが講義のレベルは下げたくないこと,レポートに評価の重点を置いていることなども関係して
います。今後の検討課題とさせてください。
-137-
工学研究科(社会基盤環境工学専攻)
平成22年度大学院 社会基盤環境工学専攻講義参観報告
Ⅰ.概要
講義科目:工学研究科授業「Geotechnical Earthquake Engineering」
講義担当者:一井准教授,Chen 客員教授
日時:2011 年 1 月 13,14,17 日:PM(Chen 教授担当分の集中講義)
場所:A2-511
出席者:一井,土田[敬称略](計2名)(集中講義において,随時,聴講する形式とした)
内容:本専攻では,今年度から海外の研究者を非常勤講師として招聘して,英語での講義を初めて
試みた。国外の授業における教育方法に非常に関心があり,3名の研究者の内,台湾からの先
生による講義において参観を実施した。
Ⅱ.参加者の意見,
Ⅱ.参加者の意見,Ⅲ.研修会を終えて
1.総評
英語での授業であり,受講者がついていっているかどうか心配であったが,熱心な口調により,
とりあえず受講者は眠らずに受講していた.また,海外共同研究に参加した学生からは英語の質問
もあり,共同研究等の海外との交流・連携の成果が確認できた.
詳細については,以下の「自由意見」に示す通りである。
2.自由意見
・学生に,板書で課題の回答をさせている点はよかった.また,他の学生が,それに対して助け
舟を出したりする点も効果的であった.
・海外からの先生ということで,先生の要望もあり,最終日に,飲みながら学生と交流する場を
設けたところ,学生にとって非常に良い経験となった.
-138-
工学研究科(建築学専攻)
建築学専攻 教員相互講義参観報告
Ⅰ.概要
科目:工学研究科授業「建築構造物振動特論」(大崎純教授)
日時:2010 年 7 月 2 日(金)8:45〜10:15
場所:A2-641
出席者:松尾 大久保 近藤 荒木 田中 千代 澤田 松本 藤本 水田
石垣(計 11 名)
受講者:7 名(登録 8 名)
Ⅱ.参加者の意見,
Ⅱ.参加者の意見,Ⅲ.研修会を終えて
1
総評
・剛性法と感度解析について分かりやすく説明されていた。社会的な位置づけの説明も良い。
・始めに全体説明(理論の活用法)を行った後に講義の位置づけがあり,分かりやすい。
・例題も単純なものをあげてわかりやすい。
・学生の反応を見ながら講義を進める方法も良い。
・講義全体の中での今回の講義の位置づけの説明があり,分かりやすい。
・パワーポイントの文字の大きさ・スピードが適切で,板書のスピードも学生の理解と平行してい
る。
2
自由意見
・遅刻学生が残念。最初に出席を取った方が良い。
・学生の反応が悪い。30 分に 1 度程度学生にしゃべらせるよう工夫すると良い。
・実設計との関わりがもっと述べられると良い。
・学生の予習・復習をすることが重要な講義と思われるので,そのように指導して頂きたい。
・板書よりもパワーポイントや OHP の方が時間の節約になるのではないか。
・パワーポイントでの図やグラフの解説は,
ポインターよりも指し棒の方が見やすいかもしれない。
・要点は繰り返し説明があっても良い。
-139-
工学研究科(建築学専攻)
平成22年度工学研究科建築学専攻(工学部建築プログラム
平成22年度工学研究科建築学専攻(工学部建築プログラム)FD
工学部建築プログラム)FD
「建築実務者に聞くー母校の建築
母校の建築教育に望むことー」報告書
「建築実務者に聞くー
母校の建築
教育に望むことー」報告書
建築学専攻(工学部建築プログラム)では同専攻FD企画WGの主催により,毎年,社会で活躍さ
れている実務者を招いて学部教育を中心にして建築プログラム教育のあるべき姿や注文などをうかが
い,教員と意見交換をする場を設定している。今年度も表記のタイトルで,社会で活躍されている卒
業生を招いて建築学専攻教員を対象にFDを実施した。
Ⅰ.概要
日 時: 2011年1月24日(月) 12:50~14:50
場 所: 工学研究科A2棟建築会議室
プログラム:
司会 松尾
彰教授
挨拶 専攻長 大久保孝昭教授
講演と質疑
竹中工務店 井上直之氏「母校の建築教育に望むことー建築施工管理者の立場からー」
日本設計
清水謙一氏「母校の建築教育に望むことー建築構造設計者の立場からー」
閉会
参加者: 建築学専攻教員(8名) 松尾,大久保,大崎,平野,西名,神野,藤本,松本
Ⅱ.参加者アンケート
なし
Ⅲ.研修会を終えて
社会で活躍する卒業生を招いて建築学専攻教員を対象にFDが開催された。本 FD では,建築プロ
グラム教育のあるべき姿や課題を教員が相互の専門的立場から考え直す機会となり,意義あるもので
あった。講演いただいた両氏の提言の骨子を以下に示す。
○竹中工務店・井上直之氏の講演骨子
大学に望むこと
●どのような学生が社会で伸びるか
・物事をはっきりとしゃべる
・自分の言葉に責任を持つ
・わからならいことを解決しようとする姿勢が大切
●建築の教育プログラムについて希望すること
・コンクリートの打設実習のようなものを授業に取り入れることはできないか
これらに対し以下のような質疑があった。
・広大生のイメージは薄い,勢いのある学生を育ててほしい。
・コミュニケーション能力が重要。
・実務で図面を書くとき,これまで自分の受けた大学教育で特に支障は感じなかった。
-140-
・測量については授業では取り扱っていない大学は多い。
・大学での講義は無駄ではない。特に構造力学,設計製図は役に立った。
・会社における倫理教育について。コンプライアンスの重視,労災関係(所長クラスは頻繁に議論し
ている)。
・また,10 年後,20 年後の自分の将来姿はどのように想像しているか?という,質問に対し,
将来像は現場所長であり,現場での楽しさ,物ができることへの喜びを感じる。との回答があった。
○日本設計・清水謙一氏の講演骨子
大学教育に期待すること
・初めのうちに,実際の仕事の場や,建物の作られる過程を見たい(各論に入る前に全体像をつ
かみたい)
・アルバイトやインターンなどでの経験
・CAD 化が進む中でも手描きを大切に
・都会での仕事を意識
・OB のネットワーク
これらに対し以下のような質疑があった。
・広島は情報が入りにくい。完成した建物は見学できるが,つくるプロセスを見られる機会は少ない。
もっとあれば良い。
・都心(東京,大阪)での仕事が多いので,そこを意識した講義があれば良い。
・意匠系でも構造,設備は重要。
・大学院の一級建築士の実務経験振替期間 1 年に関しては,特に問題は感じない。
・構造設計の仕事内容を十分教育することが大切(構造計算と構造設計の違い)
。
・広大の講義に対するリクエストについては,木造,制振,免震等に関する講義があれば良い。
・最近は,設計 JV は少なくなっている。総合的な能力が重要。
・海外での仕事も増えている。外国語は重要。
・入社試験では,本人のやる気が最も重要。
・仕事では物事を説明する能力が重要。
・自分が考えたものが形になるのが,設計の仕事の最大の喜びである。
両氏からの大学教育に望むこと,及びそれを受けての質疑を通じ,各教員間で教育に対する共通の課
題を認識することができた。そして,今後の大学・大学院での建築教育の在り方に対する貴重な意見
を得ることができた。
-141-
2.15 生物生産学部・生物圏科学研究科の FD 活動
生物生産学部
教養教育の改革について
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 5 月 6 日(木)16:00~17:00
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 説明者
古澤
修一 生物生産学部 副学部長
大学とは何をするところか,大学に期待する社会の要請は,高等教育とは,教養教育とは,広島大
学における高等教育の問題点とは,等々の講演の後,学士課程の組み立て方(自己点検と調査,人材
養成の到達目標の将来構想が重要)と,平成23年度教養教育改革骨子案の FD についての説明を行っ
た。
参加者: 52 名
Ⅱ.研修会を終えて
教員を対象に,大学における教育の義務に関する講演を行い,大学で行う教育が高等校までの中等
教育と異なり,高等教育であることを提示した。また,高等教育には,専門教育だけでなく教養教育
も大事であることを提示した。引き続いて,平成23年度から始まる広島大学における教養教育改革
の内容を紹介し,理解していただいたと考える。
-142-
生物圏科学研究科
Web 教育記録システムガイダンス
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 5 月 31 日(月)14:30~15:30
平成 22 年 6 月 7 日(月)14:30~15:30
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 説明者 古澤 修一 生物生産学部 副学部長
現在,各種の大学で各種のポートフォリオが実施され,教育支援に利用されている。生物圏科学研
究科では,文科省の大学院教育改革支援プログラム(GP)に採択され,そのプログラムの一貫として,
教育記録システムとしてラーニングポー トフォリオのシステムの構築を進めてきた。
プログラム 3 年目の本年,システムを利用できる環境が整い,研究科で実施することになった。そ
こで,いわゆるポートフォリオとはどのようなもので,また,生物圏科学研究科のラーニングポート
フォリオがどのようなものなのかを教職員の方々に概説し,本研究科でのラーニングポートフォリオ
実施に際しての説明会を兼ねて FD を開催した。
参加者: 平成 22 年 5 月 31 日(月)58 名
平成 22 年 6 月 7 日(月)16 名
Ⅱ.研修会を終えて
大学院GPで実施する教育記録システム,いわゆるラーニングポートフォリオを説明するにあたり,
各種のポートフォリオの概念を提示して,ポートフォリオの概念を理解して戴いた。その後,生物圏
科学研究科で実施するラーニングポートフォリオの内容を説明し,理解していただいたと考える。
-143-
生物圏科学研究科
e ポートフォリオを利用した学習改善
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 10 月 25 日(月)15:30~17:00
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 説明者 松葉龍一 熊本大学 准教授
生物圏科学研究科では,平成 20 年度に採択された大学院教育改革支援プログラム「食料・環境系高
度専門実践技術者養成」において,教育記録システムを運用し,実施に努めてきた。このシステムを
全学的に展開するためにも,e ラーニングポートフォリオとはどのようなもので,どのように活用し
ていくかを,熊本大学の実践的活用例をもとに,松葉龍一准教授から講演をいただいた。
参加者: 53 名
プログラム:
15:30~15:35 研究科長挨拶
15:35~16:30 講 演
講 師:松 葉 龍 一
熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻・准教授
eラーニング推進機構 准教授
演 題:「eポートフォリオを利用した学習改善
-熊本大学における eポートフォリオの活用実践事例-」
16:30~17:00 質疑応答
17:00~17:05 閉会挨拶(副研究科長)
Ⅱ.参加者アンケート(回答者:
.参加者アンケート(回答者:27
(回答者:27 名)
1)
あなたの職種はどちらですか?
教 員
25
職
員
2
学
生
0
2)
今回の講演会に参加した理由をお聞かせください。
FD のため
内容に興味がもてたた
職務として
め
17
7
10
その他(詳しくお書きください)
・学生さんに教育記録システムのより良い使い方,メリットを伝えられるように。
・執行部の 1 人として。
3)
講演会の内容をどのように知りましたか?
メールで知った
他の教職員から聞いた
21
4
その他(詳しくお書きください)
・主催側なので。
・企画・主催に加わったから。
-144-
HP・いろはを見て
1
4)
今回の講演会に参加して,何か得るものはありましたか?
得られた
得られなかった
22
2
※その他の回答(自由記述)は省略
Ⅲ.研修会を終えて
大学院GPで実施する教育記録システム,
いわゆるラーニングポートフォリオを説明するにあたり,
先行して行っている熊本際学のラーニングポートフォリオを紹介して戴いた。その結果,参加教員に
一般的なラーニングポートフォリオと生物圏科学研究科で行っているラーニングポートフォリオとの
差を含め,ラーニングポートフォリオの概念を深く理解していただいたと考える。
-145-
生物圏科学研究科
男女共同参画(大学院生との意見交換会)
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 22 日(月)13:15~14:00
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 説明者 坂田 桐子 男女共同参画推進室長・副理事
資料に基づき,男女共同参画推進体制,男女共同参画の主な取組み(①人材育成・意識啓発(女性
研究者対象・学生対象・女子中高生対象),②ポジティブアクション,③仕事と家庭の両立支援),加
速事業の説明,推進室HPの紹介等について説明があり,その後,意見交換を行った。
参加者: 19 名(教職員 2 名 学生 17 名)
Ⅱ.研修会を終えて
大学院生特に女子院生を対象に,日頃,研究生活での困った点や就職への不安,必要な支援等につい
て意見を聞き,男女共同参画推進の活動に望むことについて建設的な意見交換ができたと思う。
-146-
生物圏科学研究科
男女共同参画(教職員との意見交換会)
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 22 日(月)14:00~14:30
場
所: 生物生産学部 C108 第一会議室
内
容: 説明者 坂田 桐子 男女共同参画推進室長・副理事
江坂生物圏科学研究科長から挨拶があり,引き続き坂田副理事から,資料に基づき,男女共同参画推
進体制,男女共同参画の主な取組み(①人材育成・意識啓発(女性研究者対象・学生対象・女子中高
生対象),②ポジティブアクション,③仕事と家庭の両立支援),加速事業の説明,推進室HPの紹介
等について説明があり,その後,意見交換を行った。また,教員へメンタリングアンケートの説明を
行った。
参加者: 38 名
Ⅱ.研修会を終えて
教職員を対象に,日頃,研究生活での困った点や就職への不安,必要な支援等について意見を聞き,
男女共同参画推進の活動に望むことについて建設的な意見交換ができたと思う。
-147-
生物圏科学研究科
ハラスメント研修会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 22 日(月)14:00~14:30
場
所: 生物生産学部 C108 第一会議室
内
容: 説明者 北仲 千里 ハラスメント相談室准教授
学生の抱えやすい問題や,相談ケースについて説明があり,ハラスメント相談室に相談があった場
合の対応のシュミレーションを例示し,対応策について意見交換を行った。教職員からの質疑応答を
交え,防止・啓発の促進を図った。
参加者: 38 名
Ⅱ.研修会を終えて
参加教員間での,ハラスメントに関する認識の共有化が図られたと考えられる。
-148-
生物圏科学研究科
食料問題国際シンポジウム
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 12 月 20 日(月)13:00~17:00
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 総合司会 吉村
幸則 副研究科長(研究)
講師に生物圏科学研究科交流協定校の台湾東海大学(台湾)および釜山大学(韓国)で活躍の先生
方を招き,東アジアにおける食料の生産と資源管理,自然環境保全のシステムについて,台湾,韓国,
日本の現状分析と将来展望の相互理解を深め,関連大学の教育と研究の質の向上と連携を深めること
を目指した。また,大学院生物圏科学研究科の教員による,生物圏科学の基礎と応用に関する研究成
果報告も行った。
参加者: 78 名
プログラム:
13:00
Welcome greetings from Dean (Prof M. Esaka)
Session I. Overview of food and environment in East Asia
13:10
Studies to Improve Egg Productivity of Taiwan Country Chickens.
Dr. Chen, Chu-Liang (Tunghai University, Taiwan)
13:50
Korean Fisheries and Adaptation to Climate Change
Dr. Lee, Sang Go (Pukyong National University, Korea)
14:30
Exploring Environmentally-sensitive Food Production Goals for Asian Coastal
Communities
Dr. Liao, Lawrence (Hiroshima University, Japan)
15:10
General Discussion
Session II. Research reports of Grad. Biosphere Sci. (日本語での講演)
15:40
イタリアンライグラスとトウモロコシサイレージの併給が乳牛の摂取行動と乳生
産に及ぼす影響 (黒川 勇三)
16:00
日本鶏の特性評価~耐暑性・抗ストレス性~(豊後
貴嗣)
16:20
周防灘のアサリ初期生態に関する連携研究:基礎生産と幼生の餌(井関 和夫)
16:40
酵母における染色体ダイナミクス (水田 啓子)
Ⅱ.研修会を終えて
第 1 部では,
「東アジアの食料と環境に関する現況分析と将来展望」という課題でこれに関する講演
と討論を行った。今回の相互理解の意義は大きく参加大学の教育研究に活かすことも重要なことから,
各講師から参加学生へ持続的食料生産のための環境保全の意識を持つようにとのメッセージが送られ
た。第 2 部では,研究科の最近の研究が紹介された。第 1 部と第 2 部のともに活発な質疑が交わされ
た。
-149-
生物圏科学研究科
発達障害についての研修会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 1 月 24 日(月)14:00~15:10
場
所: 生物生産学部 C108 第一会議室
内
容: 説明者 黒崎 充勇 広島大学保健管理センター准教授
参加者: 67 名(教員 60 名 職員 7 名)
Ⅱ.研修会を終えて
講師から,発達障害の全体像,特に広汎性発達障害について説明があった。広島大学に在籍する発
達障害学生と診断される学生の特徴や悩み,現在かかえる問題とそれに対する対応について詳しい解
説がされた。3名の教員から現状に即した質問があり,活発な意見交換が行われた。
-150-
生物圏科学研究科
大学院 GP 総括報告会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 1 月 28 日(金)13:00~16:35
場
所: 生物生産学部 C206 講義室
内
容: 総合司会 島本
整
研究科長補佐(教育)
参加者: 82 名(教員 64 名 職員 18 名)
プログラム:
13:00~13:05 開会挨拶:
理事・副学長(教育担当) 上 真一
13:10~14:10 第一部 講演
・演題:「国立大学の機能と大学院教育」
講演者:高等教育研究センター 准教授 島 一則
・演題:「グローバルインターンシップ推進室の形成」
講演者:大学院国際協力研究科 教授 肥後 靖
14:20~15:30 第二部 成果報告
・サブセメスター制について: 生物圏科学研究科 教授 羽倉 義雄,大学院生
・教育記録システムについて: 生物圏科学研究科
教授 古澤 修一,大学院生
・国際性の涵養について
教授 前田 照夫,大学院生
: 生物圏科学研究科
・大学院 GP の活動成果と今後の課題~院生アンケート調査を踏まえて~:
研究科教育改革推進委員会
15:40~16:30 第三部 総合討論 & 総評
・総合討論: 講演者,報告者
・総
評: 外部評価委員(東京海洋大学 名誉教授 髙井 陸雄氏)
(鹿児島大学 名誉教授 青木 孝良氏)
(日本ハム 中央研究所長
16:30~16:35 閉会挨拶:
森松 文毅氏)
生物圏科学研究科長 江坂 宗春
Ⅱ.参加者アンケート(回答
.参加者アンケート(回答数
(回答数:27)
27)
1)
あなたの職種はどちらですか?
教員(広大)
職員(広大)
13
4
その他
・企業社員
2)
学生(広大)
8
今回の報告会に参加した理由をお聞かせください。
FD or 共同セミナーなので
内容に興味が持てたので
15
6
-151-
教員(学外)
0
その他
2
職務として
その他
9
1
3)
今回の報告会の内容をどのように知りましたか?
メールで知った
教職員から聞いた
HPを見て
10
9
6
その他
・開催関係者
その他
3
4)
今回の発表会に際し,期待していた事柄などありましたか?
あった
なかった
18
8
※期待していた内容
・教育記録システムがどのように受け取られているか,アンケート結果が楽しみであった。
意外に好意的に受け取られており,安心した。
・島先生の講演とコメント
・GP 後,これからの取組がどうなっていくのか知りたかった。
・学生アンケートの詳細を見ることができた。GP の成果として学生の満足度の高い項目が多い
ことはよかったように思う。
・大学院 GP の具体的成果
・今後の方向性
・GP 成果。波及効果
・院生の反応
・博士課程の学生に対する教育
・カリキュラムの取りすすめと国際性の涵養について
・実態のきびしさ
・外部評価委員や講演者の先生のご意見
5)
期待していたものは得られましたか?
得られた
得られなかった
22
3
※得られた内容
・サブセメスターの履修期間について改善してほしいところがあって,そこが出てきてよかっ
た。
・ポートフォリオについてギモンを抱いていたが,いろんな案が出て良い方向に行けばいいな
と思った。
・大学院に進学して,社会に出ることが遅くなり不安に感じていました。しかし,大学院生が
まだまだ求められていて安心しました。
・地方大学が自ら研究の道を捨てようとしている流れがあるということを改めて理解できた。
・教育の実態を知ることができた。
・サブセメスター制や教育記録システムの狙いがよくわからなかったのですが,少し理解でき
たように思います。
・大学院 GP の取組について,その目的や成果についてくわしく知ることができた。
・大学院 GP の目的・意義を最終年度になってようやく理解できたこと。一方でシステムは大体
完成し,英語能力等で学生の能力の高まりは見受けられるが,学術知識・研究能力の面でス
テップアップしたのかどうかは未知数ではないでしょうか。
・今後の方向性(支援のあり方など)
・地方大学の役割は重要である。大学院進学のメリットは絶大である。
・GP の成果,島先生の内容(大学院教育の効果,地方大学の役目など)
・院生主体の講演会を行わせていることは良いと思った。サブセメスター制の実施について参
考になった。GP 以前からいろいろな工夫をしてこられていたことがわかった。
・上先生が素晴らしい提言をしてくださった。
-152-
6) 大学院 GP は最終年度となりますが,ご意見等ありましたらお願いします。
・
「変化なし」とする意見に注目すべき。この人数は,興味がない・認識していない人数だと思
う。
・どのようにお金をかけないで質を維持するかを考える必要があるのでは?
・国際性の涵養について,国際会議発表への支援はある程度継続したほうが良い。論文の校閲
について支援すべきか,その結果を検証し,支援したほうがよいと思う。場合によってはと
りやめるべきでは?
・すごく学生のためになるプログラムだと思いました。広大の学生が幸せであることを広めて
いっていただけたらと思います。
・今後も発展を期待しています。
・継続によるソフトの改革。
・良い部分を伸ばしてほしいと思います。
・現在の教育記録システムに関しては問題が多い。実際には手間が増えたので教員・学生双方
にメリットがほとんど感じられない。
・より多くの教員・学生の同意,コンセンサスが得られた状態をキープし,お金の多少によら
ず継続的に実施されることを祈ります。ただし,サブセメスター制は,その意義と効果,副
作用(選択の幅が広すぎる?受講者数が極端に少ない科目が生じる?)を十分考慮して続け
られるべきと思った。E ラーニングの受講・TOEIC 受験・アンケートの回収率,これらの数字
の向上をつねにはかることが必要だと思った。
・いかに現状に近い形で継続していけるかが,本当の成果となると思います。成功を祈念いた
します。
・GP 開始時にプログラムの取組について,研究科に対し FD 等を開催すべきだったと思う。プログラ
ムの目的等があまり理解されていないように感じた。これからもどのように理解を得つつ,事業を継
続していくかが大事
Ⅲ.研修会を終えて
上副学長から広島大学では多くのGPが採択されており,教育に対する熱意が高いことが紹介され
た。また,本GPの取り組が,今後の広島大学でも期待されているとの挨拶があった。
第一部の講演では,高等教育研究センターの島一則先生より,
「国立大学の機能と大学院教育」と題
して,地方国立大学の日本および世界の中での役割と,大学院教育の経済効果が紹介された。次に国
際協力研究科の肥後先生より,GP終了後の「グローバルインターンシップ推進室の形成」について
紹介があった。
第二部では,本GPの3年間軌跡について内容説明があり,
「サブセメスター制について」,
「教育記
録システムについて」,「国際性の涵養について」の報告があった。引き続き,大学院教育改革推進委
員会から,学生に行った本GPに対するアンケートの結果より,その有効性と改善点を含めた提言が
紹介され,これを受けてGP終了後の活動計画について紹介があった。
第三部では,外部評価委員を交えて,本GPの実績を今後これをどのように発展させて活用してい
くかについて,総合討論を行った。また,効果があった取り組みについては,大学でも支援を行って
いく可能性が示唆された。
-153-
生物圏科学研究科
教育支援ツール(WebCT)に関する」FD
Ⅰ.概要
日時: 平成23年3月15日(火) 14時~16時
場所: 生物生産学部 C206講義室
内容:
14:00~14:05 開会挨拶
江坂研究科長
14:05~15:00 WebCT 利用説明会
講師:稲垣知宏 准教授(情報メディア教育研究センター)
15:05~15:40 使用例紹介
小櫃剛人、大村尚、橋本俊也、古澤修一より各 10 分弱ずつ紹介
15:40~15:55 質疑応答
15:55~16:00 閉会挨拶
古澤副研究科長
※(16:00~17:00) 個別相談:WebCT利用について、相談のしたい方対象
秋元志美(教育室コンテンツ作成支援室)
稲垣知宏 准教授(情報メディア教育研究センター)
参加者: 42名
Ⅱ.参加者アンケート
未実施
Ⅲ.研修会を終えて
情報メディア教育研究センターの稲垣知宏准教授より,WebCT を用いた授業について解説があり,コンテ
ンツ作成の仕方を含め,具体的な導入の仕方について説明があった。続いて,実際に WebCT を使用して授
業を行っている生物圏科学研究科の教員4名から,それぞれ4通りの講義について,報告及び説明があっ
た。
質疑応答では,WebCT に資料をアップさせる場合の,著作権の問題や,成績評価の仕方など,多様な質
問があり,WebCT に対する関心の深さを示した。
終了後、回収したアンケートでも、WebCT について有益な情報を得られた、WebCT を利用したくなったとの意
見が多く寄せられ、有意義な FD となった。
-154-
2.16 国際協力研究科の FD 活動
国際協力研究科
国際協力研究科 FD
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 5 月 21 日(金)10 時~
場
所: 国際協力研究科大会議室
内
容: 教育・職場環境整備の一環としてハラスメント防止の講演
講師 横山ハラスメント相談室長
参加者: 教員 31 名 職員1名
-155-
2.17 法務研究科の FD 活動
法務研究科教務委員会
平成 22 年度法務研究科教育方法等改善研修会(FD)報告
本研究科では,教務委員が中心となってFD研修会を原則として毎月開催し,教育の内容及び方法
並びに成績評価のあり方についての考え方を統一し,その改善を図るための検討を行っている。FD
会合は全教員で構成され,毎回ほぼ全員が参加している。会合では試験の実施方法,成績の分布をふ
まえての学生指導,学生の授業評価アンケートや教員による授業参観の結果をふまえた各講義の改善
等を含む幅広いテーマについて議論を行っている。
Ⅰ.概要
平成22年度第1回法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
平成22年度第1回法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時: 平成22年4月12日(月)15時40分~17:40
場
所: 東千田総合校舎1階 会議室
参加者: 法務研究科教職員 23名
内
容: ○検討事項
1.新司法試験成績と法科大学院在学時(2・3年次)の成績の活用等について
2.平成22年度前期授業参観の実施について
3.教員相互による授業参観結果について
4.平成21年度リーガルサービスセンター活動報告について
5.「共通的到達目標(コア・カリキュラム)と法科大学院教育」シンポジウムの報告に
ついて
6.その他
(1)今年度の予定について
平成22年度 第2回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時: 平成22年5月10日(月)15時40分~18時00分
場
所: 東千田総合校舎1階 会議室
参加者: 法務研究科教職員 23名
内
容:
○学長による教員を対象とした説明会
○検討事項
1.エクセレントスチューデントスカラシップ推薦者について
平成22年度 第3回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時: 平成22年6月7日(月)15時40分~17時40分
場
所: 東千田校舎302講義室(メンタルヘルス講習会),東千田総合校舎1階 会議室
-156-
参加者: 法務研究科教職員 23名
内
容:
○メンタルヘルス講習会
講
師:医師(保健管理センター 准教授) 黒崎充勇先生
○検討事項
1.授業の改善要望について
2.欠席者の情報について
3.コアカリキュラムの検討について
4.ハラスメント防止研修会について
5.新司法試験短答式試験結果について
平成22年度 第4回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時: 平成22年7月12日(月)15時40分~17時15分
場
所: 東千田総合校舎1階 会議室
参加者: 法務研究科教職員 21名
内
容:
○高等教育研究開発センター教員との意見交換
高等教育研究センター
大膳 司 教授
○検討事項
1.ハラスメント研修(6 月 29 日(火))について
2.学生との意見交換会のフィードバックについて
○その他(資料配付)
法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム報告
平成22年度 第5回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD
法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
FD)
日 時 :平成22年 8月9日(月)15時40分~18時00分
場 所 : 東千田総合校舎1階 会議室
参加者: 法務研究科教職員 22名
内
容: リーガル・クリニックおよびエクスターンの実施について
法科大学院統一適性試験説明会報告について
平成22年度 第6回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時:平成22年9月13日(月)15時40分~17時55分
場
所:東千田総合校舎2階 第4演習室
参加者:法務研究科教職員
23名,法務研究科非常勤講師 5名,
高等教育開発研究センター教員 1名
内
容: ○検討事項
1.2010年度前期授業の評価と今後の対応について
2.新司法試験の結果について
-157-
平成22年度 第7回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日
時:平成22年10月18日(月)15時40分~17時45分
場
所:東千田総合校舎2階 第4演習室
参加者:法務研究科教職員
内
22名
容: ○検討事項
1.コア・カリキュラムへの対応について
2.1年次導入教育について
3.その他
(1)文部科学省からの通知について
(2)法科大学院教育の改善に関する改善計画等の提出について
(3)投票立会人の選出について
平成22年度 第8回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
日 時:平成22年11月8日(月)15時40分~18時00分
場 所:東千田総合校舎1階 会議室
参加者:法務研究科教職員 23名
内
容: ○検討事項
1.授業改善要望の対応について
2.広島銀行による授業協力について
3.法科大学院認証評価に関する説明会
平成22年度 第9回 法務研究科教育方法等改善研修会(FD
法務研究科教育方法等改善研修会(FD)
FD)
日 時:平成22年12月13日(月)15時40分~18時30分
場 所: 東千田総合校舎1階 会議室
参加者:法務研究科教職員 23名
内
容: ○検討事項
1.日弁連主催新司法試験シンポジウム報告
2.近畿大学法科大学院における FD 情報交換会報告
3.就職動向把握プロジェクトに関する説明会報告
4.平成23年度の授業時間割について
平成22年度 第10回 法務研究科教育方法等改善研修会
日
時:平成23年1月17日(月)15時40分~17時15分
場
所:東千田総合校舎1階 会議室
参加者:法務研究科教職員
内
22名
容: ○検討事項
1.全学FD報告について
2.入学前ガイダンスについて
3.平成 23 年度時間割について
-158-
4.後期末試験時間割について
平成22年度 第11回 法務研究科教育方法等改善研修会
日
時:平成23年2月14日(月)15時40分~17時30分
場
所:東千田総合校舎1階 会議室
参加者:法務研究科教職員
内
19名
容: ○検討事項
1.共通的到達目標(コア・カリキュラム)について
2.平成23年度答案練習について
3.平成23年度授業時間割について
4.平成23年度非常勤講師の選考について
5.入学前ガイダンスについて
平成22年度 第12回 法務研究科教育方法等改善研修会
日
時:平成23年3月14日(月)15時50分~17時30分
場
所:東千田総合校舎2階 第4演習室
参加者:法務研究科教職員
23名,法務研究科非常勤講師 5名
高等教育開発研究センター教員 1名
内
容: ○検討事項
1.平成23年度後期授業の評価と今後の対応について
2.平成23年度前期の予定について
3.平成23年度授業時間割について
Ⅱ.今年度の FD 活動を通して
成績の評価あるいは講義の内容についての検討は,究極的には卒業生にどのような能力が備わって
いることを要求するのかの問題に行き着く。FDにおいてもこの問題についての教員の認識を共通に
すべく議論が展開された。
法科大学院は,法曹養成のための専門職大学院として,教育内容や成績評価のあり方について他の
研究科とは比較にならない厳格な基準が課せられている。これらの基準の枠内で,当研究科に在籍す
る学生の資質や要望をふまえつつ最大の教育効果を発揮するような教育のあり方を検討した。
すべての法科大学院において最低限修得すべき学習内容や水準を示す「共通的な到達目標」が今年
度明らかにされ,本FDでもその内容について検討した。次年度以降は同共通的到達目標をふまえて
当研究科独自の教育目標を各科目において策定し,より効率的・体系的なカリキュラムの実現を図る
ことが最大の課題となる。
-159-
2.18 高等教育研究開発センターの FD 活動
高等教育研究開発センター
公開研究会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 5 月 17 日 (月)15 時~17 時 30 分
場
所: 高等教育研究開発センター 授業研究開発室
テーマ: 講演「新しい視点からみる学士課程教育質評価」
講師 史 静寰氏(清華大学教授,教育研究院常務副院長)
講演「世界一流大学育成における大学院教育-構造と質」
講師 袁 本涛氏(清華大学教授,教育研究院副院長)
内
容: すでに大衆化段階に進んでいる中国の高等教育では現在,世界の多くの国々と同様に,高
等教育の質に関心が集まっており,特にどのようにして大学教育の質を保証できるかが注目
されている。
本研究会では,中国の名門大学の一つである清華大学の事例を取り上げ,高等教育の大衆
化,経済のグローバル化,世界一流大学育成を目指す動きのなかで,従来と異なる視点から,
どのようにして学士課程教育および大学院教育の質を保証しようとしているのか,そのこと
が大学教育にどのような影響を与えているのか,などについて,アンケート調査やインタビ
ューなどを通じて集めたデータに基づいて,報告していただいた。
参加者: 教員 9 名,職員 4 名
Ⅱ.研修会を終えて
講師から,上記の講演題目に関する発表があった。数名の参加者から現状に即した質問があり,活
発な意見交換が行われた。
-160-
高等教育研究開発センター
公開研究会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 7 月 7 日(水)15:00~17:00
場
所: 高等教育研究開発センター 授業研究開発室
テーマ: 大学ランキング:世界的水準の大学並びに良い大学の概念
講
師: デイビッド・ターナー氏
(広島大学大学院教育学研究科客員教授・英国グラモーガン大学教授)
内
容: 大学ランキングは,広く利用されている。研究者は一般的には大学ランキングに不快感を
抱いている。これらの問題に対処する方法として,同様の機関間をベンチマークする手法と
して Data Envelope Analysis(DEA)がる。DEA は,有効性や効率性に関する基準が曖昧
である意思決定機関を比較するための手法であり,工学,経営,経済学において広く使用さ
れている。なお,教育機関の研究ではあまり使用されていない。
本研究会では,DEA の基本概念とベンチマーキングを実施するコンピュータ・プログラム
が紹介された。この発見的接近法である DEA が,現行のランキング制度に組み入れられル
ことによって,大学ランキングシステムの改善が可能となることが示された。
参加者: 15 名
Ⅱ.研修会を終えて
講師から,上記の講演題目に関する発表があった。数名の参加者から現状に即した質問があり,活
発な意見交換が行われた。
-161-
高等教育研究開発センター
公開研究会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 7 月 29 日(木)15:00~17:00
場
所: 高等教育研究開発センター 授業研究開発室
テーマ: 高等教育における評価と資源配分:諸外国の経験と日本の現状
講 師: 田中
内
秀明氏(一橋大学経済研究所准教授)
容: 多くの国において,高等教育の規模拡大が進む一方で政府財政が悪化する今日,高等教育
における資源配分は重要な政策課題となっています。同時に,政府活動全般に新公共経営
(new public management: NPM)が適用される中,大学評価は,単に教育・研究の質保証・
向上を図るためだけではなく,資源配分の手段としても用いる試みが世界的に見受けられる
ようになっています。
本研究会では,日本の公財政研究の一環として高等教育の資源配分についても研究を深め
られている田中秀明・一橋大学経済研究所准教授をお招きし,ご報告いただきました。研究
会では,OECD 諸国における高等教育財政の動向,特に,教育・研究評価を資源配分に結び
つける業績連動型交付金について,その問題点と課題を整理する一方で,日本における国立
大学法人評価の現状をデータに基づき検証し,問題点を分析していただきました。そして,
これらの分析等を踏まえて,国立大学法人評価と運営費交付金の改善に向けて,今後の課題
を論じていただいた。
参加者: 11 名
Ⅱ.研修会を終えて
講師から,上記の講演題目に関する発表があった。数名の参加者から現状に即した質問があり,活
発な意見交換が行われた。
-162-
高等教育研究開発センター
公開研究会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 8 月 9 日(月)14:00~16:00
場
所: 高等教育研究開発センター 授業研究開発室
テーマ: ヨーロッパ高等教育と知識経済
講 師:
内
ピーター・マーセン(ノルウェー・オスロ大学教授)
容: EU 各国首脳は 2000 年,リスボンにて,2010 年までにヨーロッパを世界で最もダイナミ
ックで競争的な知識経済に変革するという共同宣言に賛同した。そこで採択されたリスボン
宣言のアジェンダはヨーロッパの高等教育機関に多大な影響を及ぼしてきた。その影響は 2
つに区分することができる。ひとつは,イノベーションと経済的競争力を刺激するための優
れた研究活動を促進するイニシアティブである。もうひとつは,高等教育のレリバンスを高
めることによってヨーロッパの労働者のスキルやコンピテンスを改善するための改革であ
る。
今回の研究会では,これらの変革の双方を取り上げ,以上の基底をなすヨーロッパレベル
での高等教育改革のダイナミクス,これらに関連する各国レベルでの高等教育改革のアジェ
ンダ,そして,デンマーク,フィンランド,ドイツ,オランダ,スウェーデン,英国といっ
た多くの国の改革の成果について論じていただいた。
参加者: 8 名
Ⅱ.研修会を終えて
講師から,上記の講演題目に関する発表があった。数名の参加者から現状に即した質問があり,活
発な意見交換が行われた。
-163-
高等教育研究開発センター
高等教育公開セミナー
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 8 月 19 日(木)午前~8 月 20 日(金)午後
場
所: 高等教育研究開発センター 授業研究開発室
プログラム:
8 月 19 日(木)
10:30 開講行事
10:50 講義 1:知識社会と大学~大学改革はなぜ必要か
山本 眞一
12:00 昼休憩
13:10 講義 2:教育改革と大学教員
小方 直幸
14:30 講義 3:大学・大学院教育と所得―所得関数分析に基づく現状紹介―
島 一則
15:50 講義 4:知識社会における大学院教育の課題-法科大学院教育を事例として-
大膳 司
18:00 懇親会
8 月 20 日(金)
8:50 講義 5:学士課程教育とは何か―アメリカとの比較を通して―
福留 東土
10:10 講義 6:アメリカ等の優等教育と優等学院
北垣 郁雄
11:30 講義 7:知識基盤社会と大学院教育-中国の事例研究を中心に-
黄 福涛
12:40 昼休憩
13:40 講義 8:大学と社会
- 許容された時間
秦 由美子
15:00 講義 9:社会と大学─フランスにおける大学教育─
大場 淳
16:10 閉講行事
16:20 終了
内
容: 「知識社会と大学教育」と題して 2 日間にわたって開催されら高等教育公開セミナーは,
本センターの教員が講師となり,知識社会や大学教育に関する基礎的事項や重要課題,日
本との比較の観点を含めた国際的動向について講義が開催された。
参加者: 職員 16 名(うち
本学職員 5 名)
-164-
高等教育研究開発センター
大学・大学院改革に関する国際ワークショップ及び第 38 回研究員集会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 11 月 10-12 日(水-金)
場
所: 学士会館 2 階レセプションホール
プログラム:
<国際ワークショップ>
11 月 10 日(水)13:00~17:30
■講演
「アメリカにおける高等教育の多様化」
ブルース・ジョンストン(米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校名誉教授)
「機能分化か,階層分化か?-日本の 20 年の経験-」
吉田 文(早稲田大学 教育・総合科学学術院教授)
「中国高等教育の多様化」
謝
維和(中国・清華大学副学長,教授)
「多様化するヨーロッパの高等教育-伝統的高等教育及び職業教育訓練の視点から-」
ピーター・マーセン(ノルウェー・オスロ大学教育学部教授)
11 月 11 日(木)9:30~12:00
■パネルディスカッション
パネリスト
ブルース・ジョンストン
吉田 文
謝 維和
ピーター・マーセン
コメンテーター
舘 昭(日本高等教育学会長/桜美林大学教授)
<研究員集会>
11 月 11 日(木)14:00~17:45
■基調講演
「ユニバーサル化・多様化する大学と高等教育政策」
德永 保(国立教育政策研究所長/前文部科学省高等教育局長)
「高等教育のユニバーサル化と大学の多様化」
天野 郁夫(東京大学名誉教授)
-165-
11 月 12 日(金)9:30~15:00
■報告
「米国を通してみる大学の多様性-カーネギー大学分類を手掛かりとして-」
福留 東土(広島大学)
「ランキングから見た大学改革のキーワード」
小林 哲夫(朝日新聞出版『大学ランキング』編集部)
「日本における大学システムの機能と構造の変容」
島
一則(広島大学)
■コメント
矢野 眞和(昭和女子大学)
■ディスカッション
内
容:
今,世界の高等教育は大きな転換点に立とうとしています。それは,グローバル化や
知識基盤社会の到来という大きな社会変動に対して,各国が必要な対応に迫られている
中で,大学はどのような役割を分担すべきであるのか,その意味合いが問われているこ
とに他なりません。かつては政府から手厚い庇護を受けつつ孤高を保つことができた大
学も,今や社会に対しその存在意義を明確に示す必要に迫られています。
わが国では近年,政府によって大学・大学院改革に重点的に取り組む方針が示され,
大学教育の質の保証手段を講じるとともに,国際化・多様化を通じた改革を進める中で,
世界トップ・レベルを目指す大学院教育の実現を図り,時代や社会の要請に応えること
ができるような高等教育システムを構築していくよう方向が明らかにされております。
とくに,一昨年策定の教育振興基本計画においては,世界的に卓越した教育研究拠点の
重点的な形成を支援するとともに,大学院におけるすぐれた組織的な教育の取組を支援
し,あわせて,意欲と能力のある若手研究者等が活躍できる環境づくりを支援する,と
の施策が提示されているところです。
このような状況を受けて,当センターでは文部科学省から特別の予算を得て,一昨年
度から 5 カ年計画で,わが国の大学・大学院を 21 世紀知識基盤社会にふさわしい形に
改め,わが国発の知識を創造し積極的に世界に発信するとともに,地域や世界に貢献す
る高度な能力を備えた人材を養成しうる高等教育システムの構築に向けて,必要な政策
に関する研究を行うことといたしました。今年度は,昨年度に引き続き所要の研究活動
を進めておりますが,その研究活動の一環として,このたび,大学・大学院改革を視野
におきつつ,高等教育の多様化をテーマとする国際ワークショップを開催いたします。
また毎年実施しております研究員集会も当センターの研究活動に合わせて,多様化・ユ
ニバーサル化する高等教育についての問題提起と意見交換を行うことといたしました。
参加者: 102 名(うち学内:教員 20 名,職員 17 名,学生 14 名)
-166-
3. その他の FD 活動
3.1. ハーモナイゼーション PBL ワークショップ
教養教育本部,教育室 GP 推進チーム
第 2 回ハーモナイゼーション PBL ワークショップ
PBL の実施方法について基礎的な共通理解の確立を図ると共に,本学および各部局における PBL
の在り方について検討した。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 9 月 21-22 日(火-水)9:00~17:00
場
所: 学士会館レセプションホール,会議室 1,2
内
容: 教養ゼミを想定した PBL の進め方を 8 ステップに区切り,それぞれのステップについて
説明しながら,実際に模擬 PBL を進行した。参加者は 3 グループに分かれ,PBL の指導経験を積ん
だ 3 名の教員がファシリテーターとしてそれぞれのグループによる PBL を指導した。
一日目(9/21 9:00~17:00)
挨拶~講演「PBL の目的と意義~昭和大学学部連携 PBL を中心に」木内祐二先生(昭和大学薬学部・
教授)~全体会「PBL の進行とファシリテーターの役割」~コアタイム 1~全体会「プロムレムマッ
プの発表」~コアタイム 1~全体会「PBL の進行とファシリテーターの役割」~「PBL オンライン
支援ツールについて」~個別学習~コアタイム2~全体会「一日の振り返り」
二日目(9/22 9:00~17:00)
全体会「昨日の振り返りと本日の予定」~コアタイム2~全体会「学習成果発表会」~全体会「2 日
間の振り返り」~挨拶,閉会,アンケート
Ⅱ.参加者アンケート
参加者: 教員 21 名 職員 7 名 計 28 名(うち 17 名回答)
方法:各項目について 1~4 の 4 段階で評価
平均
Q1.コアタイム1(ステップ1~5)
Q3.コアタイム2(ステップ7~8)
Q2.個別学習
1.各ステッ
1.個別学
1.各ステッ
Q5.全体満 Q6.その他
2.内容満
2.WebCT
2.内容満
プの目的と
習の目的と
プの目的と
足度
(自由記述)
足度
の役立ち度
足度
方法理解
方法理解
方法理解
3.3
3.3
3.5
2.1
3.6
3.2
3.4 別記
全体的に満足度が高い。WebCT については,PC 持参の連絡に不備があったことと,Web への接続
に手間取り,活用する時間的な余裕を欠いたことが影響していると思われる。自由記述による意見や
-167-
感想は,次の通り
全学でPBLをやる事には、大賛成である。
異分野が総合的に参加できるシナリオを是非考えて下さい。
オリキャンのように全学の学生が交流できる良いきっかけとなるので全学部から一名ずつで構成された
グループが良いと思う。
最大の問題は学生の自主性を引き出すこと。そこまでたどり着けるかどうかが、難しい。これを越えれば
学生は伸びるだろう。
社会科学系(法律、政治、経済)に係るPBLの実例を知りたい。
シナリオが大事でしょう。いくつかのシナリオが存在すれば、実際にPBLを行う人も多くなると思います。
自己学習させるときに、書籍にせよ、Webにせよ、学ばせたい内容のものを誘導して読ませるように仕向
ける、という方法もありえますか。あるとすると、間接的に講義するのと同じ事になるかともいますが、良
いのでしょうか。
ワークショップに関しては、自主学習の時間をもう少し増やしてほしい。(サマリー作成時)
準備頂いたスタッフの皆様に心より感謝いたします。PBLのメリットとデメリットを引き続き総合的に勉強
していきたいと思います。
机の上で付せん紙などを使う方がマップを作成しやすいかなと思いました。
コの字の机の並びはキョリ感がありました。最初にアイスブレイクできたら良かったなあと思いました。慣
れてきた頃「こういう先生か」と分かり始めてた頃に終わったのが残念。
短い時間に詰め込みすぎのきらいがあった(一日目)WebCTやW.B、無線LANなどのツールをスムース
につかえるような環境の整備や準備も必要か。
指導の先生方がとてもやさしくて本当に参加してよかったです。とても雰囲気がよくて、また参加させて
頂きたいです。
学部教育に使うには、特有の学びの目的と仕組みがある場合には有効である。文学部の場合、16の分
野の共通基盤をどこに見いだせるか難しい。
「学生として楽しんで下さい」とのことであったが、多くの参加者が「ファシリテータ」としての情報を求めて
いるように感じました。
時間が短かったこと、特に自己学習については、2-3日開けて実施してはいかがでしょうか。(連続の
必要はあまりないと思われました)
Ⅲ.研修会を終えて
後日,参加者から授業において PBL を実施したとの報告をいただいており,ワークショップが授業
開発のきっかけとなっていることが成果として挙げられる。課題としては,まず,ワークショップ運
営に関して,Web 利用の準備が十分でなかったために,個別学習が停滞し,その点が満足度に影響し
たと思われる。また,内容的な課題として,自由記述からも伺えるように人文・社会科学系の分野に
おける PBL の開発が挙げられる。今回のワークショップは,本年度見学した昭和大学における PBL
ファシリテータ養成ワークショップを参考に内容を構成し,学習者ガイドおよびファシリテータガイ
ド等の資料を作成した。昭和大学では,医療系の教育方法として,やがては症例研究につながる PBL
が開発されているので,その例に倣うだけでは,人文社会学系への適用は難しい。今回の参加者から
得られた意見等も生かしながら,汎用性の高い PBL を提案したい。
-168-
教育室,教養教育本部
第 3 回ハーモナイゼーション PBL ワークショップ
GP「新世代到達目標型教育プログラムの構築」では,学問的専門領域が異なるメンバーが協力し
て問題解決に取り組む「ハーモナイゼーション PBL」を授業に取り入れ取り組みを進めている。教養
教育本部でも,PBL が主体的な学習を経験させる方法であることに注目し,大学における学び方を学
ぶ方法として,教養教育ゼミでの実施を促進している。そこで,本ワークショップでは,学部・専攻
が異なる参加者に教養教育用にデザインされた PBL を実際に体験することで,教養ゼミにおける PBL
およびハーモナイゼーション PBL の意義を伝えることを目指した。
Ⅰ.概要
Ⅰ.概要
日時: 2011 年 3 月 9-10 日(水-木)
場所: 広島大学総合科学部講義棟
内容: 教養ゼミを想定した PBL を実施し,体験を通してその方法についてご理解,ご検討いただ
きました。参加者は 2 グループに分かれ,PBL の指導経験を積んだ 2 名の教員がファシリテータとし
てそれぞれのグループを担当した。
一日目(3/9 9:00~17:00)
挨拶~講演「ハーモナイゼーション PBL の目的と意義」小澤孝一郎教授(学士課程会議議長,医歯
薬学総合科学研究科)~全体会「ファシリテータの役割と PBL の進行」~コアタイム~全体会「プ
ロムレムマップの発表」~コアタイム~全体会「PBL の進行とファシリテータの役割」~「WebCT
による PBL 支援」~個別学習~コアタイム~全体会「一日の振り返り」
二日目(3/10 9:00~12:00)
全体会「昨日の振り返りと本日の予定」~コアタイム~全体会「学習成果発表会」~全体会「2 日間
の振り返り」~挨拶,閉会,アンケート
参加者: 18 名(ファシリテータ 2 名,講師 2 名,オブザーバー1 名を含む)
Ⅱ.参加者アンケート
Q1.コアタイム1(ステップ1~5)
Q3.コアタイム2(ステップ7~8)
Q2.個別学習
Q5全体
Q6.その他
1.各ステッ
1.個別学習
1.各ステッ
2.内容満足
2.WebCT
2.内容満足
プの目的と
の目的と方
プの目的と
全体満足度 (自由記述)
の役立ち度
度
度
方法理解
法理解
方法理解
平均
3.5
3.6
3.6
3.3
3.6
【意見・感想等】
-169-
3.5
3.6
小澤先生がおっしゃったように、熱いうちにシナリオ作りの召集をお願いします。
現時点ではハーモナイゼーションの部分ができない。同コースの学生が履修するため。シナリオの改訂
はPBL改訂時に学生にさせると良い。自然な談話になるのでは。
グループで学習することによって、同じ問題についても学生によって、視点と発想が全く違うので、個人
活動をしながら、共通の目的や方法を見出すことが一番難しくもあり、勉強になったことです。今回は建
設的なグループワークができる環境だったので、参加すること自体おもしろかった。学生同士もそのよう
な関係が築けるようにサポートしたいです
個人的な意見ですが、学生は議論する力がないのではなく、興味を持てないから議論しないのだと思い
ます。この会は、グループディスカッションのためのメソッドに重きが置かれていますが、興味を喚起する
手立てをどうするのか、難しい課題だと思います
ファシリテーター側の体験談や実際の運用面での経験や意見を集めて経験の浅いファシリテーターに役
立足せることはできませんか
学習者ガイドP.4,ファシリテーターガイド付き学習者ガイドP.5,評価基準(評価目標別)「学習成果が聞き
手に伝えることができなかった」→「学習成果を聞き手に伝えることができなかった」
ぜひ試してみたいと思いました。ありがとうございました。
実際に学習者として体験することでPBLの内容、全体像がよく分かった。他学部、講座の先生と知り合え
た(共に活動できた)こともよかった。
PBLを学習者として体験できたことは有意義である
前回(第 2 回ハーモナイゼーションワークショップ)に比べ,水平移動した Q3-1 を除く全項目の
平均評価が高くなった。全体満足度の値は前回に比べて 0.6 高く,Web については 1.2 高い。全体的
に満足度が上がった要因としては,まず,15 名の申し込みを受けて,前回の 3 グループを 2 グループ
での活動とし,グループ発表を含む全体会の時間を縮小し,グループおよび個人学習の時間が十分に
とれたことが挙げられる。また,WebCT に関しては,前回ほとんどご利用頂けなかった状況に基づ
き,CALL 教室を利用して PC 持参,インターネット接続のトラブルを回避したため,実際に情報の
共有にご利用頂けたことが背景にあると考える。
Ⅲ.研修会を終えて
今回のワークショップの参加者のうち 6 名は,平成 23 年度に生物生産学部の教養ゼミ担当者であ
り,ワークショップの内容を早速授業に活かしていただけることを期待できる。また,今回のワーク
ショップ後に,教育学部日本語教育学講座でも,PBL を組み込むというご連絡をいただいた。今回は,
評価の方法なども含めて,学生を主体として進める一連の授業方法の詳細をある程度提示できたので,
安心してご活用いただけるものと思う。今後,さらに未実施の学部に前向きにご検討いただけるよう
な方法を提示できるようにしたい。そうすることで,PBL を普及させるだけでなく,授業方法の見直
しにも貢献できるものと考える。
-170-
3.2 教育著作権セミナー
放送大学・広島大学 共催
教育著作権セミナー
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 9 月 17 日(金)13:00~17:00
場
所: 中央図書館ライブラリーホール,病院中会議室,社会科学研究科第 8 演習室
(TV 会議システムによる同時開催)
内
容: 講師)尾崎 史郎 放送大学 ICT 活用・遠隔教育センター教授
(元文化庁著作権課マルチメディア著作権室長)
〈著作権制度の概要〉
大学等の教職員が知っておきたい「著作物」,「著作者」,「著作者の権利」,「著作隣接権」など,
著作権の基礎知識を解説します。
〈大学等における著作物の利用〉
授業や入試問題などに著作物を利用する場合,どのようなときに権利者の許諾が必要で,どのような
ときに必要でないかについて,わかりやすく解説します。
〈質疑応答〉
参加者からの著作権に関する質問にお応えします。
参加者: 学外者)教員 14 名 職員 10 名
学内者)教員 15 名 職員 32 名
-171-
3.3. 学生生活担当教職員研修会
学生生活会議
第 26 回 学生生活担当教職員研修会
Ⅰ.概要
日
時: 平成 22 年 9 月 28 日(火)13:30~16:50
場
所: 中央図書館 1F ライブラリーホール,大学病院外来棟 3 中会議室
(TV 会議システムによる同時開催)
内
容: 講演Ⅰ 「広島大学生に関連する事件・事故について」
東広島警察署 地域課 広大前交番所長 大岡 章三
講演Ⅱ 「学生の自殺防止について」
保健管理センター 准教授 内野 悌司
参加者: 教員 45 名 職員 41 名
-172-
3.4. 広島大学教育 GP 国際シンポジウム
教育室
広島大学教育 GP 国際シンポジウム
「学士課程教育の質保証と教育内容の革新」
現在、大学には国際的に通用する教育課程(プログラム)を構築し、課程修了に関わる知識・能力
の確実な習得を保証することが求められている。広島大学では、平成 18 年から学士課程教育を三種
類の教育プログラムとして再編し、平成 21 年度採択の GP「新世代到達目標型教育プログラムの構築」
では、さらなる教育プログラムの質保証と内容の充実を図ってきた。その取り組みを踏まえ、本シン
ポジウムでは、本学と共にカリフォルニア大学(UC)バークレー校、および世界に照準を定めた GP
を展開する国内大学の事例に基づく議論を通して、世界的視野から学士課程教育改革の成果を振り返
り、今後の課題を明らかにしていくことを目指した。
Ⅰ.概要
日時: 2011 年 3 月 3-4 日(木-金)
場所: 広島国際会議場 国際会議ホール「ヒマワリ」
プログラム:
3 月 3 日(木)13:00-17:00
第一部「学士課程教育の質保証」
13:00 開会挨拶 浅原利正(広島大学長)
13:10 趣旨説明
13:15 基調講演
「学士課程教育の構築にむけた現状と課題」
樋口聰(文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室長)
「カリフォルニア大学バークレー校における学修を重視した学士課程教育の教育評価の文化の構
築」
Cynthia Schrager(UC バークレー校教育計画・施設担当副学長補佐)
14:40 事例報告
「新世代到達目標型教育プログラムの構築」
小澤孝一郎(広島大学学士課程会議議長)
「ICUにおける学生の主体的アカデミックプランニングと教育の質保証」
森島泰則(国際基督教大学アカデミックプランニング・センター長)
15:55 パネルディスカッション
〈パネリスト〉 Cynthia Schrager、小澤孝一郎、森島泰則
〈コメンテーター〉 吉田香奈(山口大学大学教育センター准教授)
古澤修一(広島大学生物圏科学研究科副研究科長)
16:50 閉会挨拶 坂越正樹(広島大学副学長〈学生支援・附属学校担当〉)
-173-
3 月 4 日(金)9:00~12:00
第二部「学士課程教育の内容の革新」
9:00 主催者挨拶
9:05 基調講演
「広島大学における学士課程教育改革の成果と課題」
上真一(広島大学理事・副学長〈教育担当〉)
「学士課程コアカリキュラムにおける共通必修の開発:バークレーにおけるアメリカンカルチャー
ズ」
Victoria Robinson(UCバークレー校「アメリカンカンチャーズ」コーディネータ )
10:25 事例報告
「広島大学における平和教育の新たな展開-教養教育における平和科目区分の導入-」
川野徳幸(広島大学平和希求委員会平和教育部会座長)
「三重大ブランドの環境人材養成プログラム」
朴恵淑(三重大学学長補佐〈環境ISO 担当〉)
11:05 パネルディスカッション
〈パネリスト〉 Victoria Robinson、川野徳幸、朴恵淑
〈コメンテーター〉
森島泰則(国際基督教大学アカデミックプランニング・センター長)
黄福涛(広島大学高等教育研究開発センター教授)
於保幸正(広島大学教養教育本部副本部長)
11:50 閉会挨拶 上真一(広島大学理事・副学長〈教育担当〉
)
参加者:第一部(3 日)93 人、第 2 部(4 日)66 人
Ⅱ.参加者アンケート
本シンポジウムでは、第一部(1日目)
、第二部
回答者の構成
(2日目)、各終了時にアンケートを実施し、第
一部では 93 人中 52 人、第二部では 66 人中 45
35
人の回答を得ました。以下にアンケート結果の
25
概要を挙げる。
30
20
15
4日
10
3日
5
0
-174-
1.
シンポジウム参加のきっかけについて
本シンポジウムの開催をどのようにお知りになりましたか(3
本シンポジウムの開催をどのようにお知りになりましたか(3 日、44
日、44/
44/92 人)(4 日、38
日、38/
38/66)
66)
本シンポジウムの案内は、チラシを主な媒体と
開催情報の取得手段
して、各大学の教育改革/GP 担当者宛への送付
や、本学および GP のホームページ、本学高等教
育研究開発センターのメーリングサービスなどを
通じて、発信した。グラフ中の「合同フォーラム
30
25
20
15
10
5
0
会場…」は、一月、文部科学省開催の GP 合同フ
ォーラムポスター展示会場に置いたチラシによる
情報の取得を示している。
Q1(3日)
Q1(4日)
本シンポジウム参加の動機はどのようなものですか(3
本シンポジウム参加の動機はどのようなものですか(3 日、52
日、52/
52/92 人)(4 日、45
日、45/
45/66)
66)
「所属先の教育…」は「所属先の教育改革に関す
参加動機
るヒントを得たい」、
「自身の研究の…」は「自身
の研究の参考にしたい」、
「大学教育について…」
は「大学教育についてよく知りたい」という動機
を示している。
30
25
20
15
10
5
0
3日
4日
2. シンポジウムの内容について
第一部の内容についてお答えください(44
第一部の内容についてお答えください(44/
44/92 人)
パネルディスカッション(第一部)
基調講演・事例発表(第一部)
11%
2% 1%
41%
45%
3%
満足
満足
21%
やや満足
50%
やや不満
26%
不満
やや満足
やや不満
不満
不明
【ご意見、ご感想】(抜粋)
【ご意見、ご感想】
全体として焦点が定まっていないように感じた。カリキュラムの詳細をもっと知りたかった(学校教職
員)
先進的な取り組みがコンパクトにまとまって提供されたのでよかった(大学職員)
広島大学のGPの話(小澤氏)をもう少し詳しく聞きたかったです。パネルディスカッションで
-175-
の古澤氏の話も組み合わせて、具体的な話があるとより良かった(大学教員)
基②と事①につては時間が足りなった。事①は、特殊な感じがして、詳しいシラバスがないと理
解しにくかった(その他)
全体的にシステムの認知度を上げる必要があると思いました。事①予算自体が減っており、
(基①)
苦しい状況であるとは思いますが、アンケートの回答率 4 分の 1 以下というのは早急に対策をす
るべきだと思います。広大の学生さんによるとアンケート自体に気付かない、もしくは答えるの
が面倒であるという理由から意欲のある人しか答えていないということでした・・・もう少した
ってから、回答者数の増えた正確性のある情報を期待します。第一部全体を通して、いかに学生
側が大学のシステムを理解し、また大学側が学生にそのシステムを使いやすいように提供できる
か、という連携が大切か、ということを考えさせられました(学生)
少し抽象的に感じました。パネルテーマを1つか2つに絞った方がいい感じがしました(大学職
員)
日本語資料の英語バージョン、英語資料の日本語バージョンが必要だったかも。内容は興味深か
った。昨日も本日の発表者の中に『学士課程の体系化システム化に反対だ』という反対者の代表
者が居ないのは問題ではないのか?(学生)
UCバークレー、広大、ICUの取り組みについて、得るもの大で、大変勉強になった(大学教
員)
到達目標の設定や点検・評価は学部学科単位でやるものだと思いこんでいたので、メジャーごと
に実施する方法には目を開かれた思いです。いずれもテーマにふさわしい講演・報告であった(大
学職員)
「就学力」の育成は企業の養成を意識しすぎではないか。むしろ「市民」それを「自立した市民」
の育成を目指す必要があるのでは(大学教員)
第二部の内容についてお答えください(
第二部の内容についてお答えください(37
部の内容についてお答えください(37/
37/66 人)
パネルディスカッション(第二部)
基調講演・事例発表(第二部)
1%
0% 5%
満足
満足
やや満足
やや満足
37%
57%
30%
やや不満
不満
不明
0%
8%
16%
46%
やや不満
不満
不明
【ご意見、ご感想】(抜粋)
【ご意見、ご感想】
学生さんの意見も聞いてみたいので、学生さんの発表があっても良いのではないかと感じました
(大学教員)
もう少し質疑応答の時間が必要。次回も是非、広島市内で開催してください(その他)
各大学の理念に沿った新たな教育がなされており、参考になった。但し、大学のリソースは限られて
いるので、ビルドがあればスクラップがあるはずである。その調整をどのようにしていくのかに
-176-
ついて言及してほしかった(大学職員)
内容は具体的でわかりやすかったです。正直言って広大がここまで本気でやっているとは思いま
せんでした。広大ブランドを全国へ世界へ発信してください。パネルディスカッションはテーマを絞らない
と50分ほどでは無理ですね。有意義な会をありがとうございました(私学役員)
三重大学の取り組み、実践が大変参考になりました。広島、三重、両大学共、地域に根ざした改
革が参考になった(大学職員)
広島大学の取り組みの Originality の良さ、完成するまでの努力におどろくとともに、今後の
outcome が楽しみです。四日市学と同様にここまでに到る努力に敬意を表します。アジア学との
連携によるグローバルな視点がより発展するカギになっていると思いました。Powerful! 両大学
とも大学教職員の柔軟性を引き出したところが成功のカギか?教養教育評価に役立つと思いまし
た。ありがとうございました(大学教員)
平和学は想像以上に興味深そうな内容を有しているようだ。驚いた。アメリカにおける人種問題
と日本における平和問題の文脈はかなり違う。特にその身近さにおいて。しかし、
『広島における
平和問題』を考えるとかなり身近なものとして、学生に平和問題を提示できそうだ。この点で、
広大が平和学に力を入れる事は、広大関係者のみに限らず、日本国民にとっても重要になってく
るのではないか?・・(学生)
「教養教育」というとその目的は「知性の運用方法」とでも言うべき、抽象度の高いものになり
がちである。その中で、平和、人種、環境というコアを強調する手法は、学生にとってわかりや
すく、取りかかりやすいと思われた。(学生)
ユニークな取り組みが多く、とても興味深く聴かせていただきました。地域の特徴がとてもよく
出て、それをうまく取り込んで教育ができているような気がしました(大学教員)
パネルディスカッションの時間が少なったと思います。グローバルと同時にローカル(地域性)も教育課程に
必要な視点だと思いました。とても参考になりましたし、登壇者の先生のセレクションも適切だ
ったと思います(大学教員)
Ⅲ.研修会を終えて
1. 成果
まず、学外から47名にご参加いただき、広島大学の取り組みを発信できた。第一部に関しては、
アンケートで個別の講演や事例発表についても満足度を尋ねたところ、本学の「新世代到達目標型教
育プログラムの構築」に関する事例発表については、比較的高い満足度が示されている。第二部に関
しては、アンケートによると、全体的に満足度が高く、広島大学の平和科目に関しても強い関心を示
していただいた。
また、バークレーからの講師には、シンポジウム前日から打ち合わせに参加していただき、情報を
交換したことで、今後の質保証システム構築に関して貴重な示唆を得ることができた。
さらに、学生参加者と大学教育改革の意義や課題を共有できたことも、重要な成果として挙げたい。
アンケート用紙の裏まで使用した熱心なフィードバックに単位がさせないのが残念なほど、積極的な
参加であり、教育改革の重要なパートナーであることを実感した。
2. 課題
-177-
① 運営に関する課題
アンケートにおけるパネルディスカッションの満足度が低いことについて、時間が足りなかった
ことが理由として考えられる。講演や事例発表における情報が多く、関心を集めるものであればあ
るほど、フロアの意見を受け止め、議論する時間を確保することが重要であるため、今後同様の企
画では、そのバランスに留意したい。
② 教育改革に関する課題
全体的に第一部よりも第二部の満足度が高かった背景には、第一部のように質保証の仕組みをテ
ーマとした時に、内実わかりにくく、靴の上から足を掻くように感じられていることがあるのでは
ないか。それは、自由記述の「抽象的」という表現等に示されている。今後、質保証をテーマとし
て、内実を示しながら意義や課題を語れるように準備する必要がある。
-178-
3.5. クリッカー勉強会
コンテンツ作成支援室,教育企画グループ
クリッカー(※
クリッカー(※)勉強会
(※)クリッカーとは...
受講する学生にリモコンのような機器を渡しておき、講義中投げかけられる質問に対し、示される
選択肢からボタンで回答すると、結果がスクリーン上にすぐに示されるシステム。
Ⅰ.概要
日
時: 平成 23 年 3 月 14 日(月)10:00~12:00
場
所: 西図書館 3F グループ学習室
内容等:
授業等でクリッカーを使用するための手順を、実演を交えて説明します。授業でクリッカーを使って
みたい方は必修です。
参加者数: 教員 5 名、職員 5 名
Ⅱ.研修会を終えて
クリッカーの機器及びその使い方について実演を交えて、情報メディア教育研究センターの隅谷先
生から説明いただき、その後、実際に授業でクリッカーを使用している教育学研究科の梅田先生から
授業でクリッカーを使用する際のメリット・デメリットを含めた事例紹介を行った。
事例紹介後は、授業等においてこれからクリッカーの使用を検討している参加者から積極的な質問
があり、活発な情報交換の場となった。
-179-
4. 教育・学習行動
教育・学習行動の実態分析
学習行動の実態分析
~人材育成推進室(FD 部会)分析班より~
4.1.
4.1.国立大学法人広島大学 第二期中期目標・中期計画及び年度計画
〔中期目標〕
FD を充実し,教育の質の向上を図る。
〔中期計画〕
教育内容等の改善に繋がる組織的・体系的な FD を実施する。
22 年度
教育内容等の改善に繋がる組織的・体系的なFDを実施するため,学士課程・大学院課程教育におけ
る教育・学習行動の実態を調査・分析する。
23 年度
FD を試行し,教育内容等を改善する体制を整備する。
24 年度
組織的・体系的な FD を実践する。
(完結)
〔最終成果〕
教育・学習行動をモニタリングする仕組みを構築し,それに基づいて教育内容等を組織的・体系的に
改善する体制を確立することにより教育の質の向上を図る。
◎平成 22 年度実行計画
4-6 月
授業改善に活用する評価指標の検討を行い,決定する。
7-9 月
評価指標に関するデータを収集する。
10-12 月
前期で実施した授業評価アンケート,教育プログラム評価アンケートの集計結果を教育・学習行動の
視点から過去のデータと比較調査を行う。
1-3 月
調査結果に基づき,学習行動の実態を分析する。
◎活用する評価指標
・授業評価アンケート(16~21 年度分,22 年度前期分)
・到達目標型教育プログラム(主専攻プログラム)評価アンケート(22 年度前期分)
・卒業生・修了生に対するアンケート(21 年度分)
・年次報告書(主専攻プログラム:18~21 年度分)
・改善計画書(主専攻プログラム:21~22 年度分)
-180-
4.2.
4.2.教育プログラム改善計画書に見る教育プログラム実施上の課題
教育プログラム改善計画書に見る教育プログラム実施上の課題
岩永 誠(FD 部会員,総合科学研究科 教授)
主専攻プログラムおよび特定プログラムは,毎年自己点検・評価を行い,その結果を年次報告書に
おいて提出している。この年次報告書において,十分な達成ができていない評価項目については,改
善計画書を提出し,改善に努めてもらっている。年次報告書と改善計画書を見ることで,プログラム
の改善が着実に行われているかを検証することができる。逆に,改善計画書での改善計画が十分でな
ければ,そのプログラムに何らかの問題が潜んでいることを意味する。
平成 21 年度と 22 年度に提出された年次報告書および改善計画書をもとに,プログラムの実施に向
ハ イ プ ロ ス ペ ク ツ
けての課題を抽出し,FD 活動に活かしていくことが,到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS
®」(以下,ハイプロという)を効果的に運用していく上でも重要である。ほとんどのプログラムは,
当該プログラムの年次報告書の達成度を上げるべく努力しているため,基準評価点は上がっているし,
達成を促すための改善計画が提出されている。しかし,プログラムによっては達成度が十分でない場
合や,そのための努力が十分でない場合も見受けられる。また,ハイプロに対する疑念を抱いている
場合も見受けられる。そこで,改善計画書において,ハイプロの改善の方向性とは異にすると思われ
る意見を抽出し,その内容を分析することで,現行のハイプロを実施する上での問題を抽出し,今後
の FD 実施における検討課題を明らかにしたい。
方法
・対象 分析の対象としたプログラムは,62 の主専攻プログラムと 9 の特定プログラムであった。学
部によっては,複数の主専攻プログラムをまとめて一つの回答がなされている場合はそれぞれのプ
ログラムの回答とし,別扱いにすることとした。
・方法 平成 21 年度,22 年度に提出された改善計画書の中から,プログラム実施上の問題や課題と
思われる内容を抽出し,KJ 法により分類した。
結果
1.21 年度
延べ 32 の問題や課題が抽出された。結果をまとめると,以下の通りである。
・到達度評価項目や授業科目の位置づけを毎年見直す必要はない(5 プログラム)
・プログラム内の分野ごとに実施しているので,プログラムによるとりまとめはしていない(5 プ
ログラム)
・シラバス通りに授業を進める必要はない(5 プログラム)
・シラバスの記載をプログラム担当教員会(以下,担当教員会)で検討する必要はない(5 プログ
ラム)
・授業評価アンケートに対する不信感がある(3 プログラム)
・全学の評価体制自体に問題がある(3 プログラム)
・授業の改善は個々の教員が責任を負うべきで,プログラムではない(2 プログラム)
・プログラム到達度評価についての不信感がある(1 プログラム)
-181-
・プログラムの教員間のつながりが希薄(1 プログラム)
・自己点検・自己評価に対する教員の理解不足(1 プログラム)
・特定プログラムで科目数のため,担当教員会が存在しない(1 プログラム)
2.22 年度
延べ 24 の問題や課題が抽出された。結果をまとめると,以下のとおりである。
・シラバスの記載を担当教員会で検討する必要はない(4 プログラム)
・到達度評価や授業内容の改善は,個々の教員が責任を負うべきである(4 プログラム)
・プログラム内の分野ごとに実施しているので,プログラムによるとりまとめはしていない(3 プ
ログラム)
・到達度評価に関して,学生自身が無関心である(3 プログラム)
・プログラム到達度評価や GPA による評価を行う必要性を感じていない(2 プログラム)
・授業評価アンケートに対する不信感がある(2 プログラム)
・全学の評価体制自体に問題がある(2 プログラム)
・自己点検・自己評価に対する教員の理解不足(1 プログラム)
・一部の学生にのみ改善策を示している(1 プログラム)
・外部評価は上層部手動で行うべき(1 プログラム)
・特定プログラムで科目数のため,担当教員会が存在しない(1 プログラム)
3.結果のまとめ
抽出された課題で多かったもので,かつ重要だと思われるものをまとめると,以下に示したものに
なるだろう。
①シラバス記載や授業の改善等,授業に関することは個々の教員にゆだねられるべきで,プログラ
ムが介入する必要はない。
②プログラム内の領域単位で教育評価をしており,プログラムとしてのとりまとめができていない
(いわゆる,プログラム内プログラムの問題)。
③全学で実施している授業評価アンケートに不信感を抱いている。
④全学で実施しているプログラムの自己点検・改善に不信感を抱いている。
FD 実施の方向性について
教育プログラムの改善計画書に記載された問題や課題をまとめると,その内容の背景にはハイプロ
についての不理解があると考えられる。教育単位としての教育プログラムのあり方,つまり,プログ
ラムとしての教育目標が設定され,それを実現するための授業を配置し,授業が効果的に行われてい
るかを相互にチェックし,より効果的な教育が行えるようプログラムとして改善に取り組むという,
一連の仕組みが理解されていない点に問題があると考えられる。
こうしたずれが生じているのは,これまで通り自分の行いたい授業を行い,それを他の何者にも侵
されないことを前提としていること,また,教育プログラムというシステムではなく個人の裁量で決
定されるという考えを持ち続けていることに関連していると思われる。それは,広島大学が採用した
新しい教育システムについての無理解や,新しい教育システムに変えることの面倒くささといったも
-182-
のが関係している可能性がある。とはいえ,現行の到達目標型のシステムが適用されない,ないしは
必要のない学問分野が存在しているのかもしれない。そういう学問分野にとって,現在の教育評価シ
ステムは,自分たちの教育を正当に評価する方法ではないのかもしれないのである。
その点をふまえると,以下の 2 つの異なるアプローチでの FD を行うことが可能である。
(1)ハイプロを促進するための FD
ハイプロについての十分な理解ができていない点に問題があると考える立場である。ハイプロが十
分に機能していない教育プログラムがあるため,それを改善するための FD を実施することを目的と
する。それぞれの授業が有機的なつながりを持って学生の教育を実施するためには,プログラムの目
標を達成するべく各授業の目標が設定され,それにふさわしい授業が行われているかを,プログラム
としてチェックするというシステム作りがさらに進められるべきである。そのためには,ハイプロに
関する FD を実施する必要がある。プログラムに何が求められているかを明らかにし,それを具体化
してもらうためのシステム作りや教員の意識改革を促すことが求められる。
(2)学問領域の特性に合わせた教育プログラムのあり方を検討する FD
現在のハイプロの実施に協力的でないのは,学問領域によっては,到達目標型教育にそぐわない領
域があるからだと考えられる。おそらく,その学問領域にとって効果的な教育のあり方というのは,
現行の到達目標型とは別のシステムによって運営され,評価される必要があると考えているのである。
では,そうした教育システムとはどういうものであろうか。学問領域によって,教育・評価システム
にどのような違いがあるのだろうか。どのような教育システムが考えられるかを検討することが必要
になる。そうした場合,現行の到達目標型の教育システムではない,新たな教育・評価システムのあ
り方についての情報交換を行う FD を実施することが求められる。
-183-
4.3.
4.3.到達目標型教育プログラムに関する学生の意識調査
岩永 誠(FD 部会員,総合科学研究科 教授)
ハ イ プ ロ ス ペ ク ツ
到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS®」(以下,ハイプロという)が,教育効果を持つた
めには,学生が到達目標型の教育を理解することが大切である。到達度評価を通して,学生自身が今
どの段階にいるのかを把握しながら,不十分な点を補強しつつ学修を進めていくことができるからで
ある。
現在,学生には各授業の成績開示の他,主専攻プログラムの到達度も開示されている。学生はその
ことをどの程度理解し,学修に活用しているのだろうか。本調査では,学生を対象として,到達目標
型教育プログラムに対する理解がどの程度浸透しているのかを調べることとした。
方法 以下の 2 つの調査を対象として分析を行った。
(1)平成 22 年度前期実施の到達目標型教育プログラム(主専攻プログラム)評価アンケート(以下,
教育プログラム評価アンケート)
対象者 平成 22 年度前期に実施した教育プログラム評価アンケートに回答した本学大学生 1875 名を
分析の対象とした。なお,データに学年が付されていないため,学部別の分析のみとなる。
評価項目 使用した項目は,以下の 6 項目である。
①所属している主専攻プログラムの到達目標,具体的に身につく「知識・理解」及び「能力・技
能」(学習の成果),それらの到達状況を評価するための評価項目等が示されている説明書(詳
述書)を読んだことがありますか。
②所属している主専攻プログラムの到達目標,具体的に身につく「知識・理解」及び「能力・技
能」(学習の成果),それらの到達状況を評価するための評価項目等を理解していますか。
③主専攻プログラムで「知識・理解」及び「能力・技能」
(学習の成果)がどの程度獲得されたか
という到達度は,細分化された評価項目を用いて複数の授業により評価されています。この評
価項目と授業の関係を理解していますか。
④授業の履修に際して,主専攻プログラムの到達目標や身につく「知識・理解」及び「能力・技
能」(学習の成果)を意識しましたか。
⑤提供されている科目を履修することにより,主専攻プログラムが掲げている到達目標を達成で
きると思いますか。
⑥ガイダンスや個別指導等により,学生(あなた)がどの程度到達目標を達成できているかの状
況確認や分析,今後の学習・履修等に関する指導は適切に行われたと思いますか。
(2)平成 21 年度に実施した卒業生・修了生に対するアンケート
平成 21 年度卒業・修了予定者を対象とした調査で,有効回答数は 645 名である。到達度評価に関
する項目は 1 項目(教育プログラムの到達度評価をどのように活用しましたか)で,選択肢が①プロ
グラムの到達目標への指標として意識して授業を履修した,②チューターや指導教員からの学習指導
等を受ける際,自分の学習成果をふりかえる指標とした,③自身が身につけた力を他者に向かって具
体的に説明する指標とした,④上記①~③以外の活用をした,⑤活用しなかった,⑥「到達度評価」
の存在を知らなかった,であった。なお,複数回答可の設問であった。
-184-
1.在学生に対する調査(教育
1.在学生に対する調査(教育プログラム
在学生に対する調査(教育プログラム評価アンケート,
プログラム評価アンケート,22
評価アンケート,22 年度前期実施)
在学生を対象とした教育プログラム評価アンケートの学部別集計を質問ごとに示す。図は各学部の
割合を示しているが,学部によって回答総数が大きく異なるため,実数の表も併せて示した。結果の
記述は,肯定的回答の割合と否定的回答の割合で示すこととする。
(1)所属している主専攻プログラムの詳述書を読んだことがあるか
自分の所属している主専攻プログラムの詳述書を読んだことのある学生は,大学全体で 43%に達し
ていた。ほとんどの学部が,詳述書を読んだ学生は 4 割前後であるが,特に法学部や文学部で半数以
上の学生が詳述書を読んでいることがわかる。一方,薬学部での割合が低くなっている。
(2)所属している主専攻プログラムの到達状況を評価するための評価項目等を理解しているか
自分の所属している主専攻プログラムの到達状況を評価する評価項目を理解している学生は,大学
全体で 37%であった。法学部や歯学部で,理解している割合が高いものの,ほとんどの学部が 4 割以
下であり,特に理学部や薬学部では 3 割を切っている。
-185-
(3)主専攻プログラムの評価項目と授業の関係を理解しているか
)主専攻プログラムの評価項目と授業の関係を理解しているか
主専攻プログラムの評価項目と授業との関係を理解していた学生は,大学全体で 34%であった。4
割を超えていたのが,文学部と法学部の 2 学部のみで,3 割を切っている学部が 5 学部もあった。評
価項目と授業との関連についての理解は,十分であるとは言い難い。
(4)授業の履修に際して,主専攻プログラムの到達目標を意識したか
授業を履修する際,主専攻プログラムの到達目標を意識した学生は,大学全体で 35%であった。4
割を超えていたのが文学部と法学部の 2 学部のみで,3 割を下回っていたのが 5 学部もあった。2/3
の学生が,到達目標を意識することなく,授業を履修していたことがわかる。
-186-
(5)提供されている科目を履修することにより,到達目標を達成できると思うか
授業を履修することで到達目標を達成できると思っている学生は,大学全体で 71%もいることがわ
かった。特に,教育学部や歯学部では 8 割を超えている。6 割を下回っている学部はなく,多くの学
生が,提供されている授業を履修することで,主専攻プログラムの到達目標を達成できると考えてい
ることがわかる。
(6)ガイダンスや個別指導等により,到達目標達成に関する指導は適切に行われたか
)ガイダンスや個別指導等により,到達目標達成に関する指導は適切に行われたか
ガイダンスや個別指導等により,主専攻プログラムの到達目標や成果を教員が適切に指導したと思
っている学生は,大学全体で 55%であった。文学部や工学部で 6 割の学生が適切な指導を受けていた
と答えている。生物生産学部や経済学部,総合科学部では適切な指導が行われていたと答えていた割
合は低くなっているものの,4 割程度であり,極端に低いわけではない。
-187-
在学生による教育プログラム評価アンケート結果(実数)
(1)所属している主専攻プログラムの詳述書を読んだことがあるか
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
よく読んで
理解してい
る
3
6
7
5
5
7
9
3
2
56
0
103
読んだこと
がある
32
38
85
59
46
46
51
15
19
303
14
708
読んだこと
がない
16
13
82
23
48
41
52
15
30
253
11
584
存在を
知らない
28
22
59
9
29
38
37
17
25
204
12
480
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
(2)所属している主専攻プログラムの到達状況を評価するための評価項目等を理解しているか
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
理解
している
4
6
8
4
6
7
9
3
5
55
2
109
概ね理解
している
22
26
64
41
34
24
48
20
15
267
12
573
あまり理解
していない
35
35
106
37
63
66
47
17
31
340
15
792
理解して
いない
18
12
55
14
25
35
45
10
25
154
8
401
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
(3)主専攻プログラムの評価項目と授業の関係を理解しているか
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
理解
している
4
8
7
4
8
8
11
4
5
58
2
119
概ね理解
している
18
26
61
36
28
28
40
12
13
255
11
528
-188-
あまり理解
していない
36
35
115
45
68
55
53
22
36
360
17
842
理解して
いない
21
10
50
11
24
41
45
12
22
143
7
386
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
(4)授業の履修に際して,主専攻プログラムの到達目標を意識したか
意識した
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
5
11
10
9
11
7
18
5
4
68
2
150
概ね
意識した
17
19
55
21
28
26
39
19
14
250
10
498
あまり意識
しなかった
29
33
98
49
58
50
54
14
37
339
18
779
意識
しなかった
28
16
70
17
31
49
38
12
21
159
7
448
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
(5)提供されている科目を履修することにより,到達目標を達成できると思うか
そう思う
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
11
13
31
13
14
13
24
7
13
94
4
237
概ね
そう思う
50
47
158
50
66
72
82
36
47
456
23
1087
あまりそう
思わない
13
17
38
26
37
34
29
6
10
203
9
422
そう
思わない
5
2
6
7
11
13
14
1
6
63
1
129
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
(6)ガイダンスや個別指導等により,到達目標達成に関する指導は適切に行われたか
そう思う
総合科学部
文学部
教育学部
法学部
経済学部
理学部
医学部
歯学部
薬学部
工学部
生物生産学部
全体
8
13
31
9
11
13
16
7
10
108
2
228
概ね
そう思う
26
39
81
40
43
63
56
22
30
394
12
806
-189-
あまりそう
思わない
31
18
90
36
54
37
56
17
24
237
18
618
そう
思わない
14
9
31
11
20
19
21
4
12
77
5
223
合計
79
79
233
96
128
132
149
50
76
816
37
1875
2.卒業・修了予定者に対する調査(卒業生
2.卒業・修了予定者に対する調査(卒業生・修了生に対する
に対する調査(卒業生・修了生に対するアンケート,
・修了生に対するアンケート,21
アンケート,21 年度実施)
卒業生・修了生に対するアンケートの結果,645 名の回答者のうち延べ 638 名が回答をしていた。
学部ごとのデータ数が少ないため,文系学部(文学部・法学部・経済学部)
,理系学部(理学部・工学
部・生物生産学部)
,総合計学部(総合科学部・教育学部),医学系学部(医学部・歯学部・薬学部)
の 4 つに分類して集計した。
自分のプログラムの到達目標を意識していたものは全学平均で 14.3%であり,文系学部で割合が高
くなっている。学習成果を振り返る指標だと思っていたものが全学平均で 14.9%であり,理系学部や
総合系学部で高くなっている。身につけた力の説明指標だと思っていたものが全学平均で 8.5%であ
り,文系学部や理系学部で高くなっていた。これらを合わせ,全体の約 1/3 である 37.7%のものが,
プログラムの到達目標を何らかの形で活用していたといえる。総じて文系学部で活用の程度が高いと
言える。その一方,医学系学部では活用の程度が低かった。
到達目標を活用しなかった・知らなかったと答えた割合は,全学平均で 50%を超えており,到達目
標型プログラムがさほど浸透していないことがわかる。特に,医学系学部での浸透の度合いが低いと
言える。
到達目標とし 学習成果を振 身につけた力
て意識した り返る指標 の説明指標
文系学部
33
18
18
理系学部
29
47
26
総合系学部
26
27
8
医学系学部
3
3
2
合計
91
95
54
-190-
それ以外
7
9
5
1
22
活用
しなかった
71
124
121
30
346
到達目標を
知らない
1
25
0
4
30
合計
148
260
187
43
638
3.プログラムの到達目標に対する学生の認識
3.プログラムの到達目標に対する学生の認識
在学生を対象としたアンケートから,主専攻プログラムの詳述書や評価項目に関する理解が十分で
ないことがわかる。主専攻プログラムの詳述書を読んだことのある学生は 45%,評価項目を理解して
いる学生が 37%,評価項目が授業と関連していることを理解している学生が 34%,到達目標を意識
して授業を履修した学生が 35%と,到達目標型プログラムを理解しているのは 1/3 にとどまり,2
/3 の学生は十分な理解や活用ができているとは言えない。授業を履修することで到達目標を達成で
きると考えている学生が 71%であることを考えると,正しく学生に周知すれば到達目標型教育プログ
ラムの効果を上げる可能性を示唆するものといえる。とはいえ,教員の指導が適切であったと感じて
いる学生が 55%とやや低いことから,教員による指導体制の充実が望まれる。
卒業生を対象としたアンケートから,約 1/3 の学生がプログラムの到達目標を何らかの形で活用
していたものの,活用しなかった学生が 54%,到達目標自体を知らなかった学生が 5%と,6 割弱に
も及ぶことがわかった。
以上,在学生・卒業予定学生を対象としたアンケートから共通して言えることは,自分の所属して
いるプログラムの到達目標を意識・理解しているのは約 1/3 にとどまっており,2/3 弱の学生がプ
ログラムの到達目標を知らない・理解できていないのである。到達評価型教育プログラムが実施され
て 5 年が経過するものの,プログラムの到達目標や評価項目の理解が浸透していないことは,教員に
よる指導が十分ではないからではないだろうか。在学生が教員による指導が適切であったと感じてい
た学生が約半分であったことからも,指導が十分でなかったことが窺える。こうした指導が十分に行
われていない原因の一つに,教員自身の到達目標型教育プログラムに対する理解が十分でないという
側面があるのではないだろうか。
これまでプログラム詳述書の公開はどこまで行われていたのだろうか。プログラム・ガイダンス等
での説明がなされていたとはいえ,ホームページでの公開は H22 年度からであり,学生に対する周知
が十分ではないプログラムも多いだろう。今後は,学生にわかりやすく伝えるための工夫が必要であ
り,簡単なパンフレットの作成も検討される必要があるだろう。そのことを通して,教員・学生双方
が,プログラムで学ぶべき課題を自覚することになるだろう。
-191-
附表 卒業生・修了生に対するアンケートの参考資料
別表1-A~Cからわかることは,現時点において,到達度評価の活用と,チューターの指導・専
門教育への満足・卒業研究の有意義さに,大きな違いがないと言うことである。これは,ある意味,
到達度評価を知っていなくても,学生たちは専門教育に十分満足し,卒業研究を行っていることを示
している。プログラムの到達目標が十分に周知されていないことに起因していると思われる。
別表1-A
チュータ
ーの履修
指導
適切だと強く
思う
適切だと思う
適切だと思
わない
適切だと全く
思わない
合計
到達度評価の活用
身につけ
た力の説 それ以外
明指標
到達目
標として
意識した
学習成
果を振り
返る指標
23.60
24.47
13.21
51.69
57.45
21.35
合計
活用しな
かった
到達目
標を知ら
ない
22.73
9.94
10.00
14.76
64.15
54.55
54.68
66.67
56.03
18.09
20.75
22.73
27.78
20.00
24.29
3.37
0.00
1.89
0.00
7.60
3.33
4.92
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
到達目
標として
意識した
27.47
69.23
学習成
果を振り
返る指標
23.16
65.26
3.30
11.58
7.41
0.00
0.00
100.00
100.00
到達目
標として
意識した
47.25
36.26
学習成
果を振り
返る指標
52.63
42.11
6.59
3.16
3.70
1.10
1.05
8.79
100.00
別表1-B
専門教育
の満足
とても満足
満足
あまり満足し
ていない
満足してい
ない
合計
到達度評価の活用
身につけ
た力の説 それ以外
明指標
24.07
45.45
68.52
50.00
合計
17.63
64.74
到達目
標を知ら
ない
10.00
70.00
21.00
65.52
4.55
14.74
13.33
11.60
0.00
0.00
2.89
6.67
1.88
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
活用しな
かった
別表1-C
卒業研究
の
有意義さ
合計
強くそう思う
そう思う
そう思わな
い
全くそう思わ
ない
あてはまら
ない
到達度評価の活用
身につけ
た力の説 それ以外
明指標
35.19
45.45
53.70
27.27
合計
41.04
41.33
到達目
標を知ら
ない
36.67
46.67
43.10
41.54
9.09
6.36
6.67
5.80
0.00
0.00
4.34
10.00
3.13
1.05
7.41
18.18
6.94
0.00
6.43
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
-192-
活用しな
かった
4.4.
4.4.本学学生の学習実態について
福留 東土(FD 部会委員・高等教育研究開発センター 准教授)
分析班では,2010 年度における検討課題のひとつとして,学生の学習実態を把握することを設定し
た。本報告では,授業評価アンケートを通して得られたデータを使って,本学の学士課程学生の予習・
復習時間及び授業出席状況の実態を分析する。合わせて,2007 年に東京大学大学経営・政策センター
が実施し,広島大学が調査対象大学のひとつとして参加した「全国大学生調査」の中から関連するデ
ータを示す。
報告の主な対象は学士課程学生の学習実態であるが,最後に,大学院生の授業外学習時間の実態に
ついても触れる。
1.分析に用いるデータについて
1.分析に用いるデータについて
はじめに,今回の分析に使用する授業評価アンケート(平成 21 年度)データの概要を授業形態別・
部局別にまとめておく。
授業評価アンケート回答数(平成21年度)
全体
教養教育 外国語 教育学部 医学部 理学部 薬学部 工学部 歯学部 生物生産 総合科学 文学部 法学・昼 法学・夜 経済・昼 経済・夜
講義
32974
21100
9298
1605
1516
882
12952
995
1285
1171
938
1746
586
2431
671
演習
4426
14413
90
922
242
776
1669
60
10
287
324
46
実験・実習
2994
2653
558
130
152
128
1374
362
194
84
12
-
また,東京大学大学経営・政策センターが実施した「全国大学生調査」は,2007 年度に在籍してい
た学士課程学生が調査対象となっているが,本学のサンプルには学部・学年にかなり偏りがみられた
ため,全学的な状況を把握する目的で,本報告では,学生の学習経験が比較的共通している 1・2 年
生のデータのみを使用することとする。該当する回答者は,広島大学 227 人,全国の大学 23,872 人
である。
2.学士課程学生の授業外学習時間
本学の授業評価アンケートでは,学生の授業外学習の実施状況について,平成 16~20 年度までは,
「授業の予習・復習をよくしましたか」という設問に対して,
「強くそう思う」から「まったくそう思
わない」の 4 段階で答えさせており,いわば質的・主観的な回答を求める形をとっていた。平成 21
年度からは,「あなたは予習・復習にどの程度の時間を使いましたか」との設問に対して,
「授業時間
の 2 倍以上」「授業時間の 1~2 倍」「授業時間の 0.5~1 倍」「授業時間の 0.5 倍未満」と,授業外学
習時間の長さを具体的に尋ねる設問が設定されている。そこで,今回は平成 21 年度のデータを元に,
学生の授業外学習時間の現状をまとめてみた。授業評価アンケートのデータは,講義科目,演習科目,
実験・実習科目ごとにまとめられているので,以下ではそれに沿って授業形態別に分析結果を提示す
る。
-193-
(1)講義科目
(1)講義科目
単位制度について大学設置基準では,1 単位には 45 時間の学習が相当すると定められている。すな
わち,2 単位授業では 90 時間の学習が必要ということになり,通常,授業時間が 30 時間(2 時間×
15 週)であるから,60 時間の授業外学習,すなわち授業を受講する時間のおよそ 2 倍の学習時間が
確保されなければならないということになる。
講義科目について,学生の学習実態をまとめたところ,上記の単位制度を実質化する名目的基準で
ある授業時間の 2 倍以上という学生は全体で 1 割弱に過ぎなかった。また,授業時間の 1~2 倍とい
う学生は 2 割程度であり,これらを合わせて,授業を受ける時間以上に授業外学習を行っている学生
はおよそ 3 割ということになる(図1)
。逆に,授業時間の 0.5 倍未満しか学習していない学生は 4
割である。こうした全体状況を本来のあるべき単位制度に照らせば,やはり現状にはかなりの改善が
必要であると考えられる。
なお,これらの数値の読み方にはいくつかの点で留意が必要である。授業に関する授業外学習につ
いては,授業形態や所属学部によってはレポート作成時や試験の直前などに集中的に学習する学生が
多いと思われる。回答する学生によって回答の仕方はさまざまであると考えられるが,もし,アンケ
ートの結果がこれらの時間を学期期間でならした数値だとすると,学期中の通常の学習時間は上記の
数値よりも一層少ないことになる。こうした一般的な状況を考慮すれば,やはり学生を定期的に学習
に向かわせるシステム作りが必要といえるだろう。また,もう一点,授業評価アンケートは現在ウェ
ブ上で実施されており,すべての学生がアンケートに回答しているわけではないという点にも留意す
る必要がある。回答を寄せる学生には,授業に熱心に取り組んだ学生,あるいは授業に強い不満を持
つ学生が多く含まれているものと想定される。ゆえに,本報告の分析に使用するデータは,必ずしも
本学学生全体の実態をそのまま反映したものとは限らず,授業外学習時間についていえば,
(おそらく
は学習時間が実態よりも長くなる形で)バイアスが掛かっている可能性がある。この点は,以下の各
分析でも同様に留意する必要がある。
(2)演習科目・実験・実習科目
次に,演習科目の授業外学習時間をみると,全体的に講義科目よりも学習時間が長いことが分かる
(図2)
。同時に,学部による格差は講義科目以上に大きい。学習時間が講義科目とほとんど変わらな
い学部がある一方,ほとんどの学部では講義科目よりも演習科目のほうが学生の学習時間が長い。ま
た,データには表れていないが,授業に沿って定期的に授業準備を求めることが多い演習科目の性格
を勘案すると,講義科目と比べた場合の定期的学習時間の差は,このデータに示される以上に長いの
ではないかと考えられる。学部ごとに演習の位置付け,講義と演習の関係は異なっているものと考え
られるが,学生の学習実態を見れば,演習的科目の位置付けをより高めることも今後の改善方策のひ
とつとして示唆される。
また,実験・実習科目については,全体としてみれば学習時間は講義科目と同じ程度である(図3)。
ただし,通常,実験・実習科目の単位数は講義・演習の半分に設定されており,それを勘案すれば,
講義に比してやはりその学習時間は長く確保されているといえる。なお,演習同様,実験・実習科目
の学習時間も学部間の格差が大きい。
-194-
(3)他大学との比較と求められる方策
こうした本学の実態を,週当たりの平均学習時間として他大学と比較してみる。図4をみると,本
学の現状は,まったく学習していない「学習時間 0 時間」という学生が若干少ないが,それ以外は全
国的な状況とほとんど変わらない。すなわち,現在,日本の大学において単位制度の実質化がひとつ
の主要な課題とされていることと共通する課題を本学も同様に抱えているということが確認できる。
こうした課題を解決しようとすれば,基本的な方策としては各授業科目において授業外学習を促進
するよう,予習を必要としたり,課題を与えたりすることが必要となる。ただし,授業外学習時間に
最も課題のある講義科目の学習時間を増やすことで改善を図るのか,演習や実験・実習などをカリキ
ュラムの中に増やすことで学習時間を伸ばしていくのか,あるいは講義に演習的要素を多く取り入れ
るのか,いくつかの考え方がありうる。上記の通り,全体としてみれば学生の学習時間が不足してい
ることは全学に共通の課題だが,講義や演習,実験など授業形態の位置づけ方は学部によって異なっ
ている。また当然,それら科目間の配分も学部や教育プログラムごとに多様であろう。教員の教育負
担の問題も十分に考慮しながら,教育単位ごとに必要かつ可能な措置についての議論を促進すること
が重要であろう。
「単位制度の実質化」とは,厳密には設置基準上の規定が実現されていることをいうが,上記の通
り,名目上の基準と実態との乖離はあまりにも大きい。名目上の規定をその通りに実現することをい
きなり目標に置くのではなく,さまざまなレベルで学生の授業外学習を伸ばす取組みを進め,授業外
学習を長く確保する学生の比率を段階的に増やしていくことが重要な方策となるだろう。
3.授業への出席率
次に,同じく授業評価アンケートの結果に基づいて,学士課程学生の授業への出席率についてみて
みる。講義科目,演習科目,実験・実習科目の順に図5~図7に示す。授業への出席率は,実験・実
習,演習,講義の順に高い。概ね出席状況は良好であるといえるが,学部によっては一部出席率が低
いところもあり,改善の余地があることが示唆される。
「全国大学生調査」によって他大学と比較をしてみると,本学学生は他大学の学生よりも授業出席
率の高い学生が多く,逆に出席率の低い学生は少なく,全国平均以上によく授業に出席していること
が分かる(図8)。
授業を通した学習を促進させていく上では,まず何よりも授業に出席させることによって学生を授
業へコミットさせることが前提となる。一方で,授業に出席させるよう強制力を高めると,授業出席
率は向上したとしても,学生にとっては,授業に出ることのみが目的と化し,教育・学習効果につな
がらないことも多い。本学の授業出席率は全国的に見て高い水準にあると考えられるが,こうした実
質的な教育・学習効果にどの程度つながっているのかをさらに見極めていく必要がある。
4.大学院生の授業外学習時間
以上は学士課程学生について分析した結果であったが,最後に,大学院生の授業外学習時間につい
て触れておく(図9)。大学院生についても学士課程と同様,授業評価アンケートの結果を参照する。
ただし,大学院生に対して授業外学習時間の長さを尋ねているのは平成 22 年度のアンケートからで
ある。本報告執筆時点では,同年度前期のデータしかないため,これを使用する。
全体をみると,授業時間の 2 倍以上学習している学生が 2 割弱,授業時間の 1~2 倍が 3 割弱であ
-195-
り,当然と言えば当然だが,学士課程学生に比べれば,長時間の学習を行っている学生が多い。ただ
し,授業時間の半分未満しか学習していないという学生も 4 分の 1 を占める。半数以上は,授業外で
授業時間より短い時間しか学習していない。
図9に示されるように,大学院生の学習時間は,専門分野や研究科によってバラつきが大きく,現
状をどう解釈し,どのような対処が必要と考えるのかは,専門分野や研究科,あるいは専攻によって
かなり異なるだろう。大学院生の場合,学士課程のように,講義・演習等の授業形態によってデータ
が分割されていないため,研究科によっては授業ごとに割り当てられる単位数の違いがこの結果に少
なからず影響しているものと考えられる。また,研究科や分野によっては,必ずしも授業外学習とし
てはカウントされない長時間の実験や研究室関連の活動に大学院生が多くの時間を充てていることも
少なくないと考えられる。そうした側面も視野に入れながら,研究科や専攻ごとにさらなる実態把握
が必要であろう。ただし,上記の通り,全体で半数以上が授業時間より短い時間しか授業外学習を行
っていないという実態は,大学院生の学習に対しても全学的な取組の必要性を示唆する結果といえる。
-196-
<図一覧>
図1 予習・復習時間(平成21年度・講義)
予習・復習時間(平成 年度・講義)
0%
10%
全体
20%
8%
教養教育
6%
教育学部
7%
医学部
6%
理学部
10%
薬学部
11%
工学部
12%
歯学部
11%
生物生産学部
4%
30%
40%
22%
50%
60%
70%
30%
18%
43%
36%
39%
25%
34%
33%
30%
27%
31%
28%
32%
25%
25%
31%
17%
33%
34%
17%
文学部
6%
19%
45%
28%
48%
31%
法学部・昼
9%
23%
法学部・夜
8%
24%
100%
49%
30%
19%
6%
90%
40%
27%
20%
総合科学部
80%
45%
32%
36%
37%
30%
法学
法学
総合科 生物生
教育学 教養教
文学部
歯学部 工学部 薬学部 理学部 医学部
部・夜 部・昼
学部 産学部
部
育
全体
授業時間の2倍以上
8%
9%
6%
6%
4%
11%
12%
11%
10%
6%
7%
6%
8%
授業時間の1~2倍
24%
23%
19%
17%
17%
25%
31%
33%
25%
19%
20%
18%
22%
授業時間の0.5~1倍
37%
32%
31%
28%
34%
31%
32%
27%
34%
36%
30%
27%
30%
授業時間の0.5倍未満
30%
36%
45%
48%
45%
33%
25%
28%
30%
39%
43%
49%
40%
図2 予習・復習時間(平成21年度・演習)
予習・復習時間(平成 年度・演習)
0%
全体
教養教育
10%
30%
10%
40%
8%
33%
28%
26%
45%
30%
12%
文学部
40%
36%
23%
法学部・夜間
23%
25%
30%
総合科学部
29%
27%
13%
生物生産学部
9%
20%
39%
32%
14%
100%
41%
24%
24%
18%
90%
27%
31%
17%
80%
28%
33%
26%
理学部
70%
36%
17%
歯学部
60%
34%
27%
教育学部
工学部
50%
28%
8%
外国語教育研究センター
医学部
20%
0%
36%
30%
16%
26%
39%
26%
21%
13%
法学部・夜間
文学部
総合科学部
生物生産学部
歯学部
工学部
理学部
22%
医学部
教育学部
外国語教育研究
センター
教養教育
全体
10%
授業時間の2倍以上
39%
23%
12%
30%
17%
14%
18%
8%
26%
17%
8%
授業時間の1~2倍
26%
30%
36%
30%
13%
33%
32%
24%
31%
33%
27%
28%
授業時間の0.5~1倍
13%
26%
36%
40%
25%
28%
27%
39%
24%
41%
36%
34%
授業時間の0.5倍未満
22%
21%
16%
0%
45%
26%
23%
29%
20%
9%
28%
27%
-197-
図3 予習・復習時間(平成21年度・実験、実習)
予習・復習時間(平成 年度・実験、実習)
0%
10%
全体
20%
30%
40%
32%
教養教育
50%
60%
70%
医学部
35%
理学部
27%
38%
37%
28%
43%
薬学部
22%
35%
27%
55%
歯学部
23%
生物生産学部
33%
46%
36%
総合科学部
12%
35%
54%
25%
25%
文学部
18%
44%
18%
文学部
13%
49%
38%
工学部
100%
59%
21%
35%
90%
41%
27%
20%
教育学部
80%
総合科学 生物生産
歯学部
部
学部
50%
工学部
薬学部
理学部
医学部 教育学部 教養教育
全体
授業時間以上
25%
54%
18%
23%
55%
38%
43%
35%
35%
20%
32%
授業時間の0.5~1倍
25%
35%
36%
44%
27%
49%
35%
37%
27%
21%
27%
授業時間の0.5倍未満
50%
12%
46%
33%
18%
13%
22%
28%
38%
59%
41%
図4 授業に関する授業
授業に関する授業外学習時間
授業外学習時間
(週当たりの平均時間)
0%
広島大学 2%5%
全体
21時間以上
20%
11%
4%3% 8%
40%
19%
60%
80%
58%
20%
5%
56%
全体
4%
9%
広島大学
2%
16-20時間
3%
5%
11-15時間
8%
11%
6-10時間
20%
19%
1-5時間
56%
58%
0時間
9%
5%
-198-
100%
図5 授業に出席し
授業に出席した割合(平成
た割合(平成21年度・講義)
平成 年度・講義)
0%
10%
20%
30%
全体
56%
教養教育
56%
教育学部
55%
40%
50%
60%
70%
80%
27%
経済学部・…
14%
9%
11%
33%
17%
10%
12%
35%
46%
8%
18%
33%
41%
10%
13%
31%
48%
経済学部・昼
15%
27%
5%
9%
29%
40%
5%
5% 2%
27%
48%
法学部・夜
9%
21%
46%
法学部・昼
7% 2%
25%
59%
文学部
8%
23%
72%
総合科学部
4%1%
9%
24%
61%
生物生産学部
3%
20%
68%
歯学部
6%
9%
33%
58%
工学部
6%
12%
74%
薬学部
100%
11%
26%
医学部
理学部
90%
7%
経済学
経済学 法学 法学
総合科生物生
教育学教養教
部・夜
文学部
歯学部工学部薬学部理学部医学部
全体
部・昼 部・夜 部・昼
学部 産学部
部
育
間
全て出席 46% 41% 48% 40% 48% 46% 59% 72% 61% 68% 58% 74% 55% 56% 56%
9割以上
35%
33%
33%
27%
31%
29%
27%
21%
25%
23%
24%
20%
33%
26%
27%
8割以上
12%
17%
11%
18%
13%
15%
9%
5%
9%
7%
9%
4%
9%
12%
11%
8割未満
7%
10%
9%
14%
8%
10%
5%
2%
5%
2%
8%
1%
3%
6%
6%
-199-
図6 授業に出席した割合(平成21年度・演習)
授業に出席した割合(平成 年度・演習)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
全体
59%
28%
10%
3%
教養教育
58%
29%
11%
3%
外国語教育研究センター
49%
36%
教育学部
12%
55%
医学部
84%
理学部
25%
80%
生物生産学部
文学部
6% 5%
5%
0%
50%
48%
32%
15%
52%
法学部・夜間
5%
7%
8%
50%
総合科学部
1%
2%
8%
21%
68%
歯学部
3%
13%
62%
工学部
3%
9%
34%
8%
35%
57%
5%
6%
9%
26%
9%
外国語
法学部・
総合科 生物生
教育学 教育研 教養教
文学部
歯学部 工学部 理学部 医学部
夜間
学部 産学部
部
育
究セン
ター
全て出席 57%
52%
48%
50%
80%
68%
62%
84%
55%
36%
58%
全体
59%
9割以上
26%
35%
32%
50%
8%
21%
25%
13%
34%
49%
29%
28%
8割以上
9%
8%
15%
0%
7%
6%
8%
2%
9%
12%
11%
10%
8割未満
9%
6%
5%
0%
5%
5%
5%
1%
3%
3%
3%
3%
図7 授業に出席した
授業に出席した割合(
した割合(平成
割合(平成21年度
平成 年度・実験、実習)
年度・実験、実習)
0%
10%
20%
30%
40%
全体
50%
60%
70%
80%
76%
教養教育
100%
5% 2%
18%
23%
68%
教育学部
90%
53%
13%
32%
医学部
2%
4% 2%1%
93%
理学部
86%
薬学部
3%
6%
1%
1%
12%
96%
1%
1%2%
工学部
89%
9%
2%
1%
歯学部
89%
9%
1%
1%
生物生産学部
1%
5% 2%
92%
総合科学部
81%
文学部
14%
75%
文学部
総合科学 生物生産
部
学部
81%
92%
8%
17%
歯学部
工学部
薬学部
理学部
医学部
5% 0%
教育学部 教養教育
全体
全て出席
75%
89%
89%
96%
86%
93%
53%
68%
76%
9割以上
17%
14%
5%
9%
9%
1%
12%
4%
32%
23%
18%
8割以上
8%
5%
2%
1%
2%
1%
1%
2%
13%
6%
5%
8割未満
0%
0%
1%
1%
1%
2%
1%
1%
2%
3%
2%
-200-
0%
図8 授業出席率
0%
20%
40%
広島大学
60%
80%
100%
85%
全体
15% 0%
75%
23%
9-10割
全体
75%
広島大学
85%
5-8割
23%
15%
0-4割
2%
0%
-201-
2%
4.5.
4.5.平成 23 年度へ向けて
平成 22 年度調査からわかる課題
年度調査からわかる課題
平成 22 年度の調査から,教育・学習行動の実態において学生・教員双方の課題が浮き彫りになっ
たといえる。
学生側の課題として,第一に自分の所属しているプログラムの到達目標についての認識が低いこと
があげられる。主専攻プログラムの到達目標を意識・理解しているのは約 1/3 にとどまっており,
到達評価型教育プログラムが実施されて 5 年が経過するものの,プログラムの到達目標や評価項目の
理解が浸透していないのが実情である。第二に,学生の学習実態において,本学では授業への出席率
は概ね高いが,授業外学習時間は全体として短く,改善の必要性があることが示された。
ハ イ プ ロ ス ペ ク ツ
教員側の課題としては,現在の到達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS®」についての理解が
十分でないことがあげられる。これには,広島大学が採用した新しい教育システムについての無理解
や,これまで通りのやり方を踏襲したいと考えていること,また,教育プログラムというシステムで
はなく個人の裁量で決定されるという考えを持ち続けていることに関連していると思われる。
平成 23 年度に向けての提言
年度に向けての提言
このような課題に対して,今後どのような対応をしていく必要があるだろうか。上記の課題に対応
させて考えていく。
学生のプログラムの到達目標の認識が低いことについて,学生自身が到達目標を意味のないものと
して考えているわけではないことは,提供されている科目を履修することで到達目標を達成できると
考えている学生が7割を超えていることからもわかる。むしろ,学生はプログラムの到達目標につい
ての情報提供を受け,明確なロードマップを示してもらうことが大切だと考えているのである。到達
目標の認知度と重要性の認識にギャップが生じている原因の一つに,プログラムの到達目標に関する
ガイダンスや指導が十分でないことが考えられる。教員側の課題からもわかるように,教員のハイプ
ロに対する理解が十分でないことも関与しているだろうし,さらに,ハイプロを周知させるための努
力も十分ではない。プログラム詳述書がホームページ上に公開されたのは H22 年度からであるが,学
生用にわかりやすくまとめられたものではない。今後は,学生にわかりやすく伝えるための工夫が必
要であり,簡単なパンフレットの作成も検討される必要があるだろう。そのことを通して,教員・学
生双方のプログラム到達目標への意識を高めることができるようになり,教育の実質化を図ることが
できるようになるのではないだろうか。
学生の学習時間が短いことについては,授業を通した学習の促進が必要となってくる。講義での課
題を増やしたり,予習をした上で授業に参加するよう学生に促したりするなど,個別授業ごとに授業
外学習を意識した取組が必要となる。FD 部会では学生の学習に焦点を当てた FD 研修にも取り組ん
でおり,そうした機会を通して,授業外学習を促進するためのさまざまな工夫を発信することが大切
であろう。また,個別の取組を支援する上で,かつ学生が授業を通して学習する風土を形成していく
上で,組織的な取組も重要である。授業への支援については,授業外学習へ配慮することが教員の教
育負担に過度の影響を及ぼさないよう,TA の配置を充実させるなどの取組も重要となってくる。ま
た,風土形成という面では,一部の科目だけで授業外学習を多く要求することは,学生の履修状況や
-202-
学習のバランスに影響を及ぼす,あるいはそうした危惧を教員に抱かせる可能性もある。そうならな
いよう,プログラム,学部などいくつかのレベルで組織的に現状への理解を共有し,足並みを揃えて
取組を進めることも必要となるだろう。授業外学習の現状と設置基準の規定する単位制度との乖離は
大きく,段階的に現状を改善していくことが現実的な取組となるだろう。
また,大学院生の授業外学習時間についても授業外学習が十分とは言えない現状がみえてきた。た
だし,研究科や専門分野によっては,実験や調査にかける時間も多く,授業外学習時間による評価だ
けで実態を把握することは難しいことも事実である。現状の解釈の仕方や課題の所在は,研究科や専
門分野によって異なると考えられるため,研究科や専攻ごとに現状を把握することがまずは重要とい
えるだろう。また,教員の教育負担については,大学院生が増加していることから,大学院段階も含
めて考慮する必要がある。
ハ イ プ ロ ス ペ ク ツ
教員に対しては,現在の達目標型教育プログラム「HiPROSPECTS®」についての理解が十分では
ないと思われるため,その理解を深める対策を取る必要があろう。第一に,ハイプロに関する FD を
実施し,到達目標型プログラムについての理解を促すことが必要である。到達目標のもと,それぞれ
の授業が有機的なつながりを持って学生に教育を提供できるようになれば,教員・学生双方のハイプロ
に対する不理解も改善されるであろう。第二点として,現在の到達目標型教育プログラムにそぐわな
いと考える学問領域が存在ことも考えられる。そうした学問領域にとって効果的な教育のあり方や教
育・評価システムのあり方についての議論を深め,新たな教育・評価システムを模索することも必要
であろう。
平成 23 年度は,上記の内容に沿って教育改善のための FD を充実させるとともに,その効果を高
めるためにも多くの教員に参加してもらうことを課題としたい。
-203-
8月上旬
(13:00~
17:00)
9月下旬(1
②-2:TA研修会
日×2会場)
2
3
4
目的
場所
各部局教育担当責任
者
4月~3月
7
教職員
②-2:平成23年度入
初任チューター
学生チューター研修会
3月下旬
(13:00~
16:30)
6
事例発表者、学外
講評者
教育担当副学長、
学内講師
・「いろは」
・各部局通知
・「いろは」
・各部局通知
・「いろは」
・各部局通知
- 204 -
開催したFDをオンラインで公開する。さらに、「大学における授業」
のあり方について基本的原理と実践的課題を理解するためのオン
ラインコースを開発する
「成績評価の現状と課題」「発達障害とメンタルヘルス」等講義、情 学生支援担当副学 ・「いろは」
ライブラリー 報提供、学生への対応に関するグループ討議
長、学内講師(各セ ・個別通知
ホール
ンター、FD部会)
FDの機会をより多くの教職員に提供するために、オンライ WebCT
ンによるFDを可能にする
学生の成績評価、学習相談および生活支援等、チュー
ターの業務における留意事項について理解を深める
授業におけるWebCT利用例の紹介を含む学内事例発表、および
参加者による小グループ・全体討議
学生の学習活動を促進するために有効な授業方法を研究 4F会議室
し教育の効果を向上させる
3月上旬
前半:TA制度について(制度の目的,心構え,関係規定,職務上
の注意事項等)
後半:業務打合せ,WebCT講座など
5
募集方法
学長,各部署講師, ・「いろは」
副学長,学士課程 ・各部局通知
会議議長
講師等
本学の状況に基づいた「高等教育における現状と展望」「学生支援 本学CFS認定ス
相談の重要性と相談方法」についての講義および意見交換
チューデントコンサ
ルタント,学生支援
WGメンバー
研修No.6の内容に基づき、TA採用候補者である大学院 東広島,霞
大学院生および各学部 生に対して職務を果たすために必要な心構え、基礎的知
FD責任者
識・技能を授ける
②-2:授業方法研修 各部局教育担当責任
会
者,若手教員
e研修
(オンライン コンテン
ツ)
内容等
新たに策定されるTA制度運用の枠組みに基づき、教養・ ライブラリー TA制度運用の枠組みについて、目的と内容に関する説明。これま 教育室GL、学外講 ・「いろは」
学士課程教育の組織化、活性化、および大学院課程教育 ホール
でにTA制度の活用を試みてきた他大学の事例発表。パネルディス 師、FD部会・本学部 ・各部局通知
に資するTA制度活用を検討する
カッション
局長代表
本学の建学の精神,教育理念・目標,大学人としての規範 ライブラリー 広島大学の教育
平成21年4月2日~平 等,広島大学の教職員として行動するための基礎的な知 ホール
成22年4月1日に採用さ 識や技能を身につける
れた教職員
主な対象者
学生対応の事務窓口である職員と教員および学生が、本 4F会議室
②-3:学生支援教職 学生支援担当職員、教 学の教育とそれを支える学生支援の現状と課題について
共通理解を深め、協働のあり方を検討することを目的とす
員研修
員
る。
②-1,2,3:TA制度
活用研修会
7月下旬
(13:00~
16:30)
種目(番号):名称
1
実施日時
4月2日(金)
①:新任教職員研修
(8:45~
会
17:30)
No
Ⅰ.人材育成推進室が企画・運営するFD活動
① 新任教職員研修会
② 授業改善・学生支援のための研修会
②-1 授業参観
②-2 授業方法研修会
②-3 学生支援教職員研修会
③ 教育改革のための研修会
③-1 教養教育実質化のための研修会
③-2 学士課程教育実質化のための研修会
③-3 大学院課程教育実質化のための研修会
④ 大学教育問題に関する研修会
④-1 公開セミナー
④-2 公開研究会
④-3 研究員集会
⑤ 各学部・研究科等で開催する研修会
◎広島大学の体系的なFD活動~「広島大学における体系的なFD活動実施要綱」より~
5.1. 平成22年度人材育成推進室(FD部会)広島大学全学FD活動実施計画
5. 資料
人材育成推進室(FD部会)
教育学研究科?
人材育成推進室
学生生活会議
人材育成推進室(FD部会)
人材育成推進室(FD部
会)
人材育成推進室(FD部会)
人材育成推進室(FD部
会)
人材育成推進室(SD・FD
部会共催)
実施責任者
2010年4月23日現在
8月
③-1 教養教育実質
教養教育担当責任者
化研修会
学士課程教育責任者
大学院課程教育責任
者
③-2 学士課程教育
実質化研修会
③-3 大学院課程教
育実質化研修会
12
13 未定
14
大学院課程会議
大学院課程教育の目的を達成するために必要な研修会を
実施する
教養教育委員会
高等教育研究開発セン
ター
高等教育研究開発セン
ター
高等教育研究開発セン
ター
学士課程会議
- 205 -
中堅の教職員及び管理職に就いている教職員に対して,高等教育
研究開発センターが実施する研修会を通して研修を行う。特定の
テーマについて高等教育研究開発センターの専任教員が自己の
研究に基づき、受講者とともに掘り下げていく「公開セミナー」に参
加する
中堅の教職員及び管理職に就いている教職員に対して,高等教育
研究開発センターが実施する研修会を通して研修を行う。特定の
テーマについて高等教育研究開発センターの専任教員が自己の
研究に基づき、受講者とともに掘り下げていく「公開研究会」に参加
する
中堅の教職員及び管理職に就いている教職員に対して,高等教育
研究開発センターが実施する研修会を通して研修を行う。高等教
育研究開発センターの全研究員が一堂に会し、高等教育に関する
最新のテーマのもとに研究発表と討議を行う「研究員集会」に参加
する
各部局
学士課程教育の目的を達成するために必要な研修会を実
施する
教養教育の目的を達成するために必要な研修会
高等教育研究開発センターで実施されている研修会で、
④-3:高等教育研究 学長,理事,副学長, 高等教育に関する最新の状況を聴講することを通して大
開発センター研究員 副理事,部局長,各種 学の指導的立場の大学教職員として大学を広い視野から
鳥瞰するための知識や技能を身につけるための研修会
集会
委員会委員長等
高等教育研究開発センターで実施されている研修会で、
④-2:高等教育研究 学長,理事,副学長, 高等教育に関する最新の状況を聴講することを通して大
開発センター公開研 副理事,部局長,各種 学の指導的立場の大学教職員として大学を広い視野から
究会
委員会委員長等
鳥瞰するための知識や技能を身につけるための研修会
高等教育研究開発センターで実施されている研修会で、
④-1:高等教育研究 学長,理事,副学長, 高等教育に関する最新の状況を聴講することを通して大
開発センター公開セミ 副理事,部局長,各種 学の指導的立場の大学教職員として大学を広い視野から
ナー
委員会委員長等
鳥瞰するための知識や技能を身につけるための研修会
4月~7月
②-1:授業参観
10月~1月
11 11月
10
9
8
授業参観される教員にとっては,参観者からのコメントを 各学部・研究 人材育成推進室(FD部会)部員が参加し、内容を部会で報告しな 部会員(参加・報告) 「いろは」
本学の教職員および将 通して自身の授業を改善し,参観者にとっては,他人の授 科
がら今後必要な支援を検討する
来の大学教員である大 業を参観することを通して参観者自身の授業の改善に役
学院生。
立てる研修会
Ⅱ.人材育成推進室以外が企画・運営するFD活動
5.2. 平成22年度全学FD活動一覧
開催日
種別
2010/4/2 ①
2010/7/30 ②
2010/8/5 ②
開催部署
教員 職員
教職員合計
人材育成推進室
53
27
80
TA制度活用研修会~発展的なTA制度の活用に向けて~
人材育成推進室(FD部会)
27
38
65
学生支援教職員研修会~広島大学型の学習支援を目指して~ 人材育成推進室(FD部会)
25
33
58
40
39
79
学部生
大学院生 学生合計
学外
全参加者
80
65
69
50
57
3
82
TA研修会~TAとして活躍していくために~
人材育成推進室(FD部会)
広島大学全学FD講演-21世紀の教養と教養教育-
教養教育本部
2010/12/15 ③
平成22年度学士課程教育FD
学士課程会議
50
30
80
68
5
73
153
2010/12/16 ③
平成22年度大学院課程教育FD
大学院課程会議
42
33
75
6
67
73
148
2010/12/22 ②
授業方法研修会~教育効果の上がる授業をめざして~
人材育成推進室(FD部会)
41
1
42
4
4
46
2011/3/25 ②
チューター研修会
人材育成推進室(FD部会)
107
13
120
120
76
76
2010/6/23 ③⑤ 平成22年度第1回総合科学研究科・総合科学部FD
2010/11/22,11/29
②
総合科学部超域研究授業(PBL)公開
総合科学研究科
総合科学部・教育室
2010/12/1 ②⑤ 広島大学総合科学研究科FD講演会(第2回総合科学研究科・総合科学部FD) 総合科学研究科
2011/3/2 ③⑤ 平成22年度第3回総合科学研究科・総合科学部FD
7
11
2010/10/22 ③
2010/9/29-30
②
FD研修会
新採採用者基礎研修
3
4
4
4
74
74
74
56
56
2010/7/12 ③⑤ 平成22年度第1回文学研究科FD
文学研究科
49
5
54
54
2010/10/18 ③⑤ 平成22年度第2回文学研究科FD
文学研究科
48
9
57
57
2010/12/13 ③⑤ 平成22年度第3回文学研究科FD
文学研究科
50
6
56
56
2010/6/8 ②⑤ 第1回公開授業研究会
教育学研究科(研究・評価部門)
25
14
39
20
20
59
2011/2/1 ②⑤ 第2回公開授業研究会
教育学研究科(研究・評価部門)
26
8
34
13
13
47
2010/6/2 ②⑤ 法学部FD研修会
総合科学研究科
法学部
25
2011/2/14 ③⑤ 平成22年度経済学部経営・情報学科目会議FD
経済学部経営・情報学科目会議
12
2010/10/21 ③⑤ アカデミックハラスメントをなくすために
社会経済システム専攻
20
年6回実施 ③⑤ 理学研究科連絡会
理学研究科
2010/11/5 ③⑤ 理数系の人材育成~Open-endな学びとその効果~
理数学生応援プロジェクト
16
1
13
25
25
13
13
20
20
29
5
6
40
理学部生物科学科
20
20
2011/2/21 ②⑤ 第3回 理学部チューター勉強会(FD)
理学部教務委員会
31
31
2010/6/18 ②⑤ 平成22年度第1回先端物質科学研究科FD研修会
先端物質科学研究科
2011/1/6 ③⑤
生物科学科内FD「広島大学理学部生物学プログラムと他大学教育プログラムとの比較」
50
2010/12/22 ③⑤ 広島大学医学部FD「地域医療から国際医療へ:Think globally, act locally」 医学部
56
2011/1/22 ③
広島大学医学部FD「優れた指導的人材育成論-Competency-based Education の模索」
医学部
150
2011/3/26 ③
広島大学医学部FD「より良い地域医療実習をめざして」
医学部
30
2010/6/10 ③⑤ 歯学部教員FD
歯学部
2010/6/30 ②⑤ 歯学部教養ゼミ公開
歯学部・教育室
2010/11/20 ③⑤ 広島大学薬学部FD
薬学部
111
21
3
24
24
25
2
27
27
2010/4/28 ①⑤ 平成22年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会(4月期) 霞地区合同
23
7
30
30
2010/7/13 ③⑤ 平成22年度第1回医歯薬学総合研究科FD
医歯薬学総合研究科
74
8
82
2010/10/25 ①⑤ 平成22年度広島大学霞地区部局合同新任職員研修会
霞地区合同
2010/11/29 ③⑤ 若手研究者等海外派遣プログラム報告会(医歯薬学総合研究科第2回FD) 医歯薬学総合研究科
2011/3/7 ③⑤ 平成22年度第3回医歯薬学総合研究科FD
医歯薬学総合研究科
2010/7/7 ③⑤ バイオデンティスト育成プログラム社会貢献推進プログラム
医歯薬学総合研究科 バイオデンティスト育成プログラム推進室
③⑤ 第3回バイオデンティスト育成プログラム国際ワークショップ
医歯薬学総合研究科 バイオデンティスト育成プログラム推進室
2011/1/28-30
2010/9/17 ③⑤ 平成22年度第1回 情報医工学プログラムFD・SD研修会
医歯薬学総合研究科
2010/9/24 ③⑤ 保健学研究科FD研修会(第2回)
保健学研究科
2010/11/4 ③⑤ 保健学研究科FD研修会(第3回)
保健学研究科
2010/7/6 ③
平成22年度中国・四国工学教育協会講演会
2010/11/18 ③⑤ 「ハラスメント研修」
4
4
86
5
7
12
58
15
73
6
79
12
26
10
36
18
54
16
60
30
13
43
14
4
61
工学研究院
28
6
34
34
工学研究院
19
19
38
38
2010/12/2 ③⑤ 「学士課程教育について」
工学部
55
11
66
66
2011/2/22 ③⑤ 「教育GPシンポジウム:大学における理工系数学教育」
工学研究院
36
15
51
51
3
3
2010/6/30 ②⑤ 平成22年度年度 第一類 第1回教員相互の講義参観実施報告 工学部(第一類)
2010/7/2 ②⑤ 平成22年度年度 第一類 第2回教員相互の講義参観実施報告 工学部(第一類)
3
3
3
3
工学部(第二類)
52
52
52
2010/5/17 ②⑤ 平成22年度年度 第二類 第1回 講義参観および意見交換のまとめ 工学部(第二類)
5
5
2010/5/17 ②⑤ 平成22年度年度 第二類 第2回 講義参観および意見交換のまとめ 工学部(第二類)
4
4
2010/10/6 ③⑤
「平成22年度大学電気系教員協議会及び大学電気工学教育研究集会参加報告会」
- 206 -
5
82
86
開催日
種別
FD研修会
開催部署
2010/6/30 ②⑤ 平成22年度年度 第二類 第3回 講義参観および意見交換のまとめ 工学部(第二類)
教員 職員
教職員合計
4
4
学部生
大学院生 学生合計
学外
23
全参加者
27
2010/1/11-13
②⑤ 平成22年度システムサイバネティクス専攻授業参観
工学研究科(システムサイバネティクス専攻)
4
4
2010/9/7,2011/1/28
②⑤ 教員FD
工学研究科(システムサイバネティクス専攻)
2
2
9
13
2
2010/7/15 ②⑤ 平成22年度第1回教員授業参観(化学工学プログラム)
工学部(第三類)
5
5
5
2010/1/13 ②⑤ 平成22年度第2回教員授業参観(化学工学プログラム)
工学部(第三類)
9
9
9
2010/6/23 ②⑤
平成22年度第1回学部相互授業参観意見交換会報告書(応用化学プログラム)
工学部(第三類)
12
12
12
2010/11/4 ②⑤
平成22年度第2回学部相互授業参観意見交換会報告書(応用化学プログラム)
工学部(第三類)
12
12
12
2010/12/1 ②⑤ 平成22年度第1回授業参観報告(生物工学プログラム)
工学部(第三類)
5
5
5
2010/12/3 ②⑤ 平成22年度第2回授業参観報告(生物工学プログラム)
工学部(第三類)
4
4
4
2010/7/26 ②⑤ 平成22年度 輸送機器環境工学プログラムFD報告
工学部(第四類)
7
7
7
2010/12/16 ②⑤ 2010年度第1回教員相互の講義参観(社会基盤環境工学プログラム) 工学部(第四類)
7
7
7
2011/2/7 ②⑤ 2010年度第2回教員相互の講義参観(社会基盤環境工学プログラム) 工学部(第四類)
12
12
12
10
10
10
3
3
3
2011/1/25 ②⑤ 平成22年度建築プログラム教員相互の講義参観
工学部(第四類)
2010/12/16 ②⑤ 2010年度教員相互の講義参観
工学研究院(機械システム工学専攻・機械物理工学専攻)
2010/11/16 ②⑤ 平成22年度情報工学専攻相互授業参観
工学研究科(情報工学専攻)
5
5
5
工学研究科(応用化学専攻)
11
11
11
2011/2/9 ②⑤ 2010年度教員相互授業参観
2011/1/13,14,17
②⑤ 平成22年度大学院 社会基盤環境工学専攻講義参観
2010/7/2 ②⑤ 建築学専攻 教員相互講義参観
2011/1/24 ③⑤
平成22年度工学研究科建築学専攻(工学部建築プログラム)FD「建築実務者に聞くー母校の建築教育に望むことー」
2010/5/6 ③⑤ 教養教育の改革について
工学研究科(社会基盤環境工学専攻)
2
2
2
工学研究科(建築学専攻)
11
11
11
工学研究科(建築学専攻)
8
8
2
10
生物生産学部
52
2010/5/31 ③⑤ Web教育記録システムガイダンス
生物圏科学研究科
58
2010/6/7 ③⑤ Web教育記録システムガイダンス
生物圏科学研究科
16
生物圏科学研究科
53
2010/10/25 ②⑤ eポートフォリオを利用した学習改善
2010/11/22 ③⑤ 男女共同参画(大学院生との意見交換会)
生物圏科学研究科
2010/11/22 ③⑤ 男女共同参画(教職員との意見交換会)
生物圏科学研究科
2
2
4
17
21
38
2010/11/22 ③⑤ ハラスメント研修会
生物圏科学研究科
38
2010/12/20 ③⑤ 食料問題国際シンポジウム
生物圏科学研究科
78
2011/1/24 ③⑤ 発達障害についての研修会
生物圏科学研究科
60
7
67
67
2011/1/28 ③⑤ 大学院GP総括報告会
生物圏科学研究科
64
18
82
82
2011/3/15 ②⑤ 教育支援ツール(WebCT)に関するFD
生物圏科学研究科
2010/5/21 ③⑤ 国際協力研究科FD
国際協力研究科
31
1
32
32
2010/4/12 ②⑤ 平成22年度第1回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
23
23
2010/5/10 ②⑤ 平成22年度第2回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
23
23
2010/6/7 ②⑤ 平成22年度第3回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
23
23
42
2010/7/12 ②⑤ 平成22年度第4回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
21
21
2010/8/9 ②⑤ 平成22年度第5回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
22
22
2010/9/13 ②⑤ 平成22年度第6回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
29
29
2010/10/18 ②⑤ 平成22年度第7回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
22
22
2010/11/8 ②⑤ 平成22年度第8回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
23
23
2010/12/13 ②⑤ 平成22年度第9回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
23
23
2011/1/17 ②⑤ 平成22年度第10回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
22
22
2011/2/14 ②⑤ 平成22年度第11回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
19
19
2011/3/14 ②⑤ 平成22年度第12回法務研究科教育方法等改善研修会(FD) 法務研究科教務委員会
2010/5/17 ④
公開研究会
高等教育研究開発センター
9
4
29
29
13
13
2010/7/7 ④
公開研究会
高等教育研究開発センター
15
2010/7/29 ④
公開研究会
高等教育研究開発センター
11
2010/8/9 ④
公開研究会
高等教育研究開発センター
8
高等教育研究開発センター
2010/8/19-20
④
高等教育公開セミナー
2010/11/10-12
④
大学・大学院改革に関する国際ワークショップ及び第38回研究員集会 高等教育研究開発センター
5
5
20
17
37
2010/9/21-22
②
第2回ハーモナイゼーションPBLワークショップ
教養教育本部,教育室GP推進チーム
2011/3/9-10
②
第3回ハーモナイゼーションPBLワークショップ
21
7
教育室,教養教育本部
18
- 207 -
14
11
16
51
102
28
28
18
18
開催日
種別
2010/9/17 ②
2010/9/28 ②
2011/3/3-4
③
2011/3/14 ②
FD研修会
開催部署
教員 職員
教職員合計
教育著作権セミナー
放送大学・広島大学
15
32
47
45
41
86
第26回 学生生活担当教職員研修会
学生生活会議
広島大学教育GP国際シンポジウム「学士課程教育の質保証と教育内容の革新」
教育室
クリッカー勉強会
コンテンツ作成支援室,教育企画グループ
大学院生 学生合計
学外
24
全参加者
71
86
159
5
1,624
- 208 -
学部生
5
10
525 2,618
10
74
116
430
107 4,196
5.3. 平成 22 年度広島大学人材育成推進室(
年度広島大学人材育成推進室(FD
人材育成推進室(FD 部会)部会員
氏名
所属・職名
担当研修会
部会長
大膳 司
高等教育研究開発センター
教授
委員
岩永 誠
大学院総合科学研究科
教授
委員
於保 幸正
大学院総合科学研究科
教授
教養教育本部評価・改善部門
部門長
委員
市來 津由彦
大学院文学研究科
教授
総括
新任教職員研修会
学生支援教職員研修会
分析班(座長)
教養教育実質化研修会
授業方法研修会
TA 制度活用研修会
委員
丸山 恭司
大学院教育学研究科
准教授
TA 研修会
分析班
大学院理学研究科
教授
教養教育委員会
委員
大学院生物圏科学研究科
教授
大学院課程会議
議長
大学院生物圏科学研究科
准教授
大学院医歯薬学総合研究科
教授
学士課程会議
議長
小方 直幸
高等教育研究開発センター
教授
委員
福留 東土
高等教育研究開発センター
准教授
委員
山口 良文
副理事(総務企画担当)
新任教職員研修会
委員
香川 和信
副理事(教育支援担当)
学生支援教職員研修会
委員
和田 芳弘
教育室教育企画グループ
委員
楯
真一
委員
江坂 宗春
委員
三本木 至宏
委員
小澤 孝一郎
委員
-209-
専門員
教養教育実質化研修会
大学院教育実質化研修会
学士課程教育実質化研修会
授業方法研修会
分析班
学生支援教職員研修会
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