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2012 インベスターズ・ガイド

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2012 インベスターズ・ガイド
Accelerating
Sensational
Growth
2012 インベスターズ・ガイド
11.04.01–12.03.31
目次
Management Message
Management
Message
Growth Strategies
Growth
Strategies
02 株主・投資家の皆様へ
08 戦略 1 360度ビジネス戦略
10 戦略 2 エイベックスの成長エンジン
12 戦略 3 アジア戦略の再構築
Creating Sensational Value
当社グループは、1988 年の設立以来、常にビジネスモデルを変革し成長の歩を進め
てきました 。現在、
「感動価値創造企業へ」をビジョンに掲げ、音楽パッケージの販売
や音楽配信をメインとしたレコード会社型のビジネスから、映像パッケージや動画配
信、マネジメント、ライヴ、グッズ販売、ファンクラブ運営など、アー ティストやコン
テンツを取り巻く様々 なビジネスを総合的に展開する独自のビジネスモデルへと転
換を図っています 。変化が常態と言われるエンタテインメント業界において、永続的
な成長を実現していきます 。
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
14 At a Glance
16 営業概況
20 エイベックス・グループのCSr活動
22 コーポレート・ガバナンス
25 役員紹介
26
28
30
32
33
16
17
18
19
音楽事業
映像事業
マネジメント/ライヴ事業
その他事業
マーケットデータ
主要事業データ
連結財務サマリー
リスク情報
会社概要と株式データ
2012 Investors’ Guide
01
Management Message
Growth Strategies
株主・投資家の皆様へ
ready to Deliver
Sensational Value
当社ならでは の柔軟性と機動力を活かし、新たな成長ステー ジに突入
エイベックス・グループは、音楽コンテンツのパッケージ販売やデジタル配信といったレコード会社の事
業領域にとどまらず 、アーティストのマネジメントやライヴ制作、マーチャンダインジングやファンクラ
ブ運営など、アーティストやコンテンツにかかわるあらゆる事業を
「360度」
で展開するエンタテインメ
ント企業グループです。出版権や原盤権といったコンテンツに関連する権利を自社で保有していること
も大きな強みです。
1998年以降、日本の音楽パッケージの市場は縮小傾向にあり、その売上に大きく依存していた当社
グループの成長は一時停滞していました。2005年頃より
「360度ビジネス」
を拡大させることにより、
再び売上高を増加させることができましたが、一方で新たな事業への積極的な展開により、採算性や財
務体質は悪化していました。
このような状況下、当社グループは2010年4月にコーポレート・ガバナンスの強化やグループ経営
の効率化・迅速化を目的として、グループ全体の経営体制を抜本的に見直しました。同年12月には中期
経営計画「 Next Era 2014」
を策定、
「 感動価値創造企業へ」
という中期ビジョンを掲げ、2014年3月期
までに売上高を1,400億円にまで成長させるガイダンスを発表しています。
計画の初年度である2012年3月期は 、ヒットの創出を狙いとした音楽事業の再構築、ライヴ・エンタ
テインメントビジネスの拡大、スマートフォンの特性を活かした動画配信の新たなサ ービスの提供や拡
充、アジア市場におけるビジネスモデルの転換といった取り組みを行いました。その結果、過去最高の
売上高を達成し、また営業利益についても過去最高に肉薄する水準となり、近年注力してきた体質改善
の取り組みが確実に成果を表してきています。
今後も当社グループは 、持ち前の機動力を活かし、ビジネススタイルを柔軟に変化させながら、新た
な感動価値を創造し、株主・投資家をはじめとするステークホルダー の皆様から信頼され、共感される
企業グループとなることを目指してまいります。
今後とも、ご支援を宜しくお願いいたします。
2012年8月
代表取締役社長CEO 松浦 勝人
千葉 龍平
代表取締役CSO 代表取締役CFO 竹内 成和
代表取締役CBO 林 真司
02
Avex Group Holdings Inc.
Operational Review
千葉 龍平
代表取締役CSO
Management Organization
松浦 勝人
代表取締役社長CEO
林 真司
代表取締役CBO
Facts & Figures
竹内 成和
代表取締役CFO
2012 Investors’ Guide
03
Management Message
Growth Strategies
2012 年 3 月期の取り組みと業績概況
となどにより販売数が増加し、音楽事業全体では
エンタテインメント業界では、スマートフォンの
増収となりました。また 、映像事業においてス
急速な普及に伴うインフラやハードの発達ととも
マートフォン向け動画配信サービス
「 d マーケッ
に、ユーザー の遊び方や消費行動にも明らかに
ト VIDEOストア powered by BeeTV(以下、
変化が現れています。特に大きな転換期を迎え
「 VIDEOストア」
)
」
を開始したことにより会員数
ているのが音楽配信ビジネスです。スマートフォ
が飛躍的に増加したほか、アニメを中心とする映
ンの普及により、ユーザーは簡単にコンテンツを
像パッケージの販売が好調に推移しました。ま
入手し、幅広いエンタテインメントに触れられる
た 、ライヴ・エンタテインメントに対するニーズ
ようになりました。しかしながらその結果、音楽
の高まりを受けてコンサートやイベントの拡充を
配信市場全体のダウンロード数は大幅なマイナ
図った結果、動員数が大幅に増加し、マネジメン
スとなっています。
ト/ライヴ事業は大幅な増収となりました。
2012年3月期は、市場環境の影響を受け、当
以 上 の 結 果、売 上 高 は 前 期 比8.5%増 加 の
社の音楽配信売上も減少しましたが、一方で、音
1,210億27百万円と過去最高となりました。事
楽パッケージについては商品編成が充実したこ
業セグメント別に見ても 、音楽事業、映像事業、
中期的な目標ガイドライン
2012 年 3 月期
連結売上高
1,400
売上高営業利益率
10
15
roe
04
億円以上
Avex Group Holdings Inc.
%以上
%以上
1,210
億円
10.1
14.7
%
%
売上高
1,210
億27 百万円
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
マネジメント/ライヴ事業、その他事業、すべて
感動価値創造企業とは
の事業において増収となりました。営業利益も
当 社 グ ループ は 、中 期 経 営 計 画「 Next Era
売上高の増加などにより、前期比8.1%増の122
2014」
のなかで、中期ビジョン
「感動価値創造企
億63百万円となりました。
業へ」
を定めました。
一方、法人税率の変更に伴い繰延税金資産の
当社グループが目指す
「感動価値創造企業」
と
取り崩しが発生したことや、関連会社に係るのれ
は、新たな感動を提案できること、共有型の感動
ん相当額の一時償却を行ったことなどにより、当
を提供できること、感動を通じた社会貢献ができ
期純利益は前期比7.1%減の49億34百万円と
ること、この3つの要素が揃った企業だと考えて
なりました。
います。
感動価値創造企業へ
1. 新たな感動の提案
既成概念にとらわれず、全く新しいエンタテインメントの楽しみ方、新た
な感動体験を提案していきます。
2. 共有型の感動の提供
当社グループは、エンタテインメントの本質は、人と人が血の通ったか
かわりを持ったり、感動体験を共有するものであると考えます。例え
ば、SNSを活用して、アーティストとの交流や見ず知らずのお客様同士
がコンサートを通じて仲良くなる、といった体験ができるような仕掛け
も考えていきます。
3. 感動を通じた社会貢献
アーティストやタレント、クリエイターは、社会に対して大きな影響力を
持ちます。また 、音楽や映像は人の心を元気にしたり、勇気づけたり、
あるいは癒す力を持っています。エンタテインメントの感動を社会貢献
の力に転換する取り組みを行っていきます。
2012 Investors’ Guide
05
Management Message
中期経営計画の進捗
Growth Strategies
を開始しました。
「 VIDEOストア」
の開始により、
2012年3月期は中期経営計画の初年度という
「 BeeTV」
とは異なる顧客層を開拓することに成
位 置 づけでしたが 、2014年3月 期 に 売 上 高
功し、成長を加速させることができています。今
1,400億円、営業利益率10%(営業利益140億
後も、コンテンツやサービスの幅を広げることに
円)
を達成する上で、好調な出だしであったと考
より、顧客層の拡大やARPUの上昇を図っていき
えています。また、2012年3月期は中期経営計
ます。
画で掲げるデジタル戦略とアライアンス戦略の
音楽配信市場が縮小するなか、2014年3月期
先兵とも言える動画配信事業が飛躍した年度で
に目標を達成するためには 、既存事業だけで現
した。
「 BeeTV」
がスマートフォン
(NTTドコモの
在の売上規模をフラットに維持する必要があり
Android端末のみ)
に対応、フィーチャーフォン
ます。具体的には、音楽事業の落ち込みを、既存
と比べてより大きな画面で精細な映像を楽しめ
事業のなかでも成長余地があるライヴやマー
るようになり、会員数は順調に増加しました。
チャンダイジング、アニメをはじめとする映像
2012年11月には、動画配信事業のさらなる
パッケージで補います。成長の伸びしろは、300
拡大を図るべく、既存の
「 BeeTV」
に加え、映画
万人以上の有料会員が集まっている動画配信プ
作品やテレビドラマなど、5,000タイトル以上の
ラットフォームを核とした新規事業群にあると考
作品が視聴可能な
「 VIDEOストア」のサ ービス
えています。
中期経営計画全体像
売上高
コンサート、マーチャンダイジング、映像パッケージなど
クリエイティヴ
体制の再構築
高付加価値
戦略
音楽パッケージ、音楽配信
経営体制、人材戦略、財務体質の強化
既存
デジタル戦略
映像配信など
現状の
水準
新規
アライアンス
戦略
時間軸
2010年12月発表
「中期経営計画 Next Era 2014」
より
06
Avex Group Holdings Inc.
動画配信サービス有料会員
300
万人以上
Operational Review
Management Organization
2013年3月期は、目標達成に向けてさらに取
Facts & Figures
アーティストを輩出することができておらず 、
り組みを強化し、中期的な成長を目指します。
アーティストやコンテンツを生み出すための仕
アジア戦略の方向転換について
パッケージ全盛時に築き上げた方法論や概念を
当社グループは2006年よりアジアに照準を当
破壊し、現代のユーザー のニーズやライフスタ
てた海外展開を行ってきましたが 、大きな成果
イルに呼応したヒットづくりを目指していきます。
組みづくりが喫緊の課題となっています。音楽
を上げられておらず 、海外戦略の抜本的な転換
を進めています。
株主還元の考え方
2012年3月期は、エンタテインメント事業に強
当社グループでは、株主の皆様に対する長期的
みを持つBASE ENTERTAINMENTと業務・資
かつ総合的な利益還元の実施を経営上最も重要
本提携を行いました。また中国における拠点を
な施策の一つとして捉えています。具体的には、
北京から上海に移す準備を進めるとともに、今後
年間配当40円、連結配当性向30%以上を目安
は事業軸を音楽パッケージ・配信からライヴ・エ
に株主還元策を実施することを基本方針として
ンタテインメントに変更することで、海外での成
います。加えて、業績の推移並びにキャッシュ・
長を目指します。
フロー、将来における資金需要などを総合的に
⇒具体的な内容はP12
「戦略 3 アジア戦略の再構築」
をご参照ください。
勘案して配当額を決定しています。なお 、当社
1 株当たり年間配当
の配当については 、期末配当を株主総会で 、中
今後の課題について
間配当を取締役会で決定しています。この基本
新たな成長ステージに向けて取り組んでいます
方針のもと、2012年3月期においては、中間配
が、まだ課題も残っています。
当20円、期末配当20円の計40円の年間配当と
エンタテインメントを取り巻く市場環境やユー
なりました。近い将来は利益連動型の配当制度
ザーの消費動向は急速に変化していますが、当
に移行することも考えています。今後も引き続
社グループにとってヒットを創出することが最大
き株主の皆様に対する還元策を総合的に検討し
の命題であることには変わりありません。特に
ていきます。
40
円
近年においては、自社マネジメント所属のヒット
2012 Investors’ Guide
07
Management Message
戦略
Growth Strategies
1
360 度ビジネス戦略
音楽にかかわる様々なビジネスを
総合的に展開
2012 年 3 月期は、中期経営計画で掲げた戦略へ の取り組みが功を奏し、売上高は
過去最高となりました 。ユ ー ザ ー の消費行動の変化により音楽市場が縮小傾向に
あるなかで 、10 年ほど前には当社の売上構成の 80% 以上を占めていた音楽パッ
ケー ジは 、現在では連結売上高の 30% 程度に過ぎません 。この セクションでは 、
音楽パッケージを中心としたレコード会社型ビジネスを補完する当社の成長戦略で
ある「 360 度ビジネス」について紹介します 。
マネジメント
パッケー ジ
音楽
ライヴ
08
Avex Group Holdings Inc.
配 信
ファンクラブ
マー チャン
ダイジング
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
当社では、音楽にかかわるあらゆる事業を手掛ける
「360度ビジネス」
を業界他社に先駆けて展開し
てきました。現在はCDやDVDの販売のみならず 、音楽配信やファンクラブ運営、マーチャンダイジ
ングやライヴ運営など、様々なエンタテインメントビジネスを行っており、これらが業績の下支えとなっ
ています。
360度ビジネスを推進するなかで 、当社は商品やサ ービス間の連携を強化し、バリューチェーンの
構築を目指してきました。例えば、以下のフローチャートのようにユーザーの導線を用意することで、
それぞれの事業の収益の極大化を図っています。
ユー ザー導線の一例
音楽配信で
アーティストを
知る
アーティストを
気に入り
音楽パッケージ
を購入
ライヴに
行きたくなり
ファンクラブに
入会
ライヴに参加
ライヴ会場で
グッズを購入
また 、それぞれの事業を自社コンテンツや自社アーティストだけで完結するのではなく、外部のプ
レーヤーにも参加いただけるよう、その機能強化を図ってきました。その結果、各事業が単なる社内
インフラではなく、オープンなプラットフォームとして拡大しており、安定的に収益を上げることが可
能になります。
事業のオー プン化
野外ライヴ
a-nation
開始当初
当社所属アーティ
ストのみ出演
現在
外部所属アーティストが多数出演
開始当初
自社の楽曲や
商品のみを販売
現在
他社の商品を多数ラインナップ
音楽配信サイト
mu-mo
eC サイト
ショップ
mu-mo
2012 Investors’ Guide
09
Management Message
戦略
Growth Strategies
2
BeetV
Movie
tV Drama
エイベックスの成長エンジン
プラットフォーム戦略
2011 年 11 月、nttドコモとタッグを組み 、スマート
フォン向け動画配信サービス
「 d マーケット ViDeo ス
ト ア powered by BeetV(以 下、
「 ViDeo ス ト
ア」)」を開始しました 。有料動画配信市場における先
駆者として の強みを活かし、攻め の展開を行います 。
スマートフォンの普及やデータ通信速度のさらなる高速化により、
動画コンテンツに対するユーザーニーズがますます高まるなか 、
当社は
「 BeeTV」
に加えて 、日本最大級のタイトル提供数を誇る有
料モバイル動画配信サービス
「 VIDEOストア」
を開始しました。
「 VIDEOストア」
は 、国内外の映画、テレビドラマ、アニメ、音楽、
「 BeeTV」
のオリジナルコンテンツなど、合計約5,000タイトル、約
20,000エピソードのコンテンツが月額525円(税込)
で見放題の
V
BeetV
Movie
tV Drama
サービスです。
Music
「 BeeTV」
は 、モバイルに特化したサ ービスであること、緻密な
d マーケット
ViDeoストア
「 dマーケット」
とは、NTTドコモがスマートフォン向けに提供するコンテンツ
ストアです。VIDEO(動画)
ストア、BOOKストア、MUSICストア、アプリ&
レビュー、アニメストアの5つのカテゴリーがあります。
10
Avex Group Holdings Inc.
マーケティングに基づいて視聴しやすさや楽しさを追求したオリジ
ナルコンテンツが特長であることで人気を博し、2011年9月には
2012年3月期末の目標会員数だった180万人を前倒しで達成した
実績があります。
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
約
約
5,000
タイトル
20,000
エピソード
Music
BeetV + ViDeo ストア会員数
2012 年 3 月期
243
万人
2013 年 3 月期
約
400
万人(予測)
「 VIDEOストア」
についてもサ ービス開始から3ヵ月で会員数が
70万人を超えており、さらには全体のおよそ8割が新規の会員で
あることから、
「 BeeTV」
以上に大きな市場をターゲットにできて
いると考えています。
オリジナルコンテンツを中心に提供する
「 BeeTV」
に、映画作品や
テレビドラマなどを提供する
「 VIDEOストア」
を加えることでリー
チするユーザー層を拡大した点に鑑み 、今後もコンテンツやサ ー
ビスの幅を広げることで 、ユー ザ ー層とARPUの拡大を図ってい
きます。
2012 Investors’ Guide
11
Management Message
戦略
Growth Strategies
3
アジア戦略の再構築
アジア最大のライヴ・エンタテイン
メント会社を目指して、次の感動へ
当社グル ー プの海外展開は 、1996 年の香港からはじまり、2006 年には「アジア
最強のクリエイティヴとコミュニケーション能力を持つエンタテインメント・ブラン
ド企業へと進化すること」を掲げて、東アジアを中心に力を注いできました 。
今日では 、音楽市場の縮小を補い 、ビジネスチャンスを取り込むため 、
「拠点」
「事
業軸」
「アライアンス」の考え方をもとに、抜本的な転換を図っています 。
単に日本のアー ティストや楽曲をアジアに輸出するのではなく、アジア全域でヒッ
トするコンテンツを創出するため の体制づくりを進めます 。
1
拠点の変更
北京から上海へ
当社はこれまで北京を海外拠点の中心として活動を行ってきましたが 、中国経済の中心であり、ライ
ヴ・エンタテインメントの中心でもある上海へ移します。上海は日本文化に対してポジティヴなイメー
ジを抱いている人も多く、また、現在Avex Taiwanで育成しているアーティストの興行活動のベース
としても立地条件が良い場所です。
2012年夏には、上海にライヴ・イベントの制作・運営を主な事業とするAvex Shanghai Co., Ltd.
の営業を開始しました。日本をはじめ、韓国、台湾、香港などのアーティストの中国市場への本格進出
やアジア全域での興行、欧米プレーヤーとのパートナリングも含めた活動を視野に入れ、さらなる成
長を目指します。
1. Avex Shanghai の設立
12
Avex Group Holdings Inc.
2. Avex taiwan で育成してい
るアーティストの活動ベース
3. 欧米プレーヤーとのパートナ
リングも視野
Operational Review
2
Management Organization
Facts & Figures
事業軸の変更
事業軸をパッケージ・配信からライヴへ
当社はこれまで、音楽パッケージや音楽配信といった日本での成功モデルを軸に取り組んできましたが、
海外では違法コンテンツの蔓延や商慣習の違い、各種規制などといった問題が課題として残っていました。
一方で、アーティストやタレントの稼動を伴うライヴ・コンサートやテレビ出演のニーズは高く、日本
と同等以上の収入が期待できることから、今後はライヴ・エンタテインメント事業を軸とした展開を行
います。また、シアトリカル・コンテンツ
(ミュージカルや演劇)
にも取り組んでいきます。
グローバルに活躍できるアーティストの輩出にも力を入れ、アジア最大のライヴ・エンタテインメン
ト会社を目指します。
これまで の主軸
これからの主軸
音楽パッケージ・配信
3
ライヴ・エンタテインメント
アライアンス
トップ・プレーヤーと海外でライヴ・ビジネスを共同展開
2012年1月、ミュージカル興行や劇場運営などをグローバルに展開するBASE ENTERTAINMENT
(本店所在地:米国ニューヨーク州)
と業務・資本提携を行いました。
今後は、世界有数のライヴ・エンタテインメント企業であるBASE ENTERTAINMENTのコンテンツや拠
点、ノウハウを活かし、当社グループが日本国内で展開している音楽コンサートなどのコンテンツ並び
に両社共同で制作したコンテンツなどを東アジアにおいて共同興行することが可能になります。また、
日本を含むアジア各地域の特性に合わせてコンテンツをカスタマイズすることもできます。
その他、中華圏最大の映像コンテンツ会社であるMEDIA ASIAグループとの業務提携など、各国・
各地域のキープレーヤーとのアライアンスが進んでいます。
BASE
ENTERTAINMENT
■
■
■
BASe entertAinMent の持つ
シアトリカル・コンテンツの展開
BASe entertAinMent の拠点にアクセス
東アジアにおける共同展開
2012 Investors’ Guide
13
Management Message
At a Glance
音楽事業
当社は総合エンタテインメント企業として、幅広い展開
を行っています 。
アーティストやタレントの魅力を引き出すことで、収益
源のさらなる拡大を図ります 。
売上構成比
その他事業
3%
マネジメント/
ライヴ事業
27%
音楽事業
55%
映像事業
15%
14
Avex Group Holdings Inc.
Growth Strategies
音楽コンテンツの制作、パッケージ販売及びデジタル配信、音楽出版事業を
行っています。また 、独自の音楽系コンテンツ配信サイト
「 mu-mo」
の運営
も行っています。
主要な連結子会社
n エイベックス・エンタテインメント
(株)
n エイベックス・マーケティング
(株)
n エイベックス・ミュージック・パブリッシング
(株)
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
映像事業
映像コンテンツの制作、パッケージ販売及び配給などを行っています。モバ
イル向け動画配信サービス
「BeeTV」
「 VIDEOストア」
の運営も行っています。
主要な連結子会社
n エイベックス・エンタテインメント
(株)
n エイベックス・マーケティング
(株)
n エイベックス通信放送
(株)
マネジメント/ ライヴ事業
そ の他事業
アーティスト・タレントのマネジメント、マーチャンダイジング、ファンクラブ
運営、ライヴ・コンサートの企画・制作・運営などを行っています。
アーティストの発掘・育成、スクール事業及び飲食店経営を行っています。
主要な連結子会社
n エイベックス・マネジメント
(株)
n エイベックス・マーケティング
(株)
n エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
(株)
主要な連結子会社
n エイベックス・プランニング&デベロップメント
(株)
2012 Investors’ Guide
15
Management Message
Growth Strategies
営業概況
音楽事業
売上高
(百万円)
80,000
60,000
40,000
20,000
0
2012 年 3 月期の概況
今後の取り組み
2012年3月期の音楽配信市場は 、引き続
現在、当社の売上構成の約半分を占める音
き縮小トレンドが続いて厳しい状況となり、
楽事業ですが、日本の産業構造やユーザー
ダウンロード数は減少しました。しかしなが
の消費動向の変化により、今後も音楽パッ
ら、音楽パッケージにおいては新人・移籍
ケージや音楽配信市場は引き続き縮小して
アーティストの増加や 、主力アーティスト
いくものと見込んでいます。2013年3月
のアルバム作品が充実したことなどにより、
期は、市場環境の影響や発売予定の作品編
売上高は前期比4.3%増の706億43百万
成などにより、売上高は34億23百万円減
円、営業利益は同5.1%増の84億39百万
少の672億20百万円、営業利益は10億
円となりました。
19百万円減少の74億20百万円となる見
込みです。
当社は、消費動向の変化を新たなチャン
スと捉え、リリース編成の選択と集中や新
たなビジネスモデルの構築を進めていきま
す。また、組織体制のスリム化や人材ロー
テーションの積極化に努めるとともに、財
務面では費用の効率的な執行を推し進め、
売上並びに利益水準の低下を最小限にとど
めます。
16
Avex Group Holdings Inc.
10
11
12
(3月期)
(FY)
10
11
12
(3月期)
(FY)
営業利益
(百万円)
9,000
6,000
3,000
0
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
映像事業
売上高
(百万円)
20,000
15,000
10,000
5,000
0
2012 年 3 月期の概況
今後の取り組み
2012年3月期は、映画『ライフ—いのちを
2013年3月期は、アニメをはじめとする映
(百万円)
像パッケージの拡充と映像配信の会員数
3,000
Collection』などのDVD作品の 販 売 が 好
増加を見込んでいることから、売上高は
調 だ ったことに 加 え、映 像 配 信 では
122億89百万円増加の310億80百万円、
11月 からス マートフォン 向 け 動 画 配 信
営業利益は10億44百万円増加の35億40
今後は 、スマートフォンにおける動画配
たことにより、スマートフォン会員が増加し
信サ ービスへのニーズがますます高まる
ました。
と予想しています。
「 BeeTV」
「 VIDEOス
さらに、前期と比べて収益性の高いパッ
トア」
では、スマートフォンならではの楽し
ケージ商品のリリースが多くありました。ま
み方を確立し、2013 年3 月末には双方の
た、動画配信サービスの順調な会員数増加
会員数合計400 万人規模を目指していき
により原価率が低減し、売上高は前期比
ます。
同15.3%増の24億96百万円となりました。
12
(3月期)
(FY)
11
12
(3月期)
(FY)
2,000
1,000
百万円となる見込みです。
サ ービス
「 VIDEOストア」の運営を開始し
13.8%増の187億91百万円、営業利益は
11
営業利益(損失)
つなぐ物語 —』やアニメ
『 ONE PIECE Log
「 BeeTV」に 続 き、NTTドコ モと2011年
10
0
–5,000
10
動画配信サービス会員数
(万人)
250
200
150
100
50
0
’11
3
’11
6
’11
9
’11 ’12
12
3
2012 Investors’ Guide
17
Management Message
Growth Strategies
マネジメント/ ライヴ事業
売上高
(百万円)
40,000
30,000
20,000
10,000
0
2012 年 3 月期の概況
今後の取り組み
2012 年3月期は 、大規模なコンサ ートツ
当社では、アーティストやタレントの魅力を
アーや外部所属アーティストのライヴが増
最大限引き出すヴァーティカル・インテグ
加したことなどにより、売 上 高 は 前 期 比
レーション・モデルを推進しており、その一
12.7% 増 の348 億10 百 万 円 となりまし
環としてコンサートやマーチャンダイジン
た。営業利益は販促宣伝費や一般経費の
グ、ファンクラブ運営も重視しています。今
効 率 的 執 行 を 図ったことなどにより、同
後はアーティストにかかわる権利とプラッ
64.3%増の14億75百万円となりました。
トフォームを活かし、ファッションや趣味な
また、第2四半期に一部ファンクラブを無
どのアーティストのアイデンティティその
料化したことにより有料会員は減少しまし
ものを事業化するとともに、ライヴ・エンタ
たが、新規ファンクラブを複数開始したこと
テインメントでも当社グループならではの
により、前期と同水準の売上・利益に戻っ
企画・制作を手掛けていきます。
てきています。
2013年3月期は 、マーチャンダイジン
グの拡大やファンクラブ会員数の増加など
により、売 上 高は11億70百 万 円 増 加 の
359億80百万円、営業利益は6億5百万円
増加の20億80百万円となる見込みです。
18
Avex Group Holdings Inc.
10
11
12
(3月期)
(FY)
10
11
12
(3月期)
(FY)
営業利益
(百万円)
3,000
2,000
1,000
0
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
そ の他事業
売上高
(百万円)
4,000
3,000
2,000
1,000
0
2012 年 3 月期の概況
今後の取り組み
2012年3月期は 、スクール事業が堅調に
2013年3月期の売上高は98百万円減少
(百万円)
推移したことなどにより、売上高は前期比
の38億60百万円、営業損失は3億40百万
450
3.7%増の39億58百万円となりました。一
円となる見込みです。
方で 、エイベックス・アーティストアカデ
当社グループではヒットの創出を重要な
ミー福岡校の開校に伴う販売費及び一般管
課題と考えており、これを受けアーティス
理費の増加などにより、当期は1億48百万
ト開 発 機 能 の 再 構 築 を 進 めています。
円の営業損失(前期は2億53百万円の営業
2011年7月に持株会社内に新設した
「アー
利益)
となりました。
ティスト開発育成統括部」
を中心に、アー
ティストの 開 発・育 成を強 力 かつスピー
10
11
12
(3月期)
(FY)
11
12
(3月期)
(FY)
営業利益(損失)
300
150
0
–150
10
ディー に推進しています。また2012年4
月には、エイベックス・アーティストアカデ
ミー にインターナショナルクラスを新設。
これにより、グローバルな俳優やアーティ
ストの輩出を目指しています。
2012 Investors’ Guide
19
Management Message
Growth Strategies
エイベックス・グルー プの CSr 活動
エンタテインメント企業としてできることを最大限に活かした社会貢献を心掛けています 。
当社グループは、
「 エンタテインメントを通じた笑顔の創出」
をテーマ
②日本赤十字社への寄付
に、あらゆる人々 が笑顔になれるよう、幅広いCSR活動を展開して
被災地の復興のための義援金として、チケットやオフィシャルグッ
います。環境保全・飢餓撲滅・エイズ予防などの地球規模の課題に
ズの収益を、日本赤十字社を通じて寄付しました。
対して、当社所属のアーティストがチャリティーイベントやキャン
・チケット代金のうち 、100円をお客様から、100円を当社グ
ペーン活動などに参加することで、若年層を含む人々の意識の向上
ループから寄付、合計約5,400万円。
・オフィシャルグッズを販売した収益の一部や参加アーティスト
に貢献しています。
のステージ衣装などのチャリティーオークションの落札金額全
東日本大震災へ の対応「 a-nation 」による復興支援
当社グループでは東日本大震災の復興支援として、2012年3月期
額、合計約400万円。
③節電対策
各会場に電源車を用意し、全公演のステージ演出の電力(1公演
も社内外で様々な取り組みを行いました。
なかでも本業であるエンタテインメントを通じた支援として、10
約1,500kW)
をすべて自給しました。また、ステージ照明の一
回目となる
「 a-nation」
においては 、人々に生きる勇気やパワー、
部にLEDを使用するなど、節電対策に取り組みました。その他、
感動、優しさ、愛を届けたいという想いから、人生への彩り=
“ for
お客様にエアロバイクを利用した人力発電を体験していただく
life”
を大きなテーマに掲げ、以下の取り組みを実施しました。
など、節電意識を高める啓蒙活動を進めました。
①無料パブリック・ビューイングの実施
岩手・宮城・福島にあるイトーヨーカドー6店舗などでライヴ映
像を視聴できる無料パブリック・ビューイングを実施し、延べ
13,000人以上の皆様に楽しんでいただきました。
パブリック・ビューイング
20
Avex Group Holdings Inc.
オフィシャルグッズ
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
中高生向け の職場訪問を受け入れ
チン※1 購入費用となり、認定NPO 法人世界の子どもにワクチン
近年、子どもたちのキャリア形成の一助として、社会性や人間性を
※2
を日本委員会(JCV)
より発展途上国の子どもたちに届けられま
育む職場体験を実施する学校が増えており、当社でも中高生の訪
した。
問を積極的に受け入れています。
※1キャップ800個(20円分)
でポリオ
(小児マヒ)
ワクチン1人分に換算。
※2世界の子どもたちを感染症から守るため、ワクチン及び予防接種関連物資を送る活動を
行っている。
当日は、事業内容の紹介だけでなく、当社グループ所属アーティ
ストによるミニライヴやスタジオ見学などの体験型プログラムを行
い、音楽やエンタテインメントの魅力を発信するとともに、
「 職業と
ワーク・ライフ・バランスの推進
してのエンタテインメント」
の魅力を伝えています。
当社グループでは、ワーク・ライフ・バランス推進のための環境整備
また、一般社団法人日本レコード協会と連携し、違法サイトからの
や意識改革に取り組んでいます。
ダウンロードや違法コピー の廃絶を訴求し、音楽を創造するアー
2012年3月期は、人事部内に
「ワークライフフュージョン推進プ
ティストや作詞家、作曲家、レコード会社の権利を守るための説明
ロジェクト」
を新たに立ち上げ、育児と仕事を両立している社員に対
も行っています。
する現状課題把握のためのヒアリングや、女性社員向けのライフデ
ザイン研修などを実施しました。
発展途上国にワクチンを寄付
エンタテインメントを創出する優れた人財を確保し、社員が意欲
当社グループでは、社員の社会貢献及び環境保全意識の向上を促
的に業務に取り組める職場環境を目指しています。
進するため、エコキャップ収集活動を行っています。活動には所属
アーティストも参加し、3年目となる2012年3月期は78,840個を
収集しました 。収集されたエコキャップは約99 人分のポリオワク
電源車
職場訪問
2012 Investors’ Guide
21
Management Message
Growth Strategies
コー ポレート・ガバナンス
当社グル ー プは 、中期経営計画「 next
era 2014 」の達成に向けて 、グル ー プ経営の効率性と透明性を高めるとともに 、
企業として の適正な事業推進の ために、コー ポレート・ガバナンスの強化が必須であると考えています 。
当社のコー ポレート・ガバナンスへの基本的な考え方は、コンプライアンス体制の維持・向上はもとより、モニタリング機能
の強化を軸とした情報の共有化 、多様化する事業の状況把握とその連携を図ることにより、経営課題の発見と環境変化への
速やかな対応が可能となり、ひいては当社グルー プのさらなる成長につながるも のと考えています 。
体制の概要
締役会は、社外取締役2名を含む7名で構成
を確保するため 、代表取締役4名で構成さ
当社は、監査役制度を採用しており、社外監
し、原則として毎月1回開催し、当社及びグ
れる常務会を原則として毎週1回開催し、当
査役2名を含む4名からなる監査役会が、取
ループ各社の重要事項を決定しています。
社及びグループ各社の重要な経営課題の
締役の職務執行の監査を行っています。取
また、グループ経営における統制と機動性
審議を行っています。
会社の機関・内部統制の関係図
会計監査人
投資判断の意見・報告
取締役会
意見、報告
制作物の倫理的判断の報告
常務会
役員報酬の妥当性の検証
デジタル戦略室
社長室
Bpr 推進室
nBp 推進室
経営情報
管理本部
経営戦略
本部
投資検討委員会
倫理委員会
報酬委員会
報告
代表取締役社長 Ceo
総務人事
本部
監査役会
事業管理
本部
モニタリング
アーティスト
開発育成統括部
グル ー プ内 部 監 査 室
ヘルプライン
諮問
職務執行の監査
綿 密な連 携
会計監査
コンプライアンス
委員会(委員 長)
指示
報告
コンプライアンス
担当取締役
指示
報告
コンプライアンス委員会
事務局
通報
株主総会
報告
グルー プ各子会社
コンプライアンス委員会
社外取締役及び社外監査役を含む
メンバー で構成され、当社の重要
なコンプライアンス上の問題を審
議するほか 、内部通報制度により
通報された事案を確認し、改善を
図ります。
22
Avex Group Holdings Inc.
投資検討委員会
経営情報管理本部長ほか、主に各本
部長をメンバーとして構成され、当
社及びグループ子会社における投資
上 の 有 効 性・健 全 性を確 保するた
め、投資判断の是非を客観的に検討
するほか、投資実行後の状況及び効
果検証を行います。
倫理委員会
常務会メンバー で構成され、当社グ
ループが取り扱う音楽・映像コンテ
ンツなどにおける表現や描写に関し
て、倫理上の疑義や問題が生じた場
合に審議を行い 、対応方針を検討し
ます。
報酬委員会
社外取締役を中心に構成され、役
員報酬の妥当性を客観的な見地か
ら検証します。
Operational Review
さらに当社及びグループ各社の事業活動
Management Organization
Facts & Figures
整備しています。
どをモニタリングするとともに、事業判断
の適正性を確保するため、グループ内部監
また 、情報セキュリティ強化を目的にグ
査室が業務監査などのモニタリングを行う
ループ内システムの脆弱性の検証テストを
ほか 、経営管理スタッフをグループ各社に
実施し、情報漏洩等の軽減を図ったほか 、
れる取締役会及び監査役会に出席し、当社
配し、事業活動の状況などを適宜モニタリ
個人情報管理体制の整備を一層推し進める
及びグループ子会社の取締役の業務執行
ングし、当社グループとしてのコーポレー
ため 、全従業員を対象とした個人情報研修
の状況を確認するほか、グループ内部監査
ト・ガバナンス体制の維持・向上を図ってい
の実施やグループ内の個人情報管理体制
室による内部監査の状況、会計監査人によ
ます。
の見直しを実施しました。
る会計監査報告の内容、内部統制システム
上、必要とする助言や意見交換を行います。
社外監査役は、原則として毎月1回開催さ
なお、当社グループでは事業経営におけ
当社グループのリスク管理状況について
の構築状況などを確認し、必要に応じてそ
る有効性と健全性を確保するため 、各機関
は 、グループ内部監査室が監査を行い 、そ
れぞれの関係部門と連携をとり、業務の適
を設置しています。
の結果は 、代表取締役社長CEO及び監査
正化を図っています。
役に報告される体制となっており、また課
なお 、当社は 、会社法第427 条第1項に
内部統制について
題が散見された場合には関係部門と連携し
基づき、社外取締役及び社外監査役との間
当社グループは 、財務報告の信頼性の確
て解決を図るなど、リスク管理体制が形骸
において、会社法第423条第1項の損害賠
保、業務の有効性・効率性の向上を図るた
化しないよう、その維持と向上を図ってい
償責任を限定する契約を締結しています。
め、内部統制システムを整備・構築していま
ます。
当該契約に基づく損害賠償責任限度額は 、
す。また 、
「 内部統制基本方針」
に基づき、
会社法第425条第1項に定める最低責任限
毎期、内部統制の整備・構築状況を確認す
社外取締役及び社外監査役
度額を限度としています。なお当該責任限
るほか、当社グループの企業倫理の根幹と
当社には、社外取締役2名と社外監査役2名
定が認められるのは、当該社外取締役及び
なる
「コンプライアンス・ポリシー 」
を制定
の計4名の社外役員が在籍しています。当
社外監査役の責に起因した職務について 、
し、役員及び従業員に対する法令遵守の徹
社の経営及びコーポレート・ガバナンス体
善意かつ重大な過失がない時に限られま
底の啓蒙を行うなど、内部統制システムの
制の強化を図るため、当該社外役員の選任
す。また 、社外取締役及び社外監査役は 、
維持・向上を図っています。さらに、内部通
については 、経験や見識などを考慮し選任
当社並びに他の取締役及び監査役との資本
報制度を設け、通報窓口(ヘルプライン)に、
しています。現社外役員においては、公認
的関係、人的関係などの利害関係はありま
社外弁護士のほか産業カウンセラーを配す
会計士資格または弁護士資格など、職務の
せん。
るなど、社内の法令違反や不正行為、倫理
遂行において相当の専門的知見を有してい
違反などの防止に引き続き努めています。
る者も配しており、当社の経営及びコーポ
リスク管理体制については、リスク管理規
程を整備し、リスク管理責任部門を定め、当
レート・ガバナンス体制のさらなる向上が図
られていると考えています。
社グループ全体のリスクを網羅的かつ総括
社外取締役は、原則として毎月1回開催さ
的に管理する担当取締役を任命し、体制を
れる当社取締役会に出席し、経営の状況な
2012 Investors’ Guide
23
Management Message
役員の報酬等について
Growth Strategies
役員の報酬について( 2012 年 3 月期)
当社は、社外取締役を委員長とし、ほかに社
外部の客観的な視点を取り入れた、より透明
性の高い役員報酬制度を採用しています。
役員報酬は、基本報酬及び毎期の連結当
基本報酬
取締役
(社外取締役を除く)
1,004
598
25
380
5
監査役
(社外監査役を除く)
39
36
—
3
2
社外役員
19
19
—
—
4
期純利益に応じて支給される利益連動給与
に加えて 、各取締役(非常勤取締役及び社
会計監査の状況
外取締役を除く)
が中期的な視野をもって、
会計監査は 、当社と有限責任監査法人トー
業績や株価をより強く意識した経営を動機
マツとの間で 、会社法及び金融商品取引法
付ける株式報酬型ストックオプションで構成
に基づく監査を行うことについて監査契約
されています。
を締結しています。
社外取締役からのコメント
昨今、上場企業はコーポレート・ガバナンスのより一層の充実強化を求められて
おり、社外取締役は、この要請を実行するための重要な役割を担っています。
エイベックス・グループでは 、コンプライアンス体制の維持・向上はもとよ
り、モニタリング機能の強化を軸とした情報の共有化を図っており、多様化す
る事業の状況把握とその連携を図ることにより、経営課題の発見と環境変化へ
の速やかな対応が可能となっています。
私たちは 、一般株主との間に利益相反が生じる恐れのない独立役
員として 、それぞれが持つ専門的な経験・知見を活かしながら、ま
た外部の客観的な視点から、取締役会の意思決定の妥当性・適正
性を確保することで、エイベックス・グループの健全な発展に貢献
したいと考えています。
左から
佐藤 裕一
社外取締役、報酬委員長
公認会計士
24
Avex Group Holdings Inc.
遠山 友寛
対象となる
役員の人数
(名)
ストック
オプション
役員区分
名により構成される
「報酬委員会」
を設置し、
報酬等の種類別の総額
(百万円)
報酬等の総額
(百万円)
外取締役1名及び当社代表取締役CFOの3
社外取締役、コンプライアンス委員、報酬委員
弁護士
賞与
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
役員紹介
松浦 勝人 |代表取締役社長CEO|
1988年4月
1991年3月
2004年9月
2005年4月
2009年1月
2010年4月
当社設立、取締役
当社専務取締役
当社代表取締役社長
エイベックス・エンタテインメント
(株)
代表取締役社長
(現任)
エイベックス・マネジメント
(株)
代表取締役社長
(現任)
当社代表取締役社長CEO(現任)
千葉 龍平 |代表取締役CSO|
ホワイト・アトラス※1 入社、代表取締役社長
1995年7月 (株)
2004年9月 当社代表取締役副社長
(株)
代表取締役副社長
(現任)
2005年4月 エイベックス・エンタテインメント
(株)
代表取締役副社長
(現任)
2009年1月 エイベックス・マネジメント
代表取締役社長
(現任)
2009年4月 エイベックス通信放送(株)
2010年4月 当社代表取締役CSO(現任)
竹内 成和 |代表取締役CFO|
ソニー・ミュージックエンタテインメント
2000年6月 (株)
コーポレイト・エグゼクティブ
エスエムイー・ビジュアルワークス※2 代表取締役
2002年10月(株)
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント代表取締役会長
2006年6月 (株)
2009年10月 当社入社、当社上席執行役員
2010年4月 当社上席執行役員CFO、コンプライアンス委員長(現任)
2010年6月 当社代表取締役CFO、リスク管理担当(現任)
2011年5月 当社報酬委員(現任)
林 真司 |代表取締役CBO|
1990年5月
1993年4月
1996年6月
2005年4月
当社入社
当社取締役
当社常務取締役
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
(株)※3
代表取締役社長
2010年4月 当社代表取締役CBO、コンプライアンス担当(現任)
エイベックス・マーケティング
(株)
代表取締役社長
(現任)
見城 徹 |取締役(非常勤)
|
幻冬舎設立、代表取締役社長
(現任)
1993年11月(株)
最高顧問
(現任)
2009年5月 エイベックス通信放送(株)
幻冬舎社長執行役員
(現任)
2009年6月 (株)
2010年6月 当社取締役(現任)
※1 現:エイベックス・プランニング&デベロップメント
(株)
※2 現:
(株)
アニプレックス
※3 現:エイベックス・マーケティング
(株)
※4 現:有限責任監査法人トーマツ
★
遠山 友寛 |取締役(社外)
|弁護士
1990年10月 TMI総合法律事務所開設、パートナー(現任)
日本色材工業研究所社外監査役
(現任)
1999年11月(株)
2010年6月 当社取締役、コンプライアンス委員(現任)
そーせいグループ
(株)
社外取締役
(現任)
2011年5月 当社報酬委員(現任)
★
佐藤 裕一 |取締役(社外)
|公認会計士
1988年6月 中央監査法人代表社員
(株)
入社
2000年3月 中央コンサルティング
2006年11月 公認会計士佐藤裕一事務所開所(現任)
シモジマ社外監査役
(現任)
2010年6月 (株)
当社取締役
(現任)
2011年5月 当社報酬委員長(現任)
岩田 眞吉 |監査役(常勤)
|
1993年4月
1995年3月
2002年6月
2005年6月
当社入社
当社取締役
※3
エイベックス ネットワーク
(株)
代表取締役社長
当社監査役
(現任)
野村 健二 |監査役(常勤)
|
ハウディ インターナショル※3 入社、専務取締役
1999年6月 (株)
ハウディ インターナショル※3 代表取締役社長
2002年6月 (株)
2005年6月 当社監査役(現任)
★
勝島 敏明 |監査役(社外)
|公認会計士 税理士
1990年2月 監査法人トーマツ※4 代表社員
2003年10月 公認会計士・税理士勝島敏明事務所開所、所長(現任)
2006年6月 当社監査役(現任)
スカパーJSATホールディングス社外監査役
(現任)
2007年4月 (株)
2007年6月 当社コンプライアンス委員(現任)
かんぽ生命保険社外取締役
(現任)
2007年9月 (株)
★
玉木 昭宏 |監査役(社外)
|米国公認会計士
エッセンティア社外監査役
(現任)
2005年4月 (株)
サイファ設立、代表取締役
(現任)
2006年6月 (株)
2008年6月 当社監査役(現任)
(株)
社外取締役
(現任)
2010年6月 SBIホールディングス
★ 東京証券取引所が一般株主保護のため確保することを義務づけている独立役員
2012 Investors’ Guide
25
Management Message
Growth Strategies
マー ケットデー タ
有
エンタテインメントを取り巻く業界環境は、大きな転換期を迎えようとしています 。
わが国の音楽配信市場は、
「 着うた」
「 着うたフル」といったフィー チャーフォン向
料
音
楽
配
信
売
けのサービスを中心に、世界でも珍しい発展を遂げてきました 。しかし、近年に
おいてはスマートフォンの急速な普及拡大により、ユー ザー のエンタテインメン
トへ の接し方は大きく変化しています 。
一方 、デジタルの対極とも言えるライヴ・エンタテインメントの市場は年々拡大
しており、コンテンツという
「デー タ」単体ではない+αが求められていることが
分かります 。
DOWN
20
11
17.
8
上
年
実
績
4月
〜
12
月
一
般
社
団
法
人
日
本レ
コ
ード
協
%
会
音楽ソフトの生
産金額
DOWN
2011 年4 月〜
26
Avex Group Holdings Inc.
1.2
2012 年3 月 %
一般社団法人 日本
レコード協会調べ
調
べ
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
7
.
4
2
%
サ
ン
コ
売
ト
ー
上
金
額
UP 一
11
20
ビデオソフト全体の売上金額
DOWN
年
4
〜
月
12
月
邦画
1.0
%
2011 年4月〜2012年3月 一般社団法
ー
ズ
法
団
社
般
サ
ン
コ
人
モ
ロ
プ
ト
ー
ー
タ
べ
調
会
協
人 日本映像ソフト協会調べ
洋画
合計
の興
DOWN
20
11
年4
13.
7
行収
月〜
2
01
入
2年
3月
一
般社
団法
人
日本
映
画製
作者
%
連盟
調べ
2012 Investors’ Guide
27
Management Message
Growth Strategies
主要事業デー タ
デジタルの分野において、違法配信の問題やユー ザー の音
楽に対する楽しみ方が著しく変化していることなどにより、
音楽パッケー ジ年間売上枚数 *( 万枚)
特に有料音楽配信市場は厳しい状況となりました 。しかし
ながら、今後はスマートフォンの急速な普及により、モバイ
ル・インター ネットを中心にエンタテインメントに対する新
しい楽しみ方やコンテンツ需要が喚起されることが期待さ
れます 。
また 、デジタルの対極に位置づけられるライヴの分野にお
いては 、同じ時間と空間を共有することに対するユー ザー
の ニー ズが依然として高まっていることが推測されます 。
2010/3
1,542
2011/3
1,301
2012/3
1,730
2012 年3 月期は、新人・移籍アーティストの増加やアルバム
作品が充実したことなどにより、売上枚数、売上高ともに増
加しました。
*新譜のみの数値
音楽配信ダウンロード数(万ダウンロード)
2010/3
9,017
2011/3
8,387
mu-mo 会員数(万人)
2012/3
6,463
2012 年3 月期は、pC 配信におけるダウンロード数は増えた
ものの、スマートフォンの普及により、
「着うた」
「 着うたフル」
のダウンロード数が大幅に減少しました。
28
Avex Group Holdings Inc.
2010/3
130
2011/3
108
2012/3
72
音楽配信同様、スマートフォンの普及拡大により、音楽系コン
テンツ配信サイトmu-mo の会員数も減少傾向にあります。
Operational Review
Management Organization
動画配信サービス会員数(万人)
2010/3
107
2011/3
154
Facts & Figures
ファンクラブ会員数(万人)
2012/3
243
既存の「 BeetV 」に加えて 2011 年 11 月より
「 ViDeo スト
ア」を開始し、動画配信会員数は好調に推移しています。
ライヴ動員数(万人)
2010/3
94
2011/3
101
2012/3
83
2012 年 3 月期は一部ファンクラブを有料から無料に転換し
たため有料会員数が減少しましたが、複数の新規ファンクラ
ブの立ち上げにより会員数は再び拡大する見込みです。
主要事業
Arpu の推移(円)
コンサートチケット代金 平均単価
7,852
7,601
8,375
音楽CDアルバム 平均単価
2,194
2010/3
124
2011/3
118
2012/3
139
2012 年 3 月期は、大規模なツアー が実施されたことや外部
所属のアーティストの公演が増加したことなどにより、動員
数が増加しました。
動画配信 平均単価
2,108
300
300
2010/3
2011/3
2,470
315
2012/3
当社では、エンタテインメント・コンテンツは嗜好性が強い商
品・サービスであるため、単純に価格を下げることで販売数量
が向上するとは考えていません。むしろ付加価値を商品・サー
ビスに与えることで、高単価であってもユーザー には歓迎さ
れると考えており、その結果、Arpu は上昇傾向にあります。
2012 Investors’ Guide
29
Management Message
Growth Strategies
連結財務サマリー
エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社及び連結子会社
3月31日に終了した会計年度
2002
会計年度:
売上高
営業利益
当期純利益( 損失)
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
2003
2004
2005
82,455
9,797
4,443
7,428
(23,969)
(16,541)
13,251
80,983
7,154
3,118
4,629
(570)
4,059
(8,932)
73,896
7,015
3,648
4,813
(1,027)
3,786
(4,769)
75,418
4,269
836
5,867
653
6,520
(4,745)
9,510
34,101
73,530
32,520
23,914
16,500
4,556
30,876
64,723
27,080
21,745
13,500
3,539
32,713
62,956
26,127
21,060
10,500
5,357
30,076
64,981
29,141
28,744
9,501
141.40
738.83
63.00
63.49
693.89
35.00
76.95
735.28
40.00
10.22
691.34
40.00
11.9
5.4
13.5
6.7
136.0
46.4
0.5
8.8
3.9
9.6
4.5
124.5
47.7
0.4
9.5
4.9
11.5
5.7
124.1
52.0
0.3
5.7
1.1
2.7
1.3
101.4
46.3
0.3
会計年度末:
現金及び現金同等物の期末残高
純資産
総資産
流動資産
流動負債
有利子負債
:
1 株当たりデー タ(円)
当期純利益( 損失)
純資産
配当金
主要指標( %)
:
売上高営業利益率
売上高当期純利益( 損失 ) 率
ROE
ROA
流動比率
自己資本比率
D/Eレシオ( 倍)
売上高
営業利益/売上高営業利益率
(百万円)
(百万円)
120,000
12,000
90,000
(%)
12
9,000
9
60,000
6,000
6
30,000
3,000
3
0
08
09
10
11
12
0
08
09
営業利益
(左軸)
売上高営業利益率
(右軸)
30
Avex Group Holdings Inc.
10
11
12
0
当期純利益(損失)/
売上高当期純利益(損失)率
(百万円)
(%)
6,000
6
5,000
5
4,000
4
3,000
3
2,000
2
1,000
1
0
0
–1,000
–1
08
09
10
当期純利益
(損失)
(左軸)
売上高当期純利益
(損失)
率
(右軸)
11
12
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
(百万円)
2006
2007
2008
2011
2010
2012
89,783
8,650
4,478
3,450
(11,644)
(8,194)
8,275
101,626
8,691
3,063
1,210
(18,156)
(16,946)
17,929
104,639
8,510
909
7,293
(980)
6,313
(2,552)
117,819
6,480
(905)
1,718
(3,508)
(1,790)
5,067
118,142
5,566
975
9,093
(2,572)
6,521
(9,982)
111,561
11,343
5,308
11,335
(2,422)
8,913
(7,541)
121,027
12,263
4,934
13,171
(2,403)
10,768
(7,370)
5,486
33,446
83,826
37,521
42,232
19,500
6,371
33,699
105,894
45,069
57,543
39,000
10,093
32,812
102,124
45,819
40,117
38,175
13,166
29,760
107,013
52,748
42,089
45,069
9,717
30,266
94,593
39,999
33,095
34,813
11,039
33,547
93,315
40,377
35,977
29,053
14,422
36,932
99,258
49,271
51,466
23,698
93.79
768.32
40.00
71.33
772.31
40.00
21.17
751.05
40.00
(21.09)
684.89
40.00
22.72
668.82
40.00
123.60
747.13
40.00
115.06
821.97
40.00
9.6
5.0
14.1
6.0
88.8
39.9
0.6
8.6
3.0
9.2
3.2
78.3
31.3
1.2
8.1
0.9
2.8
0.9
114.2
31.6
1.2
5.5
(0.8)
(2.9)
(0.8)
125.3
27.5
1.5
4.7
0.8
3.4
1.0
120.9
30.4
1.2
10.2
4.8
17.5
5.6
112.2
34.4
0.9
10.1
4.1
14.7
5.0
95.7
35.4
0.6
純資産/ roe
総資産/ ro A
(百万円)
(%)
40,000
20
30,000
15
20,000
10
10,000
5
0
0
–10,000
2009
08
純資産
(左軸)
ROE
(右軸)
09
10
11
12
–5
自己資本比率/ D / e レシオ
(百万円)
(%)
(%)
(倍)
120,000
6
40.0
2.0
80,000
4
30.0
1.5
40,000
2
20.0
1.0
0
0
10.0
0.5
–40,000
08
総資産
(左軸)
ROA
(右軸)
09
10
11
12
–2
0
08
09
10
11
12
0
自己資本比率
(左軸)
D/Eレシオ
(右軸)
2012 Investors’ Guide
31
Management Message
Growth Strategies
リスク情報
本インベスターズ・ガイドに記載した事業の状況、
④資金調達について
経理の状況などに関する事項のうち、投資家の判
当社グループは 、投資有価証券及び不動産の取
断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、
得資金並びに映像事業の投資資金を主として金
以下のようなものがあります。
融機関からの借入金及び社債により調達している
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在
において当社グループ(当社及び連結子会社)が
判断したものです。
ため、現行の金利水準が変動した場合には当社グ
ループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付加さ
れており、この条項に抵触した場合には借入利率
① 主要作品及びアー ティスト・タレントの
動向について
ヒットアーティストやヒットコンテンツの有無、主
の上昇や期限の利益を喪失するなど、当社グルー
プの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能
性があります。
要アーティスト・タレントの人気、契約の継続、新
人アーティスト・タレントの成長が 、当社グルー
⑤新規事業について
プの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、エンタテインメント・ビジネスに
②海外市場へ の事業展開について
に新規事業に取り組んでいますが、その遂行過程
当社グループは東アジアにおいても展開してお
において、事業環境の急激な変化や、事後的に顕
り、諸外国において、政治的・経済的要因、法律・
在化する予測困難な問題などによりリスクが発生
規則要因、不利な租税要因、テロ・戦争などの社
する可能性は否定できず、当社グループの業績に
会的混乱による予期し得ない事由が発生した場合
影響を及ぼす可能性があります。
おける地位を確固としたものとするため、積極的
には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性
があります。
⑥特定経営者へ の依存について
当社創業メンバーであり代表取締役社長CEOで
32
Avex Group Holdings Inc.
③減損損失について
ある松浦勝人は、当社グループ経営戦略の立案・
当社グループが保有している資産の時価が著し
決定や、重要な取引先及び所属アーティストとの
く下落した場合や事業の収益性が悪化した場合に
契約における中枢として重要な役割を果たしてい
は、減損会計の適用により固定資産について減損
ます。何らかの理由で同氏がグループから離脱し
損失が発生し、業績及び財務状況に影響を与える
た場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可
可能性があります。
能性があります。
Operational Review
Management Organization
Facts & Figures
会社概要と株式デー タ(2012 年3 月31 日現在)
会社概要
会社名: エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社
設立:
1988年4月11日
資本金: 42億2,960万円
従業員数:207名
(グループ従業員数 1,385名)
本社:
〒107-8577 東京都港区南青山3-1-30
URL:
http://www.avex.co.jp/
電話番号:
(03)5413-8550
(代表)
株式情報
発行済株式総数:
46,157,810株
証券コード:
7860
定時株主総会:
毎年6月
上場金融商品取引所:東京証券取引所 市場第1部
一単元の株式数:
株主名簿管理人:
大株主(上位10 名)
100株
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
〒137-8081 東京都江東区東砂7-10-11
持株数
(株)
持株比率
(%)
(有)
マックス2000
2,050,000
4.79
(有)
ティーズ・キャピタル
2,050,000
4.79
日本マスタートラスト信託銀行
(株)
(信託口)
2,035,600
4.76
ビービーエイチルクス フィデリティ ファンズ ジャパン アドバンテージ
1,604,400
3.75
日本トラスティ・サービス信託銀行
(株)
(信託口)
1,472,900
3.44
松浦 勝人
1,357,924
3.17
小林 敏雄
1,357,818
3.17
資産管理サービス信託銀行
(株)
(証券投資信託口)
1,008,900
2.36
(株)
第一興商
920,000
2.15
千葉 龍平
787,250
1.84
注:1上記以外に当社保有の自己株式3,364,398株があります。
2(有)
マックス2000は当社代表取締役社長CEO松浦勝人が代表取締役を務めています。
3持株比率は、自己株式を控除して計算しています。
株式分布状況
■自己名義
3,364,398株
■金融機関
9,867,984株
7.29%
21.38%
合計
46,157,810株
■個人等
21,149,428株
45.82%
■金融商品取引業者
576,629株
1.25%
■その他法人
(国内)
5,432,774株
11.77%
■外国法人等
5,766,597株
IR情報は、当社ウェブサイトでも開示しています。
(http://www.avex.co.jp/ir/)
12.49%
2012 Investors’ Guide
33
エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社
〒107-8577 東京都港区南青山 3-1-30
url http://www.avex.co.jp/
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